創真「薙切ってポンコツそうだよな」(66)

えりな「いきなり何よ」

創真「いや、何となくポンコツそうな気がしてさ」

えりな「いったいどこがポンコツだって言うのよ」

創真「え?それ聞くの」

えりな「・・・」

創真「そうだな~」

えりな「・・・」

創真「UNOとか弱いだろ?」

えりな「よ、弱くなんかないわよ!」

創真「新戸に負けたくせに?」

えりな「・・・」

創真「あとコーラとか飲めなそうだな」

えりな「飲めます」

創真「うぅ、炭酸がしゅわしゅわする・・・とか言いそう」

えりな「飲めるって言ってるでしょ!」

創真「飲んだら飲んだでしばらくしたらぐっぷとか言ってゲップしそう」

えりな「そんなことしません」

創真「本当かな~?」

えりな「本当です」

創真「ジンジャエールなんて飲ませたらほっぺが痛いとか言いそうだな」

えりな「だから飲めるって言ってるでしょ!」

創真「じゃあ本場ウィルキンソンジンジャエール飲んでみようか」

えりな「え、それは・・・」

創真「ほら飲めない」

えりな「・・・」

創真「ゴキブリなんか見たら放心しそうだよな」

えりな「虫ごときでするわけないでしょ」

創真「あ、ゴキブリ!」

えりな「え?うそ!どこ!どこどこどこ!」

創真「うっそ~ん」

えりな「・・・」

創真「ほら~」

えりな「で、でも放心してないわよ」

創真「顔面めがけて飛んできたらなるだろ」

えりな「ひぃっ!」

創真「・・・」

えりな「そんなこと冗談でも言わないでちょうだい!」

えりな「だいたい料理人としてゴキブリに免疫がある方がおかしいことです」

創真「そうか?」

えりな「そうです」

創真「・・・でもポンコツっぽいな~」

えりな「・・・」

創真「お使いとかしたことないだろ?」

えりな「はっ、なんでこの私がそんな雑務をしなくてはいけないのよ」

創真「お使いは出来ないどころかしないっと」メモメモ

えりな「ちょっとなに書いてるのよ」

創真「気にしない気にしない」

えりな「気にするわよ!」

創真「そうやって声を荒らげるのもポンコツっぽい一因なんだよな~」

えりな「・・・」

創真「もっとおしとやかにできないもんですかね」

えりな「・・・なによ、そんなこと言わなくてもいいじゃない」

創真「あと電車とかも乗れなそう」

えりな「乗れます」

創真「うそ」

えりな「の・れ・ま・す」

創真「じゃあスタジエの時なにで移動してた?」

えりな「・・・」

創真「ほら」

えりな「しょうがないじゃない・・・車が楽なんだから」

創真「そもそも切符も買えなそう」

えりな「・・・」

創真「買えたら買えたでホームで迷いそう」

えりな「・・・」

創真「そもそも一人で電車乗ったことあるのかよ?」

えりな「・・・・・・な」

創真「な?」

えりな「ひとりではない・・・」

創真「なにで乗ったんだ?」

えりな「・・・小学生の時修学旅行で一度だけ」

創真「・・・」

えりな「・・・なによ」

創真「いや、本当にポンコツな気がしてきて」

えりな「さっきからポンコツポンコツうるさいわね」

創真「逆に聞くが自信持って話せることあるのかよ」

えりな「あるわよ」

創真「一応行ってみ」

えりな「引っかかる言い方ね」

創真「いいから言えよ」

えりな「まず家柄が確かです」

創真「良過ぎてとっつきにくいんだよな~」

えりな「・・・」

創真「ん、どうした?」

えりな「別に・・・」

創真「もうないのか?」

えりな「素晴らしい料理の腕を持っています」

創真「それで食ってくんだから当たり前だな~」

えりな「・・・」

創真「他には?」

えりな「完璧と言わざるを得ない容姿を持ち合わせています」

創真「自分で言っちゃうからマイナスだな~」

えりな「・・・」

えりな「さっきから聞いていればずいぶんダメだししてくるわね」

創真「そりゃねえ」

えりな「・・・」

創真「あ、終わりなら戻るけど」

えりな「・・・好きになさい」

創真「独り言多そう」

えりな「独り言なんてしとことありません」

創真「月餐祭の前、授業中に俺に話しかけてたらしいけどアレって独り言って言わない?」

えりな「・・・」

えりな「らしいけどって、最終的に会話になっていたじゃない」

創真「でも会話する前は独り言だろ?」

えりな「・・・」

創真「ほら」

えりな「・・・なによ」

創真「自転車とかも乗れなさそうだな」

えりな「うるさいわね」

創真「寝言で間抜けなこと言ってそう」

えりな「言わないわよ」

創真「この前、うぅ・・・お大福の中に苺が入ってないぃって言ってたぞ」

えりな「・・・」

創真「あ、これは言ってそうじゃなくて言ってるだな」

えりな「なによ・・・」

創真「あと人に道とか聞けなさそう」

えりな「なによ」

創真「それと」

えりな「なによ!」

創真「・・・」

えりな「なによなによなによ!」

創真「・・・」

えりな「なによ・・・」

創真「・・・」

えりな「なんなのよ・・・」

えりな「さっきから幸平くんだけ言いたいことばっか言って!」

創真「・・・」

えりな「幸平くんだってダメなところいっぱいあるじゃない!」

創真「そうだな」

えりな「私だっていっぱい知ってるんだからね!」

創真「・・・」

えりな「変なの作って人に食べさせたり!」

創真「・・・」

えりな「後先考えないし!」

創真「・・・」

えりな「変なとこで意地っ張りで!」

創真「・・・」

えりな「おせっかいで!」

創真「・・・」

えりな「なんでもかんでも首突っ込んで」

創真「・・・」

えりな「そのくせ巻き込まれてもなにも言わないで・・・」

創真「・・・」

えりな「ずるいわよ」

えりな「ずるいわよそんなの・・・」

創真「・・・」

えりな「私だって、私だって幸平くんみたいになりたいわよ」

創真「なんで?」

えりな「なんでって!だってだって・・・」

創真「そのままでいいんだよ」

えりな「そんなのって・・・」

創真「別にいいじゃんかそのままで」

えりな「でも、私は幸平くんみたいになりたい」

創真「俺みたいに?」

えりな「幸平くんみたいにみんなと一緒に笑って騒いぎたい」

創真「・・・」

創真「最後に言いかけたポンコツっぽいところ」

えりな「・・・」

創真「人を頼らない」

えりな「・・・全然ポンコツじゃないじゃないそれ」

創真「ま、なにが言いたいかって言うと変わんなくていいじゃん」

えりな「・・・そんなこと言ってるように聞こえなかった」

創真「確かに最初の方はただイジリ倒してただけだけど」

えりな「・・・」

創真「薙切っていろいろ溜め込んじゃうところあるだろ?」

えりな「・・・ないわよ」

創真「どの口で言ってるんだよ」

創真「俺はそのままでいいと思うんだけどな~」

えりな「私はそれが嫌なの」

創真「なんで?」

えりな「だって・・・私は・・・幸平くんみたいに」

創真「もしかして友達がいないとか言うつもり?」

えりな「・・・」

創真「さっきから言ってるけどいいんだよそのままで」

えりな「・・・でも」

創真「そこの辺りはゆっくり行こうぜ」

えりな「・・・やっぱりずるいわ」

創真「全部含めて好きになったんだから」

えりな「本当に・・・ずるい//」

えりな「こんなときだけ・・・自分から言ってきて//」

創真「いや、俺から言ったらいったで照れ隠しでその場からいなくなるだろ」

えりな「照れ隠しなんかじゃ・・・」

創真「またそうやって意地を張る」

えりな「うるさいわね」

創真「それに本当に友達がいないと思ってんのか?」

えりな「・・・でもこれは一方通行かもしれないし」

創真「はぁ・・・ホントにめんどくさい二人だなぁ!」

えりな「きゅ、急に大きな声出さないでよ」

創真「えぇここで選手入場のお知らせをします」

えりな「だ、だれ?」

創真「決まってんだろ?それにわかってるはずだ」

えりな「・・・」

創真「ほれ、後ろ向いてみ」

緋沙子「・・・」

えりな「緋沙子・・・」

えりな「な、なんで・・・」

緋沙子「・・・申し訳ありませんでした、えりな様」

えりな「・・・」

緋沙子「あの時・・・お付の任を解かれたとき、しがみついてでもえりな様から離れるべきではありませんでした」

えりな「でも・・・あれは」

緋沙子「今は・・・いえ、あの後部屋を出た直後からそう思っていました」

えりな「ひさこ・・・」

緋沙子「そこの男に以前言われたのです」

創真「言い方」

緋沙子「隣に立って歩けるようになればいいと」

えりな「・・・」

緋沙子「出過ぎたマネかもしれませんがその・・・」

えりな「緋沙子!」ダキッ

緋沙子「え、えりな様!?」

えりな「ごめんなさい・・・ごめんなさい緋沙子!」

えりな「私こそごめんなさい!」

緋沙子「えりな様はなにも」

えりな「なにもしていないから、出来なかったから!」

緋沙子「・・・」

えりな「あの時私がもっと、もっともっと強く言えば緋沙子は・・・」

緋沙子「えりな様」

えりな「緋沙子」ギュゥッ

緋沙子「え、えりな様・・・痛いです」

えりな「あ、ごめんなさい!」パッ

緋沙子「い、いえ・・・それでその・・・私とえりな様は」

えりな「友達なんか嫌よ」

緋沙子「そう・・・ですか」

えりな「嫌に決まってるじゃない!私と緋沙子は家族よ!家族!」

緋沙子「か、家族・・・」

えりな「もう絶対離さない!もうあんな思いをするのは・・・絶対に嫌」

緋沙子「・・・」

えりな「嫌なのよ」

創真(まさか家族になるとはねえ・・・)

緋沙子「家族ですか」

えりな「そう家族」

緋沙子「えりな様・・・」

えりな「友達なんて寂しいじゃない・・・だから家族」

緋沙子「・・・私が姉でしょうか?」

えりな「へ?」

創真(そこはどうでもいいでしょぉがぁ新戸さ~ん)

緋沙子「いえ、家族になるのなら私達は姉妹になりますのでどちらが姉になるのかなと思いまして」

えりな「そんなの私がお姉さんに決まってるじゃない」

創真(こんなポンコツがお姉さんは嫌だ)

緋沙子「いや、えりな様に私の姉は難しいかと思います」

創真(バッサリ行くなこいつ)

えりな「なんでよ!」

緋沙子「実は先程の二人を最初から聞いていまして」

えりな「・・・」

緋沙子「思ったのです、あぁえりな様ってこうやって耳にすると真性のポンコツなんだなと」

創真(ずいぶん厳しいですねお姉さん)

えりな「な、なによ!私だってお姉さんやりたい!」

創真(いや、そういうもんじゃねえよ)

えりな「た、炭酸くらい飲めるわよ!」

創真(そこで炭酸飲めるはないでしょ)

緋沙子「そこで炭酸を持ち出す時点でダメです」

えりな「ゴキブリだって・・・バルサンとやらをを使えば」

緋沙子「使えるんですか?」

えりな「・・・」

創真(分かっちゃいたけど本物だな)

えりな「なによ馬鹿にして!」

緋沙子「だってできないでしょ?えりなは」

えりな「あ!さっそくお姉さん面してきたわね」

緋沙子「えぇ私、お姉さんですから」

えりな「見てなさい緋沙子!あっと驚かせてやるぅ!」ダッ

緋沙子「・・・あ、えりな様」

創真「行っちまったな・・・」

緋沙子「あぁ・・・転ばなければいいのだが」

創真「心配しすぎだろ」

緋沙子「心配するさ私の大切な方だ」

創真「あいつにとっても新戸は大切なやつだと思うぜ」

緋沙子「そうだな・・・本当にうれしいことだ」

緋沙子「ところで幸平」

創真「ん?」

緋沙子「えりな様に言っていたポンコツ要素とやらだが」

創真「あぁ、あれね」

緋沙子「少し思うところがあってな」

創真「おいおい妹をちょっと馬鹿にしたくらいで怒らないでくれよwww」

緋沙子「そこはいい・・・いや、よくはないのだが」

創真「なんだよもったいぶらさずに言えよ」

緋沙子「では聞くがなぜお前がえりな様の寝言の内容を知っている」

創真「・・・」

緋沙子「答えろ」

創真 ダッ
緋沙子「逃げられるとでも?」ガシッ

創真「ですよねえ」

創真「ひどい質問攻めを受けた」

創真「はぁ・・・疲れたな」

創真「すごい疲れた」

創真「こんな日はさっさと寝よう」

創真「よっこいせっと」ドサッ

えりな「きゃっ!」

創真「・・・」

創真「なんでいんだよ?」

えりな「あ、もしかして嫌だった?」

創真「嫌じゃないけど・・・てかそんなわけないだろ」

えりな「そうよね」

創真「・・・」

えりな「そんなわけないわよね・・・//」

創真「・・・はぁ」

えりな「なにかあったの?」

創真「新戸にめちゃくちゃ質問攻めにあってな」

えりな「そっか」

創真「ま、それとなく気づいてたっぽいけどな」

えりな「・・・」

えりな「・・・お姉ちゃんめ」

創真「もしかしなくても結構気に入ってるだろ」

えりな「その、私一人っ子だからこういうのは嬉しいの」

創真「俺もそれは何となくわかるな」

えりな「・・・」

創真「どうかしたか?」

えりな「お、お兄ちゃん//」

創真「・・・」

えりな「何か言いなさいよ//」

創真「頭大丈夫か?」

えりな「うるさい・・・//」

創真(正直やばかった・・・絶対言わないけど)

えりな「ねえ幸平くん・・・」

創真「なに?」

えりな「またぎゅってして」

創真「・・・」

えりな「お願い//」

創真「ほいよっと」ギュッ

えりな「えへへへ//」

創真(最初の時もそうだけどよく我慢できたよな俺。ノーベル賞もんだよこの理性)

えりな「やっぱり男の子は体が固いのね」

創真(そっちは柔らかすぎていろいろとアレですけどね)

えりな「幸平くんにこうしてもらえるとすごく落ち着くの//」

創真「・・・」

えりな「私の全部を守ってくれそうで」

えりな「幸平くん・・・好きよ」

創真「あぁ、俺もだよ」

えりな「ううん、たぶん違うの・・・幸平くんと私の好きは違う」

創真「・・・」

えりな「私のはありがとうと今までひどいこと言ってごめんなさいとが混ざった好きなの」

創真「ひどいこと言われたっけかな?」

えりな「・・・君も結構ポンコツじゃない」

創真「薙切にポンコツ呼ばわりされる日が来るなんて」

えりな「思ってもみなかった?」

創真「まあな」

えりな「私も思ってもみなかった」

創真「・・・」

えりな「好きなの・・・今はありがとうとごめんなさいの好きだけど、いつか100%の好きを伝えるわ」

創真「そっか・・・ずっと待ってるよ」

えりな「幸平君は私の料理好き?」

創真「あぁ」

えりな「うれしい・・・ねえ幸平くん、ポンコツな私好き?」

創真「もちろん」

えりな「私も幸平くんが好きよ」



おそまつ

あ、終わりです

誤字脱字いっぱいやね

ではおやすみなさい

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