モバP「2時間1万3000円か」 (58)

短いです。

キャラがおかしいかもしれませんが、お許しください。

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事務所 残業中

モバP(以下P)「ふんふんふーん♪」カタカタ

ちひろ「ご機嫌ですね。鼻歌がうざいです」カタカタ

P「はっはっは。イライラしてるとお肌に悪いですよ!」カタカタ

ちひろ「傷つきました。スタドリ1ダースで許してあげます」カタカタ

P「ごめんなさい、ちひろさん。今無駄遣いできないんで勘弁してください」ドゲザ

ちひろ「まったくもう……」カタカタ

ちひろ「でも本当にご機嫌ですね。何かあったんですか?」カタカタ

P「いやー、俺明日休みじゃないですか!」カタカタ

ちひろ「そうですね。少し前までは休んでもすることないって言って働いてたのにここ最近は定期的にお休み入れてますよね」カタカタ

P「なんせ明日はデートですからね! そりゃ機嫌もよくなりますよ!」カタカタ

ちひろ「えっ……?」

P「さて、これで終わりっと! じゃあすんませんけど、お先に失礼しますね! お疲れさまでした!」

ちひろ「えぇ、お疲れさまです……」

ちひろ「え? デート? え?」


後日 事務所

ちひろ「今日集まってもらったのは他でもありません」

ちひろ「先週の残業中に私がプロデューサーさんから聞いた『デート』の件についてです」

ちひろ「何か知ってる人が居れば包み隠さず報告するように」

未央「ハイッ!」

ちひろ「はい、未央ちゃん、どうぞ」

未央「それよりも『デート』って単語を聞いた瞬間に目からハイライトが消えたままゆとしぶりんをどうにかすべきだと思いますっ!」

ちひろ「……私にはどうにもできません。放置です」

ちひろ「ほかには?」

卯月「はいっ!」

ちひろ「はい、卯月ちゃん、どうぞ」

卯月「『デート』って単語を聞いた途端に泣き出しちゃった美嘉ちゃんと加蓮ちゃんはどうしましょう!」

ちひろ「泣き声だけなので害はありません。ほかには?」

アイドル「「「「……」」」

ちひろ「誰も何も知らない、と?」

奈緒「あの……」

ちひろ「はい、奈緒ちゃん、どうぞ!」

奈緒「あのさ、言いにくいんだけど、ちひろさんの聞き間違いってことは……」

ちひろ「ありません。確かにこの耳で聞きました」

奈緒「ですよね……はい、ごめんなさい」

ちひろ「ほかには居ませんか?」

ちひろ「本当に誰も知らないんですか?」

凛「黙ってても仕方ないよ。少しでも意見を出していこう」

まゆ「ブレインストーミングですね」

美嘉「じゃあプロデューサーに彼女が居たのを知ってた人―?」

シーン……

凛「もし隠してたら口では言えない事になるよ」

ちひろ「彼女、じゃないのかもしれません……」

加蓮「というと?」

ちひろ「あの日、プロデューサーさんは『デート』のほかに『無駄遣いできない』とも言っていました」

ちひろ「まだ、彼女じゃないのかもしれません」

未央「じゃあ、今は狙ってる最中ってこと?」

凛「ねぇ、まゆ」

まゆ「なんですかぁ?」

凛「先月、プロデューサーが『紅い』リボンを買ってるの見かけたんだけど、何かしらない?」

まゆ「そういう凛ちゃんこそ、Pさんが『蒼い』花束を買おうとしてるの見たんですけど、何かしりませんか?」

凛、まゆ「「……」」ゴゴゴゴ

未央「ストップストップ! 奈緒ちゃん、しぶりんを止めて!」

奈緒「お、おう! 任せろ!」

美嘉「でもおかしくない?」

卯月「何がですか?」

美嘉「プロデューサー、『赤い』リボンと、『青い』花束を買ってたんでしょ?」

凛「そうだけど」

加蓮「同じ女の子へのプレゼントとは思えないね」

ちひろ「……まさか二股……?」

卯月「え、二股って、そんな……」

未央「いやいやいや! たまたまかもしれないよ! たまたま赤と青が好きな子かもしれないし!」

ちひろ「冷静になりましょう」

ちひろ「プロデューサーさんに彼女、もしくは好意を寄せている人が居ると仮定します」

ちひろ「では、その女性は一体いつ頃、プロデューサーさんと知り合ったのでしょうか」

卯月「確かに……プロデューサーさん、お仕事の時は大抵誰かと一緒ですし……」

奈緒「休みもオフが重なってる子と一緒だろ?」

美嘉「出会う隙がないよね」

加蓮「やっぱり、この事務所の誰かってことかな」

まゆ「誰なんですかぁ……? まゆのPさんを盗った悪い泥棒猫さんは……」

凛「まゆのってのには同意しかねるけど、名乗るなら早めにしてね。今なら手加減できるから」

未央「ちょっ、二人とも落ち着いて……」

卯月「あれ……でも最近のプロデューサーさん、前より休みが増えてますよね?」

ちひろ「そうですね。前は週に1回しか休んでませんでしたが、ここ最近は週2回休んでますね」

卯月「お休みの日って土曜日と、火曜日ですね」

ちひろ「はい、その通りです」

奈緒「火曜日にPさんと会った事あるやついるか……?」

シーン……

美嘉「そもそもアタシ達、平日でお仕事ない日は学校でしょ?」

加蓮「じゃあ誰も火曜日のオフを過ごしているPさんを知らない……?」

凛「決まりだね」

まゆ「決まりですね」

未央「え? 何が?」

凛、まゆ「「尾行しましょう」」


次の週 火曜日

P「……」ソワソワ


奈緒「うわー……なんかめっちゃそわそわしてる……」

加蓮「あんなPさん初めて見たね」

凛『TP、TP。こちらHQ。状況を報告せよ』

奈緒「えー、こちらTP。対象はなんかやけにそわそわしてる」

凛『了解した。そのまま監視を続けよ。オーバー』

奈緒「あたしらなんでこんなことやってんだ?」

加蓮「さぁ……?」


P「あ、こっちこっち!」フリフリ


未央「あ、誰か来たみたい!」

卯月「うーん。私達の知らない人みたいですね」

未央「だねー。っと、報告報告っと」

未央「あー、HQ、HQ。こちらNG、対象に接触する人物あり」

凛『こちらHQ。了解した。警戒を怠るな。オーバー』

卯月「凛ちゃん、楽しそうですね!」

未央「そうだねぇ」


○○「お待たせしてごめんなさい」

P「いや、俺が勝手に早く来ただけだからさ。大丈夫」

P「さ、行こうか」ギュッ


奈緒「……」

加蓮「報告しとくね」

奈緒「うんっ……」グスッ

加蓮「HQ。こちらTP。対象は接触した人物と仲良さげに手を繋ぎ移動を開始」

凛『っ……こちらHQ。了解した。尾行を開始せよ、オーバー』


P「はははっ、でさ――」

○○「そうなんですか? ふふっ」


未央「……楽しそうだね」ズキッ

卯月「そうですね……」ズキッ

卯月「何が駄目だったんでしょう……」シュン

未央「アイドル、だったから。かな……」

卯月「ぐすっ……でも、アイドル、じゃなきゃプロデューサーさんに……」

未央「泣いちゃだめだよしまむー……」

未央「今は、ちゃんとミッションをこなして、あとでちゃんとプロデューサーから話を聞こう? ね?」

卯月「はい……」


加蓮「はぁー……」

奈緒「ごめん……」シュン

加蓮「いいよ。奈緒が泣き虫なのは今に始まったことじゃないしね」

奈緒「加蓮は、泣かないのか……?」

加蓮「んー……奈緒が泣いてるの見たらちょっと冷静になっちゃった」

奈緒「そっか……」

加蓮「うん……」

奈緒、加蓮「「はぁ……」」


P「あ、ここ寄って良いかな?」

P「たしかここに○○ちゃんに似合いそうなアクセサリがあってさ。プレゼントしたいんだ」

○○「そんな! いつもいつも悪いですよ!」

P「良いんだよ。俺がしたいんだから」


卯月「人が増えてきましたね」

未央「そりゃ、ショッピングモールだからねー。やっぱ人が集まるよ」

卯月「あっ……!」

未央「ん? どしたの?」

卯月「見失っちゃいました……」

未央「えっ! ほんとだ……」


加蓮「そういうの興味ないんで」

ナンパ「えー、キミらチョー可愛いからさー。ね? 暇なんでしょ? 俺と一緒に遊ぼうよ」

奈緒「あーもうしつこいなっ! 行くぞ、加蓮!」スタスタ

奈緒「まったく! なんなんだよああいうの!」

加蓮「ただのナンパでしょ? 奈緒ってばウブなんだからー」

奈緒「なっ! ち、ちげーし! って、やばいぞ!」

加蓮「どしたの?」

奈緒「Pさん達、見失っちまった……」


凛「……」

ちひろ「さっきから怖い顔してますよ」

凛「そんなことないよ」

未央『HQHQ! ごめん! プロデューサー見失っちゃった!』

奈緒『凛! 悪い! Pさん見失っちまった!』

凛「こちらHQ……了解した。増援部隊を派遣する」

凛「まゆ、聞こえる? 出番だよ」

まゆ『うふっ……』


卯月「わわっ……どうすれば……」

未央「落ち着いて! とりあえずままゆと美嘉ねぇが来るっぽいから、まず奈緒ちゃん達と合流しよう!」

卯月「は、はいっ!」


加蓮「ひとまず未央達と合流かな?」

奈緒「だな。まゆと美嘉が来るし、まゆならほっといてもPさん見つけるだろ」


美嘉「ちょっ! まゆっ! 早い!」タッタッタ

まゆ「そんなちんたら歩いててPさんが変な女にたぶらかされたらどうするんですかぁ?」シュタタタ

美嘉「そりゃ、そうだけど……プロデューサーにはプロデューサーの幸せがあるし……」ゴニョゴニョ

まゆ「確かに、PさんにはPさんの幸せがあります。ですが、まゆ達にもまゆ達の幸せがあります」

まゆ「Pさんが今一緒に居る女性を選ぶのであれば仕方ありませんが、まゆ達はアイドルってだけでPさんから選択肢として除外されてます」

まゆ「それじゃあフェアじゃないですよね?」

美嘉「そうだけどさ……」

凛『こちらHQ。増援部隊、ターゲットは発見できた?』

まゆ「こちら増援部隊。現在移動中です。接触まであと5分以内」

凛『了解。TPとNGが合流して付近に居るから、ターゲット補足したら連絡して』

まゆ「はぁい」


P「ほら、これ。よく似合うよ」

○○「でもいいんですか? これ、結構するんじゃ……」

P「いいんだよ。仕事ばかりで使う暇なかったし」

まゆ「そこまでですよぉ」

○○「え、佐久間まゆ……?」

P「ん……まゆ、か。どうしてここに?」

まゆ「はい、あなたのまゆですよぉ」

P「こんなとこでどうした?ってそれより学校は?」

美嘉「あーHQ、HQ。こちら増援部隊。ターゲットと接触、現在2F宝飾店内。オーバー」

凛『了解。未央達も行かせるよ。私も15分以内には到着する』

P「美嘉まで居るのか。お前ら学校はどうした」

○○「え、美嘉ってカリスマJKモデルの城ケ崎美嘉?」

未央「プロデューサー!」

P「おいおい、お前ら今日は平日だろ」

加蓮「そんなことより何してたの?」

P「そんなことって学校は大事だぞ」

奈緒「良いから答えろよ」

P「見てのとおりだが……」

凛「私にはその人に貢いでるようにしか見えないけど?」

卯月「凛ちゃん! 早いですね!」

○○「え、え? アイドルがいっぱい……」

P「貢ぐって人聞きが悪いな。ちゃんと同意の上だぞ。な?」

○○「え、えぇ……。そうですけど……」

まゆ「同意の上でもこのプレゼントはちょっと高すぎませんかぁ?」

美嘉「そうだよ! 10万ってちょっとおかしいよ!」

P「いや、でもここは物の割に安くてだな」

凛「見損なったよ。プロデューサー」

P「待て待て待て」

P「一体どういう状況なのか説明しろ!」

未央「説明もなにも、説明がほしいのはこっちだよ!」

P「あー、わかったわかった。ちょっと待ってろ」

P「ごめんなさい。○○ちゃん。6時間ってお願いしてましたが、申し訳ないですけど。今日はこれで」

○○「はぁ、いいですけど、返金はできませんよ?」

P「それは大丈夫です。じゃあ、また予約入れますね」

○○「はい、じゃあまたよろしくお願いします」

○○「あの、サインもらってもいいですか?」

美嘉「え、あ、うん。おっけー★」カキカキ

卯月「返金……?」

奈緒「予約……?」

P「はぁ……。とりあえずここだと目立ちすぎるから事務所行くぞ」



事務所

P「で、あれはどういうわけだ」

凛「それよりもそっちが先に説明して」

P「説明って何を説明すればいいんだよ」

まゆ「あの女性は誰なんですかぁ?」

P「ん? ○○ちゃんのことか?」

P「あの人はレンタル彼女だ」

アイドル、ちひろ「「は?」」

P「だから、レンタル彼女」

P「知らんのか? ちょっと前にテレビでやってただろ」

奈緒「え、レンタル彼女ってあの……?」

加蓮「お金払ってデートするっていう……?」

P「おう、その通りだ」

卯月「お金払ってデート……? それってどういう……?」

未央「ごめん、プロデューサー。理解が追い付かない」

P「だから、俺は休日にデートして過ごすために、レンタル彼女を借りてたんだ」

美嘉「え? じゃああの人は彼女じゃないの?」

P「俺に彼女が居るように見えるか? 仮に見えたとしても現実は仕事ばかりで作ってる暇がない」

凛「じゃあ赤いリボンって……」

P「あー、赤いリボンは確か△△ちゃんだったかな? 赤が好きって言ってたからプレゼントした」

まゆ「じゃあ青い花束は……」

P「青い花束、青い花束……あー! あれは□□さんへのプレゼントだ

ちひろ「じゃあここ最近休みをちゃんととってたのって……」

P「まぁ、レンタル彼女使ってデートしてましたね」

ちひろ「無駄遣いできないってのは……」

P「ちひろさんなら知ってると思いますけど、レンタル彼女って案外高いんですよ」

P「2時間で1万円。実際は来てもらうために出張料ってのが3000円かかるから、2時間で1万3000円。以降は1時間毎に5000円」

P「それとデートだから食事代だの、プレゼントだので結局1日で5万とか6万とかかかるんです」

P「いやー、休みがあっても暇なだけだったんですけど、レンタル彼女利用し始めたら休日が楽しみになっちゃって」

P「今まで稼いでも使い道なかったからお金は結構ありましたし、女性と一日楽しく過ごせるなら安いもんですよ」

P「はっはっは」

アイドル、ちひろ「(呆然)」

奈緒「はっ……!」

奈緒「じゃ、じゃあ! あたしとデートしないか!?」マッカ

P「は? 何言ってるんだよ。そんなもんスキャンダルになるだろ」

加蓮「プライベートでデートしてたらそりゃ言い訳できないけどさ」

加蓮「レンタル彼女ってことならどう?」

P「は?」

美嘉「そ、そうだよ! 今なら安くしとくよ!」マッカ

未央「美嘉ねぇ、顔真っ赤だよ。奈緒ちゃんも」

奈緒、美嘉「「未央うるさい!」」

ふーぞくよりは健全やね

P「いや、でも常識的に考えてダメだろ」

凛「でもさ、プロデューサーは今後もレンタル彼女使うんでしょ?」

P「ん、まぁ、たぶん」

卯月「それもスキャンダルにされちゃいませんか?」

まゆ「女性を買ってるわけですからねぇ。されてもおかしくないですよぉ」

P「むぅ……」

加蓮「その点、私達なら一緒に居てもおかしくないし、ちょうどいいんじゃない?」

奈緒、美嘉「「そ、そーだそーだ!」」

P「うーん、でもなぁ……」

ちひろ「良いじゃないですか」

ちひろ「とりあえず、今後しばらくはみなさんとデートしておいて、本当に問題がありそうならやめればいいんです」

ちひろ「何事も挑戦ですよ?」

ちひろ「私の順番は最後で良いので」

P「うーん……」

P「それもそっか。じゃあしばらくレンタル彼女使うのはやめとくよ」



数か月後

P「あー、次って誰だっけ?」

卯月「はいっ! 私です!」

P「ああ、卯月か。どっか行きたいとこあるか?」

卯月「じゃあ私の家に来ませんか? ママも会いたがってましたし!」

P「卯月の家って、さすがにそれはまずくないか?」

卯月「大丈夫です! レンタル彼女ですから!」

P「なるほど。レンタル彼女だもんな。そっかそっか」

P「ん?」

End

全員やらないと

以上です。お読みいただきありがとうございました。

最近は人間関係のほぼすべてをレンタルできるらしいですね。

利用したことないので、どういうものなのかはわかりませんが。

人間関係レンタルするお金があるならそのお金で課金した方が、と思う私の頭はもう手遅れです。

では、依頼だしてきます

>>27
実際どうなんでしょうね

>>31
ネタが思いつかないのでご容赦を……

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