【オリジナル】男(美少女さんは先生が好きなのか…) (20)

男(空が真っ赤。もう4時か…)

男(何となくすぐに帰りたくなくて宿題始めたけど、数学苦手なんだよな。あんまり集中できないし終わんねぇ…)

男(まぁ勉強に集中できないのはいつもの事だけど。けど一旦始めたからには終わるまで帰りたくないし…)

ガラガラ…

美少女「あー、疲れたー!」

男(あ、美少女さんが教室に入ってきた。友達の二人も…部活終わったのかな)

男(ちょっとうるさくなったけど気にすることないか。すぐ変えるだろうし。宿題続けよ)

美少女「ペチャクチャペチャクチャ」

友達A「ペチャクチャペチャクチャ」

友達B「ペチャクチャペチャクチャ」

男(女三人寄れば姦しいって言うよね。すっげぇうるせぇ…)

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友達A「ねぇねぇ、遥の好きなタイプってどんなの?」

男(あ、これ俺の存在に気づいてないパターンだ)

美少女「どんなって、アバウトすぎない?」

友達B「じゃあさじゃあさ、クラスの男子だったら誰がいい?」

男(あ、やっぱ気づいてねぇなこれ…どうでもいいけどちょっと気になる)

美少女「えー、それ答えないとダメ?」

友達A「ダメー!」

美少女「んー、でもクラスの男子はあんまり私…」

男(何だつまんね)

友達A「かーっ、流石お高い!」

美少女「もう!そうじゃなくて!私はもっと大人の人がいいなーって…」

男(ほーう、ほうほう)

友達B「あー、米崎先生とか?」

男(あのジャニーズ系か。やたらと女子生徒に人気だが俺にはどこが良いんだかさっぱりだ)

美少女「んーん。あぁいうのじゃなくて…」

男(あぁいうのとかひでぇ)

友達A「あぁいうのっておま…」

美少女「え?あっ、いやそういう意味じゃないよ!?」

友達B「で?で?先生なら誰がいいの?」

男(誰が良いのよ?)

美少女「ていうか何で私ばっかり聞かれてるのよ!」

男(そういうのは良いから早く答えなさいよ!)

友達A「学校一の美少女と名高い遥が誰が好きなのか、そりゃあ気になるでしょ」

美少女「そういうもの?」

友達B「遥と被っちゃったら勝ち目ないしねー」

美少女「え、夏樹ちゃん好きな人いるの?」

友達B「いやそういうんじゃないし!」

友達A「今は遥の好きな人でしょー」

友達B「あ、何さ!私となら被っても楽勝だっての?」

友達A「めんどくせぇなお前」

男(あーこれ話逸れていくパターンだわ。何だよつまんねぇの)

友達A「それで、誰が良いのよ?」

男(あ、そんな事なかった)

美少女「えー、やっぱり言わなきゃダメ?」

友達B「ダメダメ」

男(ほらほら、早く言いなさい長友さん)

美少女「えーっと…あくまで好きなタイプってだけだからね?」

友達B「うんうん、それでいいから早く早く!」

友達A「急かすなって」

美少女「えっと…相田先生とか…かな…」

友達B「えー、ソウタちゃん?」

友達A「ソウタちゃんかぁ…」

男(なんだと…?)

美少女「えー、何よ?悪いの?あくまで好きなタイプってだけじゃん」

友達B「いい先生だけどさー、何か濃くない?」

美少女「私は米崎先生みたいなのより相田先生みたいにマッチョめな人の方が良いけどなぁ…」

友達A「マッチョめって何よ」ケラケラ

美少女「あれ?変?」

友達B「マッチョなら森脇の方が良いんじゃないのー?」

美少女「あれはちょっと行き過ぎかなー…」

友達A「ゴリッゴリだもんねーあの先生。ボディビルダーみたい。体育教師の方が似合いそう」

美少女「あ、私も初めて見た時は体育教師だと思った!」

友達B「いやー、でもいいねぇ。好きな人に毎朝会えるのかー」

美少女「いやだからそうじゃないってば!もう!」

友達A「はいはい(笑)」

美少女「信じてないでしょ…あ、私ちょっとトイレ行ってくる」パタパタ

友達A「行っトイレー」

男(一緒に行かないんだ…。女子って必ず一緒にトイレに行くもんだと思ってた)

友達B「ねぇねぇ、どう思う?あれ」

男(ん?)

友達A「あれはどう見てもガチですわ」

友達B「やっぱそう思う?あれ絶対ソウタちゃんの事好きだよね!マジやばい!」

友達A「きゃー!」

友達B「きゃー!」

男「マジかよ…」

友達AB「は?」

男(あ、やべ。声に出た)

友達A「え?何?ずっとそこに居たの?」

友達B「はー?ちょ、何?盗み聞きとかマジありえないんですけど?」

男「いや、こっちが先にいた所で話し始めたのそっちだろ」

友達A「いや、居るなら居るって言ってよ」

男「普通にここに居たし気づかれてないとは思わなかったわ」

男(まあ嘘だけど)

友達A「マジで最初から居たの?」

美少女「えー、なになに?どしたの?」

友達B「さっきの話志村の奴が盗み聞きしてやがった」

男「だから盗み聞きはしてないって」

美少女「してないってよ?」

友達B「でも聞いてただろ!」

男「まあここに居たから聞こえてはいたけど…」

美少女「え?さっきの話聞いてたの?」

友達B「だからそう言ってんじゃん!」

男「いや、それは…ごめん」

男(まあ聞いてみたくて黙ってた部分あるし、悪いことしたかなぁ…)

美少女「…誰かに言ったり、しないでね?」

男(あ、これはガチで惚れてますわ)

男「まあ言う理由もないし…」

美少女「そっか、良かった。ありがとね」

友達B「あー、何かもういいわ。帰ろ」

友達A「ん、そうだね。遅くなっちゃうし…」

美少女「また明日ね志村くん」

男「おー、また明日ー…」

男(あー、嫌な汗かいた……。宿題しよ)

男「サームウェァーオーウ゛ァザァレィンボー、ウェイアァーップハァーイ♪」

男「デァーズアァーラァンダァッタイハァドオブ…」

担任「こんな時間まで残って歌ってんのはだ~れだっ」

男「あ、ちょっ!…ごめんなさい」

担任「古い曲知ってんだなぁ」

男「あぁ、まあ有名な曲なんで…」

男(ノリノリで歌ってんの聞かれた。恥ずかしい)

担任「こんな遅くまで残って何やってんだ?」

男「え?……うわっ、6時過ぎてる!?」

担任「うん?宿題やってたの?」

男「はい…さっぱりわかんなくて…あんまり集中もできなくて。いつの間にかこんな時間に…」

担任「難しい問題出しすぎたかなぁ…」

男「いえ、自分が数学ダメなだけなんで」

担任「どうせ学校いるなら聞きに来りゃよかったのに。俺部活終わってからずっと職員室にいたし」

男「あー…迷惑じゃないかと」

担任「全然!わかんないとこあったら何時でも聞きに来ていいんだよ?」

男「…そうですか。ありがとうございます」

男(ていうかわからない所多すぎて聞きに行くのも恥ずかしいんですが…)

担任「どこがわかんないの?言ってごらん?」

男「えーっと…ここと、ここですかね。あとここと…ここも?というか全体的によくわからんです」

担任「あはは…うん、そうか…それじゃあまずはこっちから解いていこうか」

男「え?手伝ってくれるんですか?」

担任「俺も今暇だしね」

男「…ありがとうございます」




担任「ていうかさぁ、何で残って宿題やってるの?」

男「変ですか?」

担任「変っていうか…いつもはすぐに変えるだろ?お前」

男「まぁ…何となく家に帰りたくなくて…」

担任「帰りたくない理由でも?」

男「いや、特に…と言うか帰りたくないのはいつもの事なんで」

担任「…学校が好きでたまらない、ってわけじゃあないよね? 何かあるの?」

男「いや、別に…」

担任「ふーん…まぁ深くは聞かないけど、聞いて欲しくなったらいつでも言ってよ? 力になれるかはわかんないけどさ」

男「…ありがとうございます」

男(美少女さんが惚れるのもわかるかなぁ…)

担任「お、笑ったね」

男「え? そうですか?」

担任「志村が笑ってるの初めて見たかも。いつもつまんなそうにしてるし…」

男「はぁ、そうですか…。そうだ先生はいつも笑顔ですよね。スマイルって言うか…」

担任「まーね。暗い顔してるよりずっといいでしょ? あ、ごめん」

男「いや、別に…全くその通りだと思いますし」

担任「いや、別にお前の事言った訳じゃないよ?」

男「わかってますって。……ていうか、あの…口動かしながら手動かすの苦手なんですけど」

担任「俺もそれは苦手だなぁ。ってか得意な人いるのかな」

男「先生、宿題終わらないです」

担任「あぁ!そっか…ごめん」

男「いえ、こっちこそ手伝ってもらってるのに偉そうなこと言ってすみません」

数分後

担任「そういや志村、さっき俺の事そうだ先生って言った?」

男「あ、そうた先生ですよね。すみません、つい」

担任「そっか。ならいいんだ」


さらに数分後

男「先生って他に用事とかなかったんですか?」

担任「ないよ。それにしても終わらないねぇ」

男「すみません…」

担任「いや、責めてる訳じゃなくてさ。俺ももうちょっとしたら帰んなきゃいけないから、終わるまで見てられるかなって」

男「ほんとすみません…」


さらに数分後

男「(そういやさっき長友さんが)先生のこと好きだって…」

担任「えっ?」

男(あ、やべ。声に出た。しかもこれ言っちゃいけないんだった…)

男「あの…声に出てました?」

担任「え?あ…うん。…え?マジなの?」

男「あ、いや…その…」

担任(えーっと…?今のってつまり、え?志村が俺の事好きって事?え?何で?今このタイミング?)

男「どうしよう…」

担任(あ、この子声に出てました?とか言ってた。言うつもりじゃなかったのか? なら聞いてなかった事にすればよかったんじゃ…いや、でも今更…あぁ、どうしよう)

男(どうしよう、先生困惑してるよ…。長友さんとの約束も破っちゃったし、何か…もう気まずい…)

男「あの、もう帰ります…」

担任「!」

担任(俺に引かれたと思って傷付けちまったか!? このまま返したら、最悪もう学校に来なくなるかもしれない!それだけは嫌だ!)

男「遅くまで付き合ってもらったのに結局終わらせられなくて、すみませんでした…」

担任(あぁ!かなり落ち込んでる!まずいぞ、俺は何て言えば……あぁ、もう!こうなったら俺も…!)

担任「ま、待て!」ガシッ

男「!?」

担任「じ、実は俺も…ゲイなんだ!」

男「は?」ポカーン

担任「だから、俺がお前の事キモいとか思って黙りこくったんじゃないかと思ってるならそれは違う!」

男「え? あの、え?」

担任「困惑するのはわかる。自分を傷つけまいと嘘をついてるんじゃないかと思うだろ? でも嘘じゃないんだ」

男「え? 先生…ゲイって、つまり…男の方が好きって事ですか?」

担任「あぁ、だからお前と同じだ…」

男(どうしよう、この人何か勘違いしている)

担任「さっきはびっくりして…何も言えなかっただけなんだ。突然志村に好きだって言われて…」

男(え? 何でそんな事になってんの? …あ、さっきの声に出てたの途中からだったのか。よかった、それなら長友さんを裏切った事にはならない…ってそうじゃない)

担任「けど、それは嬉しかったからなんだ。ほら、男が男に告白とか、普通できないだろ? だから男に好きだって言われたことなくってさ…」

男(どうすんのこれ…)

担任「いや、今ならネットとか使えば出会いなんていくらでもあるけど、俺そういうのちょっと怖いし…」

男(あぁ、ネットは怖いよなぁ…いやそうじゃないって)

担任「だから、本当に嬉しかったんだ…。あ、ごめんな。俺ばっかりベラベラと…」

男(まったくです)

担任(さっきから何も言わないな…混乱させちまったか? 言わなくて良い事まで言いすぎたかもしれん…)

男(いや、もう…これほんとどうしよう。どうすればいい?)

担任(とにかくこれで何か勘違いさせてもいけないよな。よし、ここからは言うべきことだけちゃんと言おう)

男(勘違いだって説明したら先生を傷付ける事にならない? なるよね? いや、勝手に変な勘違いした先生の自業自得といえばそれまでだけども)

担任「こんな事言ってからでなんだが、俺は教師でお前は生徒だから…まあ、これで何か俺らの関係が変わるって訳でもない…」

男「え? あ、はい…?」

担任「その辺の事はわかってくれよ? 俺の為にも、お前の為にも、な。いやまぁ、お前はわかってると思うけど、一応な?」

男「あー…はい…」

担任「とりあえず今日の所は帰りなさい。今は混乱してるだろうから、帰ってから落ち着いてゆっくり考えるといい」

男「はい…」

担任「宿題は、できれば終わらせて来て欲しいが…まあ、時にはそれより大事なことだってあるし、無理にやらなくてもいいからな?」

男(あぁ、この人いい人じゃん。知ってたけど。傷つけたくないなぁ。でもなぁ、勘違いされたままってのは…)

男「……えっと、じゃあ…失礼します。さようなら」

担任「……志村」

男(…ん?)

担任「本当はこういうのもいけないんだろうけど、志村は勇気を出して俺の事好きだって言ってくれたから…」

担任(本当はうっかり口を滑らしちまっただけなんだろうが、そういう事にしておいてやろう…)

男(ん? これは、後ろから抱きしめられてるのか?)

担任「だから…これは、まぁ…そのせめてものお礼というかだな…」

男「…えっと、ありがとうございます…」

男(とここでは言っておくべきか…? あ、他人とここまで密着したのって初めてだなぁ…何か…嬉しいような悲しいような)

担任「……」

男「あの…もう、いいですから…」

担任「お、おう…ごめんな、苦しくなかったか?」

男「いえ、大丈夫です」

担任「そうか。…じゃ、もう暗いから気をつけて帰りなさい」

男「はい、先生。さようなら」

担任「おう、さよなら!」



男(しかし、なんだろう…勘違いとはいえ、誰かがここまで俺の為に気を使ってくれたのっていつ以来だろうか…)

男(人の温もりってのを感じたのはいつ以来だろう…親も、兄弟も、最近はあまり会話をしていないし…)

男(何かなぁ……このまま、勘違いされたままでもいいかもなぁ…なんて……)

とりあえず初回はここまで


自分用人物メモ

男(志村)
主人公。学生
クラスで浮き気味。家族ともあまり上手く行ってない?
心の中で呟こうとした事をうっかり口に出してしまうことが結構ある
多分自覚がないだけで男が好き(ここは展開次第で変わるかも)

美少女(長友遥)
主要人物。男の同級生。友達が二人いる
天然気味のいじられキャラ(に書きたい)。男女問わず人気がある
好みのタイプは年上でマッチョめ。担任が好き
学校一の美少女

担任(相田先生)
主要人物。男達の担任数学教師
ゲイ。童貞。KIRIN。人並み以上に体は鍛えてる
真面目だけど親しみやすい性格で生徒からは好かれてる方
前からクラスで浮き気味の男の事は気にかけていた

友達A(名前はまだない)
主要人物かも知れない。美少女の友達
普通の女学生
色々まだ未定

友達B(夏樹)
美少女の友達。普通の女学生
多分ジャニーズとかその辺が好き
>>6の会話をさせる為だけに生まれた存在
今後存在を活かせるかはわからない

米崎先生
見た目はジャニーズ系。名前しか出てない
多分英語辺りの教師

森脇先生
一見ボディビルダーみたいだけど案外ボディビルダー程ではないけど中々見かけないレベルの凄いマッチョ。名前しか出てない
多分国語辺りの教師

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