ララ「だいじょーぶ。これなら一発で風邪も治るよ」

リト「いや、でも、ララのそれで何度も酷い目にあってるからなぁ……」

美柑「私もあんまり使って欲しくないけど……」

ララ「騙されたと思って使ってみて」

リト「だから」

セリーヌ「まう？」

モモ「あら、セリーヌさん」

セリーヌ「まうっ」ｶﾁｯ

ナナ「あ！」

リト「うわぁ！？」

美柑「リト！？」

ララ「セリーヌちゃんが使っちゃった……」

リト「またこのパターンかよ……」

ナナ「おい、リト。平気か？」

リト「あ、ああ。今のところは……」

ララ「失敗したのかな？」

リト「それならそれでいいんだけどな」

ララ「リト、ひどーい」

リト「何度も酷い目にあってるのは俺のほうだって！！」

美柑「あれ？　でも、リト。ちょっと元気になってない？」

リト「え？　ああ、そういえば。なんか体が軽くなった気がする」

ララ「ほら。ぎんぎんエナジーくんが効いてるんだよ」

リト「そうなのかな。悪かった、ララ。ありがとう。楽になったよ」

ララ「ううん。リトが元気になってくれてよかったっ」

リト「はいはい」

美柑「照れちゃって。可愛いんだから」

リト「な、なんだよ！！」

モモ（やはりリトさんを脱がすのは、やめましょう）

ナナ「モモ、なんか気になることでもあるのか？」

モモ「え？　ううん。なんでもない」

リトの部屋

リト「稀に大成功するんだよなぁ、ララの発明品。今回はホント、助かったぜ」

リト「さて、寝るか」

リト（ララはいつも俺のためを思ってああいうの作ってくれてるんだよな……）

リト（優しいよな……）

リト（だからこそ、いつまでもララに甘えてたら、ダメだよな）

リト（俺の気持ちは……）

リト「……」

リト「寝よう」

リト「すぅ……すぅ……」

リト「ん……ぅ……」

リト「んっ……」ﾋﾞｸﾝｯ

リト「ん……」

リト「すぅ……すぅ……」

翌日

リト「うーん……。朝か……」

リト「……」ﾁﾗｯ

美柑『リトー？　おきてるー？』

リト「起きてる」

美柑『朝ごはんできてるからねー』

リト「わかったー」

リト「着替えるか」

リト「……」ｺﾞｿｺﾞｿ

リト「……」ﾁﾗｯ

リト（おかしいな……。全然、治まる気がしない……）

リト「もう少し、待つか」

リト「……」

リト「……」ﾁﾗｯ

リト「なんでだ……？」

リビング

ララ「おっはよー」

美柑「おはよう、ララさん。リトは？」

ララ「知らないよ」

美柑「おかしいなぁ。部屋に行ってからもう15分以上経ってるのに」

ナナ「二度寝してるんじゃないか？」

美柑「リトならありえるか。よし」

ララ「私が行ってくるよ」

美柑「そう？　なら、お願いしようかな」

モモ「私が行ってもいいんですけど」

美柑「モモさんはダメ」

モモ「うっ……」

ナナ「ったく。リトがこなきゃ食えないだろ。なにやってんだ、あいつ」

セリーヌ「まう！　まうっ！」

ララ「リトー」ﾃﾃﾃｯ

ララ「リトー、おきてるー？」

リト『あ、ああ。起きてる』

ララ「朝ごはん、冷めちゃうよ。早く食べよう」

リト『そ、そうしたいんだけど……みんなで先に食べててくれないか……』

ララ「なんで？　一緒にたべよーよ」

リト『今は……ちょっと……』

ララ「リト？　体の具合でも悪いの？」

リト『そういうわけじゃないんだけど……』

ララ「入るよ？」

リト『え！？　いや、待て！！』

ララ「どうしたの？」ｶﾞﾁｬ

リト「うわぁぁぁ！！」ﾊﾞｯ

ララ「リト？　ベッドから出てこないと。もしかして寒いの？」

リト「と、とにかく今は出て行ってくれ！」

ララ「でも……」

リト「ごめん、ララ。俺は今、このベッドから出るわけにはいかないんだ」

ララ「そうなんだ」

リト「ああ」

ララ「……」

リト「だから……」

ララ「もしかして、ぎんぎんエナジーくんの所為？」

リト「そ、それは分からない……」

ララ「だったら、どういうことになってるのか見せて！　じゃないと治せるものも治せないから！！」

リト「なに！？」

ララ「リトの体、どうなったのか見せてっ」ｺﾞｿｺﾞｿ

リト「やめろー！！！」

ララ「あっ」

リト「あー！！！」

美柑「ちょっと、なに騒いでるの？」

モモ「リトさん、お姉様。何かありましたか？」

ララ「リトのが、いつもより大きい……」

リト「いつもよりってなんだ！！！」

美柑「ララさん？　何を見たの？」

ララ「リトの――」

リト「ララ！！　やめろ！！」

モモ「リトさん、ベッドから出てこれないのですか？」

リト「あ、ああ……」

モモ「……なるほど」

美柑「何がなるほどなの？」

モモ「美柑さん、とりあえず部屋を出ましょう。リトさんは体調が優れないようですし」

美柑「いやいや。あんなに大声だして元気じゃない」

モモ「いいから、出ましょう」

美柑「は、はい」

モモ「お姉様も一度下に降りましょう」

ララ「うん」