榛名「思ひ出」 (8)

※地の文の練習

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マルロクマルマルに誰よりも早く起き、カーテンを開けて皆を起こす。毎日続けている内に、いつしか日課になりました


起きてくる順番はいつも決まって初めに霧島、次に金剛お姉様、最後に比叡お姉様。なのに準備は比叡お姉様が一番速くて


四人で朝食の準備をし、金剛お姉様の合図と供にいただきますと声を合わせる瞬間が


私は何よりも好きでした


【思ひ出】


ふと目を覚まして時計を見ると時刻はマルロクマルマル。もう少し寝ようと思ったのですが習慣とは怖いものでいつも通りの時間に目が覚めてしまいました


カーテンをけると、眼前に広がるのは憎らしい程に青い空。今日の朝日は私には眩し過ぎて


提督から貰った制服に手を伸ばす。姉妹それぞれ色が違っていて、私の色は赤。目立つので好きじゃなかったのですが、霧島に似合っていると言われて以来この色が好きになったのは秘密です


金剛お姉様に褒めてもらった髪を梳き、比叡お姉様に可愛いと言ってもらった自慢のヘアピンを鏡の前で何度も付け直す。偶には他のヘアピンを付けたらと言われますが、私はこれがお気に入りなのです


部屋の隅々までチェックをし、埃や汚れが無いことを確かめた後、出口の扉の前に立つ。扉の前で振り返り、行ってきますと呟いてそっと扉を閉めました



榛名「提督、おはようございます」

提督「おはよう。調子はどうだい?」


司令室に挨拶に来た私を貴方はいつも笑顔で迎えてくれますね


榛名「榛名は大丈夫です」


それが嬉しくて、貴方の笑顔が私だけに向いていると思うと幸せで、毎朝子供のように心を弾ませながら貴方の元へ行きました。なのに


提督「今日はいい天気だね」


なのに今日はその笑顔を私に向けてはくれないのですね


榛名「そうですね」


窓の外を見る貴方がどんな表情をしているのか私にはわかりません。でも多分、私と同じ顔をしているのではないでしょうか


提督「準備は……できてるかい?」

榛名「……はい」


そうかと一言呟いた貴方の声はとても寂しげで


提督「まだ時間はある。折角だから紅茶を淹れてくれないか?」

榛名「いいんですか? 私はそこまで淹れるのは上手くないですよ?」

提督「構わない」

榛名「了解しました」


準備をしに出ていこうと思った時、ちょっと待てと言われて立ち止まる


提督「全員分、用意するんだぞ」


貴方は優しいのでね、こんな時まで私に気を遣ってくれて

了解。次から気をつけるよ。

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