男「ふん。共存か」(202)

tv「本日をもって、ゾンビ解放令を発布します」

tv「収容所から解放することになり、人権も持つようになります」

男「……共存しろってことか」

男(思えば結構長かったな……これが出るまで……)

男(突如現れた新人類……見た目からして、ゾンビ)

男(その見た目のせいで随分迫害を受け、収容所に入れられた)

男(しかし……人権を与えられて人間として出てきたけど……)

男(まだ収容所に入ってたというイメージでいじめを受けるんじゃないか……)

男(難儀なことだ……)

男「肌の色なんか土気色だからゾンビって名前になったし汚いってイメージになったんだな」

男「……ん・もうこんな時間か。買い物に行かないと」

男「いってきまーす」カ゛チャッ

モブ「奥さん聞いた?ゾンビ解放令ですってよ!」

モブ2「全く、復讐とかされないかしら?」

モブ「ああー!その可能性もありますわね!」

男(ああー嫌だ嫌だ。これだから人間って生き物は……)

男(すぐ自分の保身を考える)

男(ある意味内閣総理大臣も出来た人間だ)

男「世捨て人になって数年か。長いな」

男「世の中のことはだいたいどうでもいいが、人間の扱いには敏感になったな」

男「世捨て人ならでは」

男「山の生活も慣れたし、そろそろ社会ってやつに出るか?」

男「……やめとこう」

男「いい加減固定資産税キツいし、働くか?」

男「いやいやでも内職してるしギリギリ働いてるよね?」

男「ネット同人で壁サークルになったし、黒字だし」

男「………まだ社会でなくていいや。辛くなったら就職しよう」

男「すいませーん、ネギと……はい。牛肉を。はい。いつも通り4kg。お願いします」

店主「………もってけ」

男「あ、いつもサービスありがとうございまーす」

店主「……ラードだしそれ」

男「ついでにパン耳もらえます?」

店主「………」ホ゜イッ

男「ホントに色々ありますね」

店主「………それが売りだから」

男「なるほど」

男「ありがとうございましたー」

店主「…………」
________________
男「帰り道は山道とはなんという妖怪だろうか」

男「……………ん?誰だあれ」

?「…………」モソ゛モソ゛

男「な、なにやら蠢いて……ネギ装備しておこう」

?「…………」クルッ

男「いやああああああああああああ!!こっち見たああああああああああ!!」ヘ゜チン

?「…………」キ゛テ゛ン

男「あ、あれ?ネギで殴ったら倒れた………」

男「なななななんだ……?家の近くで人を見たのは久しぶりだ……」

?「…………」ク゛テ゛ン

男「と、とにかく非は自分にある。家に運ぼう」ヨイショ

男「!?軽い……なんじゃこら……」

男「山道でもスイスイだな」

男「到着だ」

男「布団に寝かせるか……」

男「………ん?この人……ゾンビ?」

男「土気色の肌だし……なによりこの囚人服……」

男「物資の支給はされないから着るものなくてみんな囚人服らしいし……」

男「どうしよう……」

男「す、すいませーん……すいませーん……」ユサユサ

?「う、うーん……うぇぇ……」

男「だ、大丈夫?ケガとかあるけど……」

?「こ、ここは……」

男「俺んち。まぁ、山の中だけど」

?「ひっ……ち、近寄らないで………」

男「はぁ?なんで?」

?「嫌ぁ……いじめないで………」カ゛クカ゛ク

男「ま、待って。絶対いじめないから、名前だけでも教えて?」

?「…………女、です……」カ゛クカ゛ク

男「えーっと、女さん。俺はいじめないから。怯えないで」

女「う、嘘でしょ。安心させておいてなんて、もうやり尽くされた手だわ!」

男「本当どうしよう……とりあえず落ち着いて……」

女「こ、こんな場所で落ち着けるわけないでしょ!?やだぁ……いじめないで……殺さないで……」

男「困ったなぁ……ホントにそんな気は……」

女「し、しつこいよ!いじめるんでしょ!?」

男「だから……」

男「そ、そうだ!食べ物でも食べるか?落ち着くと思うし」

女「こ、今度は毒!?またやり尽くされた手で……どうせまた……」

男「なんなら、作ってるとこ見せてやろうか」

女「その手も知ってるわ!塩と称して毒盛られて……」

男「だったら、塩も砂糖も俺が舐めてから使うから」

女「人が舐めたもの入れられるとか」

男「なぜそこだけ思春期女子」

男「とにかく!安心してよ!大丈夫だから。試食でもなんでもするから」

女「……ホント?」

男「ホントのホント!嘘だったら舌噛み切って死ぬ」

女「……………」

男「作るからね!嫌だって言っても作る!」

男「やったろうじゃねぇか!」

男「えーっと……卵掛けご飯を……焼く……」

男「そこになんとマヨネーズ投入……そして塩胡椒……ふふ……うまそう……」

男「おっと鶏ガラっと……」

男「特製、『卵焼きも出来ない母ちゃんでも出来る!チャーハン』の完成だ」フ゜ーン

女「……………」クンクン

男「どうした?食べていいんだぞ?」

女「ど、毒が盛ってあるかもしれないでしょ!!」

男「ほら、食べてやるって。毒なんか盛ってたら俺が死ぬわ」モク゛モク゛

女「……………はむ」ハ゜ク

男「うまいか?」

女「…………!!」

女「お、美味しい………」

男「だろ。ふふ」

女「……はっ!そうやって今は楽しませておいて後で殺すって寸法でしょ!?バレバレなんだから!」

男「どこの晩餐だよ。アホか」

女「でも……仲間はみんなこうやって…… 」

男「……確認したいんだが、お前、ゾンビか?」

女「そ、そうだけど……」

男「……なるほど。納得がいった。そうだったらそんな反応になるのが当たり前だな」

女「……知らなかったの?」

男「いや、ひっかかってただけだ。なんでこんな所にって」

女「そ、それは……」

女「あ、あの、私、ゾンビとして子供の頃から収容所に入れられて来たけど、
  しょっちゅう収容所の人がいたずらで犬で追いかけさせて……追い回されてるうちに、怖くなっちゃって……」

男「ふん。やっぱり役人にロクなやつがいない。人種差別もひどすぎる」

女「そ、それで解放令が出て、外に出たら……野良犬がいて……また追い回されて……気絶してたの……」

男「ふーん。それであんなピクピクとしてたわけだ」

女「あ、あんた、外の人間でしょ?なんで私に、こんな優しく……」

男「ああ、自己紹介が遅れたな……」

男「俺は男。この山に住んでる」

女「住んでる?」

男「そう。莫大な金を出してここを買った。そして住んでいる。ここは結構静かでね。好きなんだ」

女「なんで住んでんの?」

男「所謂、世捨て人ってやつかな。国の役人のバカ達が嫌になってね。仕事も何もかもやめて山に住んだ。
  俺も以前は国のために働いたがバカバカしくてね。親もとっくに死んだし、文句を言う奴は誰もいない。最高だ」

女「友達とか、いない?」

男「友達もみんなとっくに幸せな家庭でも築いてるんだろうね。縁の無い話だが」

女「そうなの………」

一旦落ち

支援(゚?゚)

男「別に寂しくはないぞ。数年間この生活だし」

女「……そう」

男「お前こそ寂しかったんじゃないか?親とかと会えなくて」

女「べ、別に平気だったわ。生まれて一回も親の顔なんか見たことは無いし」

男「そうなのか」

男「で、どうする?見たところお前はまだ子供だし、学校とか行くのか?」

女「学校ってなに?」

男「……そうか……収容所生活の上で学校なんか必要なかったんだな……」

女「ねぇねぇ、学校ってなに?」

男「それに、まだ差別はあるだろうし学校行かせたらいじめになるかも……」

女「ねぇ!学校って……」

男「いいんだ。忘れてくれ。なんでもない」

女「……ふーん」

男「ちょっと待てよ……」カ゛サカ゛サ

女「ねぇ、なにそれ?」

男「新聞だ。情報が色々と載っている」

女「ふぅーん……」

男「……やっぱり、人権は戻し、今までの贖罪として国民の果たす義務を負わない……」

男「……教育の義務も当然か」

女「なにがやっぱりなの?」

男「……なんでもない」

女「ねぇ、どうしよう?」

男「何がだよ」

女「これから行くところが無いの。国は特別に預かり所を用意するって言ってるけど、
  またいじめられたくないし……」

男「困ったな」

女「………!そうだ!」

男「ん?」

女「ねぇ!ここに住みたい!」

男「……はぁ?」

女「だから!あなたは絶対私のこといじめないでしょ?ちゃんとしたご飯出してくれるなんて、
  本当に久しぶりだったし、そういう役人の人も優しかったわ!」

男「……いいのか?こんな山奥だし住んでる場所は洞窟だし畑で食べ物とか作ってるから畑仕事もあるし」

女「いいから!私はあなたの所がいいの!」

男「………それならいいけどさ……」

女「じゃ!よろしくね!」

男「ふー……そうこうしているうちに、もう夜だが」

女「じゃ私寝るね!」

男「おいおいおい待て。何で地面に寝ようとするんだ」

女「他にどこで寝るの?みんなで寝てるときはコンクリートの上で寝ているわ」

男「……はぁ。普通の生活から仕込まないといけないとは。厄介だ」

女「………??」

男「ちょっと来い」

女「………?」

男「いいか。ここで寝ろ」

女「なに?これ」

男「布団……と、ベッドだ」

女「わー!すごーい!ふわふわしてる!」

男「ここで寝ろ。わかったな?」

女「いいの?こんないい所で……」

男「バーカ。普通はここで寝るんだ。これからはお前に『普通の事』を教えてやる。まずは寝床だ」

女「へえ……こんなにふかふか……最高の気分………ぐぅ」

男「……おやすみ」

─朝─
男「ふぁーあ……あれ、早いな。まだ六時だぞ」

女「収容所ではずっと五時に起きていたわ。ほとんど反射的に起きちゃう」

男「いいか。ここでは好きなだけ寝てていいぞ。わかったか」

女「そういわれても………反射的に……」

男「じゃ、慣れるまでずっと寝てろ。ベッドに戻れ」

女「……はーい」

女「じゃああなたは何をしに起きてきたの?」

男「仕事だ。ていうか、畑仕事だけど」

女「なに?それ。畑って?」

男「……寝たいか?」

女「全然。目が覚めてる」

男「……そうか。ちょっと着いて来い」スタスタ

女「うん」スタスタ

男「ここが畑だ」

女「へー……ねぇ、葉っぱがいっぱい出てるよ?」

男「葉っぱじゃない。アレはほんの一部だ」

女「へー?」

男「ちょっと見てろよ……ふんっ!」ス゛ホ゜ッ

女「すごい!すごーい!なんも無いところから大根が出てきた!」

男「これを育て、収穫するのが仕事だ」

女「これ引っこ抜けばいいの?」

男「ああ。それとそれとその列を全部抜いてくれ。あとは水やりと肥料を足す」

女「わかった!よいしょ、よいしょ」

男「ああーダメダメ。こう、根元を持つ感じで」

女「ふぁぁい!」ス゛ホ゜ッ

男「おお、中々いい筋だ」

女「そ、そう?」

男「ふぅ……もう昼か。一旦帰るぞ」

女「うん」

男「ちゃんと着いて来いよ?じゃないと山ん中迷子になるぞ。広すぎておれでも探せないからな?」

女「わ、わかった……」

男「出発進行」

女「ま、待ってよぉ!」ハ゛タハ゛タ

男「ただいまー」

女「……なにを言ってるの?」

男「"ただいま"だよ。帰ってきたときの挨拶だよ」

男「それも『普通のこと』だよ」

女「へー……た、ただいま?」

男「そうそう」

男「お昼ご飯にするか」

女「なにを食べるの?」

男「白米と……漬け物とお好みで卵」

女「それ、役人さんが食べるものじゃないの?」

男「……いいか、これを食べるのが『普通の事』だ。わかったか」

女「………へー………」

男「じゃあ食べようか」

女「うん」ハ゜ク

男「こら、ちゃんといただきますって言えよ」

女「……なにそれ?」

男「作った人に対して貰うって感覚から生まれた言葉だ。それと命をいただくって意味でもな」

男「これも『普通の事』だ」

女「ふーん………何も言わずに食べてたけど……」

男「いただきます」
女「いただきまーす」

男「ほら、食べろ」

女「うん」ヒョイッ ハ゜クッ

男「おい、なんで手づかみなんだ」

女「いっつもこれで食べろって言われてて……」

男「だーっ!もう!収容所の時代はもう忘れろ!これからお箸の持ち方を教える!」

男「これも『普通の事』だからな!」

女「う、うん」

男「人差し指はこう!」

女「人差し指ってどれ?」

男「これ!」

男「それで中指を……」

女「中指は?」
男「これ!」

女「ふんふん……へー……」

男「うん。随分とうまくなったな」

女「すごーい!ちょこってつまめる!」

男「な?ほら、食べれ」

女「うん!」ハ゜クッ

女「……!!美味しい!これ美味しいー!」

男「だろ?自家製だぞ」

女「自分で作ってるの!?すごーい!」

男「そ、そうかなぁ……ふふ」

男「よし!ご飯も食べたし、行くか!」

男「いいか?食べ終わったらごちそうさまでしたって言うんだぞ?」

女「それも『普通の事』なの?」

男「そうだ。作った人への感謝を込めて、命をありがとうございましたって意味で使うんだ」

女「ふーん………ごちそうさまでした」

男「ごちそうさま」

おもしろい

いいな

男「畑仕事再開だ!」

女「おー!」

男「えっさ、ほいさ」サ゛クッサ゛クッ

女「なにやってるの?」

男「土を耕してるんだよ。柔らかくなるよう」

女「なんで?」

男「お前だって地面よりベッドの方がいいだろ?野菜も同じだ」

女「なるほどー……それやってみていい?」

男「おう。いいぞ」

女「わーい」

女「ふぉぉい!」ト゛スッ

男「ぬああああああ!」

男「どこに振り下ろしてんだ!こっわ!」

女「ごめんなさい……」

男「クワはな?こうやって持って……」

女「……それって『普通の事』?」

男「これは……違うかな」

女「ふーん………」

超絶究極支援

女「ふんっ!ふんっ!」サ゛クッサ゛クッ

男「そうそう……うまいなお前」

女「そ、そう?」

男「普通ここまでうまくならんて……初心者だし……」

女「ふふん、やった!」

男「……おっと、日が暮れるな。そろそろ帰ろう」

女「はーい」

男「どうだった?畑仕事」

女「うーん……収容所の仕事より辛くなかった」

男「だからあんなに体力持ってたのか……」

男「さて!夜ご飯食べようか!」

女「えっ?夜でもご飯食べられるの?」

男「……一日何食だったんだ?」

女「一日一食。朝だけ」

男「いつまで働いてた?」

女「うーん……今くらいの時間まで」

男(どうりで贅肉どころが筋肉だけの体だったわけだ……贅肉になる養分がない)

男(栄養のあるものを食べさせないと……)

男「よし!下に降りるぞ!」

女「え?何しに?」

男「無論、メシを食べに行くのだ」

女「ど、どこに?」

男「そうだなぁ……ラーメン屋行くか!」

女「ラーメン、や?」

男「そうだ!すっごいうまいものだ。下降りる準備する!」

女「う、うん」

─商店街─
男「うーんと……ここだ」

女「なにここ」

男「だから、ラーメン屋だ」

女「ふーん……」

男「親父さんどうもーっ!」

親父「へいらっしゃい!おっ!?なんだい彼女かい!?」

男「やだなぁ、そんなんじゃないですって」

女「ねぇ、かのじょって何?」

男「……後で教えてやるから」

女「うん」

親父「で、どうする!うちは味噌と醤油と豚骨しかねぇからな!三品だけで勝負!」

男「俺醤油で。お前は?」

女「しょうゆって何?みそ?とんこつ?」

男「あー……こいつには味噌頼むわ」

親父「へい毎度ぉ!味噌と醤油ー!」

男「ちょっと待ってろよ」

女「うん」

親父「……おい、あんたもしかして……ゾンビか?」

男「ああ。そうだよ。俺のとこに住んでてさ」

親父「大変だもんなぁ。引き取り先も無いわけだし。あんたラッキーだなぁ。男君と出会えて」

女「?なんで?」

親父「男君ほど優しい人と一緒に居るっていうのは、すげー幸せなことなのさ。他のとこにいたら差別だなんだと
   いじめて遊ぶ輩がいやがる。許せないね」

女「ふーん……」

男「優しいなんてもんじゃねぇって……」

親父「おっと!完成だぜ!ほらよ!醤油と味噌!」ホ゜ーン

男「親父さん、そろそろラーメンの器投げて渡すのやめないか。さっきも客死にそうだったぞ」カ゛シッ

親父「すまねぇ!すっかりクセになっちまったよ!」ケ゛ラケ゛ラ

男「全く……ほら、食べろ」

女「……これ、毒とか入ってない?」

親父「あっはっは!ジジイの汗っつう毒なら入ってっけどよ!別に大したことねぇぜ!」

男「大丈夫だって。食べろ」

女「う、うん……」ハ゜ク

男「これな、咥えたらすするんだよ。吸い込む」

女「んっ……はぁっ……ずちゅるっ……ちゅるるっ……」

女「美味しい………」

親父「はっはっ!だろ!?」

男「麺はそうやって食べろよ」

男「これが『普通の事』だ」

女「わかった!」ス゛ッ、ス゛ルルッ

男「ふぅ、ああー食った。おい親父さん。会計の方……」

親父「今回は特別サービス!無料にしといてやるよ!」

男「は?」

親父「あ、無料にするのはそこのゾンビお嬢さんだけだからな。お前は払えよ880円」

男「なんだよなんだよ……」チャリン

女「…………」

男「ほら、お礼を言え」

女「?おれいって何?」

男「いいか、何か感謝しなきゃいけないときは、ありがとうございますって言うもんだ」

男「それが『普通の事』なんだぞ」

女「あ、ありがとうございました……」

親父「はっはっは!いいってことだよ!ていうかもうゾンビのお嬢さんは無料にしてやるよ!せめてもの応援ってやつだ!」

男「あ、ありがとうございます!」ヘ゜コッ
女「あの、ありがとう……」ヘ゜コッ

親父「いやーあっはっは!」

ありがとうございますって言えって教わったのに
ありがとうございましたっていう女…
どういうことなの…④

男「じゃあな、オッさん」

親父「あばよ若造!」

女「らーめんって……美味しいんだね」

男「そうだぞー。お前味噌だっただろ?醤油も美味しいんだぞー。今度また食べに来るか?」

女「行く!絶対行く!」

男「どうせお前の分のラーメン代もチャラになるし、いいか」

男「さて!帰るぞー!」

女「おー」

>>54
単純に俺のミス杉ワロタ

男「ただいまー」

女「ただいま!」

男「メシも食ったし、早く歯磨きして寝よう」

女「………歯磨き?ってなに?」

男「あー……教えてやる。ちょっと家で待ってろ」

女「うん」

~20分後~
男「いいか、これが歯ブラシだ」

女「歯にブラシかけるの?」

男「そうだぞ……ん、ちよっとお前口開けてみろ」

女「ん」

男「うっわ虫歯もひどい……歯医者いかないと……」

女「なにそれ?」

男「歯のお医者さんだ」

女ふーん、そんなのいたんだ」

男「そして、このブラシを使ってこする!」クシャクシャ

女「んんっ……んぐっ……ぷはっ、はぁ、はぁ」

男「ほら水だ、すすげ」

女「モニュモニュモニュ……ヘ゜ッ」

男「どうだ?」

女「すごい!すごーい!スッキリしたような気がする!」

男「しかし歯ブラシを知らなかったってことは生きてきて一度も歯磨いたことないのか?」

女「うん。収容所で仕事して帰ったら疲れてすぐ寝ちゃうしそんなこと教えてもらわなかった」

男「……そうか……」

男「いいか?寝る前には歯を磨く!そしたら寝るときスッキリするし、
  朝から気持ちいい!わかったか?」

女「それって『普通の事』?」

男「ああ、そうだ。『普通の事』だ」

女「うん!わかった!」

男「よへし、もう寝ろ」

女「はーい」

キリのいいとこでまた明日書きます

面白い

良いぞ良いぞおおおおおおおおおおおおお

男「よへし、もう寝ろ」

方言か?

>>64
ミwwwwwwwwwwwwwwwwスwwwwwwwサーセンwwww





ごめんなさい……

じゃあはい再開します


男「おい、畑行くぞ」

女「はーい」

男「返事がいいな。出発」

女「おー」

男「ちゃんと着いてこいよー」

女「わかってるよー」

女「ねぇ、迷子になったらどうしたらいいの?」

男「そうだなぁ……とにかく、大声出してからじつとしてろ。俺が助けにいくから」

女「わかった!それって、『普通の事』?」

男「うーんと……まぁ、そうだな」

女「わかった!」

男「じゃあ始めようか」

女「はーい!」

男「えっさ、ほいさ」

女「ふぉい!とりゃ!」サ゛クッ

男「ははっ!うまくなったな!」

女「でしょ!?」

男「はい休憩ー」

女「はーい!これ食べていい?」

男「それはおにぎりだ」

女「へー……ねぇねえ、いい?」

男「………ああ、いいぞ」

女「わーい!」モク゛モク゛

男「畑仕事もすることなくなってきたな……」

女「もう帰るの?」

男「ああ、そうしよう」

女「今日のご飯なにかなー?」

男「カレーにしようか」

女「わーい!」

男「ふぅ、ほら手伝えよー。テレビのリモコンはテーブルの上置いとけ」

女「それって、『普通の事』?」

男「………いや、違うな。でも俺んちでは普通だ」

女「へー……わかった」

男「じゃあ食べるか」

女「はーい」

男「いただきまーす」
女「いただきます!」

男「うまい……やっぱり俺のメシうまい……」

女「うんうん!」モク゛モク゛

男「いやもうホントうま……ぐぇ」

女「!?」

カレーのことはちゃんと知ってるのね
支援

男「あっ……ぐっ……」(やばい詰まった)

女「えっ!?えっ!?どうしたの!?毒入ってるの!?」

男「がっ……ちがっ……こ……こ……」(ちょっと背中叩いて……)

女「ど、どうするの!?」

男「っ……っ……」トントン

女「せ、背中?」

男「っ…っっ……」コクコク

女「よ、よーし」

女「で……背中をどうするの?」

男「………………っ」ヒュンヒュン

女「……叩くの?」

男「……………」コクコク

女「ふぉい!」ト゛スッ

男「ぶぇっ!」スホ゜

女「すごーい!口からでっかいジャガイモ出た!背中叩くと出るの?」

男「ち、違う……いいか、苦しそうにしてたらとりあえず背中叩いてやれ。わかったか」

女「それも『普通の事』?」

男「ああ、そうだ……うぇ」

男「ふぅ……テレビ見るか」

女「うん」

男「んー」ホ゜チッ

tv「えー、近頃、えー、ゾンビを襲うという、えー、事件が、えー、多発しておりますので、えー、
  くれぐれも、えー、注意してください。以上」テレテレッテテテーン

女「うう……仲間達大丈夫かな……」

男(これだから人間は……)ハァ

男「少なくとも、お前は大丈夫だから、安心しろ」

男「万が一そんな奴がいても、俺がなんとかするから心配すんな」

女「……仲間が逃げてきたら、どうする?」

男「えーっと……引き取る」

女「ホント!?わー!」

男(マジで今だってキツいのに……自分って野郎は……)

男「あーあったく……風呂入るか」

女「ふろ?ふろってなに?」

男「まさか……風呂入ったことないのか?」

女「うん。なにそれ」

男「えーっとなぁ……歯磨きの、体版だ」

女「……ふーん」

女「ねぇねぇ、風呂ってやってみたい!」

男「でもまだよくわかんないだろ」

女「そうだけど?」

男(どうしよう……教えるわけにもいかない……)

女「……ねぇねぇ、お風呂って教えて」

男「……あーもーいいか。無心で教えよう」

女「やった!」

お風呂キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(。 )━(a。 )━(。a。)━━━ !!!!!

女「わー!こんなとこあったんだ!すっごい綺麗!」

男「だろ。掃除もこまめにやってるからな」

女「ここでどうするの?」

男「とりあえずその服を脱げ」

女「なんで?」

男「服濡れたら困るし、服は別に洗うんだ」

女「それって『普通の事』なの?」

男「ああ。『普通の事』だ」

女「わかった!」

女「よいしょ、よいしょ」

男(…………無心だ……悟りの境地へ……)

女「脱いだよ」

男「そうか。じゃあ風呂入るか」

男「お湯出してっと……」キュッ

女「………ふぉぉぉぉぉ!?あったかい!これあったかい!」

男「髪から洗うからなー、下向いて目閉じろ」

女「はーい!」

男「どうだー」

女「気持ちいい!これ気持ちいい!」

男(ダメだ……セリフに流されるな……そうだ……無心……)

男(しかし……土気色とは言え綺麗な背中だ……年頃の娘だからな……)

男(否!ここで襲ってしまえばそこらに居るバカな人間と同等……踏ん張らねば)

女「ねーどうしたのー?」

男「なんでもないよ」

男「で、このシャンプーをつけてゴシゴシと……」ワシャワシャ

女「おおお!?すごい!これすごい!」キャッキャッ

男「うおお!?きったな!垢が……ボロボロと……」

女「すごい!これすごいいいいい!!」

男「すげー!垢すげぇぇぇぇぇぇ!!」

男「よ、よーし、次は…… 体だぞー……」

女「わーい!」

男「無心だぞ……自分……」

女「何言ってんの?」

男「なんでもない……このブラシをっと……」

女「ワクテカ」

男「よっと………」コ゛シコ゛シ

女「お、おお~……ふぉぉ……」

女「……いたっ、もっと優しくやってよー……もう……」

男(セリフを改変するなよ自分……うん……このままの意味だから……)

男「はいはい……背中完了っと……」

女「次は前だね!」

男「………はぁ」

男「はいはいじゃあ前洗うぞー」

女「うん」

男(……こいつ今14歳だっけ……)

男(……まぁ普通の人間みたいな反応はしないだろうし、無心でいけばいいか)

男「はいはい洗うぞー」

女「早くやってよ!」

男「わかってるって」

ガッショォォン!

大悟!

男「こんな感じで洗うんだ。わかったか?」コ゛シコ゛シ

女「ふぉぉ!すごい!気持ちいい!」

男「うっわ汚い!すげぇ!」

女「すごいすごい!」

男「すげぇぇぇ!!」ワシャワシャ

男「さて……全て洗ったが……」

女「どうしたのー?」

男(……残るは……股、か……)

男(どうするどうする!?これでちょっとでも反応したら俺最低すぎるぞ!)

男「そうだ……無心で……例え変な声あげたって普通に……」

女「まだー?」

男「よし!あ、洗うぞ!!」

男「よーし……」コ゛シコ゛シ

女「んー……なんかここ変な感じー……」

男「気のせいだ」

女「でもさ……」

男「いいからいいから」コ゛シコ゛シ

女「ねぇ」

男「あーあーあー」コ゛シコ゛シ

男「はい出来ました」シ゛ャー

女「んー……?」

男「ふー……どうだったお風呂」

女「すごかった!あのね、すごいんだよ!」

男「ふふ、そうか。わかったな」

女「それで……あれ、眠くなってきた」

男「ほらほら、ちゃんと歯磨きはして寝ろよ」

女「うん……」コ゛シコ゛シ

男「ふぅ……寝たか」

女「zzz」

男「……安心して抜ける」

女「zzz……」

男「……………」



男「…………ふぅ」

─朝─
男「………雨か」

女「ねぇねぇ、仕事は?」

男「今日は雨だからお休みだ」

女「雨だから休み?収容所だったら雨でも働いてたのに……」

男「……仕事したいか?」

女「うん!収容所は嫌だったけど、ここの仕事楽しいから!」

男「……うーん、そうだな。じゃあ家の仕事を教えてやる」

女「それって『普通の事』?」

男「そうだぞ」

男「まず、洗濯」

女「せんたく?」

男「ああ、昨日洗った服あっただろ。それを風呂場にある洗濯機から出してくれ。」

女「せんたくき?」

男「これだ」ヒ゛シッ

女「おおー……ロボットの頭みたい……」

男「いやロボットの頭っぽいと言えば炊飯器だと思うけど……」

男「開けて」

女「おおー!私の服すごい綺麗になってる!」

男「乾燥させてあるから全部出して」

女「うん!」スルスル

男「それで、全部居間に運ぶ」

女「はーい!」ヨイショ

男「そして、上の服はこう。下の服はこうたたむ」

女「お、おお……」ハ゜タハ゜タ

男「違う違う……ズレてるからこうして…そうそう!うまいよ!」

女「すごーい!綺麗になった!」

男「今日はこれをやってから色々仕事教えてやるから、それで暇を潰すぞ」

女「はーい!」

男「皿洗い!」
女「おー……」コ゛シコ゛シ

男「床掃除!」
女「ひー」ヒ゜カヒ゜カ

男「テレビ画面拭き!」
女「つるつる……」フキフキ

男「風呂掃除!」
女「うら!うら!」コ゛シコ゛シ

ゾンビかわいい

男「いやー、すげーなお前。家事も全部マスターしたぞ」

女「家事って、お嫁さんのすることでしょ?」

男「お前、嫁は知ってるのか」

女「知ってる。優しい役人さんが教えてくれた」

女「でも、いなくなっちゃったんだって」

男「……そうか……」

男「……そうだ。この前言った、彼女ってやつを教えてやる」

女「ホント!?」

男「彼女ってのはなぁ、お嫁さんの一歩手前の状態の女子のことだ」

女「ふーん」

男「でもなぜかお嫁さんになろうとすればするほど別れるものだ」

女「なんで?」

男「なんでかは俺もわからんけど、重いだとか、正直ない(笑)だとか言われたそうだ」

男「人間に興味は無いし知らんが、友達が言ってた」

女「なんでだろうね」

男「謎なんだ」

男「でもな、なぜか結婚するとなかなか離れないものなんだ」

女「なんで?」

男「さぁ……それも謎なんだ」

女「謎だね」

男「まぁ、人間の心理など知ったこっちゃないが。お嫁さんになると離れづらくなるらしい」

女「謎だね」

男「謎だな」

女「ねぇねぇ、それだったらさ」

男「?」

女「お嫁さんになっていい?」

男「」フ゛ッ

男「おおおおおお前、何言ってんだ!?」

女「だってさ、離れないものなんでしょ?だったら、私離れたくないもん。あなたと」

男「だぁほ!3年早い!」

女「3年経ったらいいの?」

男「うーん……3年経ったら考えてやる」

女「やった!」

男「思ったんだけどよぉ、名前で呼んでいいんじゃないか?」

女「……それもそうだね。……男、君?」

男「女ちゃん」

女「……恥ずかしい……////」

男「それを言うな。俺だってちょっと我慢してんだから」

女「でも、悪くないね」

男「……それもそうだな」

男「ああー全く、ちょっと恥ずかしいしよ、もう寝るとしようか」

女「うん!」

男「おやすみ」

女「うん!」

─朝─
男「おはよう」

女「おはよ!男君!」

男「おぅふ……」クラリ

男(なんだこの謎の破壊力は……)

女「どうしたの?」

男「なんでもないよ。女ちゃん」

女「」クラッ

女(なんでだろ……ちょっと嬉しい……)

男「今日も雨か……」

女「仕事、ない?」

男「ああ、昨日でやり尽くした」

女「つまんないよー」

男「だって仕事ないもん」

女「……外出ちゃダメ?」

男「ダメ。家に居なさい」

女「むー」

男「久々にネットの徘徊でもするか」

女「なにやってるの?」

男「ああ、パソコンだよ」

女「なにそれ」

男「えーっと………これだけで色んな人の情報がわかるんだよ」

女「なにそれ!すごい!すごーい!」

男「でも実際パソコンを説明するのって難しいな……なんていうんだろ……」

男「でもなぁ……なんかアダルトな広告もたくさんあるし、マズいかな……」

女「ねぇねぇ、見せて!見せて!」

男「はいはい。静かにしなさい」

女「わかった!」

男「わかってねぇだろ」

女「なんでわかったの!?」

男「もういいやまどろっこしい」

女「これはなに?色々ニュースある」

男「yahooだな」

女「これは?やけにシンプル……」

男「googleだな。少年の頃そのままグーグレって読んで『間違ってないけど色々違う』と言われたな」

女「これは?」

男「bingだな。あんま知られてないっぽいけど」

女「これは……ウィキペディア?大学生がよく使う」

男「なんで知ってんの?」

女「役人さんがよく使ってた」

男「役人、堕つ」

女「じゃあ……これは……」

男「……それは……ちょっといけないサイトです……」

女「なにこれ?なにを扱ってるとこなの?」

男「ダメだ!見るんじゃない!確実に大切な何かを失う!」

女「むー……」

男「あーやべやべ。トイレ行こう」スタスタ

女「…………」カチカチッ

女「ふーん……へー……」

女「………!?////」

女(男の人の……あそこを……ここへ……////)

女「……………////」カチカチッ

男「あースッキリした。あれ?なんでウィンド閉じてんの?まぁいいか」

男「………また釣りかよ……まぁいいけど……」カチカチッ

女(……………………)

女「ねーご飯ー」

男「おっと、もう夜か」

女「そうだよー」

男「じゃあご飯作らないとな」

女「うんうん!」

男「じゃあちょっと食器出してて。カレー作るから」

女「わかった!」

男「いただきまーす」
女「い、いただきます……」

男「……,ん?なんだ?」

女「別に!」シ゛ーッ

男「ならいいけど」

女「…………」シ゛ーッ

女「……………/////」フ゜イッ

男「?」

男「なぁ、女ちゃんちよっと変だぞ」

女「そ、そうかな?」

男「……何か隠してるだろ」

女「な、なんも?」

男「正直に言いなさい。怒らないから」

女「……ホント?」

男「ああ。ホントだ」

女「あ、あのね……昼に言ってた見ちゃいけないトコ……見ちゃったの……」

男「」

男「み、見たのか……」

女「うぅ……そ、それで……男君のほら、その……」モコ゜モコ゛

男「あーあー!いいっていいって!忘れろ!悪い夢だ!」

女「で、でも……」

男「いいから!」

女「わかった……」

女「で、でも、教えてもらっていい?」

男「なんだ?」

女「アレって、なにやってたの?」

男「あー………子供を作るための行為だ。それと友達から聞いたが、愛とかいうものを確認するためだとか」

女「ふーん」

男「そうだ」

女「それって、『普通の事』?」

男「俺は知らんが普通らしいぞ」

女「ふーん」

女「ねぇ、子供作る?」

男「」フ゜ッ

女「嫌なの?」

男「だから……3年待てと言っただろ……」

女「それは結婚でしょ?」

男「これはな、結婚よりリスクが高いんだ!」

女「そうなの?」

男「わかったわかった。歯磨きして寝ろよ」

女「あ、うん」

男「全く……///」

女「…………」シャコシャコ

女(3年かぁ……)

男「歯磨きしたか?」

女「うん」

男「そうか。ちゃんと毛布は肩までかけろよ?」

女「うん」

男「明日は仕事できそうだから、頑張れよ!」ニコッ

女「………!!うん!」

男「よーし!寝ろ!」

女「うん!おやすみ!」

─朝─
男「よーし!張り切って仕事いましょか!」

女「うん!」

男「出発だ!」

女「うん!」ヨイショ

男(今日は楽しそうだな……なんでだ?)

男「よーし仕事始めるぞー」

女「おー」

男「えっさ、ほいさ」

女「よいしょ、こらしょ」

男「お、そうだ。白菜もそろそろ採ってくれ」

女「はーい!」ス゛ホ゜ッス゛ホ゜ッ

男「おーすっかりうまくなったなー」

女「うふふ、そうかな?」

男「よーし、どんどんいけー!」

女「うりゃりゃー!」

男「そろそろ野菜売って金儲けでもするか」

女「いいねー!美味しいし、絶対売れるよ!」

男「そっかぁ!?じゃ売っちゃうかぁ!ははは!」

男「おっと、日が沈んできた。そろそろ帰らないと」

女「はーい!」

男「こりゃ家に帰るまでには薄暗くなってるな……急ごう」

女「う、うん!」

すいません、続きはまた明日に。落ち

乙乙

素敵なスレに出会った

白菜を抜くなw

( ^ω^)っ④"



再開しまーす

男「うわー、キッツ」

女「雨ひどいよー……」ハ゛シャハ゛シャ

男「おいおい、滑るなよ」

男「慌てて帰ることもない」

女「うん!」

男「ん……アレ誰だ?」

???「うえーん……もうやだー……」

男「あのー、大丈夫ですか?」

???「うおお!人!人だ!助かった!いや、助けてください!」

女「落ち着いてよ……」

男「だよな」

男「とりあえず、家入ります?」

???「おお!ありがたい!すや、ありがとう!助かる!いや、助かった!」

男「整理してから喋ってください」

???「いやぁ、すいません!いや、申し訳ない!」

男「………その服洗いましょうか?」

???「それは助かる!頼むよ!」

男「ところで、どうしたんですか?家の前で泣きわめいて。」

科学者「申し遅れた。僕は科学者と言う!そのままだ!」

男「へー。で、どうしたんですか?」

女「かがくしゃってなに?」

男「細身で眼鏡って相場が決まってる職業だよ」

女「ちゃんと食べてね?」

科学者「いや、僕普通に食べてるし細身じゃないし」

男「どうしたんですか。それで」

科学者「実は……研究結果が研究のテーマと合ってないって怒られて、クビになって……」

男「なんの研究なんです?」

科学者「はい。僕の研究所は宇宙を研究してるんですけど、僕だけ間違えて動物のことを研究しちゃってたんですよ」

男「究極のドジ」

科学者「なんか知らないけど仲間と話が合わないなぁと思ったらそういうことでした」

女「何の話なの?」

男「さぁ……」

科学者「け、研究所もクビになったし家は売られてたし妻と子供は実家帰ったし……」

科学者「も、もう生きる自信ないです…」

男「そしてこの山に来て自殺しようと……」

科学者「はい……辛い……」

男「でもぶっちゃけ迷惑だよね。俺ら住んでるし」

女「うんうん」

科学者「しょぼーん」

男「死ぬしかないわけ?」

科学者「今更こんな年じゃどこも雇ってくれませんし……」

女「……ねぇ、ここに住む?」

男「お、おい」

女「だって行くとこないんでしょ?ならここに居なよ」

科学者「ほ、本当ですか!!」

男「めんどくせぇ……仕事してくれんならいいけど」

科学者「その上仕事とまで!?なんてありがたい!いや、ありがとう!」

女「面白い人だね」

男「うん」

男「とりあえず風呂入ってくださいよ。汚い」

科学者「失敬しました!じゃ、入ります」

女「私も私もー!」

男「ダメだ。風呂ってのは一人で入るものだ」

女「そうなの」

男「そうだ。ただし、この前のはノーカンだ。あくまで教えるためだからな」

女「わかった」

科学者「いやーあがりました!ここ檜風呂なんですね!」

男「いいでしょ。この山から切ってきたんですよ」

科学者「え?手作りなんですか?ていうか、いいんですか?山の木切っちゃって」

男「ああ、ここ俺の山だからさ。全部俺の」

科学者「買ったんですか!?すごい!お金持ちですね!」

男「それほどでもない」

女「自分で野菜育ててるし、別に金持ちじゃないよね」

男「うんうん」

男「じゃ、そろそろ俺も入るか」

女「私ももう入ったし、寝てるね」

科学者「あの……僕はどこで寝れば……」

女「私のとこ来る?」

科学者「ええっ!?そんな……」

男「……………」キ゛ロ

科学者「遠慮します」

男「いい風呂だった」

男「……そこで寝るんですか。ソファーなんて風邪ひきますよ」

科学者「だって……寝たら怒りますよね……」

男「女ちゃんに手出して危ない目にあわせたくないからな」

男「だいたい、この前までセクロスも知らなかった純粋な娘を襲ったら確実に傷になるし」

科学者「へー……もしかして、あの娘ゾンビですか?」

男「ああ。だから知らないんだよ」

科学者「やっぱり。あの肌の色、髪色……」

科学者「生物のことばっか調べてましたから。何でも聞いてください」

男「………はぁ」

科学者「気をつけてくださいよ。最近ここらでゾンビ狩りなんて遊び……
    というかリンチがバカ達の間で流行ってるらしいですし」

男「大丈夫だって。ここ山だし。頂上なんて歩いて5分のとこだよ」

科学者「そうでしょうか……最近のdqnとやらはしぶといですからね………全く、今時ジャンプさせて奪うなんて……」

男「……どうしました?」

科学者「いえいえ!なんでも!」

男「明日は仕事があるんで、早く寝てください」

科学者「何時起きですか?」

男「5時」

科学者「へっ!?わ、わかりました……おやすみなさい……」

男「………速攻で寝たか」

─朝─
女「おはよ!」

男「ああ、おはよう」

科学者「5時ぴったり!どうですか僕!」

男「わーすごいすごい」

女「うんうん。早く仕事いこ」

男「そうだな」

科学者「あ、ああ……」

男「えっさ、ほいさ」ト゛ト゛ト゛

女「うら!うら!」サ゛クサ゛ク

科学者「あのー……僕はなにをしたら……」

男「ああ、大根についた虫払っておいてくれ」

科学者「あの、どうやって」

男「はい」ホ゜イッ

科学者「………ピンセット……」

男「おーい、もう帰るぞ」

女「うん。本当だね。薄暗い」

科学者「腰が……腰が……」

男「おら、いつまで油売ってんだよ」

女「置いてっちゃうよー」

科学者「ううー……研究所の奴らより非情だ……」トホ゜トホ゜

男「全く……」

女「頑張って!」

科学者「頑張ります……」

男「あ、そうだ。大事な話があるんで、科学者さん来て。女ちゃんは先に帰ってて」

女「うん!」スタタタ

男「ふー………話っていうのはですね、科学者さん。」

科学者「はい」

男「あなた、何の研究してたんですっけ」

科学者「生物科ですけど」

男「………殺虫剤とか作れます?」

科学者「……作れます」

男「最近害虫ひどいんです。作ってください」

科学者「はい!わかりました!」

男「じゃ、帰りましょうか」

科学者「は、はい!」
__________

女「もう夕飯準備できてるのに……」

女「外で待ってよう……雨冷たいけど」

「おい……アレって……」

「ああ、当たりだな」

「やるか」

やめてええええええええええええええええ

女「まだかなー?」ホ゜ツン

「せー……のっ!」カ゛ンッ

女「……あ゛っ………?」ト゛サッ

dqn「うひゃひゃひゃ!倒れたぞ!」

dqn2「そうだな!うらっ!」ト゛カ゛ッ

dqn3「あっはっは!ゾンビのくせにのんびりしてんじゃねぇっての!」カ゛ッ

女「あ゛っ……ゔっ……」ト゛カ

やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!
クズ共め!

(;`д´)≡3

男「……なんだあいつら?足下に何か……!?」

科学者「三人組……最近流行ってるゾンビ狩りグループですアレ!」

男「…………おいてめーら」

dqn「あ?」

dqn2「んだよてめーは」

dqn3「普通の人間だよな……」

男「そこに転がってんのに……なにやってんの?」

dqn「なんでもねーよ。ゾンビ狩ってただけだぜ?」

男「………ああそう」

男「あーえっとね、なんつーか、俺も狩りってやつに参加していい?」

dqn「おめーもやんのかよwwwほらやれってwwww」

dqn2「はっははwww」

男「じゃあ遠慮なく……どっせーい」ト゛ッ

dqn「がっ………」ト゛サ

dqn2「て、てめぇ!なにしやがる!」

男「だから言ったでしょ。狩りって。」

男「生憎俺は抵抗の無い虫を狩るのは嫌いでね。殺しがいのある奴狩りてーのさ」

dqn2「上等だよ!おらぁ!」

男「遅いって……」ヒョッ

男「もう一発いっとく?」ト゛カ゛ッ

dqn2「がぁっ……」ト゛ッ

男「うーん、あと一人。隠れてる不届き者がいる。俺嫌いだなー。」

dqn3「!!」ヒ゜クッ

科学者「あ、鼻の下おもっくそ殴ってみてください。人間の局所に続く弱点でして。
    やられると痛みのあまり死に至ることもあります」

男「いいこと聞いたよーオイどうしようー試したいなー」キ゛ロ

dqn3「うわ……うわわわわわ!」

男「どっせーい!」カ゛ッ

dqn3「ぐぁっ………」ト゛サッ

男「さんきゅ、科学者さん」

科学者「腹が立つ奴は嫌いなんでww」

男「……女っ!!」

女「…………」

科学者「……瞳孔も開いてるし……息してない……心臓も……止まってる」

男「……死んだのか」

科学者「………はい」

男「………ははは、なにやってんだよ。早く起きろって……晩飯出来てんだろ……?」

男「バカか……バカかぁぁぁぁぁぁ!!」

科学者「おお落ち着いて………」

嘘だろ…( ;д;)

男「ふざけんなよ……なんで死ぬよ?普通生きてるってもんだろ……」

男「知ってるか?これも『普通の事』なんだぞー……」

男「…ああ……」

科学者「…………!!」

科学者「ちょ、ちょっと待っててください!!」

男「……どうした?」

ヽ(`д´)ノウワァァァン!!

科学者「……救える道が、一つだけあります」

科学者「それがコレ。研究所に居たとき偶然出来た薬です。」

男「……それがどうした」

科学者「……コレ、簡単に言うと『死者を生き返らせる薬』なんですよ。」

男「……はぁ?」

科学者「これはですね、薬を注入すると強制的に筋肉を動かし、心臓の活動を強制的に復活させられるんです
    そして、成功すれば生き返れるんです」

男「お、おい!頼む!それを、それを女に使ってやってくれ!」

科学者「ただコレ、当然副作用がありまして……」

男「……なんだ?」

ハヤクハヤク!

科学者「これ、脳に結構なダメージを与えちゃうんですよね。だから……その……」

男「なんだ」

科学者「……記憶が。なくなる可能性が、ていうか100%一部の記憶が消えます」

科学者「そうですね……ここ何ヶ月か程度の記憶ですけど」

男「つまり……丁度俺と出会った頃から忘れてるって……ことか……」

科学者「……そうなりますね」

科学者「どうします?」

男「そんなこと決まってるだろう……使ってやってくれ」

科学者「……わかりました」フ゜スッ

チュー……

科学者「……この活動スピードでしたらあと数時間で目覚めるかと」

男「……そうか……」

ト゛ント゛ント゛ン「すいません!すいませーん!」

男「誰だよ……こんな時に……」カ゛チャッ

後輩「……すいません、こちらに科学者さんは……あ!探しましたよ!」

科学者「お、お前!なんでこんな所に!」

後輩「すいません、所長からお達しです!すぐ戻れと!」

科学者「な、なんでだ!」

後輩「研究所は今度から生物学の研究所に変わることになりまして、
   その運営のためには高い技術力と頭脳を持った科学者さんが必要ってことになりました!
   なので、所長から呼び戻せと……」

男「……行くか?」

科学者「………」

科学者「……行くよ。もう死ぬ気はないし」

後輩「ほ、本当ですか!」

男「……そうか」

科学者「たった二日程度ですが……お世話になりました……」

男「なぁ、頼みが、最後に一つだけあるんだ」

科学者「はい、なんでしょう」

男「こいつを……女を、引き取ってくれねぇか」

科学者「!?なんで……」

男「俺、思ったんだよ……もし起きても、俺の事忘れてて、いつものバカ話も出来なくて、
  もう二度と昔のこいつが戻ってこなくなったら……ってよ」

男「そんなの……俺には恐ろしすぎるんだ……怖いんだ……もう日常は戻ってこないって思ったら……」

科学者「………わかりました。研究所で引き取りますね」

男「ああ……頼む……」


( tдt) …

科学者「じゃ、さよなら……」

男「ああ。じゃあな」

カ゛チャン

男「…………」


男「…………ああ………」

男「………ははっ、どうしようかなぁ……洗濯も床掃除も皿洗いも残ってんだ……」

男「畑仕事もよぉ、軌道に乗ってきたとこなんだよなぁ。」

男「………米がさ、そろそろ収穫の時期なんだよ。美味しいんだよなぁ。米。」

男「風呂もさぁ……シャンプー新しいのにしたんだよ……」

男「布団も……干してあって……あったかいんだよ……」

男「…………女ぁ…………」

─研究所─
科学者「……そろそろだ」

女「ふぁぁ………あれ、ここどこ?」

女「だ、誰………やだ……いじめないで……」カ゛クカ゛ク

科学者「あー、安心して!ここは研究所であっていじめる場所じゃないから」

女「う、嘘だっ!」

科学者「……男さんもこれをなだめたのか……」ハァ

科学者「なぁ、どうやってお前落ち着いてる?」

後輩「そうですね………ホットミルク飲んだりだとか、食べてましたね」

科学者「へー……料理でも作るか……」

科学者「えっと、食べ物でもどう?」

女「や、やだっ!どうせ毒でも盛ってあるんでしょ!?」

科学者「ち、違うって……」

科学者「ほら見てて!こうやってやって……」シ゛ュワー

女「……」

科学者「ここでさらに……」

女「……違う」

科学者「はっ?」

女「そこ、塩入れるの」

科学者「え、な、なん─」

女「いいから!」

科学者「わ、分かった……」ハ゜ラハ゜ラ

女「……」シ゛ーッ

女「…………」

科学者「ほら、出来たよ。言った通りに」

科学者「じゃ早速……」

女「いただきますって、ちゃんと言う」

科学者「あ、ごめんなさい……」

科学者「いただきます」

女「いただきます」

科学者(そう言えば…男さんに聞いた話だと……作法も何も知らなかったはずなのに……)

科学者(なんでいただきますとか、塩とか知ってるんだろう)

科学者「言った通りに作ったら美味しいね。なんで知ってるの?」

女「なんで………なんで……だっけ……わからない……」

科学者「えっ?」

女「わかんない……誰かが……教えてくれたような……でも……わからない……」

科学者「……………」

女「わからない……なんで………」

科学者「……ゆっくり考えたらいい。風呂って、わかる?」

女「……風呂?………ふろ……」

『こうやって洗うんだぞー』

女「……誰……?わからない……誰……なの……」

科学者「あ、あのさ」

女「……わかった。入ってくる」

科学者「………そうか」


(;・ω・)…女…

女「………」チャフ゜ン

女「なんでだろ……変な感じ……」

女「……お風呂が……つるつるしすぎてる……」

女「前は……もっとさらさらみたいな……」

女「………前?前って……なに……」

女「わからない……わからない……」

( tωt)

女「………」カ゛ラッ

女(……………)

女「変………変なの……」

科学者「どうしたのー?」

女「………なんでもない」

女「もう寝る……」コ゛ロン

科学者「ちょっとちょっと!なんで床で寝てるの!」

女「だって、収容所では……」

科学者「ほら!ここがあるから!寝てね!布団!」

女「……布団……?」

女「………」モフモフ

『いいか!普通はここで寝るんだ!』

女「………誰、なの………」

女「わかった………そこで寝る」

科学者「……………」

『いいか?普通、寝る時はおやすみって言うもんだ』

女「……おやすみ」

科学者「……ああ、おやすみ」

『こら、ちゃんとお礼を言え』

『いいか?食べ終わったらごちそうさまでしたって言うんだぞ?』

『そうやって麺をすするんだ。それが普通の食べ方だ』

『寝る前には歯磨きしろ。それが普通だ』

『苦しそうにしてたら、背中を叩いてやれ。それが普通だ』

女「誰………誰なの……」

女「……わからない……わからないよ……」

女「はっ………」ハ゜チ

女「………」キョロッ

時計【5:00】

女「……お仕事しなきゃ……」

女「……なんの仕事だっけ………」

女「わからない………」

女「ううううううう…………」

女「どうしよう………」

『じゃあ慣れるまで寝ろ。ベッドに戻れ』

女「誰……だっけ……」

女「ああ……誰なの……」

女「………」

科学者「ふぁぁ、随分早いね」

女「いつも通りだよ」

科学者「……やっぱり、いっつも怒ってるみたい……」

女「怒ってなんかない」

科学者「はー……男さんが居た頃は……」

女「………男………?」

女「なんだっけ……なんだろう……その人と……約束したような気がする……」

女「どんな約束だったっけ……えーっと……うーんと……」

科学者「あー、僕研究所に行ってくるから」

女「……うん」

どうなるんだよぉ…(;・ω・)

女「…………」

女「外にでも、出よう……」

女「…………」スタスタ
____________________________

女「……なんだろう……あそこ……なんだか……懐かしい……」

スッ

「へいらっしゃい!」

親父「おう!この前のゾンビお嬢さんか!」

女「私のこと……知ってるの?」

親父「なーに言ってんだい!とぼけてんのかい?」

女「そ、そんなこと………」

親父「冗談だってよぉ!どうする?ラーメン!何味だ?」

女「……………味噌………」

親父「へい味噌一丁!」

女「味噌って……なんだっけ……」

親父「ほい毎度!味噌!」

女「……すする……すする……」ス゛ルルル

親父「あれ?男の野郎は一緒じゃないのか?」

女「……男……」

親父「どうしたんだ?」

親父「まーさか、もう結婚したんで、照れて一人で来たのか?ww」ケ゛ラケ゛ラ

女「結婚……?結婚………」

『3年早いんだよ』

女「…………!!!」

女「そうだ……男……男君……!」カ゛タッ

親父「ん?」

女「ごめんなさい!私、用事思い出して!」

親父「どうしたんだか」

─山─
男「……………………」フ゛ツフ゛ツ

男「……………………」フ゛ツフ゛ツ

男「…………ぐすっ、女ぁ……ひぐっ……」

男「うぅ………」

男「来てくれよ……女…………」

ト゛ント゛ント゛ン!!

男「うぅ……誰だよ………」カ゛チャッ

(;゚ω゚)ドキドキ…

女「………………」ハァハァ

男「……………女?」

女「そ、そう、だよ!」

男「お、俺が誰だか、わかるか?」

女「うん!色んなこといっぱい教えてくれた、私の旦那様!」

男「………うああああああん!女ぁぁぁぁぁぁぁ!」タ゛キッ

女「……男ぉぉぉぉぉぉぉぉ!」タ゛キッ

男「ひぐっ、あぅっ、うぁぁぁぁぁぁぁん!!」

男「な、なんで、俺のこと、覚えてるんだよぉ……」

女「……男がね、いっぱい『普通の事』教えてくれたから」

女「そ、それに、まだ、結婚してないから!」

男「そうだな……結婚したら、離れられなくなるんだよな……」

女「うん!知ってる?これって『普通の事』なんだよっ!」

男「ああ………知ってるよ………」

男「……決めた」

女「何を?」

男「3年早いって言ったけど、アレ取り消すわ」

女「……へ?」

男「お前は俺が思ってる以上に大人だったよ。俺の方がよっぽど救ってもらってた」

男「だからさ………結婚、するか?」

女「………うん!今度は、ずっと離れないでいてよ!」

男「…当たり前だ。『普通の事』だからな」

女「………ありがとうね!私の旦那様!」
男「………よろしくな。俺のお嫁さん!」

~fin~

ありがとうございました……ちょっともう女がボコられてるシーン書くの辛過ぎてキツかった。

これにてendでございます。

機会があったら、またどこかで



えんだああああああああああああああああああああああああああ…っゲホッ!ゲホッ!

良かったよ乙(tωt)



>>1乙

えんだあああああああああああああああああああああああああああああ

ちょっと展開が急なところがあった気がするけど、かなり良かったよ
乙乙!

なんて優しい作者だよ
盛大に乙!

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