シモン「ねだるな勝ち取れさすれば与えられん」 (12)

俺の名前はシモン・サーストン
皆からは穴掘りシモンって呼ばれてる
そんな俺にも穴を掘ること以外にも趣味はある
それは

リフに乗ることだ

この最悪な街でも俺にとってはたった一つ俺がトラパーの波に乗れるスポットでもある
まだ俺が小さい頃兄貴……血は繋がってないんだけど俺の兄貴のカミナは何処かへ旅立った

その時カミナの兄貴は俺にこのドリルを渡してくれた
今でも覚えている

「いいかシモン、お前を信じるんだ、お前が信じるお前を信じろ、そんな顔すんじゃねぇよ、お前のドリルは天を貫くドリルだ、下ばっか見てねぇで上を見あげてお日さんめがけて突っ走れ」

そう言い残して兄貴は俺の知らない遠くどこかへ消えていった

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最悪な街で最悪な家庭に生まれた俺を支えてくれたのはカミナの兄貴と……

ゲッコーステイトのホランドだった

ホランドは14歳の頃にカットバックドロップターンという技術を身につけたとされている

俺もいつかはゲッコーステイトのメンバーになってそして……

もう一度兄貴に会うんだ

シモン「なぁおっちゃん、俺はいつになったらとべんのかな」

目の前にいるリフの手入れをしてくれるおっちゃん
俺のリフはこの人がいないと始まらない

修理屋「さぁな、少なくともあと十年はかかるな」

シモン「えぇ!?だってホランドは14の時にカットバックドロップターン決めたっていうよ!?」

そうホランド、
ホランドは14の時にカットバックドロップターンを決めたんだ
ホランドに出来たんだ俺にできないわけない!

「お前が信じるお前を信じろ」

あの時の兄貴の言葉それは俺を今でも支えてくれているんだから

「であるからして…」

またいつもの退屈な授業を受けている
なんでいつもいつも同じことの繰り返しをしているのか不思議に思える

……もう帰ろう
校門の前に行くとじいちゃん…ジーハがたっていた

そしていつもの三者面談
俺の成績が悪いから高校にはいけない
そういつもいってくる
そんなの俺だってわかってる

その言葉を口に出せずに俺は拳を握りしめていた
強く握りすぎたのか血が出ていた

本当に最悪だ

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