P「えっ!新人アイドルですか!?」?「ぽえーん。」 (44)

小鳥「先日、社長が遠くの町でアイドル候補生をスカウトしたらしいですね」

P「俺も聞きましたよ。我が事務所13人目のアイドルということになりますね」

小鳥「個性派揃いの765プロにまた新しいキャラが生まれるのでしょうか?」

P「俺個人としては、平凡なアイドルといいますか…こういう言い方するのも変ですけど、普通な感じの女の子もいいと思うんです」

小鳥「あっ、分かります!ちょっとおっちょこちょいで、どこにでもいる、リボンつけた感じみたいな…」

P「そんな感じです。ある意味王道ですよね」

小鳥「ですね」

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小鳥「それで、今日はそのアイドル候補生さんが面接に来るんですよね?」

P「はい。社長の推薦なので、面接と言うほどではありませんが、軽くお話を…」

P「『見てのお楽しみだよ!キミィ!』ってことで、アイドルについてまだ何も知らされて無いんですよ、俺」

小鳥「私も同じことを。あ、でも、軽いプロフィールなら教えてもらいましたよ」

P「ぜひ教えてください」

小鳥「確かメモが……あっ、ありました」

小鳥「なになに…?どこにでもいるような女の子、だけど他の子と明らかに何かが違う」

P「素質があるということですね」

小鳥「チャームポイントは赤いリボン。可愛らしい表情にもアイドルの原石をみた…とのことです」

P「ズバリじゃないですか!これは期待できそうですね!」

小鳥「私も期待で胸が高鳴りま…」

コンコン

P「来ましたよ!」

小鳥「私、ドア開けてきます!」タタタ


ガチャ

小鳥「こんにちは、765プロへようこそ!!」













「ぽえーん。」

小鳥「えっ」

小鳥「えっ、ちょ」

「ふろあがりは しわが のびちじみするです。」

P「小鳥さん!立ちっぱなしにさせないで、早く座ってもらって…」

「ありがたいです。」











P「えっ」

──────

P「えー、では今日はよろしくお願いします」ペコリ

小鳥(何普通に馴染んでるんですか!?)ヒソヒソ

ひ(いや、社長のティン!は意外に期待できますし)ヒソヒソ

小鳥(そ、そうでしょうか…?もはや、人ではないような気も……)ヒソヒソ

P「まずはお名前を…」

「じぶんは どせいさんと いうものですよ。」

P「ほほう、どせいさんさん…」

P「ん?名前は『どせい』?」

どせいさん「どせいさんは どせいさんでござます。ぷーぷー」

P「うーん?」

小鳥「芸名みたいなものじゃないでしょうかね?」

P「なるほど」

──────

P「えー、では今日はよろしくお願いします」ペコリ

小鳥(何普通に馴染んでるんですか!?)ヒソヒソ

P(いや、社長のティン!は意外に期待できますし)ヒソヒソ

小鳥(そ、そうでしょうか…?もはや、人ではないような気も……)ヒソヒソ

P「まずはお名前を…」

「じぶんは どせいさんと いうものですよ。」

小鳥(でも…チャームポイントの赤いリボンはともかく…表情って!?)

小鳥(表情というかほぼ顔……言い方悪いけど、生首みたいな…)

小鳥(性別も女の子…?っていうかどっちか分からないくらいだし…私、すっごく不安)

P「えー、ではアイドルを目指すきっかけは?」

どせいさん「しらないで ごじます。」

小鳥(ティン!大ハズレじゃないのっ!!!)

P「な、なるほど。出身はどちらで?」

どせいさん「ちずがあるです。やるです。」

P「これはどうも。ほう、サターンバレー…外国でしょうか?」

どせいさん「ぐんまけん!」

小鳥「群馬県!?!?」

どせいさんはああ見えて器用だからな

P「特技などはありますか?」

どせいさん「はなを つかまれると くしゃみが でるです。」

P「そうなんですか?では、少し失礼して……」プニ

どせいさん「……」

どせいさん「へーき へーき。」

小鳥(平気なの!?)

P「では最後に、何か一言あればどうぞ」

どせいさん「こーひーを のんでってください。はいですか? いいえですか?」

P「うーん、さっき飲んだからなぁ。小鳥さん、コーヒー飲みます?」

小鳥「私もお仕事がいっぱいなので…」

どせいさん「たまには いいじゃ ありませんか。」スッ

小鳥「そ、そうですか。では一杯だけ」ゴクリ

小鳥「……」

小鳥「お、美味しいっ!」

どせいさん「どやどや。みーん みーん。」

P「へぇ、隠し味に何か使ってるんですか?」

どせいさん「ずっきーに。」

小鳥「ズッキーニ!?!?!?!?」

小鳥「それで、どうするんですか?」

P「まずは候補生として様子を見ることにします。ついでに事務所の皆にも紹介するので、全員呼んでもらえますか?」

小鳥「わ、わかりました…」


──────


P「…ということで、皆と同じアイドル候補生のどせいさんだ。仲良くしてくれよー」

千早「……」

真美「なんか大物が来たっぽいよ……」ゴクリ

雪歩(な、仲良くできるかなぁ…)ドキドキ

どせいさん「たんぼ。」

◆こうして、どせいさんは765プロアイドルとして活動を始めるのであった

──────

雪歩「うっ…ひっぐ…うぅぅ…」ブルブル

雪歩(今日は小さい村だけど、折角のミニライブ…)

雪歩(それなのに、私は男の人が苦手なばっかりに皆に迷惑ばっかりかけて…)

雪歩(私なんて…私なんて…)グスッ

ガラッ

雪歩「!! 誰…?」

どせいさん「むぎちゃ。」

雪歩「ど、どせいさんちゃん!!」

雪歩(どせいさんちゃんとは、まだあまり話したことがないけれど…。でも、私の話を聞いてくれそうな気がする…)

雪歩「あのね、どせいさんちゃん、私…今日のミニライブ、すっごく不安なんだ…」

雪歩「皆が頑張ってるのを見て、私も頑張らなくちゃ!って思うんだけれど、私…ダメダメだから…」

雪歩「どせいさんちゃん…。私、どうしたらいいのかなぁ?」

どせいさん「……」

どせいさん「やめたいときは やめるといい。」

雪歩「!!!」

雪歩(どせいさんちゃんもきっと、私のダメダメっぷりに気づいてるんだ…。うぅ…もう諦めちゃった方が…)グスッ

どせいさん「あー もー…。ほんとにー! にこにこ。」

雪歩「えっ……」

雪歩(そうだ…私、ここに来てから全然笑ってない…。嫌な事ばっかり考えてたから…)

雪歩(もしかして…!どせいさんちゃんは私に笑って、ライブを楽しんでって伝えたかったんじゃ…ううん、きっとそう!)

雪歩「ありがとう!私、頑張れる気がする!いっぱい、楽しんできますぅ!」タタタ

イェェェェェェエェェィ!!!

どせいさん「ぽえーん。」

──────

やよい「今日はもやし祭りの日なんですよー」

どせいさん「えーなー。」

やよい「だから、どせいさんさんに買い物を手伝ってもらえて、すっごく嬉しいかなーって」

どせいさん「まかせとけ。」

やよい「えへへ、ここのスーパーです!もやしは……あっ!売り切れです…」

やよい「どうしよう…みんなすっごく楽しみにしてたのに…」シュン

どせいさん「できるます。うったり かったり どせいさんです。どんなよう?」

やよい「え…?じゃ、じゃあもやしありますか?」

どせいさん「もやしですね。だれがもつ?」

やよい「私が持ちますよー」

どせいさん「どうぞです。」スッ

やよい「あっ、これってどせいさんさんの住んでる所のもやしですか?」

どせいさん「たすかると いいです。みーん みーん。」

やよい「うっうー!すっごく助かりますー!どせいさんさんも、ぜひウチに来て下さい!一緒にもやし祭りですー!」

どせいさん「いくぜです。」

やよい(どせいさんさんって、気が利いてとーっても優しい人かなーって…えへへ!)

──────

響「うぅ…なんでガケから落ちちゃったんだ…」

響(スタッフの人はいないし、ハム蔵もどこか行っちゃうし…自分、本当にひとりぼっちになっちゃった…)

響「……怖いよう…」グスッ

ザッ

響「!! まさか…ハム蔵!ハム蔵なのか!?」

「……」

どせいさん「おしのびです。」ヌッ

響「どせいさん!?」

響(なんか、ほっかむりしてる…)

パカラッ パカラッ

響(…ちゃぶ台が4足歩行してる様な乗り物に乗ってるけど…なんだコレ…?)

どせいさん「『のりものです』です。ごじゆうにつかえ。おべんじょ。」

響「おべんじょ!?」

響「…でも、ありがとね。どせいさん」

響「今日は朝からハム蔵達とケンカしちゃったし、ちょっと寂しかったんだ」

響「もう…何でハム蔵達は怒ってたんだろ…?」

どせいさん「てんじょう みてるです。なみだがこぼれるです。」

響「天井……涙…?」

響「!!」

響(もしかして…ハム蔵達は自分がいないから、寂しかったんじゃないのか…!?)

響(今思うと、最近は仕事が忙しくてみんなと過ごすことも少なかった…)

響(もしかして、どせいさんはそれを伝えるためにわざわざ…!?)

どせいさん「ぼくもです。ぽえーん。」

響「えっ…どせいさんも自分と会えないのが寂しくて…!?」

響(そ、そうだ。自分、どせいさんともあまり話をすることがなかった…)

響(それなのに…どせいさんは……!こんな自分のことを…!)グスッ

どせいさん「こわかったけど もう こわくない。」

響「うん!もう何も怖くないさー!どせいさんのおかげで大切なものがわかったから!!」

響「早く収録現場に戻らなきゃ!」

黒井「765プロのアイドルは遠くに捨ててきたんだな?」

スタッフ「少なくとも、走って戻ってこれる距離ではありませんが…」

黒井「十分だ。ククク…悔しがる高木の顔が目に浮かぶ…!」

パカラッ パカラッ

黒井「ん」

響「はいさーい!我那覇響、今戻りました!」

黒井「!?!?!?」

黒井(ななな何だ!あの、ちゃぶ台が4足歩行してる様な乗り物はぁぁ!?!?)

どせいさん「ふー。」

──────

伊織「だーかーらー!真が速すぎるのがいけないのよ!」

真「ボクは普通だよ!伊織が遅いんだってば!」

雪歩「二人とも、喧嘩は…」

伊織・真「雪歩はだまってて!!」

雪歩「ひぅぅぅ…」

どせいさん「みんな なかよく。みなのしゅう です。」

伊織「どせいさん!アンタどういうつもりよ!この伊織ちゃんに口答えする気!?」

どせいさん「ふー。こっちを みるです。」

伊織「な、何よ…」

どせいさん「ゆかに みずまくか。まかないか。かんそう してるです。」

伊織「はぁ…?」

真「!!」

真「伊織、どせいさんはおそらくこう言いたいんじゃなかったのかな」

真「ボク達がケンカをしていると765プロ全体のモチベーションが下がり…みんなの心が渇いてしまう」

真「ボク達はこんなことで躓いてる場合じゃない。トップアイドルを目指すために、ここは力を合わせないと…」

伊織「どせいさん、アンタ……!」

どせいさん「まかせとけ。」

伊織「……っ。行くわよ!真!」

真「うん!」

どせいさん「どやどや。」

──────

千早(もう、歌えない私なんて……)

ピンポーン

千早「……」

千早「……誰?」

どせいさん「かべ。」

千早「……」

千早「どせいさんでしょう?もう…私のことは放っておいて…」

どせいさん「はいはい。だめで ごじます。」

千早「!?」

どせいさん「こわくないったら こわくないー。」

千早(……)

千早(分かってる、私が強かったら…こんなことにならなかったことも…。でも私は……)

どせいさん「そらは おなじです。」

千早(!!)

千早(…そうよ!優だって…この空の下、私を見守っているはず…。それなのに…私は……!)グッ

千早「ど、どせいさんっ!」

カタン

千早(…え…?封筒…?)

千早「手紙が……」スッ


『あらまっちゃん

 でべその

 ちゅうがえり。

 ふんが ふんが ふんが。』


千早「……?」

千早「あ、CDもついてる…」

ピッ


『テッテッテッテッ テッテテー♪

テッテッテッテッ テーテッ♪』


千早「????」

──────

P「……ついにニューイヤーライブの日がやって来たな」

P「今のお前たちにふさわしいステージをようやく用意する事ができたよ」

律子「本当にお疲れ様です、プロデューサー」

美希「このライブも、ハニーのおかげなの!」

P「ありがとう。でも、俺は知ってるぞ。本当に頑張ってくれたのは……」

P「どせいさん、お前だろう?」

どせいさん「しらないで ごじます。」

貴音「照れなくても良いではありませんか」

千早「そうよ。行き詰った私を…サターンバレーのテーマで救ってくれたのもあなたじゃない」

あずさ「あれは素敵なライブだったわねぇ」

どせいさん「ぽえーん。」

亜美「もー!どせーさんってば、困った時に『ぽえーん』で済ませちゃだめっしょー!」

真美「そうだよー!なんかゆきぴょんが言いそうなセリフじゃーん」

雪歩「え、えぇっ!?私が…?」

アハハハハ

P「よし、そろそろだ。思う存分楽しんで来い!」

「「はいっ!」」

どせいさん「ぽてんしゃる!」



ワァァァァァァァ!!!!



──────
────

P「ふぅ……」

小鳥「プロデューサーさん、元気出してください」

P「おっと、そうですね。こんな姿を見られたら笑われてしまいますよね」

小鳥「どせいさんちゃん…どこに行ってしまったんでしょうね…」

P「……」

P「ニューイヤーライブ直後に置いていった手紙…これが最後になるとは思いませんでしたね」スッ


『しゃかんするです。


 しゃかんするです は

 まつがいです。

 かんしゃするです です。


 かんしゃするです です。

 さらば さらば。』


小鳥「……最初に出会った時は、変わった子だと思いましたけど…いなくなると寂しいですね」

P「えぇ、アイドル達も同じ気持ちですよ。勿論、俺もです…」

小鳥「変わった言葉で話して…それが特徴的で可愛くて」

P「気が付けば、俺達もファンもどせいさんの虜でしたね。あの日々が、まるで夢のようです…」

小鳥「……」グスッ

P「……」

コンコン

小鳥「は、はい」タッ

ガチャ

小鳥「!!!」

小鳥「プ、プロデューサーさんっ!!!」

P「?」

「は、はじめまして!私、今日からここでお世話になる……」

P「君は……!!!」

春香「天海春

P「どせいさんっ!!!」ダキッ

春香「はるか……って、えぇぇぇぇぇぇ!?!?」

小鳥「どせいさんちゃん……おかえりなさい…!」グスッ

春香「ちょ、ちょっと、何のことだか…私は天海春

P「隠さなくていいんだ!どせいさん!!姿が変わっても…俺達には分かるよ!」

小鳥「そうよ!頭につけた…その、赤いリボンが!!何よりの証拠よ!」

春香「り、リボンですか?これは、私…個性が少ないって言われるので、ちょっとでも特徴があればなーって…」エヘヘ

P「個性がない!?何を言ってるんだ!」

小鳥「そうよ!コーヒーにズッキーニを入れたり、ちゃぶ台に乗っているあなたのどこが無個性なの!?」

春香「ズッキーニ!?ちゃぶ台!?」

P「さぁ!今すぐ765プロオールスターライブの準備を!小鳥さん!」

小鳥「任せてください!新たに生まれ変わったどせいさんちゃんを早く披露しないと…!」

春香「ライブ!?私、今日来たばかりですよっ!?」

P「大丈夫だ!お前の実力は俺のお墨付きだよ!!」

春香「だ、だから!その、どせいって人知らないんですってば!!私の名前は天海春

小鳥「プロデューサーさーん!明日でいいですか!?」

P「いくぜです。」グッ

春香「えええええぇぇぇぇぇぇ!!明日っ!?いけませんよ!?!?」

──────
────

ワァァァァァァァ!!!!

千早「ずっと…ずっと待ってたのよ…!どせいさん…!!」

真「絶対に帰ってくるって信じてたよ」

雪歩「おかえりなさい、どせいさんちゃん」グスッ

やよい「おかえりなさい!」

春香「………どうも…」

律子「ほーら、元気出して」

真美「どせーさんらしくないっしょー?」

美希「もしかして、久しぶりだからキンチョーしてる?あはっ☆」

春香「……初めてです…」

響「自分、ちゃぶだいに乗せてもらった事…忘れないからな!」

貴音「これからも楽しい時間を共に過ごしましょう」

あずさ「あらあら、これからが楽しみね~」

春香「……アハハ…」

伊織「ほら、ファンのみんなも!せーのっ!」


\どせいさーん!!!!!/


亜美「んっふっふー、どせーさん!いつものあれ!やるっきゃないっしょー?」

春香「………ハイ」

春香「……」スゥゥゥ

春香「ぽ……」







春香「ぽえ──────────ん!!!!!!!」シクシク


ワァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!


END

どせいさんのセリフは全てゲームからそのまま引用しました。

ありがと ごじました。

ぽえーん

何故かどせいさんの声が仁奈ちゃんボイスで再生された

つづかない ぽえーん

なんなのだこれは…

不思議な感覚になるスレだった……

字体が違うのが残念でならない

乙乙

いいライブだった、かけ値なしに

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