【デレマス】年の離れた妹談義 (9)

・世界観はアニメ準拠(22話終了後)
・アニメに出てないアイドルの設定は捏造してます。


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千秋「それにしてもこんな風に会社のカフェでおしゃべりするなんて久しぶりね」

文香「そうですね、最近は忙しかったですから」

千秋「プロジェクトKroneで大忙しだったものね」

文香「はい。 流石は美城常務ですね」

千秋「そうね、おかげで会社の業績もあがっているそうじゃない」

文香「そうなのですか」

千秋「うちのプロデューサーが言ってたわ。 その代わり急な路線変更を強いられるアイドルが居て大変らいしわね」

文香「確か、バラエティにはあまり出さない……と言っていたような」

千秋「そうみたいね。 幸い私達はどちらかというと常務と方向性が似ていたから特に何も言われなかったけれど」

文香「千秋さんは確かに正統派という感じがしますね」

千秋「ありがとう」

文香「千秋さんのチームはみなさんまさに大和撫子という感じがして素敵です」

千秋「そうね、特に翠さんは本当に凛としていて素晴らしいわ」

千秋「佐城さんは……どちらかというと日本人形的な可愛らしさがあるわね」

千秋「事務所のソファで寝ている様子は本当に美しい人形みたいだったわ」

文香「…千秋さんは、佐城さんの話をしているときは本当に嬉しそうですね」

千秋「そ、そうかしら? もちろんチームメイトは好きよ? 妹みたいなものだもの……」

文香「妹、ですか……。 その気持ち、少しわかるようになりました」

千秋「文香さんも妹が出来たの?」

文香「…可愛い妹ができました」

千秋「橘さん、だったっけ?」

文香「はい」

千秋「ふふっ、文香さん顔がにやけてるわよ」

文香「きっと千秋さんと同じ顔をしていますね」

千秋「それで、どんな感じなの?」

文香「えっ……。 どんな感じ…ですか?」

千秋「仲良くなるきっかけがあったんじゃないの?」

文香「…この前のLIVEのことなのですが……」

(LIVEについてはデレアニ22話をご覧ください)

千秋「そんなことがあったのね……」

文香「はい。 ありすちゃんに助けられて以降、引き続き仲良くさせていただいてます」

千秋「どんなふうに?」

文香「…最近ではお互いに好きな本を貸し借りしています」

千秋「へぇ、橘さんも読書家だったのね」

文香「はい、ミステリー小説がお好きなようです」

千秋「へぇ」

文香「それと、最近ではゲームを教えてもらってます」

千秋「文香さんがゲームするところ、なかなか想像できないわね」

文香「私も、ありすちゃんに教えられて初めてしました」

文香「最近では、携帯電話でゲームができるのですね……」

千秋「そういえば佐城さんも携帯でやっていたわね」

文香「今時の小学生にとっては当たり前なのでしょうか」

千秋「そうみたいよ」

文香「すごいですね」

千秋「もうやめましょ、なんだかおばあちゃんになったみたいだわ」

文香「ふふっ……確かにそうですね」

千秋「聞いてる限りは結構大人びた子みたいね」

文香「そうですね…。 けれど、子どもらしい面もありますよ」

千秋「そうなの?」

文香「えぇ」

文香「私が本を読んでると、そっと隣にくっついて座ってくるんです」

千秋「可愛らしいじゃない」

文香「…それで、頭を撫でるとこちらに寄りかかってくるんです」

千秋「相当懐かれてるのね」

文香「やっぱり、両親と離れて寂しいのでしょうか……」

千秋「そう思うわ。 佐城さんもそんな風にスキンシップを求めてくるときがあるもの」

文香「…なるほど」

千秋「最近では膝の上に乗せてあげたりしてるわ。 文香さんもやってみたらどうかしら?」

千秋「きっと橘さんも喜ぶと思うわ」

文香「そうですね……。 考えておきます」

あい「久し振りだねお二方」

千秋「東郷さん、お久しぶりです」

あい「何やら楽しそうに話をしているのが聞こえてね、私も相席してもいいかな?」

文香「…どうぞ」

店員「ご注文は?」

あい「すみません、私にもコーヒーを」

店員「かしこまりました」

文香「東郷さんにも、年の離れた妹が居るのですか?」

あい「年の離れた妹?」

千秋「えぇ、私達お互いにプロジェクトに妹的存在のアイドルが居るって話をしていて……」

あい「なるほど。 私にも居るよ」

あい「プロジェクトは違うけれどね」

文香「…どなたですか?」

あい「龍崎薫っていうんだけど……知っているかな?」

千秋「知ってます。 とときら学園にも出てましたよね?」

あい「ふふっ、よく知っているね」

文香「…私も、その番組見てました」

あい「そう、とときら学園にも出演している彼女と一度春の桜祭りで一緒に仕事をしたことがあるんだ」

あい「それ以来すっかり懐かれちゃってね」

あい「たまにうちの事務所に遊びに来てくれるのさ」

文香「…素敵ですね」

あい「わざわざ遊びに来てくれるところは本当に可愛らしいね」

あい「ただそこをプロデューサーくんに見られたときに親子みたいだねと言われてね」

あい「少し傷ついたよ。 まだ姉妹で通ると思ってたのだけれどね」

文香「…親子、ですか」

千秋「龍崎さんは良い意味で子どもっぽいし東郷さんは大人のオーラが出ているから余計にそう見えたのかもしれませんよ」

あい「ありがとう千秋くん。 …しかし、14歳差は言われてみれば微妙なところかもしれないな」

文香「確かに、姉妹にしては離れ気味ですし親子にしては近すぎますね」

あい「うん。 だから私も最初は少し薫との接し方に悩むことが多かったよ」

あい「単純に、今時の小学生が何を好むのかなんてわからなかったからね」

あい「薫に教えてもらったんだけれど最近では携帯電話でゲームができるらしいね」

文香「…ふふふっ」

千秋「ふふっ」

あい「なんだ、君たちは知っていたのか。 やはり私が……」

千秋「そうじゃないんです。 私達も東郷さんが来る前丁度その話をしてたんです」

あい「ということは、君たちも知らなかったのか」

文香「…そうです」

あい「フフッ、申し訳ないけれど、少し安心したよ」

千秋「やっぱり小学生の間で流行ってるんですね」

あい「そうだね。 それにアイドルという関係上、みんな携帯を持たせてもらっているからかもしれない」

あい「薫曰く、みんな持っているわけではないみたいだし薫自身も普段は使わないそうだ」

文香「…そういえば、学校には持ち込み禁止だとありすちゃんから聞きました」

あい「確かに、学校では不要だろうね」

千秋「防犯ベルもありますからね」

あい「あぁ、あれは本当にすごいな……音が……」

文香「えっ……」

あい「待て、文香くんの考えているような状況で聞いたわけじゃない」

あい「薫が遊びに来た時に鳴らしてしまってね」

千秋「よかったです」

あい「フフッ…君たち、あんまり私をからかわないでくれよ」

あい「いやぁ、あのときは引っ張った薫自身がびっくりしてブザーを投げるし逃げ出すしで大変だったよ」

文香「…まるで嵐のようですね」

あい「そうだね、でもそういうエネルギッシュなところが薫のいいところなんだ」

千秋「なるほど」

あい「やっぱりクールな人達とは気が合うけれどたまにはパッションあふれる子とも付き合ってみるべきだよ」

あい「いまだに、雑誌を読んでる時に急に抱きついてくるのにはびっくりするけどね」

文香「…確かに、情熱的ですね」

――――――――――

常務(彼女ら、私が後ろに居ることに気づかないのか……まぁ、今日はいつもと違って少しラフな格好だからむりもないか)

常務(それに、私がここに居るとは思うまいな……)

常務(年の離れた姉妹か……盗み聞きをしたのは申し訳ないが次の企画に使わせてもらおう)

以上です。
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