【がっこうぐらし!】もう二度と、触れられない君を見つめて (9)

――突然だが、君は『幸せな死』とは何なのか、考えた事はあるだろうか。

十分に生きた後、大勢の家族親戚友人等に見守られながらゆっくりと安らかに永久に眠るにしかり、同じくいつもの様に寝たらその寝顔のまま静かに息を引き取るにしかり、どちらも遺族や友人、本人に関しても天国があると過程するならば、まあ幸せなのだろう。

――では逆に『不幸な死』とは何だろうか。

殺人に遭った、事故で死んだ、災害で死んだ、病気で死んだetc、と数えれば数え切れないくらいあるだろう。

――それでは、そもそも『死』とは何だろうか。

記憶喪失や脳死でも『死』と捉える人は多いだろうが一般的には心臓、および身体的機能の停止と捉える事が所謂『死』だろう。

――なら、自分自身の『死』はどうだろうか。

確かに今、こうして自分の魂は身体から離れている。
それはつまり身体に自分の魂は無く、既に『死』を迎えていると思って間違いない。

しかし自分の『身体』はどうだろうか。

そこには


 


 


 


自分の大切な後輩であり、そしてずっと好きだった女の子を殺そうとばかりに襲いかかる自分の『身体』があった――

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はいどうも、メインが行き詰まってたから気分転換で立てたゾ

正直本当にTDN気分転換だから短め&糞亀だけど勘弁しちくり~

あと地の文多目注意だゾ

それが大丈夫な人はハイヨロシクゥ!

フラフラと、ゆっくり近付いてくるその姿はさながら死神を彷彿とさせる。

――俺は、ただただ悔しかった。

護るべき女の子に護られ、そしてそれを仇で返している。
そこに、俺の感情や魂、意思は関係なくとも、アイツにとっては違うはずだ。

いくら、只のもぬけの殻の身体と言えどもほんの少し前まで俺はその身体で笑い、胡桃と接してきた、言わばあの身体には胡桃にとってかけがえの無い想い出が詰まっていたであろう事に違いない。

それが一瞬で崩れ去って、現実を受け止められる人間がどれくらい居るだろう。

実際こんな風に話してる俺も、現実を受け止められているのか否なのか分からない。

触れたくても、助けたくても叶わないからこそ、逆に冷静に現実を見られているのか。

とにかく俺は祈る他無い。

『お願いだから彼女を助けてくれ』と

祈っても何も変わらない、何一つ変えられない。

そんな事知っている。

それでも祈らずにはいられないくらい、絶望的な光景だった。

足を震わせ座り込んでいる胡桃は、死んでいった仲間と似ていた。

他の奴等も、逃げ惑い、追い込まれ、絶望の中で死んでいった。

一歩、一歩。絶望への足音。

俺は必死で空中をもがく。

無理だと分かっていても、奇跡なんて起こせないと分かっていても。


 


 


 


 


『グシャッ』

唐突にそう、音がした。

我に返ってふと目の前を見る。


 


そこには『俺』をシャベルで突き刺す胡桃の姿があった。

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