拳志郎「波紋法だあぁぁ?」 (906)

これは蒼天の拳 と ジョジョの奇妙な冒険のクロス?です。
舞台は1919年! 主人公は霞拳志郎と、ジョージ・ジョースターです。

あの○城先生の有名なスピンオフ?作品とは一切関係ない筋立てになります。

需要があるか分かりませんが…頑張ってみます。

また、こちらはト書き版ですが、小説版を理想郷で連載していく予定です。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1442942701

それは、1919年インドのゴアと言う都市から始まった物語。

霞拳志郎「ふぅ……今日も蒸し暑いぜ……ほんとに、こんな所にわが師、霞鉄心の行方が分かる手掛かりがあるってのかよ」

パォ―――ンッ

拳志郎「なんだぁ?何の音だ?」

パォ―――ンッ
バォ―――――ンッ!

町の人々「ウワァアアアアア―――ッ!」

意外ッ!それは『象』だッ!
『象』が暴走して、町の中を走り回っているのだ。

老人「うわァアアア!孫がッ!誰か助けてくれぇ」

老人の叫ぶその先には、あどけない幼児がボールを追って遊んでいた。そして、暴走している『象』がその幼児めがけて突っ込んでくるッ

拳志郎「ウォォオオオオッ!クッ、間に合えェェッ!あと少し……ダメか?」

幼児を救うべく 飛び込む拳志郎 ッ、だがその指がわずかに『届かないッ』

拳志郎「……なんだとッ」

?「エィィッ!」

間一髪ッ!暴れ狂う『象』の進路から、幼児を救い出したのは、『金髪』の、拳志郎とほぼ同じくらいの年齢・体格の青年であった。

拳志郎「おっ、助かったぜ」

?「君ッ、後ろに『象』がっ」

拳志郎「ヘッ!とち狂ってんじゃねーぞ、この『鼻長』野郎ッ」 バゴッ!

拳志郎は、突進してくる『象』にどうどうと正面から立ち向かい…… 簡単に『象』にはねられたッ

バゴォ――ン!

拳志郎「おおっ、さすが、陸上哺乳類最大ッ!すげーパワーだ」 バビュゥーーン

?「ばかな、無茶すぎる……ッ!」

拳志郎「っと、思っただろう?違うんだなぁ〰〰」 スタッ

何と、象に『はね飛ばされた』拳志郎は、空中で一回転して『象』の背中に乗り移ったのだ。

拳志郎「さぁて……おとなしくしろよ」 バシュッ

『象』の背中に乗り移った拳志郎が、軽く『象』の脳天を数か所、叩く。
すると、暴走していた『象』は急におとなしくなり、静かに膝をついた。

拳志郎「ハッ、お前なかなかおとなしい、イイ奴じゃないか。こうしてみると、なかなか男前の象だな……よし、決めたぞ。いまから俺とお前は朋友だ。いいか?」 ペシペシ

象「パオっ」

拳志郎「よしよし、朋友になってくれるか。じゃあ、友としての証に、お前に新しい名をつけてやるかッ。そうだな、ゾオウっってのはどうだ? よし、ゾオウこれからよろしく……ッてオイ、もう一頭いたのかよッ!」

パォーン

なんと、暴れる象は『もう一頭』いたッ!
新たに現れた象は、周囲の街を破壊しながら、幼児を助けた青年の方に突進して行く。

拳志郎「オイ、アンタ……さっさと逃げろッ」

?「大丈夫さッ」 ニカッ
その青年は、拳志郎と同様に象の真正面に立ちふさがった。

バォォオオ――――ンン

象が、青年に向かって牙と鼻を打ち下ろすッ

シュルルルルッ

拳志郎「へぇ、やりやがるぜ。すり抜けるようにして象の一撃をさけやがった。しかも、その鼻の勢いを利用して、流れるような動きで象の背中に移動したな……さて、どうする?」

?「オリャアアアアッ」 ドンッ

象「バォゴオオオオ――――ンン」 ドタッ

拳志郎「ん?何だ?象の脳天に食らわせてやった時、一瞬、アイツの体が『光った』ように見えたぞ……」

?「フゥ―――ッ……他に被害が無いように倒せてよかった。……このゾウにも、怪我はさせないですんだみたいだな」

拳志郎「ありがとうよ、あの子をたすけてくれて。ところで、アンタ……は何者だ?さっき、アンタの体が『光った』のを見たぜ……何か、格闘技でもやってるのか」

?「キミこそ。真正面から『象』に立ち向かうなんて……びっくりさ。よかったら、名前を聞かせてくれないか」

拳志郎「霞 拳志郎、見ての通り、日本人だ……第62代、北斗神拳の伝承……予定者だ」

?「日本……では僕らは同盟国の出身だね。僕の名は、ジョージ・ジョースター。英国空軍のパイロットさ」

拳志郎「よろしくな、ジョージ」

倒れている老人「う…う……」

拳志郎「ああ、アンタ大丈夫か……あっりゃあああ〰〰こりゃあ、腕が折れているね……結構ぽっきりいっちゃっているぜ、これ」

ジョージ「手当をしよう。この添え木を使って……」
ジョージ (もし、僕がリサリサの様な『才能』があって、波紋が使えたなら、こんな骨折などすぐ直してあげられるのに………)
ジョージの脳裏に、幼き日、幼馴染のリサリサと共に『波紋』を教わった思い出がうかんだ。
それは、ストレイツォに波紋の呼吸方法を教わった時のことだ。
その時、リサリサはすぐに『波紋を練る』要領を掴んで周囲を驚かせていた。だがジョージは、何もできなかったのだ。何度挑戦しても、自分で波紋を練れるようになることに一片の可能性も感じられなかったのだ。

拳志郎「おっ、オマエなかなか手際よいな……じゃあ俺は」 グサッ

老人「ウッ!」

ジョージ「!?何だ?ケンシロウが老人の背中を指で『押した』ぞッ?」

老人「!?あれっ、ずんと何年も悩まされていた腰痛が………」 ピョンッ

拳志郎「フフフ、腰の気脈の流れを直す『秘孔』を突いたぜ。ご老人、俺たちの起こしたドタバタに巻き込ませて悪かったな。その骨折はまだ治るのにしばらくかかるだろうが、まっ あんたの腰痛を直してやったぜ。これでお相子ってことで許してくれ」

老人「許すなんて、とんでもない!貴方たちが助けて下さらなかったら、あのゾウにもっと酷くやられていたに決まっています。アンタがたは恩人です。何でも言ってくださいッ、お礼せねば」

拳志郎「ご老人、俺たちは、ただこの辺りをぶらついていただけだ。何も気にしないでくれ」

老人「そうですか……あの王が即位されてからのこの何年かと言う物、税は暮らしていけないほどに上がり、税の献上を断れば、あの王が気まぐれに暴走させる象や、放火、それから……」 ウッウウウッ……

ジョージ「ご老人、気持ちはわかる。その苦労もいつかは終わるよ……」

拳志郎「おい、ジョージ、お前はただ慰めるだけか、それでいいのか?」

ジョージ「………ここは話をするのに向いてないな……僕の家に来いよ、飯ぐらいおごるよ」

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--------

拳志郎「こりゃあ、豪勢な家だな」

ジョージ「母の実家がこの国で医師をやっていてね……それから、国から少し恩給をもらっているからね」

拳志郎「……なるほどねぇ〰〰ご立派なもんだ………ここにいたら、この土地に暮らす奴らの気持ちも、生活の苦しさも、全然感じねぇ―な」

ジョージ「……確かに、僕たちは恵まれている。それはいつもそう思っているよ……痛感している」

ガチャッ

エリナ「ジョージッ、待ってたのよ。長旅ごくろうさま……あら、この方は」

ジョージ「母さんッ、元気そうで何より。それで、彼は……ええと?」

拳志郎「霞拳志郎と申します……日本人です」

エレナ「えぇと……ケン……シ・ロウさんね。よろしく。お会いできてうれしいわ」

拳志郎「こちらこそ、美しいレディ」

召使「奥様、申し訳ございません。あろうことか、アヘン臭い東洋人がかってに神聖なるご邸宅に侵入するなど、あってはならぬこと……すぐ叩きだします」

エレナ「ノーマン……」

ノーマン(召使)「奥様、ご心配なさらず」 キリッ

拳志郎「あぁぁああん?」

エレナ「ノーマン……心配するのはあなたよッ!我が息子が連れてきた『友人』を立抱きだそうなどと言語道断ッ。たった今、あなたはクビよッ、即刻出ていきなさい」

ノーマン「なッ……そんな、奥様……」

エリナ「うるさいッ……ジョージ、この男を叩きだしなさい!」
バシッ

ジョージ「了解だ、母さん」

ノーマン「よせっ、やめてくれッ、おっ、奥様ぁぁぁあああああぁぁぁ」

パタン
ジョージ「よし、片づけ終わった。待たせたね、拳志郎」

拳志郎「いや、面白いものを見させてもらったぜ」

エレナ「お客人、召使だったものが失礼しました。このたびのご無礼、どうかご容赦してくださりませんか」

拳志郎「いやぁ、まったく気になさらず。なんとも思っていませんよ。この程度を機にしていたら、大英帝国の統治領に入っていけないですからね」

エリナ・ジョージ「……」

ジョージ「拳志郎、とにかくここは自分の家だと思ってくつろいでくれよ。遠慮はいらないさ」

拳志郎「そうさせてもらおうかな、悪いね」

--------
その夜、夕食の場で:

エリナ「まぁ、ではアナタがジョージを助けてくれたのね」

拳志郎「イッヤァアーそういう訳ではないんですがね。むしろ俺の方が息子さんに助けてもらったようなものですよ」

エリナ「あら、そうですか……なんにせよ、あなたはジョースター家の客人です。ここでは自分の家のように、くつろいでくださいね」 パタパタパタ

拳志郎「……いいお母様だな」

ジョージ「そうだね、でもいい年して子離れしてくれなくてね」 テレテレ

拳志郎「……ところでジョージ、質問がある」

ジョージ「何だい?」

拳志郎「さっきの拳だ。あの光る拳はいったい何だ?お前、どんな[力を]持ってるんだ?」

ジョージ「僕には何の力も持ってないよ」
(亡き父や……幼馴染のリサリサのように、僕にも波紋の才能があったなら、あの怪我した老人も、もっと助けてあげられるのに………)

ジョージ「キミこそ、さっきあのご老人に施したのは何だい?君があの老人の体を『押し』たら、あの老人の腰痛が直った。あれは、一体どういう技なんだい?もしかして……」

拳志郎「あれは『経絡秘孔』だ……つまり、ヒトの体には、体の動きや治癒、最長をつかさどる機能があるだろ?『経絡秘孔』っってぇのは、その機能を動かす、スイッチみたいなものだ。わかるか?俺の『北斗神拳』はその『秘孔』を操ることが出来るのさ」

ジョージ「『北斗神拳』?」

拳志郎「ああ……俺が学んでいる、不敗・無敵の一子相伝の暗殺拳さ」

ジョージ「不敗?無敵?それはすごいね。すげーうらやまし――」(棒読み)

拳志郎「そうだろ?……ところで、あの象があばれた理由がわかったぜ。………あのゾオウを調べたところ、高濃度の『アヘン』が検出された………つまり、あの象はわざと錯乱させられ、あの村に放たれたのだ。暴れたのは、ゾオウのせいじゃねーぜ」

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今日はここまでです。

ジョージ「なんて酷いことを……」

拳志郎「幸い、ゾオウも、お前が気絶させた象も、まだ致命的な中毒にはいたっていなかったぜ。だから、しばらくすれば元に戻るだろう。俺が『経絡秘孔』を突いておいたからな」 スチャッ

ジョージ「それは、よかった…… !?ところで、どうした拳志郎?突然席を立ったりして」

拳志郎「ジョージよ、世話になったな。飯、うまかったぜ。エリナ婦人にも礼と、それから、アイサツもせずに出ていく非礼をわびておいてくれ」

ジョージ「……ここをでていくのか」

拳志郎「なに、ヤボ用だぜ。ちょっとばかり、『落とし前』をつけにね……それに、やはりアジア人の俺には、ここは相いれないぜ。悪いが、この支配者然とした建物が鼻についてしかたがないねぇ」

ジョージ「…………」

拳志郎「アバヨ、ジョージ」 ガチャッ

ジョージ「待て、ケンシロウ」

拳志郎「なんだぁ、怒ったのか?」

ジョージ「僕も行く」

拳志郎「フッ……」

ゾオウ「パオーーン」

拳志郎「おお、ゾオウ。お前も一緒に来てくれるのか、ありがとよ。じゃあ、お言葉に甘えて、背中にのせてもらうとするかい」

ゾオウ「パオォォォーーン」

--------

ゴアを収めるマハラジャの邸宅

ガッシャァアア―――ン

見張りの兵A「!?何だ?なにが起きた?」

見張りの兵B「報告いたします……なッ、なんと……象が、先ほど町に放った象が戻ってきて、暴れていますッ!今の音は、主門が象二体に破壊された音ですッ」

拳志郎「ハハハッ、ゾオウッ、それからカイゾウッ!さすがは哺乳類最大種のパワーだぜ。あんなでけぇ門が、紙クズみてぇにぶっとんじまった。ありがとうよッ」

ゾオウ・カイゾウ「ブァオオオオ――――ンン!」

ジョージ「……何も考えず、正面からの突撃だとォ、むちゃくちゃだ」

拳志郎「よぉし!ゾオウ・カイゾウ、ようやく見張り兵が出てきたから、お前たちはここまででいいぞ。ちょっとこの先の森に戻って待っててくれ……だが、その前に俺達を……」

ゾオウ・カイゾウ「パォオオンッ」

ジョージ「えっ?カイゾウが鼻で僕の体を持ち上げている……何?オ……オイ、よせッ」

カイゾウ「パォオオオオンン!」
カイゾウ(ジョージが倒した象)は、鼻で大きく振りかぶると、掴んでいたジョージを一気にマハラジャの居城の奥へ、放り投げたッ!

ジョージ「うぉおおおおおおッ!」 バビューン

拳志郎「ヒャッ、ヒャッ、ヒャッ、さすがすごいパワーだねェ。面白いな、ジョージィ」

ジョージ「ワハハハハッ、めちゃくちゃだぜ オマエ。」

ザシュッ
ジョージと拳志郎、二人が放り投げられた先は、城の三階にある、中庭の様な所であった。

拳志郎「さぁジョージィ、もう後戻りはできねーぞぉ」

ジョージ「めちゃくちゃな奴め……わかってるさ、こうなったらとことん行くしかないッ、このまま上まで突っ切るぞ」

拳志郎「そうこないとねぇ」

「☆X@$SGTH!」

「&^VHGTH@!」

二人がたちあがると、 奥の部屋につがる入口から、多数のマハラジャの兵が何やらわめきながらワラワラと現れたッ!

拳志郎「ほうら、さっそくやってきたぜ。ジョージ、気合い入れろよォお」

ジョージ「お前もなッ、拳志郎ッ!」

拳志郎「おっりやぁあぁぁぁぁッ!北斗百裂拳ッッ」

拳志郎が超高速の連打を放つ。そのあまりの拳速は、まるで無数の拳を同時に放ったかのような残像を残すッ!

拳志郎「アタタタタタタタタァ」

その拳をまともに食らったマハラジャの兵が、次から次へとぶっ飛んでいく。

ジョージ「やるなッ、拳志郎ッ」

話しかけるジョージの背後に、敵がせまるッッ

ジョージ「キィエェェェーーイッ!」 回し蹴りッッ

敵「ウギィィィッ」 バタ

ジョージの高速の蹴りを喰らったマハラジャの兵も、バタバタと倒れていく。

拳志郎「ジョージ、お前もなッ……ところでなぁ、お前の使う拳はなんて流派だ?俺は今まで数多の拳士とやりあってきたが、お前の使うような技術は見たことがないな」 バシッ‼

ジョージ「これは、フランスのサバットを、僕なりにアレンジしたものさ」 グワッ!

拳志郎「さばっとぉ? マジか?……その、ぴかっと光る奴もか」 ダッダッ!

ジョージ「ぴかっと光る? 何を言ってるんだい?」 パシッ

拳志郎「オイオイ、お前気づいてないのかよ。お前のその『光る拳』に」 ドガァッン
拳志郎が、最後に残った敵をまとめて蹴り飛ばした。

ジョージ「拳志郎、ぼくはそんな拳は持ってない………その話はやめてくれないか」
(僕は、リサリサとは違うッ!波紋の拳は持ってないッ)
ジョージ「今は、一刻も早くマハラジャの居室にいく事が大事だッ」

拳志郎「そうだな、了解」

やがて、二人は屋敷の一番奥、ひときわでかい扉の前に立った。

ジョージ「拳志郎、たしか、ここがマハラジャの居室だ……前に一度、拝謁したことがあるから、わかる」

拳志郎「いいのか、この先に踏み込んだら、引き返せねーぞ………お前の『母様』も巻き込まれるかも知れねー」

ジョージ「大丈夫、『母様』は強いひとさ……それに、もうとっくに安全な場所に動いてもらっているしね」

拳志郎「そうか、じゃあ、いくぜ」

ジョージ「ああ……」

バンッッ

王座に座った男「ひぃぃいいいいっ」
二人が扉を開くと、広い部屋の真ん中にしつらえた王座に座った男が、悲鳴を上げた。

拳志郎「お前がこの地の王様か……ずいぶん貧相な奴だな。拍子抜けだぜ」

ジョージ「……あなたが面白半分に象をけしかけた結果、どれだけの人々が苦しんだか……その落とし前、つけてもらうぞッ」

王座に座った男「ひっ……たすけてッ……」

拳志郎「くどいぜッ……!?」
拳志郎が王を蹴り飛ばそうとしたその時、不意に恐ろしいほどの殺気が二人を襲った。拳志郎とジョージは王を無視し、強大な敵の来訪を迎え撃つため、身構えた。

ジョージ「……何だ?」

王座に座った男「ひっ……クーラ様ッ」

クーラ「拳志郎……そこまでだッ」
王の悲鳴を引き金にして、部屋の窓ガラスを突き破って入ってきたものがいた。 女だッ!

窓をぶち破ってあらわれた、その女クーラは見るからに手練れとわかる熟練した足さばきで、二人の前に立ちふさがっていた。
黒い肌、目鼻立ちのはっきりしたその顔は、その金色のロングヘア髪を除けば、まさにインド系の美女であった。

クーラはすがりつこうとする王をぎろりと睨みつけ、退かせると、二人に向かって両手の拳をぶつけて見せた。

拳志郎「女か、まいったねぇ、こりゃぁ〰〰」

ジョージ「拳志郎、気持ちはわかるが、女性だとか、男性だとか、そんな事を戦いに持ち込むな……彼女は手練れだぞ、見ればわかる」

拳志郎「そりゃあ、その動きを見ればあの女が、我が北斗神拳と為を張れるような拳を持っているのはわかるんだけどよォ〰、だがそれだけじゃ、わりきれねーんだよ」

クーラ「拳志郎、北斗神拳の伝承者候補よ、そしてジョージ・ジョースター、大帝国空軍のエースパイロットよ……この馬鹿者がしでかしたこと、ただ謝るしかない……だが、この男も悪い男ではない。ここは、この私に免じて許してくれないか」
その女、クーラは、王座に座った男を張り倒し、二人に頭を下げた。

拳志郎「あぁぁ〰〰、謝って住む程度の事か?コラッ」

クーラ「そうだな、それはわかっている……元斗皇拳伝承者として、せめて敬意をもって、一人の拳士としてお前たちのお相手しよう。それが、私のできる唯一の詫びだ」

--------

今日はここまでです

ジョージ 「……元斗皇拳?」

拳志郎「あぁぁ〰〰、亜細亜の支配者、天帝を守る『太極星』を宿星とする拳法よ……今の伝承者が女だとは聞いていたが」

クーラ「なんだ、北斗の……やらないのか?」

拳志郎「……悪いが、女に向ける拳はねぇ………」 スッ

クーラ「な、なんだとぉ?………私をあなどるなよ」

??「ねぇちゃん ッッ 、俺がやるよ」パシッ
その時、クーラが破ったまどから、もう一人、飛び込んできた。その男は、飛び込みしな、拳志郎に向かって飛び蹴りを放つッ!

ドガッ!

拳志郎「オイオイ、行儀悪いぜ。オタク」

??「クッ……さすが、こんな不意打ちの蹴りなど効果はないか……」

拳志郎「いやいや、楽しかったぜ……サーカスの余興としてはなぁ」

??「何だとォ!」

クーラ「!? クリスピアンッッ」

クリスピアン「姉さんッ」

クーラ「クリスピアン、一体なぜ出て来たのよッ、安全な所に居なさいって、言ったでしょ」

クリスピアン「……僕は、姉さんだけを矢面に立たせて、自分はその後ろに隠れているような弱虫じゃないッ」

クーラ「……」

拳志郎「なんだぁ?シスコンかぁ? まぁ、マザコンのジョージといいコンビかもしれねぇがよォ」

ジョージ「拳志郎……勝手に言ってろ」

クリスピアン「……拳志郎、俺と闘えッッ………言っておくが、クーラ姉さんは俺より強いッ!俺に苦戦するようじゃあ、元斗皇拳伝承者には、歯も立たないぜッ」

拳志郎「オイオイ、ずいぶん礼儀を知らないガキのようだねぇ。俺が、礼儀作法を叩きこんでヤロウ」

クリスピアン「ふざけるなよ……余裕ぶった顔をしていられるのも、今の内だけだ」

ジョージ(……どっちもどっちだ……)

拳志郎「ハハハハ。オタク、元気イイねェ。こっちも望むところだぜ。元斗皇拳、一度手合わせしたかった……悪いねぇ、気ィつかってくれて」 ポキポキ

クリスピアン「だから……ふざけるなッッ……そして喰らえィ!元斗流輪光斬ッッ」
クリスピアンの両手が光る。そして、クリスピアンは、光る手をまるで円を描く様にユックリと回していく……

拳志郎「こいっ、元斗の男ッッ」

クリスピアン「フッ……喰らえッッ」
クリスピアンが両手を交差させる。すると、緑色の光る 車輪が、その両手から飛ぶっ!

ゼシュツッッ!

拳志郎のわき腹から血が噴き出るッ!

クーラ「!?やったか?、嫌、まだだ…… 浅いッッ…… クリスピアンッッ、気を付けろ!」

クリスピアン「……ああ、わかってるよ。やはり、北斗は強いッ」

拳志郎「 いや、 アンタこそ流石だねぇ……この 俺に血を流させるとは…………その光る手を武器にした、円を描くような攻防一体の動き、それが元斗皇拳かい」

ジョージ「拳志郎、奴の手は驚異的だッ!奴が攻撃できるような隙を与えず、一気に攻めろっ」

拳志郎「 フッ……違うぜジョージ。北斗の男として、やつの技をすべて受け止めきった上でかたなけりゃならんぜ……だが、実際に元斗皇拳の『光る手』を受けてみて、それがお前の『光る拳』とは違うものだってことを確信したぜ……ジョージ、あんた、やっぱり何者だ?」

ジョージ「だから、何を言ってるのかわからないよ」

リスピアン「くっ、戦いの最中におしゃべりかよッ。余裕ぶりやがってッ!」
クリスピアン が流れるような動きを見せた。すっと間合いに入り込み、流麗な体さばきで拳志郎の懐に潜り込むッ

拳志郎「フッ……」ダダダッ

クリスピアン「!?」 パシュッ

拳志郎の連打を、クリスピアンが『弧を描く動き』ではねのけた。
さらにその『弧を描く動き』を殺さず、そのまま流れるように攻撃ッッ!

バシュッ
ダダッ
ウォォォォッ

拳志郎「……いいねぇ、さすがだ」
何と、クリスピアンの『光る手』に触れた拳志郎の肌が、肉が、赤くただれているッ!

クリスピアン「つぎは、お前の体をハンバーグにしてやるッッ」

ドガッッ
パシッ
ザッシュッッ

クリスピアンの円を描くような攻撃を、拳志郎が受け止め、弾き返すッ
反対に、拳志郎の拳を、蹴りを、クリスピアンがいなしていくッ

だが……

拳志郎「フンッッ」

その均衡は、拳志郎が放ったたった一発の拳によって、あっけなく崩れた。

クリスピアン「クッ……」

拳志郎「元斗皇拳、噂通り恐ろしい拳だったぜ。だが、クリスピアン、お前は拳士としてまだ未熟だな。まだまだ拳士としての基礎能力が足りてないね。基本から、後十年やり直せ」

クリスピアン「何だ……とォ」 ガクッ

拳志郎「さて、邪魔ものもいなくなったところで、そろそろここに来た目的を果たそうかね」 クルッ

王「ひっ」

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今日はここまでです……ちょっとだけでスミマセン。
次回は数日間を開けての投稿となると思います。

また、コメントをくれた方、ありがとうございますッ!

グジュッ、ポタリ……

ポタ……
ポタ……

王の元へ向かう拳志郎の腕から、血が流れおちていた。流れた血は、転々と足元の豪華なカーペットにしたたり落ち、血の跡を作った。

拳志郎の肌の一部がグジュグジュに荒れ、酷いところは傷口から白い肉が見えていた。そう、その怪我をした場所は、拳志郎がクリスピアンの攻撃を『受け止めていた』部分だ。

拳志郎「いててて……あの餓鬼を、気合いで何とかやっつけてやったが……だが奴の言葉通り、クリスピアンの奴の拳を受け止めた肌が傷むぜ……ヤロウ、未熟者のクセに、なんてぇ威力だ」

ジョージ(拳志郎……恐ろしい拳士だ……あの、円を描くクリスピアンの動きを逆手に取ったってワケだな。クリスピアンの攻撃を誘導し、自分は一直線に拳を撃ちこむ……円の弧を描く動きは、当然直線的な軌道よりも長い距離を動く……ほぼ同時に撃てば、最短距離を行く直線の動きの方が早いのは道理リッ)

拳志郎 ポキポキ……

ジョージ(だが、彼はまだ『本気』を出していないようにも見えるな……僕だったら、どうやって彼と戦う?)

ジョージも腕っぷしにはそこそこ自信があるッ!幾多の戦場を生き延びてきた自負もある。この、目の前にいる漢の『強さ』に、どうしても刺激されずにはいられなかった。

拳志郎「アンタが『王』だってぇ?『王』ってのはなぁ、民の為にあるものだろうがぁ、あああぁん?」

王「まっ、待ってくれッ……助けてくれっ、なっ……金なら出すッ!アンタを実質の王のようにしてやろう……女はどうだ?絶世の美女を思いのままにさせてやるッ」

拳志郎「……アンタ、救いがねぇなぁぁ」 グイッ

王「う…ウッ……クーラ様ッ、お助けをッ」アタフタ……

クーラ「!? 拳志郎ッ、待てッ」

拳志郎「何だね?」クルッ

クーラ「まってくれ、まだ元斗が北斗に敗れたわけではないッ。拳志郎、私と戦えッ」

拳志郎「……断る。悪いが、女に向ける拳は持ってない」クルッ

クーラ「貴様、私を侮辱するのかッ」 ウッ……ギリギリギリ

拳志郎「まいったね」ボリボリ

クーラ「貴様がやる気がなくともッ、私には戦う理由があるッ」 ブンッ!

クーラの拳、その拳を……拳志郎は避けもせず、ただ正面からまともに喰らった。

クーラ「なっ……元斗の闘気を込めていないとはいえ、私の拳をよけもせずにただ耐えるだと」

拳志郎「痛ててて……やるね、イイ突きだ……でも、悪いが俺の方が上だ。アンタとやっても俺が勝つ……が、オレは女とは戦わん」

クーラ「貴様ッ」

ジョージ「その考えかた、それもわかるつもりだよ……だから、キミの代わりに、僕が彼女の相手をしようと思う」

拳志郎「……なんだと?」

ジョージ「拳志郎、君は見ていろ」

ジョージは拳志郎に背を向けると、クーラに向かって構えた。

拳志郎(ジョージの奴……だが、これでヤツの本気がみられるか?)

ジョージ「クーラ……悪いが、まずはボクを倒してからにしてもらうよ」

クーラ「貴様……」

クーラの目が激しい怒りに燃えた。

クーラ「貴様……、貴様ごときがなぜ」

ジョージ「僕の名前は、ジョージ・ジョースター……クーラ……君の相手は僕がしよう。退屈はさせないよ」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

クーラ「貴様……」スチャッ

怒りに燃えるクーラが、ジョージに向かって、必殺の拳を放つッ!
その拳速は、先ほどのクリスピアンとは比較にならないッ!
触れれば触れたところを焼き尽くす、元斗の拳がジョージを襲うッ

ジョージ「ウォォォォッ」

ジョージはその拳を、すり抜けるようにして躱すっ、そしてタックルッ

拳志郎(オイオイ、ジョージ。女にいきなりタックルだとぉ?相手を寝転がらせて、どーするって言うんだ……アイツ、普段の言動とは裏腹に、けっこうエグイ奴なのか?)

クーラ「!?ッ」
クーラはタックルに合わせて、カウンターの蹴りを放つッ。

ジョージは、途中でタックルを止め、地面に寝転んだ。

クーラが放った迎撃は、ジョージの後頭部をむなしくかすめるッ

「!?」
ジョージは地面に手をつくと、そこから、跳ね上がるように回転しながら蹴りを放つッ!

クーラ「生意気なッ」
クーラが弧を描く動きで宙を舞い、再びジョージへ『反撃の一撃』を打つっ!

クィッ

と、ジョージの蹴りが空中で軌道を変え、再びクーラの左肩を狙うっ

ガシッ!
クーラ「ウォォォォッ……なんて変幻自在の蹴りなの、まるで雲のようにとらえどころのないわ………融通無形の拳、それがあなたの力?」

拳志郎「へぇ、なかなか……ジョージの奴の拳は、大本はサバットとか言う奴を基本としているようだが、全くとらえどころない無形の拳か……あの雲のように定まったすを持たず、ゆえに先を読むことが著しく困難な拳、加えてあの体格から放たれる攻撃力、厄介だな……」

拳志郎は、嬉しそうに笑った。
拳志郎「クーラは、さすがだな。あのクリスピアンの若造とは比較できない腕だ……惜しいナ。奴が漢ならな……」

ジョージ「せめて、短時間で終わらせるッ」 バッバババッ!
ジョージが右回し蹴りを放つ……その直後に、時間差で左からの回し蹴りを放つッ!
まるで、左右から同時に放たれるかのような、回し蹴りだ。どこにも逃げ場がないッ!

クーラ「甘いッ!」クルッ
クーラは、くるっと空中にのがれ、ジョージの回し蹴りを避けた。

ジョージ「なんだってェ、僕のこの攻撃を避けただとっ」

拳志郎(へぇ……クーラの奴、あの同時に放つ回し蹴りを避けやがったか……さすがは、一子相伝の元斗皇拳を史上初、女ながらに最年少で伝承者となっただけの事はあるッ……その噂は北斗にも聞こえていたからな……)

ジョージ「僕の拳には、君たちのような不思議な力はない……だが、なかなかのものだろ?」バシッ!

ジョージの拳は、途中で軌道を自在に変え……クーラのガードをかいくぐる。

ジョージ「正直……キミを殴ることには抵抗があるよ。でも、これがキミの望む事ッ!僕は……心を鬼にして君と戦うッ!」

クーラ「クッ……ウッ!うわぁあああッ」ガッ、ドッ、ドッ!

クーラがその光る手を回転させ、ジョージの攻撃をガードする。

元斗の使い手が『光る手』で触れると、相手の細胞を一瞬で消滅させることが出来る。攻防一体の防護となるッ!

その『光る手』がジョージに触れる……

だが、その『光る手』はジョージを焼かないッ!

クーラ「なっ……どうして?どうして元斗の拳があなたには効かないの?」

ジョージ「……効いてるよ……キミの攻撃を受けるたび、キミに拳をふるうたび、痛いよ……」

ジョージ「……英国紳士として、女性に手を上げるのは不本意ッ、だが本来闘争とはシンプルなものっ、戦う相手の性別など関係ないものッ」ブッ!ドッ!

クーラ「クッ、こっ……こんな、南斗、北斗、元斗につらなわぬ、こんな素人の拳等にィッ!私が押されているッ?」

ジョージ「馬鹿な……虎や獅子が修行することなど無しッ、駆け引きなど、技術など無粋ッ!あるのはただ、強さだけサッ!」
バーンッ

「言うねぇ……だが、ジョージの言うことも間違っちゃあいないな。とはいえ……」
拳志郎は、ひどく退屈したように言った。
「どんなに努力しても、獅子には人がかてないってのか?それじゃ、つまらなぇダロ」

クーラ「調子に乗るなぁッ!」バシュッ!

ジョージ「ウッ、さすがスゴイ攻撃だ。」

拳志郎「そうだ……無形の拳は受けに回ると弱い。さて、どうするんだ?」」

クーラ「先手必勝っ!元斗光烈脚ッ」
クーラが、光をまとった無数の蹴りをジョージへ叩き込むッ!

ジョージ「アマィッ!」
だが、ジョージは、クーラの蹴りを巧みにブロックしつつ、懐に踏み込んでいくッ!

ジョージ「コォォォォッォオォッ」

懐に潜入したジョージが、クーラの体に肩をぶつける。

クーラの体勢が崩れるッ!

ジョージ「ゴラゴラゴラゴラゴラァァァッ」

ジョージの渾身のラッシュが、クーラを襲うッ

ジョージ「!?何だってェッ」

クーラ「ハーハーハ――」

ジョージの突き出した拳の上に、クーラが直立しているッ

拳志郎「あれが元斗の奥義、天衝舞か……」

クーラ「ヨシッ、クラエィッ!『破の輪』ッ」
クーラの光る手がその光を強める。
そして、巨大なオーラをまとった光る手が描いた二つの輪が、ジョージに襲い掛かった。

ジョージ「ウォォッ」

あわてたジョージは、拳を引き戻すと、カウンター気味にサイドキックを放つッ

ジョージの操る無形の拳、そのもととなっている武術サバット、その神髄は『靴を履いた状態を想定して戦う事』にある。
つまり、つま先を使ったサイドキックは、ジョージのもっとも得意とする攻撃なのだッ
その足が、ジョージが意識しない間に『輝いた』。

バシュッ

ジョージの蹴りが、クーラが生んだ一つ目の輪を切り裂く。

だが、残るもう一つの『光る輪』は、より輝きを増して、ジョージを襲うッ!

クーラ「キィエエエイイ一ッ」

ジョージ「ゴラァァッ!」

グワシィッッ

二人は同時に弾き飛ばされ、床に崩れ落ちた。

クーラ「これ……くれくらいの痛みが何だッ」
ジョージのサイドキックをまともに肩口に食らったクーラは、膝をガクガクさせながら立ち上がった。

ジョージ「まだやるかッ」
ジョージは片膝を突いた姿勢で、身を起こした。拳を固め、ゆっくりと立ち上がる。

二人はヨロヨロしながらも、まだ戦いを続けようと互いに構えを取った。

↑は間違って酉とsageをつけ忘れました……


クーラ「……きさま、どういうことだ?我が『破の輪』をまともに食らったにもかかわらず、アザひとつ無いだとォッ!?」

ジョージ「ハ―ッ、ハ―――、あっ危なかった……」

拳志郎 (ほう……あの相打ちの瞬間、またジョージの体が光ったぜ。その光が、クーラのオーラが込められた攻撃から、ジョージを守りやがった……どういう理屈だ?)

クーラ「ヌォオオオオオッ」

クーラ「たとえキサマガ『光る手』を防ぐことが出来たとしても、私は……イヤ…
…元斗は負けないッ!」

--------

今日はここまでです。

感想をくれた方々、ありがとうございますッ!

》65 さん、『波紋法』はチベットの山奥で細々と続いていた……と言う設定です。だから、北斗・南斗・元斗の漢たちにはその存在を知られていなかったッ!
……ということで 脳内処理おねがいします。

……と思ったのですが、

》71と 》72の間に乗せるはずだった会話をマルマル書き損ねていたので、下に書いておきます。
脳内補完、お願いします……


――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
拳志郎「……それに、あんなヤツの為に、お前が体を張ることはない……奴は見捨てろ」

悔しさと怒りのあまり涙を流すクーラに背を向け、再び王に向かって歩み始める拳志郎。
その拳志郎の前に、ジョージが立ちふさがった。

拳志郎「……なんだ、ジョージよ」

ジョージ「……拳志郎、これでは彼女に失礼だぜ……」

拳志郎「……わかってる。だが、俺は女に手を上げん」
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――


これで、本当に今日はここまでです。

ヨロッ
クーラがガクガクする足を無理やり抑え込み、ジョージに向かって拳を構えた。


拳志郎(クーラの奴、足に来てやがる……だが、それはジョージも同じ……!?じゃねぇッ。なんだありゃあ、内功を高めてやがるのか?あれが、野郎の『光る拳』のヒミツか?)

ジョージ「コォォオオオオオオ―――ッ」ムンムンムンッ

クーラ「こいっ!ジョォオオ――ジィィッ!!」

ジョージ「……クーラ、次に僕が放つのは、この……左の正拳突きだ。僕の全力を、魂を込めた一撃ッ!これでキミを……キミと決着をつけるッ!」

クーラ「抜かせッ!そんなもの、迎撃してやるッッ!」

拳志郎(オイオイ、ジョージのヤロウ何でもありかよ?ただ立ってるだけでダメージがダンダン回復していきやがる。何だぁ?ありゃぁ……しかも、本人はきづいてねぇぞ)

ジョージ・クーラ「ウォォォォォオオッ!!」 バシュッ! ドゴゴゴゴッ

拳志郎(ジョージの奴も、クーラもボロボロだな。すべての力を振り絞ってやがる。もう『光る手』も『光る拳』もねーな。ただ殴ってるだけだ)

ドガッ!
ボゴッ!

拳志郎(だが、クーラも頑張りやがる……あの馬鹿でかいジョージの拳を相手にして真っ向から殴りあってやがる……。それにしてもジョージの奴は、女を相手に一切手加減がねーな……よくやれるぜ)

その頃、クリスピアンが、ようやく拳志郎からやられたダメージから回復しつつあった。

クリスピアン「うう……ねェちゃん、頑張れ……ハッ、あれッ、馬鹿なッ!!」

負傷を押して立ち上がったクリスピアンの目に入ったのは……
それは、カーテンの裏に潜んでいる二人の男であった。
一人はガタガタと震えながら、クーラに向かって拳銃を構える王。
そしてもう一人は、いつの間に現れたのか、その王を支える元ジョースター家の執事、ノーマンの姿であった。

ノーマン「王さまッ!奴らですッ……とんでもない奴らなんですッ!奴らに正義の鉄柱を与えてくださいッ」

王「グッ……ギギギィ……世をないがしろにしおって」ギリギリ

ノーマン「王さま、私がお持ちしたアレで、奴らを……」

王「そうじゃ、あの野蛮人共も、これさえあれば……クヒヒヒヒッ」 チャリッ

拳志郎「!?マシンガン……ジョージたちに向けてやがるッ!何だとォ、あのチンチクハゲめ」バッ

クリスピアン「ねェちゃんッ!何やってるんだ。油断するなッ」バッ

ジョージ「!?しまったッ」バッ

クーラ「キィヤッ!」グイッ

ババババッ!ガガガッ!!

?「ッ!」

拳志郎「フゥウッ……大丈夫かぁ、嬢ちゃん」ギュッ

クーラ「放せ……北斗のぉ」パっ

拳志郎「おっと、悪いことしたかぁ?」二ギニギ

パシッ

拳志郎「助けてやったんだぜ、そんなに怒るなよ……そんなんじゃぁ、彼氏の一つもできねーぞ」

クーラ「抜かせ……だが、礼を言っておく……ジョージの奴に集中しすぎていて、奴の動きを見逃していたわ……ところでジョージは?」

拳志郎「あそこだ…………チッ……なんてことだ」

クーラ「えっ……嘘でしょ」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ジョージ「馬鹿な……なぜ君が」

クリスピアン「チッ……ドジこいたぜ」ゲポッ

拳志郎に抱きかかえられたクーラが目にしたのは……血だらけの胸を抑えてしゃがみ込む、最愛の弟、クリスピアンの姿であった。

クリスピアン「へへっ、姉ちゃん……あの時の借り、今返したぜ」

クーラ「あん時の借りって……あんた、そんなことッ」

クリスピアン「……ねーちゃん、負けるなよ」バタン

クーラ「なっ……クリスッ、ダメよ……しっかりしろォッ!あの時の事って……そんなこと、まだ気にしてたの……」

10年前 ――デカン高原のとある大地にて――

クリスピアン「へへっ、お姉ちゃん……こっちこっち。ボクが見つけた、とっておきのヒミツ基地さっ。お姉ちゃんにだけ、とくべつに教えてあげるよ」パタパタパタ

クーラ「フフフ、待ちなさい、クリス」トットットッ

クリスピアン「こっちだよ。このオカを登ったところにあるの……ほら、あそこっ!あそこの岩山に洞窟があるんだッ、ボクが見つけたんだよッ」

クーラ「ハイハイッ、そりゃあよかったわね……!?、クリスッ、すぐそこから離れなさいっ!」

クリスピアン「えっ?なに言っているの?」

クーラ「早くッ!」

ザサッ
巨大な虎「ガルルルル」

クリスピアン「えっ……トラ?……スゴイ牙だ。え……ボクにむかって来るのッ??」

クーラ「クリス……落ち着いて、ゆっくりこっちに来るのよ。焦っちゃダメ、ゆっくり、落ち着いて。虎から目を離さないで。大丈夫よ、落ち着いて……」

クリスピアン「うわぁぁぁぁぁぁあ!お姉ちゃんッ助けてぇ!!!」

クーラ「大声出しちゃダメッ! ハッ?」

巨大な虎「ギャルルルッ」ギャルッ

クーラ「!クリス危ないッ!!!」

バシュッ

クーラ「ウッ……」

クリスピアン「うわぁぁぁぁぁああっ 姉ちゃんッ、姉ちゃんがァ」

巨大な虎「!?ギャゥああああっ」

クーラ「ウウッ……喰らえ、元斗白華弾ッ」 バシュッ!

虎「Gyiaaaaaa!」バタバタバタ

クーラ「………ああ……よかった。と……と、虎は逃げたわね。もう心配ないわよ、ク…リ……ス」 ガボッ

クリスピアン「姉ちゃん……どうしよう、ボクをかばってこんなケガを……血がいっぱいでてる……」

クーラ「フフフ……クリス、心配いらないわ……」ニコッ

クリスピアン「ねーちゃん……うっ……」

クーラ「ちょっと、泣き虫ねッ、そんな事では修行にも差し支えるわよ……あ、アンタは、早く大きく、強くなって、今度はワタシをまもってね」ガクッ

クリスピアン「ねぇちゃんッ!ど……どうしよう……」

――――――――――――――

――――――――――――――

クリスピアン「フフフ、俺ってば、なかなか強くなれなくて……でも、これでようやく約束を守って姉ちゃんを守れた……か、な?」 ガク

クーラ「クリスピア~~ンッ!」

拳志郎「……」 ギュッ



ノーマン「くっ、しょんベンくさいガキが邪魔をしおって。だが、復讐はこれからよ。薄汚い愚民よッ、よくも俺をぉぉ」

王「ハッ……よ、よ、よ、よッ……余をないがしろにするからじゃッ、拳法家だぁ?素手で銃に勝てるかッ、おっ、お、お、おっお前たちもぉおお」



ジョージ「このドグサレがぁっ!」
パーン

ノーマン「王さまッ!奴が来ます。奴をやってしまってくださぃぃぃっ!!」

王「余に任せておけぃッ」

バババババッ!!

ノーマン・王「なっ、避けただとぉ」

ジョージ「この卑怯者がァああああッッ!!!」 バゴッ

ジョージ「ゴラゴラゴララァァッ!」ドガッ!ドガドガッ!

王「ブギィ」 バタッ
ノーマン「ウゲェツ」 バタッ


王・ノーマン:二人仲良く、再起不能

クーラ「うぁあああああああああ」

クーラは、クリスピアンを抱きかかえて、ただ涙を流していた。

――――――――――――――

本日はここまでです。

感想をくれた方々、ありがとうございました。


逆恨みしすぎだろクソ執事
王様は……ゴメンたしかに忘れてた。当初の目的だったのに

>>119
正直、作者も忘れかけていました……

今週末にまた更新する『つもり』です。

今から更新します。
今回はほんのちょっとですが……

ジョージ「クッ……、僕がもっと早くコイツラに気が付いていたら」 ゲシッ

拳志郎「クーラ……」

泣き叫ぶクーラのかたわらに、拳志郎がそっとより添った。

クーラ「なんだ、北斗のぉ?」
クーラが自虐的に笑った。

クーラ「私を笑いに来たか?……フフフ……ハハハハハッ!天帝の守護星、元斗皇拳も血に落ちたものよな。見失った天帝を探して各地をさまよい……情報を得るためにはその土地に救う悪でさえ目をつぶり……挙句に一門のものが北斗に負け……伝承者など、拳法の素人に敗れかける始末……まったく情けない」

拳志郎「クーラ……お前はいい拳士だ。笑ったりはしない」

クーラ「ハハハ……では一片の情が残っているのなら私たちを放っておいてくれ。せめて、残された時間を二人で過ごしたい」

拳志郎「おいおい、まだあきらめるには早いだろうが~~」

クーラ「⁉」

拳志郎「よく考えろ、お前の目の前にいるのは『北斗神拳』の伝承者(候補)だぜぇィ?」

拳志郎「クリスピアンよ、お前なかなか漢じゃねぇ~~か……見直したぜ。きっとあと十年も修行すりゃあ、相当な使い手になれるぜ、お前……ここで死ぬには、惜しい奴だ」

トンッ

拳志郎は、気絶しているクリスピアンの胸の中心を、人差し指で軽くつついた。

クリスピアン「ッ……」

クーラ「拳志郎?貴様、何を……」

拳志郎「心央点……血止めの秘孔をついたぜ………これで血は止まったから、ちゃんと手当をして……後はジョージがその『不思議な力』を使えば、クリスピアンは助かるだろうぜ」

クーラ「何っ、本当かッ!」 ガシッ

ジョージ「えっ?」

クーラ「ジョージ……お前、何かクリスを助けられるような、『不思議な力』があるのか?……ハッ、そうか、それで私の闘気(オーラ)をまとった攻撃を受けても、大丈夫だったのか」

ジョージ「拳志郎!?何を言ってるんだ? でたらめを言うのはよせェッッ。僕に、『特別な力』など……ないよ」

拳志郎「ふっ……ジョージよ……お前は、闘気をまとい細胞を滅する『元斗皇拳の光る手』を平然と受けられる男だ……そんなこと、この俺様でさえできねぇ……そんなやつがよぉ、何を言ってるんだぁ?」

ジョージ「なっ……あれは……あれは『違う』んだッ!買いかぶりだよ」

クーラ「たっ、頼むッ……弟を……ッ」 ガシッ

ジョージ「クーラ……いや、ぼくは……」

ジョージ「拳志郎、君がやればいい。君の『経絡秘孔』でクリスピアンを助けてやれッ!!」

拳志郎「……そうしてやりたいが、無理だ。『経絡秘?孔』は確かに施術者の身体能力を一時的に高めたり、血を止めることは出来る……だが、マシンガンの銃創は治せねぇ~~」

ジョージ「……」

拳志郎「なぁジョージ……お前の力を見せてみろよ?……お前の『光る拳』は、元斗皇拳とは真逆の『活人拳』そうだろう? その力を使えよ」

ジョージ(ぼッ……僕が?人の命を助ける?……波紋でェ? だが、もし、僕がリサリサやストレイツォ先生のように『波紋』を練れるのならば……もしかして……)

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ジョージ (いや、無理だ、出来っこない……でも、この姉をかばった男は見捨てられない)

クーラ「ジョージ、お願いだ……」
クリスピアン「……」

ジョージ(!?…………ええい、一か八かだッ……リサ、ストレイツォ小父さんっ、僕に力を……)

コウォゥオゥォウォゥ……コウォゥオゥゥゥォウゥゥゥゥ……

ジョージ「オーバードライブ(波紋疾走)ッ!」

ジョージが、倒れているクリスピアンに両手で触れるッ!

パチッ

クリスピアン「……」(反応なし)

クーラ「どっ……どうだ?」

ジョージ「……ダメだった……ごめんよ。精一杯やってみたけど、やっぱり僕には波紋は使えないよ……そっちの才能は僕にはないんだ……」

ジョージは肩を落とした。ジョージの足元には、先ほどと変わらず、クリスピアンがぐったりと倒れていた。
チラリとジョージの脳裏に、がっかりしたような幼馴染(リサリサ)と小父(ストレイツォ)のがっかりした顔が浮かぶ……

ジョージ「拳志郎、君の見間違いだよ。僕には出来ない。やっぱり、僕には『波紋』を使う能力はない……ないんだ………」

……パチ

クリスピアン「……」(反応なし)

クーラ「どっ……どうだ?」

ジョージ「……ダメだった……ごめんよ。精一杯やってみたけど、やっぱり僕には波紋は使えないよ……そっちの才能は僕にはないんだ……」

ジョージは肩を落とした。ジョージの足元には、先ほどと変わらず、クリスピアンがぐったりと倒れていた。
チラリとジョージの脳裏に、がっかりしたような幼馴染(リサリサ)と小父(ストレイツォ)のがっかりした顔が浮かぶ……

↑あれっ?ダブって投稿してしまいました。ごめんなさい!

拳志郎「?そんなことはないだろう?お前の『才能』……俺には見えていたぜ?」

クーラ「ジョージ………さっきまで拳をかわしていたお前に頼むのはおかしいかもしれない……だが、たのむッ! もう一度やってくれッ、クリスピアンは私の唯一の家族なんだッ!」

ジョージ「ウウッ」

ジョージがもう一度奇妙な呼吸を行い、クリスピアンに触れるッ。だが、やはり『何も』おこらない……

ジョージ「ゴメンッ……ダメなんだ、やっぱり僕には出来ない……もうわかっただろ、僕には『そういう』能力はないんだ」

ホントに少しでしたが、今日はここでおわりです……

拳志郎「……そうじゃねぇだろ、ジョージ……お前の『光る拳』のヒミツはそれだけじゃねぇだろ。その、内功じゃねぇッ……さっきからお前が必死になって隠そうとしてる奴だよ……それを使え。お前の『本気』、俺に見せろよ」 
 
ジョージ「なんだって拳志郎……君は、君には見えているっていうのか?」 
 
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

拳志郎「フッ、さあねぇ」 
 
ジョージ「……ずっと秘密にしてきたんだ……」 
 
拳志郎「おいジョージ、おまえが『それ』を秘密にしたいのはいい。だが、お前その『秘密』をまもるために、クリスピアンの小僧を『見捨てる』のか?」 

ジョージ「……もちろんそんなことは出来ない。それは、わかってるよ……」

クーラ「……」 
 
ジョージ「……クーラ……一か八か、かけてみるかい?」 
 
クーラ「ジョージ、お前と拳志郎が何の話をしているのか、正直良くわからない……でも、このままではクリスは絶対に死んでしまうッ!何でもいいッ何か、何か……」 
 
ジョージ「わかった」 
 
そう言ってジョージは、『スタンド』を出現させた。

ジョージ「ザ・ソーン(The thorn)ッ!」 
 
バリッ! 

ジョージが叫ぶ。その体から、茨の塊でできた腕がゆっくりと『現れ』た。その腕がノロノロとクリスピアンの方へ動いていく。
その緑の茨で出来た腕は、驚くほど太かった。そのビジョンの持つ『強大な』パワーは、それが『知覚』できる者たちに容易に感じ取れた。

クリス「なッ……なんだ?この西洋人の闘気(オーラ)の形が見える……まさか、コイツが闘気を操れるなどッ」

拳志郎「ハハハ、やはりジョージの奴は面白いな。これが、ジョージの闘気かよ」

そう、技を極めれば『スタンド』(幽波紋)を発現することが可能であることは実証されている。北斗神拳と元斗皇拳をほぼ極めた二人には、ジョージのスタンドがはっきりと見えていた。

ジョージ「……」

クリスピアンの体に、ザ・ソーンの茨の腕がゆっくり、ゆっくりと迫り、クリスピアンの体に触れた。

ジョージのスタンド;ザ・ソーンがクリスピアンに触れると、その茨がばらけた。ばらけた茨は、クリスピアンの体中に伸びていく。 
そして、茨から花が咲き、種が実り、その種が芽吹き、クリスピアンの体に再び根をはっていく。 
 
拳志郎「ジョージ、それだよ。その変な闘気(スタンド)だ。さっさとそれを使えばよかったんだ」 
 
クーラ「……なんだ、このジョージの闘気は?こんな『奇妙な』闘気は、始めてみる」 

やがて、クリスピアンの体中を、ジョージの出した『茨』が覆い尽くした。

ジョージ「……クーラ、すんだよ……もう大丈夫だ。彼は、僕がこの能力を解除するまで、もう目を覚まさない」 
 
クーラ「なんだって、『目を覚まさない』だとぉ? ハッ……貴様ッ、だましたのか?」 
 
ジョージ「違うッ、誤解だよ。聞いてくれ……僕のThe Thornに触れた人間は、みな昏睡状態になる。だけど、このスタンドがひき起こした昏睡状態ならば、その人間は、まるで木のように、ずっと変わらぬまま眠り続けることができるんだ」 

クーラ「つまり?」 
 
ジョージ「つまり、クリスピアンはまだ『死なない』ってわけだ……このまま数か月、ゆっくり体を回復させた後で、目覚めさせればいい」 
 
クーラ「ちょっと待てッ、つまりこの『植物状態』のクリスピアンを数か月、守り切れってことか?」 
 
ジョージ「他に手はない……大丈夫。僕の母に任せればいい」

拳志郎「なるほど、お前の満点ママなら何の心配もないな」 
 
クーラ「しかし、いいのか?」 
 
ジョージ「もちろん」 
 
クーラ「そうか、悪い……この借りは返す……むっ?」 

拳志郎、ジョージ、クーラの三人が一斉に同じ方向をむくッ、 
そこには、ジョージに『再起不能』にされたはずの元ジョースター家の執事、ノーマンが立ち上がっていたのだ。 
 
ノーマン「ふっ!ハッハッハッ!!貴様ら、もう終わりだ。貴様らを守るものはもう何も無いッ!すでに北斗神拳伝承者は我の手にあるッ!そして、『波紋の里』もだッ!ハハハハハッ……ブギィッ」 

バゴォ――ン! 
 
拳志郎「オイオイ、北斗の文句は俺に言えッ!かんけ―ない奴にあたるなッ!」 

拳志郎の拳をまともに受けたノーマンは、派手にぶっ飛んで近くの噴水に向かって、頭を突っ込んだ。


ノーマン「ブッ……偉大なる大英帝国の臣民たる私を、白人の私を、思いっきり殴りやがって。この、トイレのドブ水臭いサルの分際で……『神』が、『私』が許さんぞォォォ」ムクリ 

ノーマン「ガッ……あれっ?痛くないぞ……それどころか、体が絶好調だァッ!アハハハハハッ!絶好調になったのならァ!この力を利用して、『あのお方』の、『我らの神』のために、お前たちをぉぉおおお」 
チャキンッ 
 
拳志郎、ジョージ、クーラ「……」クルリッ 
 
ノーマン「貴様らぁ、なぜ背を向けるッ! 許さんぞォ~~一人一人殺ってやるぞォ~~、このサブマシンガンでぇぇ~~。フフフ、ハハハハハッ」 
 
カチッ 
カチッ 
 
ノーマン「!?アレッ?引き金を引いても弾が出てこないよ?アレッ?どうしてだぁ?」 

スカッ 
 
ノーマン「ハハハハハッ!なぁぁああんんだぁ! そっ、そうか。なんで弾が出ないか、り り り 理由がわかったぞッ……」 
 
拳志郎「そうかい、ごくろうさま」 
 
ノーマン「理由は、いつの間にか、お お お お 俺の指がッなくなっちまっているぅぅからだったぁぁぁあああああああ!!これで、どうやってあのお方のために奴らをぶっ殺せるんだぁぁ?」 
 
拳志郎「安心しろ、今から、オタクはそんなことで悩む必要がなくなるぜ」

ノーマン「えっ?」 
 
拳志郎「だって……お前はもう、死んじまっているのだからよぉ」 
 
ノーマン「ええっ?ハハハハ、何を言ってるんだ」 
 
拳志郎「……もう一度教えてやる。『お前はもう、死んでいる』」 

ノーマン「……ハッ……なんだ、体がどんどん気持ちよくなってくるぞ、そっ……それに、なんでか体がくすぐったいぞォ?ブヒャヒャヒャヒャ」 
 
拳志郎「経絡秘孔のひとつ、牽正(けんせい)をついた。せめて死の直前、天国を感じながらいけ」 
 
ノーマン「アベシッィ!」 
ノーマンは、両手の怪我から噴水のように血をまき散らし……次の瞬間、腕を、そして肩から心臓にかけて、まるで内部から爆弾を爆裂させたかのように、弾け飛んだ。 


ノーマン:牽正(けんせい)と言う秘孔をつかれ、死亡

ジョージ「うっ……物凄いな」 


顔をしかめ、ノーマンの体を調べるジョージ。そのジョージから少し離れて立つ拳志郎にむかって、クーラが話しかけた。 

 
クーラ「フッ……北斗神拳、相変わらずの破壊力ね……もちろん私には通じないけどねッ」 
 
拳志郎「へっ……元斗も……『東斗』も、北斗には勝てねぇよ」 
 
クーラ「!?今、何て言った?」 
 
拳志郎「ふっ、じきに分かるさ。しばらくアイツと一緒に行動してればな」 
 
クーラ「……拳志郎、何を考えている。あの『イギリス人』が『西斗』『東斗』の伝説と関係あるとでも?」 

今日はここまでです。

今回は色々とオリ設定をぶち込んだので、少しドキドキしています。いかがだったでしょうか。

期待しとるわ


まさかジョージがスタンド使いだったとは……
眠れる才能の形の一つだから誰が持っていてもおかしくはないが……

いばら姫モチーフか
となると解除は…(ホモォ

>>156
ご期待にそえるよう、がんばりますッ!

>>157,158
正直、波紋だけで行った方がいいのかも……とずいぶん悩みました。でも、蒼天/北斗の『闘気』を考えると、スタンドをだしてもうまくハマルかな……と思い、やってみました。

>>159
蒼天もジョジョも、『漢』の世界ですからね……

拳志郎「フッ、やはり、元斗にも伝わっているのか?古の秘拳『西斗月剣』と『東斗仙道』の物語を……」

クーラ「拳志郎……あれは、ただの伝説じゃないの?」

拳志郎「……本当の話さ……多分な」

ジョージ「!?これはッ?」

拳志郎とクーラ、二人の話に参加せずに ノーマンの持ち物を探っていたジョージは、『あるもの』を見つけて、調査の手を止めた。

それは、一枚のふるぼけた白黒写真であった。写真には、巨大な山脈をバックに二人の漢が映っていた。
写真の中の二人は、歳こそ離れてはいたが、とても仲がよさそうに笑い合っていた。

拳志郎「おっ、親父じゃないか?……元気そうだな……隣の男は誰だ」

ジョージ「彼は、『老子トンペティ』……確か、5年前に亡くなったはずだ」

拳志郎「なるほど、見た目通り、これは昔の写真ってワケだな。どおりで、親父が若々しい顔なワケだぜ。……それで、この写真の場所はどこだ?なんで、このクソ野郎がオヤジとその『老子』の写真をもってやがる?」

ジョージ「ここは、『波紋の里』だ。忘れるものか……それで、この人が君の父さんだって?」

拳志郎「ああ、そうだぜ。このオッサンは『霞 鉄心』第六十一代北斗神拳伝承者で、俺の親父だ」

ジョージ「『北斗神拳伝承者?』彼が『波紋の里にいた?』その写真をなぜこの男が持っていたんだ? いったい何が起こっているんだ?」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ジョージ「このままじゃ何もわからない……チベットへ行ってみるか」

3日後、ゴアから北へ50Km先に広がる密林にて:

バオーン

バリ
バリッ

拳志郎「おぉ、ゾオウよ、カイゾウよ、お前達が助けてくれて、助かったぜぇ」 ヒラリッ

ゾオウ、カイゾウ「パオーオォォォン」

拳志郎「よしよし、名残惜しいがお前達とはここまでだな……達者で暮らせよ」 パチンッ

拳志郎が腕を差し出す。すると、ゾオウ、カイゾウがその鼻で拳志郎の腕をパチンと叩いた。
そして二頭は、クルリと一向に背を向けて、背後の密林に入っていった。

ジョージ「……もう、馬鹿な人間につかまるんじゃないぞ」

拳志郎「フッ……アイツらなら大丈夫だろうよ」

クーラ「ちょっとォッ、そこのカッコつけて密林を見ている漢二人ッ、あのかわいそーだったゾウを助けてくれたのは良かったけど、この後はどうやって進むのよッ!まさか、このジャングルを、何の装備も持たずに行くわけじゃないでしょうねッ!」

拳志郎「細かいことはいぃんだよ。クーラ……元斗の伝承者様ともあろうものが、何を気にすることがあるんだ?」

ジョージ「カヌーを作ろう。それで、川を下って海まで進むんだ。カヌーをこいでしばらく北に上がっていけば、次の町に出るから、食糧とか何かを調達して、また進めばいい」

クーラ「はぁ?かぬぅ――?」

ジョージ「楽しいと思うよ、大丈夫たった700Kmぐらいの行程さ。700Km行けば、大きな町がある。そこからは、陸に上がって陸路でチベットに入るよ」

拳志郎「嫌なら引きかえしてもいいんだぜ、クーラ」

クーラ「……わかったわよッ。行くわよ。行けばいいんでしょ?」

それから半日後……

拳志郎 「おぉおおい、ジョージっ!あとどれくらいだ?……チベットまで」

ジョージ 「後3週間だッ……」

拳志郎 「フ―――ッ たまらないねェ……お前、パイロット何だろ?飛んで行こうぜ……どっかに飛行機が落ちてねーかな」

クーラ 「そんなの落ちてるわけないでしょ、馬鹿ね」

拳志郎 「……オイ、クーラ……なんだ?何でお前までついてきてるんだ。しかも、なんでお前ひとりだけ、何もしねーでただカヌーに乗ってやがる?」

クーラ「はぁ??アンタたちみたいな馬鹿でかい男達がいるのに、なんで女の私が汗水かかなきゃいけないよの。ふざけないでよ」

ジョージ「キミ……初めて会った時は女性だからって特別扱いされるのをあんなに嫌ってたじゃないか」

クーラ「!?ジョージッ、もちろん冗談よ。ただちょっとこの筋肉ゴリラをからかってただけ。もちろんチャンと漕ぎますわよッ」バシャッバシャッ

ジョージ「二人とも、まじめにやれよッ。いいか、このあたりのマングローブの森の中はワニはいるし、毒蛇やなにかもうじゃうじゃいるんだ。とっとと抜け出したい」

バシャ
バシャ
バシャ

拳志郎「……なぁ、ジョージ……俺たちはチベットに向かってるんだよな?」バシャ

ジョージ「そうだよ」 ビシャ

拳志郎「じゃあなんで、俺たちはわざわざ手漕ぎカヌーなんかでこんな密林を漕いでるんだ?ぁぁああああんん??」バシャ

ジョージ「しかたがないだろ?ゴアから北に抜ける道は、この間の嵐で完全に崩れてたんだ。この先100Km、ひたすら泥道だって話なんだぜ。それに、君だってさっきまでノリノリだったじゃないか」 ビシャビシャ

クーラ「ねぇ、ジョージ……このカヌーなんだけど、一日何キロぐらい進めるの?」バシャ

ジョージ「通常は30Km 位かな?だけど僕たちなら、一日60Kmは行けるよ。軽い軽い」 ビシャ

拳志郎「まぁ、仕方ねーかッ、こうなりゃぁこの旅をできるだけ楽しもうじゃねーか。ホレッ、リズムを合わせてこぐぞ……って、ジョージ、オメ~のリズムが一番むちゃくちゃだぞ。合わせろ」 バシャ

ジョージ「……人に合わせるのは苦手なんだ」 ビシャ

クーラ「あら、ジョージ。構わないわよ。私がアンタに合わせてあげるわ。拳志郎、アンタも私たちにリズムを合わせるのよ」 バ……ビシャ

拳志郎「まじか?お前、軍人なんだろ?そんなんで兵士としてやっていけるのかよ……っていうか、お前もいい年こいたオッサンなんだから、大人になれよ」 バシャ

ジョージ「パイロットはそんなに大勢で息を合わせて行動したりしないからね……それから、ボクはオッサンじゃない。まだ20代なんだからなッ!」 ビシャ

拳志郎「20代……ウソだろ? 英国紳士たる者、嘘はいけないぜ、嘘は」 バシャ

ジョージ「なっ!ぼくは29だッ!」  ビシャ

拳志郎「まじか……40くらいだと思っていたぜ。だが、19の俺にとっては、やっぱりオッサンだぜぇ~~」

クーラ「じゅうきゅうッッ!?アンタ、私より3歳しか年下じゃないっての?もっとガキだと思ってたわ」

ジョージ「ハッハッハッ!極東アジア人は、幼く見えるからなぁ?」

拳志郎「うっせぇ!さっさとこぐぞッ!オッサンとババアッ」

ジョージ・クーラ「あぁぁあああッ?何だと、クソガキ」 ドガッ

バシャッンッ

ジョージ・クーラ「フンッ!」

拳志郎「クッ……卑怯だぞ、二対一なんてよぉ」 ブシュツ

クーラ「ウッサイッ!海の放り投げただけで許してやったんだから、感謝してさっさと上がってきなッ……大体、アンタ生意気なのよッ、だいたい、一介の『候補者』が正式の『伝承者』に対して、何て口をきいてるのよッ」

ジョージ「この海には、マーダー・クロコダイルがわんさかいる。ワニにかじられたくなければ、早く上がったほうがいいぞ」

拳志郎「……」 スイ―――

ザバァッ

クーラ「ちょっとォ、もっとゆっくり上がってきなさいよ。水を跳ね散らかさないの。濡れちゃうでしょうが」

拳志郎(この、アマ……)ブルブルブルッ

クーラ「ウワッ、わざとやったわね。かわいくないねェ」

拳志郎「うるせ―― ……チッ、お前達のせーで泥だらけになっちまったじゃネーか」

クーラ「ちょっと、綺麗に泥を流してから戻ってきなさいよ。臭いじゃない」

拳志郎(このヤロ――) 

バッシャ――ンッ!

今日はここまでです。



だんだん拳志郎が若い頃のジョセフみたいになってきてて草wwww


拳志郎フリーダムすぎるww

>>179
>>180
コメントありがとうございます。
拳志郎は『蒼天の拳本編』の十五年位前と言う時代設定なので、まだ
未熟な面 がある と言う点を書こう思っています。キャラ崩壊しなければいいのですが……

ちょっと時間が出来たので、できたところまで投下してみます。

その後、川の流れに乗ってなんとか三人は海までたどり着くことが出来た。そして日が沈むギリギリまでカヌーで北に向かった。

その晩は、マングローブの森の中に見つけた小さな泥の島にカヌーを止めた。
他にちょうどいいところもなかったので、三人は一晩をこの島で過ごすことにしていた。

幸い、軍隊の特殊訓練を受けていたジョージは、このような場所でもキャンプをする術を心得ていた。

三人はジョージの指示でマングローブの木によじ登り、その枝を束ね、木の上にいごこちの良いシェルターを作った。
それから、泥を掘り返して小さな竈を作った。
泥だらけですべてが湿っているマングローブの密林、だがジョージは器用にたきつけを作り、あっという間に火を起こしてみせた。

その夜……

パチッ

拳志郎「ブシュッ グスッ…… チッ、鼻かぜを引いちまったぜ」

クーラ「自業自得ヨッ、グジグジうるさいわね」 
クーラは、『何か食べるものを探してくる』と言って立ち上がった。そして、キャンプから出て、ジャングルの闇の中に消えていく。

ジョージ「拳志郎、ちょっとたき火が弱くなってきたよ……僕はもう少し火が落ち着くまでたき火から離れられない。だから、キミは薪をとってきてくれ」
  
拳志郎「アイよ。だが、この湿った土地で乾いた薪を探すのは結構難しいんだぜ」

ジョージ「わかってる。恩に着るよ……だが、君も服を乾かしたいだろ」

拳志郎「誰のせいだ……テメェ」

ジョージ「ハハハハハッ。頑張ってきてくれ」

拳志郎「ちぇっ……わかったよ」


バチッ
たき火が爆ぜた。



ガサガサガサ

クーラ「ジョージ、泥を掘ってカニをとってきたわ。おいしそうよ」

ジョージ「いいね、マッド・シェル・クラブか……たっぷり太ってうまそうだ。火にくべよう」

クーラ「それに、さっきね、そこの木陰に15M位のおいしそうなワニを見かけたわ……そっちも捕まえられないか、やってみるね。うまくいけば、おいしいステーキにありつけるわよ」

ジョージ「……気を付けてね」

クーラ「フフフ、わかってるわよ」


パチッ


ジョージ「ふぅ、なんとか今日はここで寝れそうだね。あの調子なら食料も簡単に調達できそうだ」

パチッ

ジョージ(波紋の里が、襲撃された?だって?なぜ、何のためにだ)

パチッ

ジョージ(リサ……エリザベス……どうか、無事で……)

バキボキボキッ

拳志郎「ふぅ―――。薪とってきたぜ。こんな泥だらけの場所には転がってなかったから、そこらの木を折って持ってきた……しかし、ここは蚊が酷いな。たまらんぜ」

ドサッ

クーラ「フフフ……大量よ。たまたまそこに寝ていたでかいワニと、それから帰りがけに見つけた水生の大蛇を一匹、捕まえてきたわ」

拳志郎「おぉおお、うまそうだなクーラ……ところでこれはどうやって食うんだ」

クーラ「あっ……」

ジョージ「……皮をはいで、内臓を掻きだすんだ。海の水をかけると塩がをつく。でかい木の枝を突き刺して、火にかけて焼こう」

拳志郎「おお、いいねぇ。それで、誰が料理するんだ」

ジョージ「……僕がやろう。ここで処理すると何か肉食の獣が寄ってくるかも知れない……海の近くまで持って行って、処理するよ。こっちの火も安定してきたし、薪もあるしね」

クーラ「お願いねッ、おいしく焼いてねぇぇ〰〰!」

ジョージ「ハイハイ」

マングローブの密林、外洋との境目


ジュア――


ジョージ(チベット、波紋の里 か……ストレイツォ小父さん、リサリサ……以前あったのは何年ぶりだろう?久しぶりに会えるといいな)


ジュワッ


ジョージ「おっと、焼けたかな。どれどれ、ワニってどんな味だ?」パクッ

ジョージ「ちょっと泥臭いけどイケるか……って、ココはまだ生じゃないかッ、ウェエェ~~~」


ジュワァアアアア――――


ジョージ「ふぅ……やっと焼けたか。後はこいつを持って帰ればいいな」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

拳志郎「つまり、人狩りだとぉ?」

子供たち「そっ……そうなんですッ僕たちのお父さんも、お母さんも、みんな奴らにやられて……ウゥゥッ……」

クーラ「なんてヤツラ……許せないわね」

拳志郎「すぐぶっ潰してやるぞ、そんなやつらよォ」

ジョージ「そうだな。だが拳志郎、まずはこの子達を
助けないとな……まずは少し休むといい。もう安全だからね。ほら、肉もある。腹ペコだろ?」

子供たち「モジモジ……」

拳志郎「どぉーした、ガキども。うっめぇゾォッ!」

子供たち「あの……その…」

拳志郎「ほら、遠慮すんなよ」

クーラ「!? あら、あなたたちもしかして……」

子供たち「そうです……ボクたちにはそれ、ちょっと食べれません……あの……」

クーラ「わかってるわ。神様が食べるのを禁じている食べ物ですものね……水でも飲む?」

子供たち「ありがとッ!おねェちゃん」 ゴクゴク ゴク ゴク

ジョージ「……そうか、これは、君たちにとって『悪い食べ物』なんだね、それは悪いことをした」

拳志郎「……」

クーラ「仕方ないわよ。知らなかったんだから……インドの文化の奥深さを理解するには、何年もかかるわよ」

子供たち「Zzzzzzzz」

クーラ「あら、寝ちゃったのね。フフフ」

ジョージ・拳志郎「……ところでクーラ、俺たちは『用事が出来た』からちょっとここから離れるぜ……その間、子供たちの面倒を頼むぜ」

クーラ「……そうね、わかったわ、でも次はあんた達二人の内どっちかが留守番役だからね」

ジョージ・拳志郎「わかってるよ」

クーラ「ジョージ・拳志郎、私に代わって……ヤツラをぶっ潰してやって」




ガサガサガサッ

ハッハッハッ

バキッ ガサッ

泥だらけのジャングルの中を、十数人の男たちが必死に走っていた。

疲れ切った中年男「みんなッ!走れッ 苦しくても立ち止まるなッ」

やせぎすの男「そ……そんなこといっても、もう……走れない」 パタッ

疲れ切った中年男「馬鹿野郎ッ! 足を止めるなッ」

やせぎすの男「もう、疲れたよ、ほっといてくれ……」 グサッ

やせぎすの男「ピギィッ! あ……」 バタン

やせぎすの男の胸に、不意に矢が突き通された。

矢を放ったのは、見るからに裕福そうな白人たちであった。白人たちは、逃げる男たちを見渡せる位置に作られた櫓の上に立ち、双眼鏡と弓を片手に、楽しそうにワインをがぶ飲みしていた。

その背後には、巨大なオリが作られ、櫓から吊り下げられていた。そこにはジャングルを走る男たちの家族……妻や子供たちが閉じ込められていた。
男たちの家族は、オリにしがみつくようにして逃げる男達を見守っていた。

白豚1「ウヒャヒャハハハハハハッ! ほれほれ、必死に走れッ! お前たちが必死に逃げねーと狩りができねーだろっ?」

白豚2「さっさと逃げろッ!あと30秒したら、この庭にマーダ―・クロコダイルを放つんだからなッ!5頭の腹ペコのマーダ―・クロコダイルたちだッ!」

白豚3「ほれっ!真剣みが足りないんじゃないか? いいのかぁ? い いの か ぁ??? お前達の家族が おっ チんじゃう ぞぉぉぉおおお?」

白豚たち「ぶっヒャッヒャッヒャヤヤヒャァァッ」



ジャングルを走る男たち 「ウォォォおおおおッ」

バビュンッ!

プスッ

必死に逃げていた男「ァ……おれ、なんで……クソッ、これじゃあ 子どもに、つまに……」 バタン

肥った男「オイオイオイッ!すぐやられやがってッ!これじゃあ、つまらねーぇじゃネーかッ」

妻と子供「アナタッ!」「オトォーーサァアアンッ!」

肥った男「おっ!いい『代わり役』がいたぞッ!」

妻と子供「えっ?」

肥った男「ブヒャヒャハヒャヒャッ! だらしがねー父親に代わって、家族のお前らが責任を取るんだよォォッ! オイ、コイツラを檻から叩き出せッ」

兵士達「イェッサ……」

妻と子供「ううぅううう……」

肥った男「フフフ、じゃあな、お前たちをこっから突き落としてやるッ!落ちたらしっかり走れよォォオオオ 首の骨を折らずにいられたらなぁぁぁッ!」

バッ!

妻と子供「!? キャッ!」

妻と子供「……えっ?」


見張り台から突き落とされた妻と子供が恐る恐る目を開けると、二人は屈強な白人の男に抱きかかえられていた。

ジョージ「……もう安心さ、よく頑張ったね。。あとは僕たちに任せて」
「拳志郎、アイツらは僕が、制裁するッ!キミはジャングルを逃げる男たちを頼むッ」

拳志郎「わかった」

ジョージが見張り台の足を蹴り、その反動で反対側の足へ、そしてまた次の足へ……と言うように見張り台の足を順繰りに蹴り、階上の見張り台にとりつくッ!

ジョージ・拳志郎「この、クソヤロォォォッ!」

バッ!

ジョージは、階上に登り切ったとほとんど同時に、檻の中に銃を向けていた兵士たちに襲い掛かった。

兵士達「!? 何ッ!」 

ジョージ「ウォォオオオッ!」 

バキッ!
ゴキィッ!

ジョージはめまぐるしく動き、あっという間に見張りの兵士を倒していく。

不健康にワインを飲みながら、人狩りを楽しんでいた白豚たちが気づいた時には、時遅く、ジョージはすべての兵士を無効化し、人質を解放していた。

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

白豚たち「ヒッ、ヒギッ」

ジョージ「貴様ら……その制服、まさか、まさか」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

白豚たち「スッ……”スター”どの……」

ジョージ「貴様らが、僕をその”通り名”でよぶなぁッ」

白豚1「ピギィッ」 ブウンッ

動揺した白豚の一匹が、手にしていたクロスボウを、『英国空軍のエース』 ”スター” ジョージに向け、放つッ!
だが、ジョージはいとも簡単に、そのクロスボウをはたき落ちした。

ジョージ「この、馬鹿者どもが……」

ジョージ「ゴラゴラッゴラゴラゴラゴラッッ」

白豚たち「ブギィッ!!!」

ジョージ「この、大英帝国軍の恥さらしがッ」


ヒラリッ

と、たった一人だけ、ジョージの攻撃をまともに防ぎ、階下に払い落とされるのを防いだ男がいた。

「キサマ」ジョージが拳を構えるッ

?「ハハハハハはっ!栄えある 英国空軍の”エース” ジョージ卿が 腕っ節の方もここまでとは、聞いていなかったぞッ! だがッ!」

ジョージ「キサマ……『拳法使い』か?」

?「俺の名はセンッ! ”スター”殿、戦争の腕ではあなたにかなわぬ。だが、素手の『拳法』ならば、俺は、アナタにも引けを取らんッ!我が、南斗紅雀拳の極意、その身に受けてみるがいいッ!」

今日はここまでです。

と思ったのですが、またやっちゃいまして、書くべき数行を飛ばしてUpしてしまいました。
なんでだろ?

>>189
>>190

の間に、以下の文が入っている と脳内変換お願いします……

------------------------------------
バサッ

ジョージ「そこに転がっているデカイ葉っぱをちぎってくるむ……と」

バサバサッ

ジョージ「!?誰だッ」

?「助けてくださいッ!」

カヌーに乗ってジョージの前に現れたのは、10歳になるかならないかと言う年齢の、少年、少女たちであった。

>> 204, 205 感想をありがとうございます。

続きをUpします。

センは自信満々に両手を高く掲げ、まるでクジャクのように上から下へ、下から上へ、手のひらをヒラヒラとさせた。

セン「我が南斗紅雀拳は、南斗聖拳の中で最も華麗かつ残忍といわれている拳ッ! 覚悟しろよぉ、”スター”どのぉッ」

ジョージ「ああ、そうかいッ!」 ザシュッッッ

ジョージは、自分の言葉も終わらないうちに、超高速のタックルをセンに見舞うッ!
まるで地面を這うような超低空からの、伸びあがるようなタックルだ。

そのタックルが、センに 決まった。

セン「!?ウォッ」

ジョージ「口だけか、もらったっ」


-------------------------------------


一方そのころ……

拳志郎「さて、どこにいったかな? ……ぬっ?」
男たちを追おうとジャングルを走り出した拳志郎は、不意にタタラを踏んで立ち止まった。

マーダ―・クロコダイル(3頭)「グゥルルルルル……グル……グゴォ――――ッッ!」 ガッ!!

拳志郎「フンッ!」ボガッ

拳志郎「オイオイ、ゾウの次はワニかよ……俺はム〇ゴロ―じゃねぇー、動物使いじゃねェ――……俺は、拳士なんだぜぇ」

マーダ―・クロコダイル(3頭)「グゥルッ!ハッ ハッ」

拳志郎「チッ」

バシュッ!

拳志郎の一撃に跳ね返されたのは、巨大なクロコダイルであった。拳志郎の身長の優に3倍はありそうな、巨大な怪物だ。
クロコダイルは、巨大な口を開け、拳志郎を一飲みにしようと再び襲い掛かった。

ワニの噛む力は1平方センチ当たり約260キログラム、それは地球の歴史上最大、最強の肉食動物であったティラノサウルス・レックスに匹敵する恐ろしいほどの力だッ!
しかも、瞬間ではあるが走力は最大で時速60Kmに達し、その分厚い鱗が持つ防御力は、チャチナ銃弾など簡単に跳ね返すッ!

??「フフフッ 良く避けたな。だが、まだまだ甘いな」

拳志郎「何だとォ?」

クロコダイルをひきつれて現れたのは、三叉戟を手にしたやせぎすの男だ。その男は、三叉戟を構えて拳志郎を挑発した。
??「俺の名はマット!そしてコイツラは我が可愛い マーダ―・クロコダイルよ」

マットは、ヒラリと跳躍し、クロコダイルの背に乗った。
マット「我が秘術、驚鞉操鰐術 (きょうとうそうがくじゅつ)の秘儀を喰らえィツ」

拳志郎「ああぁ?キョウトウソウガクジュツだぁ?」

マット「フフフフ、俺は、4体のマーダ―・クロコダイルを自分の手足のように操ることが出来るッ! …… 一匹、どこかにほっつき歩いているようで、ここに顔を出さないのが少し気分が悪いがな」


驚鞉操鰐術 (きょうとうそうがくじゅつ)
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南アジア一帯には 野生のマーダー・クロコダイルが 多数生息しているが、一八世紀初頭 かの地ではこれを飼い慣らし、操る術が発達した。
この術を応用し、村人は村の周囲に堀をつくり、その中に飼育したワニを放ち、外敵の侵略を撃退したという。
このためワニは守護神として人々に大切にされた。
現在でも 南アジア某国には、ワニを殺したものは死刑との法律が残存しており 、昨年 うかつにも、ワニ皮のハンドバッグを所持していた日本人女性が、終身刑となったのは周知の事実である。
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民明書房刊
「クロコダイル・ダ ンディ―爬虫類よもやま話―」よ り

ワニたち「ウジュアブブブブブッ!」

拳志郎「あぁああん?ワニをけしかけて戦わせるだとぉ? この卑怯者めッ。こんなうまそーなワニ、片っ端から喰ってやるぜッ!」

マット「ばかが、ワニのえさになるのはお前の方だッ!幾多の人間をその腹に収めてきた、血に飢えたマーダ―・クロコダイルの強さを特等席で体感するがィィィッ」

ワニたちが一斉に襲い掛かるッ!

ワニの強大な体躯からくる恐ろしい圧力をが、拳志郎を襲う。

拳志郎は飛び掛かってきた最初の一頭をかわす。かわしざま、むき出しのワニの腹に正拳を叩きこもうとするところに、マットの三叉戟が襲う。

拳志郎「ああぁぁ?物足りねぇーーなぁ、スローすぎるぜッ」 ブンッ
拳志郎は三叉戟を簡単に払い、そして同時に噛みついてきた二頭のクロコダイルを、同時にぶっ飛ばすッ

ドガッ!

だが、吹っ飛ばされたワニたちはすぐさま平然と身をおこし、再び拳志郎に向かって突撃してきた。

拳志郎「ウォッ!さすが爬虫類最強だぜ。俺の一撃をまともに喰らっても襲ってくるだとぉ?」

ガブっ!
ガリっガリxツ!
ブワンッ

拳志郎はワニの攻撃をまともに喰らい、ジャングルの沼地に吹っ飛ばされた。

拳志郎「……やるねェ、さすがワニ、恐ろしい威力だぜ」

マット「ブヒャヒャヒャッ、勝った。どうだッ!貴様の北斗神拳は通用せんぞぉッ!どうだ、ワニに経絡秘孔があるか?ウワッハハハハハ……ハハハ」

拳志郎「ヘッ!ワニ公なんざ、俺にとっては飯の種だぜッ!昨日も馬鹿でかいワニの丸焼きを喰らってやったぜ。お前たちも、まとめて食ってやる」

マット「……オイ…まさかとは思うが……そのワニ、黒っぽい背中に白っぽい傷がある、6Mぐらいの奴か?」

拳志郎「……おう、そういえば、そんなカッコだったかもしれねぇーな」

マット「きッ……キサマ」わなわな

マット「キサマッ!喰らったなッ!俺のカワイイ鰐を『喰いやがった』なァァァァ」

拳志郎「なんだってぇ、あれはお前の飼っていた鰐だったのか?……そりゃ~~あ 悪いことをしたな。だが、おいしくいただいたぜ。ちゃんと成仏したと思うから、許してくれや」 ボリボリ

マット「貴様らッ 殺してやる。殺して、お前達をワニのえさにしてやるぜェェェ!!!」

拳志郎「あぁあああ、何だとォ 上等だこのヤロォ――― 俺が食ったモンに文句があるなら、俺にかかってこいやぁッ」

バゴッ!
ブギッ!!
ボゴォォッ

ワニ公の尾っぽを鞭のようにしならせた一撃ッ
太い前足の振り下ろし攻撃ッ

拳志郎「早いッ! だが……俺をとらえるにはまだ甘いッ!」
拳志郎は、二体のワニの攻撃をいなした。
続けて放たれた三叉戟の連続突きも、簡単に払いのける。

だが……
ワニ公「ガブっ」
残った一頭が、拳志郎の二の腕に噛みついたッ!ワニのその噛み千切る力は、数トンにも及ぶッ!

拳志郎「おいおい、いってぇナァ」

ワニ公「……」

だが、ワニの牙が拳志郎の腕を通らないッ!

拳志郎は軽々と拳をふるい、自分の二の腕に噛みついていたワニの顎を砕いた。
まるで、雪のように白い破片が飛ぶ。ワニの牙だ。
続いて、驚異的な速さで襲い掛かってきた残り二体のワニを、拳志郎はさらに素早い動きで迎え撃ち、二頭とも吹っ飛ばした。

ワニ公「ブッゴォオオオッ」

マット「バッ……馬鹿な、なぜワニにかまれたのに、奴の腕は何ともないんだ。」

拳志郎「うるせぇな、気合いが違うんだよ、気合いがッ!」

バーンッ

拳志郎「オイッ!こんなかわいいワニ公を殴らせやがってッ!……てめー、この動物好きの拳ゴロ―さんを怒らせたなッ!ゆるさねぇ」

ドガッ

拳志郎「ウワァタァッ」 ボゴボゴボゴッ!!

マット(そんな……さっき、ワニを見てうまそうだっていってたじゃん……)

拳志郎「フンッ」ブスッ

拳志郎「頭維と言う秘孔をついた……お前はこの指を抜いてから、三秒後に、死ぬ」

マット「へッ……いやぁあああ、抜かないで、抜かないでッ」

拳志郎「ぁあああん?お前のワニに喰われた犠牲者も、今のお前と同じように命乞いしただろうに……ダメだ」 ヌタッ

マット「そッそうだ、じ……自分で指を入れればいいんだぁ……俺って、あったまイイ!……えへへへへ……」ブスッ

拳志郎「……無駄だ、秘孔は指でついただけじゃあ効かん。一ミリの間違いもなく指を突き入れたうえで、相手の命脈を乱すように正確無比に気をおくりこまなくてはな……」

マット「え……そっそんなッ……エブシィッ!!」 ブシャッ


マット:頭維と言う秘孔をつかれ、その三秒後に死亡

今日はここまでです。
次は、あまり間を開けずにUp出来ると思いますが……

まさかの男塾wwというか民明書房ww
乙っす


>>224 感想ありがとうございます。

>>225,226 ジョジョ4部にも『民明書房』は登場しているので、出してみました。

では、続きです。

拳志郎と、マットとの戦いが終わった。
その頃、見張り台の上では 南斗紅雀拳のセンとジョージが、激しい戦いを繰り広げていた。

ジョージ「喰らえィ」シュルルルルッ

セン「クッ、でかい図体の割に、なかなか早い動きだな」バシッ

ジョージ「クッ、タックルをきられたか」

セン「だが、まずタックルを選択したこと、これでアナタが憲法家でないことははっきりしたッ!我が、南斗紅雀拳の敵ではないッ!喰らえイっ」

センがユラユラと腕を動かし、異様な構えを取った。

ジョージ「何だ?なにをしようとしているんだ?……ええぃッ、ここは度胸一発、先手必勝だッ」
センに向かって、ジョージは再びタックルをしようと突っ込む。

セン「フン……下らんッ!」
センは、にやりと笑った。タックルに来たジョージを迎撃しようと、腰を落とし、腕を構える。

その時、二人の間に太い枝が落ちてきた。
階下から投げつけられたものだ。

バシュッ

その枝に、センが腕を伸ばす……すると、木が瞬く間に削れていくッ!

ジャルルルルルッ

枝は、どんどんその身が削られていき、ついにはただの木クズと化した。
床に落ちる前に、まるで、蒸発したようにその姿はなくなった。そして床に、木クズがまるで雑草のようにばらまかれた。

ジョージ「馬鹿な……木が……木クズになっちまった。まるで、ニホンの鰹節のように削られるなんて……コイツがやったのか?」

拳志郎(地面から見張り台を見上げて)「ジョージッ!今のでわかったろ……南斗をナメルなッ!南斗は手足を必殺の武器と化す、恐ろしい破壊力を持った拳法だッ」

ジョージ「……ああ、良くわかったよ」

セン「フッ……わかったからどうだというのだッ!我が『南斗紅雀拳』の威力、とくとあじわうがいいッ!!!」

センは両腕を広げた。その腕を、まるでクジャクの尾びれのようにヒラヒラト舞わせ……宙を舞うッ。

セン「啄殺乱破(たくさつらっぱ)!」 

バシュッ
センは空中で見張り台の天井を蹴った。
そして、無数の突きを繰り出しながら、ジョージに向かって突っ込んでいくッ。

セン「しねぇぇイイイッ」

バシュバシュバシュッ

ジョージ「!?ッウォォオオオオッ!」

ジョージは、とっさに床板を剥ぎ取り、センに向かって投げつける。
同時に、必死に床を転がり、センの突進をかわすッ

ぼごぉぉぉっ!
衝撃音とともに、周囲の床材が飛び散るッ!

セン「フッ……良くかわしたな、だが二度目は……無いッ」

ジョージ「ハッ!貴様こそ、この俺をナメルなァァァッ!」

センに追撃の構えをとる間も与えず、いち早くジョージが動いた。

ジョージ「ゴラッ!」
センの頭部への回し蹴りだッ

セン「フッ……下らん攻撃だ……なッ?」
センは片手をあげ、ジョージの蹴りを防御しようとして……

ジョージの脚が 消えたッ!
次の瞬間、消えたジョージの脚が、四方から同時にセンを襲うッ!

セン「ブギィィイイイッ!」
マトモにジョージの蹴りを受けたセンが、見張り台からぶっ飛ぶ。

グワッシャァアアン

セン「ウッ……クッ…」 ヨロッ

タッ
ジョージ「へぇ……僕の蹴りをまともに喰らって、それでも何とか立てるのか、キミ、なかなかタフだね」

拳志郎「やるじゃねーか……ジョージィ……だがもちろん、元斗皇拳の伝承者ととまともにやりあってぶじだったお前だ。こんな、南斗百八派の末席に引っかかっているような拳法じゃ、とーぜん相手にはならんか」

ジョージ(下を見ながら)「拳志郎、さっきはアドバイスありがとう」

拳志郎(上を見上げながら)「いいってことよ。気にするなよ」

セン「クッ……こんな、ハズは……」ヨロッ

ジョージ「こいッ!」

ゼン「クッ……こうなっては、南斗紅雀拳、最大奥義で葬ってやるわ……喰らえ」

ゼンは、緩やかな動きで腕の本数を多く見せるような構えをとり……

ゼン「全身を切り刻まれて死ねッ!雀紅千波(じゃこうせんば)ッ!」

その腕から、同時に術を切り裂くナイフの群れの様な、手刀が飛ぶッ!

ジョージ「甘いッ!」
だが、ジョージはそのナイフの群れをさばき切り……

ゼン「ぼっごぉ……」

ジョージ「ゴラごラゴラゴラッ!」

ボッゴォオオオ!

セン:ジョージの連撃をまともに喰らい、気絶

ジョージ「ふぅ、これで片が付いたかな」

拳志郎「オイオイ、ジョージ。ズルくないか?お前はまともな拳法家と勝負ができて、俺はワニ公との戦いかよ……不公平だぜ」

ジョージ「ハハハ、花をもたせてくれて、ありがとう……でも、コイツラは僕が『処分』すべきゴミだったからね」

拳志郎「まぁ、そうだな……」

まさか、自分が属する英帝国軍に、こんな極悪非道な事をする部隊があったとは……ジョージは、肩を落とした。
せめて、この非道を告発し、関係者がもしまだ生き残っていたら、しかるべき保証をしなければならない。

ジョージはやりきれない思いで、非道の証拠をつかもうと、自分が処刑した敵の遺留品を調べ始めた。

ョージ「!?……あれ、鉄板が埋まっているぞ?……ここの地下に、シェルターでもあるのかな?」

拳志郎「へぇ……ちょっと手伝ってやるよ」

ジョージ「ありがとう、じゃあ、いくよ セェエエノォッ!」

拳志郎「ウォオオオィッ!」

拳志郎とジョージは、鉄板に指をかけた。
だが、屈強な大男が二人がかりで頑張っても、その鉄板はピクリとも持ち上がらなかった。

ジョージ「だめか、重すぎる……いや、溶接されているのか?……ならば……ザ・ソーンッ!」

ヴォ――ンンッ

ジョージの隣に、茨でできた大男のヴィジョンが現れた。


拳志郎「ああ、闘気を使うのか。なるほどな……ところで、お前の闘気、いつみてもおもしろいな。スゴイ力じゃねぇか……なぁジョージ、なんでさっきはその闘気を戦いに使わなかった?」

ジョージ『動きが遅すぎるんだ……僕の能力は『植物のようにゆっくりとした破壊と眠り』を相手に与える能力さ。戦闘には使えないんだ』

拳志郎「へぇ~~なるほどな」

ザ・ソーンは、ゆっくりした動きで鉄板に指をかけ、ゆっくり、ゆっくりと鉄板をたわませ、引きはがした。

バリッ!
ベリッ
ボゴォッ!

やがて、ジョージのスタンド ザ・ソーンは鉄板をまるで紙のように引きちぎった。
すると、その奥には人ひとりかろうじて入れるぐらいの洞窟が口を開けていた。

拳志郎「へぇ」……なんじゅこりゃ?

ジョージ「あわてるなよ。有毒ガスがたまっているかもしれないんだからな」

拳志郎「わかってるよ……で、どうする !?オッ?」

ジョージ「村人が戻ってきたみたいだね」

ガサッ

逃げていた男達「#&★☆#! お前達ッ」

人質にされていた妻、子供 両親「ああっ、アンタッ ……無事でよかった」

二人の予感は正しく、やがてジャングルの密林をかき分け、人狩りの対象とされていた男たちが恐る恐る顔を出した。
男たちは、自分たちを理不尽に虐殺した白豚どもがいなくなった事に気が付き、狂喜乱舞した。
男たちは妻と子供と、それに年老いた両親を。人質にされていた家族は父親の名を、それぞれに涙を流して呼びあい、抱きしめあった。

逃げていた男達「ああ、あんた達、ありがとう……ありがとう……」

妻や父母達「ありがとう……あんた達の事は忘れないわ。アンタたちは私たちの救世主様よ……」

子供達「にぃちゃんたちッスゲェ―――ッ カッケェ――――ッッ」ワクワクッ

拳志郎「ぉおおお、まっ、気にすんなよ」パタパタ

ジョージ「僕たちは暴れたくて暴れただけさ……」パタパタパタ

と、その時だ。

??「隙ありッ!」

キャァッ

ジョージ「なんてことだ……」

ジョージに気絶させられていたセンが、いつの間に目を覚ましたのか。
不意打ちで襲い掛かったセンは、嫌がる子供を捕まえ、両脇に抱えた。

セン「ブヒャヒャヒャヒャッ!お前達ッこの人質の命が惜しければ、降参しろッ……いやぁぁ……?もっといいことを思いついたぞォオオオ。お前達、『二人で死合え』」

今日はここまでです

クズにしないと、秘孔を突かせづらいんですよね……

では、続きです。

セン「わかったかぁ? てめえら、『死合え』、互いにコロシあえぇぇ」 ブヒャヒャヒャッ

ジョージ「キサマ……なにを言っているんだ」

拳志郎「オイオイ、死合いだぁ?冗談はよせよォ……こんなオッチャンが、俺のあいてになるかよ」

ジョージ「……何だって?クソガキ」

拳志郎「あぁあああ? オマエ、拳力がおれより劣るから、嫉妬してんじゃないのか」

ジョージ「何だとォオオオ!」

拳志郎とジョージはにらみ合い……

ボゴォッ

同時に拳を振るった!
互いにの拳が交差し、ボクシングで言うクロスカウンターの格好になった。

拳志郎・ジョージ「クッ……」

ドガッ!

バゴォッ!

二人は真正面から殴り合うッ


セン「……」


拳志郎「オッサン、なかなか痛てぇじゃねーか」

ジョージ「ケン、君は働きもせず、拳法ばかりをやっていた男だろ?それなのに『コンナモノ』なのか?がっかりだよ」

拳志郎「アタァッ!」

ジョージ「ゴラッ!」

バゴッ!
ボゴォォッ!
ドガガガッ!


セン「……オイ」


拳志郎「アタタタタタタタタタタタタタタタタタタァァァッ!!」

ジョージ「ゴラゴラゴラゴラゴラゴラゴララララァッッッ!!」

二人がグルグル回りながら無数の拳を打ち合うッ!
またたくまに、二人の顔が腫れあがっていく。

ジョージ「そんな手打ちのジャブで、ボクが倒せるかッ」

ジョージが、アッパー気味の右をフルスイングで放つッ

バゴッ

拳志郎「ゲボゥ」

ジョージの拳が、拳志郎のみぞおちをえぐるッ

拳志郎(クッ、こいつナチュラルに重たい拳だぜ……危うく、さっき食べたワニ公を、フル リバースする所だったぜ。 あっぶねェ―――。 だが、ここは平気な顔でハッタリをかますぜ)

拳志郎「あぁああん?テメーこそ、そんなスローな拳で、よくもこの霞拳志郎さまの前に立てたもんだな、コラァ」

ドガッ

お返しとばかりに、拳志郎の膝蹴りが、ジョージの脇腹を抉るッ

ジョージ(ウプッ……クッ、拳志郎……『拳法家』っていうのは、こんなにも鋭い攻撃をするのか……これだけ早い一撃だと、出所が抑えられないッ)

ジョージ「こんな攻撃っ、くらえぃ!!」

だが、ジョージは止まらない。
崩れ落ちると見せかけ、ジョージは拳志郎の腕をとりながら足を払い、地面に倒れ込む!

拳志郎「上等だ、このやろーッ!」

ジョージ「うぉおおおおおっ!!」

二人は、互いの襟を掴んで殴り合い続けた。
互いに馬乗りになりながら、地面をゴロゴロと転がっていく。

ボガッ、ボゴッ

拳志郎「痛てぇなッこのやろー……」
バゴっ

ジョージ「はっ、そんなものか?下から無理やり打ち上げた手打ちの拳なんかで、ボクが倒せると思っているのかい」

拳志郎「あぁぁぁ?いってろ、このタコ野郎」
ポカポカッ


セン「……オイッ!舐めてんじゃねェ~~ッ ガキの喧嘩か、テメーら。奥義を使えッ!秘孔を突けッ このやろぉ」


拳志郎・ジョージ「うるせぇッ!! 引っ込んでろバカヤロォッッ!」

セン「………はい」

拳志郎(!?しめたッ) スルリッ

ジョージ(ハッ、しまった。逃がしたぞ)

拳志郎「ふっ……ゆだんしたなぁ、どんなもんだ。脱出してやったぜ」

ジョージ「それがどうした。キミ、もうボコボコじゃないか……もう勝負は見えている」

二人はいったん距離をとり、にらみあった。

ジョージ「コォオオオオオオ」

ザ・ソーン “メキッ”
ジョージの体からスタンドの茨、『ザ・ソーン』が顔をだした。
茨は、ゆっくりとジョージの体を覆っていく。

拳志郎「ふぉぉぉぉぉ――ッ」
拳志郎も異様な構えをとり、鬪気を溜めていく。
その鬪気がオーラとなり、拳志郎の背後に『戦の女神』の姿を形づくった。

セン「ぶひゃ……やっ、奴等が本気をだすぞ。ふぷぷぷ……痛ッ」

セン「あぁ、なぁんだ。棘のある植物を踏んだのか か カ……」グルリ(白目)

(白目の)セン「ブッ……」 バタン

ジョージ「よし、邪魔者はボクのスタンド: ザ・ソーンで始末した」

拳志郎「ふっ、では 『死合うか』」

ジョージ「ああ、逝こうッ」

拳志郎「蒼龍天羅(未完成Ver)っ!」

拳志郎の叫びに呼応し、拳志郎の背後にたたずんでいた『戦の女神』が二人を包むっ

ジョージ「なんだ、ここは……急に、まるで、別の空間に閉じ込められたような……まるで晴天の蒼い空の中にいるようだね」キョロキョロ

拳志郎「ヘッ……これぞ我が北斗神拳の秘拳、蒼龍天羅(未完成Ver)だ」

ジョージ「ソウリュウテンラ……なんだかわからないが、なんて……不思議な空間だ……」

拳志郎「ふっ……これで、もう誰も俺たちを邪魔しないぜ」(北斗天帰掌)

ジョージ「ふっ……行くぞ」(意味を理解していないが、とりあえず北斗天帰掌)

拳志郎「この構えは『北斗天帰掌』、真剣勝負って時の『礼』の構えさ。もし誤って相手の拳に倒れようとも相手を怨まず悔いを残さず天に帰るっつー意味よ」

ジョージ「へぇ……いいね」

拳志郎・ジョージ「ウォオオオおおっ」

ドガッ!

拳志郎・ジョージ「このヤロォオオオおッ」

ゴギィッ!

ジョージの蹴りを喰らいながらも、拳志郎が右フックをあごに決めるッ!

ジョージ「プッ……こんなナマッチョロイ拳で、ボクが倒れるかッ」

拳志郎(チッ、コイツ神経が通ってるのかよ?タフな奴だな……メンドくせぇ……こうなりゃやってやる……秘孔を狙うぜッ)

拳志郎「北斗神拳の秘孔を味わえッ! 喰らえッ新膻中(しんたんちゅう)だッ」

拳志郎は、ジョージの左わき腹をつくッ

拳志郎「はっ、勝負あったな。もう、お前は一ミリもうごかせねぇぜ……俺の声がかかるまでこの秘孔縛から逃れられねェ …… ?」

ジョージ「コゥォオオオオオ」 ボゴォッ!

拳志郎(クッ、コイツ拳をふるいやがった)

ジョージ「拳志郎、ハッタリはヤメロ。ボクの動きは、のろくないよ……ボクに『秘孔』を打つなんて、出来るもんか」

拳志郎「けっ……やせ我慢すんじゃねぇぞ」(オイオイ、コイツ、秘孔が気かねぇぞ。うっそだろぉおおおお、やっべぇ~~。次は、どうするか)

バシュッ

とつぜん、蒼龍天羅(未完成Ver)の空間の一部が発光し、外部から崩れ落ちた。
そこから現れたのは……クーラだ。

クーラ「なぁああに、味方どうして死合ってるんだ、この……ドバカッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

パッシィイイインン

拳志郎・ジョージ「ブッ……クッ…クーラぁ?」


今日はここまでです。


てっきり聖極輪みたいなことやるのかと思っていたらこいつら本気でやりやってただと……

>>274
拳志郎とジョージがやっていたのは、本気の『喧嘩』です。『[ピーーー]気の戦闘』ではない……はず……と思っています。

ケンシロウなら、聖極輪の出番なんでしょうけど、拳志郎(ヤングVer)なら、ガチの喧嘩になっちゃう方がにあってるかな と思ったのですが、いかがでしょうか。

ここから続きです。
今回も、オリ設定・オリキャラが出てきます。そこを、我慢していただければ嬉しいです。

パッシィイイインン

クーラの手が発光する。その光が、拳志郎の創り出した蒼龍天羅(未完成Ver)を砕くッ

    ◆◆

そして、拳志郎とジョージの周囲が、元に戻った。
気が付くと、『人狩』の餌食にされかけていた村人たちが、拳志郎とジョージをのぞきこんでいた。二人の周りを取り巻くようにしていた村人たちは、ワッと歓声を上げた。

村人1「よかったぁ~~、あの人達、無事じゃったかぁ……」

村人2「あの光る繭に、あの人達が包まれて、空に上がって言った時は、びっくらこいたなぁ」

村人3「ホントにのぉ、クーラ様があの繭を切り裂いてくれなけりゃ、一体どうなっていたことかのぉ」

人質の子供たち「ウワァアン。おねーちゃん、怖かったよォおおお」

クーラ「ヨシヨシ もう大丈夫よ……安心して」 ギュっ

拳志郎・ジョージ「いゃあ、クーラ……来てたのか」

クーラ「あぁぁぁ?」

10分後

クーラ「アンタたちっ、バカなの?本当のバカなの」

拳志郎・ジョージ(正座中)「……面目ない」

クーラ「本ッ当に信じられないわ。ねぇ……アンタ達は、この子達の村を救いだす為にここに来たんでしょ! それが、『ついウッカリ腕試しをしたくなった』ですってぇ………」

拳志郎・ジョージ(正座中)「………」

クーラ「💢!!!※※※………!!」

拳志郎(チッ……まだ修行が足りねぇな。まさかクーラの奴に蒼龍天羅(未完成Ver)を砕かれるとはよぉ……)ムスッ

クーラ「💢!◎@★〇・※※※|……!!」

拳志郎(しかも、ジョージの奴には『秘孔』を封じられちまった。……クッそぉぉッ!腹立つぜぇ……これが、親父 ――北斗神拳正式伝承者―― が放った『秘孔』だったなら、どうよ) ムスムスムスッ

クーラ「💢!ちょっと、アンタ達はホントに反省してるのぉ!!※※※……!!(以下リフレイン)」

ジョージ(なっ……長いッ。 リサリサも、いったん怒りだすと、止まらなかったけど、これはそれ以上かも……そうだ、こうなったら……) シュルルルッ


セン「……あっ、あれぇ?」

セン(ジョージと拳志郎の奴が女に怒られてやがる……。何だかわからんが、こりゃあ逃げ出すチャンスかぁ……。うへへへ) カサカサ

ゴツン

セン(痛ッ、頭をぶつけたぞ………。もっ、もしや……)

バーンッ

顔を上げたセンが見たのは、腕組みをしながら仁王立ちしている、拳法家たちであった。

セン「うびっ、うへへへへぇ………」

ジョージ「ようやく目覚めたか……ザ・ゾーンを解除してから10分も気を失っているなんて、のんきな奴だ……だが、すぐに覚悟を決めるんだ」 コォォッ

クーラ「お仕置きの時間ね……。この元斗皇拳の『光る手』に滅せられぬものなしッ」 ヴォォン

拳志郎「北斗神拳の前に立つもの、『死』あるのみ」 ポキポキ

??(知らないガキ)「ウヌメッ……この、南斗の面汚しがッ!」 バァー―ンッ!

ジョージ、クーラ、拳志郎「んッ?」

いつの間に現れたのか、ジョージ、クーラ、そして拳志郎の隣に、小柄な少年が仁王立ちしていたッ!

その少年を見たセンが、激しく取り乱した。

セン「シ……ショウゴ……どうして」

ショウゴ「ウハハハ、俺にも訳がわからんッ!俺を閉じ込めていた穴蔵の鉄板が、突然無くなったのョッ!。だが、こうやってワレが解放されたからには、わかっておるな……」

セン「ひっ……」

ショウゴ「ゲロウめッ、だがウヌの命もこれまでよ。天に滅せいッ!」バゴォッ

セン「ブギィ!……」

ショウゴがセンに飛びかかり、その顔を殴りつけた。
センがぶっ飛ぶッ

(センがぶっ飛び、ぶつかった)見張り台 “グウワッシャアアアアーーンッ”

セン: 顔面を陥没させられ、死亡

拳志郎(へぇ………このガキ、中々の拳じゃあねーか。センの顔が、まるでハンマーで殴り付けたようにベコッてるぜぇ)

ショウゴ「ウハハハハ、同然の報いよッ。ワレを騙し、監禁した罪、死すら生ぬるいワ」ヴァァーーンッ!

拳志郎「……あーー、お前は誰だ」

ショウゴ「俺はショウゴッ!南斗聖拳の伝承者よ」

クーラ「嘘ッ!キミがぁ?南斗聖拳のォッ?」 ヨロッ

ショウゴ「なんだ、何がおかしい?」

クーラ「だって……アナタまだ15才ぐらいでしょうが、そんな年で………」

ショウゴ「拳法家に年齢などかんけー無ぇしッ、カンジンなのは拳力のみッ」 キリッ

ジョージ「……(メンドクサイ感じの小僧だな……)それで、どうして君がここにいるんだい?」

ショウゴ「誰だ、キサマは?……まぁいい。いい質問ダナッ。話してやろう」 カクカクシカジカ

拳志郎「なるほど、武者修行を兼ねて、一人でセンの野郎を追っていたと」

ショウゴ「ウム」

ジョージ「……それで、腹が減って行き倒れかかっていたところを、英国軍に拾われ、食事をごちそうすると言われたと」

ショウゴ「そうだ」

クーラ「それで、喜んでご飯を食べていたら、食事に眠り薬が仕込まれていて、うとうとしたところにセンが現れて、閉じ込められたと」ガクッ

ショウゴ「ウム……どうした。何故両手をついて膝まづいておる?」

クーラ「何でもないわ。ちょっとクラッとしただけよ」

ショウゴ「なんと……元斗の、修行が足りんのじゃないか、キサマ」

クーラ「……」

拳志郎「それで、『ショウゴ』クンよぉ~~。お前は南斗のどの一派なんだ?」

ショウゴ「……」

拳志郎「俺は北斗のモンだ。だから南斗聖拳のことはよぉーーく知ってるぜ。その伝承者達とも、顔見知りの奴等がおおいぜ。………だが、お前ことは知らねーー」

ショウゴ「南斗のものは、ミナ北斗に挨拶をしなければならぬ……『北斗の俺が知らぬ我を、南斗とは認めぬ』……と、でも言いたいのか?」ギロ

拳志郎「そう言う訳じゃねーがよお……。だが、このハンマーで殴ったみてぇな剛拳、確かにすげぇ威力だ。こんな拳が南斗にあったかぁ?」

クーラ「ハッタリなのよ、だから言えないのよ。だって、南斗の拳はその『切れ味』が脅威な拳よ。外部から高速で拳を突き入れ、『切り裂いたり』、『突き刺したり』するのが南斗の拳の味よ……こんな風に不器用に叩き潰すような拳じゃあないわ。」

拳志郎「クーラの言う通りだぜ。お前、本当に南斗聖拳かぁ?」ジト……

ショウゴ「なんだとぉ……俺を愚弄する気かッ……ならば言ってやるわ、聞いておののくがいいッ! 我が宿星は慈母星ッ!拳は南斗六聖拳が一つ、南斗蒼鸞拳よっ」バァアアン!

クーラ「!?」

拳志郎「……なんとせいらんけん? 知らねェーなぁ……クーラ、お前は知ってるか?」

クーラ「悪いけど、元斗でも、聞いたことが無い拳法だわ……」

ショウゴ「ワハハハ、無理もないな。ワガ南斗蒼鸞拳は南斗六聖拳の伝承者と、その高弟たち以外には存在を秘されておるからな………だが心してきけッ!」
ショウゴは、体を大きくそらし、楽しげに笑った。
ショウゴ「そうよ、ワガ南斗蒼鸞拳こそが、南斗百八派すべての基礎であり、真髄ッ!ひたすら外功を高めていくことに集中している拳よ。その神髄は外功を極めた『鉄壁の盾』よッッ」

拳志郎「へぇ、要は『護身術』かよ……それでぇ?」

ショウゴ「浅はかなッ!『鉄壁の盾』は『鉄拳』になるのよッ!しかも……おっと」

クーラ「おっと……何よ?」

ショウゴ「ウハハハハ、それ以上のことは言えヌ」

クーラ「……💢」

ジョージ「……まあ、いいじゃないか。僕らはここをつぶした。もう村人がおぞましい『人狩り』にあう事はない。……ボク達は目的を達したってわけだ」

村人たち「アンタ達ッ!ありがとうございましたッ!!」ワラワラワラ

ショウゴ「ウム。貴様等も、タイギであった」

クーラ「なんでアンタが一番偉そうなのよ……」

ジョージ「ハハハハ……楽しいヤツじゃないか。ボクは好きだね」

拳志郎(しかし、ジョージのヤロウ。何故、秘孔がきかねえ………ありゃあ、『北斗の秘孔封じ』じゃねえ……一体なんだ?)

ジョージ「なんだい?拳志郎……ボクの顔に何かついているのかい?」

拳志郎「いや、なんでもないぜ」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

拳志郎 (秘孔封じ……奴は気づいてねぇ、だが……やはり、ヤツは、あの『波紋法』ってぇのは、伝説の……)

一時間後:



ジ・ジジジジ……

?『……私だ』

ジョージ『ハッ、ジョージ・ジョースターでありますッ。司令どのッ』

司令『うむ。《スター》よ、息災でなにより……便宜上予備役の立場になったとはいえ、インド方面の情勢視察任務、順調に進めているようだな』

ジョージ『ハッ、恐縮です』

司令『ご苦労……では報告せよ』

ジョージ『ハッ……じつは 我らが大英帝国インド方面軍で恐るべき犯罪が行われていた証拠をつかみました……』

……
……
……

司令『報告ごくろう……しかし、何たることだ。大英帝国インド方面軍はボロボロなのか……』

ジョージ『いえ、これまでに視察した大半の地区では、完璧に経営がされている状況を確認していますッ』

司令『フム……不幸中の幸いというやつだな。その事実は心強い。しかし、抜本的な立て直しが必要なことにはかわりないな』

ジョージ『そう思います。サー』

司令『今後の動き方を決めるに当たって、直接、話が聞きたいな……キサマの予備役待遇をとく………戻ってこい、《スター》ジョージよッ!』

ジョージ『……ハッ……お言葉ながら、今は戻る事は出来ませんッ!』

司令『なんだと』

ジョージ『申し訳ございませんッ!しかし、どうしても確認したいことが残っておりますッ』

司令『……わしの命令を聞けんというのか?』

ジョージ『すみませんッ』

司令『……理由を言え』

ジョージ『すみませんッ!『言えません』』

司令『何が気になっている?話せ』

ジョージ『言えませんッ!』

司令『……キサマ、『軍人』として、自分がどれだけ『非常識』なことを言っているのか、わかっているのか? これは≪命令無視≫だぞ?』

ジョージ『……覚悟しています』

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

司令『フム……《スター》がそこまで言うのであれば、仕方ないか……特例だ。現身分のまま、調査を続ける事を特例で認めよう』

ジョージ『ハッ、ありがとうございますッ』

司令『フム、成功を祈る』

ブチン

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

グワシャン! (無線の受信機が投げつけられる音)

司令「ジョージ・《スター》・ジョースター……自由人め……調子にのりおってッ」ドガッ・ドガッ

司令「まともに命令に従わんッ、集団で動けないッ、このポンコツ軍人がッ!貴様が“エース”でなければ、SW財団の後見がなければ、とっくに首にしていたものをッ」バキバキッ!ドゴオッ!

司令「ハーへー………。だ、だが……ギィヤッハッハッ!」 バンバンッ

司令「奴はやりすぎた。これで、ヤツも終わりョォォ、バカな奴だ。……ただの飛行機乗りで満足しておれば、幸せな一生を終えられたものを……」 グギギギギギィ

ガチャン (ドアの開く音)

虚ろな目の少年「お呼びですか、マスター……物凄い音がしましたが」

司令「いや、お前を呼んだわけではない。少しものを壊しただけよ」

虚ろな目の少年「……そうですか、マスター。では、失礼します。私は、また修行に戻ります」

司令「よし、行って良いぞ…………イヤ、待て」

虚ろな目の少年「……なんですか」

司令「キサマと俺の二人でインドに行く。出発の準備をせよ」


スタンド図鑑:
――――――――――――――――――――
スタンド名:ザ・ソーン
本体:ジョージ・ジョースター
外観:茨が絡み合って出来た巨人(2Mを優に超える)
タイプ:近距離パワー型
性能:破壊力 -A / スピード -E/ 射程距離 -D/ 持続力 -A/ 精密動作性 -E/ 成長性 - B
能力:茨が固まったスタンド。木の根が岩を割るように、ゆっくりとした超強力な破壊 または 植物の様な眠り を生物に与えるスタンド。強力だが、とても動きがノロいのが欠点。

今日はここまでです。


俺の気持ちをクーラさんが全て代弁してくださっていて吹いた
いやね?性格としてやりたくなったとかそうするのが自然というのは分かるのだけれどね?

>>296-299

書き込みありがとうございます。

>>297
クーラさんは、突っ込み担当です。ちゃんと突っ込みさせられるよう、頑張ります。

更新を始めます。
今回の設定は、少し世界観に合わなかもです。気に障った方がいたら、ご容赦を……

ブルルルル―――ン

インド中央部に広がる、デカン高原。その赤茶けた大地を、一台のジープが疾走していく。
そのジープには、4人の『拳法使い』が乗っていた。

拳志郎「アぁぁぁーーッ。うんざりだぜ。毎日毎日こんなクソ狭い車の後部座席で大人しく座ってるなんてよォォ。もう何時間だ?今朝、出発してからよォ」

クーラ「……8時間位かしら」

拳志郎「……マジか。くゥゥ……たまんねぇなぁ、オイ。せめーし、臭せーし、ガタガタ揺れるしよぉ。ケツがいてぇぜ」

クーラ「……あんたみたいに馬鹿でっかい男の為に、後ろの席をマルマルあげたんじゃないッ、文句言わないのよ」

拳志郎「……そりゃあ、お前は臭くないだろうよ。でっかい尻からこっそりスカシッペをかました『張本人』のお前はョォ」

クーラ「なんですってッ!何言ってるのよ、ぶっ殺すッ!」

拳志郎「おお、悪いッ!スカシッペは本人もクセェよなぁ。プヒャヒャヒャ」パタパタ

クーラ「だから、してないって!」

拳志郎「はっ、俺の鼻の良さをなめんなよ。おりゃあ、お前が『いつ女の子の日』なのかも、 『何日溜め込んでるかも』わかるんだぜぇ……おっと、この臭いは3日目かぁ? 」

クーラ「ブッッッッ……ココオォォロスッッ!」ブウォンッ

拳志郎「おっ、よせよ。俺は女は殴らねえッ……おおっと、お前は殴ってもいい種類の側か。まちがっちまった。悪いな」

クーラ「💢 貴様ッ!滅っしてやるわッ」

ジョージ 「うるさいッ!ずっと運転させられているこっちの身にもなれッ!ボクは、このとんでもない悪路を朝から晩までずーっと運転してるんだぞッ!」

拳志郎 「仕方ないだろ?俺は車の運転なんて、知らねーンだからよぉ」

クーラ 「……何よ、カッコつけて言うことじゃないでしょ。……ねぇ、ジョージィ……アンタさっきの拳志郎の言葉を聞いた?酷いと思わない?」

拳志郎 「お前が言うな、お前が。お前も運転できネーんじゃねぇ――か」

ショーコ 「フフッ、でも英国基地にジープがあってよかったわねッ!」

クーラ 「ちょっと、アンタ ジョージに近づくなッ!このカマやろうっ」

ショーコ 「失礼ねッ! 私はこれが本来の性別よ。『ショウゴ』は我が秘奥技、『性天廻』による『バトルスタイル』って奴よッ♡」

性天廻(せいてんかい)
――――――――――――――――――――――――
数ある中国拳法秘奥義の中でも、最高位にランクされるものの一つがこの奥義である。
その真髄は己の意思で肉体の男性ホルモンと女性ホルモンを操作し、男女それぞれの肉体へと瞬時に展開させることにある。

そしてそのメリットとしては男女の肉体及び精神構造の違いを活かした、独特の技を繰り出せるということにある。

因みにこの奥義の始祖は王華摩という人物とされ、俗に「オカマ」というのはこれに発する。
――――――――――――――――――――――
民名書房刊「実用中国拳法 これであなたも嫁入らず」より

ジョージ 「……………………はぁ……」 ゲッソリ

拳志郎 「ところでジョージェ……、お前はチベットに行ったことがあるのか?」

ジョージ 「さぁてね」

拳志郎 「なんだよ、もったいぶるなよ」

ブゥーーーン

クーラ 「しかし、確かに拳志郎が愚痴るのもわかるわ……ズウゥ――――ッッと赤い土の土漠ばかり続いて、嫌になるわね。何か、気が晴れるようなもの、無いかしら?」

ジョージ 「ボクは知らない。クーラ、ここはキミの国だろ?君が一番知っているはずだよ」

クーラ 「そうよね……ねぇ、あれ……ちょっと見てよ」


一行の前には、赤レンガの巨大な建物が立っていた。

拳志郎 「あぁぁああん?何だぁ、ここ?城か?」

クーラ 「こんな所に、城なんてあったかしら」

ショーコ 「誰もいないみたいね……ボロボロよ」

ジョージ 「……なぁ、今晩はここに泊まらないか?面白そうだ」 キキキィーーー、バタッ

クーラ 「ちょっとォ、急に止まらないでよ、ジョージィ。……頭をぶつけそうになったわ」

ジョージ 「早く来いよ。置いてくぞ」 スタッ

クーラ 「全く、ヒトの話を全然聞かないんだから……」

ショーコ 「ウフフ、城なんて私に相応しいわね♡」

ジョージ 「いや……、違うよ。ここは寺院だ……ほら、ここにあるのはインドの神様の像だろ?」

クーラ 「そうよ、これは……、このあたりの土地神様かしら」

拳志郎 「……確かに、夜を過ごすのによさそうだな」

クーラ 「……まぁ、こういう寺院には宿泊用のスペースがあるはずだから、そこなら寝ても問題ないわよ。それ以外のところは、やめなさいよ。罰が当たるわよ」

ショーコ 「ふふっっ、じゃあ、キマリねっ」

クーラ 「でも、アンタたち、夜に蝙蝠に囲まれても泣き言いわないでよ」

拳志郎 「はっ、たまんねぇなぁ……だが、追い出せると思うぜ」

ジョージ 「ねぇ、クーラ。面白そうだから、僕は本殿に泊まってみようかな……」

クーラ 「はぁ? 絶対にやめてよね。そんな、畏れ多いことッ」

壊れかけた扉を開く音: "ギィィイイイ"

カツカツカツ………

クーラ 「やっぱり、ここは寺院ね。でも、これまで見たこともない寺院だわ……まぁ、インドには星の数ほども神様がいるのだから、私が知らない神様がいても、不思議はないけどね……」

ジョージ 「へぇ……なんか不気味な所だな」ワクワク

拳志郎 「へぇ……強そうな神さんの像がたくさんあるな……あれ、何て名前だ?」

クーラ 「だから、知らないって」

ショーコ 「ふぅ……さすがに疲れたわ……」

クーラ 「あら?ここは……」

ギィ……

クーラ 「やっぱり……みつけたわ。ここが、旅の巡礼者をもてなす、宿泊者ようの部屋の跡……だわ」

ショウコ 「結構大きいのね、小部屋も何部屋かあるのね。気に入ったわ」

拳志郎 「さて、じゃあさっそく飯にするかッ?……ずっと運転してたジョージは、少し休んでろよ。俺達が飯をつくってやる」

クーラ 「やった、竈場がある。私はここで火をおこすわ……」

ジョージ 「……そうかい、悪いね。じゃあお言葉に甘えて、ボクは少しこの寺を歩いてみるよ。ずっと運転してたから、少し体を動かしたいんでね」

ショーコ 「よし……じゃあ、私もココを探検してくるわねッ」 ワクワク

クーラ 「ちょっとぉ、アンタは掃除よ」

ショーコ 「はあぃ。わかったわよぅ」 プウゥゥ――

みな、夜営は慣れたものだ。
インドの大地を旅して、何日目になるのか。たった一人で旅をしていた者たちが、今は集まり、火をかこみ、楽しげに語らっている。

拳志郎 「おォッ、うめぇな。なんだ、これ?」

クーラ 「フフフっ、ジョージのおかげよ。大きい魚を釣ってくれたからね。そこに、この前に通りすぎた町で手に入れた、このいいスパイスをパラリと使ったのよ」

ショウゴ 「フゴ……ゲブッッ。ウム、美味だッ」

拳志郎 「イケるな。クーラ、やるじゃねーか」

ジョージ 「ウワッハハハハ……ちょっと景気づけに、ハーモニカでも吹くかい?」ピュルルルゥゥ――ッ

クーラ 「へぇ、器用ね。ハーモニカなんて、持ってたのね」

ジョージ 「……一人旅が長かったからね。夜の暇を潰すために、練習したのさ」

ショウゴ 「ウム、風流だな」

クーラ 「あら……アンタ、いつの間にショーコから、ショウゴに変わったの?」

ショウゴ 「フハハハハッ、食事のときは、俺が出るのよ。それが、ヤツとの取り決めよ」

クーラ 「あら、そう……」

ジョージ 「へぇ、これ、本当にうまいな。お代わりをくれないか」


だが、そんな平和なひとときは、いともたやすく、壊された。

今日はここまでです。
短くて申し訳ないのですが、書き溜めている部分があるので、また数日後にUPできると思います。

ところで、ショーゴ = ショーコは、登場させるべきか、かなり悩んだキャラでした。どうだったでしょうか……


自由に性転換出来る奥義とか未来に生きてんな中国と思いました
出来る出来ないで言えば北斗神拳みたいなのがあるなら出来て不思議はないだろうと思います

>>316-319
コメントありがとうございます。

>>319
性天廻は『男塾』の技なんですが、世界観が壊れないように、工夫して使おうと思います。


では、これから続きを書きます。

城壁に、何かがぶつかる音 “ドガッッッ”

拳志郎・ジョージ 「なんだ?」

クーラ 「ねぇ、今の音は、何?」

拳志郎 「何かがぶつかった音だな……ガソリンの臭いがするぜ。こりゃあ、襲撃者だな……だが、誰でも、どんな手をつかってきても、どうでもいいぜぇ……やるこたぁ、同じだからよぉ」

ジョージ 「みんな、警戒をおこたるなよ」

ショウゴ 「ヌウッ……」


ミシ
ガラッ

ジョージ「!?、なあ……あんなところに、あんな岩壁に、亀裂があったか?」

ショウゴ「ヌウ……”覚えとらんな”」

グラリ

クーラ「ちょっと、お寺の壁が崩れるわっ!潰されちゃう!」

拳志郎・ジョージ「うぉおおおおっ」 ガシィツ
拳志郎とジョージが、崩れかけた壁を必死に支えるッ

ジョージ「くっ、重いッ」

拳志郎「ジョージィ、頑張れよ、おめぇ。この壁が崩れたら、俺たちみんな、ペッチャンコだぜ」

ジョージ「わかってる……拳志郎、お前もへばるなよ」

クーラ 「ジョージ、拳志郎……助かったわ……ありがとう。でも、悪い知らせよ。私たち、この部屋に閉じ込められたわ……」

拳志郎 「オイオイ、そいつぁ、メンド―だな……」

ジョージ 「……クーラ、なんとか脱出口を、探してくれ……この手を放したら、壁が崩れ、ボク達はペシャンコになる……ボク達はここを、離れられないッ……」

クーラ 「わかってる。今探しているわ。……悪いけど、もう少し支えていてね」

拳志郎 「嫌なにおいがする……急いでくれ」

ショウゴ 「ふっ、脱出口など、作ればよいのだ。……安心しろ、我が『鉄拳』で、こんな岩など、粉微塵に粉砕してくれるわ」

クーラ 「あら、いい考えね。そうしましょ」

ショウゴ 「……よし」 ヴォオン

その時、

? 「それは、困るわね」
神像の後ろから、背の高い、黒髪の女が……顔を出した。

拳志郎 「……やっと顔を出しやがったか……わかてたぜ。てめぇが、この騒ぎの黒幕だろ。お前、ずっと、そこでコソコソ隠れていやがったろ」

? 「あら、アタシの気配に気づいていたの?なかなかやるじゃない。この、天才のアタシの気配に気づくなんて、さあ」

カツカツカツ

? 「アタシの名前はアミカ、悪いけどアンタたちには、ここで死んでもらうわ」

拳志郎 「あぁあん?」

ジョージ 「……何故だ、何故ボクらの命を狙う」

アミカ 「冗談でしょ、アンタ達には、命を狙われる心当たりは無いの?アンタ達、今まで誰からも恨まれたことが無いの?」

ジョージ (心当たり有りまくり) 「悪いが、品行方正なもんでね」

クーラ (少し心当たり有り)「……私は、清く正しい、汚れなき身なのよ」

ショウゴ (自覚無し)「……下らんことをぬかす奴だ、このゲロウがッ」

拳志郎 (身に覚えがある気はするが、覚えてない)「あぁ?文句あんのか、このヤロウッ。……北斗の文句は、俺に言ぇッ!」

アミカ 「へぇ……その様子じゃ、本当に思い当たらないんだ……アンタ達、相当鈍いわね……まぁ、天才のアタシと凡人のアンタ達を比べるなんて、そりゃあ、酷ってもんかしらね」

クーラ 「はぁッ?何言ってるの、このバカ」

アミカ 「ふっ、せめて、天才のアタシの手にかかって死ぬことを、光栄に思うがいいッ」

アミカ 「出ろッ ア・ビガー・ヴァング!」ドガァッ

アミカが叫ぶ。すると、アミカの頭上に、ピカピカと蛍光色に輝く色とりどりの珠が、現れた。

アミカ 「死ねッ」バシュッ

頭上に上げた手を、アミカが振り下ろす。すると、その蛍光色の珠が、身動きできないジョージと拳志郎をおそうッ!

ジョージ 「くっ……何かヤバい‼」

拳志郎 「だが、俺達がここから手を離す訳にはいかねーぞッ!」

ジョージ 「わかってるッ……ッ……ケンッ、気合いだッ 耐えろよッ」 コォォォオオオオオォツ

拳志郎 (くっ、転龍呼吸法だッ) 「あおっっ」

ドガァッッッ

拳志郎 「ガッ……ぐ……」

ジョージ 「ぐっ……大丈夫か、ケンッ」

拳志郎 「……へへへ、お前こそ、耐えきれるのかよ……」 ゲボッ

ジョージ 「まだ、行けるぞ……」 ゲホッ

拳志郎 (くっ、キッツいな……さっき使った、北斗神拳奥義、転龍呼吸法(てんりゅうこきゅうほう)は、確かに人間の持つ潜在能力を全て引き出す……だが、悔しいがジョージの内功にゃ劣るってか……本家本元の内功にゃ、かてねぇってのか……それとも俺が、まだ未熟だからかッ!……どちらにせよ、この後、どうするか……)

フハハハハハ……

アミカ 「ざまぁないね。だが、今の攻撃は小手調べさ。……我がスタンド、ア・ビガー・ヴァングを、もう一度……今度は全力の奴を、喰らって焼け焦げちまいなッ」

アミカが、両手を宙に上げた。
その手の上に、巨大なグミのような、蛍光色の粒が出現した。
粒は互いにくっつきあい、どんどん大きくなっていく……

アミカ 「喰らって黒焦げになりなッ!」ブンッ

拳志郎・ジョージ 「うぉおおおおっ」

バシュッ

だが、その粒は、拳志郎とジョージに行き着く前に、掻き消えた。

クーラ 「コラコラコラ、私がいるッてえのに、そんなのんびりした攻撃、させるわけないでしょッ!……降参しなさい。アンタ一人じゃ、勝ち目はないわ」

アミカ 「ハハハハッ……わかっているわよ。そんなこと……でもね、天才のアタシが、一人で勝負を挑むと、おもったの? はっずれぇ〰〰。アンタ達、出番よ。きなさい、ウダラ、ウイプル、ジャブ!」

「……ヘイヘイ、わかったぜ」

アミカの呼び声に応え、三人の男、現れた。
一人はまるで獣のような毛むくじゃらの大男、もう一人は角のついた兜を被った大柄な男、そして最後にホッケーマスクを被った男だッ!

『クオォォォッ』

驚くべきことに、ウイプルと呼ばれた、角の付いた兜をかぶった大柄な男は、『スタンド』を出現させた。
そのスタンドの両手は、いくつにも枝分かれした鞭になっている。
スタンドが、右手の鞭をふるったッ!

ウイプル「喰らえッ!マスター・オブ・パペッツ」

ジョージ・クーラ・拳志郎 「くっ!!」

バビュッ

ウイプルのスタンド、マスター・オブ・パペッツの鞭は、4人の拳法家の誰にも当たらず、代わりに石造の神像に命中した。

ショウゴ 「何だ?奴は何をしたのだ?」

クーラ 「ハハハハ、どこ狙ってんのよ」

ウイプル 「フハハハハッ!狙い通りよ。くらえぃッ!」

どくろを首から下げた神像1、キリンのような長い首を持つ神像2、六本の腕を持つ神像3 "グラリ"

不意に、寺院に安置されていた巨大な神像達が一斉に動きだし、クーラに襲いかかったッ!

クーラ (ここは、私がやるしか……神様ッ……ゴメンナサイッッ)

クーラ 「うぉおおおおっ」バゴッ

クーラ (なにっ!倒せなかった。……くっ、バランスを崩したわ)

ウイプル 「ウワッハハハハ、効かぬうぅっ。生身の拳など、きぃ~~かぁ~ぬぅぅぅ~~~。行けっ、神像どもっ」

神像1、神像2、神像3「Bbozoooooo!!!!」 グワン!

三体の神像が、バランスを崩しているクーラに向け、同時に攻撃するッ!

クーラ (くっ、元斗皇拳は、細胞を滅するが奥義っ。無機物相手は、相性が悪いわ……)
神像の攻撃の直撃に備え、クーラが歯を食いしばった。そのとき……

ショウゴが、クーラの前に立ちふさがった。

ショウゴ 「クーラッ!大丈夫か! 」

クーラ 「ショウゴ? 危ないッ」

ショウゴ 「ふっ……喰らえィッ!鉄拳ッ!」 バゴォオオオオン!

神像の右手 “ボッゴオオ、ボロ……ガラ、ガラ”

ショウゴ 「ウワッハハハハ……我が鉄拳に砕けぬもの無しッ」 バァァーーン!

クーラ 「アンタは、ショウゴ……」

ショウゴ 「大丈夫か?クーラ……話せ、……なぜジョージと拳志郎が、傷ついているのだ?クーラ、今お前は何をしたのだ?……何故、神像が突然動き出す?……クーラ、……言えッ。何が起こっているのだ?」

クーラ 「ショウゴ……、アナタ……感じられないの?あの『闘気』が……」

ショウゴ 「『闘気』だとォ……」

クーラ (そうか、南斗の拳は外功を鍛え、外部からの破壊を極めた拳。『闘気』のたぐいは、極められてない……という事?……いや、単にこの子が未熟なだけ……か)

クーラ 「……やっぱり、私がやらなきゃならないって訳ね」

ウイプル 「ウハハハハハ。粘るではないかッ!喰らえッ!挟み撃ちだ」バビュッ

ウイプルがスタンドの左腕の鞭をふるうッ!
その鞭が別の二体の神像に当たり、その二体の神像も動き出す。

再び、三体の神像が、二人を襲うッ!

……いや、神像だけではないッ

ウダラ(獣のような男) 「グギィツッ!デューン!」ザサァ―――ッ

意外ッ!ウダラの体が、一瞬にして茶色の砂と化したッ!
砂と化した体は重力にあらがえず、崩れ落ちた。
その砂が、動きだし……一塊となり、クーラに襲いかかるッ

ジャブ(ホッケーマスクをかぶった男) 「ヘッ!来いッ。ブロブッ」 ヴォ――ン

自分のスタンドの名を呼ぶジャブの隣に、『黒い縦じまの怪人』のようなスタンドが現れた。
スタンド=ブロブの指は、まるで切断されたかのようにぶった切られ、銃口のような穴が開いているッ!
ブロブの指先から、水色のどろっとした何かが垂れた。
ブロブは指先をクーラに向けた。そこから、水色のスライムが、打ち出されるッ。

ブロブが指先から発射する音: ”ベチャッ”

クーラ 「くっ、挟み撃ちかッ」

クーラ 「うぉおおおおっ!天掌光斬破っ」
同時に攻撃してくる敵に対抗するため、クーラは『光る手』の連続突きを行うッ!

クーラ 「クォオオオッッ」 バシュバシュバシュ

クーラは、いくつか被弾しながらも、ブロブが打ち出す液体を滅し、返す刀でデューンの砂の塊を切り裂くッ!
そして、石像の足元に連打をぶちかますッ

石像 「〇〇@◎★∥|!!」 ブン

クーラ 「ぐあっ」

クーラ (いっってぇ〰〰。攻撃が、思ったより効かないわ……これは……)


ベチャッ

クーラ 「しまった!……くっ、水色の液体が足にこびりつくっ!動けないッ」

ジャブ 「ブヒャヒャヒャひゃッ!油断したな?喰らったなぁ! わがスタンド ブロブの能力を、喰らったなぁぁッ!わが能力を喰らったものには、スライムが付き、やがてジワジワと溶かされていくのだぁぁぁ」 イヒヒヒヒ……

ウダラ 「ザザ……手筈どおり、足を奪ったか……では、俺が……ザザザーーーッ」 ザシュッ!

ウダラが変じた砂が、クーラを襲うッ!

クーラ 「まだまだッ!『破の輪ッ』」
クーラが作った光の輪が、砂の塊を、切り裂くっ!

スライムを滅する音: ベシュッ!

クーラ 「くっ!まずいわ……私が集中的に狙われてるッ」

石の神像 * 3 『Guxyiiziiiiii!!』 ブッ

拳志郎 「まずいッ! 神像が同時にこぶしを振り上げたぞッ!奴ら、クーラをすりつぶすつもりだッ」

ジョージ 「逃げろッ!クーラぁッ」

クーラ 「あら……足が動かないわ……くっ、スライムが足と床をくっつけてるわ……しまった……」

石の神像 * 3の拳: "ブッォォォォオオオオ―――ン"

クーラ (まずいわね……元斗皇拳は『細胞を滅する』のが奥義、無機物の破壊はできなくもないけど、得意じゃないわ……こうなりゃ、『足を切断して』自由になるしかない……か)

クーラ (あぁーーあ、私のナイスバディな右足とも『さようなら』……か) 

クーラの右手が光る音: "バシュゥ"

クーラ 「ばぁあい。……私の右足……」

今日は、ここまでです。

>>319
感想ありがとうございます。

これから、続きを始めます。

クーラは目をつぶって、輝く右手を振り上げた。意を決して、自分の右足の付け根に狙いをつける……

だがその時、クーラにかけより、その手をつかむ者がいた。

ショウゴ 「まてっ!早まるなぁッ」 

そこに、石像の拳が振り下ろされるッ!

ゴガァアアアンン

クーラ 「えっ……ショウゴ、そんなッ」

クーラの手を押しとどめたのは、ショウゴだった。

とっさにショウゴは、クーラの上におおいかぶさり、石像の攻撃を背中で受け止めたッ!

ショウゴ 「ガッ……大丈夫だ。わ……が……南斗蒼鸞拳(なんとせいらんけん)の『鉄壁の守り』ならば、こんなもの、蚊に刺されたほどにも……か、感じぬっ!!」  

石像 「Gxauttte!!」 バゴォンッ!

ショウゴ 「!?ッッ」

石像 「GhxuQ!」 バゴッ! バゴッ! ドゴッッ!

ショウゴ 「グァアアッ!」

クーラ 「ちょっと、ショウゴッ!もういいわッ、逃げなさいッ」

ショウゴ 「ガッ……こんなもの、ワレにとっては毛程の痛みも感じぬわッ」
ショウゴの頭から血が垂れる音: “ボタボタ”

クーラ 「やせ我慢するんじゃないわよ……」

拳志郎 「……ショウゴ、おめぇ ガキのクセに男(?)じゃねぇか。自分の体を盾にして、石像の攻撃から、クーラを守るなんてよぉ」

ジョージ 「くそっ、こんな壁……」

ヴァゴオオンン!

拳志郎・ジョージ 「グワッッ……!」

アミカ 「ちょっと、私のことを忘れないでね……」

アミカが、右手を広げた。その手のひらに、色とりどりの粒が躍る。

アミカ 「これから、私のスタンド ア・ビガー・ヴァングの『花火』をたっぷり味あわせてあげるわよ。フフフフ」

ヴァゴッ
ヴァアンッ

アミカ 「そらそらそらそらそぉらっ!」

拳志郎・ジョージ 「グワッッ……!」

ショウゴとクーラも、なすすべもなく一方的に攻撃を受けつづけていた。

クーラ 「ショウゴッ!!

ショウゴ 「おうっ!」

バゴッッッ!!

ショウゴ 「ガッ……」

クーラ 「ショウゴ……いいのよ、私のことは……私をかばうことないわ。アンタは自分の身を守りなさい……」

ショウゴ 「バカなっ!貴様らには一宿一飯の義理があるッ!引けるか」

クーラ (クッ、このスライムみたいなやつが、なかなか光る手で焼き切れない……早く焼き切って、この子を解放してあげないと……ハッ?)

クーラは目を見張った。目の前に、『砂』が現れたのだ。
『砂』はひとりでにまとまり、そして『砂』の中から『人の顔の形』が浮き出た。
その『人の顔』の砂が、話しかけるッ

ウダラ(砂と化している) 「フハハハハ、女……さっきはよくもさんざん切り裂いてくれたな」

ジャザザザザ
ウダラの身が変じた砂が、クーラの体にまとわり……締め付けるッ!

クーラ 「ガッ」

ショウゴ 「うおぉおおっ!クーラッ」

石像X3 「#rつVW!」

ボグァン!

ヴァァアアンッ!

石像がショウゴとクーラの上に、こぶしを振り下ろした。あまりの威力に、振り下ろした拳が砕けるっ!

アミカ 「はぃっ! これでおしまいよっ」

ヴァアアアアンンッッ!!

ほぼ同時に、アミカが特大の花火を、ジョージと拳志郎へぶつけた。

ザザザァ―――
ウダラ 「クッ……グルルルル」

アミカ 「ウダラ、お手柄だったわ……あの、年増のクーラは、ちゃんと殺った?」

ウダラ 「ガルルッ」 コクリ

ウイプル 「俺のほうも、手ごたえあり……だ」

アミカ 「……そう、殺ったの……ウフフフフフッ……」

もうもうと舞う煙の中で、アミカはケタケタと大笑いした。

アミカ 「アッハハハハハッ! さっすが、天才の私ッ!作戦がばっちり成功ねっ」

ジャブ 「フハハハハッ!おい、アミカ……約束の報酬、忘れるなよ」

アミカ 「ええ、忘れてないわよ。アンタの生意気な弟を成敗するのを、手伝えばいいんでしょ」

ジャブ 「おおよっ、……兄より強えぇ弟など、存在しねぇッ!野郎にゃ、たっぷりと思い知らせてやるぜぇ……」

ウイプル 「うむ……これで、あの方の指示も守れたな」

と、その時……

バゴッ!

どこから投げつけられたのか、ウイプルの頭に煉瓦が当たった。

ウイプル「……貴様……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

もうもうと立ち込める煙が晴れると、そこには、霞拳志郎が立っていた。

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

拳志郎「お前ら……いいようにやってくれたじゃねぇかッ!あああっ?死んだゾ、てめぇーらッ!」 ポキポキ

ジョージ「……拳志郎……頼んだぞ…壁は僕と、ザ・ソ―ンで支えているッ! ――僕のスタンドは早く動けないから、遅くなってすまなかった。―― だが、もう壁は大丈夫だ。……だから、君は、遠慮なく奴らをブッ飛ばせッッ!」

拳志郎「ああ、任せときな。ジョージッ」

アミカ 「……フフフ……北斗神拳 伝承候補者さまぁ?アンタ、4対一で何がやれるって思ってるのよ」

拳志郎 「アアッ?ゴタクはいいぜ。いいか、これからブッ飛ばされる覚悟はできたかぁ?」ダッ

拳志郎が、4人に向かってダッシュするッ

ウイプル 「ウハハハハッ!ブッ飛ばされるのはお前だッ 死ねィ」

アミカ 「私たちが、アンタをブッ飛ばしてやるわよッ」 ヴッッン

アミカが、虹色の粒を拳志郎に向かって投げるッ
その粒はこれまでとは異なり、アミカの手を離れるにつれ、グングンと加速してくッ

アミカ 「さっきはアンタが苦しむのを『楽しむ』為にちょっと手を抜いてたけどねッ、これは『本気よぉ』……」

弾丸と見まごうばかりの速度で、虹色の粒が拳志郎を襲うッ!

拳志郎 「ウアタァァッ」 バシュッ

拳志郎は、驚くほどのスピードでその虹色の粒をかわすっ

拳志郎 「当たらないねェッ。そんなスローな弾速じゃ、俺の軽気功……雷暴神脚に追いつけないぜ」

アミカ 「くっ……早すぎるッ!とらえきれない……」

ウイプル 「ハッ!俺に任せろッ」

次に、ウイプルのスタンド、マスター・オブ・パペッツが両手の鞭をふるうぅ

ウィプル 「ウハハハハっ。鞭の先端の速度は、音速を超えるッ 我がスタンドのマッハ攻撃、受けられるかなぁ?」

ヴッッッ

マスター・オブ・パペッツのふるう6条の鞭が、拳志郎の肌を切り裂く。

ウィプル 「ウワッハハッ。俺の鞭が見えるか?かわせるかぁ?、いいや、無理だねェ」

拳志郎の両腕に、鞭が絡まるっ

拳志郎 「バカか、おめぇ……」

拳志郎は、両腕に鞭が絡まったまま、ウイプル本体に飛び蹴りをかますっ

ウイプル 「グェッ」 バゴッ!

ウダラ 「クッ!ウォオオオオッ」 ザザッ

拳志郎 「遅いッ」 バシュ

スタンド デューンの能力で砂と化したウダラが、拳志郎を追いかける。
だがその砂の動きは、雷暴神脚で身軽に飛び回る拳志郎の動きに、まるでついていけなかった。

ジャブ 「いやぁ、今の動き、俺にはみえるぜぇ……拳志郎ッ!お前、俺が一番大嫌いな、俺の弟と同じにぉいがするぜッ!俺にぶっ殺されるって、ニオィガナァッ!」

ジャブのスタンド:ブロブが粘液弾をマシンガンのように放ちながら、拳志郎を迎え撃つッ

対する拳志郎は、雷暴神脚で粘液弾をよけまくった。
だが、よけるだけで精一杯で、ジャブの近くに近づけなかった。

その隙に、ジャブは拳志郎から再び距離を取った。
ジャブ 「ウハハハハッ! スタンドは スタンドでしか倒せねぇッ!お前にゃ、俺のスタンドは倒セネェ!」

拳志郎 「ああ、そりゃあよかったなぁッ……そうだったら、ほんとによかったのに、残念だったなぁ」

拳志郎は、両手で円を描くような構えを取った。

拳志郎 「天将奔烈(てんしょうほんれつ)ッッ!どぉあ――ッ」

拳志郎の両腕から、すさまじい闘気波がはなたれる。
闘気波を受けて、ジャブのスタンド、ブロブが吹き飛ぶっ!

拳志郎 「ふっ……わかったか?テメーらのケチな闘気(スタンド)なんざぁ、俺さまの闘気波でブッ飛ばしちまえば、いぃんだよぉ」

悠然と立つ拳志郎。その足元には、4人の襲撃者が這いつくばっていた。

ジャブ 「ビギィッ」

ウダラ 「Gyiiiii」

ウイプル 「ぬ……う……」

アミカ 「北斗神拳伝承候補者……強いッ……バカな、私の計算が……この天才の私の完璧な戦略が……」

拳志郎 「はっ……こんなもんかぁ?……だが、小賢しい悪巧みをするような奴らだ。弱ッチィ奴らなんだろうぜ……まともにやれば、俺たちの誰がやっても、簡単にコテンパンにできるだろうぜ……」

アミカ 「……くっ……こうなりゃ、同時攻撃よ……わかってるわね」

拳志郎 「ああ、いいぜ……何でもやれよ……まっ、無駄だけどよぉ」

? 「拳志郎ッ!」

その時、背後から拳志郎の名を呼ぶ声があった。

拳志郎 「お前ら……」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

そこには、満身創痍のショウゴと、クーラが立っていた。

ショウゴ 「拳志郎、此奴はワレに殺らせよ……このままではムシが収まらぬッ」

クーラ 「そうよ……元々コイツ等は、私たちの獲物よ」

拳志郎 「ヘッ……いいぜ、だがいいか、まず殺るのは『一人づつ』だぜ。……残った一人は、早いもの勝ちだ……」

クーラ 「いいわよ。その誘い、乗ったわ」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

アミカ、ジャブ、ウイプル、ウダラ「ヒッ……」

これで今日は、終わりです。

スミマセン、一か所修正です。

× -> 南斗蒼鸞拳(なんとせいらんけん)
○ -> 南斗蒼鸞拳(なんとそうらんけん)



スタンドに干渉できるのであれば拳志郎やケンシロウにはワールド、スタープラチナ級じゃないと力比べは難しいな


お仕置きの時間だよベイビー
再起不能かそれとも死亡か……どっちになることやら

アミカ=アミバ
ジャブ=ジャギ
ウイプル=ウイグル
ウダラ=マダラ


元ネタはこうかな?

>>371
>>372
感想ありがとうございます。


>>373
Exactly(そのとおりでございます)


実は、しばらく更新できないかも なのですが、その代わりに、スタンドのほうの元ネタを書かせていただきます。


ア・ビガー・ヴァング
 名前:ローリング・ストーンズのアルバム
能力:なぜか、X-Menジュビリーのミュータント能力

ブロブ 
 名前:小説 ジョージ・ジョースターから
 能力:ジャギがショットガンを打つシーンから妄想

マスター・オブ・パペッツ
 名前:メタリカの曲名から
 能力:泰山流千条鞭 & GANTZの仏像星人を出したくなったから

デューン
 名前:小説 ジョージ・ジョースターから
 能力:小説 ジョージ・ジョースターから

久しぶりですが、今から更新します。

ショウゴ「フハハハハ、面白い。その提案に乗ったぞ、拳志郎ッッ。では、俺はあの鞭を持ったヘンタイ野郎を殺るッ!さんざん調子に乗ってくれた報いを、受けさせてくれるわ」

クーラ「……ヘンタイのアンタに、ヘンタイ呼ばわりされるなんて……アンタの敵も、災難ね」

拳志郎「……オイ、ショウゴ、てめぇ大丈夫なんだろうな?奴らの『闘気』は見えてるんだろうなぁ?」

ショウゴ「フハハハハッ!細かいことはどうでも良いわッ!喰らえぃ」 バッ

ショウゴは、ウイプルに向けて駆け出すッ

拳志郎「チッ……あのバカ、一人で大丈夫なのかよ」

クーラ「バカでもガキでも、『拳法家』よ、覚悟はできてるでしょ」

拳志郎「まぁ、そうだな。……ところでよぉ、モノは相談だが……クーラ、お前があの『アミカ』ってやつをやってくれねぇか?」

クーラ「どうしてよ……」

拳志郎「わかってるだろ?俺は『女とは戦わねェ』」

クーラ「はぁ……アンタ、まだそんなこと言ってるの……まあ、いいわよ。それで、アンタはどっちをまず殺るの?」

拳志郎「……砂野郎だ」

クーラ「大丈夫なの?アイツ、『砂』よぉ……アンタ、『砂』を殴れるわけぇ?……もちろんッ、『元斗皇拳』の私なら、私の光る手なら、アイツを滅することは簡単。でも悪いけど、アンタはどうやって、アイツを倒すの?」

拳志郎「あぁ?細かいことはいいんだよぉッ!何とかならぁ。『北斗神拳伝承者(候補)』に、不可能はねェッ!」 ダッ

クーラ「……はぁ、言動が、ショウゴと変わらないじゃない……大丈夫かしら、ホントに」ガクッ

アミカ「クッ……貴様、貴様ごときが私を無視するんじゃないわよッ」プルプル……

クーラ「うるさいわね……まあいいわ、アンタで我慢してあげる……ちょっとアンタじゃ役不足ってとこだけどね」クルッ

クーラ「かかってきな」 クイクィッ

アミカ「こッ……この私を、バカにするなぁッ!!!」
バビュッ

アミカのスタンド、ア・ビガー・ヴァングの花火が、クーラをおそうッ!

パフッ

クーラは、光る手でその花火をはたき消したッ
花火が消されると、その周囲にピンクの煙が立ち込めた。

クーラ「意味無いわよ。こんなチンケな花火、私に通用すると思ってるワケ?ばぁああかぁっ」ペロッ

アミカ「………ウフフフフ………、この天才の私を……なんどもバカにするなんて……許せんッ!」

アミカの放つ、無数の花火が、次から次へとクーラを襲う。

アミカ「シネッッ、シネッ、シネィィィッ」

クーラ「あ〰〰ら?怒っちゃった?」

クーラは、アミカの花火を次から次へとかき消す。花火が消えるたび、色とりどりの煙が立ち込めていく。

パフパフパフパフッ
クーラ「……なぁんか、チョッと恥ずかしいわね……」

パチっ

クーラ「あたたたっ ちょっと、そんなに投げないでよ」

パシュ

アミカ「ギャハハハハッ!やめろと言って素直にやめるバカがいるかっ!」バババババッ

クーラ「ちょっ……元斗流輪光斬ッ」
クーラは、体の前に両手で構えた手刀を、目まぐるしく前後に動かした。その手が動くたび、白刃のような闘気が飛び、アミカの『花火』をかき消していく。
だが、アミカの『花火』はその数をどんどん増していくッ!

クーラ「クッ!思ったより、早いッ……けつ、煙で周りが見えない……」
アミカの『花火』は、一つ消滅するたびに毒々しい煙をまき散らしていく。
その煙が、クーラの視界を奪っていく。

バシュバシュバシュバシュッ!

アミカ「クゥツッ!喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ喰らえッ……ガッ」

クーラ「クッ!思ったより、早いッ……けつ、煙で周りが見えない……」
アミカの『花火』は、一つ消滅するたびに毒々しい煙をまき散らしていく。
その煙が、クーラの視界を奪っていく。

バシュバシュバシュバシュッ!

アミカ「クゥツッ!喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ喰らえッ……ガッ」


突然アミカの脚が、紫の煙の向こうからぶっ飛んできた『白い光』によって、吹っ飛ばされた。

アミカ「うぁああああああっ」 バシュッ ドバドバドバ……

紫の煙が割れ、その隙間からクーラが現れた。
クーラ「ハッ……愚だ愚だうるさいわね。たかが足一本ふっとんだくらいでさ……」
クーラの右手“ヴウォンン”

アミカ「おおおお前ッ、どどどどうしててて」

クーラ「はぁ?アンタ、あんなオモチャみたいな花火で、元斗の闘気に勝てると思ってたのォ……オナメじゃないよ……」

バシュッ

アミカ「あいいいっ!」

再びクーラの手が光った。
今度はアミカの右手が、ぶっ飛んだ。

アミカ「あ、あ、まるで……光の槍……ひつ……」

クーラ「どう、この技は……元斗猛天掌。私も、離れたところから攻撃出来るのよ……」

アミカ「あぁぃぃ……私の、この天才の私の腕がぁあ……」

クーラ「ふおうっ!」ゴキィッ!

クーラのけりで後方にふっ飛ばされたアミカは、かろうじて窓枠に指をかけ、階下に落っこちるのを防いだ。

アミカ「……あああ、痛い……助けて……」

クーラ「あら、私も結構痛かったのよ♡ さっきわね、アンタずいぶん好き勝手やってくれたじゃない」 ニッコリ

アミカの指が踏み潰される音“ブシュッ”

アミカ「痛いッ。ゆ ゆ 指踏まないで……」

クーラ「だぁめッ」 ブチっ

アミカ(落下中)「いやぁああああああ、この、天才の私が、どぼじでぇぇ。いいぃぃぃぃやゃッ〰〰」 

アミカ:窓から落下し、死亡

クーラ「ふぅ……さて、ほかの奴らは何をしてんのかな?どこにいるんだろ」

ウイプル「ウワッハハハハッ、なんだぁ、ガキィ?手も足も出ないのかぁ?この、デクノボーがッ」

ウイプルのスタンド、マスター・オブ・パペッツの振り上げた鞭が、ショウゴの手足を縛りあげていた。

ショウゴ「ぬぅ……だが、貴様の攻撃など、この『鉄壁』にかかれば、羽でなでられたかのように感じるわ。ぬるいッ」

ウイプル「ククク……やせ我慢は認めてやろうッ!だぁが、もう楽にしてやろうかッ」

石像 x 3『JAGPJDGッ!』 ゴガッ

ショウゴ「ガッ……こ……こんな、攻撃、蚊に刺されたようなものよッ」 ペッ

ウイプル「ほっほぉおおお?がんばるじゃあ、無いかぁ」 ニヤニヤ プシュッ

ショウゴ(クッ……さっきと同じか……手足がまるで、見えないロープで縛られているように動かんッ!これが『気』とかいう小技か……クッ……)

ショウゴ「ふっ……まってろよ、すぐに我が拳法、南斗蒼鸞拳で叩き潰してやるわ」 ガクガク

ウイプル「おぉ………怖い怖い……だが実はなぁ……おれも、ちょっぴりだけ使えるのよ……貴様が使うような、糞ほどの役にもたたねぇ『拳法』ってやつをなぁ……」

ウイプルは腰をかがめ、身動きのできないショウゴに、猛烈なタックルをくらわすッ

ウイプル「喰らえっ!蒙古覇極道ッ」 バシュッ

ショウゴ「ガッ」 

ウイプル「ほっほぉおおお――どうだ、わがタックルは……その下らねェやせ我慢が、いつまで続くかなぁ……」

ショウゴ「……」

ウイプル「もう一発喰らえッ!蒙古覇極道ッ」 ドドドォオオオ――――ンッ!

ショウゴ「………フハハハハハッ! 馬鹿めッ!『見えた』ゾォオオッ」 

マスタ―・オブ・パペッツの鞭:ブチッ

ショーゴ「ドリャッ」グイッ! ガッッシィインンッッ!

バシュッ!

ウイプル「うっ……うおぉおおおっ!俺のッ!俺の肩がぁああッ……奴の、奴の指で抉られちまったぁぁッ!」ガクッ

ウイプル「何て指だ……俺の蒙古覇極道は肩を鋼と化すッ!その鋼の肩を、指だけでえぐりやがった……」

ショウゴ「……見えたぞ……見えてみれば、なんてことはないな……下らん『闘気』だ……こんなものッ」 ブチっ ドガッ

ウイプル「クッ……まさか、まさか。まさか……奴がわがスタンドをひき千切るなど……んっ?」

ショウゴ「……」ガクッ 

突然ショウゴが、膝をついた。その肩から、白い煙がシュワワワワと立ち込めた。

ショウゴ → ショーコ 「ぁぁぁあああんッ♡」

ウイプル「ウハハハハハッ! なんだぁ? ……コイツ、急に女になっちまったぞぉ? コイツ、女であることを隠して、変装していたのかぁ?……そ、それとも、本当は男で、これは女装か?……コイツ、どヘンタイか?」

ショーコ「……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ウイプル「ハッ……俺の好みには、少々ガキすぎるが、だが中々上玉のオンナッ!たっぷりかわいがってやるぜぇッ」 バシッ

ウイプル「やれっ! マスター オブ パペッツ!その女を縛り上げろッ」

ショーコ「なぁに調子に乗ってるのかしら?」 スッ

ウイプル「!?」

ショーコ「遅いッ!」 バシュッ

ウイプル(なにっ? 何て踏み込みだ……い……一瞬で懐に……) ザンッ

次の瞬間、ウイプルの体が、十字にに斬られるッ!

ウイプル「うっ……うぉおおおおッ!」

ショーコ「大した怪我じゃないはずよ。アンタの体の表面だけを斬ったからね……」

ウイプル「マ……マスター・オブ・パペッツ!奴を縛り付けろ!」

ショーコ「甘いッ!南斗恒斬衝(なんとこうざんしょう)!」 ズバッ

ウイプル「あ……マスター・オブ・パペッツの鞭が……むちがぁああ……」

ショーコ「私はショーコ……私はね『南斗鳳凰拳』の、ショーコよ……」

ウイプル「あ……あ……」 ブルブルブル

ショーコ「フフフッ……いくわよッ……。この姿に戻った私の、本来の拳を、たっぷりと味わいなさいッ………ハァァァッ」
ショーコが、両手を横に伸ばす。頭を反らし、ピンと足を伸ばし、全身で十字を作るッ

ショーコ「覚悟ッ……」バシュッ

ウイプル「へっっ……嘘だ、ウソだろ……」

ショーコ「これぞ私の拳ッ!アンタ達、南斗最強の拳ッ!南斗鳳凰拳を味わいなさいッ。」

ショーコ「……フフフフ……今からの攻撃を、防ぎ切れるのかしら……そうだッ私も、さっそくこの、『闘気』って奴を、使ってみようかしらッ……フフフ」

ショ―コ「堪能しなさいッ、鳳凰の羽ばたきを!『鳳翼天翔』ッ!!」

バッシュウウウンッ

ウイプル「ブッギィイインンッ…………!」 ベチョッ

ウイプル:鳳翼天翔を喰らい、壁にベチョッと張り付き、死亡

ショーコ「さて……私のほうは片付いたわ……拳志郎とクーラは、どんな具合かしら……」

拳志郎「北斗剛掌波ッッ!」ゴシュッ! 

拳志郎「どうよ、今度こそッ!」

ウダラ「グギギィ」ザザザァ――

拳志郎「チッ……またかよ……ちっとぐれぇ『砂』をブッ飛ばしてやっても、効かねェってか」 バシュッ

ウダラ「アギャッ……」ザザザザァ―

拳志郎(確かに、こうやって闘気をぶつけりゃあ、此奴らの変な『闘気』をぶっ壊せるぜ……だが、ぶっ叩いてもコイツは『砂がちょっぴりだけ消滅するだけ』……手ごたえがまったくねェ―――どうする?おい……)

拳志郎「こうなりゃ、ありったけぶっ叩いてやるぜッ 北斗百裂拳ッ!アタタタタタタタタタタタタアァ――ッ」

ウダラ「ウジャッ!」 パシュッパシュパシュパシュッッ

拳志郎の百裂拳を受け、ウダラの砂の体が飛び散るッ

だが、砂はすぐさま再び集まり始め、すぐにまた、ウダラが顔を出した。

拳志郎「くっ……そっ……たれ」ハーハーハァ――――

ウダラ「グギャアアッ」(けけけっ、コイツ……弱ってやがるぜッ!さては慣れてねェ、闘気の放出技で消耗しやがってるなぁ……ケケケ) ザジュッッ……

ウダラ(俺の砂で、コイツを締め上げてやるぜ……ウケけケケケ)

拳志郎「あああっっ!!……もうメンドくせぇッ」ガシッ

拳志郎は、砂を全身で抱え込んだ。そして、一気に周囲から赤い『闘気』を円状に噴出させるッ!
全身を取り巻くウダラの砂を、一気に吹き飛ばすっ

拳志郎「まだるっこしいことはもう止めだッ!ぶっ飛べッ!北斗震天雷ッ!!」

シャィィィンッッッッッ!

ウダラ(あ……ぁ………ァ………… …) シャササササ……

ウダラ:『砂』と化した体を、北斗震天雷によって全て滅せられ、消滅

拳志郎「さぁてと、これで俺の一番が確定したな。奴らを探して、確認するかぁ……」

今日はここまでです。

これから、更新を始めます。

拳志郎 「ふうぅ~~。やっぱり一発、死合(ヤ)ったあとの煙草は、最高だな……」 プカァー

?? 「居たっ!こんな所で死合(ヤ)ッてたの?」

拳志郎 「おおぉ―――っ、どうやらお前たちも片付けた見てぇだな」

ショーコ 「あら、ここにいたの……ウフっ♡。拳志郎も、無事に倒せたのねっ」

拳志郎 「ショーコか……オメーなんでまた、ショウゴから『変わった』んだぁ?」

ショーコ 「フフフ……ヒ・ミ・ツ……」 パチッ♡

拳志郎 「おっ、おう……」 ポリポリ……

クーラ 「なぁんだ。拳志郎……アンタはもっと苦戦していると思ったのに」

拳志郎 「残念だたなぁ、オタクが『一番じゃなくて』よぉ」

クーラ 「はぁ?私はとおぉぉっくに倒してましたよ。アンタでしょ……一番、決着が遅かったのは」

拳志郎 「あり得ねぇ…『北斗神拳に敗北はねぇ』……」

クーラ 「ハイハイ、そりゃースゴイネ―――」

拳志郎 「こ……このやろ……」

クーラ 「あら、今 『悔しがってるの』? もしかして、負けを認めたわけ?」プッ

拳志郎 「ちげぇよっ!」ダンッ

クーラ 「ソーヨネ――。チガウヨネー」

拳志郎 「……」 プルプルプル

ショーコ 「ちょっと、二人ともッ!」

クーラ 「あぁ?」何よ

ショーコ 「……それで、『景品のヒト』は何処? ……ねぇ、逃げたんじゃない?」

拳志郎・クーラ 「……ナヌッ」

ジャブ 「ウハハハハハ……いくらあの方の命令とはいえ……命あってのモノだねだぜぇぇ……アンナ化け物ども相手に、まともに戦ってられるかってぇの」 タタタタタ

ジャブ 「あの、アミカとバカどもが時間を稼いでいるうちに、俺は撤退するぜぇ……」

ジャブ 「よし、奴らが乗ってきた車があったぞ……ウオラッ!」 ガチャンッ

ジャブ 「へへへ、奴ら、カギをホィールの裏に隠してやがる。工夫がねぇなぁ……簡単にギレたぜ」

カチ

ブルンッ

ジャブ 「ヨシヨシ、エンジンはかかったな……アバヨッ」 ブルルルルンッ!

ドドッッガアアアァンンッ!

ベゴッ!

拳志郎 「よぉ、そんなに急いで何してんだよ」

ジャブ 「なっ、拳志郎……車のボンネットの上に飛び降りてきただとぉ」

拳志郎 「どこに行こうとしてんだよ、コノヤロー……俺たちの車をお釈迦にしやがってよぉ……てっめぇ、許せねぇぞッ」

ジャブ (バッ、バカ野郎。車を壊したのは、お前じゃねぇかッッ)
ジャブ 「クッ……ブロブッ!やれぃ」
ジャブが、スタンドを出現させるッ

ブロブ 『〇◆◆☆ッ!!』

拳志郎 「おっせぇよ」 バゴッ! ベゴッ!

ブロブ 『ゲッブゥウウウ!』

ジャブ 「……なっ、何てでたらめさだ。ヒヒヒヒッ!だが負けねぇ、おらぁ負けねぇぞッ!」

ブロブの蹴りっ!

拳志郎「おうッ」 
拳志郎の蹴りっ!

ジャブ 「なっ、なにぃ……『スタンドの蹴り』を『自分の蹴り』で迎撃しただとぉ……こうなりゃぁああ」

ブロブ 『◎●◇◆☆!!』  バシュバシュバシュバシュッ!

ジャブ 「ひゃっはぁあああっ!この、ブロブの粘液弾を喰らって、消化されちまえっ」

拳志郎 「……はいはい、ご苦労さんだねぇッ」 バシュッ 、バシュッ

だが、ブロブの放った無数の粘液弾は、拳志郎の素早い動きに対応できないッ

拳志郎 「うぁたっ!北斗把天壊拳ッ」 バゴッ
拳志郎は、闘気を込めた、大振りの正拳突きを放った。

ジャブ:ブロブ 「フゴッ!」

拳志郎が放った拳が、スタンドを殴り付けるッ
拳志郎 「やはりな、闘気をまとった拳ならば、闘気ごしにダメージを喰らわせられるぜ。そして……」

拳志郎 「良く見りゃあ闘気の塊にも、秘孔があるじゃあねぇか」

ジャブ 「うぉあああああああッ!戻れッ ブロブッ」

拳志郎 「遅いッ!くらえ……北斗羅裂拳ッ」 バシュバシュバシュバシュッ

北斗羅裂拳(ほくとられつけん)
前進しながら無数に拳を繰り出す技。北斗神拳の中では、剛拳に属する。闘気を拳にまとわせているので、気を溜めておくと威力が上がる。弱めの気功技をかき消す事もできる。

ブロブ / ジャブ 『「グジャガガガッ!!」』 ドガッ

ジャブ 「きっ……貴様……我がスタンドを、ボコボコニ殴りおった……だとぉ?」 ヨロッ
ガシッ (近くの壁で体を支えた音)
ジャブ 「ウォォオオオオッ!……い……痛てぇ、痛てぇよ!痛てぇよッッッ」

拳志郎 「おお、どうしたぁ?」

ジャブ 「貴様、やりやがったなッ!あ……いってぇ……ひっでぇ」 シクシク

拳志郎 「へぇ……大成功だな……闘気を見極めりゃあ、闘気ごしに秘孔を打てるっつーことがわかったぜ」

ジャブ 「だ……だから、何をしやがったぁ……ああ、いてぇッ」
ホッケーマスクを投げ捨てる音:”ブン”

拳志郎 「秘孔・龍頷(りょうがん)を突いたぜ……コイツで、お前の全身を『痛感神経が剥き出しになった状態』へと変化させた。お前のからだは、指で触れられただけで全身に激痛が走る身体となり、物に触る事すらできねぇってわけだ」

ジャブ 「なっ……なんだってぇ!っ痛ってぇええええ!」 
あ、あんまりだぁああああ
激痛に悶えながら、ジャブが涙を垂れ流した。

拳志郎 「まぁ、さすがにちょっとかわいそうか……」 ヌポッ

ジャブ 「あっ、痛みが消えたッ!アンタ、ありがとう……うへへへへ、なぁんんかぁ、いい気持ちになってきたぁああああああ」 ホンワカァ~~

拳志郎 「おうっ!良かったなっ」

ジャブ 「ど……どころ"で、あ”ん”た、どんな治療をしてくれたんだ?」

拳志郎 「おっ……おう、秘孔をうちなおしたんだよ。牽正っつー秘孔をな」 ボリボリ

つの間にか、ジャブの手足が、関節の可動範囲を無視して反対方向にそり始めた。見ているうちに、人間の可動域をはるかに超えるところまで、動いていく。……だが、ジャブの顔には……恍惚とした表情が浮かんでいた。

ジャブ 「あぁあ……いぃ気持ちだぁ……拳志郎……あのお方を敵に回して地獄行きの列車にのっちまった、お前に、こんないい気持ちにしてもらっちまうなんて、なぁんか、悪い”な”ぁああ”あっ…………………ア…アブシィツッ!!」

ジャブ:北斗有情拳により、牽正という秘孔をつかれ、爆死


拳志郎 「ふぅ……ところで、あの方ってなんなんだぁ?」 ボリボリ


↑の分ですが、”い”が抜けました……

すみません。

スチャッ
その時、ショーコとクーラの二人が、追いついてきた。

ショーコ 「アッ!拳志郎ッ、貴方、殺っちゃったのですか?ズルいわよッッ」

拳志郎 「オイオイ、ズルい? どうしてだよ。最初に決めたとおりダロ?」

ショーコ 「何を言ってるです?私が一番だったはずですッ」 プイッ

拳志郎 「プイ……じゃねぇよ」

クーラ 「でも、どうしてコイツらは私たちを襲ってきたのかしら……」

拳志郎 「さぁてなぁ?だが、望むところだぜ。返り討ちにしてやる」

ショーコ 「あら、勇ましいことね……でも、貴方は反省しなさいっ。これからはあんな雑魚にてこづっては駄目よ」

拳志郎 「なんだとぉ!このガキィ」

ショーコ 「伝承候補者、霞拳志郎ッ!貴方は修行が足りないと、言ってるのですッ」

拳志郎 「なゃ……なぁんだ、とぉ……」

ギャーギャーギャヤー!!

クーラ 「ふぅ、付き合ってらねないわね」
騒いでいる拳志郎とショーコをしり目に、クーラは広大な荒野に、そしてその上の、満天の星空に目をやった。

クーラ 「ねぇ、そんなくだらない口げんかなんて止めなさいよ。ちょと、宇宙(そら)でもみたら?」

拳志郎 「おっ……」

ショーコ 「素敵ッ……」

三人の拳法家は、言葉もないまま、空を見ていた。

今日は、星の良く見える夜であった。

天の川が空を真っ二つに切り裂いて、瞬いていた。

反対側、西の空には地平線ギリギリに満月が光っている。そのすぐ上には、孤独な天狼星が見える。

北を見ると、クーラの宿星である太極星(北極星)が輝いていた。

子供のころ教わったように、太極星の周りを探ると、拳志郎の宿星、北斗七星と、その横の小さな星もまた、よく見えた。

死をつかさどる星、北斗七星。その対極、生を司る南斗六星もまた、よく見えた。

南斗六星は、ショーコ=ショウゴの宿星だ……

拳志郎・クーラ・ショーコ 「………」

拳法家たちは、どのくらいの間、星を見ていたのだろう。
気が付くと、東の空が少し白みだしていた。見る見るうちに、強烈な光の点が、地上近くの空に現れる。太陽が顔を出すのだ。

ショーコ 「月が、見えなくなったわ……」

拳志郎 「代わりに、陽が昇るってわけだ。太陽もまた、星だ……」

クーラ 「……ところで、ねぇ……誰か忘れてない?」

拳志郎・ショーコ 「あっ……」

………


ジョージ 「……おっ、重いッッ……寒いッ、さみしい……」


ジョージ・ジョースター:風邪をひいて、3日間ダウン(再起可能)


今日は、ここまでです。


ジョージカワイソス
車運転したり石像支えたりと頑張ってるのに
この分だと車の修理も担当だろうと思うとわら……いえ涙が止まりません

>>422
>>423

感想ありがとうございます。
続きを始めますね。

三か月後 …………



誘導員 「OK, OK, OK……ストォォップ!!」

飛行船 ”バルバルバルバル……”

グワァン!

誘導員 「よぉおし、着船ッ!早く係留しろッ」

作業員 「了解っ!」 シュルルルル

飛行船(ツェッペリン)ッ

それは、空気よりも軽いガスを巨大な袋に積めて『浮力』を得て浮き上がり、その下にプロペラ付きの客室がつけられている。

それは、その当時の最先端の乗り物であった。

それは、20世紀前半に爆発的に広まり、そして僅か数十年で消え去ったまさに時代のあだ花であった。

その飛行船の一台が、インドのとある飛行場に停泊した。

飛行船のドア "ガチャッ"

?? 「ふぅ……やっと着いた……」

飛行船のドアが開き、中から一人の男が降り立った。

『我々はこの男を知らないッ! だが、この男の物腰を、この男の『父親と息子』を知っているッ!』

男の名は、マリオ・ツェッペリ !

彼の父の名は、ウィル・A・ツェッペリ

そして、生まれたばかりの彼の末っ子の名前は、シーザー・ツェペリと言った。

マリオ 「はぁ……イタリアからここまで、長い旅だったぜ……ジョージの野郎、こんなところまで俺を呼び出しやがって、ただじゃおかねぇ」  グイッ

マリオ 「よいしょっと……ずいぶん思いザックにしちまったな……そもそも、こんな大荷物を持っていく必要があったのか?」

マリオ 「まぁ、ママンが持ってけってうるさかったからな……仕方がないか。それに、大荷物なのも、もうすぐ終わりだしな……」

マリオは、大きなザックをたった一つ担いで、喧噪うずまくニューデリーの市外に降り立った。

物乞い1 「旦那様、お恵みを……」

物売り1 「お客さんッ!トモダチッ」

物売り2 「旦那ッ、この国ははじめてですか?アッシが案内しますよ………」

物売り3 「どうです?この絨毯、いいものですよ。こりゃあうりものじゃないんだが、トクベツ、旦那様になら特別か価格で……」


ポン引き1 「へへへへ…………どうです……これ……旦那も好きでしょ……」

荷物運び1 「荷物をお持ちしますッ!」

荷物運び2 「俺がッ」

荷物運び3 「いゃ、俺が持ちますッ」

飛行場を囲むフェンスを抜けたとたんに、マリオはあっという間に物売り達に取り囲まれた。

マリオ 「まぁまぁ、ちょっと待ってよ……」

マリオは愛想よく笑いながら、我慢強く物売り達をあしらい、路地に向かった。

物売り1 「旦那っ!待ってくださいよッッ」

物売りたちの目が、色めき立つ。彼らには、カモが自分から懐に飛び込んできたように思えたのだろう。

路地には、小うるさい警官やイギリス憲兵の姿はない。カモを取り囲んで、無理やりガラクタを押し付けるチャンスだ。
代わりにカモの全財産を巻き上げてしまうのだ。

マリオ 「……なるほどねぇ……」

ギャルルッ!

と、突然、マリオの回りに突風が吹いた。突風は渦を巻き、マリオの周囲に砂埃が舞い上がった。

物売りたち 「うわっ!」

物売りたち 「あ……あれ?」

物売りたちが目を開けると、そこにはマリオの姿は影も形もなかった。

マリオ 「なるほど、これがインドか……しかし、すごい人の数だな……」

マリオは、物売りたちが自分を探して右往左往するのを、すぐ近くでこっそりと見ていた。

あの時、物売りたちが目をつぶった瞬間、マリオはとっさにジャンプして、路地横の建物の屋根のふちに手をかけ、一気に屋根の上によじ登っていたのだ。

屋上に上ったマリオの目の前には、まさしく『インド』が広がっていた。

目の前には、無数に広がる貧しい暮らしを営む人々の家々があった。

時折ポツポツと見えるのは、ヒンズー教の寺院だ。灰色の尖ったその屋根には、何やら神々の姿が無数に彫られている。

そして、二つの大きな建物が見える。一つはインドの旧支配者、マハラジャの住む豪勢な住宅と、その隣にそびえるモスクだ。そしてもう一つは、インドの現支配者、イギリスの副王の住む城だ。

足元に目を転じると、そこには、無数の人々がいた。市井の大勢の人々が町中に溢れていた。

マリオ 「しかし、活気があっていい国だな……好きになりそうだ……インチキの品を売りつけようとしたあの物売りどもは許せんがなッ!」  スチャッ

マリオはぶしつけな物売り達に憤りながら、そっと屋根の上を渡っていった。

その手には、丸い鉄の球が、ゆっくりと『回転』していた。

一方その頃、ジョージと拳志郎は、ガンジス川の沐浴場に立っていた。

拳志郎 「これが、うわさに聞いたガンジス川の沐浴場かよ……」

ジョージ 「うぅ~~ゾッとしないな……すごい色だ。きっと、変な菌がたっぷり溶け込んでるぞ……病原菌に侵されたら、どうすりゃいいんだろ……」  ピシャ、ピシャ……

拳志郎 「ジョージよぉ……覚悟を決めて、やるしかねぇぞ」

ジョージ 「……拳志郎……君こそ」

拳志郎 「おっ、俺はお前が覚悟を固めるのを待ってるだけだぜッ」

ジョージ 「良く言うよ……」

拳志郎 「だが、何時まで躊躇していてもラチが開かねぇぜ、ジョージェ……こりゃあ、やっぱり、度胸一発、いくしかねぇーんじゃねぇか?」

ジョージ 「そっ……そうだな……うううぅっッ!」 トボ トボ ……ポチャっ

ジョージ (うぉぉぉッ!い……今ガンジス川に入ったぞ。なんか、生暖かいぞ……それに、な、何か、ぬるぬるしないか?しかも 何とも言えない臭いが……)  ピチャゥッ

遂に意を決したジョージは、ガンジスの神聖な、茶色の、明らかに色々な有機物が溶け込む『豊穣な水』に頭を突っ込むッ!

ズボッ!

ジョージ 「うっ!うわぁぁっ!」

何とも名状しがたい気分で沐浴を済ませたジョージは、苦労してガンジス川を出た。

そこには、まだ『こざっぱりとした』拳志郎が、にこやかに笑っていた。

拳志郎 「よぉっ、ご苦労さん……じゃ、行こうぜ……」  ポンポン

ジョージ 「拳志郎……キミの番だ」

プーゥ―――ンと、何かの臭いを漂わせているジョージが、拳志郎の肩をつかんだ。

拳志郎 「まっ、まぁ、そりゃあまたの機会にしようぜ……あ――今日はどうも気が乗らねェンだよ。止めとく」

ジョージ 「キミの番だ」

拳志郎 「まっ、合理的に考えようぜッ……なっ? 犠牲者はお前ひとりでいいじゃないか」

ジョージ 「ゴラァッッ!!」

ジョージは、へっぴり腰の拳志郎の手を取ると、驚くべき速度で拳志郎の背後を取るぅ!
そして、すかさず拳志郎の体にクラッチを決めると、投げっぱなし式ジャーマンスープレックスを放つッ!

拳志郎 「ウォォオオオオッ!!」

バッシャァアアアンッ

拳志郎 「うげっ! ペッ! ペッ!」

ジョージ 「はっはっはっ!豪快な沐浴だな。さすがはケン」

拳志郎 「……そりゃあ、ありがとサンッ」 ベチャッ ヌリッ

ジョージ (うわっ! なんだ、この茶色いのが 顔に……うぉぉぉっ!)

ジョージ 「★☆✡*★!!」

拳志郎 「ブワゥッ ハッ ハッ……どうよ、聖なる河、ガンジス川の川泥はよぉっ……ご利益あるぞぉ……」 ニヤニヤ

ジョージ 「ゴラゴラッ!!」 ブゥンッ

ドゴォォッ!

拳志郎 「ゲェーーーッ……てっめぇええ!」

ジョージ 「この、外道がッ!」

二人の拳が交錯し、互いの顎を同時に跳ねあげた。

「死ねやっぃ!」

短いですが、今日はここまでです。


別系統の技術ひっさげてシーザーの親父さんが登場するとは思わなかった……

果たしてこの世界に聖人の遺体は有るのだろうか

>>446
>>447

感想ありがとうございます。


続きを始めますね。

ジョージ 「[ピーーー]やっぃ!」 バゴッ

拳志郎 「舐めてるねェッ!そんなスローな拳でよぉぉッ!」 ドガッ

沐浴をしていた男1 「うぉぉぉつ!何だ、こりゃあ」
沐浴をしている女性1 「きぃやあああっ!何なのっ!大男が、暴れているわッ」
沐浴をしている男2 「うわぁっ!ダメだッ!手が付けられん、ニゲロォォォツ」

周囲の石畳、彫刻 "ベリッ" ”バゴッ” ‘’バシュッッ” ”バキィッ”

沐浴をしている人々 「うわぁあああああっ!!」

ジョージ 「今度こそ、ぎゃふんと言わせてやる」 ドガッ ガキッ

拳志郎 「ヘッ、そりゃあ、こっちのセリフだぜ」 ダッ

ジョージ 「ゴラゴラゴラッ!」

拳志郎 「あたたたたぁっ!」

その時……

ガンジス川の水 “バッシャァアアン!”

拳志郎 「ぶわっ!」

ジョージ 「ぶぅぅううっ!」

メリッ!

クーラ 「この、バカどもがぁぁっ!周りにご迷惑でしょーガッ!」 バァアアンッ

ジョージ 「ああ、クーラ……それに、ショウゴも、用は済ませたんだね……」

クーラ 「ええ、すませたわ……ところでジョージ……アンタがいながら、何をやってるのよ」 コ" コ” コ” コ” コ” コ” ……

拳志郎 「おい、落ち着けよ……」

クーラ 「私は冷静よ……動揺しているのは、アンタの方じゃないの?ケン……」

ジョージ 「拳志郎……こりゃ、まずいぞ」 ヒソ

拳志郎 「ああ……」  ヒソ

ジョージ 「このままじゃ、セッキョーだ……」  ヒソ

拳志郎 「そうだな。ならば、やることはわかってるな?」  ヒソ

ジョージ 「ああ……思いっきり行くぜ」  ヒソ

拳志郎 「おう……」  ヒソ……

ジョージ・拳志郎 「逃げろぉっ!」 バッ ダダダダダッ

クーラ 「!?コラッぁぁ」

鉄の球 "キュルルルル"

ジョージ・拳志郎 「ウワッ!」 ツルッ

拳志郎 「クッ……痛ってぇ……ケツ打ったぜ」

ジョージ 「くっそ……足元が滑った……ハッ……これは……この『回転』する球は……」

マリオ 「なるほど、騒動が起こったと思ったら、やっぱりキミか……ジョージ」

ジョージ 「マリオ兄ィッ!久しぶりっ」

マリオ 「ジョージィ……キミは、何をやっているんだい?……相変わらず、自由人だな」 ガシッ

ジョージ 「……兄さんこそ、元気そうだ。良かった」 ガシッ

ジョースターとツェペリ、偉大な父の血を継ぐ二人の男が、固く握手をした。

ショウゴ 「ぬぅ?うぬは何者だ?」

ジョージ 「ああ、紹介するよ。彼はマリオ・ツェペリさん……ボクが小さいころから面倒見てもらっている……兄のような人さ」

クーラ 「それで、どうしてアンタの『お兄さん』が、ここにいるの?」

ジョージ 「じつは、僕らがチベットに行くためには、彼の持っているつてが必要なのさ。だから、無理を言って、イタリアからきてもらったんだ」

拳志郎 「へぇ……」 ジロ

拳志郎 「『ジョージの兄代わりをしていたヒト』ねぇ……じゃあ、アンタもけっこうヤルのか?」

ジョージ 「マリオ兄ィは、かなりヤルよ。ボクは、今まで一度も勝ったことがないんだ」

拳志郎 「へぇ〰〰」ジロジロ

拳志郎 「じゃあ、マリオ……アンタも、ジョージみてぇに『光る拳』をもってんのかい?」

マリオ 「……光る拳?何のことだ?」 ンン?

マリオ 「ああ……何を言っているか、わかったぞ……俺のは、『それ』とはちょっと違う奴だな」

クーラ 「アンタにジョージが『勝ったことがない』?ホントぉ?」 ジト

クーラ 「ちょっと信じられないわね……こんなやせっぽっちが、ジョージに勝てる?最後に手合わせしたのは、何時?」 ジーー

マリオ 「ハハハ、こりゃあ手厳しいね」 ニヤニヤ

ショウゴ 「フッ……マリオとやら、我らとともにきたければ、我と手合わせをせよ……貴様がどれだけやるのか、見てやろう。我らの仲間と呼ばれるのにふさわしい腕を持っているのかどうか、俺が自ら、見極めてやるわ」 ガシッ

ジョージ 「オイオイ……やめろよ。ショウゴッ」

マリオ 「いや……いいよ、ジョージ。俺は一向に構わない。むしろこっちも見定めたいからな。キミ達の腕を」 シュタッ

マリオは、まるでレスリングのような、低い構えを取った。

ショウゴ 「生意気な……」 ズッ

クーラ (ちょっと、なんで年下のショウゴが、そんなに偉そうなわけ?)

ショウゴ 「フンっ!」 ゴウッ!

ショウゴは、マリオに向かって、いきなり正拳突きを放つッ!

周囲の空気を揺るがすほどの、剛撃ッ!

マリオ 「うぉっ」 クィッ
だが、マリオはショウゴの剛拳にそっと手を当て……弧を描くようにしてその拳をそらせた。
さらに、防御のために体を『回転』させた勢いを利用して、裏拳を放つッ

ガキッ

マリオ 「いてっ……何て『固い』体なんだ……攻撃したはずの俺の拳が、逆に危うく砕けかけた……」 ドボ、ドボ……

ショウゴ 「フンっ笑止ッ!そんななよなよした拳など、我が『鉄壁』に通じるものかッ!」

ショウゴは貫手を作り、無数の刺突を放つっ
ショウゴ 「ウォオオオッ!くらえッ『南斗千刺貫手』(なんとせんしかんしゅ)!」 バシュッ シュッ シュッ シュッ

マリオ 「ウオッ……子供だと思って、侮ったかな。スゴイ突きだね……」
マリオは、クルクルと手を、肩を、体を回転させながら、その貫手を巧みに受け流していくッ

拳志郎 (へぇ、あの、マリオってオッサン、理にかなった防御をしてるじゃねェか。あのショウゴの、なかなかやる攻撃を跳ね返してよ……だが変だな、ショウゴが今使った『業』は確か、南斗孤鷲拳の業じゃなかったか)

ショウゴ 「未熟者め……己の前にいる男の実力も、わからんとはな……死して己の未熟さを悔やむがいい! 白鷺旋空脚ッ!」 クキュッ!
ショウゴは、両手を地面につき、縦方向の二段蹴りを放つ。そのまま三度回転し、合計六発の連続蹴りを撃つッ!

ゲキッゴリッボゴッ

マリオ 「ウォッ!」 タンッ

クーラ (今のショウゴの攻撃は決まったかと思ったら、マリオがバック転して避けた……回転?……円の動きを基本としている?……少しだけ、元斗皇拳と似たところがあるのかしら)

拳志郎 (お次は南斗白鷺拳の足技か……だが、どことなく違うな……もしや……だがそうだとすると、南斗蒼鸞拳……その拳が見えてきた気がするぜ)

マリオ 「おっとっと、今のはちょっとヤバかった……かな?カミソリのような蹴りが、沐浴場にしつらえてあった石像を真っ二つに切り裂いたぞ」 タラリ……

マリオ 「……油断できないッ。一旦、距離をとるか……」 スッ

ショウゴ 「ふっ……安直に下がるとはオロカな、勝期ッ!伝衝裂波ッ!」 シュバッ

地を這う衝撃波 "ジュババババッッ!"

マリオ 「!?ッッ」

ショウゴ 「くらえ……この舞を貴様はとらえきれんッ!飛燕流舞ッ」 ヒラリ

マリオ (なんだってぇ……ショウゴが宙をまったと思ったら、背後をとられた。……何て、美しい動きだ。だが、これはマズイッッ)  シュルルルル

ショウゴ 「とどめッ!てぇぇっけえぇぇええんんッッ!!」 ドガァッンン!

マリオ 「ブゥッ!」 
背後からの『鉄拳』を受けたマリオが、吹っ飛ぶ。

ショウゴ 「!?ガッ……」

なぜか同時に、ショウゴも吹っ飛ぶ!

ドガァァッ!

ショウゴ 「ガッ……な……なんだとぉ」 ガラッ

ショウゴ 「何が起こったのだ?攻撃した俺が、逆に吹っ飛ばされた……だとぉ……」 ガクッ

今日はここまでです。


ショウゴさんのいった言葉がそのまま本人に突き刺さっているように見えるんですがそれは

マリオはボールブレイカーに到達できるだろうか

>>469-471

感想ありがとうございます。

>>470
突き刺さってますね……ショウゴは、ちょっとイチゴ味成分が入ったアホのコキャラなので……

>>471
この物語で、馬にのる機会があるかどうか……


続きを始めます。

一方、同じように吹っ飛んだマリオは、瓦礫に突っ込んだショウゴとは対照的に、クルリと『回転』して、華麗に着地していた。

マリオ 「いや、キミの攻撃、痛かったよ……」

マリオの手にある二つの『鉄球』 ”シュルルルル”

マリオ 「……十分痛かった。なるほど、キミの実力はよくわかったよ……それで相談なんだけれど、ここらで、もう止めないかい……」

ショウゴ 「貴様、面妖な技をつかうな…………だが、俺も貴様の実力は分かった。……いいだろう、お前を受け入れよう」 ガシッ

マリオ 「それは、ありがたいね……」 ガシッ

ジョージ 「どうだい、マリオ兄ぃは、『やる』だろ」 ニコニコ

ショウゴ 「一体なんなのだ?コヤツ、何をしたのだ」

拳志郎 「なんだよ……わからなかったのか?ショウゴよぉ……」

拳志郎 「マリオは、何にもしてねぇよ……ただ、その球っころを『回していた』だけだ」

ショウゴ 「球を『回す』?」

クーラ 「そうよ、マリオは、ただこの『鉄球』を回して持っていただけ……で、アンタの一撃を喰らいざまに、その『鉄球』をアンタに押し付けたってワケ……そしたら、逆にアンタがぶっ飛んだのよ」

クーラ 「いったいどういう仕組みなの?ちょっと、触らせてよ」 ガシッ

マリオ 「これは、何の変哲もないただの鉄の球だよ……でも、まぁ、『商売道具』だからね、種明かしは勘弁させてくれないかな」

クーラ 「まぁ、そうよね……」

ソロォ――

クーラ 「……ちょっと待ちなさい、アンタ達への『話』は、まだ終わってないよ」

拳志郎 「うっ……」 ビクッ

ジョージ 「もしかして……セッキョ――ですか?」 プルプル

クーラ 「当たり前でしょウガッ!このおバカッ!」

マリオ (……)

3時間後……マリオは、衝撃のあまり立ち尽くしていた。

マリオ 「……こっ……これは……」 プルプルプル

マリオ 「これは、……いま見ているのは」

マリオ 「な、な………」

ジョージ 「……ハハハ……まあ、マリオ兄ィ、落ち着いて」 ポン

マリオ 「なんじゃこりゃあああッ!」

マリオ 「汚すぎる。キミたち、こんなごみ溜めに暮らしていたのかッ!掃除をしなさい、掃除をッ!」

マリオがどなるのも、無理はなかった。

4人の拳法家達が共同生活をおくっていたその宿舎(ドミトリー)は、まさに恐ろしい惨状であった。

部屋の床一面には、ありとあらゆる種類のゴミクズが散乱している。
部屋の隅には溜まりにたまった埃が、まるで泥のように固く、こびりついていた。
部屋の4隅には、粗末なベッドがしつらえてあったが、そのベッドの上には、当然のようにぐしゃぐしゃの服や、各自の私物などがうずたかく積まれていた。
天井を見上げれば、蜘蛛の巣が一面に張り巡らされていた。

マリオ (いまカサカサと部屋を横切った黑いモノは……マサカ……)ぶるっ

マリオ 「ほら、クーラッ!キミは床をはたいてッ!拳志郎、お前は天井だッ!ジョージ、ショウゴッ!お前たちはこのゴミクズをすぐさま叩き出せッ!」

拳志郎 「オイオイ、よせよ……」

クーラ 「ちょっとぐらいゴタゴタしてたって、別に死にやしないわよ」

ジョージ 「めんどくさいな」

ショウゴ 「そんなこと、後でいいだろ」

マリオ 「うるさいッ!口答えしないでさっさとヤレッ!」

バタバタ……

ゴシゴシ……

フキフキ……

マリオ 「ホラっ、四角い部屋を丸く掃除するなッ」 ザッザッ

マリオ 「いいか、掃除は隅からやるんだ。そうじゃない、ゴミを隅に集めてごまかすなッ」 ジャッジャッ

マリオ 「ちゃんと腰入れてやれッ……世の家政婦(メイド)さんを、舐めてるのか」 キュッキュッッ

書き直します。

拳志郎 バタバタ……

マリオ 「ホラっ、四角い部屋を丸く掃除するなッ」 ザッザッ


クーラ ゴシゴシ……

マリオ 「いいか、掃除は隅からやるんだ。そうじゃない、ゴミを隅に集めてごまかすなッ」 ジャッジャッ


ジョージ フキフキ……

マリオ 「ちゃんと腰入れてやれッ……世の家政婦(メイド)さんを、舐めてるのか」 キュッキュッッ


ショウゴ カシャカシャ……

マリオ 「ショウゴ……お前は、とにかくまじめに片付けろ。それは、ただ動かしただけだ。考えもなしに物を置くなッ」 ガシャッガシャッッ

クーラ 「うわっ……マリオって、もしかして『お母さんポジ?』」 ヒソッ

ジョージ 「……うーん……言われてみれば……」 コクッ

マリオ 「そこっ!ペチャクチャしゃべってないッ動かすのは口じゃないよ、手だよッ」

クーラ 「ふぇえええっ」

クーラ 「たまんないわね……ジョージ」 パチッ

ジョージ 「まったくだ……」 クスッ

マリオの目を盗み、再びクーラはジョージに話しかけた。その口元に笑みが浮かびかけ……こわばった。

マリオ 「ジョージッ!お前、こんなグータラに暮らしてたら、お前の奥さんが、泣くぞッ」

マリオが掃除の手を止めないまま、肩越しにそう言い放ったのだ。

クーラ (……えっ?)

ジョージ 「ちょっと待ってくれよ、マリオ兄ィ……リサのことはカンケ―ないだろ?」

クーラ (そッ……そーなんだ。ジョージの奴、ケ……ケッコンしてたんだ……)

………
掃除を始めてから2時間後

クーラ 「ねぇ……十分じゃない?……とにかく私の目には、もうピッカピカよ。もう休憩して、お昼でも食べようよ」  トントン

マリオ 「そうだね……まだ改善の余地はあるけど、まぁいいか……それで、ここでは、どうやって昼食を工面するんだい?」

拳志郎 「ああ、昼はその辺のテキトーな屋台で何か買って食べるんだぜ……今日はカレーでも喰うか?マリオは今日インドについたばかりなんだろ?じゃあ、少しはこの国らしいものも、くちにしねぇとなぁ」

マリオ 「カレーか……いいね」

ジョージ 「よし、じゃあ僕が買って来よう」 すたっ

ショウゴ 「……我も行こう」 スタッ

ドアの閉まる音 "バタンッ"

クーラ 「……」

クーラ 「ところでマリオ……聞かせてよ。ジョージ・ジョースターの奥さんって、どんな人?アンタは、あったことあるの?」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

マリオ 「……いや、それは……………」

それはジョージが戻ってから……と断ろうとしたマリオは、クーラの異常な迫力におされ、たじろいだ。

マリオ 「わかった。話すよ……どこから話そうか…………」

クーラ 「初めからよ。すっかり説明して」

コ" コ" コ" コ" コ" コ" コ" コ" コ" コ"

マリオ 「わかった……俺と彼の……ジョージの、それぞれの父親同士が知り合いだったことは聞いたかい?二人とも若くして死んでしまったのだけど、俺たちはその父親同士の縁で、子供のころから知り合いだったんだ……」

今日はここまでです。
短くてスミマセン……



毎回楽しみにしてます!

>>490

楽しみにしてくれて、ありがとうございます。
では、続きを始めますね。

寄宿宿の外、弁当屋へ向かう路地裏:
ジョージ 「ふぅ―――、マリオ兄ィには悪いけど、解放されてホッとしたよ」

ショウゴ 「まったくだ……なんなんだ、アイツは。細かいことをグチグチと……部屋など、寝れるスペースがあれば、どうだっていいではないか」

ジョージ 「……実は、僕もそう思う……」

ショウゴ 「まぁいい。せっかく外に出たんだ。ちょっと息をつくか」

ジョージ 「賛成だ」

二人は、インド人がひしめく路地を歩いて行った。
息をつくといっても、二人の間での共通の話題など、たった一つしかない。
拳法についてだ。

ジョージ 「……なぁ、ショウゴ……」

ショウゴ 「なんだ」

ジョージ 「いい機会だから、聞いてみたかったんだ『君たちはいったい何者なんだい』?」

ショウゴ 「……俺たちは、拳法家だ。俺たちは拳に生き、拳に死す……」

ジョージ 「そうじゃあない、いや……君たちが『拳法家』なのは、わかっている。知りたいのは、キミ達の使う拳法のことさ……知りたいのは、南斗聖拳、元斗皇拳、それに 北斗神拳のことさ……」

ショウゴ 「何が知りたい……聞いても、話すとは限らんが……」 フン

ジョージ 「教えてくれ、君たちの使うどの流派も、すべて恐ろしい力を持っている。なのに何故、世に知られていないんだ」

ショウゴ 「強力すぎるからだ……広く知れ渡れば、危険すぎる。だから秘密にされた」

ジョージ 「その『強力な拳』が使える人は、どれくらいいるんだい?」

ショウゴ 「……そりゃあ言えんな」

ジョージ 「どんな修行をすれば、こんなに恐ろしい力を得られるんだ?」

ショウゴ 「言えんな」 テクテクテク

ジョージ 「キミ達は、どのくらいの規模の集団なんだ?これほどの拳法を身につけるには、それこそすべてをなげうって修行しなければならないはずだ……キミ達の集団は、何を生活の糧しているんだ?」

ショウゴ 「言えんな」 テクテク……

ジョージ 「💢……キミ達の拳法の流派どうしの関係を知りたい……互いに交流はあるのかい?……『どの流派が強い』?」 ムッ

ショウゴ 「ほぉ……」 ニヤリ

ショウゴ 「俺を、挑発する気だな……まぁいいだろう。まず初めの質問の答えは、YESだ」 テクテクテク

二人は、話をしながらインドの泥だらけの狭い路地を進んで行った。
周囲は、雑多な人々がひしめき合っている。壁際には、いくつかの屋台が並んでいた。ときおり、道行く人が屋台に立ち止り、なにやら買い求めている。

ジョージ 「へぇ……それで、教ええくれよ……だれの流派が強い?……イヤ、誰が強い?……」

ショウゴ 「拳力は甲乙つけがたいな……『北斗神拳』と『南斗聖拳』は表裏一体。陰と陽の関係だ。そして、『元斗皇拳』は一時期は我らをしのぐとまで言われた拳法よ……」 ギュッ

ショウゴ 「だが、いま我らが戦ったら、おそらく勝つのは拳志郎だ……俺の南斗聖拳では、まだ奴の使う北斗神拳に勝つことは出来ん……表裏一体と言われながらも、我が南斗は、ながらく北斗の陰に甘んじてきたのは、事実……」

ジョージ 「君が使うのは、確か南斗蒼鸞拳って言ったっけ……南斗聖拳には、さらにいくつもの流派があるのかい?」

ショウゴ 「そうだ。南斗聖拳は108派に別れておる。そのなかで、『南斗6聖拳』と呼ばれる6つの流派が、他の流派を束ねている。南斗蒼鸞拳は、その『南斗6聖拳』の一つよ」

ジョージ 「素朴な疑問なのだけど、108派もあって、どうして一つの流派だと言えるんだい?」

ショウゴ 「すべての南斗は、祖が同じ……我が、南斗蒼鸞拳が源流よ……南斗は一つの共通の源流から発展した拳よ」

ジョージ 「なるほど……で、六聖拳の他の流派は、なんていうんだい?」

ショウゴ 「孤鷲拳、水鳥拳、紅鶴拳、白鷺拳、そして鳳凰拳だ。南斗108派は、其々の業を極め、この5つの流派に集約されていく……そして、最後には我が蒼鸞拳に返る……」

ジョージ 「南斗聖拳は、北斗神拳を破ることを目指しているのかい?」

ショウゴ 「そうだ…俺が旅に出たのも、南斗が北斗に勝つための修行よ……南斗は、俺が……南斗蒼鸞拳、慈母星のショウゴが……」

俺は、北斗の後ろは歩かぬ。
ショウゴは決意に満ちた目で、そう語った。

30分後、宿舎(ドミトリー):

ガチャ

ジョージ 「ただいま、買ってきたよ」

マリオ 「お帰りッ!助かったよ」

拳志郎/クーラ 「ちっ……」

ジョージ 「んん?……はいよ、これが注文のカレー、ターリーさ」

マリオ 「ターリー?このいっぱいカレーが入っている盆のことかい?……ずいぶん色とりどりのカレーが、小椀に入っているんだね」

ジョージ 「そうさ。ターリーって言うのは、大皿にナンと幾つかの小椀を乗せた、インドの伝統的料理のことだよ。とにかく食べてみてくれ」

マリオ 「へぇ……これが、本場の『カレー』ですか」
マリオは、興味津々 というようにテイクアウトのカレーを受け取った。
ナンをちぎると、鉄皿の上に並べられている幾つかの小椀に入ったカレーに浸してみた。それを、ゆっくりと口に入れる。

次の瞬間、マリオは大きくむせた。

マリオ 「ブッッ。かっ……辛い……」

拳志郎 「ウワッハッ……なれねぇと、こっちの喰いモンは辛いよなぁ……」 パンパン

拳志郎 「おっと、いくら辛くても絶対生水は飲むなよ……代わりに茶を飲め」 モグモグ

マリオ 「こっ……コーヒーは、無いのかい?」 ゲホッ

拳志郎 「ねぇよそんなもの。ほら、茶を飲め、茶を」

クーラ 「ねぇ、マリオさん。食べながらでいいからさ、もう少し話してよ……アンタとジョージの子供時代の話をさ」

マリオ 「……うっ」 チラッ……

ジョージ 「なっ……マリオ兄ィ」

ジョージ 「ちょっと、僕がいない間に、いったい何を話していたんだ?」

クーラ 「大したことは話してないわ……アンタとマリオさん……それに、リサリサ……さん?彼女との恋のさや当てなんかを、チョット聞いただけね」
クーラが、しれっと答えた。

ジョージ 「マリオッ!」
ジョージがマリオの襟をつかみあげた。その耳は、根本まで真っ赤だ。

マリオ 「いいじゃあないか、それに、勝ってエリザベスを手に入れたのは、キミだ」

マリオ 「キミが恥ずかしがる話じゃない」

ショウゴ 「ほぉ……マリオ、つまり貴様は『負け犬』だった。というわけだな?」 ニヤリ

ショウゴ 「貴様は、かつて女を巡ってジョージとやりあい、負けたと」 ニヤニヤ

クーラ 「コラッ!失礼なことを言うんじゃないッ!ショウゴォォッ」 バシュッ

ショウゴ 「ああ……すまん」 (鼻血)ボタボタ ……

マリオ 「まぁ、それは本当だからね」

『負け犬』と呼ばれたマリオは、いたってクールに肩をすくめた。

マリオ 「俺がとあるご婦人を巡って、ジョージと争ったのは、事実さ。結局そのご婦人が、ジョージを選んだこともね」

拳志郎 「……」

マリオ 「でもね、俺には、そのご婦人に勝るとも劣らない素敵な彼女がいるんだッ!」 ぱぁぁ―――ん

マリオのクールな顔が、一転した。満面の笑みを浮かべ、そそくさと懐から写真を取り出す。
そこに映っているのは、マリオと、その家族だ。

マリオ 「ほら、これが俺のママさ。見てくれよ。そしてこれが奥さん。二人とも、美人だろ? そしてこれは……」 ペチャクチャ

マリオ 「これは、長女のレペッカ、かわいいだろ?それから、長男のファビオ コイツはしっかり者だ、賢い次女のクララ……それから、この赤ん坊が、シーザーだッ……」

クーラ 「シーザー……すごい名前をつけたわね」

マリオ 「そうだろうっ!だけど俺には分かっているんだ。コイツは大物になるってね……決して、名前負けしない男に、この子はなるはずさッ」

そのとき、クーラの視界に、そそくさと部屋を出ていくジョージ、拳志郎、そしてショウゴの三人が見えた。

クーラ(しまった……)

結局、一度火がついてしまったマリオの一族自慢は、日が暮れるまで延々と続いたのであった。

数時間後
………
……


マリオ 「ハハハハ八ッ」

マリオ 「どぅだ、この子かっわいいだろぉおッ?愛くるしいだろっ!完璧だろッ!……」

クーラ 「……そうね、とってもカワイイワ……」 ゲッソリ

ハハハハッ
マリオは大きく伸びをした。

マリオ 「まだ話したりないけど、少しおなかが減ったね……ちょっと休憩しようかッ」

クーラ 「ええ……」

マリオ 「部屋もすっかり暗くなってきたね……明かりをつけよう」 スチャ

マリオ 「ええと、ランプは……ああ、こんな隅っこにあったのか」 ボッ

マリオ 「窓を少し開けよう。夜風が入るぞ……」

マリオ はランプを持ったまま、部屋のベランダに続く ドアを開いた。

銃声 ”タァ――ンッ“

マリオ 「クッ……うぉっっ」

クーラ 「マリオッ!」

今日はここまでです。


血は争えぬというわけか………リサリサに惚れという点で

>>515-516

感想ありがとうございます。
なんとかリサリサも登場させたいのですが……

これから、続きを始めますね。

クーラ 「ハッ……狙撃された?」 

ランプを消す音 “フッ”

クーラ 「マリオッ……大丈夫かッ? しっかりしろ……」

マリオ 「くっそ……ってッ」

鉄球 “ギュルギュルギュルッッ”

マリオ 「イッテェ……弾丸は、なんとか皮膚の上で、止めたよ。僕は、大丈夫だ」

マリオの手のひらには、鉄球が回っていた。その手を自分の心臓に持っていき、皮膚の上で止まっていた弾丸を、ほじりだす。

マリオ 「突然狙撃された……だが、これはいったい、どういうことだ?君たち、なんか恨みでも買っているのか」

クーラ 「そりゃあ、私たちに恨みを持っている人なんて、ゴマンといるだろうけど……」

第2弾 “タァ――ンッ!タァ――ンッ”

クーラ,マリオ 「クッ……」 シャッッ

ドアの開く音 “ガチャッ”

拳志郎 「どうしたッ」
ジョージ 「マリオ兄ィッ……今のは?」
ショウゴ 「うるせぇ―ゾ。静かにしろッ」

マリオ 「来るなッ!」

第3弾“タァ―――ン!”

ショウゴ 「クッ……」 ポタポタポタ……

拳志郎 「おい、大丈夫か??」

ショウゴ 「フン……油断したわ……左腕を撃たれた……だが、こんなかすり傷、どうってことないワ」

クーラ 「なに、イキガッテルのよ、いいから傷口を見せなさい」 グイッ

ショウゴ 「ウグッ……」

クーラ 「ほら、痛いんじゃない。どれ……」 ジィ――

ショウゴ 「余計なお世話だッ!そんな女々しい治療など、不要ヨ」

クーラ 「はぁ?なに寝言を言っているの?」

ショウゴ 「ふざけているのは貴様だッ!この南斗蒼鸞拳のショウゴ、こんなかすり傷での治療など、不要っ」 バァ――ン

クーラ (イラッ…)

ジョージ (面倒なヤツだな……)

ジョージ 「ショウゴ……わかった……だから、ちょっと落ちついてくれ」
ショウゴの肩をたたく音 “ポン”

ザ・ソーンの針 “チクリ”

ショウゴ 「なっ……」 バタン …… グゥ――

ジョージ 「クーラ……ショウゴを眠らせたから、早く傷口を見てくれ」

クーラ 「サンキュー ジョージ……助かったわ……それで、このバカの怪我の具合はどうかしら?」 ジィ―――

クーラ 「うん……大丈夫ね。弾丸は、ショウゴの筋肉だけをきれいに貫通して反対側に抜けている。神経とか、腱とか、骨とかには被害がないわ」

ジョージ 「拳志郎、これはもしや……」

拳志郎 「おお、『奴ら』の襲撃かもな……おりゃあ、偵察してくる。ここは任せたゼ」 ダッ

ジョージ 「おっ、オイ……拳志郎のヤツ、窓から飛び降りたぞ……まったく、無茶苦茶な奴だ……」

拳志郎が着地した音 “ダァッッ!”
地面を蹴りこんだ音 “ザシュッ”

拳志郎 「よし、物陰に隠れたぞ」

銃撃 “タァ――ンッ”

拳志郎 「オォ――ッと、危ないねェ……」 ニヤッ

そこは、日中にジョージとショウゴが昼飯を買いに出かけた、路地裏だ。
日中は人ごみにあふれていた路地は、今は人っ子一人いなかった。

いや、先ほどまでは誰かがいたのだろう。

周囲にはゴザが敷かれ、コップや、皿、紙屑などが散乱していた。

銃声を聞いて、大慌てで隠れたのだ。
その証拠に路地の隙間を覗き込むと、おびえた目が、奥からチラリと見えた。

拳志郎 (さて、どこから撃ってきやがる……) ソロリ……

拳志郎 (………)  クンクン……

拳志郎 (そこかッ) ダッ!

拳志郎は、スラム街の狭い道を一気に駆け抜けるッ
目指すは、先ほど銃が発射されたらしき、物見やぐらだッ!

ザシュッ

グイッ……

拳志郎 (ふっ……軽身功だ。奴らには目にも止まらない動きだったろうぜ) ギュッ グリッ

スタッ

拳志郎は宙を舞い、物見やぐらに飛び乗った。

拳志郎 「チッ……もぬけの殻かよ」 クンクン

拳志郎 (ぬっ?これは……)

物見やぐらの上のステージには、踏みつぶされたタバコの吸殻が山となって散らかっていた。
そのタバコの匂いに混じり、うっすらと硝煙のにおいが漂っていた。

ドアの開く音 "バタン"

ジョージ 「拳志郎……どうだった?」

拳志郎 「……逃げられた。見事な引き際だぜ。きれいさっぱり、姿をくらませやがった」 ドガッ

クーラ 「そう、じゃあ、誰が襲ったのかわからないの?」

拳志郎 「ああ、わからねぇ。奴ら、プロだぜ……だが、面白いものを見つけだぜ。ほらよ、ジョージ」 ポイッ

ジョージ 「オイオイ……」 キャッチ

ジョージ 「!?なんだい……これは?」

拳志郎 「こりゃあ、拾ったモンだ……俺たちを襲ってきたポン助どもの隠れ場からよ……」

ジョージは、黙り込んだ。拳志郎から受け取った物を、ポケットにしまう。

クーラ 「ねぇ、聞いてよ二人とも……また襲われるかもしれないわ。ショウゴは怪我しているし、これ以上、ここにいるわけにもいかないわよ……」

拳志郎 「そうだな。ここを出るぞ」

拳志郎 「マリオ、おめーは動けるのか?」

マリオ 「俺は、ゼンゼン大丈夫だ」

マリオ 「だが、こんな時間にどこに行くって言うんだ?外国人の俺たちが、どこかに行くあてなんて、あるのかい?」

拳志郎 「ああ……それは問題ない」

拳志郎 「俺たちがここ数か月、ボディ・ガードをしてやっている奴がいる……そいつのところに行く」

マリオ 「ボディ・ガ―ド?」

拳志郎 「ああ、そうだ。敵が多い奴だからな……よし、手荷物をまとめたら出発だ」

ジョージ 「ちょっとまて、ショウゴはどうする? ザ・ソーンを解除して、自分で歩かせるかい?」

クーラ 「そのまま眠らせたまま、担いでいきましょうよ……起こすと、メンドクサイわ」

拳志郎 「俺も、クーラに賛成だぜ……担いで行こうや、なぁジョージェ……」

ジョージ 「ボクは、ショウゴをかつぐのは、嫌だ」

クーラ 「あら、レディに荷物を持たせる気じゃあないわよ、ねぇ……」

ジョージ 「……拳志郎、お前がショウゴを、運べ」

拳志郎 「オイオイ、俺だってごめんだぜ……こりゃあ、『漢の勝負』で、きめるしかねぇだろ」

拳志郎の拳 “グイッ”

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ジョージ 「……」

マリオ 「……」

コ" コ" コ" コ" コ" コ" コ" コ" コ" コ"

拳志郎 「……行くぜ」

ジョージ マリオ 「オウッ!!」

拳志郎 ジョージ マリオ 「じゃんけん、ポイッ!!」

観光ではなく修行を兼ねた拳法家の旅だ。
一行の中に、大荷物を持っているものはいなかった。

荷造りはあっという間に終わり、一行は夜のデリーの町へ飛び出した。

先ほど拳志郎が外へ出た時と同様に、夜の街には人っ子一人いない。
暗い夜道を、一行は走る。

(漢の勝負に負けた)ジョージ 「クッ……重い……」

(漢の勝負に勝った)拳志郎 「ほら、ジョージ……てめぇ、ちんたら走ってんなよ」

(漢の勝負に勝った)マリオ 「ケン……そりゃあ、言いすぎだろ……」

(漢の勝負に負けた)ジョージ 「💢……いや、いいよ。ショウゴなんて、軽いモンだ……」 ハ――……ハ――……

(勝負をしていない)クーラ 「ほら、三人ともベチャクチャ話しながら走ってるんじゃあないわよッ!」

今日は、ここまでです。

続きを始めます。

タタッ

ジョージ 「マリオ兄ィ、足元に気を付けなよ……」 クルッ

タッタッタッ……

ジョージ 「インドの路地には、色々なものが『落ちている』からね、間違って踏むと嫌な思いをするよ」

グニュッ

マリオ 「……できれば、もう少し早くいってくれると、助かった……」

ジョージ 「あ……ゴメンよ、マリオ兄ィ……」 ポリポリ

マリオ 「ところで、俺たちはこれからどこへ行くんだ?教えてくれないか」

ジョージ 「ああ……」

ジョージ 「これから行くのは、トキシムって名前の男のところさ」

マリオ 「トキシム?インドの人かい?どっかで聞いたことがあるような……」

ジョージ 「……」

マリオ 「「ジョージ……その、トキシムって人は、どんな人だ?」 ピタ……

ジョージ 「トキシムさんは……革命家だよ……ニューデリーに来てからであった……彼は、インドを我が大英帝国から独立させることを目指している……非暴力による、革命さ……」

マリオ 「!?なんだってぇ……それで、大英帝国からの独立を夢見る男に、『大英帝国軍人』のキミが、何をしている?」

ジョージ 「ボクは、クーラの頼みで、『ある計画が実行に移されるまでの間』、トキシムさんの身辺警護に協力している……マリオ兄ィを待つ間、やることもなかったしね」

マリオ 「……いいのかい?それで」

マリオは驚いた。ジョージは栄えある大英帝国の軍人だ。それが、大英帝国からの分離独立を主張する一派に協力している。これは、軍法会議モノの裏切り行為だ……

ジョージ 「……もちろん、これで『いいのさ』」

ジョージ 「正直、どう考えても理は彼らの上にある……間違っているのは、我が大英帝国さ」

マリオ 「キミが納得しているのなら、俺は何も言えない。だが、本当にそれでいいのか?」

ジョージ 「……ボクは、何があっても僕が思うまま、『自由に生きる』。これが、今の僕がしたい事さ……」

マリオ 「……」

ジョージ 「マリオ兄ィ……『ローラット法』のことを、知ってるかい?」

マリオ 「いや、詳しいことは知らない」

ジョージ 「インド総督に、『逮捕令状なしの逮捕・裁判抜きの投獄を行う権限』を与える法律さ……もともとは、インド総督はこの間の世界大戦のときに、自治権の拡大を約束していたんだ。戦争に勝つためには、インドの協力を得ることが必須だったからね……」

マリオ 「……」

ジョージ 「それが、戦争が終わったとたんに手のひら返しさ……やり口の汚らしさに、反吐がでるよ……」

ジョージの手 “ギュッ……”
ジョージは、先ほど拳志郎が手渡してよこした、『襲撃者の残した遺留品』である、イギリス陸軍支給の煙草のケースを握りしめていた。

やがて、一行はトキシム……と言う男がいるであろう路地についた。
路地の入口には、大男が二人、立っていた。

拳志郎 「よぉ、馬鹿デカ兄弟」

大男1 「何用だ……貴様ら」ムゥ―――ン

クーラ 「……実は、ドジったのよ」(……拳志郎、アンタが話すとこじれるから、引っ込んでなさい)グイッ

ラーガ 「なんだと」 ギロ

クーガ 「キサマら……我らが『ことを起こす』まえの大事な時期なのは、知ってるであろう?まさか、下手を撃ったのではないだろうな? まさかとは思うが、『敵』につけられたり、していないだろうな?」

マリオ (敵?どういう事だ?)

クーラ 「そんなヘマはしないわ……わかっているでしょ。それに、私たちが襲撃を受けたのは、アンタ達のために警護をしていたからに、決まっているわ……アンタ達にも、責任の一端はあると、思わない?」

ラーガ 「……減らず口を……だが、いいだろう。トキシム様への面会を許そう。ついてこい」 スタスタ

ラーガ 「……」 スタスタ

ラーガ 「……」 スチャッ

ラーガ 「トキシム様。用心棒ど……いえ、拳法家たちを連れてきました」

トキシム 「おお……ラーガ……いつ私が、身辺を守ってくれと頼んだのだ……だが、これも私の事を思ってくれてのこと。私のために骨をおってくれて、ありがとう」

マリオ (この男が、トキシム……ずいぶん、粗末な衣服を着たやっぽっちな男だな……それにしても、スゴイ格好だ)

トキシムと呼ばれた男は、頭頂部をそり上げ、軽くウェーブのかかった銀髪を後ろ髪だけを伸ばすという、特異なヘアースタイルをしていた。赤い染料で頭頂部と頬に二本の筋を描いているのが、どことなく不気味であった。

トキシム 「拳法家の方々、ワザワザこの老人の為にご足労いただき、恐縮の極みじゃ」 ペコリ

トキシムが頭を下げると、ジャラリと手首につけた指輪が、音をたてた。

マリオ (なんだ、彼は……あの首にかかっているネックレスは、頭がい骨じゃあないか……)

ラーガ 「いえ……この者どもは、今回はむしろ保護を求めてやってきたのです」

トキシム 「ほぉ……拳法家どのが、我らの保護を……?」 マジマジ

拳志郎 「よぉ、トキシムのオッサン……ちょいと、世話になるぜ」 ドガッ

ラーガ 「ケンシロウ、キサマ……口を慎めッ」

トキシム 「ラーガ……何をツマランことを……細かなことで、いちいち目くじらを立てるな」

ラーガ 「ハッ……お言葉ながら……」

トキシム 「ラーガ……『ワシが良い』と言ったのじゃぞ……見れば怪我人がいるではないか……すぐさま治療を施すのじゃ」 ギロリ

ラーガ 「失礼しましたッッ」 シュタッ

ラーガ 「おい、ジョージ……ショウゴを連れて、こっちにこい。治療をしてやる」 グイ

ジョージ 「……わかった。頼むよ」 スタスタスタ

トキシム 「さて、客人……歓迎しますが、できれば事情を話してもらえるかな」 クルリ

クーラ 「ええ……トキシム様、説明します。実は……」 カクカクシカジカ

翌朝:

拳法家たちは、まるで自分の家のようにくつろいだ格好で、トキシムの館で朝食を喰らっていた。

クーガ 「……キサマら……」

拳志郎 「なんだぁ、クーガ……お前も食えよ、このサモサ、うめぇぞ……ほら」 ガシッ

クーガ 「キサマらっ!居候の身分で大概にしろッ!!」 ブンッ

ショウゴ 「クーガ、怒ってばかりだと、体に悪いぞ、やめておけ」

ジョージ 「食料を粗末にするなんて、感心しないな……」

クーガ 「誰のせいだッ!誰の!!」 ハ―ハ――

ラーガ 「まぁ、いい……こうやって、お前たちが来たのも神の縁だ……どのみち、今日はお前たちを呼ぶつもりだったからな」

クーラ 「!?どういうこと?」

ラーガ 「お前たちに、仕事だ」

拳志郎 「おおっ、警護か……それで、今回はどこで、相手は誰だ?」

クーガ 「警護の対象は、トキシム様だ……今日、トキシム様は対立する教団の寺院に赴かれる……お前たちは、トキシム様の身を守れ……」

短いですが、今日はここまでです。


食べ物を粗末にするのはよくないなうん
しかしこのジョージ紳士からはドンドン離れていってるな
エリナが見たら説教されるかも……いやしないかジョセフもああだったし



ラーガクーガの元ネタはライガとフウガかな
トキシムは・・・トキとダルシム?

感想ありがとうございます。

>>556
ジョージは、ちょっと自由をこじらせております。


>>557
Exactly (その通りでございます)

続きを始めます。

………

トキシム 「客人……すまんが、クーガとラーガがうるさいからな……頼まれてくれるか?」

拳志郎 「『対立する教団』ねぇ……それで、どうしてそんな所にいこうってんだ?オメェ?」

クーガ・ラーガ・クーラ 「コラッ!なんだその口の聞き方はっ?」

拳志郎 「あぁ――――ん?俺の口の聞き方に、なんか文句あるのか?人間なんざ、どいつもこいつも、死んじまえば、ただのクソ袋じゃねーか」

クーラ 「アンタね……そんな屁理屈を言ってるんじゃね――っ。アンタには一般的な『大人としての立ち振舞い』ってぇのが、まるで足りないって言ってるのよッ!」

拳志郎 「あぁぁ?『大人としての立ち振舞い』だぁ?なんだそりゃ、食えるのか?」

クーラ (コノヤロ――) プルプル……


トキシム 「ハッハッハッ……イヤイヤ、拳志郎の考え方は、正しいな……確かに死ねば、我もお前も、ただのクソ袋よ」

拳志郎 「おう……それで、その教団ってぇのは、なんてとこだ?」

トキシム 「これからワシがいくのは、シッ・シィ――ネ教団よ」

クーラ 「はぁ?『シッ・シィ――ネ教団』ですってぇ……アンタ、あの極悪非道のテロリスト教団のところに行こうってぇのぉッ!」

ジョージ (クーラ……君も口の利き方も酷いぞ……)


トキシム 「なに、大したことじゃあ、ありゃせんヨ。ちょっと挨拶に行くだけヨ。確かに、奴らのところにゃ、少ぅしばかり血の気の多い子供が多いから、小うるさいがの……」

クーラ 「『ちょっと血の気の多い』ですってぇ」 ガシッ

クーラ 「奴らが何をやっているのか、アンタも知ってるでしょ! 『シッ・シィ――ネ教団』は血も涙もない、犯罪組織ですッ! 誘拐ッ! 殺人ッ! 金を積まれりゃ何でもやるヤツ等じゃないっ!噂じゃアヘンの密売にも手を出しているって、話よ」 バンッ!


トキシム 「ほっほっほっ……わかっとるよ。だが、奴らも『大英帝国』を憎んでおり、『何らかの行動』を起こそうとしておる」

ジョージ 「……だから、『悪』とわかっていても『手を組む』のか?」 イラッ……

トキシム 「逆じゃ、奴らには『我らに手を出すな』『何もするな』と言いに行く」

ジョージ 「……」

トキシム 「あの愚連隊どもが暴れだしては、『大英帝国軍』の銃が、罪もない民衆に火を噴く口実をあたえるだけじゃ」


ジョージ 「……」

拳志郎 「なるほど、面白そーな仕事じゃあね――か……引き受けたぜ」

ショウゴ 「……オイ、いつからウヌが、俺たちの代表になった?キサマ一人で勝手に話を受けるな」

クーラ 「ショウゴ……言いたいことはわかるけど、トキシム様にはずいぶん世話になったじゃない?それも、もとはと言えば、アンタの治療のためによ……断るなんて、不義理が出来るわけないでしょ」


ショウゴ 「……フン、好きにしろ」 プイッ

クーラ 「じゃあ、手筈通りにやりましょう……ショウゴ、『ちょっと右手を撃たれた』だけのかすり傷なんだから、あんたにも働いてもらうわよ。……ショーコに戻って」

ショウゴ 「……」 スタッ
ショウゴは黙って路地の奥に隠れ、次の瞬間、ショーコの姿になって表れた。

ショーコ 「……これで、満足?」 ハァ――ン♡


マリオ 「なぁっ? あれっ? ショウゴは何処に……あの子は……えっ????」 キョドキョド

ショーコ 「……」
ショーコのウィンク “パチッ”

マリオ「えぇぇっ?何だぁ?……こ、こりゃぁ……」 タラリ……

ジョージ 「……マリオ兄ぃ、『ショーコとショウゴ』のことは、あとで説明するよ……」 ポン

ショーコ 「初めまして、マリオ・ツェペリさん……私は、『ショーコ』よ、よろしくね」

マリオ「おっ……おう……」 タジ……


拳志郎 「それで、クーラ、これからどうする」

トキシム 「わしゃあ、もう出るぞ」

クーラ 「……わかってるわ。私と、ショーコがトキシム殿の近くを警護するわ」

クーラ 「拳志郎、マリオ……それから、ジョージ……アンタ達は、私たちから少し離れたところを、身を隠しながらついてきて。私たちの周囲を警戒してね」

拳志郎 「おお、まかせとけや」 ポン


トキシム 「さすが、頼もしいの……ところで、拳志郎、ジョージ、沐浴は済ませてきたかね?
ガンガーで沐浴を済ませんと、奴らの寺院には入れんぞ」

拳志郎 「……ああ、そいつは、バッチリ済ませてきたぜ……」 グッ

ジョージ 「……違いないね」

………

とある屋根の上

潜んでいる男 「フフフ……、ようやくトキシムが出てきたか……奴さえ殺ッチまえば……クククク……ハッ?? ガブっ!」

マリオの鉄球 “ギャルリッ、ギャギャギャッ!”

潜んでいる男 「うぉつッ!何だぁ?いきなりワイヤーがッ……」 グルグルグル バタッ


マリオ 「フッ……俺の鉄球は、俺の意思を自在に反映して回転する……こっちはかたづけたぜ、ジョージ、拳志郎ッ」 グッ

ジョージ 「さすが、マリオ兄ィ……ボクのほうも、済ませたよ」グッ

ジョージの足元に這いつくばる男 「Zzzzz……」


ジョージは、マリオに向かって親指を立てて見せた。
マリオには、ジョージの足元に寝転がる男の周囲に『蔓薔薇のような像』が、微かに見えていたのだ。

マリオ (ザ・ソーンの眠り……出し惜しみしなくなったな……フフフ、少しはジョージも、自分の『血の定めと能力を受け入れられるように』なってきたのか……)

拳志郎 「よぉ……こっちに来いよ、『尋問』を始めるゼ」


拳志郎の横でひざまづく男 「クッ……体が動かん……こ、このガシム様が……」

拳志郎 「よぉ……話せよ。『お前たちのリーダーは、誰だ?何処にいる?』」 ポン

ガシム 「誰が、話すか……」

拳志郎 「ああ、お前は話す必要はないね。だが、場所は教えてもらうぜ……」


ガシム 「!?ハッ、なっ……なんだ?う……うでが、勝手に……」 グググッ……

拳志郎 「いま、頭顳(ずしょう)っちュー秘孔をついたぜ。お前の腕は、お前の意思とは別に動き、俺が質問した奴がいる方向を指し示す……」

ガシム 「くっ……くそぉっ」 ピタッ


ジョージ 「……これは、不味いな」

拳志郎 「ああ、ヘタを撃ったぜ……」 ポリポリ……

その男、ガシムが指さしたのは、まさにトキシム達が目指していた、シッ・シィ――ネ教団の寺院であった。

マリオ 「!?突っ込むぞ、拳志郎、ジョージッ!!」 ダッ

………


一方、トキシムとクーラ、ショーコの三人は、シッ・シィ――ネ教団の寺院の中の、一番奥の部屋に案内されていた。
同行していたクーガとラーガは、寺院のロビーで足止めされている。
三人の回りは、血走った男達で溢れていた。


団員1 「まっ……マビィィ―――ゼェ、たっ、たまんねぇ……」

団員2 「うおっ、すげェイ――匂いだぁ………」

団員3 「アヘヘヘ……がっ、がまんできねェ――」 ガシッ! モミモミモミ……


クーラ (ぐっ……私の体をモンできやがった……💢ふざけんなよ……だが、今暴れたら警戒されちゃう……ここは、我慢するしかないわね……だが、コイツ………後で絶対殺すッ!💢 💢)

トキシム 「こりゃ馬鹿ガキ、うちのモンに何をするんじゃ……」 グィ

団員3 「あぁ?邪魔すんなッ クソじじぃッ!おりゃあ、今からこのネーちゃんと『楽しむ』んだからょ」 バッ!


トキシム 「ホッホッ……」 グニャリ ググッ グゥィ――ン

団員3 「うぉおっ……なんだこのじじぃ、まるでタコみてぇに手足がグニャグニャと伸びて……」

トキシム 「フォフォッ、この馬鹿ガキに、ちょっと『礼儀』を教えておこーかのうっ」 ギリギリ


ショーコ (へぇ、このおじーさん、中々やりますね……手足、身体中の関節や腱を、自在に収縮させるなんて……)

団員3 「ガッ……い、息が……」 ガクリ


団員3 の一人が、トキシムに絞め落とされた。残った二人の団員3が、憤ってトキシムにサッカーボールキックを見舞うッ!

団員1 「てめっ、このじじぃッ!」 バッ

トキシム “グニャッ”

団員2 「死んだぞ、てめぇッ」 ドガッ

トキシム “グニャリ”

トキシム 「フォフォッ!」

↑書き間違えました。書き直します。


団員の一人が、トキシムに絞め落とされた。残った二人の団員が、憤ってトキシムに駆け寄った。
サッカーボールキックを見舞うッ!

団員1 「てめっ、このじじぃッ!」 バッ

トキシム “グニャッ”

団員2 「死んだぞ、てめぇッ」 ドガッ

トキシム “グニャリ”

トキシム 「フォフォッ!」


襲撃者たちの蹴りを、トキシムは驚異的な軟体によってぐにゃりと避けた。
トキシムが、頬を膨らませたッ

ヴァンッ

団員1 、団員2 「うぉぉぉッ! あっちィッ!」 バタバタバタ

ショーコ (こんどは、火を吹きましたわ……ホントに、もうなんでもありなのネ……)


団員1 、団員2 「ひっ……こ、この化け物め……」

トキシム 「隙ありじゃ、喰らえッ!ダブルズームパンチッ!」 ドガッ

団員1 、団員2 「グアッ」 バタン

クーラ (さすがはラーマ・ヨガの達人ね……北斗・元斗・南斗相手ならいざ知らず、この程度の腕の奴らが相手なら、私たちの警護は必要ないわね……)


ラーマ・ヨガ
――――――――――――――――――――――――
一般にインドに伝わるヨガの神秘性は広く知られるところであるが、その中でも 別名「黒ヨガ」と呼ばれ、その奇跡に近い数々の秘奥義で恐れられるのが、このラーマ・ヨガである。
その特異性は 骨の骨細胞組成さえも変え、自由自在に変形させることを可能にすることにある。
そして 黒ヨガと別称されるように、驚異の殺人 格闘技として発達した。
ひとりで千人の兵にも匹敵する戦闘力のすさまじさゆえに、時の藩主達に弾圧され、継承者は絶えたと伝えられている
――――――――――――――――――――――――
民明書房刊「インド人も吃驚!ヨガの奇跡」より


トキシム 「いい加減にしろ、ウダ……トットト顔を出さんと、コイツら全員、ノシちまうぞ」 バァン

トキシムが見えを切ると、物陰から、なにか『キラキラする男』が、姿を現した。

この続きは、今日の夜にUpします。

ダルシム?

>>588
ガンジーみたいな人を出そうと思ったのですが、なぜか、ダルシム+トキになってしまいました。

これから、続きをUpします。

………

ウダ 「クックックックッ……何が『非暴力主義だ』笑わせるわ、トキシムのじじぃ……」 ザッ

トキシム 「きたか、ウダ………」

ウダ 「久しいな、トキシム。なんだ、お供を変えたのか?あのムサイ、バカデカ兄弟はクビにしたのか?……良いことだ。少しはじじぃも、『美』と言うものがわかってきたようだな」 ヴァァ―――ン!

ショーコ 「こ、コイツ………」 ゴクリ

┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨

クーラ 「ま、まさか……、あの悪辣なシッ・シィ――ネ団の長が、そんな」 チラッ

ショーコ 「何みてんのよ、クーラ💢……」


ウダ「ふっ、どうした女……わが美しさに、声も出ないか……」 ビシッ

コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ”

クーラ 「……」(ううっ……うっわぁ――。アイツ、なんか自信たっぷりに、変なポーズとってる……突っ込むのも嫌だ……しかも、あんなゴツゴツ、ムキムキの体のくせに、チークを入れて、口紅を引いてやがる……ウッゲェ――)


ウダ 「声も出ないか……まあ無理もないな、女。圧倒的な美を目の当たりにすれば、声もでなかろう」 ファサッ

トキシム 「相変わらずじゃの、ウダ」

ウダ 「で、エセ『非暴力主義』の男が、なんのようだ?」 ンン?

トキシム 「貴様と交渉にきた……確かに、我らはこれまでいがみ合ってきた。我らは相容れぬ……」

ウダ 「……続けろ」


トキシム 「だが、思想、価値観、行動は相容れないとは言えど、我らには共通の敵がいる……一時的に足並みをそろえることは、できよう」

ウダ 「なんだ貴様?何を言っている、さっぱりわからんな?何を考えている?」ハテ?

トキシム 「フム、少し長い話になるが………」


ペラペラペラ……

トキシム 「………※※※※………」

クーラ (なっ……長いッ!さすが老人……話が長すぎるッッ!!) ウゲェ――

ウダ 「フム、話は聞いた……だがヤハリ気にくわんな……『非暴力・不服従』……そんな、お花畑な考えが通るのか?」 ニヤニヤ


トキシム 「お花畑……悔しいが、世界の7つの海を支配する『世界最強の帝国』に、我らがインドが『戦って』勝てると思うほど、ワシゃあ、お花畑ではないのじゃ」 クッ

ウダ 「……確かに、奴らはちょっと強いな……だが、初めから負けを認め、奴らに降参してどうする?」 フン……

トキシム 「何を言っとる。ワシがやっとるのは、『非暴力・不服従』じゃ。暴力を否定してはいるが、奴らの言う事など聞かんワイ。それに、『非暴力』とは、やられっぱなしのことじゃあ無いぞ。降りかかる火の粉は、キッチリ振り払う……キサマもワシの力は、知っておろう?……」


ウダ 「ようは、我らに『盾』になれ……と言うことだな、貴様らがお花畑の中を行進している間に、イギリス兵を足止めしろと」

トキシム 「……我らはイギリス政府に、『自治権を求める』ための行進をする……貴様らは、同じ時期にインド兵の気を引き付けるようなことをしなければ、それでいい……」

ウダ 「クッ………ク、クックッッ…………ハッハッハッ」

クーラ 「……むぅ、ウダから、殺気が…」

ショーコ 「トキシムどの……ここは一端引いて………」“ジャッ”

ウダ 「ウッヒャッヒャツッ!」


バタンっ!!
何者かが飛び込んで来た音 “ドジャァァンン”

? 「ウォォォッ!」 ドガガガガッ

トキシム 「なんじゃと、マシンガンだとぉ?ウダ、計ったかッ!」

クーラ 「伏せてッ トキシムどのッ」 ガバッ

ショーコ 「ふっ、銀玉鉄砲が、それがどうした。鳳凰の構えッ!……鸞足ッ」 ザザザッ!


ショーコは、両腕を高く掲げた。上半身を伏せて、まるで空を舞う鳳凰のようなポーズを一瞬とってみせる。
そして次の瞬間、マシンガンを持った男の懐へ飛び込むッ!神速の踏み込みだッ!

ショーコ 「喰らえッ!鳳凰十字拳」 ザジュッ バリっ

? 「グアッ」

ショーコの手刀が、襲撃者の体を水平に斬るッ!
続く蹴りが、襲撃者の体を縦に切り裂くッ!

襲撃者は十文字に斬られ、地に伏した。


ウダ 「ほほぅ……その踏込み、十字の傷……キサマ、『南斗鳳凰拳』を使うか……面白いッ」 ザザッ!!

クーラ 「やるのかッ!!」 グッ

ウダ 「フッ……伝衝裂波ッ!」 ザシュッ

物陰に隠れていた敵 「ウギィッッ」 ブシャッ……バタン

クーラ 「なっ……」


ウダ 「こやつ等は、先程マシンガンを持った男が注意を引き付けている間に、侵入してきた男たちだ……たった今、俺が倒したがな……」


◆◆◆◆◆


扉が開く音 “バガッ”

ジョージ 「みんな、無事かッ?」 ダッ

拳志郎 「イヨッ……悪いな、何匹か見逃しちまった」

マリオ 「ハァ――、ハァァァ―――」 ゼーゼー


クーラ 「アンタ達ねぇ……ボディガード失格よ」

ジョージ 「……クーラ、すまなかった。でも、君たちのことだからなんの問題もないと思っていたよ。フォローしてくれて、ありがとう」

クーラ 「………ま、まぁね……」 モジ

マリオ 「で、彼は『味方?』、それとも『敵?』」 ジッ……キュルルルルッ……


ショーコ 「敵じゃあないと思うわ、そこに倒れている敵は、コイツが殺ったのよ……」

ウダ 「フッ……その小娘の言うとおりだ。少なくとも『今は敵ではない』」 クルッ

トキシム 「ほぉ……」

ウダ 「トキシムのじじぃ……忌々しいが、お前の計画に乗ってやる……決行は、いつだ?」

トキシム 「明日だ」

ウダ 「なっ、ずいぶん急だな……だがなんとかなるであろう……『決行の間』手下どもは、押さえておいてやろう」


トキシム 「フム、よろしく頼むぞ……では、ワシらはそろそろ引き上げるとするか……」

ジョージ 「……わかった」 ゾロゾロ……

ウダ 「フン、さっさと出ていけッ……」

…………

その夜:


ウダ 「……」 スチャッ

ウダが、自室でひざまづいていた。

その目の前には、ショーコが仁王立ちしていた。


ウダ 「我が将……慈母星殿……ご壮健で何よりです」

ショーコ 「妖星、南斗紅鶴拳のウダよ……久しいな……貴様の方は、どうだ?順調か?」

ウダ 「ハッ……ブジ、この地に組織を作り終えました。我が主張が、じわじわとこの国に、浸透しつつあります」

ショーコ 「そうか……よくやった。妖星よ……」

ウダ 「ハッ、恐縮ですッ」

ショーコ 「ところでウダよ……貴様、その腕、なまっていないだろうな?」

ウダ 「はっ……確かめられますか?慈母星どの……」

ショーコ ――>ショウゴ 「フッ、いつでもかかってくるがよいわ……」

ウダ 「……いえ、戯れ言が過ぎました……お許しを……」 べコリ


ショウゴ 「ダメだ……かかってこい」 ゲシッ

ひざまづくウダに、ショウゴの蹴りが飛ぶッ

ウダ 「ハッ……」 バシュッ

ウダは、ショウゴの蹴りをまともに受け、せき込み、悶えながらも手刀を放つッ

ザジュッ!!!


ウダの放った手刀が衝撃波をうみ、ショウゴをおそうッ!

ガギィィッ!

ショウゴは、その衝撃波を片手で受け、握りつぶした。

ショウゴ 「ほぉ……なかなか……」


ウダ 「ショウゴ様……わが拳が生み出す衝撃波を、片手で握りつぶされるとは……さらに腕をあげられましたな」 ペコリ

ショウゴ 「フッ、貴様の拳こそ、さらに速くなってきたな」

ウダ 「はっ、恐縮です」

ショウゴ 「ワレはしばらく、奴らと行動を共にする……妖星ウダよ、キサマは他の『4星』と、『5車』を集めろ……」

コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ”

本日はここまでです。

今、ほかでやっている二次創作が終盤に差し掛かっているため、そちらに集中しているので、更新が滞っています。
おそらく来週末には、何か書けると思うのですが……

…………

ショウゴが帰ってから5時間後

ウダは一人、シッシーネ教団の寺院の中で物思いにふけっていた。

ウダ (思えば、俺が『秘拳』東斗仙道と、西斗月剣の探索に出たのも、慈母星と出会ったのが原因か……)

ウダ 「青鸞……最も美しい鳳凰をそう呼ぶ……ふっ……あのあどけなかったガキが、あそこまでの腕前に育つとはな……それに、あの『美しさ』……少し口惜しいが、奴こそ『我が主』にふさわしい」

ウダ (今の慈母星は、天才だ……『南斗は青鸞を源流とし、108に別れ、鳳凰に導かれて強大になり……そして青鸞に帰る……』まさか、口伝を実現することができる才能の持ち主が、現れるとはな……今少し、今少しの時が慈母星に与えられれば、我が南斗聖拳の悲願、北斗神拳を倒せる器にまで、成長できる…………)

ウダ (だが、少し心配だな……いくら天才とはいえ、奴はまだ子供だ。一緒に旅をしている間に、北斗のヤツに情が移ったようなふしも見られたしな……マサカとは思うが、南斗の悲願を忘れていなければ良いが……)

ウダ (ふぅ……やはり癪に障るが、トキシムのジジィのいう事を聞いてやるとするか……慈母星の顔を立ててやらねばな……すでに、使者は放った。あとは俺自身が動けばいいだけか………) スチャッ 

ウダ 「みな、集まれぃッ!」

スチャッ

シッシーネ団員 「ウダ様、突然 我らを招集したのは、どんな理由で?」 タタタッ

ウダ 「うむ……お前たちを呼んだのは、突然だが……」

その時………

壁が崩れた音 “ゴォォシャッ!!!”

ウダ/シッシーネ団員 「ゴホ……ゴホ……なんだ、一体? 壁が崩れただとぉ?」

突然寺院の壁が、崩れた。埃が舞い上がり、ウダとシッシーネ団員たちの視界を奪った。
そして埃が収まってきたとき、そこには『ホッケーマスク』をかぶった大男が、立っていた。

ホッケーマスクをかぶった男 「うひゃひゃひゃッ……」

シッシーネ団員 「なんだ、キサマ……ここが泣く子も黙るシッシーネ教団の寺院だと知って、襲い掛かってきたのかッ」 バッ

ホッケーマスクをかぶった男 「あぁ、そうだよッ!」 ガボッ! ボゴッ!

シッシーネ団員 「ウグッ……」 バタッ

ホッケーマスクをかぶった男 「なんだキサマの兵は、ちゃんと鍛えてるのかぁ?……弱すぎるぞ、オイッ」

ウダ 「ぬっ、なんだキサマはッ!」 バシュッ

ザジュッッ

ホッケーマスクをかぶった男 「ほっほぉぉう……雑魚どもの長など、未熟者かと思ったが、中々どうして早い拳を持っているじゃあね――か……この俺様の右腕を、吹っ飛ばすとはよぉ」

ホッケーマスクをかぶった男の腕が取れた音 べチュッ

ウダ 「なんだコイツ?軽く放った伝衝裂波で、腕が吹き飛ぶだとぉ?」

ホッケーマスクをかぶった男 「ククククク……ハハハハッ」

コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ”

ウダ 「何故だ?なぜ腕が吹き飛んだのに、血が出ないのだ?……そっ、それに……なんだ、この『肉が腐ったような』匂いは?」

ホッケーマスクをかぶった男 「フフフフ……知りたいか?ならば教えてやろうっ、この『ジャブ』様が、よぉ…………」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ジャブ 「いでよ、ブロブッ!」

ジャブと名乗った男がそういうと、不意にウダの手足が、動かなくなった。

ジャブ 「へっへっへっ……南斗紅鶴拳のウダとかいったなぁ……キサマの肉体、そしてキサマの組織を、いただくぜ。俺の血肉としてやるぜェ……」 ガシッ

ウダ 「ウッ……アァ――――――――ッッ!」

…………

翌朝:トキシム亭

ジョージ 「フぁぁゥ―――………さて、そろそろ起きるか。朝飯は何かな?」 ノビィ――

ドアを開ける音 “バタン”
階段を下りる音 “ドンドンドン……”

ジョージ 「おはよう、みんなッ」 ニカッ

マリオ 「ジョージィ……寝坊だぞッ!クーラも、ショーコも、もうとっくに起きて準備万端だぞ」 パシッ

クーラ 「まったく……今日は大事な仕事の日よ。気合入っているの?……ところで、拳志郎は?」

ジョージ 「ああ……拳志郎なら、まだ寝ていたよ」

クーラ 「早く起こさんかッ!アンタも、拳志郎も、『後5分でしたくしなさいっ』」 パシッ

ジョージ 「わかったよ」 ボリボリ……

◆◆

拳志郎の部屋:

ジョージ 「……まったく、仕方がないなぁ……ほら、拳志郎、起きろよ」 パタパタ

拳志郎 「……ああ、もうくえねぇ………」Zzzz……

ジョージ 「やれやれ……ほら、起きろよッ!拳志郎」 ゲシゥ

拳志郎 「ぬおっ!」バッッ

拳志郎 「ジョージィッ!テメェ何しやがるッ、ふつう、寝ている奴に『手加減抜き』で蹴りを入れるかぁ?普通よぉッ」 ゲシッ

ジョージ 「……拳志郎、もう起きろ。行くぞ。『仕事』だ……クーラが起きるのが遅いって、怒っていたぞ」

拳志郎 「…………はぁ……仕方がないねェ……」ボリボリボリ

…………

クーラ 「拳志郎ッ!遅いぞっ」

マリオ 「時間が無い、さっさと行こう」

ラーガ・クーガ 「お前たち、遅いぞッ……もう、トキシム様は準備万端だぞ」

拳志郎 「悪い悪い、ちょっと野暮用があってな」 ペシッ

ショーコ 「何言ってるのよ、おおかた、枕に涎を垂らすのが忙しかったッて事でしょ」

トキシム 「おお、拳法家の皆さん、今日は頼みましたぞ………ちょうど良かった。今、朝食をとっているところでの……何か、食ってくかね?」

ジョージ 「いや……いいのかい?」 スタッ

拳志郎 「おお、気前がいいな」 スタッ

マリオ 「……こら、ちょっとズーズーしくないか」 スタッ

クーラ 「まったく……あ、私はミルクを下さい」 タシッ

ショーコ 「ミルクッ?お子ちゃまなの?……私は、そこのバナナでいいわ」モグモグ



ラーガ・クーガ 「…………」


………モグモグ、パクパク………
………ガヤガヤ………

クーラ 「ちょっと拳志郎、それ、私が目をつけていたヤツよ。勝手に食べないでよ」

拳志郎 「あぁ?ケチくせーこと、言うなよ。……それに、こりゃー『ボランティア』だぜぇ?こんなカロリーたっぷりなもん食って、お前のデッケーケツがこれ以上でかくなったら、大変だろう?だから俺が、代わりに食ってやっているんだよ」 パクッ

クーラ 「あら、親切にありがと………って、そんなわけネーだろッ!『ぶっ殺すゾ』」

拳志郎 「ブヒャャ……殺ってみろよ」

クーラ 「ウヌゥ――」 プルプルプル……

マリオ 「拳志郎、クーラ、いい加減にしないか」 パクっ

拳志郎/クーラ 「……あ”ぁァ”―――ッ!」

マリオ 「君たちのいさかいの種を無くしてあげたんだよ。これこそ、ボランティアさ……」

拳志郎/クーラ 「ぬあんだとぉ――」 ゲシッ

マリオ 「ハッハッハッ、気にするなよ」 モグモグ ゴクッ

拳志郎/クーラ 「うるさぃッ! いいか、お前がわがまま言うんじゃあないっ!」

ジョージ 「マリオ兄ィ、拳、クーラ……まったく」 ポリポリ

ショーコ 「まったくよ、三人ともいい加減にしなよ」 パクパク

拳志郎 「ちょっとまて、お前一人で食ってんじゃあねェ――」

ショーコ 「あら、気に障った?」 モグモグ……

クーラ 「いいわけないでしょ。だいたい、アンタはねぇ……」

ワイワイ……
ガヤガヤ……

拳法家たちは、あっという間にテーブルに積まれた食料を平らげていく。

トキシム 「ウワッハッ……楽しいのぉ」

ラーガ・クーガ 「くっ、貴様ら…………」 ワナワナ

トキシム 「まぁ、そう猛りたつな。ラーガ・クーガよ。……今日は非暴力の行進じゃぞ。まるで戦にいくように気を昂らせてどうする」

ラーガ・クーガ 「はっ、しかし……」

トキシム 「せっかく拳法家どのが、気を鎮めておられるのだ、お前も見習え」

ラーガ・クーガ 「………」

拳志郎 「イヤ、アンタ達が昂るのは、当然だ……安心しろよ、俺達も仕事はキッチリ果たすぜ」

ラーガ・クーガ 「なんだ、とぉ?」

拳志郎 「なんだ、気づいてないのかよ」

ラーガ・クーガ 「??」

マリオ 「……やれやれ」 バシュッ

鉄球が飛ぶ音 “グイッンンッ”

?? 「ウォッッ!」 ドサッ

鉄球が食卓の近くの大木の枝に飛ぶ。

すると、二人の男が枝から落ちてきた。
二人とも頭を打ち、気を失っている。
……軍人だ。

ラーガ・クーガ 「な、何だとぉ……」

ジョージ 「……イギリス陸軍の雇った傭兵だな……僕らがここに来る前から、ずっとこの場所を見張っていたよ」

拳志郎 「もう少し泳がせておこうかと思ったが、コイツが急に殺気を出しやがったからな……」

ラーガ・クーガ 「……むぅ……」

ショーコ 「気を失っているわ……意識を取り戻させて、ゴーモンするぅ?」 ワクワク

クーラ 「バカねえ、そんな必要ないわよ。だって、どこから来たか なんてわかっているでしょ――がぁ……英国軍に、介入の変な言い訳を作らせないためにも、このまま逃がすに決まってるでしょ」

ショーコ 「……あら、それじゃあ面白くないわよ。せめて、身ぐるみはいで、ニチョーメにでも転がしておこうよ」

クーラ 「……勝手にしなさい」

トキシム 「さすがは『拳法家』どの、と言ったところだの……ところで、ジョージ殿、拳志郎どの、お二人に頼みがあるんじゃ」

拳志郎 「おうっ」

トキシム 「今回の仕事じゃが、ワシよりも、この行進に参加する民の安全を、優先してくれまいか」

ジョージ 「……わかった」

拳志郎 「じーさん……悪いが、そんなの当たり前だ」

拳志郎 「じゃあ、マリオ、ジョージ、さっさと行こうぜ。今日は忙しいんだ」 ザッ

マリオ 「一番グスグズしていたのは、君だよ……まぁ、いいか。行こう」 ザッ

ジョージ 「ああ、そうだな」 クルッ

トキシム 「お待ちなさい、ジョージどの」

ジョージ 「なんだい?」

トキシム 「……我らが相手をしているのは、貴方の母国じゃ」

ジョージ 「ああ、知ってるよ」

トキシム 「ここで抜けたほうが、良いのではないか……ここで抜けても、誰もお前を責めはせぬ」

ジョージ 「………」

コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ”

ジョージ 「……ひとつ言っておく。僕は『自由』だ。僕は、僕の『やりたいこと』を自由にやるのさ」 プイッ

本日はここまでです。

…………

デリーのとある市街地:

パォ―――ン
パクパクパクパク
ワイワイ……
ガヤガヤ………

ジョージ 「スゴイ人だかりだな……まだ始まってもいないのに、こんなにも集まっているとはね」 キョロキョロ

マリオ 「……さっきみたいに、どこかに襲撃者が隠れているかもしれない。周囲の探索を始めようか」

拳志郎 「そうだな……じゃあ俺は、あの向こうッかわにあるデカイ建物からあっちの木までを調べるぜ」 スタスタスタ

ジョージ 「じゃあ、僕はその向かって右側を調べよう」ダッ

マリオ 「俺はその反対だね。デカイ建物から、今立っているここまでを、カバーしよう」 ギャルッ

ジョージ 「よし、マリオ兄ィ……やろう」 ダダッ

ガガッ
拳志郎 (………よし、思った通りだぜ。この建物の上からなら、どこだって探れるな) ジッ

ザジュ
マリオ (……みんなは、どこだ? ああ……ちゃんと配置ついたようだね。俺も……) キュルキュル

ダダッ
ジョージ (……注意を払え、人混みのなかに、本物の『殺気』をまとったヤツがいないか……建物の影に、隠れている軍人がいないか………) ギョロ

ダッ

ジョージ (……奴らは、かならず人混みの中に紛れているハズだ……ムッ!)

ジョージが目にしたのは、一見どこにでもいる貧相な物乞いの男だった。
だが、その男のズボンの裾から、男が足首に縛り付けていた拳銃が、見えている。

ジョージ (させるかッ!) ダダッ

物乞い風の男 「?!」 ガクッ Zzzzz……

ジョージ (やはり軍属か……殺しはしない。だが、まる一日は眠っていてもらおうか……このボクの、ザ・ソーンでね) サクッ

ジョージ (よし、次は何処だ?まだいるはずだ……)キョロキョロ

ジョージ (そこかッ)ダダッ サクッ

女装をしていた兵士 「?!」 ガクッ Zzzzz……

ジョージ (なんだぁコイツは、なんで女装なんてしているんだ?趣味か?) サクッ

ジョージ (さて、次は…………ムッ!マズイッッ) ダダダッ!

ジョージは、全力で走った。
そこには……その街角には、まさに民衆に向かって銃を取り出そうとしている、英国陸軍の一部隊が、控えていたのだッ。

自分たちに銃口を向ける英国兵に気付いた途端、民衆が暴走し始めた。
われ先へと、必死に逃げようとする。

「うっ、うォ―――ッ。逃げろッ」
「きゃぁああ――」
「どだ、どけぇッ」
「ちょっ、押さないでッ」ここには子供がぁッ!」
「じゃッ、邪魔だぁッ!そこを、どけぇ」
「はっ、早く逃げないと……」

整然と立ち並び、人込みに向かって銃を構える英国兵達に気がついた民衆は、一瞬にして、パニックとなった。
狭い空間にいた民衆が、押し合い、へし合い、少しでも遠くに離れようと、必死に逃げ始める。

ジョージは、走る。
ジョージ 「くっ、間に合わないか……イヤ、大丈夫か……」

ジョージが到着する一足先に、英国兵の前に二人がたどりついていたのだ。
拳志郎 「この、ばかどもがっ」 トゴォンッ!
マリオ 「お前たちは、自分のしていることが、わかっているのかッ!」 ギャルルッ

まるで赤子をひねるかのように英国兵を翻弄する拳志郎とマリオ、その様子を見て、ジョージはホッと足を止めた。
ジョージ (……よし、兵士のほうは、マリオ兄ィと、拳志郎が何とかしてくれそうだ。でも、コイツは……みんなのこの動きは、まっ、まずいッ……このままだと、誰かが転んだり、足を止めたら……人ごみに圧殺されるひとが出てくるぞ……僕は、こっちを何とかしないとッ)


「うわぁぁ―――ン」
「おっ、おっ、お”か”ぁちゃん”、どごっ?」
「ドケドケドケドケドケッ!」
「逃げるんだょォーーッ!」

ジョージ 「やめろッ!落ち着くんだァ!!」

ジョージ (だっ、だめか……みんな興奮していて、僕の声なんか聞こえない……どっ、どうする?一人一人止めていたら、間に合わない……)

ジョージ (僕のザ・ソーンは塔くまで行けるが、遅い……人が逃げる速度より、何倍もだ。)

ジョージ (………) ジッ……

ジョージ (やるしかないっ!今まで一度も成功してないが、もしかして、今なら) クォオオオオオ――――ッ

ジョージ (こうなれば、一か八かだ……『波紋』で、ザ・ソーンを成長させるッ!うまくいってくれよ……) コォォオオオオオォォオッ


ジョージ 「ゴラァッ」 ボゴォツッ

ジョージが奇妙な呼吸をしながら、拳を振り上げる。
そして、全体重を乗せた撃ち下しの拳を、地面にたたきつけるッ!

ジョージ 「一か八かだッ 波紋ッ & ザッ ソーンッッ!」 コォオオォォオオ―――……

ドガッ

キリキリキリっ
ビキッ……ビキビキビキッ!


「うわっ!ビッて来たッ」 グゥ……
「なんだァ……こんな時に、急に眠気が……」 Zzzz……
「!?ッッ」 グゥ……

ジョージ 「ハァ――、ハァ――……やったぞ」 ガクッ

ジョージが振り下ろした拳から、銀色の棘の生えた蔦が、伸びていた。

ジョージのスタンド:ザ・ソーンの蔦だ。

その蔦から、山吹色の光がまるで稲光のように、光る。その蔦には、確かに『波紋』が込められている。
ノロノロと伸びていたスタンドの蔦が、波紋を受け、その動きを一気に速めた。

バジュッ

われ先へと逃げる群衆が、その蔦に触れると、人々は急に眼がトロンとなって、やがて床にしゃがりこみ、最後には皆、眠りについていった。

短いですが、今日はここまでです。

これから、続きを始めます。

…………


トキシム亭 外庭:

小さな子供 「おーい、トキジィッ!あっそぼうぜぇ~~~」 ワチャワチャッ

トキシム 「おおぉ~~~今日はなにをして遊ぶかの……」

ラーガ 「トキシム様ッ!」

トキシム 「……おっとっと、そんなに大声を出すなぃ……わかっとるよ、口うるさいのぅ……」

クーガ “ジロ……”

トキシム 「やれやれじゃ……すまんのォダキ、今日はチト用事があってな……」 ポム

ダキ「え――、ケチくせーなぁ、ちょっとくらい、いいじゃんか」 ブゥ……

トキシム 「すまんのォ……」 ナデナデ

ダキ「じゃあ、そのご用がおわったら、遊んでよッ」

トキシム 「もちろんじゃ。楽しみにしちょるよ」

ダキ「じゃぁねぇ―――」 タタタッ
ダキと呼ばれた、近所に住む少年が、トキシムとの微笑ましい会話を終え、駆けていった。

だがそのとき、不意に、物陰から大男が現れた。
男は、ダキの前に立ちふさがった。

クーラ 「クッ……しまった……」 グッ

クーラが動こうとする直前、男はダキを抱え上げた。
男は、目で、『じっとしていろ』とクーラとショーコを威嚇する。

ヒョイ

ダキ「なんだよ、オッチャン……」 バタバタ

?? 「……オイガキ、オメェに聞く……オメェ、『兄貴』がいるか?」

ダキ「オゥッ! ウチのニーチャン、スッゲーンダぞ!……早くオレを話さないと、ニーチャンにやられるぞ、お前ッ」

?? 「……へぇェ――」 ポトリ

?? 「さっさと行きなよガキ……兄貴の言うことは、よぉくきくんだぜぇ~~」 ナデナデ

ダキ「……おっ、オウ……」

?? 「ウヘヘヘヘ……」

クーラ 「アンタ……ダキ君だったね……ゆっくりこっちに戻ってきなッ……死にたくなければね……そう、いい子ね……こっちに来たら、もっと後ろに下がりなさい」

ダキ 「……うん、わかったよ」 トタタタ

トキシム 「おおぉ、良く戻ってきたな……じいと後ろに下がってような……」 ギュッ

クーガ 「トキシム様……あなたも我らの陰に……」

?? 「おおぉぉ、ひっさしぶりだなぁ?オイッ?」

ショーコ 「アナタ生きていたのね……フフフフ……仕方ないわね。特別サービスで、もう一度、地獄を見せてあげるわ♡」

?? 「クックッ……拳法家どもめぇ……言ってろや……でかい口叩くがよぉ、お前ら、この銃の威力に、叶うのかよぉ」 チャッ

ラーガ・クーガ 「なんだ?我らに銃を向けるとは……この、卑怯者め……」 ワナワナ

ショーコ 「トキシムどの……ラーガ・クーガ………ここは、私たちに任せて、身を守ることだけを考えていてね」

ラーガ 「くっ、おなごの影に隠れて、たまるか……」 ダッ!

クーラ 「ラーガ、ムチャよッ引きなさいッ」

ラーガ 「うぉおっ、女が、俺に命令するなッ!喰らえッ」 ブンッ

??「ハッ、死ねやぁッ! ブロブッ!」 ベチャッ!

ラーガ 「くっ……動けんッ」

?? 「そうだろうっ……この俺、ジャブ様の能力で、お前を固定したぜぇ……ウへへへへ……次はお前たち二人だぜェ~~~」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ショーコ 「馬鹿な……キサマは、拳志郎にやられたはず」

クーラ 「まさか、地獄からよみがえったとでも言うの?」

ジャブ 「クククク……違ぃねぇ……おりゃあ、『あのお方』のお力で、よみがえったのよッ……しかも、新たな『力』をいただいてなッ!カァッ!」 ゲブッ!

ジャブが拳を隣に立つ大木にぶつけた。
すると、大木が轟音を立ててへし折れた。同時に、ジャブの拳も砕ける。自らの力で、自らの手をベキベキとへし折りながらも、大木をへし折ったのだ。

クーラ 「何……コイツ……ええ……『大木をへし折る』なんて、全然大したことじゃあない……誰でもできる……でも、大したことじゃあないけど、コイツ……異常よ……自分の腕をベキベキに折りながら、平気な顔をしている……」

ショーコ 「……それに、何かしら?何処からか、『肉が腐った』ような、気持ちの悪い匂いがするわ……」

ザシュッ!

突然、遠巻きにあたりに注意を払っていたラーガの足が、不意に切断された。

ラーガ 「うぁあああああ!」

クーガ 「兄者ッ!」

セン「ハッ……うるさいな、せっかく『動ける』ようにしてやったんだから、感謝しろよ……お前」

ショーコ ⇒ ショウゴ 「馬鹿な……キサマもか……」

現れたのは、南斗紅雀拳の使い手、センであった。

セン 「ハッ……ショウゴさまぁっ……南斗正当血統の天才児様よォ……あの時は、良くもやってくれたなぁ? オォォッ?」

ショウゴ 「キサマのような屑星が、誰にモノを言っている?」

セン 「俺は、『生まれ変わった』んだよ、あの方のお力でなぁ……」 バシュッ

短くて済みませんが、今日はここまでです

……

ショウゴ 「フン……こんなものか?ムッ?」

セン 「うぉおおおおおおおおおおおおっ!」 バシュバシュバシュバシュバシュバシュッ!

センが左右に飛びつつ、ショウゴに無数の攻撃をしかけるッ!

そして、ジャブとセンに続き、もう一人……『ひげ面の巨大な男』が現れた。

クーラ 「なんてこと……お前も、『生きていた』のか……」
ショウゴ 「チッ……」

ウィプル 「……南斗蒼鸞拳伝承者、ショウゴどの……元斗皇拳伝承者、クーラどの。『あのお方』の命により、貴様らを処刑する………だが、まずは…… 」

ウィプルは、スタンド:マスター・オブ・パペッツを出現させた。

ウィプル 「まずは、トキシム……死ぬのはキサマからだ」 ビシッ

マスター・オブ・パペッツ 『ティュワッ』 ヴァシュ
グイッ

トキシム邸 “グラリ”

ダキ 「えっ?」

マスター・オブ・パペッツの鞭がトキシムの住む石造りの豪邸に巻きつき、引っ張り、傾け……そして倒壊させたッ!

何が起こったのか理解できず、ただ呆然としているダキの頭上に、ゆっくりと石造りの豪邸が降りかかってくるッ!

トキシム 「ウォォォオオ―――、危ないッ!」 ダッ、ガバッ

ダキ 「えっ?……トキシムのオッチャン……何?」

トキシムが飛び込み、タキ少年の上に、覆いかぶさった。
その上に、巨大な石造りの建物が、崩れかかる……


クーラ・ショウゴ 「くっ!」 ダッ

ジャブ 「させるかよ」 ドガッ!
セン 「お前達の相手は、俺たちだぜ……」 ザジュッ

ショウゴ 「くっ、貴様ら」 ドガッ

セン 「ハハハハッ!遅いッ!そして軽いぜッ 南斗正当血統さまよぉ……」

クーラ (まずいわ……このままじゃ、あの子を助けに行けないわ……) グッ

ショウゴとクーラは、足止めされている。

その隙に、ウィプルは、崩れかかるトキシム邸をさらに引っ張るッ!

ウィプル 「ふはははは……死ねやッ!小汚ない、血袋どもがっ!」

マスターオブパペット “グイッ”

トキシム邸 “ドガッ!ガラガラゴラ………”

ダキ 「うっ、うわぁぁ―――ッ!」

トキシム 「大丈夫……ジィが守ってやるぞ……」 ギュッ

ドゴッ

トキシム (くっ、コイツはキツイワイ……だが、たとえわしの命にかけても、この子だけは、ダキだけは守る……守れるぞ)

おびえるタキをかばうトキシムの背に、ガレキが降り注ぐっ

トキシム 「大丈夫……大丈夫じゃ、心配ないぞ……」 ポム

ダキ 「うっ、うわぁぁ―――」

クーガ・ラーガ 「とっ……トキシム様ッ」 ダッ

見かねた兄弟が、崩れ行く建物の下に飛び込むッ!

トキシム・ダキ 「…………!?ッ」

ラーガ・クーガ 「トキシム様、ご無事で……」 ガシッ

ラーガとクーガの二人が、建物を支えるッ

トキシム 「……自分の身を犠牲にするなど……この、馬鹿ものが……ワシのことなど、なぜ放っておかなかった……」

ラーガ・クーガ 「ハハハ……貴方はこの国を立て直すのに無くてはならない
おかた……」 ガクガグ

ウィプル 「ククク……見上げた忠義じゃのう……じやが、無駄じゃ」

ウィプルが嘲笑い、大きく後方に手をふった。
すると、ウィプルの巨体の背後から5名の兵士が現れ、銃を連射するッ!

銃声 “ガガガッ!”

ラーガ・クーガ 「!?ゴブッ」

トキシム 「ラーガッ! クーガッ!」
ダキ 「お兄ちゃんたちっ!」

ラーガ・クーガ 「だっ……大丈夫。ちゃんと支えていますよ……ゴブッ」

ウイプル 「ウワッハハハハ……なかなかがんばるじゃあないかッ!だが、これでおしまいよ……止めだ……やれっ、キサマらぁッ」 

兵士 「イェスッ、サァ―――ッッ!!」 ガガガガッ!!

ラーガ・クーガ 「!?ッ………ウッ……」 ガクッ

ショウゴ 「キサマラァッッ!」

セン 「おぉぉぅっとォォ、ヤラセネ―――ゾッ、お前の相手は、俺だからよぉ……ヨロシクッ」 チャッ

ショウゴ 「チッ……さっさとかかってこい、すぐに片づけてやる」(チッ……意外と手をかけさせよる……)



クーラ 「……こっちも、意外にジャブの奴の動きが早いわ……仕留めきれないッ」

ラーガ・クーガ 「……………」 ブル……ブル……

ウィプル 「ほう……脳天ぶち明けたのに、まだ立っているのか?まだ、そのガレキを支えられんのかぁ? スッゲェ―――! スッゲェッッ! 忠義って奴かぁ?」 ウヒャヒャヒャッ……

ウィプル 「まあいい、野郎ども、もう一度だッ」

兵士 「イェスッ、サァ―――ッッ!!」 チャッ

ウィプル 「撃てぃッ!!」 バッ

ドガンッ!

ラーガ・クーガの額 “ブシュッ” 

ポタポタポタ……

トキシム 「ラーガッ、クーガッ!もういいいッ、後はワシが体を張ってこの子を守るッ!お前たちは……もう、いい……」
ダキ「うっ、ウエェェ――――ンッ」

ラーガ・クーガ 「……」  “ブンブン……”

ジャブ 「おいウィプル……なぁにやってんだよッ!さっさと殺ッチめ――よ、この馬鹿野郎がッ」

ウィプル 「フン……わかってオルワ……キサマら、止めの銃撃だ……あのジジイと、ガキにもタップリ喰らわせてやれ……」

英国兵 「イィェッサァ―――――ッッ」 ジャキッ

クーラ 「……チクショウ……やられたわ……これじゃあ、護衛の役が……」

ショウゴ 「馬鹿な……こんな雑魚どもに……」


ギャルルルルルルッッ

ドガゴガボゴォッ!

兵士たち 「ガッッっ」 バタン


トキシム 「ハッ……これは……」
ダキ 「えっ?………僕たち、助かったの?」

ウィプル 「ああぁん?……なんじゃぁ、キサマは」

マリオ 「みんな、無事かッ?」 タタタッ

ショウゴ 「フン……マリオ、か」 ホッ……

マリオ 「このデカブツは俺が殺る……君たちは目の前の敵を頼む……」

ウィプル 「フッ……生意気な……貴様は、何が起こっているか、気づく間もなく死ねぃッ」 ブッ

ウィプル 「出ろッ!マスターオブパペッツッ!!」 ブゥッ!

マリオ 「ハッ……これは、殺気ッ?来るのかッ」 バッ

バゴっ

ウィプル 「ほうぅ?良くよけたな……もしや貴様も、『スタンド使い』か?」

マリオ 「『スタンド?』……」 (やはり、コイツもジョージと同じ不思議な力を持っているのか……)

ウィプル 「いや、違うな……クククク、貴様 やはり見えていないな……死ねッ!」 ザジュッ

マリオ 「甘いッ」 クルッ

ウィプルのマスターオブパペッツが放った『スタンドの鞭』……
その一撃を、マリオは踊りを踊っているかのように回転して、華麗にかわした。

ウィプル 「んんっ?かわしただとぉ……もう一度だ、喰らえぃッ!」 バシュッ

ウィプルのスタンド:マスターオブパペッツが、再び鞭を振るうッ
しかも、今度は両手の鞭を、同時に繰り出した。
その鞭は、マスターオブパペッツの手元で数十本に分裂した。

マリオの左右、上下、そして正面から、数十本のスタンドの鞭が襲うッ

マリオ 「ウォオオオッッ!」 クルクルッ

マリオは、身をかがめ、まるでマリのように体を回転させ、スタンドの鞭の攻撃をすりぬけた。

マリオ 「クッ、少し、かすったか?……だが、かすり傷だッ……そして、懐に入ったぞッ」 バシュッ!

ウィプルのふところに入り込んだマリオは、足首を、膝を、腰を、そして肩を、肘を、手首を『回転』させ、強烈な一撃を放つッ!

ウィプル 「ぐぉおおおおっ!!」 ゴボッ

ウィプルが、ぶっ飛ぶ。

だが同時に、マリオもぶっ飛んでいく。
ぶっ飛んだマリオは、突然空中で不自然に止まり、地面に叩きつけられた。

マスターオブパペット 『グキィ』 バビュッ

マリオの体が、夜店でかった水風船のヨーヨーのように、何度も地面に叩きつけられるッ

ウィプル 「や、やりおったな……うすぎたねー血の入ったゴミ袋にも劣る、下淺な人間ごときが……だが、所詮は我がスタンドを見ることもできん未熟者よ……」

マリオ (くっ、油断した……この、ぼんやりと見えているこの闘気が、スタンド………)

マリオ (だ、だめだ……体が動かせないぞ)

ウィプル 「ぶひゃひゃひゃ……『ドアの隙間に挟まれたヤモリのようにッ』『戦車にひかれた子猫のようにッ』ペッシャンコになってしまえっ!!」


マリオ 「だが、問題なしだ」

ギャルルッ
ボガッッ!

突然、ウィプルの脇腹がの一部が、『回転』していくッ!
その『回転』が、まるでキリで穴をあけたように、ウィプルの体をえぐっていくッ!

ウィプル 「なっ……なんだとぉ……Agyiiiiiiiiiiiッ」

マリオ 「気がついてなかったのか?マヌケめ……この……『回転』させたシャボン玉に……」 ユラリ……

マリオ 「俺のは、邪道でね……5つの回転を操る……まず一つ目……『見えない回転』の味はどうだい?」

ウィプル 「Ugaaaaagaaaa……」 ヨロ……

マリオ 「そして次に使うのが、『弾きあう回転』ッ」 ギャルルルルルッ!

マリオは、左手にもった弾丸サイズの小さな玉を投げつけた。

バチッッ
バチッ
ババチッ

マリオが投げた弾丸は、ウィプルの周囲で互いにはじきあうッ!
弾丸は、ウィプルをかすめ、打ち抜き、そしてまた弾かれ、再び襲いつづけるッ

ウィプル 「ウッゲェええええ……」

無数の小さな弾丸の回転に、連続して打ち抜かれ続け、ついにウィプルの肌が破れた。
すると、その傷口から、腐りかけた沼地の泥のそのもののような、気味の悪いネトネトした泥が、溢れ出す……

ウィプル 「ああぁ……」 バタッ

マリオ (うっ……ひどい臭いだ……なんだ?これは)


マリオ (まるで、人の皮の中に、泥が詰まっていたような……)

マリオ (つまり……この『ウィプル』と言う男は、『すでに死んでいた』と言うわけか?)

マリオ (だが、今は日の当たる朝だ……これは……伝え聞くゾンビとも違う………一体なんだ?)

今日は、ここまでです。

これから、続きを始めます。


同時刻:ショウゴ VS セン

セン「ぶひゃひゃひゃッ!くらえっ真南斗紅雀拳ッ」 ダッ

センは、地面を砕くほどの強烈な踏み込みから、猛烈な速度でショウゴに襲いかかった。
その速度は、まるで野鳥が舞うかの如しッ!

セン 「殺(と)ったぁッ!」 ババッ

ショウゴ 「何ぃッ……分身した?」

センx 3 「三方からの連撃ッ!かわせまいッ」

ババッ
ババッ
ズバババッ

ブシュゥッ……

ショウゴ 「………フン」

セン 「ば、ばかなあぁ……」 ガタッ

セン 「ははははっ……どうしてだ?」 ブルブルブル……

セン 「何でぇ……なんで俺の『手』が、砕けてんだよぉぉ―――」

ショウゴ 「……その程度の、早いだけの手打ちの拳が、俺を貫けるものか」

セン 「へへへへ……」

ショウゴ 「未熟者が……あの世で基礎からやり直せ……」 ドガァァッ

ショウゴが、『鉄拳』を打ち込む!
バゴォッ

ショウゴの『鉄拳』が、センの胴体に風穴を開けるッ!

……だが、センは胴体を貫通するほどの重傷を負っても、なお平気な顔で立っていた。

セン 「……へへへへ………土手っ腹に穴が開いても、なんともねーぜ」ヨロ……


セン 「だがよぉ……アンタも、けっこぉ――強かったぜぇ……惜しかったなぁ……アンタなら、もう少しで『北斗』のクソ野郎どもにも、手がととどいたかもなぁ」 クイッ

ショウゴ 「貴様……」 ゲシ

激高したショウゴが、片手でセンの首を掴みあげる!

セン 「ゲッ……ゲホッ……だがなぁ、もう俺たちは『待てねーんだ』よ……わかるか?俺たちは、アンタの成長を待つのは、止めたのさ」

ショウゴ 「?キサマ、いったい何を言っている?」

セン 「うぉぉ――っ」 グイッ

センは、首をつかむショウゴの手首をつかんだ。ショウゴの手を、無理やり引きはがす。

セン 「はっ、そっから先を知る必要はねーぜ。死にゆく『元』南斗聖拳の将軍さまにはよぁ……」


鉄拳を作る事が出来る強力な握力の自分の手を、力任せに強引に引きはがされた……
だが、ショウゴは、顔色一つ変えなかった。

ショウゴ 「……その手を離せ、ゲロウが」 バッ

セン 「ハッ、言ってろ。死ねやッ!」 バシュッ

ショウゴ 「……馬鹿が……」 ガッ

ショウゴ 「貴様こそ思い知るがよい……俺の『南斗蒼鸞拳』の進化をッ」

ウアタタタタタタタァァァァ―――――ッッ!

ショウゴが、残像を伴うほどの速さで、無数の『鉄拳』を撃ちだすッ!

ドガッ! ドドガッ! ドガ! ドガッ! ドガッ! ドガッッッ!

セン 「ブギィィ―――ッ」 ボガボガボガッッ

無数の『鉄拳』が、センの体をえぐる
……そして、センは、ただの『泥の塊』になった。

ショウゴ 「……フン……これが、拳志郎とジョージのヤツと旅をしている理由よ……この拳は、俺が奴の業を参考に、新たに編み出した拳……南斗百裂拳……とでも言おうか」

ショウゴ 「俺の拳は進化し続けておるわ……そして、やがて奴を……」 ギュッ……


同じく同時刻:クーラ VS ジャブ

ジャブ 「……な、なんだとぉぉ……」 ヴァシュッ!

クーラ 「あんまりスローで、ちょっと目をつぶっちゃったわよ……眠くなって」 フワァ――

ブロブ 『ブシャァアアッ!』 バシュバシュッ

ジャブのスタンド、ブロブが粘液弾を撃つッ
同時に、ジャブが懐から取り出した、ヌンチャクをクーラに向かって叩きつけるッ!

クーラ「千手羅行……流輪破ッ!」バシュゥ!

クーラは、両手を広げた。その手が白く光り……そして、無数の残像を作る。
残像の手が白い壁を形作り、ヌンチャクと、粘液弾を防ぐッ

クーラ 「お返しッ!破の輪ッ」

カウンターとばかりに、クーラが巨大な闘気の手でリングを練り上げ、ジャブにぶつけた。
闘気のリングはジャブに命中し、そして爆発するッ!

ジャブ 「ば、ばかな」 ヨロ……

クーラ 「……なによ……少しは期待したのに……アンタ、まるで弱いじゃあない……」フン

ジャブ 「くうっ……そんなハズはねぇ……あのお方がくれた新たな力……俺のスタンド……そっ、それがまったく通用しねぇ……」 ガクッ

ジャブ 「こっ、これじゃあよぉ……」ヨロ……


┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨

ジャブ 「これじゃあ、『奥の手』をつかわにゃならんじゃあね――かッ!」 ゲシッ!

ジャブが叫び、『両脇の下辺』を両手の親指でついた。
すると、その体が、筋肉がムクムクと膨れ上がっていく……

クーラ 「なんですって?これはまさか……秘孔?」

コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ”

ジャブ 「ウハハハハ……そうだ。教えてやるよ……この秘孔はよぉ……『北斗孫家拳』の秘孔だよぉおおッ……ウハハハハ、ついにやったぞぉっ!あのお方が下さった力のおかげで、俺にも経絡秘孔の秘伝をつかむことができたゼェ……」

クーラ 「へぇ……それで?」 フン

クーラ 「アンタもしかして、我が『元斗皇拳』に、あんたのおままごとみたいな『北斗孫家拳』が通用すると思ってるの?かかってきなさいっ!」 クイッ

ジャブ 「………ウへへへへ」

ジャブ 「ウハハハハッ。やってられるかよッ!」 スタコラシュッ
意外っ? ジャブは、そそくさと拳志郎に背を向けると、猛然と逃げ出した。

クーラ 「……逃げた………逃げアシを速めるために、経絡秘孔をついたっていうの?」 ポリ……

クーラ (ハッ? トキシム様は?) クルッ

┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨

クーラ (ウッ……これは)

コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ”

タキ 「ウッ……ウェエエ―――ン……ウッウッ」 シクシク……

トキシム 「………」

クーラ 「マリオ……まさか……」

マリオ 「クーラか……無事でよかった。なぁ……見てくれよ、彼らのすさまじい死に方を……」

ラーガ・クーガ 「………」

振り返ったクーラが見たのは、立ったまま絶命している、ラーガ・クーガの兄弟であった。
二人は、動けないタキとトキシムを救うために、崩れかかったトキシム亭を支えたまま、絶命していた。

ショウゴ 「ラーガ、クーガ……見事だ」

そういうと、ショウゴは二人の亡骸に向かって、手を合わせた。


デリーのとある市街地:

パシュッ
ボタボタボタ……
拳志郎 「へぇ……やるじゃあねーか。俺の肌を切り裂けるなんてよぉ……」 ブンッ

ウダ 「フンン……」 シャッ

拳志郎と、ウダが交錯するッ!
二人が距離を詰め、そして離れた。

ウダ 「チッ……」 ガクッ

拳志郎 「オイオイ……ちょっとばかし早いのは、拳速だけかよ……その体さばきじゃあ、俺に触れることもできねーぜ」

ウダの右肩: バシュッ!
ウダ 「クッ……一瞬の擦れ違いの間に、俺の肩を……見えなかった……」

拳志郎 「だが、拳速だけは中々だったぜ……肩をやるのが精いっぱいで、秘孔まではつけなかった」 ジャッ

拳志郎 「とはいえ、もうお前の拳は見切った……かかってきな……次がお前の最後だ」 クイクィ

ウダ 「抜かせ、この野郎ッ!伝衝裂波ッ」 バシュッ
ウダが振り下ろした手の先から、真空波が飛ぶッ

拳志郎 「やれやれ……」 シュッ

ウダ 「クッ……伝衝裂波の衝撃波をかわすだと……ならばこれを喰らえッ!南斗紅鶴拳奥義、血粧嘴ッ」 バシュッ!バシュッ!バシュッ!
ウダは、虎の爪を模したような構えから、無数の真空波を飛ばすッ!

拳志郎 「……ハイハイ、ご苦労さん」スっスっスっ
だが、拳志郎は流れるような体さばきを見せ、すべての真空波をかいくぐる。
ウダの振り上げた両手の指に手を合わせ、秘孔をつくッ!
拳志郎 「喰らえ、五指烈弾ッ」 グサッ

ウダ 「うっ……うう……アぁ――――ッ!」
ウダの両手首 バギッ ブッシュ―――ッ!

ウダの両手首がふっとび、血が噴水のように噴出した。
ウダ 「俺のウデェェがぁぁあああ――――――無くなっちまったぁ―――――――――!!」

拳志郎 「……北斗神拳の秘孔の一つだ。これで、お前の速さ押しのウザったい手わざも、もう使えねーなぁ」

ウダ 「ヒヒ……イテェ……痛テェよ……」 シクシク

拳志郎 「勝負あり……だな。これで、納得したか?俺とお前の実力の差によぉ」

ウダ 「あぁぁああああ……痛テェよォ……ひでぇ、あんまりだぁぁぁぁ…………………なぁんてぇなぁ?」 バシュッ

失ったウダの両腕……その傷口からどす黒い泥があふれだす。
その泥が、固まっていく。
泥は棒状に固まり、その先からさらに細い棒状に泥が複数伸びていき、指の形を作る。
やがて、泥を固めた腕が形作られ、失ったウダの両腕を補った。

拳志郎 「おいおい……手が生えただとぉ……なんだそりゃ?お前はザリガニかなんかか?」

ウダ 「へへへへ……言っていろ……これこそが、あのお方の授けてくださった力……『ザ・ダート』の無敵の力よぉ……」

ウダ 「クラエッ!」


今日はここまでです。

これから、更新します。


ウダ 「『ザ・ダート (The Dirt) 』は俺様に、夢のような力をくれるんだッ!お前がかなうもんかよぉぉぉっ!」 ブヒャヒャハハッ

ウダ 「ブシュァッ!」 シャシャシャッッ

拳志郎 「うだうだと、うるせぇぞっ!!」 ダッ

ウダの攻撃に合わせ、拳志郎が間合いを詰めるッ
ウダの拳がつくる真空波を、かわしていく。
そして、拳志郎の拳が、ウダの拳を迎撃するッ!
二人が、交錯するッ!

ドガッ

拳志郎 「……」

ウダ 「……」

ウダ 二ィ…… 
ウダ 「アベシィぃッッ!」 バギャッ! バタン

ウダの背中が裂け、血が噴出した。
だが、倒れたウダの背中の傷からは、またしても泥が染み出てくる。そして泥が……傷口をふさぎ始める……

ニュルニュルニュル……

ウダ 「ガガガ……やるな……だが、たとえどんな攻撃を喰らおうとも、俺は不死身ィィッ」 ヨロヨロッ

ウダ 「例え秘孔をつかれたとしても、耐え切ってやるわッ」

拳志郎は、再び立ち上がろうとしているウダに向き合った。
両手で円を描くような動きをして、気を溜める……

ウダ 「お……おれは、あのお方に、屍生人(ゾンビ)としての永遠の命をいただいたのだッ!人の力を超える、我が力で粉砕されるがいいっ!拳志郎よッ」

拳志郎 「止めだ……くらえっッ 天将奔烈ッ」 バッ
溜めた気を、豪快に放つッ!
拳志郎 「どあぉおお――――ッ!」 ボコォォォ―――ッ

ウダ 「★@#!!!ッ!」 バジュ―――ッ……

ウダ 「くっ……さすがは北斗……俺では、勝てぬという……の……ヵ…………」 バシュッ……シュゥゥゥ――――――――――――

サラサラサラ……

拳志郎 「こいつ……煙となって消えやがった……屍生人(ゾンビ)だとぉ…」



スチャッ
ジョージ「拳……無事だったか……よかった」

拳志郎 「…おぉ――ジョージか……みんなを守ったところを『見ていた』ぜ、やるじゃねーか……オメー」 シュボッ

ジョージ 「『見ていた 』?何をだい」

拳志郎 「俺が見たのは、オメーが、ザ・ソーンに『光る拳』をのせて放ったあれだよ……」

ジョージ 「…………」

拳志郎 「……で、掴んだのか?」

ジョージ 「…………あぁ、掴んだよ。僕がこれまで、『光る拳』を自由に使えなかった訳がわかった……」 バチバチバチ……

拳志郎 「そうか」

ジョージ「拳志郎……キミは母を知らないと言ったね。そして、僕は父を知らない……母は、僕の見た目が父そっくりだと言っていたけど……僕には、その言葉が本当かどうかわからない」

拳志郎 「ああ……俺は母を知らん。母の見た目もな……親父は何も語ってくれんぜ……だから俺は、俺が母に似ているところがあるのかどうかも、知らんぜ」

ジョージ 「……それは僕もさ……僕も、父から何かを受け継いだのか、はっきりとは知らなかったよ……でも、確かに受け継いでいたんだ……父の『波紋』をね……それがわかった」

ザ・ソーンの茨 シュルシュルシュル……

バチッ

ジョージ「……子供のころから、この『茨』は僕の横にあった。僕にしか見えない『茨』……僕はずっと、『この【茨】が見えない人とは、本当の意味で仲間になる事は出来ない』と思っていたよ……」

ジョージ「……この『茨』が……『波紋』を閉じ込め、回して僕の体に溜め続けていたのさ……僕が生まれた時からね……」


パチン

ジョージ 「ある意味、父は僕の横にずっといてくれていたんだ……僕の横に、ずっと立って(スタンド バイ) くれていたんだ……」

拳志郎 「そうか、そりゃあよかったな……で、その使い方を掴んだ……そうだな?」

ジョージ 「ああ、掴んだよ」

拳志郎 「ヨシ……で、いつやる?」

ジョージ 「いつでもいい、と言いたいけれど、チベットについてからにしよう。僕たちには、まだやることがある……そうだろ」

拳志郎 「あぁ、そうだな……ところで、マリオの奴はうまくやっているかね………俺たちゃあ、トキシムのジイサンと約束しちまったから、ここを離れられねー……だから、あっちをアイツに任せなきゃならね――ンだからよぉ」 パハァー

ジョージ 「大丈夫、マリオ兄ィなら、うまくやってくれるさ。それに、クーラも、ショウゴも、かなりの使い手だし……心配ないよ」

拳志郎 「そうか……わかったぜ、ところでコッチではチョイと『奇妙』な事が起こったぜ……見ろよ……ここに、ウダの野郎がいたんだ……だが、俺がぶったおしたらよぉ……」


ジョージ 「……」

拳志郎 「ウダの野郎、消えちまったよ。シューシュー煙を上げてよォ……」

ジョージ 「?!ッ なん……だってぇ………」

拳志郎 「消えたのさ……まるで、薪が煙を上げて、灰も残らず燃え尽きちまうみて――に、シューシュー煙を上げてよォ……」

拳志郎 「そういやぁ、コイツ……変なこと言ってたなぁ……永遠の命だとか、屍生人(ゾンビ)だとかよぉ……ジョージ、おめー何か『心当たり』はねーか?」

ジョージ 「『心当たり』……あるさ……もちろん……」




拳志郎がシッ・シィ――ネ教団のウダと闘った前日:
マリオがインドに到着から数日後:

マリオが乗ってきたものとはまた別の飛行船が、デリーの飛行場に到着していた。


飛行船のドア "ガチャっ"

?? 「ふぅ……やっと着いたか……しかし、なんて匂いだ……酷い国だな……」

?? 「ヤサカ……香水を……」

男の背後に立っていたヤサカと呼ばれた少年が、香水の瓶を取り出した。


インド方面軍大将「お疲れ様ですッ!ヨーマ指令ッ」 ビシッ
兵士1 「お待ちしておりましたッ」 ビシッ
兵士2 「粗末ですが、精いっぱいの宿舎を用意しましたッ!ご案内しますッ」 ビシッ

ヨーマ 「フム……ご苦労……だが、余計な気遣いは無用だ、すぐに任務に入る。情勢を報告せよッ!」

スミマセン。短くて恐縮ですが、Upが終わりました。

長いこと書けていませんが、もう少ししたらUpします……

これから、更新します。


インド方面軍大将・兵士1・兵士2「ハッッ!」

インド方面軍大将「ヨーマ指令のために、車を用意しろッ!報告の為に指令室へお連れするッ」

ヨーマ 「……アーサム インド方面軍大将……違うぞ、行くべきなのは『指令室』ではない……現場だ。現場を案内しろ……聞いているぞ、現地のクソにも劣る類人猿共が、生意気にも我らにたてついているんだろぉ?報告など、移動中にしろ」

アーサム 「ハッ……では、彼らが『行進の準備』をしている様子をお見せします。オイ、車の行先を変えろッ!」

インド方面軍兵士1・兵士2「イェッサァ――!」

ヨーマ 「早くしろ、時は金なり……だ」

アーサム 「かしこまりましたッ」 ガチャッ

ブォオオオ――――ン
ブルルルル……

ヨーマ 「まったく、臭い国だ……車まで臭いよるわ」

アーサム 「……恐縮です」

ヨーマ 「ヤサカ……香水を……」

ヤサカ 「ハイ……ヨーマ師匠……」 プシュッ……プシュッ

ヨーマ 「フー……少しはましになったか……」

アーサム 「……恐縮です」

ヨーマ 「まぁいい、話せ」

アーサム 「はっ、報告しますッ!………………」
      
アーサム 「……………と、言うわけなのですッ!」

ヨーマ 「フム……一言でいえば、住民の反乱に手を焼いている……という事だな」

アーサム 「申し訳ありませんッ」

ヨーマ 「まぁいい、まずは『敵』をこの目で見る事だ」

インド方面軍兵士1 「大将ッ、指令ッ、つきましたァッ」
アーサム 「指令……あれです。あれが『土くれ』どもの、集会です」

アーサムが指差した先には、数千の群集が集まっていた。群衆の前には、1人の男が立っていた。群衆は、その男の話を淡々と聞いている。
その先頭には、巨人といってもよい二人組の男と、二人のゴージャスな美女に囲まれた一人の貧相な男がいた。貧相な男が、群衆に話しかけている。

アーサム 「指令……奴ですッ!あの男が、トキシム……この集団の指導者です」

ヨーマ 「フム……では、さっそく『掃討』を、開始せよ」

アーサム 「そ、『掃討』とは?」

ヨーマ 「……意味が分からぬわけはあるまい……根絶やしにせよ」

アーサム 「なっ……お言葉ですが、奴らは何も暴力的な行動を起こしておりませんッ!奴らに銃を向ける理由がございませんッ!」

ヨーマ 「反乱分子の首魁が、目の前にいるのだ。何をためらっておるッ!」

アーサム 「……し、しかし………あそこには、女子供もいるのです……」

ヨーマ 「アーサム大将……司令である私の命は、女王陛下のお言葉と同等とこころえよ……」

アーサム 「ハッ」

ヨーマ 「やれ」

アーサム 「……拒否します」

ヨーマ 「最後警告だ……我が命令を実行に移せ。我が意に沿わなければ、どうなるか、わかっておるだろう?」

アーサム 「……女王陛下の名に懸けて、拒否します」

ヨーマ 「………………………わかった。アーサムどの……そこまでの強固な意思……貴公の意思を尊重しよう。いままで、ご苦労であった」 グサッ

アーサム 「あぁぁ!……」 ガクッ

ヨーマ 「フッ……苦い血だ……」 ジュルルルルッ

ドロリ……ニュルニュルニュル……

………
………
………

アーサム 「………」ムクリ

ヨーマ 「どうだ、気分は」

アーサム 「サイコ―デス……ナンナリト、ゴメイレイヲ………」

ヨーマ 「……こうなるのがわかっていて、なおも逆らった『生前のキサマ』に敬意を表そう……今日は奴らの掃討は、やめてやる……だが、明日だ……明日の早朝から、『掃討』を開始せよ」

アーサム 「ハッ……」

ヨーマ 「……見るべき個所が、もう一か所あるな……今晩、例のヤツのところに連れて行け……」

――――――――――――――――――――

タタタタタッ
ジョージ 「ハァ……ハァ……もう少しで、クーラ達のところにつくぞ」

拳志郎 「おお、マリオのヤツ、ちゃんとやっているだろうな?……ムッ……」

ピタッ……

拳志郎/ジョージ 「くっ……何てことだ……」

クーラ 「ジョージ……拳志郎ぉ………」

クーガ・ラーガ 「………」

駆け付けた二人が見たのは、トキシム亭の壁を支え、立ったまま絶命しているクーガとラーガの姿であった。

ショウゴ 「拳志郎、ジョージ……来たか……称えてやってくれ……俺たちの、仲間の雄姿を……二人とも、見事な死であった……」

拳志郎 「……馬鹿な、クーガ・ラーガ……お前たちよぉ……」 ドガッ

マリオ 「二人とも済まない、彼らを守りきれなかったよ……」

ジョージ 「……いや、マリオ兄ぃは悪くないよ……敵が強かったんだ」

マリオ 「そんな、気休めを言わないでくれ……」

トキシム 「……いや、『拳法家』どの達が苦に病むことは無い……攻めらるるべきはただ一人、このトキシムよ………せめて、奴らの夢……『我が母国』の独立のために、この命を燃やし尽くすことを誓おう……それが、こやつ等の忠誠へのせめてもの……」 グッ

トキシム 「せめてもの、手向けよ……」

ショウゴ 「………」

拳志郎 「……」ポキッ

ジョージ 「………」ゴキゴキッ……

タバコをの火をつける音 シュボッ

拳志郎 「……ぷはぁーー………ほらよ、一本ずつやるぜ………ラーガ、クーガよぉ」 トン

拳志郎 「おい、ジョージよ……俺は『用事を思い出した』から、チョイと出かけるゼ……だがよぉ……オメ―は別についてこなくても、いいゼェ……」

ジョージ 「……奇遇だね、僕にも『用事がある』のさ……君こそ、別に付き合ってくれなくていいからね……」

拳志郎/ジョージ 「フッ……」 ザッ

マリオ 「……待てよ、二人とも……オレも行こう」

クーラ/ショウコ 「……ワタシ達もよ、いい、『みんなで』落とし前をつけるわよ」

ジョージ 「………覚悟はできているようだね……わかった……一緒に行こう……」

トキシム 「……『拳法家』どのっ!わっ、ワシは……」 ガタッ

拳志郎 「へっ……トキシムさんよぉ~~……アンタの『戦場』は、そこじゃないだろ……戦う場所を、間違えんなよ」

トキシム 「……」

クーラ 「トキシム様……あなたは、あなたにしかできない事を行ってください……ワタシ達は、ワタシ達が特異な方法で、戦うだけです……」

トキシム 「………スマン……………」 ガクリ

拳志郎 「『約束』するぜ、アンタの分まで、落とし前をつけといてやるぜ」

ジョージ 「……そろそろ乗り込もうか、『インド方面イギリス軍司令部』へ……」

拳志郎 「オウッ」

――――――――――――――――――――
半日後 イギリス帝国インド方面軍 基地から、3km南方


拳志郎 「へっ……お前と初めて会った時を、思い出すなぁ、ジョージよォ……」

ジョージ 「あの時も、ムチャしたよな……真っ正面からマハラジャの城に乗り込んでさ」

クーラ 「そうね、私がアンタとあったのも、その城だったわね……」

クーラ (クリスピアンッ……どうか、無事で……)

ショウコ 「……フフフフ、楽しい旅だったわね…………みんな、無事で会いましょうね」

マリオ 「そろそろだ……見つからないように、注意しろよ……」

ザザッ……

ジョージ 「よし、ここからは予定通り二手に別れよう……クーラ、ショウコは、僕とこの建物を探索する……マリオ兄ィと、拳志郎は、向こうに……」

拳志郎 「気張れよ、オメーら………」
拳志郎の拳 グイッ

クーラ 「はぁ?誰に向かって口利いてるの?この、『伝承候補者』クン……アンタこそ、頼んだわよ」
クーラの拳 ゴツッ

マリオ 「みんな、手はず通り……またここで落ち合おう」
マリオの拳 ガッ

ショウゴ 「敵は『イギリス帝国軍』……相手にとって不足なしだ」
……プルルンッ……
ショーコ 「………ウフフ………どうってことないわよ。だって、私たちが協力したら、『無敵』よぉ……サクッと片付けて、チベットへ行きましょう」
ショウゴ/ショーコの拳 タッ

ジョージ 「あぁ………行くゾッ」
ジョージの拳 ガキイッ!

五人が輪になり、その輪の中心に向けて、互いの拳を突き合わせた。
そして、駆けるッ!

――――――――――――――――――――

拳志郎・マリオ組

拳志郎 「マリオよぉ………準備はできたか?」 ぷはぁーー

マリオ 「ふっ、君こそ………タバコは満喫したかい?」

拳志郎 「おぉ、行くぞ……俺たちの役目は、陽動だ……覚悟できてるかぁ?」

マリオ 「ふっ、もちろんさ」 グイッ

マリオ 「あそこに、戦車があるだろ………あれを使おう」

ザザッ

マリオ 「よし、ここまでは上手く潜り込めたな」

拳志郎 「ぉーー………ところでオメー、戦車の操縦ができるのか?俺りゃあ、車の免許も持ってねーぞ」

マリオ 「オレだって、そんなの、できるわけがない……でも、まぁ何とかなるさ」

拳志郎 「ノープランかよ、やるねぇ……おっ、だれか来たか……」

戦車兵 「フぇ……夜勤かよ……ったく」 ゴソゴソ

戦車兵 「おぃいいっと、キーは何処だ……おっ、ここか?」ゴソゴソ

マリオ 「フッ……好都合だね……運が良すぎて、変な気分だ」 ブンッ

ドゴッ
戦車兵 バタン

拳志郎 「よぉっし、これで、戦車のキーが手に入ったな……で、どうするんだ?これは」

マリオ 「……知らないが、あちこち押せば、動くんじゃあないか?」

拳志郎 「ちがいねぇ……どれ、ポチッと」 ガシャッ
ぶるんッ
拳志郎 「おぉぉ……エンジンがかかったぜ……さすが俺だ……よし、じゃあアクセルペダルは、………これかぁ?」 ガッ

拳志郎 「動かないな……これはどうだ?」 ガシュッ

ガリっ……

拳志郎 「おぉっ」 ガシガシ

ドルルルルルルッ!!!!!!!!!!!!!!!!!

拳志郎 「よぉっし、動いたぜ。さすが俺様だな」

マリオ 「………なぁ、拳志郎………動いたは、いいけど、これ………暴走しているぞッ」

拳志郎 「うぉおおおおっ!やべぇ、脱出だッ」 ガッ

戦車 ドゴゴゴゴゥ ガシッ

暴走した戦車が、隣の戦車に突っ込んでいくッ!

ドガッ
バゴッ
ギャルギャルギャルッ
ガッ

マリオ 「……なんてことだ。あっという間に大惨事だ……」

拳志郎 「大成功じゃあねーか……陽動としては、よぉ………マリオ、やっちめーよ」

マリオ 「………了解」 ギャルギャルギャルッ!

マリオが鉄球をなげる。……続けてもう1つ、『火打ち石』で作った球を、投げつけるッ
 
カチッ
ボゥッ
………
ドッッガァアアアアアンンッ!!!!

マリオ 「ウハハハハ、炎の回転だッ。戦車がまき散らした燃料に引火させたッ」

拳志郎 「やるねぇ……いい火だ。葉巻に火をつけるのに、ちょうど良いぜ……」 ボッ

マリオ 「……なぁ、拳志郎………まるで、炎に突っ込む虫みたいに、英国兵が来るよ……」

拳志郎 「けっ、おあつらえ向きって奴だな……マリオ、死ぬなよ」

マリオ 「フッ、お前もな、拳志郎」 ガッ


今日はここまでです。


拳志郎が囮とは、随分ぜいたくな陽動だwwww

>>788
感想ありがとうございます。
拳志郎は、陽動とはいいながらも、堂々と正面から突撃する気でいると思われます。

それでは、これから続きを始めます。

ジョージ・クーラ・ショウゴ/ショーコ組

スィ―――ッ

ジョージ 「……よし、ここだ……みんな上がるよ……」 ジャバっ

グシャッ グチョッ

クーラ 「うぇぇ、湿地の泥に足を取られるぅ……もう、気持ち悪いわッ………こんな、ドロドロの水のなかを泳がされた上に、なによこの泥はッ」

ショウゴ 「ふッ………女々しいぞ。ウダウダ言わずに、黙って行動しろ」

クーラ 「はぁ………チッ………なんでアンタなのよ………これがショーコのヤツだったら、私の何倍もうるさかったはずよ……くっ、要領よく、逃げやがったのね」

ショウゴ「……ハッ、違いないな……」

ジョージ 「二人とも……これで体をぬぐってくれ……そしたら、行くよ………」 ポイ

ゴシゴシ……

クーラ 「はぁーー、これでようやく人心地着いたわーー」

ショウゴ→ショーコ  プルンっ
ショーコ 「潜入せいこうねッ、行きましょ」

クーラ 「くっ………泥水から上がったとたん、ショーコになりやがった………」

ジョージ 「……今頃、拳志郎とマリオ兄ィが陽動をかけてくれているところだ………見つからないように、注意して動こう」

ビィ―――――ッ!!!!

拡声器からの怒鳴り声 《警報ッ、警報ッ、襲撃者あり、特化第三特隊を駐車場に終結させよッ》

ビィ―――――ッ!!!!

クーラ 「あら、どうやらマリオと、拳志郎が何か始めたようね」

ジョージ 「そうだな。急ごう……拳志郎のことだから、堂々と正面突破してここまでやってこようとするはずだ……帝国陸軍を引き連れてね……だから、それまでに勝負を付けないと、メンドーなことになるからね」

クーラ 「そうね、急ぎましょ」

……
……

ジョージ 「よし、この先しばらく人の気配はないよ……巡回の見回りが来る前に、ここを渡りきってしまおう……わたったさきで、あの、建物の隅に隠れる……イイね」

ショーコ 「………」

クーラ 「わかった」

ジョージ 「よし、まずあの茂みまで這っていくよ……それから走る……イイね」 ゴソゴソ

クーラ 「ふえぇ……また、泥をはいずりまわるのか……んんっ?」

クーラ 「ねぇ、ショーコ……なに立ち止まっているのよ……そりゃあ、泥にまみれるのは嫌でしょうけど、しかた無いでしょ……さっさと行くわよ」

ショーコ 「……」 ブンブン(首を振る音)

クーラ 「ちょっと?」

ショーコ 「クーラ………悪いけれど、私には『ちょっと他のところに行く』用事があるの……だから。悲しいけれど……アナタ達とはここで、お別れなの」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

クーラ 「……何……ですって?」

ショーコ 「じつはねっ、南斗の将としての務めを果たさなきゃあいけないの」

クーラ 「はぁ?アンタ、何バカなこと言っているの?こんな時に……」

ショーコ 「あら、私は本気よ」

クーラ 「……裏切るってワケ」 ギュッ

ショーコ 「違うわよ……ただ……やらなきゃならない事があるってだけ……アンタ達の邪魔にはならない……と思うわ……」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ジョージ 「………」ジツ

クーラ 「証拠もなしに、その言葉を信じろと?」 グイッ

ショーコ 「クーラ……ワタシの言葉を、疑うの?」 ジッ

クーラ 「はっ、調子いいね」 ギュッ

ジョージ 「………」

ジョージ 「……まってくれ、クーラ………ショーコ……僕は、信じているよ」

クーラ 「ちょっ、ジョージ……」

ジョージ 「いいんだ。僕は、信じる……だから君も、納得してくれ」 ポン

クーラ 「正気?……はぁ……わかったわよ……ショーコ、さっさと行っちまいな」 プイッ


ショーコ 「ジョージ……」
ショーコ→ショウゴ ムキッ
ショウゴ 「助かる……恩にきるゾ」 ダッ

………

クーラ 「ねぇジョージ……本当によかったの?ショーコのヤツを勝手に行かせて」

ジョージ 「あぁ……あれはもう、止められなかった……それに、僕らに迷惑はかけないって言葉に、ウソはなかった……それは、わかったんだ」

クーラ 「ふぅん……まぁいいわ、もともとあんな変態はあてにしていなかったし……アイツについてのアンタの判断も……信じるよ」

ジョージ 「ありがとう……」

クーラ 「いいわよ……でも、これで『アンタと私』しかここにいないわ……気を付けていかないとね」

ジョージ 「ああ、わかっている」

クーラ 「………」

ジョージ 「………僕らもそろそろ行こうか」

クーラ 「ええ……そうね……」

ジョージ 「よし、スリーカウントで走るぞ……1,2,3ッ!」 ダッ 

ダダダッ

クーラ 「よし、無事にここまでこれたわね。この後はどうするの」

ジョージ 「この先は、ちょっとした庭園になっている……監視の目をすり抜けながら、この庭園を抜けるよ」 ガサッ

クーラ 「わかったわ」

ガサガサ
ザッ
ゴソゴソ………

茂みを潜り抜け、息を殺して監視の兵の目をすり抜け……庭園を抜けること一時間、ついに二人は、めざす建物の前に着いた。

クーラ 「ふぅ……ようやくついたわね」

ジョージ 「ああ、ここが、『英国陸軍インド方面軍指令棟』さ」

クーラ 「何か黒いし、重苦しい雰囲気の建物ね……」

ジョージ 「警備も厳重だ。むやみに動かないでくれよ」

クーラ 「……」

ジョージ 「? クーラ、どうした?」


クーラ 「ねぇジョージ、考えたんだけど……2人で一緒に動けば、人目につくわ……だからここからは、『別行動』をしない?」

ジョージ 「……いいのかい?」

クーラ 「ええ。それがいいの……ところで、ワタシは、正面から行くわよ」

ジョージ 「では僕は……上から行く」
ジョージはそういうと、壁にそっと手を当てた。

ジョージ 「ザ・ソーン。出でよッ」 ギュワワワワ――――ンッ!

ジョージの手から、茨の腕が出現した。茨は、ゆっくりとした速度で、建物の壁を這うように登っていく。

ギュッ

ジョージ 「よし……これでいいか。行くよ、クーラ」 ギュッ グイッ

ジョージは、壁に這わせたスタンド:ザ・ソーンを両手で引っ張り、少しづつ壁を登って行った。

クーラ 「……じゃあね、ジョージ」 ボソッ

その背中を、クーラはじっと見ていた。そして、ジョージの姿が消えたころ……クーラは、クルリと建物から背を向けた。そして、庭園に戻っていく。

ジャッ

クーラ 「さぁ、出てきなさいよ……この私、『元斗皇拳』のクーラが、相手をしてあげるわ」

ガサ

?? 「気づいておったのか……」

クーラ 「ふぅ……この気の質……元斗の人間として、こんな『斬るような質の気』を受けて、気づかない人間はい無いわ……ねぇ、『南斗聖拳』のヒト……」

?? 「ふっ、さすがは元斗皇拳伝承者さまってことか」

現れたのは、二人組の男であった。
1人は山のように巨大な、大男。もう一人は、両肩に星条旗の入った肩パットを付けた、少し頭が軽そうな男だ。

?? 「オレ達……『山』のフィドウと、『星』のバリンがお相手をさせていただく」

クーラ 「五車星……そう、南斗一派も、本気なのね……」 クイッ

クーラ (……それにしても、コイツ……こんなでかい図体でこれまでどこに隠れていたってワケぇ?)

――――――――――――――――――――
同時刻: 拳志郎/マリオ組


ガガガガガッ

拳志郎 「うぉぉおっ、勝手な事をしやがって」 ガッ ダダダダッ

マリオ 「拳志郎、こっちだッ。この戦車の陰にこいッ」 クイッ

拳志郎 「おお、助かるぜ」 ジャッ

マリオ 「……拳志郎、どうだ?帝国陸軍の兵士は」

健志郎 「あぁ、さすが……世界最強の軍隊だけのことはあるねぇ……中々、手ごわいぜ……しかも、コイツラ全員、あのウダの奴と同じだ……アイツら、ただ『人の皮』をかぶっているだけだ。中身は、『泥』だぜ……」

マリオ 「そうか……」

拳志郎 「ちっ、泥人形なんて、なんとでもなるがよぉ……だが、無敵の暗殺拳とかいっても、やっぱりマシンガンには、かなわねェからよぉ……」

マリオ 「拳志郎……このまま、遮蔽物に隠れていても、じり貧だ……何か行動を変えないと」

拳志郎 「そりゃあ、そんなことは、わかってるがよぉ」

マリオ 「……俺に、考えがある」

拳志郎 「へぇ、オメ――、ようやく本気になったかよ」

マリオ 「ああ……少し、任せてくれ」 ギュルルルルッ ギャルルルルッ


今日は、ここまでです。

来週更新予定です。

ギュルルルルッ ギャルルルルッ

マリオは、小さな独楽を一つ、手のひらの上で『回転』させていた。

マリオ 「俺が操る回転は、五つ……『見えない回転』、『弾きあう回転』、『炎の回転』……そして、これから俺が見せるのが4つ目の回転だ………『操作する回転ッ』」 ギャルルルルっ!

マリオは、両手で回転させていた小さな独楽を、自分の右肩に乗せるッ!

独楽 ギャルルルッルルッ!

拳志郎 「ウッゲェ……独楽がマリオの右肩に潜っていったぜ……なんだありゃ?」

マリオ 「うぉおおおっ」 ムクムクムク

拳志郎 「なんだぁ?マリオの体が一回り大きくなりやがった……ムッ………もしかして、この効果は『穿腕孔(せんわんこう)』とおなじか?こりゃあ、おれの知らねェ『経絡秘孔』の撃ち方ってワケなのかぁ?」

マリオ 「………そうだよ……君の秘孔ほどの威力は無いけれど、この独楽は、『回転』の力でいくつかの秘孔を活性化させられるのさ……今、俺がうったのは『穿腕孔』ッ!わずかな時間だけ、肉体を強化する秘孔だッ」 ドジャウッ!!
マリオ 「そして、この強化された状態で俺が放つ、『弾きあう回転』を味わえっ!」 バシュッ!

マリオが、次から次へと小さな弾丸を弾き飛ばしていくッ。強化された指がはじいた弾丸は、通常では届かない遠方まで届くッ


バシュッ
バシュバシュッ!

英国兵1 「なっ!何だッ」 ゲボッ
英国兵2 「うぎゃぁっ!撃たれたぞッ!」 ドボドボドボ……

英国兵達 バタン

ドロッ


拳志郎 「おぉ……やるじゃあねーか……だが、ありゃあ……」

地に伏した英国兵達の傷跡から、泥が染み出た。泥が、英国兵士たち覆うと、兵士たちは再び立ち上がった。
泥だらけの英国兵 ユラッ……

マリオ 「やはりか……『弾く回転』は、一発の破壊力が弱い……泥人形に致命傷を与えるまでには、至らないか」 ダシュッ!

マリオが駆けるッ! マリオは、驚異的なスピードで走り、一瞬で英国陸軍の懐に近づいていくッ!

マリオ 「だが、クラエッ」 ギャルルルルっ

キョリを詰めたマリオが、鉄球を放つッ

鉄球x2 ギャルルルルっ

二つの鉄球が、英国兵を次から次へと吹き飛ばして行く。

拳志郎 「よしッ!うまく隙を作ったじゃねーか」 ダッ
同時に拳志郎が、英国兵の前に駆け寄る。

拳志郎「喰らえや、北斗百烈拳ッ!ウワタァ―――」 ドガガガガガガッ

英国兵 「ぶっぎゃああ――――――ッ!」

拳志郎 「ふぅ……」

マリオ 「………」

拳志郎とマリオ、二人は悠然とたたずんでいた。
その周囲には、泥の塊に埋もれた銃と、英国兵の制服が散乱していた。
英国兵士はすべて地に伏している。だがジョージと拳志郎は、まだ闘争中のテンションをたもったまま、闘気を放ちづづけているッ

拳志郎 「やれやれ……ご苦労様だねェ」 クイクイッ

マリオ 「……早くかかってこい」 ギャルッ

?? ユラリ

拳志郎 「おお、コイツは少し、期待できるかぁ?ちょっとは(拳法を)使えそうな身のこなしじゃあねーか。テメェ……」

?? 「拳志郎……さすが、南斗紅鶴拳のウダを倒しただけのことはあるな……だが、勘違いしないでもらおうか……」

拳志郎 「あぁ?勘違いって、何をだよぉ?」

?? 「だがウダは……奴は南斗六聖拳の中で最弱っ!我が南斗孤鷲拳で葬ってくれるわッ」

拳志郎 「へぇ……」

?? 「オレの名は、フウゲンッッ!南斗孤鷲拳のフウゲンよ。かかってこいッ!」

拳志郎 「ふぅ……なんか最初は手ゴワイかと思ったが、良く観るとなんつーか……カマセ感が出まくっているガキだな……」 ハァ……

クーラ 「!?ッ」シュッ

フィドウ 「ゴブッ!……ドグァッ」 ドガァツ

クーラの一撃をまともに喰らったフィドウは、吐血しながらも倒れない。
逆に、その巨体から必殺のラリアットを繰り出すッ!

クーラ 「クッ……体勢が崩れたところに……よけきれないわッ」

フィドウ 「女だからと、手加減などせんぞ。死ねィ!グギャアアアッ」 バゴッッ!

フィドウのラリアットをまともに喰らったクーラが、ぶっ飛ぶ。

クーラ 「ガッ……クッ」 ヨロ……

まだヨロヨロしているクーラの目の前に、バリンが立ちふさがった。

バリン 「へぇ……フィドウの旦那のラリアットを喰らって、まだ立てるなんて、やるじゃないッ」 バシュバシュバシュ!
バリンが、ジャブからの、ワン・ツーコンビネーションを放つッ!

クーラ(チッ、手が早いッ……避けられない!)
ボコボコボコボコッ!
クーラ 「ゲッ……調子に、乗りやがって」 バシュッ

バリン 「おっと、まだ立てるのかよ……だが……」 クイッ

バリン 「遅いぜッ!」
クーラの攻撃をかいくぐったバリンは、アッパーカットを放つッ!

まともに顎を跳ね上げられたクーラが、一瞬意識を失う。
そこに、フィドウの強烈なぶちかましが襲い掛かるぅ!!
ぶちかましを受けたクーラは吹っ飛ばされ、その勢いで立木をへし折った。

クーラ ゲブゥッ!

フィドウ 「……ほう、まだ立つか……だが、悲しいかな貴様はもうただのサンドバックよ……」

バリン 「ヘッ……あれを受けて『立つ』なんて、思ったよりやるじゃない。だがアンタは、俺達5車星にはかなわねーぜ……『山』のフィドウと、『星』のバリン様にはよ」

フィドウ 「……おなご相手に二人係とは、不本意ではあるが……だが、貴様にはもう『万に一つ』の逆転のチャンスもないワ……おとなしく、我らが『主』の粛清を受けるがよい」

クーラ 「……」

バリン 「あっ?なんだ?何か話したいことがあるのなら、ハッキリ話せ……このアマ」

クーラ 「『主』?アンタたち5車星の『主』って………じゃあ、『慈母星』が裏切ったってこと?」

フィドウ 「……」

バリン 「ヘッ……我が『主』を、あんなしみったれた『専守防衛の拳』の主と一緒にするなよ」

クーラ 「……そう……ならば、何の遠慮もいらないわね……」 ギラ……


――――――――――――――――――――


ショウゴ 「待て、うぬ……こそこそ隠れとらんで、いい加減に姿を現したら、どうだ?」


??「……なんだ、六番目か……だが、よく我の追跡に気が付いたな……」」


ショウゴ 「なんだと……オウショウ……キサマ……」 ギロ……


オウショウ 「フン……生意気な……おい、ショーコはどこだ?『鳳凰拳』の師匠さまに挨拶せんか」

ショウゴ 「……」

オウショウ 「……」

ショウゴ → ショーコ

ショーコ 「オウショウ……あんた、なんでここにいるの」

オウショウ 「ケッ、かわいげのねぇ女だ……『なんでここにいる』かだってぇ?わかっているだろうが……『北斗』のヤロウをぶっ殺すためだ」

ショーコ 「それは、ワタシの役目よ……将星……あんたはお呼びじゃあないわよ♡」

オウショウ 「我が宿星は将星ッ、我が拳は南斗鳳凰拳ッ……、南斗108派の最上位に君臨する帝王の拳よ!………慈母星、守りを固めるだけの臆病者の拳こそ、ひっこんどれッ」

ショーコ 「ハイハイ……」

オウショウ 「確かにキサマも、我が南斗鳳凰拳を教えてやったワ……だが、サワリだけよ……加えて、おれは今新たな力を手に入れたのよ……キサマは、我が帝王の体に毛ほどの傷もつけることは出来んわッ!」 バシュッ!

ショーコ シュッッ

オウショウ 「ほほう……天翔十字鳳を身につけておったか……かろうじてだが、我が極星十字拳を避けるとはな……良く修めた」

ショーコ 「師匠づらするんじゃないわよ……お返しよッ♡ 鳳凰旋脚ッ」 ザシュッ ドガッ

オウショウ シュルッ!

ショーコ (クッ、早い……ワタシの蹴りをすり抜けるなんてッ)

オウショウ 「クククク……なんだ、そのスローな動きは……がっかりだぞ。喰らえ、極星十字拳ッ!」ズバッ

ショーコ 「ハッ……逆十字鳳ッ」 バジャッ

バシュッ
ボタボタ……

ショーコ→ショウゴ 「クゥっ……」 ボタボタボタ

オウショウ 「クククク……やるではないかショーコ。我が極星十字拳の踏み込みに合わせて、逆十字鳳を放って背後に逃げるとはな……しかも、おれにも置き土産を置いていくとはな」 ザバッ ボタボタボタ……

オウショウ 「だが、無駄よ……言っただろう。俺は新たな力を手に入れたと」 ドロドロドロ……

オウショウの傷口から泥がしみだして、傷をあっという間にふさいでいくッ!

オウショウ 「フハハハハ……この一撃で限界か、ショーコよ……後は臆病者の蒼鸞拳の防御の陰で、びくびく震えるだけかぁ??……まあいい……鳳凰の羽ばたきをうけて死ねッ!『鳳翼天翔』」 ドオォッ

オウショウが両手を、素早く振り上げる。まるで鳳凰の羽ばたきの様な、その拳圧による圧倒的な『戦気の奔流』が、ショウゴを襲うッ!

ガズィッ

オウショウ 「……フン……南斗蒼鸞拳……亀のように閉じこもっているバカリの臆病者の拳……だが、『固い』な……『鳳翼天翔』を正面から受け止めおるか」

ショウゴ ゲボッ……

オウショウ 「ハッ、吐血しているではないか……やせ我慢をしおって……そうだ。いかに貴様が『固い』とはいえど、『鳳翼天翔』を受け止めたのだ。貴様の体はもうボロボロのはずだ」

ショウゴ 「フン……ここからが本番だッ……かかってこい」 クイッ

短いですが、今日はここまでです。

来週更新しますッ

……イギリス帝国インド方面軍、司令棟……
薄暗い廊下はガランとしており、人の気配もなかった。その廊下に面した窓ガラスに、外からそっと手が当てられた。
手にグイッと力がこめられると、ガラスがパリッと割れた。だが不思議なことに、割れたガラスが手に張り付き、下に落ちない。割れた窓から、1人の大柄な男が忍び込んだ。

スチャッ

ジョージ (………不思議だ………なぜこの司令部には人の気配が無い……)

スタンド:ザ・ソーン バチバチバチ………

ジョージ (何故だ……僕のスタンド:ザ・ソーンをこのフロア中に張り巡らせたのに、反応がない……)

ジョージ (どこだ……どこにいる……) バチバチバチバチ……

ジョージ (おっと、手のひらに込めた波紋を解かなくては……割れたガラスがくっついたままだった…………… ) カタッ

ジョージ (……いつまでもここでグズグズしていられる時間はない…………どこだ……どこにいる……) キョロキョロ……

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ジョージ (だが何だ?この……『まるで吹雪の中、防寒着なしで外をさ迷っている』かのような、この非人間的な冷気は………)

その時……
ジョージの視界に、ゆっくり、ゆっくりと廊下を歩いてくる人影が見えた。

グチョリ……
ピタ
ベタ
ピタ

ジョージ (むっ………) ピトッ

虚ろな目をした兵士「ううぅ……あぁぁぁ………」 ドボドボドボ……

虚ろな目をした兵士が立ち止まり、口から何やら溢れさせ、足元にはいた……それは泥だ。腐った泥だ……

ジョージ (これは、酷い………彼はもう、『助からない』か……) スタッ

虚ろな目をした兵士 「?!ッ」

ジョージ 「コォッ」 ドガッッ!

ジョージの波紋が、兵士の体に穴をあけるッ!

虚ろな目をした兵士 「……なんの、マネだ?」 ベチャッ ガチャッ

だが次の瞬間、兵士の体から泥が浸み出て、傷口をふさぐ。
兵士が、銃を構えるッ!

虚ろな目をした兵士 「死ねィ!死んで、あったかい血液をあふれさせせセヤガガガガれぃっ!」 ガチャッ

ジョージ 「クッ!ならばっ」 バチバチバチッ

ジョージは、兵士が銃の引き金を引くよりも早く、再び兵士の懐に飛び込むッ!
ザ・ソーンの茨を腕にまとわりつかせ、兵士の頭部を殴りつけるッ!
波紋を帯びた茨が、兵士に食い込むッ!

虚ろな目をした兵士 「アギッ!」 バタリ
ベチャッ
シュワ――――

ジョージの拳を喰らった兵士の頭部が、ぶっとぶ。
……兵士は倒れ、泥が傷口からあふれ出した。泥は廊下に広まり、そこら中から煙を吐き……やがて、消えた。

ジョージ (やはり、思った通りだ。…ザ・ソーンと波紋を組み合わせれば………この泥の怪物となった人たちにも、僕の攻撃は効く… ……)




ガチャッ

不意に、ジョージの目の前の扉が、開いた。

バシュッ

ジョージ 「?!」 ギャルッッ

ジョージ (……何かが飛んできたと思ったら、これは……投げナイフか?)

??「へぇ、今のを避けるのか……」 スタッ

ドアの奥から現れたのは、拳志郎とほぼ同年代の長髪の男だッ!

ジョージ 「キミは……君は泥人間ではないようだね……」

?? 「ヤサカ……お前を殺(ヤ)る前に名乗っておこう……オレの名前は『西斗月剣』のヤサカ……」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ジョージ 「西斗月剣?なんだそれは……聞いたことが無いな……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ヤサカ 「……おい、本気か?キサマ、我が拳と双璧をなす『東斗仙道』の使い手のくせに……」

ジョージ 「僕は、劣等生でね……」

ヤサカ 「そうかよ……ならば少し、『西斗月剣(拳)』の事を説明してやろう……いいか、『太陰星』それが、わが宿星よ……『西斗月剣(拳)』は、キサマら『東斗仙道』の宿星『太陽星』と双となり、かつては天を二分した拳よ……」

ジョージ (東斗仙道……波紋法のことか……そういえば昔、ストレイッツオ叔父が、波紋法の事を仙道と言っていたのを聞いたことがあるぞ……コイツの言っていることが正しいとすると……波紋法と北斗神拳、南斗聖拳、元斗皇拳……それにコイツの言う西斗月拳には何らかの関係があるってことか……)

ヤサカの独白が続く……
ヤサカ 「……だが、時は経ち、いつしか我らは歴史の闇に消えていった……北斗・南斗・それに元斗の拳に、我らの拳を伝えてな……そうだろ?お前も、わかっているだろ?」

ヤサカ 「我らの拳が、奴らに盗まれたことを……」

ジョージ 「……」

ヤサカ 「ふっ……だんまりか……」

ジョージ 「……で、君は……なぜここにいるの?」

ヤサカ「フッ……気功の源流……秘拳、東斗仙道の男よ……話してやろう……我が望みは、西斗月剣をこの世に再興させ、そして……北斗を撃つことッ!

ジョージ 「なんだって?」

ヤサカ 「東斗の……キサマ、俺と手を組まないか?ともに、奴らを倒すのだッ」

ジョージ 「馬鹿なことを……だが、拳志郎と闘いたいのなら、堂々と挑めばいい……僕は止めないよ。そんなことより、そこをどいてくれッ!……僕は、君の背後にいる人物に用があるッ!」

ヤサカ 「ダメだ……オレはまだヨーマから西斗の秘拳を学び終えてはおらぬ……だから東斗の男よ……ここは、貴様が引け……」

ジョージ 「……勝手だな……断るッ」

ヤサカ 「勝手……だとぉ……オレの一族の二千年の宿願を継いだオレの思いを、勝手……だとぉ?」 ブルブル……

ジョージ 「ああ。勝手だ……だがそんな勝手な理由で僕を止めようったって、そうはいかないよ……僕には、いかなければならない『理由』があるッ!それに『拳志郎』は僕の強敵(トモ)だ……北斗を敵視する君の味方は、出来ない」ジャリッ

ヤサカ 「はっ、そうかいッ!我が西斗月剣は、戦場の拳ッ……北斗神拳に経絡秘孔の秘儀を伝えた源流の秘拳ッ!思い知るがいい……その、真の力をッ!」 ザシュッ

ヤサカが、連続突きを放つッ!

ジョージ 「!?ッ」
だがジョージは、被弾しなかった。ヤサカのすべての突きを避けきった!
ジョージ 「中々やるなッ……案外鋭い拳だ。だが、まだまだ速さも、重さも、足りないな」

ヤサカ 「アァアア―――ン?ホントか、ホ・ン・ト・カァぁ?」

ブスッ

ジョージ 「?!ッ」 ガク

ひざまずくジョージの肩に、鉄の串が突き立っているッ!

ヤサカ 「暗器、鶴嘴千本(かくしせんぼん)……先ほどの拳はおとりよ……本命は、この千本による点穴よ」

ジョージ 「くっ、気づかなかった。してやられた……」ガクガク……

ヤサカ 「はっ……まだ話せるのか、大したものだ。だが、『お前の命はあと5秒』だ。5秒で、ボンだ」 ククク……

ジョージ 「……」

ヤサカ 「ひとぉ――つ……ふたぁ―――っ、みぃ―――つっ………」

ヤサカ 「よぉ―――ッ」(コイツ……人生の終わりだと言うのに、妙に冷静だな) 

ジョージ 「コォオオッ!」 
ジョージの肩に刺さった鉄串 ヌルッ……

ダッ!
立ち上がったジョージが、高速タックルを放つッ
迎撃に跳んできたヤサカの蹴りを掴み、組み合うと同時に、足を狩りに行くッ!

ヤサカ 「?!ッッ」 クルッ

ジョージ 「こんな、半端な点穴で、僕の秘孔を突けるとでも?」

ヤサカ 「なんだとォ……コイツ、筋肉の収縮で千本を抜きやがった。しかも……経絡秘孔が効かない……だとぉ?」

ジョージ 「キミのような少年を殴り飛ばすのは、気が進まないが……ゴラッッッ!」

バババババッ!!!

ヤサカ 「チッ」 ガキキキィイイ――――ンッ!

ジョージ 「躱すか……だが、甘いッ」 ダッ

ヤサカ 「おおっとぉッ」 (あっぶねぇ―――なんて、早いタックルだ……)

ジョージ 「まだまだッ!」 クイッ
タックルをかけたジョージの体が、回転した。前転しながら、ジョージのかかとがヤサカの顎を狙うッ!

ヤサカ 「!?チッ」 ガッ

ジョージ 「やるッ! 今のを素手で受け止めずに、千本を使って受け止めに行くなんて」

ヤサカ 「……そりゃあ、コッチのセリフだ。なんだぁ、オメェ……千本が、折れちまった……普通なら、てめーのアキレス腱がブチ切れているハズなのによぉ……」

ジョージ 「そんな、鉄の棒っきれで、僕の体に傷がつけられるとでも?」 ギュウンッ
ジョージが、正拳突きをヤサカに打ち込む。

ヤサカは、とっさに千本を十字に組み、ジョージの拳を受け止める。

ジョージ 「このまま、押し込むッ!いくら防御していても、僕の拳が触れれば、君はもうおしまいだッ!」 バチバチバチッ

ジョージの拳から、ザ・ソーンの茨が出現した。
茨が少しずつ、ヤサカに伸びていく……

ヤサカ 「………フッ」 スッ

ヤサカはとっさに力を抜き、ジョージの拳をかわした。
そのままトンボをきって、後方に跳ぶ。

ヤサカ 「ハハハハッ!こりゃあ、スゲ―や……」ヒョイッ
そして、ジョージに背を向けて走り出した。

ジョージ 「!? 何故だ。何故背を向ける?」

ヤサカ 「ジョージ……確かに東斗仙道の力、見せてもらったぜェッ!俺はここで引く……オレの宿願、北斗神拳の壊滅までは、無駄なリスクは払いたくないものなぁッ」

ジョージ 「なんだ、コイツは……」

ヤサカ 「ジョージ、最後に一つ忠告しておいてやるぜ……逃げろッ!キサマでは、ヨーマにはかなわんッ!」
タタタタタッ

ガクッ
ジョージ 「……なんだ、アイツは……だが、中々強かったな……あの千本、波紋の力で何とか秘孔への刺激を止めたが……ダメージは残った、か……」
ヨロ……

ジョージ 「………さて、行くか……」ヨロ、ヨロ……

ガチャリ

扉を開けたその先は、天井まで届く本棚で埋め尽くされた一室であった。高級な木材をふんだんに使った床、家具……そして、巨大な執務机が、ジョージの目の前に見えていた。
そして、どことなく黴臭いような、ヘドロがたまっているような、腐った匂いが滓のように漂っている。

執務机の先には、こちらに背を向けた大柄な男が座っていた……

??「来たか……」クルリ

ジョージ 「ハッ……ヨーナ指令……イギリス空軍第1航空団予備役、ジョージ・ジョースター大尉でありますッ!!」ビシッ

ヨーナ 「フフフ……間違っているぞ。イギリス空軍の誇るエース(撃墜王)の一人、“スター”:ジョージよ……キサマは予備役ではないッ、まだ現役だ。私は貴様の予備役への編入を、許可していないからな……」

ジョージ 「…………指令……、信じたくありませんでした。まさか、まさかアナタが……」 コォオオオオオ―――ッ……

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ヨーナ 「“スター”:ジョージ・ジョースターよ……我とキサマの一族の間には、確かに浅からぬ縁(えにし)がある。知っていたか?」ユラリ……

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ヨーナ 「知っているかね、”スター”・ジョージよ……ウィンドナイツ・ロット(風の騎士たちの町)……中世時代に騎士たちの訓練場として作られた町のことを……」

ジョージ 「ああ………スピードワゴンおじさんと母さんから、聞いたことがある……」

ヨーナ 「ウィンドナイツ・ロット、我が主、ディオ様と貴様の父親が戦った土地………そこは元来、北斗に潰された我ら月氏の民の生き残りが行きついた、安息の地だったのよッ!そしていつしか我が一族は、かの地に埋葬され、歴史の闇に消えた……」

ジョージ 「………」

ヨーナ 「我は西斗月剣の高弟、ヨーナ……2000年もこの地で眠っていた我を、よみがえらせてくれたのがディオ様よ……2000年もの眠りから覚めるのに時間がかかりすぎ、ディオ様と波紋の一族との戦いには、間に合わなかったがなぁ!」

ジョージ 「まさか、アナタ……いや、貴様が、ディオの下僕っ!ゾンビ(屍生人)だったとはッッ!」

ヨーナ 「Gyiaaaaa……」 ドガッ!

ヨーナが机を蹴とばすッ!
巨大な机が、轟音を立ててジョージに襲い掛かるッ

ジョージ「ウォオオオッ!」ガシィツッ
ジョージは避けないッ、ガードを固め正面から机を受け止めたッ!。

バギィィッ!

机が粉みじんに吹き飛んだッ!
ジョージは、ただガードしていただけではなかった。ザ・ソーンを高圧電線のように全身に張り巡らせ、波紋の力を流していたのだ!
ジョージ 「来いッ!ヨーナッ!もう貴様を、同じイギリス帝国軍の司令として認めぬッ!女王陛下の為、そして、貴様に苦しめられたインドの民衆の為、僕がお前を撃つッ!」

ヨーナ 「我を討つ……とな。威勢がいいな……」 ニヤリ……

ジョージ 「くらえっ!」 ダッ!

ジョージ 「ゴラゴラゴラゴラッ!」ドバドバドバドバッ

ジョージがラッシュ(連撃)を放つッ

ヨーナが、両手を広げる。
その手が高速で動き、まるで1000もの手が宙に浮かんでいるように見えるッ

ヨーナ 「はっ、東斗仙道ッ!修行が足りんゾッ」 バシュバシュバシュバシュッ!

ジョージ 「クウッ……早いッ!……僕の攻撃が、すべて防がれるなんてッ」

ヨーナ 「ハッ……油断したなッ」 ドゴォオオッ!

一瞬棒立ちになったジョージに向かって、ヨーナが正拳突きを放つッ!

ジョージ 「ゴボォォッ!!!」 バァ―――ンン!!

ジョージは、かろうじてその正拳を肩で受け止める……その体が、ぶっ飛ぶッ!!!

ガラガラガラッ!

ジョージ(クッ……なんてパワーとスピードだ……これが、西斗の拳法家が『屍生人』のパワーを手に入れた結果か……まるで、『恐竜』と闘っているようだ……)

ヨロ……

――――――――――――――――――
一方その頃、拳志郎とマリオは……

フウゲン ピクピク……

拳志郎 「はぁ――――――」ガックリ

悠然とたたずむ拳志郎とマリオ。その足元に、南斗孤鷲拳のフウゲンがボロボロになって、倒れていた。

拳志郎 「やっぱりてめーは、ただのカマセヤロウじゃねぇ――か。ちゃんと修行していたのかよ、このヴォケッ!張り合いが無さ過ぎて、眠っちまうぞッ」

フウゲン 「ば……馬鹿な……」

拳志郎 「だいたいよぉ、南斗孤鷲拳ってぇのは、南斗の中でもけっこうイケてる流派のはずだロ!それが、『こんなもの』かよっ!俺は、南斗随一の刺突を味わえると、楽しみにしていたのによぉ……しかもてめぇ、『泥人形』に身を落としたくせに、こんなものなのかよォ」

フウゲン 「……くっ、化け物め………」
バタリ

マリオ 「拳志郎、こんな奴はもういい。先を急ごう……ジョージが心配だ……」

拳志郎 「そうだな、ジョージの奴、暴走してヘタをうっているかもしれねーしな」
タッ


タタタタッ

マリオ 「……ムッ……?」

クーラ 「……あら、拳志郎とマリオ……無事だったのね」

拳志郎 「よぉ……オメ―の方は、ケッコー苦戦したみてーじゃねぇか」

マリオ 「大丈夫か?血だらけだ……」

クーラ 「大丈夫よ……ちょっと、苦戦しちゃったのよ……コイツラに……でも、なんてことないわ」

クーラが指差す先には、南斗5車星のうちの2星、星のバリンと山のフィドウの二人が、倒れていた。

拳志郎 「へぇ……5車星最強の山と星を同時に相手にしたのか、やるじゃあねーか」

クーラ 「フフフ……ありがと。でも、わたし……もう限界……」ズリ……

マリオ 「………わかっているよ。あとは僕たちに任せて、君は脱出してくれ」

クーラ 「言われなくても……これ以上アンタ達には付き合えないわよ……さっさと行って」 パタパタ

マリオ 「ああ、後は任せておいてよ……」

拳志郎 「オウっ、お前……良くやったぜ」

クーラ 「ハッ……アンタ達にそんなこと言われたら、気持ち悪いわ……さっさとイキな」

マリオ 「……わかった。君も気を付けて………」

タタタタッ

クーラ 「拳志郎、マリオ……頼んだわよ……」

ズリ・ズリ……

タタタッ……
ピタッ

走り出した拳志郎が、立ち止まった。

拳志郎 「クーラ……よぉ」クルッ

クーラ 「……何よ」

拳志郎 「おまえの弟……クリスピアンだが……」

クーラ 「……」

拳志郎 「もう、傷が癒えているころだ……だが、もしお前が病院に戻った時、奴がまだ意識を取り戻していなかったら、秘孔『王柱』を突け……目を覚ますはずだぜ」

クーラ 「……わかったわ……」

ダダダッ

クーラ (ありがとう……拳志郎……)

ズリッ……ガクッ

拳志郎 「お前もか……」

ショウゴ 「……………北斗の……」
ヨロッ

マリオ 「くっ、ひどい傷だ……大丈夫か?」

ショウゴ 「……大丈夫だ」
ヨロ……ヨロ……

拳志郎 「……」

ショウゴ 「……北斗……俺は、ついに『南斗聖拳』をこの手で掴んだ。南斗鳳凰拳の使い手を、破ることによってな」ガシッ

拳志郎 「そうか……『成った』のか………」

ショウゴ 「そうだ……なぁ、知っているか?蒼鸞もまた鳳凰の一つなのだ……鳳凰が『成った』いま、俺は金翅となったのだ……」

ゲボッ

ショウゴが、血を吐いた。

マリオ 「……ショウゴ、お前……」

ショウゴ 「……何でもない……け……拳志郎……来いッ!」
クィツ

拳志郎 「………わかった」グイッ

ショウゴ 「拳志郎……俺と闘えッ!……俺は、南斗の宿願を果たすために作られた存在よッ。貴様を倒すことが、俺の存在意義」
グッ

ショウゴは手を合わせた。

マリオは、その手の形を見たことがあった。
それは北斗天帰掌……戦いに倒れても決して相手を恨まないという意を示す、北斗の作法だ。

拳志郎 「……おぉ、いいぜ……」 グッ
拳志郎もまた、ショウゴに向かって北斗天帰掌の形に、手を合わせた。

マリオ 「ちょっとまてッ!お前たちは今……戦うのか?」

拳志郎 「俺は、全然かまわないぜ」

ショウゴ 「……来い……」

マリオ 「だが、ジョージが心配じゃあないのかッ……それにショウゴだって、ひどい傷だ……万全の状態じゃあないっ!」

拳志郎 「マリオ……お前のいう事はわかる。だが俺にはショウゴの……南斗の思いも受け止めるべきだ……コイツも、俺にとっては強敵(トモ)だ。強敵の思いは、俺には重い……」

ショウゴ 「…………」

拳志郎 「コイツは今が、100%のベストコンディションだ……オレには、わかる……」

マリオ 「拳志郎ッ、まて、考え直せッ」
ガシッ

拳志郎 「ジョージは……強いッ。アイツなら、持ちこたえられるはずだ……マリオ……お前は、行ってやれ」
スッ

マリオ (だめか、拳志郎がこうなってしまっては……拳をかわす以外に、この場を収める方法は無いか………)

ショウゴ 「グオォォッ」
ドガッ!

ショウゴが、拳志郎に拳を打ち込もうとしたッ!
だがその拳を、マリオが受け止めるッ!

ショウゴ 「マリオ……キサマ……」 

拳志郎 「おいおい……」

マリオ 「……………ショウゴ……お前に聞く。それは今か?……本当に今が、お前が賭けてきたものを出すべき時か?」

ショウゴ 「………」

マリオ 「答えろ……」

ショウゴ 「……当然………と言いたいところだが、俺も今のこの国の惨状には思うところがある……行け………拳志郎。そして帰ってきたら、俺と死合え……」
クッ

拳志郎 「わかった……フッ」
クルリッ


シュワワワワ……
ショウゴ→ショーコ

ショーコ 「……そうよ、ジョージはワタシが狙ってるのよッ。アンタたち、しっかり助けなさいよ………」
パチッ

マリオ 「……ああ、任せてくれ………」

ダダダッ

ショーコ (アンタたち、無事に帰ってくるのよ……フフフ………)

ズルッ……

タタタタタ……

マリオ 「よし、ついたぞ………ここが、英国陸軍司令部のある建物……だ」

拳志郎 「さぁて、やるか……乗り込むぞ」
ポキポキポキ

マリオ 「ああ、行こう」
ギャルルルルッ

拳志郎 「おお、気ぃ張れよ……マリオッ」

ドガァアアアアンンッ!

突然、建物の壁にひびが走り、砕けた。
割れた壁を突き破り、甲冑をまとった2人の男が拳志郎とマリオの前に現れたッ!

二人の男は、それぞれ鉄の塊のような重厚な甲冑をかぶっていた。

?「Gzyiiiiiii!俺の名は、ウィンザレオッ!獅子王ウィンザレオッだッ!!」

??「Byaaaaaxtu !我が名はアイクマン……稲妻の騎士アイクマンよっ!」

獅子王ウィンザレオと名乗る男は、巨大な斧を……
稲妻の騎士アイクマンと名乗る男が、槍を構えた。

それはまるで鉄塊のような、おおざっぱな、巨大な……武器だ。

拳志郎 「へへへ……少しは歯ごたえのありそうな奴が来たな……」

マリオ 「こら……そんなに嬉しそうな顔をするなよ……そんな余裕はないだろ」

拳志郎 「ハッ……そんなこと言っているが、お前……嬉しそうだぞ」

マリオ 「………」

拳志郎も、マリオも二人の事は知らない……



中世時代、騎士を修練する町だったウインドナイツ・ロットでは、77の輝輪(リング)と言われる地獄の訓練があった。
それは、重い甲冑をつけたま崖や川を越えて10Kmにおよぶ町の北東山道を登る訓練であった。その途中、77人の敵と殺し合い、対戦相手が身に着けている腕輪や足輪を証拠の戦利品として身につけたまま先に進まねばならない……と言うものだ。

勝ち抜くにつれ、体は少しずつ重くなり、最後の77人目との戦いでは合計76個、重量にしておよそ100kgを身につけて戦うことになる。
その重さから、ほとんどすべての挑戦者が途中で殺され、ウインドナイツ・ロットの長い歴史の中でも、この修練をやり遂げたものはたったの5人と言われていた。それは……

•1327年 獅子王ウィンザレオ
•1389年 イナズマの騎士アイクマン
•1408年 独眼のカイネギス
•1563年 タルカス
•1563年 黒騎士ブラフォード

この五人だ。その内の二人、獅子王ウィンザレオとイナズマの騎士アイクマンが、拳志郎とマリオの前に、立ちはだかっているのだ。


今日はここまでです。

近々更新します。

もう少し、更新に時間がかかります……


トニオ 「イギリスの歴史上の英雄が、俺たちの前にいる……」

拳志郎 「……へっ、腕がなるぜぇ」 ポキポキ

トニオ 「拳志郎……君は素手だ……武器を持った相手との戦いは、俺に任せないか?」

拳志郎 「あぁぁ?オメェー、美味しいところを持っていこうって言うのかよ?」 ダッ!
拳志郎は、巨大な斧を持った獅子王ウィンザレオに向かって、駆けるッ!

拳志郎 「おりゃあッ!」 ヴァシュッ!
拳志郎の一撃ッ!
ウィンザレオの腹に、拳志郎の拳が命中するッ!

ウィンザレオ「……フン」
だが、ウィンザレオは微動だにしない。

拳志郎 (オイオイ……確かに秘孔を突いたはずだが……ケッ、泥が秘孔をふさいでやがるのか?)


ウィンザレオ 「…ゴミカスがッ!」
逆に、ウィンザレオの巨大な斧の一撃が、拳志郎を襲うッ

ザシュッ
ヴゥヮッン

拳志郎は、とっさに後方に飛び下がり、斧の連撃を回避する。

ウィンザレオ 「ウォォォツ!」
ウィンザレオは宙を飛び、斧を拳志郎めがけて振り下ろすッ!

拳志郎は、巧みなステップで回り込み、斧の一撃をかわすッ!

ガャウウ――ンッッ!!
目標を外した斧は足元の地面にぶつかり………床石を砕き割るッ

メシッ……
バリッッ

突然床が砕けちり、四人は地下の空間に向かって、落ちていくッ


墜ちていく拳志郎とマリオの周囲に、ガレキが降り注ぐ。

拳志郎 「……はっ、やるじゃねーか」タタッ

マリオ 「くっ、高い……回転で、衝撃を和らげるしかないか」 クルッ

二人は空中でガレキを蹴って移動し、ガレキを回避していく。

一方、ウィンザレオとアイクマンの二人は、スイカほどもあるガレキが頭にぶつかっても、まったくダメージを受けた様子が無かった。

ウィンザレオ 「……アイクマン、俺の獲物をとるなよ………」 グッ

アイクマン 「……」 ギュッ

マリオ 「しかし、なんてむちゃくちゃな奴だ。斧の一撃で床を砕くなんてッ……」
降り注ぐ瓦礫にはばまれ、マリオの視界から、拳志郎達の姿が消えた。


落下していくマリオに、アイクマンが狙いを定める。
アイクマンは自らも落下しつつ、『稲妻のような』槍の一閃をマリオに振るうッ

マリオ 「グオッ!」 ザシュッ
避けきれなかったマリオの左肩に、槍が突き立つッ!
マリオ 「ゲブッ!」 グイッ

マリオ (なっ、なんて速度だッ!よけきれないぞ……次にあの攻撃を喰らったら、死ぬッ)

アイクマン 「ブヒャヒャヒャヒャッ!死ねィッ!……500年前のように、俺の槍に突かれて、歓喜で悶え苦しみながらッシネイィ!」

マリオ (クッ!) タッ

マリオは、とっさに自分の周囲に舞っているガレキをアイクマンに向かって蹴り飛ばす。
その反動を利用して、再びアイクマンから距離を取るッ!

アイクマン 「させぇるかよぉッ」 ギュルルルルルッッ
アイクマンが槍をしごく。
その槍が高速で回転を始めるッ!
アイクマン 「クラエッ!我が通り名、『イナズマの騎士』の由来となったこの技で、貴様をぶち抜いてやるわッ!」


グルルルルルルルッ
ギュルルルル

マリオ (ううぅッ!何かやばいぞッ!奴の手の中の槍が、回転を始めたッ!輝き始めたぞッ!)

ギラギラッ!
あまりの高速回転により、槍の表面がまるで鏡のように周囲のぼんやりとした光を集め、反射するッ!

ギラギラッ

マリオ (まっ、まぶしいッ!ただでさえ高速の突きが、良く見えないッ……まずいぞ、ガレキの陰に隠れるんだ……) ガッ

アイクマン 「無駄だッ! 喰らえッ!覇極流奥義、旋峰塵ッ」

ギャルルルルッ

とっさに、宙を舞う瓦礫の陰に隠れたマリオ……だが、アイクマンの槍は、まるでジャガイモに串を通すかのように、ガレキを貫き、マリオを襲うッ!

ギャルルルルッ!

マリオ 「グォォォオオオオッ!!!!」 グサッ


アイクマン 「ククククッ!手ごたえありッ」 ダッ

地面に着地したアイクマンが、笑うッ!

アイクマン 「ギャハハハハッ!身の程知らずのヒヨッこの現代人共がッ……さて、あと残り1人を、ウィンザレオと協力して殺るか……あ奴ら、どこにいる?」

アイクマン 「……おお、あそこか……まだ、ウィンザリオの奴も決着を付けていないようだな……楽しんどるのか? だが、まずはこの槍を投げつけてやるか……」 グイッ

バシュッ!!

アイクマン 「………」

アイクマン 「なんだ?なぜ槍が飛んで行かぬ?ぬっ?」
その時、アイクマンは槍を持っていたはずの自分の腕が、ちぎれているのに気が付いた。

アイクマン 「なっ?なんだ?」キョロキョロ

ギャルルルルッ!

バシュッ!

アイクマン 「ガッ!……バカな……今度は、俺の右ひざがぶっ飛んだ……痛みは無い……どいう事だ?」

マリオ 「まだ気が付かないのか」スタッ


アイクマン 「むっ、キサマ……」 ギロリ……

マリオ 「……ハァ……ハァ………」ヨロ……

アイクマン 「キサマ……確かに槍で貫いて、地面にたたきつけてやったハズの、貴様がなぜ……」

マリオ 「フッ……かっ、簡単だ。空中で、ガ……ガレキの陰に隠れたのには、理由があったのさ……キサマが必ず、ガレキを貫いて攻撃する……そう思ったから、俺はあらかじめ瓦礫の陰に鉄球を押し付けていた……キサマが貫いたと思ったのは、俺じゃない。この、鉄球だ……」 ドサッ

マリオは、そういうとズタぼろに崩れた鉄くずを、地面に投げ捨てた。
それは、鉄球の慣れはてだ……

マリオ 「そして、回転の力で、地面に衝突した衝撃は逃がした……」

アイクマン 「きっさまぁぁぁ!もう一度だッ!もう一度地獄へ送ってやるわッ!喰らえ……覇極流ッはきゃ……?……はきぃぃ……あきぃくりぃ……あッ」

バシュッ!

その時、アイクマンの顎が、ぶっ飛んだ。
マリオの投げた鉄球が、命中したのだ。


マリオ「これが、最後の回転だ………く……喰らえッ!」

バシュバシュバシュバシュッ!!!!!

アイクマンの周囲に漂っていた小さな回転……その弾が、次から次へとアイクマンを襲うッ!

アイクマン 「あびぃつッ!!!あでぇぇぇっ!ひでっ!!!」 ぶっ!

アイクマンがのけぞった隙に、マリオが懐に潜り込むッ!

マリオ 「止めだッ!」 クルッ 

回転の力を込めたマリオの掌底が、アイクマンの頭を吹っ飛ばすっッ!!!!

バシュッ!

マリオ 「……」

マリオ 「ハァ……ハァ……」




その頃……


ダシュッ!

拳志郎 「ああ、ちょっぴり足がしびれやがるな……まぁ、無理もねぇか。ちょっとばかし、高かい所から墜ちたからな」 ピリピリ……

拳志郎 「……さて……」キョロキョロ

ウィンザレオ 「*$&&&@*!!」 ヴゥヮッンッ!

瓦礫を吹き飛ばし、埋もれていたウィンザリオが立ち上がった。
ウィンザリオは、手にした斧をめまぐるしく動かしながら、拳志郎に襲い掛かるッ!

拳志郎 「ウワッハハハハッ!良かったぜェ、おめえが無事でよォッ……これでようやく楽しめるゼェッ!」 ダッ

拳志郎は巧みにフットワークを使いながら、暴風のような斧の攻撃をかわすッ


拳志郎 「オリャッ!!」 ヴォンッ

拳志郎が、ウィンザリオの斧に向かって拳を振るうッ
ウィンザリオの斧の刃がギラリと光り、拳志郎の拳を迎え撃つッ

その拳の軌道が、クィッと曲げられた。
拳志郎は、ウィンザリオの「斧を持つ手」の指に、その拳を叩きこむッ!

べシィッ!

ウィンザリオの指が潰れ、斧が吹っ飛ぶッ!


ウィンザレオ 「*$&@&%%#%*!!」
だが、ウィンザリオはそのままひるむことなく、拳志郎に向かってタックルをぶちかますッ!

拳志郎が、まるで砲弾の様にぶっ飛ぶッ!

ドッゴォォ―――ンッ!

拳志郎 「ゲブッ!」 ヨロ

ウィンザレオ 「ほぉ……我が渾身のタックルを受けたくせに……立ち上がるか。ひ弱な人間の分際で、良く立ったな」 クククク

拳志郎 「なんだ、テメェ喋れたのかよ……」 ケッ

ウィンザレオ 「……フン……東方の猿と話す言葉など、持っておらぬ……だが、貴様は我がタックルを受けても立ち上がりやがったからのぉ……褒美に、我が声を聞かせてやることにしたわ」

拳志郎 「……良くしゃべるヤツだ」 ブォン

拳志郎が攻撃に移るッ!

だが、

拳志郎の連打を、ウィンザレオはいとも簡単に受け止めて見せた。

ウィンザリオ 「フン……スローな拳だ」


拳志郎 「あぁぁ?」

ウィンザリオ 「所詮は、サルのつかう拳法よ……我が、泰山旋斧を避けきったことは褒めてやるが、拳の重さ……攻撃力にかける……と言うところか……」

ウィンザリオ 「そしてキサマ程度の腕では、我が拳を避けることは出来ぬ……喰らえ、泰山破奪剛ッ」クワっッ
地に衝撃波を放つほどの猛烈な一撃が、拳志郎を襲うッ!


だが……

だが、その拳は力なく拳志郎をたたく……

ウィンザレオ 「!?なんだ?」 ペチッ

拳志郎 「ケッ……オレの拳がおせぇ……だとぉ……てめぇは、俺の拳を見逃していただけだ。ボケッ!……」

ウィンザリオの両手 “バッシュゥッ!”

ウィンザリオ 「なっ、俺の腕が?なぜだ?」

拳志郎 「テメェがおせぇとほざいた俺の拳だ。あの時、すでに鏡明という秘孔を突いておいたぜ……テメェの拳は、爆裂する……」

ウィンザリオ 「ウゴォオオオオオッッ!!!キサマッ!!!ヨグモォッ」

ボンッ



拳志郎とマリオが戦っていたまさにその頃……

ジョージは、ボロボロになっていた。

ジョージ 「ぐわっ」 ガガガッ

ヨーナ 「……スター…ジョージよ……お前、もしかしてこんな程度なのか?失望したぞ」 ドガガガガッ

ジョージ 「クッ」 ヨロ……

ヨーナ 「ボロボロのくせに、良く避ける……」

ジョージ (クソッ!コイツ、認めたくはないが、本当に強いぞ……早い、うまい……そして、ベラボーなパワーだ……) ギュッ

ドゴッッ!

ジョージ 「……ゲブッ……」 ジャリッ

ヨーナ 「もう、普通の人間ならば、10回は死んでいるほどのダメージを与えているのだがな……中々しぶとい」


ジョージ 「総司令殿のおほめにあずかり、光栄です……」 ペッ

ヨーナ 「ふっ、言うわ……では、『かわいい部下』の為に、せめてこれ以上苦しまないよう、あっという間に殺してやるわッ」 バババッ

ヨーナが、懐からスポークのような尖った鉄串を取り出す。
さきほどヤサカが使った鶴嘴千本だ。

ジョージ (くっ……厄介なものを……)

ヨーナ 「ククク、どうした?顔色が変わったぞぉ?そうだ……鶴嘴千本よ。この千本を屍生人のパワーで放ったらどうなるのか……キサマはそう思い、恐れているな?」 チャリッ

ジョージ 「……さっきのガキが使っていたオモチャを今さら見させられて、呆れただけさ」


ヨーナ 「減らず口を……言っておくが、西斗月剣の正当伝承者である我が使う千本は、ヤサカの奴が使うなまくらとは、わけが違うぞ……しかも、お前は今からぞっとする物を見ることになる」 ニュルニュルニュル……

そういうと、ヨーナの周りに泥があふれ始めた。泥はヨーナの体にもぐりこみ、再び現れ……そして……
ヨーナ 「ククク……どうだ、わが能力、ザ・ダートの力で作り上げたこの新たな4本の腕を……合計6ッ本の腕から連射される千本……よけ切れるかな?」 グイッ

ジョージ 「キサマこそ……波紋の……東斗仙道の真の力を受けて、滅せられるがいいッ」 コォォオォォォォォ―――――

ジョージ (拳志郎……クーラ、ショーコ/ショーゴ……師ストレィツオ、母さん、スピードワゴン、それに……リサ……僕に力を……) コォォォォォ―――――ッ
波紋の呼吸をするジョージの手から、銀色の蔦のスタンド、ザ・ソーンが現れる。

ザ・ソーン “バチバチバチ……”


ヨーナ 「………」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ジョージ 「コォォォオオォォ―――ッ」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ………


ヨーナ 「クラエィッ!6本の腕から放つ、鶴嘴6百投ッッ」 バシュシュシュシュシュシュッッ!!!!

ヨーナが、一気に鶴嘴千本を放つッ!
まるで暴風雨のように、無数の千本がジョージを襲うッ!

ジョージ 「うぉぉぉォォォォォォ!」 ダッ!

なんと、ジョージは一切よけようとせず、ヨーナに向かって突進していくッ!
眼にもとまらぬ速度だッ! 千本を、一瞬でかわすッ!

ジョージ 「北斗……雷暴神脚ッ」 ブォッ

ヨーナ 「付け焼刃の北斗の業などッ!」 バシュッ!

だが、ヨーナはジョージを上回るほどの軽功を見せ、素早い動きで再びジョージから距離を取る。
ジョージの脳天に向け、再び千本を打つッ!


ジョージは、両腕をそろえて盾のように突出し、千本を受け止めるッ!

ジョージ 「クォォォォォッ!跳ね返せッ!南斗の鉄壁」 
バスバスバスッ

ヨーナ 「チッ」 ヴォンッ

舌打ちしたヨーナが、今度は突っ込んでくる。
自らの拳を、ジョージに振り下ろすッ!

ジョージはその拳を、すり抜けるッ!

ジョージ 「喰らえッ!元斗 破の輪 & 波紋ッ!」

ジョージの拳に、スタンドの拳が覆う。

その拳が、太陽の山吹色に染まるッ!

元斗の破の輪のように、波紋を帯びた気が、拳の周囲を照らすッ!

ジョージはその拳を回転させ、コークスクリューブローを放つッ!


ガチッッ!!

ヨーナの拳を、ジョージの拳が弾き返す!

ドガァッ!

ヨーナがぶっ飛ぶッ!

ヨーナ 「ガッ……馬鹿な、俺の体が……無敵なハズのオレのザ・ダートが……」シュワワワワぁ―――

ヨーナ 「とっ、溶けていくぞ……」

ジョージ 「拳達にならった闘気が、貴様の泥を跳ねのけた。僕のスタンドが、キサマの体を貫いた。そして、貴様の本体に波紋をぶち当てた確かな感触がある……」


ジョージ 「完璧な一撃を当てた……これで、あなたは消えゆくのみ……僕の……勝ちだ」 グイッ

ヨーナ 「……」

ジョージ 「これから僕は……女王陛下の名に懸けて、貴様を……キサマの止めを刺す。言い残すことは、無いか?」 グィッ

ヨーナ 「クックック………やれ」

ジョージ 「!?」 ゴブッッ

不意に、ジョージの口から血が噴き出た。

ジョージ 「バカな……」


いつの間にか……

いつの間にか、ジョージの背後に立っているものがいたッ!
その男は、ジョージの背中に爪を突きたてているッ!

???「クックックッ……油断したな?イギリスの歴史を学ばなかったのか?77の輝輪(リング)の試練をクリアした戦士が、まだいたことを……」

ジョージ 「……ばか、な……」ゲブッ

??「俺は、独眼のカイギネスッ!くらったな?、我が毒の爪を……」

ジョージ 「ガッ……」 ヨロッ……

カイギネス 「ほう……まだ息があるか?だが………止めを刺されたのは、キサマだったな……」 クックックッ……

今日はここまでです。

次が最後ですが、今度はあまり時間をかけずに続きがupできると思います。

久々に見にきたらめっちゃ更新されてた
初期ジョジョと北斗は似たような劇画だからか想像しても違和感が殆どないんですよねー

>>890
感想ありがとうございます!
初期ジョジョと北斗は似てますよね。確かに、このSSはそれをイメージして書いています。

これから、続きを書きます!


クックックッ……

カイギネスは、両手に取り付けた長い鋼鉄の爪をぺろりとなめた。その爪の先には、緑色のネチョネチョした粘液がこびりついている。

ジョージ 「ガッ……ゲブッ……」 ガクガクガク……

カイギネス 「ほほぅ……さすがは『東斗仙道』の男……と言ったところか?まだ生きているとはなぁ……」

ジョージ 「ゲボッ……ゴボォ……」 ガタッ……


ヨーナ 「カ……カイギ……ネス……奴の止めを……」 ジュルジュルジュル………
ほぼ全身がとけかかっていたヨーナが、口を開いた。

ヨーナの全身から発されていた煙が、じょじょに収まっていく。
泥が地面から浸みだし、ヨーナを覆っていく。溶けたヨーナの体を埋めるように、泥がまとまっていく。

カイギネス 「……わかったよ、マスター……」
カイギネスは肩をすくめた。その毒の爪を、ジョージに向けて大きく振りかざすッ!


ジョージ 「……」
冷たい床に突っ伏しているジョージは、時折ピクピクと身をけいれんさせている……

カイギネス 「さっさと死ね……『スター』どのよぉ」
カイギネスがあざ笑う……だが次の瞬間……カイギネスの体が、とつぜん宙を舞うッ!

???? 「オラァッ!」
窓から飛び込んできた男が、カイギネスに跳び蹴りを入れたのだ。

カイギネス 「ボゴッッ……」 ガッ……
たった一発の蹴り、だがカイギネスの足が不意に力を失う。地面に倒れたカイギネスは、無様に手足をバタバタと動かした。


男は着地ざま、今度はヨーナを蹴り飛ばすッ!

ヨーナ 「グォッ」 
ヨーナはかろうじて男の蹴りを受け止めたが、その衝撃でぶっ飛ぶ。

????? 「ッたくよぉ……背後から毒で攻撃たぁ、つまんねー事を考える奴だな……テメェ……そんなよわっちぃ癖に、イギリスの歴史に登場する勇士様の司令官だとォ……」

ヨーナ 「グッ……」 ジュロジュロジュロッ……


????? 「おぉっと……オメェ―の心配もしなきゃな……おおっとぉッ、今は息がつけられねぇーみてぇだから、好都合だな……秘孔がばっちり利くはずぜ」
飛び込んできたその男……霞 拳志郎は、倒れていたジョージをそっと抱きかかえた。その左胸の三か所、秘孔を突く。

拳志郎 「安騫孔(あんばくこう)だ。コイツは、毒素への抵抗力を倍加させるぜ……これで息がつけるようになるだろ」

ジョージ 「ゲッ……ゴボッ……ゴッ……ゴォ”オ”オオオォ……コォォォオオオオ……」
呼吸が回復していくと同時に、ジョージの顔つきに力が戻っていく。

ジョージ 「……来たのか……」

拳志郎 「あぁ?”来たのか”じゃねェッ!いいか、ジョージィ……コイツは、俺がやっちまうぜ。いいな……イギリスの歴史上の英雄様を、やっちまうぜ。いいか、歴史に文句があったら、俺に言えコノヤローッ」 


カイギネス 「抜かせコノヤローッ!さっきは不意打ちを食らっただけだァッ!!」
ようやく足に力が戻ったカイギネスが、立ち上がり、拳志郎に向かって跳びかかるッ!

拳志郎 「オッせぇぜ。スローすぎるぞ、テメェッ!」 

スッ
ドガッ!
拳志郎が、カイギネスをぶちのめす。

拳志郎 「アタタタタタタタタタタタタ……オラァッ!!」

カイギネス 「ガガガガガッ!!」
カイギネスも、応戦するッ!


その戦いを横目で見て、ヨーナがそっと動きだす。
ヨーナ 「クッ……」 コソッ……

ジョージ 「待ちなよ……司令……」 グイッ

ヨーナ 「きっ……キサマ……」

ジョージ 「言っただろ……キサマの止めを刺す……と」 ググッ

ヨーナ 「うっ……ううっッ!」

ジョージ 「ゴラッ!」 バゴッ

拳志郎 「アタタタタタタタタッ!!!!」
ジョージ 「ゴラゴラゴラゴラゴラッ!!!!」

拳志郎・ジョージ 「オ”ラァッ!!!!」 






そして、時は移り、世代も変わる!19年後、1938年、南米ッッ!

飛行場に、ヘリコプターが到着した。そこから、一人の男が降りてくる。

我々は、この男を知っているッ!いや!このまなざしとこの顔の傷を、知っているッ!

??? 「久しぶり、スピードワゴン……事業が忙しいと聞いていたけれど、元気そうで何よりだよ」

スピードワゴン 「……ヤレヤレ、ワザワザご苦労だったな。ジョージ」

ジョージ 「……大丈夫だよ……スピードワゴンの頼みなら、どこにだって行くさ……で、なんで僕をこんな『南米』のジャングルに呼んだんだい?」


スピードワゴン 「……お前に、壊してほしいものがあるんじゃよ……その東斗仙道でな……」 

ジョージ 「……わかりました……」




………


さらに舞台がかわる。そこはアメリカ、NYッ!

??「あの……なんていうか、あのですね……そのサイフは、私が彼にあげたものですよ。おまわりさん……」

………


「図に乗るんじゃあないッ!このアメ公ガッ!」

警官1 「アンギャァ――――ッ!! 抜いて、抜いて、いてぇよォ――――ッ!」

警官2 「ああ、こいつ抵抗する気かァ!」 チャリッ

?? 「ケッ、撃ってみろッ!だが覚悟が要るぜ。撃鉄を起こした瞬間、テメェ―の指をへし折るッ!マッチみてぇになッ……」 ズサッ

警官2 「このキョリでか―――脳天、ブッ飛ばしてやるぜ!」 カチッ

ヒョイッ
警官が撃鉄を上げた瞬間、横からでて、その拳銃を奪った男がいた。


警官1、警官2 「ウッ……」

????? 「こらジョセフ……テメェ、修行から逃げ出したかと思ったが、何しやがるんだ、テメェ」 ゴチィッ!

ジョセフ 「ウッワァッ……勘弁してくれ、お師匠様よぉ……」

警官1・警官2 「こらっ!キサマら 警官の銃を奪うなどと、銃殺ものだぞッ」

????? 「あぁぁ?なんつっった、オメ―……俺達に文句あんのかよ」

ジョセフ 「……」

拳志郎 「あぁ?文句があるならよぉ……それは、俺に言えッ!!!!」 ドガァッ


ジョセフ 「拳志郎師匠……そりゃあやりすぎだぜ、ちょっとばかしよぉ……」

拳志郎 「……確かに、やりすぎちまったかもな……だがいい。オイ……これからメキシコに行くぞ。ジョージの奴から電報が来た」

ジョセフ 「……親父から?」

拳志郎 「ああ、それにオメェの母ちゃんからもだ……何でも、ちょっとやばい代物がナチス野郎どもに盗まれたらしいぜ……」

ジョセフ 「ちょっと待ってくれよ。何だい?その『ちょっとやばい代物』ってよぉ」

拳志郎 「しらねぇよ。だが、オメェの父ちゃんが助けを求めているんだぜ……ただ事じゃあねェよ……ホレ、とっとと行くぞ……警官が来る前に、逃げるゼ」 クィツ

ジョセフ 「おいッ!勝手に来て、勝手に消えんなよ……まったく……おい、そこのひったくり……スモーキーだったっけか、おめぇも来いッ!逃げるぞッ!」

スモーキー 「……わかった……」ダッ

ジョセフ 「参ったぜ……エリナおばあちゃんと、リサリサ母ちゃんが二人して作ってくれたジャケットに、血が付いちまったぜ……」 ダッ

スモーキー(なんなんだ、コイツ……警官を殴ったことより、知り合いからもらった服を汚したことの方が、気にかかるのか……)



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(FIN)


この話は、これで終わりです。いかがだったでしょうか。
最後まで読んでくださった方々、ありがとうございましたッ!