【ラブライブ!×ディズニー】希「ウチの宝物」 (21)


穂乃果「希ちゃーん!これはどこー?」

希「んーっと、そっちの段ボールにお願い」

穂乃果「オッケー!」

希「ごめんなー、わざわざ引越しの手伝い来てもらっちゃって……」

穂乃果「んーん、穂乃果も暇だったからだいじょう『Reach for the sky!』わぁ!?」

希「ん?どーしたん?」

穂乃果「い、今、この人形、しゃ、喋っ……?!」

希「……あぁ、ウッディやね」ビーッ

ウッディ『This town ain't big enough for the two of us!』

穂乃果「おー、すごーい!なんて言ってるの?」

希「『この町は俺たち2人が住むには狭すぎるぜ』ウッディはカウボーイやから、そんな感じの台詞がたくさん入ってるんよ」

穂乃果「へぇー……ん?」

ウッディの足の裏を見つめる穂乃果。

穂乃果「……A、N、D、Y……あ、あん……あんどや……」

希「アンディ。たぶん、前の持ち主の子の名前やね」

穂乃果「へぇ~……えっ?ってことは、外国人?」

希「うん。ウチな、海外にも行ったことあるんやけど、そん時に友達からもらったんや。その子はアンディやなかったけど」

穂乃果「へぇ~、だからあんなに英語ペラペラだったんだ!」

希「うん……ほんの短い間やったけど、一番最初にできた友達からもらった、ウチの宝物なんや……」ギュッ

穂乃果「……そっか、ねぇねぇ、ちょっと穂乃果にもかして!」

希「ふふ、ええよ。でも、結構古いから、壊さんようにね?」

穂乃果「うん!よーし、行くぜウッディ!」ビーッ

ウッディ『You're my favorite deputy.(あんたは俺の相棒だぜ!)』

穂乃果「あははっ!」



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成田空港

カツン、カツン

茶髪の美女「……」

男1「おい見ろよ、あの人すっげー美人」

男2「ほ、本当だ……足ほせーし胸でけーし……やっぱ外国の女はちげーや……」ゴクリッ

茶髪の美女「Excuse me?」

男1.2「ひ、ひゃい!?」ビクゥッ

茶髪の美女「What is the name of that girl?」

μ'sのポスターに映る希を指差し。

男2「へ!?え、えーっと、シーイズ……」

男1「Her name is Nozomi Tojo. She belongs to a group called μ's.」

男2「ファッ!?」

茶髪の美女「Nozomi Tojo……」


『ノゾミ・トウジョウ。やはりあの時の少女か』

『ね、私の言った通りでしょ!?もしかしたら、本当にウッディに会えるかもしれないよ、ブルズアイ!』

『ブルルルルッ』

『もしあいつが飽きられて捨てられて無ければ、の話だがな』

『あなた!そんな事言っちゃダメよ!』

『そうさ、ボニーの友達だぜ?いい子に決まっている!』

『みんな静かに、ただでさえ大所帯なんだ、気付かれないようにするのは大変なんだぞ?』

『……ようやく会えるな。保安官………』

数時間後

希「穂乃果ちゃーん、ちょっと休憩しよー?」

穂乃果「うん、わかったー!」タタタッ

ウッディ『……』

ウッディ『ふぅ、久しぶりだな。あんなに遊んでもらったのは……』

ウッディ『オブジェみたいに大切にしてもらうのもいいけど、やっぱ遊んでもらう方が、おもちゃって感じがするぜ』

ウッディ『……バズたち、今頃何してんだろーな………』

『ホームシックかい?』

ウッディ『うおっ!?なんだ、メアリーか……脅かさないでくれよ…』

メアリー(布でできた女の子のぬいぐるみ)『まるで希に大切にされるのが嫌だったみたいな言い方だね?』

ウッディ『おいおい、そんなこと言ってないだろ?ただ、俺はおもちゃだ。飾られるよりは、振り回される方が嬉しいんだよ……』

メアリー『仕方ないことだろ?希だってもう大学生になるんだ。いつまでも、子供じゃないんだよ』

ウッディ『……わかってるよ、メアリー。別に俺は今の生活に不満があるわけじゃない。俺は今希のおもちゃだ、希は本当に俺のこと大切にしてくれて、大好きだし、今となっては別に帰りたいとも思わない……一生、希の、そして出来れば、彼女の子供のおもちゃでいたいと思っている』

メアリー『……そうかい、あんたなら大丈夫さ。長いこと押入れに仕舞われてた私とは違うからね』

ウッディ『メアリー、君だって大丈夫さ。俺より長い期間……それこそ生まれた時から一緒にいるんだろ?希は物を大切にする子だ。捨てたりなんかするもんか!』

メアリー『……あぁ、そうだ、そうだね………』




『それに、ある意味嬉しい事かもしれないね!』

ウッディ『リーナ。嬉しい事って?』

リーナ(女の子のフィギュア)『だって希ってば、中学生まで私たちで遊んでたのよ?』

ウッディ『あぁ、高校になってもちょくちょく話しかけてくれたよ』

リーナ『それが今じゃ私たちにまったく相手してくれないんだもん!ちょっと寂しいけどさ、希にも友達ができたってことでしょ?』

メアリー『あぁ、そうだね。あたしたちゃお払い箱ってわけさ』

ウッディ『はぁ、メアリーそんなことないって!』

ウッディ(そうさ、希は───)




希(10歳)『はいあなた、お紅茶をどうぞ』

希(10歳)『サンキューメアリー、いつも悪いね』

希『ただいまー、お父さんお母さん!』

希『あらリーナ、おかえりなさい』

希『あのね!今日学校でたくさん友達と遊んだの!』

希『サッカーしたりー、鬼ごっこしたり!たくさん……たくさん遊んだんだー!』

希『お友達と……たくっ、さん………グスッ』

希『ゥッ……ヒック………!』

──希、元気を出せ!

希『えっ……』

──あたし達がついてるよ!

──あなたを1人にはしないわ!

──そうさ相棒。お前は笑顔が一番似合うぜ!


希『っ……!?』ゴシゴシ

希『……気のせい、かな?今みんな、喋ったような……』

希『………んーん、そんなわけ、ないよね。でも……みんなありがとう。大好き』ギュッ



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