なる「目が覚めたらちゃんなぎが本当にお嫁さんだった」 (23)


・イロドリミドリのSS
・ラジオドラマ2話に可能性を感じすぎた結果こうなった
・見切り発車感満載でお送りします

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コケコッコー!
チュンチュン……

凪「起きて、なるちゃん」ユサユサ

なる「んぅ?ちゃんなぎー……?」

凪「うん、朝だよ、なるちゃん」

なる「あれ……何であたしの家にちゃんなぎがいるんだ……?」ポケー

凪「もう、なるちゃん……忘れたの?」プクーッ

なる「えっと、もしかして昨日お泊まりとか、した?」

凪「……あんなことも私にしたのに忘れちゃったの……?」

なる「いや、そんなバカな……ねぇ、なぎ、その……今、どういう状況?」

凪「なるちゃんは忘れんぼさんだね」フフッ


凪「私となるちゃん、ついこの前に婚約したばっかりだよ」キランッ

なる「……へ?その指輪は、もしかして?」キョトン

凪「うん、なるちゃんのお給料三か月分の……婚約指輪」

なる「あぁ、なるほど!これは夢だな!」グイーッ

なる「痛っ!ほっぺた痛っ!」

凪「ふふ、いつもなるちゃんは恥ずかしがり屋さんだもんね」

なる「えっ……ってことはあたしはなぎと愛の平方完成しちゃったってことか……?」

凪「何だかすっごく懐かしいね、なるちゃん、高校生の頃に戻っちゃったみたい」

なる「今のあたしは高校生っていうか……その」グゥー

凪「お腹が先になっちゃったね、朝ごはん出来てるから食べる?」

なる「う、うん、頂く」トコトコ

凪「リビングで待ってるからね」


◇◇◇◇◇◇

なる(……何でこうなったんだっけ)モグモグ

凪「どうしたの?お口に合わなかった?」

なる「いや……なぎ、料理上手になったなって……」

なる(そう、あたしの知ってるちゃんなぎはお弁当に謎のおかずを入れたりするはずなのに……)パクパク

なる(今あたしの前に並んでいるのはTHE・日本って感じの和食)モグモグ

凪「えへへ、そうかな。だってなるちゃんに美味しいって言ってもらいたくて、私頑張ったんだよ」

なる(うおおぅ……見事なまでに恋する乙女だ……脈ありどころじゃないね)

凪「あ、なるちゃん……今聞くのもおかしいけど、夕飯は洋食でいい?」

なる「うん、何でも大丈夫って感じ!」

凪「分かりました、旦那様♪」ニコッ


なる(か、かわいい……)

凪「じゃあ今日は久しぶりに一緒にお買い物、行かない……?」

なる「行く行くっ、なぎとお買い物とか久々だから色々買いたいし!」

凪「じゃあ、タイムセールが終わっちゃう前に行こう?」トコトコ

なる「あっ、ちゃんなぎ~着替えるから待ってくれよ~」

凪「大丈夫ですよ~、奥さんは旦那さんのことをちゃんと待ってますよ~」フリフリ

なる(かわいすぎる……)ポケー

凪「……でもあんまり待たせないでね?」

なる「う、うん。ぱぱって着替える!」ドタドタ

凪「走ったら危ないよ」


◇◇◇◇◇◇

トコトコ……

凪「ついたよ、なるちゃん」

なる「こんなところにスーパーなんかあったっけ?」

凪「最近出来たんだよ。なるちゃん、お買い物とかあんまりついてこないから知らないかも……」

なる「うんっ、ぜんっぜん知らなかった!」ドヤッ

凪「ドヤ顔できることじゃないけど……今日は二人でお買い物デートだね」ニッコリ

なる「そ、そうだなっ」

なる(だからそういうの可愛過ぎるんだよ……なぎは無自覚すぎる……)

凪「……何だか変な感じのなるちゃん。とりあえず行こう」スッ

なる「お、おおおう!?」カァァァ

ウィーン
イラッシャイマセー!

凪「どうしたの?」

なる「いや、て、てて、ててて……手が……」カオマッカ

凪「手なんていつも繋いでるのに、今日はホントになるちゃんが変になっちゃったね」

なる「そうなのか!?あたしいつもそんなことしてたのか!?」

凪「……付き合ってすぐに『あたしはなぎがいないと死ぬから一生くっついてる~』って言ったでしょ」

なる「言ったっけ……?」

凪「……なるちゃんなんて知らない」ダダッ!!

なる「あっ、ちょっ、なぎー、あたしが悪かったからお店で走るのはやめてくれー!」ダッ!

………

……



ウィーン
アリガトウゴザイマシター!

凪「はぁ……はぁ、なるちゃん、疲れたよ」

なる「あたしだって追いかけっこはしたくないよ、いや、あたしが悪いんだけど……ふぅ」

凪「私達、何してるんだろうね……」

なる「ホントおっしゃる通りって感じだ……涼しいお店の中で汗かいてるとか」ハァハァ

凪「……ごめんね、なるちゃん。私が意地張っちゃったから」ペコリ

なる「いやっ、それに関してはあたしも悪いしお互い様……だよ」

凪「そうだね。じゃあ、仲直りの記念に手、繋ごう?」

なる「な、なぁ……ホントに繋がないとダメか?」

凪「それ、私を頑張って捕まえた旦那さんが言うセリフ?」フフッ

なる「だって、どこで誰が見てるか……」

凪「……もう、なるちゃんは人前ではホント恥ずかしがり屋さんだね。少しくらいなら大丈夫だよ」ギュッ


なる「そう、かな……何か、なぎ変わったな」

凪「何のことか分からないけど、そう思うならきっとそれはなるちゃんのおかげだと思うな」ニコッ

凪「なるちゃんとお付き合いし始めてから、私は随分変われたから」

なる「そっか……改めて聞くと嬉しいな、そういうの」エヘヘ

凪「さっ、帰ろう。ごはんの準備もあるし……ね?」

なる「そうだなっ、ちゃんなぎの手料理ー!待ってろー!」ダダッ!

凪「わわっ……!手繋いでるのにいきなり走りださないで……」

◇◇◇◇◇◇

トントントン……
ジューッ……

なる(どうもー、イロドリミドリでベースやってる……はずの箱部なるでーす)

なる(あたしは今、いつの間にか婚約していたお嫁さんこと、ちゃんなぎの手料理が完成するのを待っていますー



なる(それにしてもちゃんなぎのエプロン姿可愛過ぎですねー、はいー)ポワー


凪「……どうしたの、なるちゃん。じっと見て」

なる「う、ううん、何でもないぞ?ちょーっと、なぎがかわいいなぁーって思っただけ」

凪「っ……な、なるちゃ、そんなのいきなり……うぅ……」クルッ

なる「うおおっ、ちゃんなぎっ、包丁あぶなっ!」

凪「あっ、ご、ごめんね……大丈夫?」

なる「大丈夫だけどさー、あたしは一人しかいないからなー?」

凪「そうだね……なるちゃんは一人だけ……だもんね」

なる(なん、だろう……一瞬なぎの顔が暗くなったような、気のせいかな)グゥゥ


なる「というかあたしお腹ぺこぺこだ」

凪「なるちゃんのそういうところ、好きだよ。もうすぐ出来るから待っててね」ジュッジュッ

凪「あ、お皿だけ準備しておいてくれると嬉しいな」

なる「んー、了解!」タッタッタ

………

……



なる「ふぃー!おいしかったー!」ケフ

凪「そう言ってもらえると、作った甲斐があります、えへへ」

なる「うんうん、ちゃんなぎのごはんは最高だー!」

凪「な、なるちゃん……あんまり大きい声で叫ぶと、その……近所迷惑だよ?」

なる「そっか。確かに夜だもんね……なぎの言う通りだ」ウンウン

なる「……というか、お腹一杯になったら眠くなってきた」ファァ

凪「でも、お風呂入らないとダメですよー?」

なる「もうダメだー、ちゃんなぎー、一緒に入ってくれー」ゴロゴロ

なる「あたしはなぎが居ないと生きてけないんだー」バタバタ


凪「はいはい、一緒に入るのはいつもだから──あんまり気にしてないよ」

なる「へっ……そうなの?」

凪「毎日入ってたでしょ?」

なる「……あたし、随分吹っ切れてたんだな……でも、大丈夫なのか?」キョトン

凪「何が……?」

なる「いや、お風呂とか窮屈じゃないかなって」

凪「二人で入ること前提で大きいお風呂の家にする!って言ったのなるちゃんだったんだけど」

なる「そうだっけ……ごめん、何か今日ボケてるみたいだ」

凪「いつもどおりじゃないかな……?」

なる「ひどっ!ちゃんなぎひどっ!」ガーン

凪「ごめんね、でも早く入らないと日付変わっちゃうから……」

凪「ほら、行こう?」スッ

なる「おー……」

なる(何か、本当になぎ……かわいくなったし色々変わったなぁ)

凪「なるちゃん?」

なる「あっ、ごめんごめんっ!今行くー!」

◇◇◇◇◇◇

カポーン……

なる「いや、これは広すぎるでしょ……」ポカーン

凪「ホントにね。二人だけなのに」

なる「水平線が見えるぞー……」

凪「それは言いすぎだけど──本当に広いところにしたよね」

凪「でも奮発した分、お風呂は落ち着くから」

なる「うんうん、心の洗濯ってやつだからなー、落ち着くよなー」チャポン

なる「んー、あったけ~」


凪「あ、身体洗う前に湯船につかるのはダメだって約束したのに」

なる「えっ」ザバッ

凪「……うん。出てこようとするのは嬉しいけど前だけは隠してほしい、かな」

なる「女の子同士だから大丈夫だろー?」

凪「そ、そうじゃなくて……私が恥ずかしいというか、その、我慢が」プシュー

なる「ちゃんなぎー!倒れるなー!」

なる「なぎー!」ペチンペチン

………

……



なる「なぎー……」

なる「ホントに大丈夫かー……?」パタパタ

凪「うん……こんな風にのぼせちゃうのはたまにあるから……」

凪「大丈夫だから、おふとん……行こう?」ギュッ

なる「そうするかー……何か色々ありすぎて、眠いし……」トコトコ

凪「じゃあ、電気、消すね」

なる「おっけー」

パチンッ


凪「……ねぇ、なるちゃん」

なる「んー、どした?」

凪「あんまり言えないけど……きっと、思いは届くはずだよ」

凪「伝えた分はきっと無駄にならないって今の私が約束するから」ニッコリ

なる「──ふむふむふむ。分かった。なぎの気持ち、ちゃんと受け取ったよ」

凪「ふふ、それなら嬉しいや……ふあぁ」

なる「だいぶ眠いし寝るとしますか……」

凪「うん……おやすみ、なるちゃん」ギュッ

なる「おやすみー……」


………

……


オキテー?
ナルチャーン……!

なる「ふぇっ!?」ガタッ

なる「あれ、ここは、あたし達の家……じゃない?」キョトン

凪「あぁ、やっと起きた……帰ろう、なるちゃん」

なる「ちゃんなぎ……あれ、ちっちゃい」

凪「テスト前にどれだけ起こしてもお昼寝してて、起きてそれって……なるちゃん、随分寝ぼけてるんだね」

なる「いや、うん。すごい夢を見てて……」フアー


凪「どんな壮大な夢だったか分からないけど、早く帰らないと完全下校時刻になっちゃう」

なる「うおっ、マジだ!急がないと……ってその前に1つだけいい?」

凪「どうしたの、なるちゃん?」

なる「あのな、あたしは、冗談とかそんなんじゃなくて……」

なる「なぎのことが大好きで、だからっ」




──あたしと、付き合ってくれっ!!


以上です、ありがとうございました。
イロドリミドリ、先日緒形アリシアナちゃんの新曲がチュウニズムに入ったので是非どうぞ。
一緒にあのHAELEQUINも入ったのでそちらも。

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