駆逐艦でわかる提督の心理 (23)

提督「大淀に貰った資料、これは……」

提督「『好きな駆逐艦であなたの深層心理がわかります』」

提督「心理テストって奴か。昔、同級生の女子がよくやっていたな……(ペラ……)」

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提督「なになに……『睦月型好きは日常系』」

提督「『大きな賞賛の声より、小さな自己満足に喜びを見出す。艦隊決戦よりもキラキラ遠征が好きで、日常に癒されて心ぴょんぴょんするタイプ』」

提督「……ふむ」

提督「言われてみれば、睦月型と一緒にいると気分が落ち着く気がするな」

提督「何が無くても、ホッとするというか……」

提督「次は吹雪型……『吹雪型好きは捨てられない系』?」

提督「『ずっと一緒にやってきた、その一言で絆されてしまう。女房と鍋釜は古い方が良い。ついつい最新鋭艦より吹雪型を贔屓してしまう提督は愛に囚われるタイプ』」

提督「……あー、いるかも。こういう奴」

提督「叢雲好きのあいつとか……」

提督「さて、次は綾波型……『綾波型好きは年上気質』」

提督「『幼くて危うげなところに、微笑ましさを感じてしまう。ちょっと肩の力を抜いてお茶でも飲まないかとか、年寄りじみたことを考えてしまう提督は、若者を温かく見守る老成タイプ』」

提督「……年上っていうか、爺じゃねぇか」

提督「綾波とお茶を飲みつつ、曙とかにお小遣いをあげる提督……?」

提督「まぁ、いないわけじゃなさそうか……?」

提督「次は暁型か……わかりやすそうだな」

提督「『暁型好きは夢見がち』……?」

提督「『平和な世界にしたい、立派な大人になりたい、いつまでも好きな人達と一緒にいたい。そんな現実と噛み合わない夢に愛しさを感じる提督は、自身も半分は夢の世界の住人。メルヘンタイプ』」

提督「……え?」

提督「なんか、予想していたのと違ったな……」

提督「普通にロリコンかと……。でも、雷に甘やかされたいとか、Bepが嫁とか言ってるやつが現実を見ているかっていうと、微妙か……」

提督「思ってたより辛辣だな、このテスト」

提督「次は初春型か……『初春型好きは我が道を行く』」

提督「『周囲から誤解され気味な子も、じっと見守って愛し続ける。周囲の評価に左右されず、自分の価値観に従う。そんな提督は一匹狼の色気を感じさせるタイプ』」

提督「子日とか若葉って、どんな性格だったっけ……」

提督「……まぁ、次だな。次次」

提督「白露型は……『白露型好きは光に誘われる系』」

提督「『艦隊戦でも日常でも存在感を発揮する、輝いている女の子に惹かれて止まない。初恋相手はクラスの中心的美少女だった。そんな提督は光に誘われる虫のように、輝く存在に本能的に引き寄せられるタイプ』」

提督「ようは美少女好きか」

提督「白露型は全体的にレベルが高いからなぁ……」

提督「耳が痛い」

提督「次は、朝潮型か……『朝潮型好きは本気』」

提督「『何処か儚げな雰囲気のある子達を守ってあげたい。幸せにするには何が必要だろうか。そんな父親じみた悩みまで抱いてしまう提督は首まで沼に嵌った本気の人』」

提督「……むしろ憲兵さんを呼ぶタイプか」

提督「そういえば朝潮型には、いつも憲兵さんがついてる気がするな……」

提督「あれは朝潮型提督の差し金か」

提督「次は陽炎型……『陽炎型好きは浮気性』?」

提督「『ずらりと並んだ駆逐艦、どれが一番好きな子か。戦闘能力か、見た目か、癒しか、その日の気分によって好きな子が変わる提督はずばり女の敵』」

提督「いや、単に陽炎型が個性豊かってだけだろ……」

提督「姉妹関係も、雪風が浜風の姉とか妙な事になってるし」

提督「一人一人に目移りするのは仕方ないと思うんだが、女の敵かぁ……」

提督「夕雲型は……『夕雲型好きは孤高の存在』」

提督「『高翌練度艦隊への勲章のような扱いを受けており、彼女らの本質を知る提督は少ない。風評すら乏しい、彼女らを純粋に愛している提督は孤高に生きる存在』」

提督「うちにも殆ど居ないなぁ、夕雲型」

提督「他鎮守府でも風雲とか、実在するのかってレベルで見かけないし」

提督「夕雲型好きの提督って存在するのか? ……まぁいい、次次」

提督「次は秋月型……『秋月型好きは駆逐艦が好き』……?」

提督「『もはやただの駆逐艦とは言えない、秋月型防空駆逐艦。猫艦載機相手に無双する彼女らをあくまで駆逐艦として愛する提督は、無意識に駆逐艦自体を愛してるタイプ』」

提督「……防空駆逐艦は駆逐艦だろう? 違うのか?」

提督「駆逐艦寮で仲間と戯れてる秋月照月にホッとするのは間違いないが……」

提督「さて、次が最後か……。島風型……あっ」

提督「島風型か……」

提督「『島風型好きは一周した人』」

提督「『空母も戦艦も使えるようになってから、主力駆逐艦として思い出す。島風好きは艦娘達のことを一周きちんと見て回った証拠。そんな提督はそろそろ脱新参タイプ』」

提督「島風に違和感が無くなれば、脱一般人か……。気を付けよう」

提督「しかし、島風のあの恰好は何なんだ?」

提督「明らかに他の駆逐艦と比べると浮いている……。本気でわからん」

提督「ふむ……」

(ガチャ)

大淀「いかがでしたか? 今後の艦隊運営の方針を決めるのに役立つかと」

提督「望月、曙、電、初霜、夕立、霞……。うちの主力駆逐艦だが……」

大淀「はい、見事にバラバラですね」

提督「序盤に来てくれた6隻だ。しいて類型するなら、俺は吹雪型か? 肝心の吹雪型は1隻もいないが」

大淀「では、主力駆逐艦の中で一番は誰でしょうか?」

提督「絞れない。武勲でいえば夕立がトップだが、全員大事な艦娘達だ」

大淀「まぁ、あくまで参考の一つということで……」

提督「そうだな……」

大淀「貴重なお時間を申し訳ありません……」

提督「いや、良い息抜きになった。たまにはどうでもいい資料も、良い物だな」

大淀「いえ、他にも軽巡、重巡、戦艦、空母別の資料もあって……。いかが致しましょう?」

提督「えっ」

大淀「ご覧になりますか?」

提督「い、いや……。また時間のあるときに目を通しておこう」

大淀「では、こちらに置いておきますね」

提督「あぁ……」

大淀「失礼いたします」(ガチャ)

提督「そんなにあるのか……」

提督「………」(ペラッ)

提督「『大淀型好きは成功者の思考』」

提督「『最初期から提督を支えてきたのは秘書官ばかりではない。特に、大淀が陰ながら果たしてきた役割は大きい。裏方で大本営との板挟みになりがちな大淀をきちんと見守っている提督は、戦場の華々しさばかりに気を取られない優秀な指揮官。近頃、艦娘として着任したことで更に存在感が増している大淀を大切にすることは艦隊勝利の鍵といっても過言ではないだろう。たまにはお休みが欲しいです』」

提督「……これ絶対、大淀が書いただろ」

提督「ハァ~……」

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