御坂「お願い……GANTZ!!」上条「なんだ?このサイト……」 (385)

知っているかい?


この世には科学で説明のつかない……いや、我々の科学力では再現出来ない事象が幾つもある。


ニュースにもなっただろう。
学園都市、第23学区周辺や貨物列車が破壊された事件。

そして、黒服の集団による学園都市内でのテロ。


それらの裏側には、君たちでは想像もつかない攻防があったのだよ。文字通り、生死を賭けた戦いというものがね。


そう遠く無い内に、世界規模・人類規模の戦いが始まるだろう。人類同士の戦いでは無く、我々の叡智の及ばない者達とのね。


覚えておくがいい。その時、必ず彼等は表舞台に現れる。


黒い機械のスーツ。
見たことも無い兵器。


それらを携え、彼等は戦う。



勘違いしないで欲しい。

決して彼等は人類の為に戦う訳では無い。
彼等は囚われの身。
彼等は決して自由ではないのだから。





覚えておくがいい。
運が良ければ……いや、悪ければいつか、君たちも彼等のように、あの部屋に囚われるのだから。

黒い球が支配するあの部屋に。







『GANTZ』に。








(とあるホームページ『黒い球体の部屋』より)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1442880760

●『めもりーろーどさゅう……めもりーろーどさゅう……』








●『めにゅーを選んでくだちい』








1.上条「……GANTZ?」御坂「黒い球体の部屋?」

ex14.vip2ch.com






2.上条「答えろよ……GANTZ!!」御坂「私の前に立つのなら……アンタも潰すわよ?」

ex14.vip2ch.com






3.上条「どうしてだよ……GANTZ……」浜面「テメェは人の命を何だと思ってんだッ!!」

ex14.vip2ch.com





4.一方通行「GANTZねェ……」上条「歯ァ食いしばれよ最強ッ!!」
一方通行「GANTZねェ……」上条「歯ァ食いしばれよ最強ッ!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1394059950/)

●『前回のGANTZメンバー(元含む)でち』






上条 当麻


運悪過ぎ
対能力者戦闘能力高過ぎ
銃には勝てなかったよ……

『死亡確定(GANTZサイド)』



御坂 美琴

能力応用あり過ぎ
限界突破し過ぎ
修羅の道に堕ち過ぎ

吸血鬼ver強過ぎ

『生存確定』



浜面仕上

扱い便利過ぎ
絹旗に懐かれ過ぎ
ギリギリで生き過ぎ

ハーレム?そんな生易しいモノ存在しねぇ!!


『生存確定』



絹旗 最愛


●<モアイ


●<モアイ


●<…………


●<『死亡希望(生存確定)』




天井 亜雄

原作置いてけぼり過ぎ
強者の風格出過ぎ
黒幕オーラ出し過ぎ


『生存確定』

偏光能力

前スレ出番なさ過ぎ
脇役極め過ぎ
チンピラ感なさ過ぎ


『生存確定』


東郷十三


戦闘能力高過ぎ
最近出番なさ過ぎ
このスレでも後半まで出番なさ過ぎ


『生存確定』




空手外人 JJ


特になし


特になし


後半輝くこと期待し過ぎ


『生存確定』

●<前回戦ったのはコイツ等でち




基準

人間(高校生レベル3)


攻撃力 G
防御力 G
素早さ F
賢さ B

能力 D





斉藤さん 吸血殺しver


攻撃力 A
防御力 A
素早さ A
賢さ 暴走気味

再生能力 SS




黒服星人


攻撃力 C
防御力 C
素早さ C
賢さ C

能力 -



玄野アキラ

攻撃力 A
防御力 B
素早さ A
賢さ A

能力 -



氷川


攻撃力 S
防御力 B
素早さ S
賢さ A

能力 -




一方通行


攻撃力 S
防御力 SSS
素早さ A
賢さ SS

能力 SS
能力無し 賢さ以外H

フレンダ・セイヴェルン

攻撃力 E
防御力 F
素早さ E
賢さ B

爆破技能 S


絹旗 最愛(GANTZフル装備 窒素装甲)

攻撃力 S
防御力 A
素早さ C
賢さ B

能力 A



麦野 沈利


攻撃力 S
防御力 D
素早さ D
賢さ A (もしくは暴走)

能力 S

おはようございます、1です。


このスレで5スレ目になりますが、いつも通り気長に気ままにのんびりと投下していきます。

皆様、暇な時にのんびりとお付き合いください。


では、夜にまた。



PS.GANTZっぽい武器ネタや、敵の星人・天使ネタ。随時募集中です。気軽に皆様の中2魂を教えてください。1はそろそろ限界です。

おお、ずっと待ってたよ

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

つい先日発見して一気読みしたところなので楽しみでち

こんばんわ、1です。


>>8-12
長らくお待たせいたしました。1も忙しかったのです。えぇ…もうホントに死にそうになるほど……

今までの物語を見てきた人ならば知ってる事ですが、ご新規の方へのご注意を。

1の書くSSは基本、禁書本編での脇役ほどかなりの強キャラです。主役級より強いなんて日常茶飯事です。
GANTZの星人、天使などに関してはもうえげつないです。アナタの好きなキャラは非常に苦戦を強いられるでしょう。

ですが、心配しないでください。
このSSではアナタの好きなキャラは、死ぬ時は容赦無く死にます(笑顔)


じゃ、ご新規様への注意も済んだので投下します。










「全ての始まりは、私の起こした事故だった」









「あの日、深夜まで絶対能力者計画のデータ整理で疲れていた私は、車の運転中に居眠りをしてしまった。
その結果、道路から外れ車は大きく横転。我ながら、恥ずかしい死に方だ。薄れゆく意識の中で、素直にそう思ったよ」


「しかし、私は生きていた。いや、死んだかもしれないが、GANTZという学園都市の科学力でも全く理解出来ない謎のテクノロジーによって、私は再び生を得た
最も、ここで素直に死んでいた方が、後の地獄を味わう事もなかったのだが」


「それと同時に、私は力を得た。
着るだけで、レベル4の肉体強化以上の身体能力・防御力を得ることが出来る、黒い機械のスーツ。
不可視のエネルギー弾を発射するXガン。あらゆる星人を捕縛するYガン。
そして、生き残れば残るほど、更に強力な武器を手に入れた」

「大きな力を得ると、自然と日常も上手くいくものだ。
実験対象であると共に、私にとって恐怖の対象でしかなかった第1位も、ある程度対等の立場として接する事が出来るようになった。
同時に、絶対能力者計画を何としても成功させたいという気持ちも強くなった。何故なら、私は遠くない未来に必ず死ぬという予知を見せられたから」




『審判の日』





「いずれ訪れる人類滅亡の時。私はそれが起こる前に死ぬ。
ならば、それに対抗出来る力を作りたい。私の手で。
科学者として、人道に反した事も多く行った。しかし確実に迎える死を覚悟した今、最後は人類を救った科学者として名を残したいモノだ」



レベル6。
神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くモノ。



「その為に、私はどんな悪魔の諸行も恐れない。全てはあの第1位を……一方通行を絶対能力者(レベル6」)へと押し上げる為。人類を救う為だ」

ザァァァァァアアアアッ!!!!!


天井「その為に……君には存分に協力してもらうよ?御坂美琴……」ニィィイッ……


御坂の攻撃によってカメラを破壊され、ノイズのみが映るモニターを見ながら、天井は口元を歪ませていた。


今の御坂美琴は、かつての御坂美琴よりも数段実力が上がっている。
そのデータを妹達に反映させれば、絶対能力者計画を大きく短縮出来るかもしれない。



『審判の日』に間に合うかもしれない。



天井「まずは、『絶対等速』……やり過ぎるなよ。適当に終わらせろ」


天井は、第一の刺客である絶対等速をふと思う。

始めは遊び半分だった。

一方通行の『ベクトル操作』と同じ部類の能力者であり、銀行強盗に失敗した事で暗部落ちした彼を、天井は遊び半分で手に入れ、能力開発に努めた。


そしてそれは、想像以上の結果を出した。


もちろん、一方通行には足元にも及ばない。第2位や第7位のような特殊な能力者にも。

しかし、戦い方によっては、1位、2位、7位を除いたレベル5を撃破する事も可能かもしれない。



まぁ、相手がただの『人間』ならばの話なのだが。



天井「彼女があの状態になったら……私達が直接行くしかないな、偏光能力」

偏光能力「俺はゴメンだけどな」

研究所1F エントランス


御坂「……ここね……」ギリッ!!


御坂は、怒っていた。怒りなんて生易しいモノじゃない程に。

自身のクローンを勝手に2万体も造られ、更にそのクローンを消耗品の如く扱う、絶対能力者計画に。

御坂は知っている。
彼女達が消耗品などではない事を。
一人一人が人間であること。


何としてもこの計画を潰す。
その為に、被験者である第1位を倒すか、それを支援する研究所を潰すか。


腐っても学園都市第1位の能力者だ。その実力は桁違いだろう。
御坂はまず、実験の中心である第1位よりも、その周囲を片付ける事にした。

御坂「まずはこの研究所のMAPを手に入れて、それからデータや研究機材の中枢部を破壊すれば……」


実験を必ず潰す。


そして、自分より先にこの実験に気付き、自分に黙って勝手に動いていた後輩を叱ってやる。

叱って叱って、その後思い切り抱き締めてやる。


ふと、御坂から笑みがこぼれる。


御坂「待ってなさい黒子……アンタのお姉様は、アンタが心配する程ヤワじゃないんだから……!?」ゾクゥッ!!!



突如、異質な何かを感じ取り、御坂は一気に戦闘態勢に入る。

電磁波で、周囲をスキャンし、人の気配を確かめる。

しかし、周囲には誰もいない。少なくとも半径20mほどの中には。

だが間違い無く狙われている。



御坂の研ぎ澄まされた神経が、敏感にそれを感じとるも、どこから狙われているのかわからない。

まさか長距離狙撃だろうか?

そう考え、御坂は外から見えないように、壁際に隠れる。


吸血鬼の力を宿した御坂は、拳銃程度じゃ傷一つつかない。
だが、それ以上の威力となると、流石にダメージはある。

御坂「……仕掛けてこないか……しばらく電磁シールドを最大転換させて、安全地帯を探」メキィッ!!!!


その瞬間


御坂「……え?」


不意に御坂の右腕が、大きく弾き飛ばされた。
右腕は、不自然な方向に曲がっている。



御坂「ぐ……ァァァアアアア"ア"ア"ッ!!!!!」ゴロゴロッ!!!


御坂はあまりの激痛に、その場でのたうち回る。


折れた。

確実に。


吸血鬼の力で、身体の耐久力が凄まじく向上しているにも関わらず、御坂の右腕は何らかの攻撃で容易く折れた。

御坂「い、一体何が……ッ!?何よこれ……球体?」


周囲を探すと、レーダーには引っかからなかったハズなのに、宙で完全に静止する一つの球体があった。


直径10cmも無い球体。


球体は微塵も動かない。完全に宙で静止している。


そして


シュンッ!!!



御坂「ガッ!!!」メキメキィッ!!!



その球体は突如動き出し、御坂の腹部へと突き刺さる。腹部から嫌な音が鳴り響いた。

御坂「ゲホッ!!ゴホッ!!で、電磁シールドもレーダーも作用してない……あの球体、電気が通らない材質ね……」


球体に吹き飛ばされた御坂は、痛みを堪えながらも何とか冷静に状況を分析する。

痛みに悶絶している場合じゃない。ここは戦場。あの部屋と同じ。


気を抜けば、即座に死ぬ。


御坂「あんなモノを用意してるということは、完全に私……高位の電気能力者対策か。
私がこの研究所を襲撃しようと決めたのは、つい1時間前程なのに、随分と用意がいいじゃないの……」


全力の電撃を浴びせれば、絶縁体の許容量を超えて破壊出来るだろうか?
いや、学園都市製の絶縁体だ。恐らく無理だろう。


超電磁砲を撃つか?

いや、あんな小さな的を狙えるかどうか。



ならば

シュンッ!!!


再び、何処からか球体が飛んでくる。
吸血鬼の力を宿した御坂の目は、それをハッキリと捉えた。


速度、およそ60km/h。
威力は、吸血鬼の骨を砕くほど。


球体がどんな材質であれ、この程度なら



御坂「ハァァァアアアッ!!!」バチバチバチッ!!!


御坂が左腕を前に出し、能力を発動する。
その瞬間、御坂と球体の間に、そこら中からかき集められた鉄製品の塊で作られた、バリケードが出現した。


硬度は十分。防いだ後に、塊で完全に包めば攻撃手段を奪う事も出来る。



御坂「念動力か何かで操ってるんでしょうが、この球体さえ抑えれば」メキィッ!!

油断した。


まさかあのバリケードを、こんなにも容易く突破するとは思わなかった。

その代償は左脚。


御坂「う、ウァァァアアアアアア"ア"ア"ッ!!!!」ゴロゴロッ!!


再び御坂が痛みにのたうち回る。



御坂「ど、どうして!?威力はせいぜい私の骨を砕く程度!!なのに、あのバリケードを突破して……威力も速度も全く落ちてない!!」ググッ……


吸血鬼の力によって、先に喰らった腕や腹のダメージは半分ほど回復しているが、痛みは消えない。

御坂は目に涙を浮かべながら、次の攻撃に備える。

御坂「(周囲に人はいない。という事は、遠距離から何らかの方法であの球体を操作している。

バリケードを突破してなお、威力も速度も変わらないという事は、恐らく念動力系統の能力者。

遠距離から操って、あの質量の球体でこれだけの威力を出せるなら、私自体を操作すればいいのにそれをしないという事は、重量制限が低いのか、能力に何らかの制約があるのか、念動力系統ですらないのか……)」


御坂はこれまでの攻撃で、相手を分析する。


御坂「まずは相手の目を潰す!!」バチバチバチッ!!!


御坂は周囲一帯に放電し、施設内の監視カメラや隠しカメラなど、疑いのあるモノを全て破壊する。
フロアの電灯も全て破壊する。自分は吸血鬼の力によって、夜目が利くので問題ない。

これで、相手は正確な位置を掴めないハズだ。

御坂「これで遠距離で球体操作による狙撃は出来ない!!相手も私を直接視認出来る位置に狙撃ポイントを移動しなければいけないハズ」ズンッ!!


突如、御坂の右方向から破壊音が聞こえた。

その方向を見ると、あの球体が先ほどと同じ速度で真っ直ぐ飛んでくる。

壁もあらゆる障害物も無視して真っ直ぐ。


それも5つほど。



御坂「クッ!!」バチバチバチッ!!


ズンッ!!!!!


再び、磁力によって鉄製のバリケードを作るも、5つの球体は容易くそれを貫く。


御坂「そういう事だったのね!!随分と力技でくるじゃないの!!」


狙撃ポイントなど関係ないのだ。
相手の方角さえ分ければ、障害物など関係なく一直線に球体は突き進む。



やはり、この攻撃は避けるしかない。



咄嗟に御坂は、その5つの球体の隙間を縫うように身体を捻って躱した。

御坂「まさか5つ同時に、あの威力の球体を操れるとはね。だけどもう、そう簡単には」




メキィッ!!!

御坂「……ガッ……ハッ……」ゲフッ!!


その瞬間、背後から今避けたハズの球体が飛んできた。
御坂の背中に5つ中、2つの球体がめり込み、弾き飛ばした。

球体はそのまま、元来た軌道をまるで、ビデオの逆再生のように戻っていく。


御坂「ゲホッ……軌道は固定されている?ビデオ再生のように、物体の移動・停止・逆走も自由自在……自由に物体を動き回せる念動力とは、また違う能力なの?」ググッ……


御坂はゆっくりと立ち上がる。
相手の能力の詳細がわからない。操れる球体の限界数もわからない。

御坂「……もういいわ……どれだけでも、どこからでも撃ってくればいい……」バチバチッ……


御坂は帯電し、自らの電気信号の流れを加速させる事で、身体能力・反射速度などを更に増加させる。

もちろん、長時間のそれは身体に対する負荷も尋常ではないが、そこは半分人間を止めた御坂ならではの芸当だ。
吸血鬼の力は、御坂に様々なアドバンテージを与えてくれる。






『……ミサカが代わろうか?って、ミサカはミサカは提案してみる』

御坂「アンタが出てきたら、ここら一帯が瓦礫の山になっちゃうでしょ……大丈夫だから、出てきちゃダメ……」バチバチッ……


赤い瞳の瞳孔が大きく開き、ただ真っ直ぐを見据える。


ひたすら突き進む。何が来ようと全て避けてみせる。


次の瞬間、御坂は全力で、最後に球体が飛んできた方向へと駆け抜けた。

投下終了です。
初っ端から御坂さん大苦戦です。次回も存分に苦戦していただきましょう!!

絶対等速ですが、1なりにアレのレベル4版を考えてみました。次回に長々と説明させてもらいます。
ただ、あの能力ってぶっちゃけ弾次第でめちゃくちゃ強いですよねー。

ではまた明日か明後日に。


>>13
これからものんびりお付き合いください。

>>1
ずっと待ってました。
>>5-6の強さ一覧を見ると、一方通行が意外とチートっていうね(能力が無ければただの雑魚だけど)

乙  御坂、次回は瀕死確定かな   これだから1は……

こんばんわ、1です。
今日ものんびりじっくり楽しく元気に投下していきたいと思います。

>>34
ありがとうございます!!
>>35
何やかんやで一方通行の全盛期は攻守ともに満点に近いですからね。
>>36
さーどーなるでしょーねー(棒)

絶対等速「うへぇ……いくらレベル5とはいえ、立ち上がれないくらいの……むしろ死んでもいいくらいのダメージは与えたハズなんだがなぁ。天井サンの言う通り、人間離れしてんなー」


熱感知スコープを覗く、暗部『ガンツ』のメンバー、絶対等速(イコールスピード)と呼ばれる男が思わず呟く。


監視カメラを壊され、電灯も潰された今、侵入者である御坂を視認するにはこの熱感知スコープによる、体温感知しかない。

この方法なら壁の向こういても居場所がわかる。
そして、この男の能力ならば、壁などは何の障害にもならない。

『ただ真っ直ぐ物体を飛ばす』







この男の能力は、大雑把に言えばそれだけの能力だ。

物体の移動による運動量の減衰を無くし、間に何があろうと、飛ばす物体が壊れるまでただ真っ直ぐ飛んでいく。

しかしそれを極めると、レベル5であり吸血鬼の力を持つ御坂ですら、相当のダメージを負う。

事実、御坂が吸血鬼の力を持っていなければ、既に御坂は再起不能レベルの重傷を負うか、死んでいるのだから。


絶対等速「しかし、御坂美琴が電気能力者である限り、俺の特別に作らせた球を防ぐ事は出来ない。
加えて、まだまだ俺のマジックのネタは控えてんだ。ここから先には進めねぇぜ?レベル5」

絶対等速は思う。

自分の能力は天井のおかげで、機械の補助付きではあるがレベル4まで達した。

自分の能力は、まだレベル5の足元にも及ばない。
それどころか、他のレベル4にも及ばないかもしれない。



昔、銀行強盗でヘマした時。あの風紀委員のガキが教えてくれた。

自分には努力が足りないのだと。





絶対等速「あぁ、努力したぜ。暗部で生き残る為に、足りない力を補う為に、必死で試行錯誤を繰り返した。
俺の力を最大限生かす為には、何をすればいいのか……簡単な話さ。足りない力は!!道具とアイデアで補えばいいッ!!!」



絶対等速は、全力疾走で、こちらに向かって走ってくる御坂を確認する。

通路は一直線だ。

絶対等速「レベル4となった俺の力は、物体を能力解除か粉々に破壊されるまで移動させ続ける事が出来る。
その速度は、その物体が持つ運動最高速度から0。更にマイナスまで。要は逆再生の様に動かす事も出来る」バッ!!


絶対等速は、十数個の球体を正面方向へと投げつけ、同時にそれら全てを停止させる。



絶対等速「飛ばした後の方向修正は新たに別方向へと直接力を加えた場合のみ可能、まぁ前後に速度自在で動かせるだけで十分だ。そしてここからが俺の真骨頂!!」バッ!!


更に絶対等速は、十数個の球体を投げつけ、停止させる。

絶対等速「俺の能力の対象は、『俺自身が運動量を与えた物体』!最高速度も、『俺自身が与えた速度』だ!!
だから、銃に俺の能力を付与する事は不可能!!デカイ物体を高速で投げつける事も不可能!!

そして能力対象の限界総重量は、10.7kg。しかし、能力対象の限界個数は……」バッ!!


更に絶対等速は、十数個の球体を投げつけ、停止させる。



絶対等速「操る対象の限界個数なんてモノは、ないんだよッ!!」バッ!!!


更に、十数個。

計60個ほどの球体を、前方に停止させた瞬間


絶対等速「停止・再移動は変幻自在ッ!!防御は不可!!躱せるモンなら躱してみやがれ!!」


一斉に、正面の御坂へと全ての球体が飛んでいった。

御坂「あの男が能力者ねッ!!」ダッ、ダッ、ダッ!!


前方に、1人の男を確認し、御坂はその男に向かって走っていく。
距離は50mほど。
今の御坂の脚力なら3秒かからない。



しかし、そう簡単には行かない。



前方から、数十個の球体が、御坂の方向へと飛んできたからだ。もはや、球体の壁である。


しかも、最高速度はそう速くないが、全ての球体の速度が微妙に違う。方向も微妙にバラバラ。


常人に躱しきる事は、不可能だろう。


しかし


御坂「ハァァァアアアッ!!!」バッ!!バッ!!バッ!!!


御坂は躱す。ひたすら躱しながら突き進む。

その人間の限界を大きく超えた反射速度で、全ての球体を躱していく。

>>32を無視すんなハゲ

いや、躱しきれてはいない。


御坂「ァァアアアアア"ア"ア"ッ!!!」


よく見ると、何発かは当たっている。
一撃でも当たれば大ダメージなハズなのに、御坂はそれでも動き、躱し続ける。


御坂と絶対等速の距離はあと5mほど。


絶対等速「まだまだァァアアアアッ!!!!」クィッ!!

絶対等速の指が動く。

その瞬間、通り過ぎていった全ての球体が、絶対等速の元へと戻っていく。
速度も先ほどとは変化し、パターンが変わり切った状態で。








絶対等速「面白いだろう?これが俺の、進化した絶対等速(イコールスピード)ッ!!」

御坂「……ガハッ……」メキメキィッ……


絶対等速「俺はこの能力だけでは何も出来ない。しかし、俺の能力を最大限生かす道具と戦略があれば、お前らレベル5にだって対抗出来るのさ。
……挫折した負け犬が這い上がった力、とくと味わえただろ?」


何発もの球体が、御坂の身体にめり込み、御坂はその場に倒れこむ。
その瞬間、絶対等速は全ての球体を停止させた。



絶対等速「勝負アリだ。いくらお前がレベル5だろうが、お前の能力への対策を講じた俺には勝てない。大人しく捕縛されるんだな」



御坂「ゲホッ!!……ゴホッ!!……何が大人しくよ……」

血反吐を吐きながらも、御坂は絶対等速を睨みつける。


御坂「私のクローンを勝手に作って……勝手に実験に使って……勝手に殺して……あの子達だって人間なのよ?」ググッ……

御坂は、かつてGANTZのメンバーだった、9900号と名乗った少女を思い出す。
彼女は、フレメアを守る為に自分の意思で行動し、死んでいった。

自らの意思で、命を懸けて人を守る。

これを生物と言わず、人間と言わず、何と言うのか。


御坂「あの子達を解放するまで……私の『妹達』を助けるまで!!私は絶対に止まるわけには行かないのよッ!!!」ピンッ!!

御坂がコインを指で弾く。

御坂の最強の技。自身の通り名でもある技。



御坂「私への対策?だったらコレを防いでみなさいッ!!!」



『超電磁砲』を放つ為に。

絶対等速「超電磁砲ね……」クィッ


これなら、絶縁体の球体だろうが関係ない。
圧倒的な威力が、立ち塞がる全ての球体を破壊し尽くす。


御坂「全部まとめて!!吹っ飛」メキメキィッ!!!


チャリー……ン……


しかし、それが放たれる事はなかった。




絶対等速「……将棋でもチェスでも……切り札ってのは、先に出した方が負けるんだぜ?生憎、俺の切り札はまだまだ他にあるんだけどな」


御坂の腕、肩、胴体に、『側面』から球体がめり込む。


絶対等速は、限界質量を超えない限り、能力を発動し続ける事が出来る。


例えば、『事前に、直線通路に対して両側面から球体が飛んでくるように』、能力で球体を停止状態にしておく。

そんなトラップも作成可能だ。

絶対等速「防げない大砲なら、撃たせなければいい。簡単だろ?」

そんな絶対等速の言葉も、まともに球体を何発も喰らっている御坂は、既に意識が朦朧として聞こえてるかわからない。


御坂「……皆……ゴメン……」グラッ……


ドサァッ!!!

度重なるダメージの蓄積により、御坂はついに倒れ伏した。




絶対等速「……あー、天井さん?とりあえず、御坂美琴を確保しましたー。
死んではいないっすけど……え?いやー、アレを使うほどでもなかったっすよ。場所もよかったし、球だけで何とか」



バチバチッ……


無線で天井に連絡をとる絶対等速の足元で、御坂は静かに帯電していた。

御坂の頭の中で、小さい頃の自分にそっくりな少女が問う。










『どうする?手伝う?ってミサカはミサカは尋ねてみる』


御坂「……えぇ……ちょっとだけ……お願い……」バチバチッ……


バチバチバチバチバチバチバチバチッ!!!!!!!!

投下終了です。序盤から御坂さん敗北回でした。

ぶっちゃけ最初から超電磁砲撃てばいいんじゃねと思った人もいるでしょうが、撃ったところで絶対等速さん防いじゃうんですよね。

ではまた明日か明後日に。

>>44
忘れてたw
絶対等速さんは別に狙撃してるわけやないですからねー。御坂のいる方向に、何でも貫通球投げてるだけですから。あと、殺しちゃダメっちゃダメなので。


乙  ラストオーダーってわけじゃないしなんて呼べばいいんだろう

こんばんわ、1です。今日ものんびりじっくり投下していきたいと思います。


>>51
>>52
ありがとうございます!
>>53
まぁ現時点では吸血殺しで覚醒した御坂さんに生まれた別人格って事で。現時点では。


…………



天井「……空気が変わったな……まるであの日のような……」


研究所内に、不気味な威圧感が蔓延する。

あの黒服達との戦いの日。
黒服達があの血液を取り込み、化け物と化したあの威圧感。


再び、あの時と同じ、異常な空気が漂うのを天井は敏感に感じた。


偏光能力「もしかしてアイツが……」


天井「あぁ……いくら絶対等速でも、あの状態の第三位には勝てないだろう。そろそろ我々も出るか」

御坂「ウフ……ウフフフフ……」バチバチッ!!!

絶対等速「さっきまでとは、エネルギー量が段違いだ……ここら一帯消し飛んでもおかしくねぇぞ……」


事実、黒服襲撃時に上条が御坂と対峙した際。
二人の周囲の建物は、完全に崩壊し尽くされている。


たかが研究所の一つや二つ、この状態の御坂ならば軽く破壊出来るだろう。


御坂「ねぇ……貴方の血……ちょーだい……」バチバチバチバチッ!!!!!


絶対等速「ちぃっ!!使うしかねぇか!!」バッ!!


御坂から、強烈な電撃が撃ち込まれると同時に、絶対等速は細かい粒子を正面にばら撒き停止、更に地面へと30cmほどの杭のようなモノを能力で突き刺した。


強烈な電撃は絶対等速の手前で杭を目掛けて地面に落ち、そのまま消滅する。


どうやら杭は、避雷針の役割をしているようだ。

御坂「ァァァアアアア"ア"ア"ッ!!!!」バチバチッ!!

追撃に、そこら中に無数に転がっている瓦礫の山を、片っ端から高速で絶対等速に投げつける。

絶対等速「そんなデカイ弾じゃあ、俺には届かねぇぞ!!」


しかし、絶対等速の正面で見えない壁に阻まれるが如く、瓦礫はその場に崩れ落ちた。

絶対等速の能力は、物体の完全なる静止を行う事も出来る。
つまり、砂のような細かい粒子を正面に撒けば、即席の防御壁の完成だ。
もちろん攻撃に転用すれば、このような狭い通路では効果は絶大である。

絶対等速「ふぅ……言っただろ?電気能力者対策は万全だ。
学園都市最新の小型避雷針も、耐電熱合金の粒子の壁による防御壁もある。まぁ、避雷針は一回でイカレたようだが……いくらパワーが増したからってそう簡単に殺られるわけには」


御坂「アハァァアアッ……」バチバチッ……


絶対等速が勝ち誇るように口上を述べると、御坂は妖艶な笑みを浮かべながら、砂鉄の槍を磁力で造り出した。


相手が粒子の防御壁を作るなら、こちらも粒子の槍で貫けばいい。



簡単な話だ。

絶対等速「さ、砂鉄って……そうか、磁力で操って……これは手持ちじゃ無理だな」バッ!!

絶対等速が後方に球体を投げつけ、すぐに停止させる。
そして、その球体を掴み取る。

御坂「アハハハハハハッ!!!!!」バチバチッ!!!


絶対等速「無理なら即時撤退ってなッ!!!」グンッ!!!


御坂が砂鉄の槍を放つ寸前に、絶対等速は自ら放った球体に引っ張られるように、素早く離脱する。

絶対等速「能力の対象自体には制限荷重はあるがな!!移動する物体自体を利用する事は可能なんだよ!!」グォォオオッ!!!


攻めの手、守りの手、更には逃げの手もしっかりと用意している。
絶対等速は、暗部落ちになり一年、名実と共に戦士として恥じない力を手に入れたのだ。


御坂「……アハ……」ニィィイッ……


そんな絶対等速を、御坂は妖艶な笑みで見つめる。
まるで、狩りを楽しむ狩人のような笑みで。

研究所3F 西ブロック



絶対等速「ハァッ、ハァッ、流石にあそこまで化け物とは思わなかったぜ……天井さん、あの女は本当に人間なのか?」


自身の能力を何度も使い、絶対等速は先ほどまでの戦場からかなり離れた場所まで逃げてきた。

御坂がただの人間のレベル5だったなら、勝負は決まっていただろう。しかし、あれはどう見ても人間の域を越えている。
第1位の能力を間近で見た事もあるが、アレとはまた別の脅威を感じた。


絶対等速「とりあえず、足止め時間はかなり稼いだ。後は天井さんや偏光能力らに任せて、俺はとっとと」


ズドォォォオオオオオオオオッ!!!!!!

そんな絶対等速の側で、階下から砲撃が放たれた。
1Fから放たれたそれは、真っ直ぐ建物の屋上まで貫通し、大穴が開いている。


御坂「アハッ……見ぃつけた……」スッ……

絶対等速「ハハッ……まるでホラーか化け物に襲われる映画見たいだな……」ブルッ……


御坂の紅く輝く眼に見つめられ、絶対等速は蛇に睨まれたカエルの如く、動けなくなる。


『アレ』を使うか?


いや、ここまで実力差があると使っても効果は薄い。


しかし、このままでは確実に殺される。






天井「よくあの状態のあの子相手にここまで保ったな。君にしては上出来だよ絶対等速」カチッ



バシュゥゥウッ!!!



絶対等速の後ろから、声が聞こえてきた瞬間。

天井がYガンを構え、御坂へと捕縛レーザー網を放った。

第7学区→研究所への道中




ブロロロロッ!!!


白井「……浜面さん、やはり私は空間移動で向かった方が早いのでは」

浜面「いいから少しでも休んでおけ。能力使うのも体力使うだろ?」

御坂とは違う、もう一つの研究所を破壊した2人は、浜面の運転する車で残り一つの研究所へと向かっている。

浜面はGANTZのスーツを着ているが、先ほどの麦野との戦闘でスーツは完全に壊れている。
ただの無能力者となった浜面には先ほどまでの活躍は出来ない。
もし次の研究所でも侵入者対策が施されていた場合、白井に頑張ってもらうしかないのだ。


その為に、能力を温存してもらわなければ。



そしてもう一人……

浜面「絹旗……本当にお前までいいのか?


絹旗「超問題ありません。私達の仕事は、さっきの研究所の移転作業が済むまでの時間稼ぎです。

超優秀な私は既に今日の仕事を終わらせたので、後は何をしてもいいんですよ」


助手席には、先ほどまで敵対していた『アイテム』の絹旗が座っていた。


絹旗「……正直、あの天井は超気に入らないんです。なので、オフを利用してちょっとボコボコにしてやります」


浜面「ハハッ、何とも頼もしい事で」

白井「私としてはかなり複雑な心境ですの……」


後部座席で横たわる白井が、ボソリと呟く。

先ほどの戦闘で、白井は絹旗の力を目にしている。
本人は、レベル4の窒素装甲という能力だと言っていたが、あの破壊力は異常だ。
そして、協力者である浜面も。


上条の知り合いで、何でも屋をやっているから困ったら頼れと言われ、藁をもすがる思いで連絡してみたら、まさかレベル5すら撃破してしまうとは。

しかも本人は、無能力者だという。
この2人、明らかにただの人間ではない。


白井「……今は、実験を潰す事だけ考えますの……そうすれば、お姉様を騙っていたあの方も……」

白井は偽物と確信している、最近の御坂美琴を思い出す。

あの少女も恐らくはクローンなのだろう。
しかも、自分を本物の御坂美琴と全く疑っていない。

白井「……かわいそう……ですの……あまりにも……」ググッ……


借り物の心。
借り物の記憶。
誰かに無理やり押し付けられた演者。

解放してあげなければならない。
彼女を、1人の人間として生きていけるように。


それぞれの思いを胸に、一行は最後の研究所へと向かう。









絹旗「あ、浜面。さっきの道を右です。超Uターンしてください」

浜面「遅ぇよ!!こんな細道でどうUターンしろってんだよ!!」

白井「……やはり私は空間移動で向かった方が……」



時間は少しかかりそうだ。

…………



研究所内
地下 学習装置室



ジジッ……ジジジッ……


布束「……収まった様ね……上で何が起こってるのかしら……」


妹達に知識をデータとして脳に直接入力する機械、『学習装置』の設置室に、開発者である布束は侵入していた。


天井には、研究所の移転作業の手伝いとして来たと説明しているが、本来の目的はコレだ。


布束「このソフトを妹達の1人でも入力すれば……」


布束が手にしているのは、街のチンピラを利用して作り上げた、人間の感情データである。

本来、戦闘用クローンとして作られた妹達には、人格があっても感情がない。
それが、彼女達を人間から遠ざけている要因の一つだろう。

だがもし。

彼女達に感情が宿れば。

布束「ほんの僅かな可能性でもいい。彼女達に感情が宿る事で、彼女達を人間として見る者が増えれば……」


ほんの僅かな可能性でもいい。

彼女達が一言。

たった一言でいい。

『助けて』と

『死にたくない』と


そう心から言ってくれれば。


何かが変わるかもしれない。
誰かが変わるかもしれない。


布束「これが、あの子達に私が出来る唯一の方法……受け取ってちょうだ」

「そこまでだ」


布束が感情データソフトを妹達へとインストールさせようとした瞬間


背後から声がかけられた。


そこに立っていたのは

偏光能力「あまり手荒な真似をしたくはねぇ。今やろうとしている事を止めて、大人しく投降しな」


立っていたのは、天井のボディーガード?を務める、偏光能力と呼ばれる男だった。
一見その辺にいるただのチンピラのように見えるが、この男は何かが違う。まるで、幾多の戦場を潜り抜けた戦士のような空気がある。

最も研究員である天井にも同様の空気があるが。


チャキッ!!

布束は、すかさず偏光能力へと銃を向ける。

布束「Sorry……私はこの仕事をやり遂げなきゃいけないの。見逃してもらえないかしら?」

偏光能力「ハァッ……止めとけ。そんなモン撃っても無駄だ。立場を余計に悪くするだけだぜ?」

布束「無駄かどうかは……わからない!!」ググッ!!

パァンッ!!!

布束は、偏光能力の膝辺りを狙って引き金を引いた。

布束「……What?どういう事……」

弾丸は偏光能力の膝に命中した。そのハズだった。



しかし、何の錯覚か。
弾丸は偏光能力の膝をすり抜けたように見えた。
そして、偏光能力は撃たれたハズなのに何の反応もない。





偏光能力「『トリックアート』……」ガシッ!!





布束「ッ!?なッ」ダンッ!!

突然、偏光能力が背後に現れ、布束の首根っこを掴んで抑えつけた。


布束「まさか……トリックアートっていうのはまさか……」

偏光能力「あぁ。お前が撃ったのは、俺の能力で作り出した虚像だ」

光の屈折率を操り、あらゆる物体の虚像を作り出す。
それが、偏光能力の力。
肉眼で彼の実像を正確に捉える事は、ほんの一握りの人間を除いて不可能だろう。



布束「クッ……貴方は何も思わないの!?毎日殺されている妹達を!!貴方は人間と思えないの!?」

偏光能力「…………」

偏光能力は答えない。

布束「あの子達だって生きている!!人間なのよ!?それをモルモットのように、消耗品のように扱うなんて」


偏光能力「……わかってる……」

布束「そんなの……え?」

偏光能力の返答に、思わず布束が止まる。



偏光能力「あいつらが人間だって事は十分わかってる」

偏光能力は思い出す。




あの黒い球体の部屋の事を。
田中星人の事を。
その時、一緒に行動した少女の事を。
少女の流した涙を。



偏光能力「だけどよ……」

その上で偏光能力は答える。
とても悲しそうな表情を浮かべて。




偏光能力「今ここでやめちまったら……既に死んじまったあいつらは、何の為に生まれて、何の為に死んでいったんだよ……」

布束「……あなた……ガッ!?」ドサッ……



それと同時に、偏光能力は布束の意識を奪った。

偏光能力「……ん?」



ふと、偏光能力は布束の触っていたPCモニターを見る。


そこには、『72%……インストールを停止しています』の文字が表示されていた。



偏光能力「……やるしかねぇ……あいつらが生まれた理由がそれなら、それを全うさせてやるのが奴等の為だろ……」


偏光能力は、それ以上何も言わずに、布束を持ち上げて部屋から出て行った。






…………


『73%、インストールを再開します』ピッ

投下終了です。

次回投下はちょい覚醒御坂VS天井の予定です。

ではまたー

>>94
でもあれ書いたの>>1とは別人じゃなかった?どっちにしろ楽しみにしてます
それと>>1は禁書×デモンズ、ダークソウルのssの続きは書く気ないんですか?
もし書く気があるならこのssが落ち着いてから執筆したほうがいいと思います

こんばんは、1です。
今日ものんびりゆっくりと投下していきたいと思います。


>>95
デモンズ・ダークソウルクロスは構想もアノール・ロンド到達くらいまではあるんですけどねー。書く暇ないなー……誰か流れと対戦カードだけ教えるんで書いてくれませんかね笑

研究所 3F 西ブロック



絶対等速「あ、天井さん……」

天井「ここまでだ、絶対等速。ここは私が引き受けるから、君は他の侵入者を警戒しろ」

絶対等速「あ、あぁ、わかったよ」




絶対等速は、この場から離れていく。

絶対等速は知っている。
この天井という男は、自分より強いということを。

絶対等速は知らない。
何故この男が、これほどの力を持っているのか。

絶対等速は知る事がない。
GANTZという、命を懸けた戦いに天井がもう、1年以上身を投じている事を。



その戦いは暗部の仕事とは比べものにならない。
絶大な武力を持っていても、星人という未知の存在の前では一瞬の油断が無惨な死を招くのだから。

天井「さて……こんばんわ、御坂美琴さん」

御坂「……アハッ……」バチッ!!


バチバチバチバチバチバチッ!!!!!


目の前に現れた天井に微笑むと、御坂は凄まじい電撃を身体中から発し、自分を拘束しているYガンのレーザー網を完全に破壊する。

いくら未知のテクノロジーが使用されているとはいえ、地球で作られたモノ。機械は機械。

御坂の異常な電撃の前には、なす術もなかった。





御坂「アハハッ……やっと、やっと見つけたわよ……天井さん」バチバチバチッ


本命の獲物を見つけた御坂は、この上ない笑みを浮かべながら立ち上がる。

本来なら怒りを思う存分ぶつけているだろうが、今は吸血鬼としての人格が表に出ている。

怒りを撒き散らさない代わりに、明確な殺意が溢れ出ている。


御坂「ねぇ天井さん……私の妹達を解放してもらえないかしら?」

天井「悪いがそれは不可能だ。この計画に2万人の『妹達』は必要不可欠。『アレ』らには、存分に実験の相手をしてもらわなければ困るのだよ」



天井が淡々と答えていく。

天井「計画も、折り返し地点まで辿り着いた。そして、君のその凄まじいエネルギーのデータを元に妹達は改良され、実験期間を大きく短縮する事が出来るだろう。

なぁに、別にアレは君の本当の妹というわけではないんだ。
むしろ人間ですらない、ただのクローンだよ。一体18万円で製造出来る人形だ。

そうだ、そんなに妹が欲しいのなら君用に一体、改めて製造しよう。よかったじゃないか『お姉さん』」ニコッ




天井は全く悪意の無い笑みを御坂に向ける。
本当にそう思っているのだろう。


妹達を『アレ』と。クローンと。
なんの感情もなく、簡単に人形と言ってのけた天井は。

御坂「……私……貴方の血はいらない……」バチバチバチッ!!!

バチバチバチバチバチバチッ!!!!!!


御坂「炭化するまで電撃を浴びせてあげるから……覚悟してね?天井サン……」バチバチバチバチバチバチッ!!!!!


本来の人格は、今頃怒り狂っているだろう。
この研究所どころか、学区ごと消し飛ばしてしまいたいほどに。


吸血鬼の人格ですら、明確な怒りを露わにしだしたのだ。
もはや天井に助かる道はない。


御坂「ウァァァァアア"ア"ア"ッ!!!!」バチバチバチバチバチバチッ!!!!


御坂の強烈な電撃の槍が、天井へと襲いかかる。

全ての元凶に裁きを。

御坂の怒りが天井へと届くかと思われた瞬間

天井「その程度では、私には届かないよ。第三位」カチッ!


ズンッ!!!


電撃は何かに押し潰されるように遮断された。



御坂「ッ!?」


天井「やれやれ、せっかく妥協案を提案してあげたというのに……これだから中学生の子供は扱い辛いのだ……」チャキッ


普通の人間だったならばそうなのだろう。

だが、生憎天井の戦闘経験は、もはや普通の人間の域を超えている。


カチッ


天井は手にしたZガンを御坂に向け、躊躇なくトリガーを引く。

その瞬間


ドォォォォォオオオオオオッ!!!!!


御坂の頭上から超重量の何かが降りかかり、御坂はその場に押し潰された。

御坂「ガッ……」

天井「威力は調節してある。殺してはデータが取れなくなるからね。
普通の人間ならば全身の骨がイカれるだろうが、君はあの黒服達と同じ吸血鬼だ。この程度ならば、動きを抑えられる程度だろう?」ニィッ……


何とも言えない卑劣な笑みを浮かべ、天井は再びZガンのトリガーを引く。


ズンッ!!
ズンッ!!!
ズンッ!!!!


御坂「ガッ!!……グッ!!」ズンッ!!ズンッ!!!


トリガーを引く度に、御坂の身へと押し潰されそうな荷重が加わる。

身動きは取れず、ただただダメージを蓄積させていく。

天井「スーツも着ていないのに対した耐久力だ。細胞レベルで普通の人間とは造りが違うのだろう。
それに、能力のレベルも遥かに向上している。吸血鬼化とは何と素晴らしい変異なんだ。

君を捕らえたらまず、その辺りから調べてみようか。上手くいけば、元々の私の目的だった能力者量産計画にも転用出来るかもしれない」カチッ!カチッ!!



ズンッ!!ズンッ!!!


Zガンによる超荷重の拘束を受けながら、御坂は考えていた。


もっと力が欲しい。

もっともっと、こんな男に負けないような力が。







『ミサカももっと手伝うよ。って、ミサカはミサカは微笑んでみる』




御坂「ガッ!?……あ、アンタだけは……」ズンッ!!ズンッ!!!

Zガンの攻撃の中、御坂はゆっくりと立ち上がり始めた。


天井「む……」カチッ!カチッ!!


ズンッ!!ズンッ!!!!


天井が淡々とトリガーを弾き続けるが、御坂は何の影響も無いように、ゆっくり立ち上がる。



天井「何らかの力で、Zガンの攻撃を無力化しているのか?電磁シールドの類?……それとも何か別の要因が?」カチッ!カチッ!!


ズンッ!!!ズンッ!!!!

能力者の吸血鬼化。


それが、一体どのような効果を生み出すか予想も出来ない。
今わかるのは、少なくとも今の御坂は、単純に能力の威力が上がっただけではないという事だ。




御坂「例え手足が吹き飛んだとしても……アンタだけは私が殺すッ!!」

天井「それは無理だ」チャキッ




御坂が立ち上がり、再び天井へと立ち向かおうとした瞬間


天井はXショットガンを構え、御坂へと向けている。

ギョーンッ!!!


御坂「ッ!?な……」

天井「さぁ、どこを撃たれたかな?少なくとも、あと3秒で答えはわかるがね」ニィッ……


そして天井は、躊躇なく引き金を引く。

撃った対象に対して、3秒後に問答無用で攻撃が当たるXガン。一度撃たれれば防御は不可能。

どんな事になるかは、御坂もよく知っている。
例え吸血鬼の身体でも……



御坂「あ……ウァァァァアア"ア"ア"ッ!!!!」チャキッ!!

御坂は腰から、GANTZ部屋に置いてあった弓を素早く取り出し、咄嗟に赤い矢をセットし弦を引く。

吸血鬼の力により、非常に強い弦は、容易く引っ張れる。
そして、その状態で御坂は矢に、自身の切り札、超電磁砲を放つ為の電撃を纏わせた。


天使の襲撃時に使った赤い矢。

赤い矢は、爆発の矢。


名付けるならば、『超電磁爆裂矢(バーストレールガン)』とでも言うのだろうか。




御坂「天井ィィイイッ!!!!」グググッ!!!


天井「……フッ……」ニィッ……


そして3秒がたった。

…………



ドォォォォォオオオオオオッ!!!!!!!!!




白井「ッ!?」

浜面「ッ!?な、何だ!?あの火柱は!!」

絹旗「あれは……私達の超向かう、研究所辺りじゃないですか!?」


研究所まで残り200mほどの地点で、浜面達は天まで昇る巨大な火柱を目の当たりにした。
爆発音と衝撃が、これだけ離れた位置でも強烈に伝わってくる。


浜面「なんだよアレ……何をどうすれば、あんな爆発が起きんだよ!!」

絹旗「超知りませんよそんな事!!あんなの、麦野だって……」

絹旗の知る限り、最強の能力者である麦野の原子崩しですら、あんな事にはならない。
まるで、小型の核が爆発したかのような威力だ。



白井「一体、あそこで何が起きているんですの……」

投下終了です。
弓を御坂が使う事になって一番やりたかった、特殊矢の超電磁砲をようやく出す事が出来ました。

ちなみに威力は、このSSでの現在最高威力・最高攻撃範囲です。
ではまた。

こんばんわ、1です。




続きがほしいか?



続きがほしければくれてやる!!




じゃ、投下します。

…………


ゴォォォォオオオッ…………


天井「ふぅ……ここが研究所の敷地の端っこでよかったよ。おかげで、建物の全壊は免れた」


周囲が爆発によって燃え盛る中、天井はじっと前を見ていた。

その視線の先には、御坂が倒れている。


天井「GANTZの武器と能力者の組み合わせ……まさかこれほどのモノとはねぇ……」チラッ


天井は、後方を見る。



そこには大破した研究所の壁と、完全に崩壊した隣の研究所が見えた。
外は燃え盛る業火に包まれている。無人だったのが御坂には僥倖だろう。

人がいれば大災害だ。


まるでミサイルを撃ち込んだかのような光景だった。

天井「これを喰らっていたら、いくらスーツを着ていても一撃保つか保たないかだろう……素晴らしい!!
やはりGANTZには、無限の可能性がある!!扱う者の技量でこれほどまでの破壊力を生み出すのだ。
天使と戦ったあの日、最初に黒服と戦ったあの日に、彼女にこの力があればすぐに片付いただろうに」チラッ


天井は、倒れている御坂をふと見る。



Xショットガンで撃たれたにも関わらず、損傷はなかった。
Xショットガンは広範囲拡散射撃によって威力が弱まる。
凄まじい衝撃を正面から喰らい、御坂は意識が飛んでいるだけのようだ。

天井「腕の一本でも吹き飛ばしてよかったんだが、実験体はなるべく破損させたくない。
これから君の、吸血鬼の構造をくまなく調べる為にね」ニィッ……


天井は再びYガンを構える。



天井「これで拘束し、AIMジャマーとキャパシティーダウンで能力を封じ込めれば君はただの中学生の少女だ。
君の妹達共々、レベル6を誕生させる為のご協力……感謝するよ」グッ

そして、トリガーを弾こうとしたその時



シュンッ!!



天井「ッ!?これは……」

Yガンに突如、鉄針が突き刺さり破壊される。
いや、突き刺さったと言うより、突如現れたという感じだ。

そしてそんな事が出来る能力はただ一つ。







白井「お姉様……お姉様ッ!!!」


天井「空間移動能力者……白井黒子か。全く、『アイテム』ともあろう連中が、たかがレベル4の女子中学生も足止め出来ないとはな」


突如、倒れた御坂の側に現れたのは、風紀委員であり、御坂の後輩である白井であった。




白井「お姉様!しっかりッ!!」

あの火柱を見た白井は、浜面達のの制止を振り切り、単身空間移動にてこの場まで移動した。



そして、ついに見つけたのだ。

本物の御坂美琴を。

白井にはすぐにわかった。

彼女が本物の御坂美琴である事を。

ようやく会えた。




そして

白井「……貴方ですの?お姉様をこんな目に合わせたのは……」


天井「まぁ、そういう事になるか。困るんだ、我々の実験を邪魔されてはね」


白井「実験……では、貴方が絶対能力者実験を……」




ようやく会えた。
この悪夢のような実験の元凶を。


自分の慕う御坂のクローンを作り出し、それを道具のように扱う者達を。



天井「あぁ。学園都市の最大の目的である、絶対能力者。レベル6の能力者の実現。
それを達成する為の大事な実験なのだよ。それを邪魔するとは、それでも君達はこの学園都市の人間なのか?」

白井の問いに淡々と答える天井。

その言葉には、妹達を使い捨てにしている事に何の罪悪感も無く。

むしろ、実験の邪魔をする自分達が悪のような言い方であった。


白井「そうですの……」スッ


バッ!!

白井が太ももに装着している鉄針に手をかけた瞬間


天井は即、その場から飛び退いた。

その瞬間、天井の脚があった空間辺りに、鉄針が現れる。



白井「ッ!?避けた!?」


天井「白井黒子。レベル4の空間移動能力者。常盤台中学の1年生で風紀委員(ジャッジメント)に配属している。
先日、派手に我々の研究所を破壊してくれた君を、我々が調べていないとでも思ったのかな?」ニィッ……


天井は悪意の笑みを浮かべる。

天井「空間移動。なるほど、便利な能力だ。転移先に物体があれば、それに割り込むように転移される。
即ち、紙切れで鉄を切断する事も可能。……だが愚かだな」


白井「クッ!!」バッ!!

シュンッ!!
シュンッ!!!

白井が再び鉄針を転移するも、天井は素早く転移される前にその場を離れている。


天井「君の敗因を2つ教えよう。1つは君がその能力を過信し過ぎている事だ。

空間移動といっても、君が触れたモノを転移させているだけ。ならば、君の動きを見ていれば、転移のタイミングも容易く把握出来る。

後は、転移先に身体を置かないように動けばいいだけだ」

GANTZのスーツを着た天井は、身体能力が凄まじく強化されている。鉄針が転移される前に移動する事も容易い。


天井「そして2つ目。君は転移する際、座標指定に目標を視認しているハズだが……君とは相性最悪の男がいてね」ニィッ……

白井「相性最悪?どういう事です……ッ!?」グニャアッ!!!




突然、白井の視界が大きく歪む。

まるで、ピントが全く合わないメガネを掛けたような。
いや、それよりももっと酷い。


白井「うッ……うぅ……」ドサッ!!


凄まじく歪んだ視界により、平衡感覚が崩れ、立っていられないほどの吐き気に白井は襲われる。

「人の視界ってのは、光の屈折やら何やらを目で正しく捉えてっからモノが見えるんだ」

何処からか声が聞こえてくる。


「その目に入りこんでくる光の屈折を、めちゃくちゃに弄ってやれば……まぁ、視覚情報がめちゃくちゃになり、脳はパニック。平衡感覚もめちゃくちゃになるだろうな」


白井「そ、その声……もしや貴方はあの時の……」ブルッ……

白井は思い出す。




一ヶ月以上前の事。

レベルアッパーを巡る事件の時、対峙した1人のスキルアウト。

それは、レベルアッパーを用いてもレベル2という低い能力だったが、その男に白井は手も足も出なかった。

何とか建物ごと破壊するという荒技で倒したが、白井を一番追い詰めた男だろう。


白井とは、相性最悪の男。
最強の脇役を演じる男。








偏光能力「よぉ……久しぶりだな、風紀委員のお嬢ちゃん」









偏光能力(トリックアート)の登場である。







研究所1F



絹旗「浜面!超遅いです!!」

浜面「待てっての!俺はもう、スーツがぶっ壊れてんだからな!!」


白井から遅れる事数分。
浜面と絹旗は、車で研究所内に到達した。



浜面「白井はもう、中に入り込んでんだろ?早く合流しねぇと……」

絹旗「あまり先走らないでくださいよ?スーツの壊れた浜面なんて、超役立たずなんですから」


麦野との戦いで、浜面のスーツは壊れている。
戦いにおいて、あまり無茶な事は出来ない。


浜面「まぁ、相手は星人じゃなく人間だ。麦野クラスやGANTZメンバー以外が相手なら、俺でもどうにか」



その瞬間


バチィッ!!!!

浜面「……ガッ……」グラッ……



ドサァッ!!!



絹旗「ッ!?浜面?浜面!?」



突然だった。

突然何処からか放たれた電撃によって、浜面は呆気なく気絶してしまったのだ。



絹旗「今の電撃って……まさか……ッ!?」

バチバチバチッ!!!



更に電撃は、絹旗にも襲いかかる。


絹旗は常時、高密度の窒素を能力によって纏っている。
あの程度の電撃ならば、分散させてしまいダメージは通らない。


絹旗「まさか……貴女は……」


「侵入者を確認。これより排除します。と、ミサカは……」バチバチバチッ!!!!






次の瞬間

『レベル5級』の強烈な電撃の槍が、絹旗へと放たれた。

投下終了です。


このスレ中に、妹達→千手→??まで行きたいですねー。多分千手すら終わらないでしょうが……



ではまた。

>>1
GANTZ本編では空中戦はある?
もしこれからの話で空中戦があるならエースコンバット3のX-49ナイトレーベンみたいなのを武器として使わせるのはどうでしょうか?

>>139
もうGANTZの方に空中制御ユニットあるのでそういうきもい妄想は黙ってようね

>>139
>>140
武器のネタ出しは大歓迎なのです。>>1は派手なアクションゲーや漫画しか基本やらないモノで知識が狭いので。
もちろん、元ネタをGANTZ風に弄りますが。

一輪バイクみたいなのが変形して宇宙とか飛んでた気がするけどあれって別の機体だったっけ?
巨大ロボのコクピットにもなるアレだけど

なるほどね、天井は西君より相当強いんだろうな
しかしハードスーツかっこ良すぎだろオイ
カタストロフィ編じゃ学園都市はどうなるんだろ
あのチート兵器や能力者なら倒せるだろッて思う俺ガイル

こんばんわ、1です。今日は軽めに投下していきます。




>>142
あれはバイクに飛行ユニットが追加された感じでしたねー。でるのはどれだけ先になることやら……


>>145
他県GANTZメンバーなめちゃダメですよ。二刀流のヤツとか風の女の子版みたいなのとかめちゃくちゃ強かったですからね。それでもカタストロフィーはギリギリだったので、学園都市総戦力でもかなり厳しいかと。

研究所3F 西ブロック




白井「何故……貴方がこの場にいますの……」



偏光能力の能力により、視界情報を大きく狂わされ、立っていられなくなった白井が、目の前にいるであろう男に問いかける。


この男は、自分が以前警備員に引き渡したハズ。
それに、能力に関してもここまで強力なモノではなかったハズだ。


偏光能力「……あれから色々あってな。今は、この実験を担当するこの男に付いてんだ」



偏光能力は、静かに応える。

白井は違和感を感じていた。

本当に、あのスキルアウトの男なのか?

あの時のあの男は、こんな静かな男ではなかった。
仮初めの力を振りかざす、愚かなスキルアウトだったハズ。
明らかに成長している。いや、もはや達観している。

この一ヶ月以上の間、偏光能力はそれだけ多くの事を経験してきたのだ。

GANTZの死闘の中で。

暗部の暗い闇の中で。


そして


偏光能力「俺はいつか……テメェに礼を言わなきゃならないと思ってたんだ」

白井「礼……ですの?」

偏光能力「あの時俺は、テメェに完膚なきまでにボロボロにされた。レベルアッパーの力で調子に乗っていた真っ最中にな。
だが、テメェにやられたお陰で一つ気付いたんだ」


偏光能力が、白井の側でしゃがみ込む。


白井は、自身の能力を使おうとするが、視覚を完全に狂わされ、座標指定が出来ない。

そもそも、脳がショートしまともに演算が出来ない。

思考能力自体が曖昧なのだから。




偏光能力「マジの強さってヤツは、能力の強さなんかじゃねぇ……自分の信念ってヤツを貫く強さなんだってな」スッ……


そして


ガンッ!!!

白井「ガッ……」ドサッ!!



そのまま頭を床に叩きつけ、白井の意識を無理矢理奪った。
もちろん、スーツの力を考えて物凄く手加減しているが。



偏光能力「正義か悪で言やぁ、俺は極悪人だ。2万もの『人間』を殺す実験に加担してんだからな。
だが……俺の信念は曲げさせねぇ。その為に手に入れた力だ」






何かの漫画に書いてたな。
力とは、自身の我儘を押し通す力と。







偏光能力は決して曲がらない。
あの少女の使命を。造られた命の目的を成就させる為に。






そして、『彼女』も決して曲がらない。












御坂「……黒子の声が聞こえた……」グググッ……












偏光能力「ッ!?テメェまだ……」


天井「おやおや……存外しぶといモノだ。流石は第3位。流石は吸血鬼といったところかな?」カチッ……




偏光能力と、Xガンを握りしめた天井は、目の前の光景に驚いている。




絶対等速に多大なダメージを受け。

天井にZガンの重力砲撃を受け。

更にはXショットガンの衝撃を受け。



それでも、御坂美琴は立ち上がってきた。



御坂「黒子……もうすぐ終わるから……一緒に帰ろうね……」バチバチバチッ……



先ほどまでの、血走った目ではなく、虚ろな目をした御坂が帯電を始める。

意識が朦朧としているのだろう。

天井「……フッ」ギョーンッ!!


それでも、視線は真っ直ぐ天井へと向いていた。

倒すべき敵へ。



御坂「く…た…ば……れッ!!」バチバチバチバチバチバチッ!!!



御坂が、最後の力を振り絞って電撃を放とうとした瞬間








ドパァァアアアッ!!!!


御坂「……あっ……」ブシュゥウウッ!!!


御坂の左腕が爆ぜた。

偏光能力「……バカ野郎が……」


天井「つまらない……つまらないね。レベル5といっても所詮は第3位。所詮はただの複製元(オリジナル)か」


既に、天井はXガンで御坂をロックしていた。御坂の左腕を。御坂が立ち上がった瞬間に。


御坂「……く……」ドサァッ!!


常に先手をとる。
それが、御坂と天井の勝敗をわける決め手であった。




例え御坂が何度立ち上がってきても、結果は変わらない。
油断すれば死の世界を生き抜いた天井の前には、
番狂わせなど存在しない。




天井「さてと……ようやくこの騒ぎも解決か。偏光能力、第3位を急いで実験室に運んでくれ。

この程度じゃ死なないと思うが、念の為だ。……彼女のデータが実験短縮の鍵となる。『妹達』の為となるんだよ」


偏光能力「……あぁ……わかってる……」


都合のいいように使われているだけ。
偏光能力は理解していた。ただ、それを拒む事は出来なかった。



そして

ドゴォォォオオオオオッ!!!!



突如、フロアの床が下から突き上げられるように崩壊した。





絹旗「見つけた!!超悪いですが、そこまでにしてもらいむすよ!!」ピンッ!!





そこから現れたのは、絹旗だ。
同時に絹旗は、天井達の前に缶のようなモノを放り投げた。


偏光能力「ッ!?お前は」

天井「ッ!?」

その瞬間





凄まじい轟音と光が辺りを襲う。

天井「グッ!!」


絹旗「フレンダ特性の、スタングレネードです。超効き目は抜群ですね」バッ!!

絹旗は天井達の目と耳を封じている間に、倒れている御坂と白井を担ぎ、そのまま崩壊した穴からその場を離脱した。


この間、僅か10秒足らず。

まさに早業であった。






天井「グッ……クソッ!!何故『絹旗最愛』がここにいる!!ヤツは『アイテム』の人間だぞ!?」

天井は、絹旗の素性を知っていた。

だからこそ、アイテムをもう一つの研究所警備に当てたのだ。

単純に、GANTZによって強化された力を戦力に加える為に。
そして、邪魔となりそうな可能性のある者を、少しでも遠ざける為に。


それが、誤算だったのだが。

天井「何故だ……何故裏切った!!それに、『フルチューニング』は……0号は何をしている!!」

研究所1F



絹旗「浜面!!白井さんとオマケを回収しましたッ!!超ダッシュで撤退しますよ!!」


絹旗は、一緒に研究所へと突入した浜面へと駆け寄る。
浜面は、GANTZの武器では無く、普通の拳銃を装備していた。


浜面「来たか!!って、御坂!?何でコイツが……てかコイツ本物か!?妹達とかいうヤツじゃ」


絹旗「そんなの後で確かめたらいいでしょうが!!超『皆』で逃げますよ!!」ダッ!!


絹旗は、『その場にいた全員』に、撤退を呼びかけそのまま走って建物の外へと向かう。


浜面「了解!!おい、『3人とも!!』早くこっから出るぞ!!」



浜面は、敵と交戦中の3人に呼びかける。











麦野「あぁ!?誰に命令してんだはーまづらぁッ!!」

フレンダ「結局、さっさと脱出しようってわけよ!!レベル5の相手はキツ過ぎー!!」

滝壷「おさき」ダッシュ!!







そこには、もう一つの研究所にて浜面が戦った、アイテムのメンバーがいた。

そして滝壷は見た事ない速さで建前の外にある車両へと向かった。

投下終了です。
途中で中断になり申し訳ありませんでしたー


10分程前


絹旗「クッ……何故貴女が超向こうについてるんですか?第3位!!」

御坂?「ミサカは侵入者を排除せよとの命令を受けています。と、ミサカは命令を遂行します」バチバチバチッ!!!


絹旗の問いに機械のように返答し、御坂?は絹旗へと強烈な電撃を放つ。

絹旗は、近くにあった瓦礫を放り投げ、電撃を防ぐ。
それにしても、何故こんなに大きな瓦礫が散らばっているのか。



絹旗「貴女は!実験の事を知らないんですか!?常盤台の超電磁砲ってのは、そんな超血も涙もない女だったんですか!?
貴女の後輩があんなに頑張っているというのに!!」


御坂?「ミサカは侵入者を排除せよとの命令を受けています。と、ミサカは命令を遂行します」バチバチバチッ!!


御坂?は、辺りの瓦礫から砂鉄を集め、それを用いて槍を作り出す。
それを自由自在に飛ばし、絹旗へと向ける。

絹旗「話が超通じません!!もしかして洗脳されてる?」

絹旗は目の前の御坂がクローンの可能性も考えたが、クローンはせいぜいレベル3だということ。
しかし、この電撃や攻撃力は明らかにレベル4を超え、レベル5並と予想できる。


絹旗「このままじゃ超防戦一方です、何とかあの人の動きを……」

とはいえ、今の絹旗ではやり過ぎてしまう可能性がある。
妹達を助ける浜面に組みしている以上、それは避けなければならない。
しかし、相手はレベル5。このままではジリ貧である。




「絹旗。頭下げな」




絹旗「え!?うわっ!!」バッ!!

聞きなれた声に反応し、咄嗟に絹旗は身体を屈めると

バシュウッ!!!

御坂?「ッ!?」バチィッ!!!


突如、絹旗の後方からレーザーのようなモノが放たれ、御坂?へと突き進む。
御坂?は電磁シールドによって、それを防いだ。


絹旗「な、何で……超何で貴女がココにいるんですか!!麦野ッ!!」


絹旗が後方を見ると


麦野「チッ!クローンだかオリジナルだか知らねぇが、原子崩しが防がれるか。イライラするわね、第3位」


そこには、先ほど浜面と死闘を繰り広げた麦野の姿があった。

フレンダ「結局、どう見ても様子が変なわけよ。滝壷、アレは本物の第3位なわけ?」

滝壷「ん……何だか変なAIM拡散力場が……まるで無理矢理能力が行使されてるような……」


更には、浜面に気絶させられたフレンダと、滝壷の姿も。


アイテム勢揃いである。

麦野「あぁ?もうあっちの仕事は片付いたんだ。オフに何しようが私等の勝手だろ?」


そう言いながら、麦野は気絶している浜面の元へ向かう。

麦野「オラ、起きろ馬鹿面!」ゲシッ!!



浜面「おぅふ!!……へ!?麦野!?ちょ、ちょっと待て!!リターンマッチには早すぎるって!!」アタフタ



突如目の前に現れた麦野に、浜面は慌てふためく。



先ほど思いっきり顔をぶん殴った女が目の前にいるのだ。
スーツの加護が無い今、絶体絶命である。



麦野「なーにアタフタしてんだよ、はーまづらぁー。もっかい原子崩しブチこまれてぇのか?」


浜面「やめて!今アレ喰らったら跡形も無くなっちゃうから!!もう浜面さんギブアップだから!!」




麦野へと無条件降伏する浜面である。

麦野「ハッ……私のツラぶん殴ってくれたんだ。こんなところで楽に殺さねぇよ。
コレが片付いたら、また思いっきりこき使ってやるからな!!覚悟しなさいよね!!」バシュウッ!!


再び麦野は、原子崩しを御坂?へと撃ち込むも、再び防がれる。

麦野「絹旗ァッ!!私らがこのメスガキ抑えててやっから、とっとと用事を済ませてきなァ!!」バシュウッ!バシュウッ!!


フレンダ「絹旗!結局、コレを持っていくわけよ!!超強力スタングレネード」ポィッ


絹旗「麦野、フレンダ……わかりました!!超ダッシュで行ってきます!!あ、その人殺しちゃダメですからね!!」ダッ!!


そういうと、絹旗はスタングレネードを2つ受け取り、猛スピードで走って行った。

御坂?「ミサカは侵入者を排除せよとの命令を受けています。と、ミサカは命令を遂行します」スッ……


麦野「……ウチらがその前に殺されなかったらね……」


相手は第3位のレベル5。
クローンか本物かはともかく、その力は本物だ。


万全の状態なら負ける気はしない。
たかが中坊のメスガキに負けるわけがない。

ただ、今は浜面との戦闘で正直、激しく消耗している。

勝算は5分といったところか。





最も、これは麦野の自分本位の戦力分析の為、実際にはかなり勝算は低いのだが。

浜面「大丈夫だ麦野、俺やフレンダも助太刀すっから」チャキッ!!


フレンダ「うぅ……正直レベル5の相手なんてゴメンなわけよ……だけど、麦野がやるなら私だって!!」



浜面が拳銃を構える。
GANTZの武器を、ミッション時以外に麦野達に見られるわけにはいかないのだ。


そしてフレンダも構える。

フレンダはトラップの名手。正直攻める側になると弱い。それでも、麦野がやるならやらないわけにはいかないのだ。



麦野「……ハッ、精々流れ弾に当たんないようにしなさいよ!?」



そういうと、麦野は笑みを浮かべながら、目の前の脅威へと立ち向かう。

研究所 2F 中央制御室前


絹旗「ハァッ、ハァッ、超案外早く見つかりましたね……」


絹旗は、僅か数分で研究所を統括する制御室の前まで辿りついていた。
物理的なショートカットをしまくったのだろう。絹旗の進行ルートには壁や天井や床から穴が空いている。


とにかく

これでこの戦いは終わるのだ。

絶対能力者実験がどれだけ中断されるかわからない。それでも、ひとまずは区切りをつけることが出来るだろう。

絹旗には関係ないが、それで浜面が助かるのなら……


絹旗「べ、別にこれは浜面の為なんかじゃ……そう、暇潰し!超暇潰しに付き合ってるだけなんですからね!!」

テンプレのようなツンデレを呟きながら、制御室へと入ろうとしたその瞬間






メキィッ!!!






絹旗の耳に、嫌な破壊音が聞こえてきた。

絹旗「ッ!?……誰だかは知りませんが……」


絹旗の側で、金属の球体が砕けたモノが落ちている。
先ほどの破壊音はコレだろう。

いつの間にか、絹旗は音も無く攻撃されていたのだ。


絹旗「こんなモノで、私の窒素装甲は超破られませんから」


窒素装甲。

絹旗のレベル4の能力。

空気中の窒素を固め、自身を守る不可視の鎧とする能力。

物理的な攻撃に関しては、ほぼ鉄壁を誇る能力だ。

強い星人の破壊力相手には、心もとない能力だが、人間相手・並の能力者程度ならばまず貫けない。


そう。

並ならば。



次の瞬間


数十個の球体が、四方八方から絹旗に襲いかかってきた。

絹旗「ちょッ!?」ビクゥッ!!


慌てて絹旗は、回避行動をとる。
いくら何でも球が多すぎる。


絹旗「グッ……誰だかわかりませんが、超やってくれるじゃないですかッ!!」グシャッ!ゴシャッ!!


次々と、飛んでくる球体を絹旗は破壊していく。
何発か被弾しているが、今のところ窒素装甲が破られる程ではない。


絶対等速「何だあのガキ……俺の球をことごとく壊してやがる……」

離れたところで球体を操る絶対等速が、次々と球体を破壊する絹旗を見て驚く。


絶対等速「あのナリで肉体強化か何かか?俺の能力は、操作しているモノが破壊されたら解除されちまうからな」

絶対等速の天敵。

それは、操作しているモノ自体を破壊する事が出来る能力。


対御坂の場合は、電撃を通さない材質で対応出来たが、単純に攻撃力の高い相手では材質などあまり関係ない。

最たる例では、麦野の原子崩しだ。彼女の前では絶対等速は完全に無力と化す。


ただし、相手は原子崩しではない。



絶対等速「しょうがねぇ……アレを使うとするか」スッ……


そう。相手は肉体強化かそれに類する能力。


ならば、より破壊できないモノを用いればよい。



絶対等速「いくぜ……これが俺の切り札だ!!」バッ!!



絶対等速がそれを取り出し、投げる。

絹旗「ッ!?新しい球ですか!?超懲りないですね!!」グッ!!



高速でこちらに向かってくる球体を、絹旗は腰を据えて待ち構える。


これを破壊してさっさと制御室を壊し、先に入った白井を見つけてさっさと脱出。


絹旗は正直自分の力を過信していた。



窒素装甲とGANTZスーツ。更に、GANTZのグローブやブーツによる超打撃。



これに真っ向から勝てるモノなどいないと。



そして、絹旗の右拳がその球体を殴りつけた瞬間




ドォォォォォオオオオオオッ!!!!!!

絹旗「ガッ!?……う……そ……」ズルッ……


ドサッ!!!


凄まじい衝撃音と共に、絹旗の右腕が大きく弾かれ、その勢いで思い切り身体ごと壁に叩きつけられ。

そして、その場に倒れ伏した。



絶対等速「……『W-Be(タングステン・ベリリウム)合金』……」




絶対等速「……この世の物質で、最も破壊が困難とされるモノだ」パシッ!!


絶対等速が絹旗の前に現れる。
手には先ほど、絹旗が破壊しようとした球体が。


球体には、ヒビ一つ入っていない。
黒服・斎藤すら粉砕した絹旗のフルパワーパンチにも関わらずだ。

絶対等速「加工に凄まじいコストがかかる為、外では実用化出来ないと言われているが、そこは学園都市の科学力。
こんな球体状に加工が出来れば、あとは俺の能力で防御不可能の無敵の弾丸となるのさ」



絹旗「……クッ……」ズキズキッ……


絹旗は右拳に鈍い痛みを感じながら立ち上がる。


折れたか?最低でもヒビは入っていそうだ。


窒素装甲とGANTZスーツとグローブ。


この3つを重ねても尚、絶対等速の切り札はそれを貫いてきた。




破壊不可能の球体。

破壊されない限り、進むのを止めないという単純な能力。



この二つが組み合わされる事で、絶対等速は一種の無敵の矛を手に入れていた。

絹旗「ふ……ふふふ……」

絶対等速「何だいきなり?イカれちまったのか?」

絹旗「いえ……まさか、今の私の攻撃で壊せないモノがあるなんて超思いませんでしたからね。
恐らく、今の私では貴方を倒す事は出来ないでしょう」


XガンやZガンなどがあれば容易く勝てるだろうが、絹旗はグローブの他にGANTZ武器を所持していない。
持っていたとしても、GANTZに殺される恐れがあるので使わないが。


ならば



絹旗「デヤァァァアアアアッ!!!」ブンッ!!


ドゴォォォオオオオオッ!!!


絹旗が突如、壁を殴って崩壊させる。
その際に生まれる砂埃によって、一瞬絹旗の姿が隠されていく。


バチバチィッ……

絶対等速「ッ!?消えた……チッ!!」バッ!!


砂埃が晴れた後。


絶対等速は、目の前から突然姿を消した絹旗への対策として、細かい砂のようなモノを自身の周囲に撒き散らした。



絶対等速「粒子の壁だ。近接でも遠距離でも、そう簡単には突破できねぇぞ?」



何処から現れるかわからない絹旗へと、絶対等速は警戒を強める。



そして




ドゴォォォオオオオオッ!!!!



絶対等速「ッ!?な……まさか!!」ダッ!!

突如聞こえた破壊音に何かを勘づき、絶対等速は音の発生源へと向かう。


発生源は、中央制御室の中だ。

絶対等速「ッ!!!?クソッ!!やりやがったあのガキッ!!」


絶対等速が中に入ると、中央制御室の機械は粉々に粉砕されていた。
絹旗の仕業だろう。


別に、絹旗は絶対等速を倒す必要はなかったのだ。
面倒な相手ならば躱せばよいだけ。


壁を壊して発生した砂埃と共にGANTZスーツのカモフラージュ機能を使えば、GANTZに殺される恐れも無くGANTZの機能を使う事ができる。


絶対等速「チィッ……まぁ、既にデータ移転は済んでいる。アイツ等のやっている事は全て無駄な足掻きだ。
次に会う事があったら、キッチリトドメをさしてやるぜ!!」ダッ!!


そう言い残し、絶対等速はこの場を後にした。



バチバチィッ……


絹旗「私はもう超ゴメンですけどね。麦野か浜面辺りにやってもらいましょう」


絶対等速が離れたことを確認し、絹旗は次の目的。

先に潜入した白井の救出へと向かった。

投下終了です。絹旗初めてのおつかいでした。


とりあえず、研究所襲撃編はここで終了です。結果はTHE脇役チームの勝利という事で。


次回からは、少し顛末を整理した後、色々と複雑に絡まりまくった禁書とGANTZワールドの結晶、お待ちかねのVS一方通行編のスタートです。禁書原作3巻、GANTZ原作5〜6巻くらいです。

色々と総力戦になると思いますので、お楽しみに。

こんばんわ、お久しぶりです。1です。



ようやくヒマが出来たので、久しぶりに投下しようと思います。

『8月20日』





御坂「ハッ!?」バッ!!


意識を取り戻した御坂が、起き上がる。

研究所はどうなった?

天井は?

実験は?

一瞬の内にあらゆる思考がめぐり、御坂が周囲を見渡す。


見覚えのある部屋のベッドの上に、御坂は横たわっていた。
窓から部屋に射し込むハズの光は、完全に閉ざされている。





御坂「ここは……寮の私の部屋?」




ホンの2週間前後の間の出来事だったハズだ。
天使との戦いの後に現れた黒服達の襲撃から、自身が吸血鬼と化し、放浪の生活を送っていた日々。


なのに、この部屋に帰ってきたのはもう、何年も昔の事のように思える。







白井「お姉様……」

御坂「黒子……ただいま……」








ベッドの側には後輩であり、ルームメイト。相棒である白井の姿があった。
ずっと側で看病してくれていたのだろう。何と健気な後輩を持った事だろう。


この数週間、姿を消していた事をどう説明しようか。
微かな記憶、あの研究所にいたという事は、彼女も実験の事を知り、それを止めようとしていたのだろう。
元々は白井の持っていた資料から実験まで辿り着いたのだ。
きっと彼女は、自分に知られない様にと必死で実験を止めようとしたのだろう。




本来ならば、涙を流しながら、感動の再会に抱き合うシーンに違いない。

御坂「で……アンタが今手に持っているのは何なのかしら?」








ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ

白井「え?い、いえ……お姉様が本当にお姉様であるのかの確認の為でして……決してお姉様の温もりや香りを堪能しようとしたわけでは……あぁ……///久しぶりのお姉様のパフューム……」ブルッ……

ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ









白井が、自分が履いていた短パンを頭に被り、呼吸を荒くしてさえいなければ。


バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチィッ!!!!!!!

御坂「ふぅ……改めて、久しぶりね黒子」

白井「え……えぇ……お帰りをお待ちしてましたわお姉様……」ビクビクッ……




対象を白井だけに絞った正確無比な電撃によって、白井は改めて目の前の御坂が本物の御坂である事を確信する。





御坂「腕……吹き飛ばされたハズだったけど……」

御坂は、天井に吹き飛ばされたハズの腕が、何事も無かったかのように再生しているのを確認する。

吸血鬼の力。高い再生能力。

確実に、白井にも知られただろう。
自分がもはや、人間と呼べるモノでは無いという事を。

白井「……明け方前には、完全に元の状態に戻っておりましたの。……大変な思いをされましたね、お姉様」


白井は、大体の事情をあの夜、浜面と絹旗に。主に絹旗に聞いていた。




8月8日。

学園都市に非常警戒態勢が敷かれたあの日、御坂は学園都市への侵入者と交戦し、その際何らかの理由でこのような身体になったと。



真相からは大分ボカされているが、まぁ間違ってはいない。
とにかく白井は、それ以上は聞かなかった。


聞いてはならないのだと、悟ったからだ。




御坂「うん……まぁ、お医者さんが言うにはちゃんと元に戻る病気みたいなモノらしいから、黒子は心配しないで」


正直、最終的には元の身体に戻りたいが、今はこの身体の戦闘能力が必要だし。と、御坂は考える。

実験は止められたのか。
正直、まだ止められてはいないだろう。
しかし、中断までは追い込んだハズ。


再び天井達と対峙する時がくるだろう。
その時に、力が必要なのだ。



白井「さてと……お姉様も起きられた事ですし、私はこれから風紀委員の活動に向かいますわ。
くれぐれも!!今日くらいは安静になさってくださいですの!!」シュンッ!!


そう言い残し、白井はその場から消える。


御坂「……そうしたいところなんだけどね……やっぱり確認しておきたいじゃない……」ムクッ……


そう言うと、御坂はカエル顔の医者にもらった薬を服用し、朝日の眩しい外へと出て行った。

『8月20日』






『筋ジストロフィー関連の研究所が、相次いで閉鎖。研究再開の目処立たず』



学園都市の空に浮かぶ、電子掲示板を搭載した飛行船には、そう書かれている。


それを御坂は、よく通っていた公園から眺めている。



御坂「目処立たず……か……」フゥッ……




御坂は、白井の残していた研究所リストを元に、絶対能力者実験の研究所を全て洗い出していた。



結果、全ての研究所が存続不可能レベルの破壊工作を受けていた。


白井がやったのだろう。

天井や他の科学者達が、このまま諦めるとは思えない。
恐らく、そう遠くない未来に再び、この実験は行われるだろう。


それまでに、必ず自分が決着をつける。


今度こそ、完膚なきまでに実験を潰す。
その為に、吸血鬼の力を得たと思えば、これまでの苦しみも報われるというモノだ。



そして




御坂「いつか必ず……必ず生き返らせてあげるからね……当麻……」




GANTZ。


黒い球体の部屋。


あの地獄から何故か逃れられた御坂は、必ずあの場所に戻ると改めて決意を固める。

『死ぬ……なよ……』








あの日、黒服・氷川に上条が殺された日。


上条は、最後まで自分自身以外の人間の身を案じていた。

御坂「カッコつけすぎなのよ……あのバカ……」


上条は、御坂や他の人間が危険を冒してまで自分を生き返らせる事など望んでいないかもしれない。


しかし


御坂「絶対、文句言ってやるんだから……絶対に……」


そう心に誓いながら、御坂は歩みを進める。





と。




「だぁぁぁああああッ!!!上条さんの生活費がぁぁああああッ!!!!!」

御坂「……………………え?」





そんな矢先、御坂の目の前には信じられない光景が。





「返せよぉ……上条さんのお札……返してくれよぉ……」




御坂「……ウソ……なん……で……」ドクンッ……



目の前にいたのは、自動販売機の前でこの世の終わりのように絶望している少年。


ツンツン頭の少年。


『目の前で、死んだハズの少年』




御坂「あ……アンタ……」


上条「ふぇ?」グスンッ


思わず声が出た。

声をかけてしまった。


何て言おう。
何を話そう。

御坂の頭の中で、色んな思いが駆け巡る。

学園都市第3位の頭脳が、ショート寸前まで思いを巡らせ、導き出された答えは









御坂「何でこんなところにいんのよアンタァァァアアアッ!!!!!!」ビリビリビリビリッ!!!!!


上条「だぁぁぁああああッ!!!何だお前いきなりぃぃい!!!」パキィィンッ!!!!









とりあえず、電撃を撃っとけだった。

ここからしばらくは、上条さん視点をお楽しみください。

『8月20日』





今日も不幸が絶好調の私こと上条当麻はふと喉が渇いたので学園都市の怪しい実験ジュースが販売されている自動販売機でジュースを買おうとしたところ貴重な生活費を自動販売機に飲み込まれてしまう所存でございましてあぁやっぱり今時二千円札なんて使えば自動販売機もバグっちゃうのかなでもなんとかして取り戻さないとタダでさえあの大食いシスターに圧迫されている我が家の生活費が更に圧迫されてしまうことになりますしおすしあーそう考えたらなんか知らんけど寿司食べたくなってきたなー今日は閉店間際のスーパーにいって寿司をオカズにご飯を食うかーただその為には何が何でもこの自動販売機から我が愛しの二千円札を取り戻さなければならないのですよこれがしかしまぁ長々と色々思考してるけど誰かここ読んでるのかな?なんてふと訳のわからない事も考えて少し悲しくなってきたので涙が出てきたいいよね泣いたってだって貧乏なんだもんなんて悲劇のヒロインぶっていたらまぁ何といつの間にか可愛い女の子が上条さんの側に立っているじゃありませんかいきなりアンタ呼ばわりされて強気な女の子だなと思いつつどうやらこの自動販売機を使いたいようだから念の為お札は使わない方がいいという事を伝えようとしたらまさかの電撃ビリビリビリビリビリビリビリビリってギャァァァァア"ア"ア"ッ!!!!!!!

上条「何だ何だよ何ですかぁ!?いきなり人に電撃喰らわせるなんて!!ここは修羅の国じゃねぇんだぞ!?」



えぇ、驚きましたよ。
一見可愛い女子中学生……いえ、上条さん別にロリコンじゃございませんよ?あくまで一般的な感想でして。

そんな花も恥じらうJCが、いきなり人に電撃喰らわせてきたんですことよ?
咄嗟に右手が反応してくれなかったらまた病院送りだっつーの!!
もうタダでさえあの錬金術ヤローに腕ぶった切られて、カエルの先生に貸し作りまくってんだから、これ以上、上条さんの負債を増やさないでくださいよー。



御坂「何だじゃないわよこのバカ!!あんだけ人に心配かけておいて、何ナチュラルに登場してんのよ!!GANTZは!?誰がアンタを戻したの!?」ポロポロッ



え?何?何でこの子いきなり涙流してんの?
え?もしかして上条さんの知り合い?記憶消し飛ぶ前の?


やっべ、昔の上条さん、こんな可愛らしい女の子に泣かれるくらいの接点があったの?



ていうかガンツって何?

上条「えっ、えっと……上条さん貴女に何か致しましたっけ?」


御坂「えッ!?」




うわ!?凄え驚いた顔してるよ!!ヤバいなヤバいよヤバいんです、一体なにやらかしたんだよ俺ぇッ!!
落ち着け……とにかく落ち着いて、冷静に話を合わせるんだ。ギャルゲーの如く、数ある選択肢の中から当たり障りのない回答を選べ。そうすれば解決の糸口が……




御坂「……そ……か……アンタは……アンタは……」グスッ……



え?何か勝手に納得された?初っ端から選択肢ミスっちゃったの上条さん?いや、むしろ正解?


シュンッ!!!




白井「お姉様を何泣かしてやがるんですのこのすっとこどっこいがぁぁぁぁああああっ!!!!!」ブンッ!!!


上条「グハァッ!!!!」ズザァァアアッ!!!

あれ?何この展開?何で上条さん今蹴られたの?
ていうかいきなり現れてきたこの子何者?



白井「貴方という人は……てっきり害のない頼れる殿方と思っておりましたが、お姉様を泣かせる何てとんだ大罪人でしたの!!

亡くなったと聞いておりましたが、お姉様を泣かせたその罪、今までの借りを帳消しにしてもまだ余り余っておりますわよこの類人猿がァァァアアアッ!!!!もっかい涅槃に送ってやりますのォォォオオオオッ!!!!」



上条「ひ、ひぃぃぃいいいっ!!!」



何このスカウターが一瞬で爆破しそうな程の戦闘力は!?
お、鬼だ。今俺の前には、鬼が佇んでいる!!




御坂「黒子!黒子ストップ!!」

白井「ハイ、何ですのお姉様」



切り替え早っ!!
ていうかお姉様って!何?姉妹には見えないし、そういう関係!?禁断の愛ってヤツ!?






御坂「ちょ、ちょっと話が……えっと……さ、作戦ターイム!!!」

上条「ど、どうぞ……」




上条さん視点終了。

数分後



御坂「ひ、久しぶりねアンタ!この常盤台の超電磁砲、御坂美琴を覚えてる!?ところで何自販機の前でメソメソしてんのよ!?」ドンッ!

白井「は、初めまして類人猿さん!わたくし、お姉様の露払いをしております白井黒子と申しますの!!以後お見知りおきを!!」ドドンッ!!


上条「え?何、この仕切り直し感……テイク2ですか?」


数分間、御坂と白井は何やらゴニョゴニョと話し合った結果、何とも不自然な何も無かった感を演出していた。

大根役者にも程があるレベルで。

作戦ターイム中





白井「どうされましたのお姉様!!それよりあの方、上条さんですわよね?私、あの方は亡くなったと聞いていたんですが」

御坂「そ、それはまた別の日に説明するとして……恐らくアイツは、事故か何かで記憶を失っているみたいなの」


御坂は思い出した。

天使との戦いの日。
彼が黒い球体の部屋で言っていたこと。
天井が言っていたこと。



今、この場にいる上条当麻は


GANTZに捕らわれた上条当麻ではない。


あの日起きた何らかのバグによって、GANTZから解放された上条当麻である。

白井「え?き、記憶喪失というヤツですの!?」

御坂「う、うん……恐らく、ここ数週間くらいの記憶だと思うけど……」


御坂は考える。

バグとはいえ、解放された上条当麻にGANTZの記憶は残っているのか。

否。

先ほど御坂はGANTZと上条に言ったが、上条は特に何の反応も無かった。

恐らく、あの部屋の記憶。
もしくは、あの部屋に送られた日からの記憶が、上条にはないのだろうと、御坂は推測する。



なお実際は、この上条当麻の記憶は7月28日より前のエピソード記憶は全て消し飛んでいるが。



御坂「アイツも自分の記憶喪失を隠そうとしているみたいだし……だから私達も、この数週間はアイツと関わっていないということにしよ?」

白井「わ、わかりましたの。ですが、既に私はあの方に知り合いのようなやり取りを……向こうは私の事を知らないので」

御坂「そ、そこはほら!ごく自然に誤魔化せばいいのよ!!無かった事にすれば!!ほら、アイツ少し抜けてるところあるし!!」


その結果がアレである。

…………




御坂「とりあえず、黒子は何処かに行ったけど……これからどうしよう……」ドッサリ


上条「不幸だ……上条さんが、犯罪の片棒を担いでしまうなんて……」ドッサリ


あれからなんやかんやあった。


明らかに挙動不審の白井は早々に退場したり

場を誤魔化そうと、上条の呑まれた金額分のジュースを取り返そうと自動販売機に斜め45度の蹴りを喰らわせたところ、吸血鬼の力を忘れていた為、自動販売機が5mくらい吹っ飛んだり

その自動販売機から雪崩のようにジュース缶が吐き出されてきたり


とにかくなんやかんやだ。

鹿目まどか「作者におじさんおばさんたちの言う通りです それから、のび太君の担任は私の仲間や家族、友達にも危害を加えたのよ」
カイザー・Sと鹿目まどかの息子(長男)「父さんとまどか母さんの言う通りだ! 生徒を廊下に立たせるなんて俺も許さんぞ!!」
カイザー・Sと鹿目まどかの娘(長女 姉)「まどかママとパパとお兄ちゃんの言う通りよ! それから、私の友達や仲間を傷つけたら、まどかママとパパを呼んでのび太君の担任に攻撃してもらうよ!!」
カイザー・Sと鹿目まどかの娘(次女 妹)「お父様もまどかお母様もお兄様もお姉様もお祖父ちゃんもお祖母ちゃんもこんな教師には何を言っても無駄だよ!! まだこんな教師よりサンゴ師匠やゴッド王、大原部長や井川恵子、井川典子、井川美子の方がよっぽど善人に見えるよ!!」
ゴッド王「とにかく、のび太の担任とその手下は指導室で自分のやったことをきちんと反省しろ!!」


今日はここまでにするが機会があったら書くかもしれません
先生vsカイザー・S(作者)ファミリー!!

上条「しかし……蹴りで自動販売機を吹っ飛ばすなんて……見掛けによらず怪力なのですね」


御坂「うぐ……いや、アレはたまたま当たりどころがよかったのよ」

上条「当たりどころの問題かアレ?」


戦利品を飲みながら、2人は会話を弾ませる。



この数ヶ月、上条と御坂の2人はGANTZという特殊な戦術を共に生き抜いていた。

しかし、目の前にいる上条は御坂の知る上条ではない。


共に生き抜いてきた上条当麻は、もう死んでいるのだ。



御坂「(アイツであって、アイツじゃない……根っこの部分は同じなんだろうけど……)」

ある意味、この上条もクローンのようなモノなのだろう。
こちらには、誰かに己の運命を左右されるようなモノはないのだろうが。


御坂「(いつかGANTZのアイツを生き返らせたら……一体どちらが本物と言えるんだろう……)」

ふと御坂は考える。
同じ世界に同じ人間。

果たしてどうなってしまうのか。


上条「ん?…………あ、あれ?ビリビリ……が2人?」

上条が、ふと気付く。
目の前の光景に映る違和感に。

御坂「だから、ビリビリって呼ぶなって前から……2人って……」ドクンッ……

御坂も上条と同じ方向を見る。
そして、同じモノを見る。


御坂「う……そ……そんな……中断されたんじゃ……」


「容姿の事で似てると言えば、お姉さまとは遺伝子レベルで同じですから。と、ミサカは答えます」


上条「遺伝子?……あぁ、双子ってこと?」


そこには、御坂が立っていた。
ゴーグルのようなモノをつけている御坂が立っていた。

紛れも無く、それは御坂本人と断定出来るほど似ていた。

「まさかお姉さまが犯罪の片棒を担ぐとは……とミサカは」

上条「いや違うから!自販機をぶっ壊したのはお前の……」


『どうして?研究所は全て、黒子達が壊したと聞いたのに』


「ミサカの……最も……貴方……とミサカは……」

上条「え!?そんな……」

『黒子達が嘘をついていた?いや、確かに関連施設は全て破壊されていた。だったら何で?』


「ウソです」

上条「ウソかよ!!おいビリビリ、お前の妹いい性格してんなー。……ビリビリ?」


ふと御坂を見ると、御坂が真剣な表情を浮かべながら、御坂の妹へと歩いていった。


御坂「どうして!!……どうしてアンタがここに……」

上条「び、ビリビリ?」

声を荒げる御坂に、上条が驚く。
妹と思わしき少女は、何ら動じる事もなく、静かに答えた。


「研修中です」


と。

御坂「研修ッ!?研修ってアンタ達が一体何を!!……まさか……」

上条「研修って……風紀委員かなんかのか?」

「いえ、研修とはミサカ達軍用クロー」

御坂「あぁ!!そうそう!!風紀委員の研修よ。……アンタ、ちょっと来なさい」

「ミサカにもスケジュールが」

御坂「いいから!!……来なさい」グイッ!!


そう言うと、御坂と妹と思わしき少女を連れて、この場を離れていった。



上条「……複雑な……家庭なのでせうか……」


一人残された上条は、呆然と2人を見送っていった。
傍には、御坂の残した缶ジュースの山を置いて。

…………



上条「ハァッ……2000円分の缶ジュースなんざ持って帰ってもなぁ……」


御坂が起こした犯罪の片棒を担ぐ事になった上条は、トボトボと大食らいシスターの待つ我が家へと帰路についていた。


2000円あれば、どれだけの食材を購入する事が出来ただろうか。

缶ジュースの山がいくらあろうとも、それだけでは貧乏学生の飢えを満たす事は出来ないのだ。


上条「どわっ!!」ドテッ!!


そして幾つかの不幸が重なり、上条は転倒と共に缶ジュースの山を道に撒き散らした。


上条「てて……不幸だ……」

「この缶ジュースは何処まで運べばよろしいですか?と、ミサカは尋ねます」


不意に、声を掛けられる。


上条「お前は……あぁ、妹の方か。アレ?さっき御坂に連れていかれてなかったか?」


そこには、先ほど御坂に連れられた御坂の妹の姿があった。
ゴーグルのようなモノをつけているので見分けがつく。

研究所



天井「セバスチャンッ!!!」バンッ!!

セバスチャン「シッ!!天井サン静カニ!!今、大事ナトコロナノデス!!」


怒りを表す天井を余所に、セバスチャンと呼ばれる外人の科学者は、食い入るようにモニターを見ている。


そこには、魔法少女的なアニメが流れており、今まさにクライマックスを迎えていた。


セバスチャン「オオ……ヤハリカナミンハ最高デス……天井サン、貴方二頂イタ『劇場版魔法少女カナミン〜復活のF〜』、トテモ面白カッタデス」


天井「今はそんなモノどうでもいい!!どういう事だ!!実験施設を180にも分けるなぞ!!これでは我々の功績が大きく分散してしまうではないか!!」

白井達による研究所急襲後。
セバスチャンは、絶対能力進化実験の研究所を細分化した。

その数183。


セバスチャン「エェ。コレダケワケテシマエバ、襲撃者ノ心モオレテ貰エルカト」

天井「しかしそれでは!!」

セバスチャン「今一番大事ナ事ハ、実験ヲ完遂サセル事デスヨ天井サン。ソレニ、増エタ研究所ガ再ビ破壊サレレバ、我々ノ取リ分も増エマス」ニコッ


天井「…………クッ!!」バタンッ!!


セバスチャンに対し、何も言えなくなった天井は、そのまま部屋を出ていった。


セバスチャン「…………」ニィッ……


一人残されたセバスチャンは、何も言わず静かに微笑んでいた。

天井「クソッ!とことん喰えない男だ、セバスチャン!!」


天井は憤る。

セバスチャンの言っている事は正しい。
襲撃者が白井や御坂達だとわかっている以上、防衛策を講じる事も容易い。
例えゴリ押しで一つ破壊されても、さらなる防衛策を講じた研究所が残り180ほど残るのだ。

襲撃側には気の遠くなるような話だろう。


天井「しかし昨日、実験の主機能を移転したばかりだというのに……何故ここまで完璧な防御策を考えられる?まるで、こうなる事がわかっていたかのように準備されて……」


セバスチャン。

ドイツから来た科学者。

たちまち功績をあげ、天井と共に絶対能力進化実験を進行する男。

頭がキレすぎる。
それも異常な程。
予知したかのような対応。
それを悟られないように飄々とした普段の態度。


天井「……君は何者なのだ……セバスチャン……」

投下終了です。
なんか凄い事になってるので早めに撤収します。

こんにちは、あけましておめでとうございます。1です。

今週中には投下しようかと思います。しばしお待ちを。

こんばんわ、忘れた頃にやってくる1です。少ないですが、投下させていただきます。

…………


御坂「……180……」


携帯端末に並ぶ研究所のデータを見て、愕然とする御坂。

終わっていなかった。
中断すらされていなかったのだ。
あれだけの大ダメージを受けてなお、絶対能力進化実験は何事もなかったかのように進行している。

妹達は、今も殺され続けている。


恐らく、白井達も今頃この情報を入手しているだろう。
何もかも、向こうの掌の上なのだ。

例えレベル5だろうと。吸血鬼だろうと。GANTZの力を持っていようと。

学園都市の掌の上で弄ばれるしかない。


御坂「……壊さなきゃ……ここで止まったら……皆が殺されちゃう……」フラッ……


再び、夜の闇に御坂が消える。
そしてその夜。
180の内の2つ、研究所が破壊された。



1つは御坂によって。



もう1つは

…………


白井「ハァッ、ハァッ、初春……今繋げますの……」

初春『大丈夫ですか白井さん!?』

白井「えぇ、何とか……昨日のように能力者が防衛している事はありませんでしたが……」


御坂が研究所の一つを破壊した時とほぼ同時刻に。
白井と初春のコンビも、一つの研究所を破壊し終えていた。


しかし、セキュリティーのレベルが尋常ではない程に上がっているのだ。

御坂を想定しての、対電気能力者対策。
白井を想定しての、対空間能力者対策。
初春を想定しての、対ハッキング対策。

これらの対策が、これまでとは桁違いに厳重になっている。

夜通しかかって、御坂、白井の互いに一つの研究所しか落とせない程にだ。
しかも、翌日には更なる対策も施されるだろう。
日々進化していく科学の街、学園都市。前日の警備機能ですら、既に古い技術と化すのだから。


これらの進化していくセキュリティーを持つ研究所を、あと180カ所破壊せねばならない。


更に、前回のように更に研究所の数は枝分かれする可能性がある。


すなわち

白井「これ以上はもう……」

御坂「……無理なのかな……」



年頃の女の子には似つかわしくない、鉄の意志を持つこの2人にも、諦め・挫折・絶望といった感情が溢れ出てくる。


更に



御坂「……何よ……この映像……そんな……」

白井「何故……こんなモノを私に見せるんですの……」


破壊した研究所の中で、現在進行中の実験がモニターに映し出されている。


レベル6へと至る、第10031次実験。


10031号と呼ばれる少女が、学園都市第一位の一方通行に、なす術も無く蹂躙されていく映像だ。


その結末は、極めて残虐的なモノであった。

そしてこの映像を見た事で、2人の中に決定的な敗北感が生まれる。

…………




一方通行「…………」ザッ、ザッ、ザッ


第10031次絶対能力者実験を終え、一方通行は次の実験地である操車場へと路地裏を通りながら向かう。
その足取りに、特に違和感はない。
つい先ほど実験として御坂のクローンを殺しているが、彼の心理状態には、平常時となんら変化が見られない。



それはクローン達が彼にとって、ただの人形。マネキンのようなモノとしか捉えていないから。

マネキンをいくら壊そうが、彼の中にある良心のようなモノは別に痛まない。
彼にとって、御坂美琴のクローンである『妹達』は、つまりはそういう存在なのだ。



ここ数週間ほどの間までは。

一方通行「ゥ……オェェェエエエエッ!!!!」ビチャビチャッ!!!

突如、一方通行が足を止め、その場で吐き出した。
路地裏なので誰にも見られてはいないが、最強の学園都市第一位が突如道端で吐くなど大事件である。


一方通行「ハァッ、ハァッ、クソッ!!なンだッてンだチクショオッ!!腹ン中がキリキリしやがる!!」

あらゆるウィルスや病原菌すら反射する一方通行に、それが原因で起こる病気などの可能性は低い。
毒を盛られたという間抜けな展開でもない。


彼の体調を著しく崩しているモノの正体。
それは、ストレスである。

一方通行「あンの人形ども……いつからだ?いつからあンな人間臭さが生まれてきた!?」


始まりは、とある倉庫の中での実験の時であった。


『自分達に魂というモノは存在するのか?』


妹達の1体が口に出した言葉だ。
そのとき、妹達を実験の為の人形としか思っていなかった一方通行は、魂の重さについて妹達に答えた。


人は死んだ瞬間、体重が21グラム減ると言われている。
その21グラムこそが、人の魂と呼ばれるモノだということだ。


その実験で、一方通行はその妹達を殺した時、自身の能力で妹達の体重を測った。
ただの暇つぶしだ。
毎回同じように、ゲームの経験値稼ぎが如く、退屈な実験に対する暇つぶし。


それが失敗だった。



それが一方通行の精神にとって、致命的な結果を生んだ。

死んだ妹達の体重が減ったのだ。
ピタリと21グラム。
それは、妹達に魂があるという証明。


実際、魂というモノが存在するかはわからない。
その21グラムの体重は、何らかの生物学的な理由で減ったのかもしれない。

しかし、一方通行は意識してしまった。
妹達を、魂のある存在として、一瞬でも認識してしまった。

それが一方通行の精神を蝕んだ。

偶然にも、実験が行われた倉庫はかつて、異星人と1人の少女が死闘を繰り広げ、少女が命を落とした場所。


死した少女の無念が、妹達に、一方通行に影響を及ぼしたのか……それは誰にもわからない。





ただ、それから先の実験は最悪だった。




ロボットのように見えた彼女達の無表情の中に、ほんの僅かな変化を無意識に捉えてしまう。

彼女達の痛みを表す僅かな悲鳴に、無意識に人間味を感じてしまう。

彼女達との会話の中に、ほんの僅かな感情の流れを感じてしまう。

そして、彼女達にトドメを刺すその瞬間。

彼女達に、彼女達の表情・しぐさ・あらゆるモノに、死への恐怖の感情を感じてしまう。

一方通行「人形が……人形風情が人間の真似をしてンじゃねェよ……胸糞悪ィ……」フラッ……


既に、実験は10031次を終えている。
つまり、10031体の妹達が、一方通行によって破壊されている。


その破壊した全てが、人間だったとしたら。
100人殺せば殺人者。
1000人殺せば英雄。

なら、10000もの人間を殺した自分は何なのだ?


一方通行「クソッ……あと10000……あと10000で俺は……」フラッ……


止まれない。
もう、自分は止まることを許されないのだ。
誰が許すなどではなく、彼自身がそれを許さない。


あと10000体近くを殺せば、自分は無敵になれる。
無敵とは、敵が存在しないということ。

敵が存在しなければあとは……





…………



上条「……ここが御坂の寮か……」


一方通行の葛藤とほぼ同時刻。
上条は、御坂の通う常盤台中学の女子力の前に立っていた。

投下終了どす。
次かその次くらいからは千手戦に入りたいですねー。少し余裕が出来るので、長期間空くのはないようにしたいです。

ではまた。

おつ
上条さんは女子力(笑)の前に立ってるのか……

>>363
女子寮でした!!すいません、ちょっと今から女子寮突入してきます。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年01月24日 (日) 06:57:39   ID: WgrsdzL-

はよきてくれ

2 :  SS好きの774さん   2016年03月12日 (土) 23:15:03   ID: HEZxReMD

まだかなー

3 :  SS好きの774さん   2016年04月13日 (水) 22:19:30   ID: IdQ29onQ

更新されてるのになぜか落ちてる。
荒らしウゼェから消されたのかな

とりあえず元凶となったカイザー・Sのなりすましは切腹すべし
元凶の元凶となったカイザー・Sは30年文章の勉強をして人生やり直すべし
諸悪の根源の荒らしはイスの偉大なる種族の調査対象となって50年暮らすべし

4 :  SS好きの774さん   2016年07月14日 (木) 06:16:28   ID: xrE-_6LK

続きずっと待ってます

5 :  SS好きの774さん   2016年07月14日 (木) 06:21:32   ID: 5OUKFYBo

続き待ってます

6 :  SS好きの774さん   2017年04月10日 (月) 16:52:15   ID: fs0ayIKt

続きよよみたい

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