美嘉「武内Pとアタシがどんな関係かって?」 (70)

莉嘉「うん、聞きたい!」

美嘉「いきなり部屋に来て何を言うかと思ったら。でも、そんなこと言われてもね……莉嘉はどこまで知ってんの?」

莉嘉「なんかねー、前に部長さんが、Pくんのことを話してくれてね? その内容が……なんだったかな……」

美嘉「オイオイ……」

莉嘉「あ、思い出した! 担当してたアイドルが、Pくんの所から何人かいなくなっちゃったって話してたの! それで無口になっちゃったとか何とか」

美嘉「ああー、はいはい……」

莉嘉「それでね、その時はお話はそれで終わったんだけど、最近お姉ちゃんがPくんと一緒にいる所をよく見るから」

莉嘉「CPの皆が、Pくんの所からいなくならなかったのはお姉ちゃんなんじゃないかって話が出て、ついでに付き合ってるんじゃないかって言ってたよ」

美嘉「そこに飛躍するのおかしくない!?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1442656265

莉嘉「だから、どんな関係か教えて!」

美嘉「う、うーん……最初に言えるのは付き合ってるとかってのじゃないってことかなー……」

莉嘉「あ、そうなんだ! 良かったね!」

美嘉「……一応聞くけど、何が?」

莉嘉「いろんな意味で!」

美嘉「……たぶん今後も付き合うことはないから安心してって言っといて。絶対に。特に凛には念を入れて伝えて」

莉嘉「わかった!」

美嘉「頼んだからね。……で、後は……その、いなくなった子たちじゃなく残った方かってことでしょ? それは正解かな」

莉嘉「えー! 聞いたことなかった! なんで黙ってたの?」

美嘉「別にプロデューサーの話なんかしたって面白くないでしょ」

美嘉「それにアイツは、アンタも知ってるようにああいうやつだから。面白味っていう言葉に反逆するため存在してるみたいなとこあるじゃん?」

莉嘉「お姉ちゃん皆の前でアイツ呼びしちゃ絶対にダメだと思う親しみがある感っていうか馴染んでる感ハンパないよ」

美嘉「あ、そ、そうかも……ありがと、莉嘉。アンタもちょっと怖いけど気にしないでおくから。……ここからは、うーん、ちょっとした昔話になるけど」

美嘉「ええっと、無口になったってことは聞いてたんだよね。……最初の頃のアイツは、今よりはもうちょっとはアイドル達と喋ってた」

美嘉「例えば『○○さんは今が伸びる時です。積極的に頑張りましょう。それで、こんな仕事を持ってきてみたんですが』だとか」

美嘉「『私は皆さんのプロデューサーです。必ず皆さんを導いてみませます。だから、何でも言って下さい』だとか。アタシも色々言われたなー」

美嘉「何かにつけて、でもいいタイミングで、アイドル達に話しかけてたのよ。ま、真面目だった所は今と変わんないけどね」

美嘉「ただ、なんて言えばいいんだろ。アイドルがやりたいことと、アイドルがやるべきことのバランス取りがヘタだったかもーってことかな」

莉嘉「どうヘタだったの?」

美嘉「例えば、莉嘉がとときら学園に出るってなった時に、莉嘉のビジュアルに目を付けられたから採用ってなったとするよ」

莉嘉「うん」

美嘉「でも、とときら学園の生徒は園児設定だから、番組を成立させるためにネイルとかもしちゃダメで、絶対に園児っぽく振る舞えって言われたらヤじゃない?」

莉嘉「それは嫌!」

美嘉「でしょ? アイツもそういう所は理解してたから、そこまで極端な話じゃないんだけど……なんていうか……バランスを取ろうとして、失敗して、担当してた子が『もう辞める!』ってなった感じかな」

莉嘉「うーん?」

美嘉「二兎追うものは一兎をも得ず、ってやつね。アンタも習ったでしょ? 両方やろうとして、うまくいかなくて、ダメでしたってだけじゃなくてアイドルが去っていっちゃった」

美嘉「不器用なくせに、そんな器用なことやろうとするから失敗したのよ。最初から完璧を求めちゃった、って感じかなー」

美嘉「で、アイツはその原因が自分のアドバイスのせいだーって責めた結果、次の娘達の時に、徹底的に喋んなかったわけ。必要事項を伝える以外は無口一辺倒」

美嘉「……ホント真面目っていうかバカっていうかバカ真面目っていうか」

美嘉「ただそれでも、仕事回しとかは完璧だったから、アイドルの名前はグングン伸びていった」

美嘉「けどね、当然のように、そんな状態でアイドル達が気持ちよくステージだとかをこなし続けられるはずがなくて、その娘達もいなくなっちゃって」

美嘉「丁度その頃だったかな。頭かかえてる場面を何度か見かけちゃって」

美嘉「……アタシもアイツの負担になってるのかもしんないなって思ったから、別のプロデューサーのとこに行くって言いに行ったわけ」

莉嘉「それ追い打ちじゃない?」

美嘉「うん、いま考えるとそうなんだけど……当時はアタシもあれで、はっぱを掛けるつもりでもあったんだけどね。それを伝えたらあからさまにショックを受けた顔しちゃってさ―――」

~~~~~~

武内P「…………」

美嘉「じゃ、そういうことだから」

武内P「……っ、わ、私は!」

美嘉「なに?」

武内P「私は……間違っていたんでしょうか。城ヶ崎さんは、私のどこがいけなかったと、お思いですか?」

美嘉「……間違えてたっていうんなら全部間違えてたし、正しかったっていうんなら全部正しかったかな」

武内P「……それは、どういう」

美嘉「そんなの、自分で考えなよ。アタシから言えるのは、アンタは間違いなくプロデュースする実力はあるってことかな。でも、致命的に取り違えてる所もある」

武内P「その、取り違えてる部分というのは一体?」

美嘉「だから言ったでしょ、自分で考えなって。アタシがここで変にアドバイスをしちゃったら、アンタの実力が落ちちゃうかもしんない。そんなこと、したくない」

武内P「で、ですが、今の私には――」

美嘉「一つだけ言うけどさ。……別に、アンタのことが嫌いになったから別の所に行くってわけじゃない。アタシなりにプロデューサーのためになるように考えた結果だから」

美嘉「例えば今回のアタシの行動がアンタにとって……や、うーん、やっぱなんでもない。一回さ、アイドルの気持ちになってみるのがいいんじゃない?」

武内P「アイドルの、気持ち……」

美嘉「いなくなった子達も多いけど、ここまでずっとついて来て、結果ここまで伸ばしてもらったアタシみたいなのだっているんだし。楓さんだってそうじゃん」

武内P「そう、ですね……たしかに城ヶ崎さんや高垣さんは、私も胸を張って薦められます」

美嘉「ね? アタシも、今は人気アイドルの一人になれたって自負がある。アンタに育ててもらったアタシが、だよ」

武内P「城ヶ崎さん……」

美嘉「だから、全部が全部、間違い『だけ』だったわけじゃない。冷静に、今までやってきたことを振り返ってみればいいんじゃない?」

美嘉「……ま、こんな所かな、アタシが言えるのは。それじゃ、荷物の移動とかもあるから。またね、プロデューサー」

武内P「……城ヶ崎さん」

美嘉「なに? もう何も言わないけど?」

武内P「いえ。その…………ありがとう、ございます。ありがとうございました……!」

美嘉「……それ、アタシのセリフだから。だいたい、JKにこんなこと相談する大人ってどうなのよ?」

武内P「そ、それは、その、申し訳――」

美嘉「冗談だって。その頭の固さもどうにかしなよ? それじゃ、今までホントに、本当にありがと。頑張って」

~~~~~~

 その後、二人は事務所内で顔を合わせる内に、お互いの気持ちを隠そうと努力し、だが共に深めてきた時間は、長く、強く、太い絆となっていて、それは延々と隠しきれるはずのものでは到底なく。
 それが自然な流れであるかのように親睦を深めていき、今では時々、仕事終わりにわざわざ遠くで待ち合わせ、夜の街へと二人で消えていくような仲に―――

美嘉「なってない! 変なナレーションつけんなっ! そんな展開ないから!」

莉嘉「えー、つまんなーい」

美嘉「アンタね……散々ねだっといてその感想はないでしょ……」

莉嘉「でもさでもさ、楓さんはどうしてPくんの所からいなくなっちゃったの?」

美嘉「それがねー、何を思ったか、あのアドバイスの後にアイツ『一からやり直します』って言い出して、楓さんも手放しちゃったのよ。ま、CPが立ち上がったのはその後なんだけど」

莉嘉「え? でも前に、NGの皆がPくんと楓さんは同じ事務所内だから知り合ってる程度って言ってたよ?」

美嘉「……一からやり直すって言ったのはアイツだし、そういう昔の手柄とかは無いものって意識して、そう言ったんじゃないかな」

莉嘉「ふーん。……でもそれ、楓さんが可哀想なんじゃないの?」

美嘉「アタシもそう思ったんだけど、楓さんってば『貴方のための放流、For You、ってね。……ふふふっ』とか言ってケロッとしてた」

莉嘉「……なんかすごいね」

美嘉「うん、アタシもそう思う。あと微妙にうまいのがずるい」

莉嘉「でも、そういうことがあったからお姉ちゃんはよくアタシ達の所に来てくれるんだね」

美嘉「まあねー、やっぱり気になるし。アタシ的にも、今回のCPが成功しなかったら悔しいから」

莉嘉「……お姉ちゃんやっぱりPくんのこと好きなんじゃないの?」

美嘉「ないから。あるのはしばらく一緒に仕事してた仲間的な意識しかないから。悔しいってのはそういう意味」

莉嘉「お似合いだと思うのになぁ……Pくんとお姉ちゃん」

美嘉「あ、あのね! そういうこと他の子に言わないでよ、お願いだから」

莉嘉「はーい。……ねー、なんか他にPくんで面白い話ないの?」

美嘉「うーん…………歌がめちゃくちゃ上手い」

莉嘉「えっ」


 後日、莉嘉はその話をCPの皆に伝えた。
 反応はそれぞれあったが、特に顕著だったのが凛で、美嘉に会うたび怒ってるんだか喜んでるんだか嫉妬してるんだか、もしくは全部が入り混じったような表情を向けるようになったらしい……。

 おわり

設定はアニメ準拠でも中身は完全妄想垂れ流し、武内Pの歌がめちゃくちゃ上手い説は中の人情報から
なぜ美嘉がそれを知っているのかと言うと、二人で遊びに行ったことがあるからだよね

美嘉より謎なのは小梅だろ。ケータイの番号知ってるし、頼まれたら蘭子のサポート入るし

>>17
あ、小梅ちゃんもそうだったっけ・・・入れ忘れた
まあ居なくならなかった組にいた一人ということでひとつ

>>15
そういうのもSSにするんだよ

>>19
それはまた別でSS作ろうかなーと思ってる
美嘉とPがくっつくまでSS書くのやめない・・・かもしれない

続き出来たから夜くらいに貼るやで

間違えてたっていうんなら全部間違えてたし、正しかったっていうんなら全部正しかったかな
これ本家の方のアニメ13話だったかのあとの物語的な本の響編の監督の台詞を変えて使ってる?

>>29
アニマスの方も見てるけど、そこまでは考えてないよ
そのセリフは書いた通りで、自分が思ってる武内Pの印象の総括的なやつ

んじゃ貼ってくよー
ご飯食いながらだから前回よりはスローテンポかも



ちひろ「城ヶ崎さんと武内Pさんの関係、ですか?」

未央「そうそう、この間さ、莉嘉ちーから聞いちゃったんだよねー! 昔のこと」

卯月「それで、私達も気になり始めちゃって……えへへ」

凛「どう考えても怪しいしね。あんなやり取りしてて何もなかったはずがないよ絶対に」

ちひろ「え、ええーっと……私としては、逆に何かあった方が問題なので……プロデューサーとアイドル、ですから」

美央「ふーん……何かありそうだと思ったんだけどなぁ」

ちひろ「ちなみに、莉嘉ちゃんからはどんな話を?」

美央「あのとき聞いたのは―――」


※上を参照で

>>31
食ってから貼れよww
投下ミスるぞww

ちひろ「ああ、そんなことがあったんですね……。でも、うーん、あの二人の間にはそういう、恋愛関係とかはないと思います」

美央「じゃ、何もないの?」

ちひろ「……何もないと思いますよ?」

凛「今の間は何?」

ちひろ「ちょ、ちょっと近いです怖いです渋谷さん!」

美央「しぶりん落ち着いて! その拳を解いて!」

卯月「ままままだ何も決まってないですから落ち着いて凛ちゃん!」

美央「そうそう、まずは話を聞いてみようよ!」

>>33
食欲と貼りたい欲を満たすにはこれしかあるまいて

卯月「そそそそうですよ! じじ実は付き合ってるとか、ちひろさんは言ってませんし! ああ、あまつさえ黙ってて欲しいとか口裏合わせしてるなんてことも言ってないですよ!」

美央「ちょ、煽るのやめてよしまむー!」

卯月「ああ、ご、ごめんなさいいい! なんだか私まで混乱してきちゃってぇ!」

美央「ああもう、しまむーまでテンパってどうすんのー!」

ちひろ「み、皆さん落ち着いてください! 知ってることを話しますから!」

凛「ほら、やっぱり隠してた」

美央「ちひろさんダメだってば、そこら辺の嗅覚は鋭いからさ、しぶりんは」ボソッ

ちひろ「い、以後、気をつけますね……」ボソッ

凛「ちなみに、アタシが怒ってるように見えるのは、アイツにそういう感情があるとかじゃないから。風紀とか、そういう意味」

ちひろ「え、ええ、そうですよね……ははは……」

卯月「あ、あの! それでー、知ってる話っていうのは……?」

ちひろ「えっと……確かCPが立ち上がる少し前のことなんですが」

美央「それって、もう美嘉ねえの担当が変わってる頃?」

ちひろ「ええ、そうです」

ちひろ「あれは、私がプロデューサーさんの部屋の前を通った時でした。会話が聞こえてきたので、つい立ち止まってしまって―――」

~~~~~

武内P「突然お呼び立てしてしまって、申し訳ありません」

美嘉「いいっていいって。相変わらず固いなぁアンタは。もっとリラックスしなきゃ、アイドルの方が緊張しちゃうんだってば」

武内P「ぜ、善処します……」

美嘉「ホントに善処してよー? ……それで? アタシに何の用?」

武内P「以前、城ヶ崎さんに頂いたアドバイスを、私なりに考えてみたんです。それで、一つ、行動を起こしました」

美嘉「あぁ、知ってるよ。一から出直すってやつでしょ?」

武内P「はい」

なん・・・だと・・・!?
本田未央、あれ最初しか合ってねぇ

まだ(未)センター(央)じゃないのが未央

ちょっと修正するわ・・・軽くアハ体験な気分
全然気づかんかった

とりあえず貼った分を消すとかは出来ないから、続きから貼るよ

>>43
天才か
ありがとうバッチリ覚えた

美嘉「……アタシとしては、一から出直すのは勿体無かったように思うけど」

武内P「えぇ……」

美嘉「ああ、ごめんゴメン! 冗談だから! 大丈夫、間違ってないから! きっと」

武内P「……不安に、なってきました」

美嘉「ちょ、ちょっと勘弁してよー! 慰めるために来たわけじゃ……そ、そうだ、話、戻そうよ! アタシを呼んだのは何で?」

武内P「あ、そ、そうでした。……その、以前頂いたアドバイスの時、城ヶ崎さんはこうも仰られていました」

武内P「アイドルの気持ちになってみるといい、と」

美嘉「あーうん、そんなことも言ったねぇ」

武内P「それで、考えてみようと思ったのですが」

美嘉「何か問題でもあった?」

武内P「ええ、その……私は、女の子達のアイドルをプロデュースしているわけです」

美嘉「へ? まあ、そうだけど……346のアイドル部門って女の子しかいないし」

武内P「ええ、そうなんです。まさしく問題はそこでして。私は、その……男ですので。どうしても、アイドルの気持ちになりきることが出来なくて」

美嘉「……は?」

武内P「ただ私は、歌うことには少し、自信があるんです。そこをどうにか、アイドルの気持ちと同調することに活かせるのではないか、と考えました」

美嘉「……うん?」

武内P「ですので、その……僭越ながら、お願いがあるのですが」

美嘉「な、なに?」

武内P「……一度、私とカラオケに行ってはくれないでしょうか? そこで、感想などを頂ければ、少しでもアイドルの気持ちを感じることが出来るのではないかと」

美嘉「…………真面目もそこまで行くと病気だってば」

武内P「も、もちろん! 振り付けをしながら歌います! レッスンをして覚えました!」

美嘉「そうじゃないから! アンタ今こそアタシの気持ちを考えてみなって! それを見せられるアタシの!」

武内P「それが分かれば苦労はしません! アイドルの気持ちを知らなければ、もう一歩先に進める自信が……!」

美嘉「そんなことして付く自信ってアンタの歌唱力とかアイドルスキルじゃん!?」

武内P「い、いえ! 私もそこまで耄碌ではないつもりです! 例え辛辣な意見だったとしても、それはそういう指摘を受けたアイドルの気持ちになれるはずなんです!」

美嘉「耄碌じゃないけど盲目になってない!?」

武内P「いいえ、そんなつもりはありません。これも全て、アイドル達を支えるプロデューサーとして完璧であるためにも、必要なことだと思っています……!」

美嘉「完璧なんか目指さなくっていいって……」

武内P「し、しかし! もう少しで何かが見えてきそうなのも確かなんです! その少しが、アイドルの気持ちになることだと、私は考えたのです……!」

美嘉「……だいたい、なんでアタシに……」

武内P「それは、私の目から見ても、今の城ヶ崎さんは立派な人気カリスマJKアイドルだからです。そんな方からしっかりとした指摘を受ける方が、いいかと思いましたので」

武内P「どうか、お願いします、城ヶ崎さん……!」

美嘉「~~~~っ、もう、面倒くさいなぁ! 分かったってば! 感想言えばいいんでしょ!?」

武内P「で、では……!?」

美嘉「もういい、アタシの負け! ……い、一緒に行くから。もおー、なんでこうなるかなぁ……」

武内P「も、申し訳ござ――」

美嘉「だからもういいってば。……で、その、いつが空いてるの? アタシが合わせた方がいいでしょ」

武内P「ほ、本当に、ありがとうございます……! 頼めるのは、城ヶ崎さんしか居なかったんです……!」

美嘉「も、もお! ホントに恥ずかしいから、頭下げるのやめてってば!」

美嘉「あぁもう、なんであんなこと言っちゃったかなぁ、アタシ……」

~~~~~

ちひろ「……というようなことが」

莉嘉「あ、だからお姉ちゃん、Pくんが歌が上手いって知ってたんだ」

みりあ「えー、そうなの?」

莉嘉「うん、あの話をしてくれた時に言ってたよ。ちょっとビックリしたからツッコめなかったんだけど、そっかー、そういうことかぁ」

ちひろ「莉嘉ちゃんにみりあちゃん!? い、いつの間に!?」

みく「っていうか皆いるにゃ」

ちひろ「えっ」

李衣菜「プロデューサー、結構ロックじゃん」

杏「杏はもう帰るよー。お疲れー」

蘭子「や、闇に飲まれよ!」

きらり「杏ちゃん、今いい所だから、もうちょおっと、聞いてこぉ?」

杏「ええ、関係ないよ杏にはー!」

アナスタシア「устрашающий 隅に置けない、ですね、プロデューサー」

美波「プロデューサーさんも、大人の男の人だから……」

かな子「ちち、智絵里ちゃん! お菓子食べる?」

智絵里「あ、う、うん! 頂きます……」

凛「ちょっとトイレ行ってくる」

未央「まーまーまー! 落ち着いてよ、しぶりん! そんな肩を怒らせてちゃ殴り込みに行くって背中で語ってるようなもんだよ!」

卯月「そ、そうですよ! いくら小さな個室の暗い密室で二人っきりになったとしても、絶対にそういう関係になるわけじゃないです! 頑張ります!」

未央「もう! しまむーはさっきからテンパりすぎだってば!」

ちひろ「い、一応ですね? あの後、私もプロデューサーさんに釘を差しておいたんです。聞いてしまった以上は、サポートする立場として」

凛「……へぇ?」

ちひろ「あんまり、アイドル個人と仲良くなりすぎてはダメですよ、って。そしたらプロデューサーさん」

ちひろ「『はぁ……。私は、心得ている、つもりですが』ってキョトンとした顔で言ってたから、そういう感情はなしに本当にどうにかしたかったんじゃないかと……」

ちひろ「……あの頃のプロデューサーさんは、私の目からでも確かに、落ち込んでいるように映っていましたから」

凛「……ふーん」

卯月「プロデューサーさん……」ホロッ

未央「……でもさ、踊りながら熱唱するプロデューサーの姿、想像するとヤバくない?」

卯月「ブッ」

凛「くっ」

ちひろ「うぷ……」

みく「こ、これは、Pチャンをカラオケに誘って皆で行くしかないにゃ……!」

杏「絶対に笑ってはいけないカラオケ ~武内Pアイドル編~」

未央「ククッ……た、タイトルだけで笑えるって、それ」

アハハハハ……!

―――数十分後 殆どのメンバーが帰った後の事務所内にて

莉嘉「っていう話を、さっきしてたんだ!」

美嘉「ちひろさん……! まさか聞かれてたなんて……」

莉嘉「それでそれで! やっぱり何かあったの!?」

美嘉「……残念だけど、何もないから。アイツはホントに踊りながら歌って、本気で感想聞いてきたから、アタシも本気で感想言ったってだけ」

莉嘉「お姉ちゃんは何て言ったの?」

美嘉「『歌は引くぐらいに上手いけど、二度と踊んないで。色々と苦しいから』って」

莉嘉「Pくん可哀想」

美嘉「まあでも、そんな言い方しても晴れやかな顔してお礼言ってきたから、何か掴んだんじゃない? それがあって今のCPがあるわけだし」

莉嘉「CPはPくんのダンスと歌から生まれたんだぁ……」

美嘉「ちょ、ちょっとやめてよその言い方! アイツのあの時の姿、思い出しちゃうから……せっかく封印してたのに、わ、笑いが……!」

莉嘉「それで? Pくんのステージはどんなのだったの?」

美嘉「だ、だからやめてってば! あの、歌はめちゃくちゃ上手いのに、振り付けが完全に女の子で、し、しかもレッスンした割には、ボロッボロなダンスを思い出しちゃう……」

武内P「あの」

美嘉&莉嘉「うわぁっ!?」

武内P「えっ、お、驚かせてしまってすみません。そろそろ、こちらの部屋は消灯しておこうと思いましたので……」

美嘉「あ、え? あ、もうこんな時間か……って、い、今の話、聞いてた!?」

武内P「はい? いえ、私は電気を消しに今しがた部屋に入ったので、聞いていませんが」

莉嘉「よ、よかったぁ……」

武内P「……何か、私に聞かれるとまずい話でも?」

美嘉「し、してない! ……し、姉妹の話を聞き出したいわけ!?」

武内P「い、いえ、そんなつもりは……」

美嘉「じゃこの話はこれでお終い! アタシ達もう帰るから。……ほら行くよ、莉嘉。挨拶しな」

莉嘉「はーい。さよーなら、Pくん」

武内P「? はい、お二人とも、お疲れ様で――あ、ではなく、もう遅いですので、送っていきます」

美嘉「い、いいって、今日は二人で」

武内P「いえ、さすがにこの時間に、お二人で帰すわけにはいきません。それはプロデューサーとしても、一個人としても、許可できません」

美嘉「…………はぁ」

莉嘉「お姉ちゃん、Pくんに弱いんだね! アタシ分かっちゃった!」

美嘉「う、うるさいから! コイツが頑固なのがいけないってだけで、なんでもそういうのに繋げようとするな!」

武内P「あの……?」

美嘉「アンタは前を向いてひたすら進む!」

武内P「は、はい!」




???「ふーん……」


小梅「あ、あれ……? あそこにいるあの子って、た、たしか、NGの――」


つづけ

次回はちょっと間が空くかも
次で本筋終わらせてその次はおまけというか杏の言ったやつ書く予定

そういえば、今更だけど時系列的には1stシーズン終わった後くらいで考えてる、フェス終わって美城常務もまだ来てない平和な頃
あと莉嘉とPがくっつくまで云々言ったけど、それをこのSS内で書くつもりはないことを先に言っとく

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