雪乃「第二の平塚先生になってしまったわ」 (51)

雪乃「結婚できずにとうとう27歳になってしまったわ これじゃ第二の平塚先生じゃない」

雪乃「何故、結婚出来ないのかしら?今まで付き合った彼氏とも1ヶ月以上は持たなかったし」

雪乃「流石にこの年でバージンではないけれど」

雪乃「さてそこのコンビニでビールとおつまみとタバコを買って帰りましょう」

コンビニ

店員「いらっしゃいませ」

雪乃「37番と辛口チキンとフランクフルトください…」

店員「かしこまりました 少々お待ちください」
(随分綺麗な人だな、でもどこかで見たことがある様な)

店員「カードはお持ちでしょうか?」

雪乃「はい」

店員「お預かりします」ピッ
(会員番号892381 ユキノシタユキノ)

店員「はっ!?お前雪ノ下か?」

雪乃「え?お知り合いですか?」

店員「俺だよ 比企谷だよ 三日前からここでバイト始めたんだ」

雪乃「ひ、比企谷くん!?貴方どうしてここでバイトなんか…」

八幡「色々あったんだよ…お前は県内でも有数のIT企業に就職したんだろ?」

雪乃「えぇそうだけれど」

八幡「俺は惨めなコンビニとレンタルビデオ店でバイトしてるフリーターだよ」



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雪乃「貴方市役所に就職したんじゃなかったの?」

八幡「まぁ色々あってだな…話せば長くなるんだよ」

雪乃「そう…もう会うことなんてないと思っていたわ 貴方半年に1回やってる奉仕部の同窓会にも顔を出さないんだもの」

八幡「フリーターの俺が行ったらお前にどんだけ酷い罵倒されるかわからねぇからな 今めっちゃメンタル弱ってるし」

雪乃「あら?罵倒なんてしないわよ?人には事情があるのだから」

八幡「お前大人になったな」

雪乃「いつまでも子供ではいられないもの」

八幡「だよな…俺も家にいづらいんだよなぁ 小町夫婦と同居してるし 一人暮らししようにも金が足りないしな」

雪乃「貴方も大変なのね」

八幡「そういえば雪ノ下は結婚したのか?」

雪乃「まだしてないわ それにする予定もないわね」

八幡「そうなのか」

雪乃「そういう貴方は?」

八幡「最後に女性と付き合ったのは4年前が最後だ」

雪乃「私も3年ぐらい彼氏はいないわね」

八幡「へぇお前なら結婚ぐらい余裕で出来そうなんだけどな あっワリィ お客さんが来たみたいだから またな」

雪乃「そうね…私もここのコンビニは利用することが多いからまた会いましょう」

八幡「おうじゃあな!」

雪乃「そうだ比企谷くん、連絡先ぐらい交換しないかしら?」

八幡「まぁいいけど、どうしてだ?」

雪乃「深い事情はないわ LINEの友達リストに小町さんと戸塚くんしかいないと思うとこちらまで虚しく感じるのよ」

八幡「厳密に言うと両親もいるぜ」

雪乃「はい これ私の番号とメールアドレスよ 登録しておいてちょうだい」

八幡「バイト終わったら試しに送ってみるよ」



雪乃「さてお風呂もあがったし呑みましょうか あら比企谷くんからLINEが来てる様ね」

『今バイト終わった所だ 今日は久しぶりに会えて良かったよ』

雪乃「あの比企谷くんがこんなセリフを言うなんて昔じゃ考えられないわね」

『こちらこそ相変わらずその、腐った目を見れて良かったわ』

『お前の罵倒も相変わらずだな』

雪乃「やっぱりビールとフランクフルトは合うわね」

『ねぇ比企谷くん、明日の夜は暇かしら?』

雪乃「私は何を送ってるのかしら…」

『あぁ明日のバイトは昼間だけだ 夜は暇だな どうしてだ?』

『久しぶりに会ったから色々と話したいことがあるのよ 飲みにでも行かない?』

『分かった。じゃあ店と都合の良い時間だけ教えてくれ』

『分かったわ。』

雪乃「ふふ 比企谷くんと飲むのなんて大学以来ね 楽しみだわ」

翌日

雪乃「待たせたかしら?」

八幡「心配すんな10分ぐらいしか待ってねぇよ 名前書いておいたからそんなに待たずに入れるぞ」

雪乃「貴方にしては気が利くのね 貴方も人間になったという事ね」

八幡「そこは大人になったって言おうな」

店員「二名でお待ちのヒキタニ様ー 大変お待たせ致しました」

雪乃「相変わらず名前は間違われるのね」

八幡「ほっとけ」

店員「喫煙席と禁煙席どちらになさいますか?」

雪乃「喫煙席で」

店員「かしこまりました こちらのお席へどうぞ」

八幡「お前タバコ吸うのか?そういや昨日買ってたよな」

雪乃「えぇ吸うわよ それが何か?」

八幡「何となく想像できなくてな あの雪ノ下がタバコ吸うなんてな」

雪乃「由比ヶ浜さんにも健康に悪いから辞めろと言われてるわよ」

八幡「あいつと会ってるのか?」

雪乃「一ヶ月に2回ぐらいは会うわね」

八幡「そうか…あいつも今や幼稚園の先生だもんな まぁお似合いだな」

雪乃「貴方、由比ヶ浜さんの結婚式にも出席しなかったものね」

八幡「合わせる顔が無かったんだよ 気まずくて」

雪乃「考え過ぎよ でもあの時なんで彼女の告白を断ったの?」スゥ

八幡「煙 こっちに飛ばすなよ」



雪乃「誤魔化さないで答えなさい 由比ヶ浜さんは貴方の事を誰よりも理解してくれたはずなのに」

八幡「過去は振り返らないんだよ もうな…」

雪乃「そう…ならあえてこれ以上は聞かないわ」

八幡「そういうお前は何で葉山の本気のプロポーズを断ったんだよ」

雪乃「あの時は22歳よ?結婚には早すぎるわよ それに…」

八幡「それに?」

雪乃「過去は振り返らないのよ…誰かさんと同じでね」

八幡「まぁ葉山も三浦と結婚して幸せそうだしな」

雪乃「結婚が幸せと果たして言えるのかしら?」

八幡「さぁな想像も出来ないよ」

雪乃「何か注文しましょう 」

八幡「そうだな俺は生中と枝豆と軟骨からあげをとりあえず頼むわ」

雪乃「じゃあ私は砂肝と焼き鳥盛り合わせを頼むわ あと同じく生中も」

雪乃「貴方と飲みに来るのなんて大学以来ね」

八幡「そうだな…まぁ飲み自体俺はあんまり来てないけどな」

雪乃「相変わらず友達がいないのね」

八幡「そうだな…友達も彼女もいねぇよ」

雪乃「…ひとつ質問していいかしら?」

八幡「何だ?」

雪乃「何で市役所を辞めたの?」

八幡「言っただろう、過去は振り返らないって」

雪乃「そう…私には話したくないのね」

八幡「別にそういうんじゃねぇよ、誰に話した所でもう戻れないんだよ。だから過去を忘れて前向きに生きるしかねぇんだ」

雪乃「貴方らしいわね…いいわでも、いつか知りたいわ貴方に何があったのか…」

八幡「本当は知ってるんだろう?」

雪乃「噂が事実なら貴方は相当堕落した人間になったと言いたいわね。でも貴方の事だからそれが真実だとは思えないわ」

八幡「そうか…その話はもうやめにして明るい話題にしようぜ」

雪乃「貴方に明るい話が出来るの?」

八幡「すまん出来ない」

雪乃「ふふ やっぱりね」

八幡「雪ノ下、お前飲みすぎ、それにタバコも吸いすぎ」

雪乃「うるさいわね、貴方は私の彼氏でも旦那でもないでしょう?なのに偉そうなこと言わないでよ」

八幡「はぁ…相変わらず酔うと面倒だなお前って」

雪乃「でも比企谷くんはそんな面倒な女を見てるとほっとけくなるのでしょう?」

八幡「ここにいたら迷惑になる 家まで送るよ」

雪乃「タクシーを呼ぶからいいわよ」

八幡「今のその状態だと運転手にも迷惑をかけかねない だから俺もついていくよ」

雪乃「そう…マンションに来ても貴方が期待してる様な事は出来ないわよ?」

八幡「何もする気はねぇよ」

雪乃「それは遠まわしに私に魅力がないって言いたいのかしら?」

八幡「そんな事ねぇよ でも前より全然色っぽくなったな 髪も短くして」

雪乃「誰かさん言ったわよね?黒髪ボブが好きって…」

八幡「そんな事言ったか?」

雪乃「言ったわよ…だからこの髪型にしたのよ?」

八幡「お前酔いすぎな」

八幡「前のマンションじゃなくなったんだな」

雪乃「流石にあのマンションは高くて今じゃ無理よ 親に頼るわけにはいかないし」

八幡「じゃあな、今日は楽しかったよ。俺はここで帰る」

雪乃「待ちなさい」

八幡「何だよ」

雪乃「明日はどうせ休みでしょう?なら少しウチでゆっくりしていきなさい。暖かい飲み物入れるわよ」

八幡「そうか…じゃあお邪魔させてもらう」

雪乃「素直なのね」

八幡「まぁな」

雪乃「6階を押してちょうだい」

八幡「はいよ」

雪乃「なんなら今日泊まっていってもいいのよ?」

八幡「流石にそれは遠慮しておくよ」

雪乃「家に帰りたくないんでしょう?」

八幡「・・・」

雪乃「図星ね」

雪乃「どうぞあがって」

八幡「広い部屋だな それに夜景も綺麗だな」

雪乃「お風呂あがりにこのベランダでビールを飲むのが最高にいいのよ?貴方もやってみる?」

八幡「大体風呂入ってないし」

雪乃「入ってもいいのよ?今沸かすわね」

八幡「いいよ別に家で入るからよ それにもう帰らないとな…」

雪乃「待ちなさい、貴方を帰すわけにはいかないわね」

八幡「何だよその冗談…」

雪乃「あの時の目の腐り方と今の腐り方が違うのよ」

八幡「は?」

雪乃「あの時の目は腐ってるけど確かに生きてたわ 今の目は腐ってるし死んでるわ」

八幡「ほっとけよ」

雪乃「今の貴方は一人にしたら危険な気がするのよ あの時の由比ヶ浜さんと一緒で」

八幡「・・・」

雪乃「あれに関しては貴方も罪悪感を感じている様ね それはそうよ、貴方は彼女の腕に傷を負わせたのだから」

八幡「そんなこともあったな…」

八幡「なぁ雪ノ下…ひとつ質問していいか?」

雪乃「何かしら?」

八幡「お前、今幸せか?」

雪乃「そうね完全に幸せとは言えないけれど結婚が出来ない以外で特に不自由してることはないわね。」

八幡「そうか…」

雪乃「貴方はどうなの?と質問して欲しいんでしょ?」

八幡「・・・」

雪乃「なら聞いてあげるわ 貴方はどうなの?」

八幡「正直、人生に失望してるよ。もう俺には未来なんてないからな」

雪乃「そうね…アラサーでフリーターの貴方に将来が期待できるかと言えば一概にイエスとは言えないわね」

八幡「だろう?雪ノ下もうひとつ質問していいか?」

雪乃「いいわよ」

八幡「生きていればいいことがあるって言うけどそれって綺麗ごとに過ぎないよな」

雪乃「そうかもしれないわね。人生が終わる時に決めるべきだと思うわ。だからその可能性を信じて生きるというニュアンスの方がいいわね」

八幡「そうか…」

雪乃「比企谷くん、自らの命を絶とうなんて考えるのはやめなさい。」

八幡「・・・」

雪乃「昔の貴方はどんなに汚れていようが確かに生きていたはずよ?」

八幡「昔と今は違うんだよ あのやり方で誰かが幸せになれるのは学生だったからだよ」

雪乃「やはり自分を犠牲にしてまた誰か救って 自分自身を失ったのね?」

八幡「そうだよ…そうして俺は市役所を辞めたんだ」

雪乃「私の思っていた通りね。」

八幡「そうか…」

雪乃「でも私はやはり貴方のそういうやり方、好きになれないわ。罪を犯した人間は裁かれて当然なのよ?それを庇うなんておかしいわ」

八幡「じゃああの時、俺はそいつを見捨てておけば良かったのか?」

雪乃「どんな理由があろうとも罪を犯した人間に同情なんていらないわ。」

八幡「無価値な俺が色んなものを背負って生きてる奴を助けられるならそれだけで存在意義になるだろ?お前には分からないだろうな」

雪乃「えぇ…私には到底理解不能よ そして軽蔑するわ」

八幡「そうか…お前なら何だかんだで俺の事分かってくれると思ってたのに残念だよ…やっぱり雪ノ下もその他大勢の一人なんだな」

八幡「じゃあな…最後にずっと好きだったお前と話せて嬉しかったよ これでやっと悔いも無く…」バチン

雪乃「いい加減にしなさい!今の貴方は本当に腹が立つわね」

八幡「お前が腹立てる理由なんてないだろう?」

雪乃「あるわよ…自分がずっと好きだった人が今から命を絶とうとしてるのを知って怒らないわけないでしょう?それよりも悲しいわ」

八幡「そういう同情はやめてくれ」

雪乃「貴方こそそんな悲しいことを言うのはやめてちょうだい」ポロポロ

八幡「なぁ雪ノ下、今俺の事を好きって言ったよな?じゃあ聞くけどこんなクズの俺のどこが好きなんだ?」

雪乃「自己犠牲以外の全てよ」

八幡「そうか…ならやっぱり悔いはねぇよ…お前にそう言ってもらえたのが人生最大の幸せだ だからそれだけで十分だよ」

雪乃「バカね…本当に貴方ってバカね でもそんな貴方を好きになった私もバカなのかもしれないわね」

八幡「俺だって本当は全うに生きたかったんだよ!でもあの時あいつを見捨ててたら俺はもっと後悔してたよ!」

雪乃「今からでも間に合うわよ?」

八幡「そんなの綺麗事だよ それに欺瞞だ」

雪乃「単刀直入に言うわ。比企谷くん、私と結婚してください。」



八幡「お前何言ってるんだよ?」

雪乃「私は年収が500万あるのよ?貴方の事だって高望みしなければ養っていけるわよ」

八幡「そんなんのお前に迷惑掛けるだけだろう…それにお前の家族からなんて言われるか分かったもんじゃない」

雪乃「そんなの関係ないわ 好きな人の命を救えるならこんなの痛くも何ともないわよ」

八幡「雪ノ下、本当にいいのか?お前後悔するぞ?」

雪乃「いいわよ」

八幡「そうかじゃあ俺からも言わせてくれ 雪ノ下雪乃さん、俺と結婚してください。」

雪乃「はい!」

翌朝

八幡「じゃあ俺は一回家に帰るわ 荷物こっちに持ってこないといけないから」

雪乃「そう…じゃあ私は仕事だから合鍵を渡しておくわね 部屋は自由に使っていいわよ」

八幡「ありがとうな雪ノ下…いや雪乃」チュッ

雪乃「まだ朝よ?でも嬉しいわ貴方とキス出来て」

八幡「これからは毎朝キスしような?」

雪乃「勿論よ、じゃあ行って来るわね」

八幡「行ってらっしゃい」

9時間後

雪乃「小町さん!?比企谷くんの容態はどうなの!?」

小町「もう助かる見込みはないそうです…」

雪乃「どうして事故なんかにあったの…」

小町「運転手さんの話によるといきなり飛び出してきたそうです。」

雪乃「嘘…自殺って事になるの!?そんなのありえないわ!だって私と結婚するって言ったじゃない!なのに…」

小町「お兄ちゃんの部屋に雪乃さん宛ての手紙がありました。」

雪乃、お前と出会えて本当に幸せだったよ。もっと早く想いを伝えていればこんな事にはならなかっただろうな。
でもお前に迷惑を掛けるわけにはいかない。お前には俺何かよりももっとお似合いな奴がいる。それにもっと幸せになれる権利だってある。
だからお幸せにな。
今まで、本当にありがとう。そしてさよなら。大好きな雪乃へ

比企谷八幡

雪乃「嘘でしょ!?嘘だって言ってよ」

同時刻 都内某所

葉山「比企谷くんをうまく始末出来たみたいだね それにしても君はやっぱりプロだな」

???「僕だって八幡を始末するのは流石に迷ったんだよ?でも10億円のためなら余裕だよ?」

葉山「これで俺たちを邪魔する奴がまた一人消えたな でも雪ノ下さんは頭がいいから自殺じゃないと気づくだろうね」

???「じゃあ始末しちゃう?」

葉山「まだいいだろう…様子を見てからにしよう」

一ヵ月後

陽乃「雪乃ちゃん、本当に行くの?」

雪乃「えぇ…仕事もやめてきたわ。」

陽乃「私に力に出来ることがあったら何でも言ってね!私も雪乃ちゃんの大切な人を殺した奴許せないから」

由比ヶ浜「ゆきの~ん!待って!私もいくよ!」

雪乃「由比ヶ浜さん…?来てはだめと言ったでしょう?」

由比ヶ浜「そんな事言ったって私も許せないもん!」

材木座「我も行こうではないか!親友を殺した奴を必ず地獄に落として見せる!」

雪乃「貴方たち、これは遊びではないのよ?一歩間違えば命を落とすのよ?」

材木座「我はそんなアホではない!覚悟は出来ておる!」

由比ヶ浜「私も!それにゆきのん一人だと何するか分からないからブレーキ役としていくよ!」

雪乃「では行くわよ?貴方たち」

完結?

ごめんなさい 八幡が自害するのは決めてましたけど何かイマイチピンとこないから余計なのまで付け加えちゃいました
またこれの続きは別のスレでも立てて書こうと思います。
ありがとうございました。

明日元々のEND投下しますね

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年09月17日 (木) 11:56:16   ID: 645Sp9_B

戸塚……

2 :  SS好きの774さん   2015年09月19日 (土) 19:15:36   ID: QA4C0Vee

???
モロバレなんだよなあ

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