【艦これ】ショートランド鎮守府の夏 (32)

※提督「曙にクソ提督と言わせない方法?」の続き
提督「曙にクソ提督と言わせない方法?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1438675331/)


ショートランド鎮守府の夏に起きたお話

だいたい祥鳳さんと提督がいちゃつくだけの駄文短編集です。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1441975486



【必殺技が欲しい】

あの人はいつも勇敢だった。

私の尊敬する最高の女性。


強くて優しくてカッコいい。月並みだけど、そんな表現が相応しいと思う。


私も彼女のようになりたい。

そう思った。


金剛「バーニング・ラァァァブ!!」


ドカーン



榛名「提督! 榛名、必殺技が欲しいです!」

提督「必殺技? バーニングラヴみたいな?」

榛名「はい!!お姉さまみたいな、カッコいいのが欲しいです!」

提督「ふ~む・・・」


提督(・・・とりあえずググるか)カタカタ

榛名「・・・」ワクワク

提督「・・・榛名の名前は、確か榛名山から取ったんだよな?」

榛名「はい!」

提督「榛名の『榛』の字は、「しん」と呼ぶらしい。バーニング・シンとかどうよ?」

榛名「い、いいですね・・・」(棒)

提督「嫌そうだな・・・」

榛名「そっ、そんなことないです!」

提督「ちょっと待てよ・・・、もうちょっとググってみる・・・・」


カタカタ



提督「ふむ、『榛』という字はハシバミの木のことを指すらしいな。ハシバミは英語でヘーゼルというらしい」

榛名「ふむふむ」

提督「ヘーゼル・ブラスターというのはどうだろう?響きがカッコよくね?」

榛名「ヘーゼル・ブラスター・・・、榛名のかっこいい必殺技・・・」

榛名「榛名、感激です!」

提督「ヘーゼル・ブラスターか・・・我ながらいい名前だな・・・」

榛名「はい! 榛名、感激です!」

提督「うむ」




次の日の演習


榛名「行きます! ヘーゼル・ブラスター!」


ドカーン


霧島「ふふ。やるじゃない、榛名」

榛名「はい、榛名は絶好調です!!」



祥鳳「榛名さん、必殺技を手に入れてから絶好調ですね」

暁「楽しそうだね、榛名さん」

提督「・・・せっかくだからお前にも必殺技を授けよう」

暁「暁に?」

提督「シャイニング・エオスだ」

暁「シャイニング・エオス・・・」

暁(か、かっこいい・・・)


提督「あ、いまお前カッコいいと思ったろ?」ニヤニヤ

暁「お、思ってなんかないし! 暁はレディーだから、そんなお子ちゃまみたいなことしないもん!」プイ

提督「まぁ、使うのはお前の自由だ。好きにすればいいさ」

暁「うぅ・・・」

提督「あーあ、せっかく考えたのになぁ。榛名はちゃんと使ってくれてるのに・・・」

暁「しょ、しょうがないわね!そこまで司令官が言うなら、使ってあげてもいいわよ!」ニコニコ

提督(・・・チョロい)

祥鳳「・・・」



祥鳳「あ、あの・・・。提督、私も欲しいです・・・」

提督「え? まさかお前こんな真昼間から・・・。すけべぇ・・・」

祥鳳「違います! 必殺技の名前です!」

提督「ふむ。じゃあ、こんなんどうだ?」


鳳翼○翔


祥鳳「か、かっこいい・・・」

提督「あ、でもこれ鳳翔さんの方が似合うな。却下」

祥鳳「えぇ!?」ガーン


提督「慌てるな、ならば天翔○字鳳なんかどうだ?」

祥鳳「カッコイイですけどまた名前間違えられそうでイヤです」

提督「わがままな秘書官だなぁ」

祥鳳「むぅ・・・」

提督「じゃあ、バーニングラブ爆撃」

祥鳳「金剛さんのにちょっと足したじゃないですか!」

提督「クリムゾン提督愛してまスマッシュ」

祥鳳「そんな恥ずかしいのはイヤです!」

提督「いいじゃん、ホントのことなんだから」

祥鳳「ま、まぁ・・・愛してるって言うのは・・・その・・・。ウソじゃ・・・、ないですけど・・・」モジモジ

提督「よし、鳳凰繋がりでエターナ○カオス」

祥鳳「悪役みたいで嫌です!」

提督「よくわかったな。じゃあ鳳○幻魔拳」

祥鳳「少年ジャンプ脳はやめてください!」

提督「しゃーねぇなー・・・」

祥鳳「むぅ・・・」プンプン

提督(必殺技にマジになっちゃう祥鳳かわいい)



提督「じゃあこれはどうだ? フォーチュンフェニックス」

祥鳳「!! か、カッコいいです・・・!」

提督「いいだろ? 少女漫画のヒロインの必殺技みたいで」

祥鳳「はい! 私、嬉しいです!ありがとうございます!」

提督(ただ名前をカッコよく英訳しただけなんだけどな)




翌日の演習



祥鳳「第二次攻撃隊、編成できる!? じゃあ、随時発進してください!」


彗星「ウェイ!!」

天山「ムッコロス!!」


祥鳳「行くわよ、フォーチュンフェニックスゥッ!!」


ドカーン チュドーン


祥鳳「やったー!やりましたーっ! 私、嬉しいっ!」

隼鷹「おっ、祥鳳やるじゃーん!」

祥鳳「えへへ・・・これからも頑張りますね!」ニコッ


その後、しばらく爆撃の度に「フォーチュンフェニックス」と嬉しそうに叫んでる祥鳳を見て、微笑ましく思うと共にちょっと罪悪感を覚えてしまった提督だった。



【ダイエット】


この夏、水着に着替えた艦娘達は、思い思いに海を満喫していた。

このショートランド島の海岸に飛び出した、第七駆逐隊の四人もまた然りであった。

だが、彼女達は今、不穏な表情をしていた・・・


曙「潮、 あんた少しダイエットした方がいいわ・・・」

潮「あ、やっぱり・・・。潮すこし太ったかも・・・。胸とか、またおっきくなっちゃったし・・・」ボソ

曙「とっ、とにかくダイエットしなさい!ダイエット!」

潮「うっ、うん・・・。あたし、少し痩せるようにがんばるね・・・」



朧「・・・アレ、絶対妬いてるよね」ヒソヒソ

漣「曙ちゃん可愛いですねー」ヒソヒソ

曙「そこの二人、なんか言った?」

漣「いえいえ、なんでもないですー!」ニヤニヤ




提督「・・・いかん、いかんぞぉ・・」


ヌウッ


潮「ひ、ひゃぁぁぁぁっっっ!?」ビク

漣「長門さんが作った巨大な砂山の中からご主人様が!?」

曙「ど、どっから出てきてんのよ、クソ提督!!」

祥鳳「ご、ごめんなさいね。みんなを驚かそうって言って、朝からこうしてたの・・・」

漣「しっかしご主人様? なぜに日焼けして真っ黒な夏真っ盛りの小学生みたいな格好してんですか?ホワイ?」

提督「ふむ。さっきまで島を回って、生き物の調査や昆虫採集に励んでいたのだよ」キリッ

曙「・・・バカじゃないの?」

提督「バカとはなんだバカとは。

新たな資源や非常食となる生き物を調査し、いざという時に備えるのも提督の勤めなのだよ」

曙「ただサボってるだけでしょアンタは」

朧「朧もカニさんを探しに行くなら手伝います!」

提督「ふむ、その時は頼む。期待してるぞ」

朧「はいっ!」


提督「ところで、先ほどダイエットがどうかと言っていたが、その必要はねぇ」

潮「へ?」

提督「良いか、潮よ。男というのは、女の子が思うほど女性の体重には頓着しないのだよ。

故に、キミが曙からすれば多少太って見えても、実際のところ何の問題もない」

曙「なっ・・・! デ、デリカシーがないのよ! このクソ提督!」

提督「お前たちの歳でダイエットに励んだ結果、拒食症に陥って苦しんだという女の子もいるんだ。

そもそも潮は定期健康診断でも十分標準体重だっただろう?」

潮「う、うん・・・。そうだったけど・・・」

提督「無理なダイエットはそもそも身体に良くない。特に成長期の子にはいかん。よって、提督の許可がない限りダイエット禁止な」

潮「は、はい・・・」

曙「ち、ちょっと!何勝手に決めてんのよクソ提督!」

提督「寧ろ曙、キミこそ痩せすぎだ。ときどき倒れないか心配になるよ・・・」

曙「なっ・・・。よっ、余計なお世話よ!」///

提督「お前だって大事なウチの一員なんだ。ちゃんと身体を大事にしてくれ」ポン

祥鳳「そうよ、私だって、曙ちゃんが倒れるのはイヤよ」ナデナデ

曙「いっ、言われなくたってわかってるわよ!このクソ提督!祥鳳さんも撫でないでよ!」///

漣「おーおー、顔が真っ赤ですねー」ニヤニヤ

朧「曙かわいいねー」ニヤニヤ

曙「うっ、うるさいわよ!」プンスカ


提督「話が逸れたな。とにかく潮、お前はダイエットの必要はない。これは提督命令だ、いいな?」

潮「はっ、はい・・・!」

提督「寧ろ俺的にはトラック泊地の阿賀野くらいふっくらしてる方が好きだ」

潮「えっ・・・」

曙「うわぁ・・・」ドンビキ


祥鳳「そんな・・・提督・・・」ジワッ

提督「祥鳳!?」

祥鳳「提督、私ちょっと痩せてますけど、もしかしてホントは、私のことなんか・・・」ウルウル

提督「・・・何を言ってる?」

祥鳳「へ?」

提督「俺の一番は、いつだって祥鳳だよ。君こそ、俺にとって最高の女性だ」キリッ


曙「うわ、キモ・・・」ドンビキ

漣「臭っ・・・」

朧「これはちょっと・・・」

潮「?」



祥鳳「て、提督・・・。私、嬉しい・・・」ポッ

漣「えっ、祥鳳さん!? 今の言葉のどこに胸キュン要素が・・・?」

祥鳳「私も・・・、提督が・・・。世界で一番・・・、大好きです・・・」ポッ

提督「祥鳳!」ギュッ

祥鳳「提督!」ギュッ

提督「祥鳳!」

祥鳳「提督!」


アハハ ウフフ キャッキャ


朧「何アレ」

漣「砂糖吐きそうです」

曙「ウザッ」

潮「あはは・・・」


祥鳳「提督、砂浜で追いかけっこしましょー!」

提督「おー、10秒で捕まえたるわー」


マテマテー ウフフ コッチデスヨテイトクー



曙「あーホントにうざい。あのクソ提督と秘書官・・・」

漣「おやおや、ヤキモチですか?」ニヤニヤ

曙「ちっ、違うわよバカっ!!」///



【秘書官VS提督、仁義なき戦い】


駆逐艦、漣です。

こう見えても初期艦で、この鎮守府を初期から支えてきました。

第七駆逐隊メンバーとも再会し、提督とも良好な関係を築いていました。

いいえ、築いているつもりでした。

でも、それは漣の勘違いだったみたい。

ある夏の日の砂浜。ショートランドは赤道に近く、ギラギラした太陽が身体に痛いです。

でも、そんなことを言っている暇はありません。

今、漣は重大な戦いの真っ最中なのです。

しかも、漣の目の前にいる敵は、なんと、ご主人様こと提督でした・・・!

「漣ィィィッ!!!」

唸り声と共に、提督はこちらに突進してきました。

ふん、やられるもんですか。

漣は華麗に避けました。これでも激戦を戦い抜いた身です、ちょろいもんです。

次いで機銃を提督に撃ちました。一応模擬戦用の弾ですので死にはしませんが、それでもちょっとは痛いはず。

全弾命中。手応えあり。一応急所は外したので打ちどころが悪くてということもないでしょう。倒れても砂浜ですし。

そのはずなのに、ご主人様は傷だらけになりながら尚も立ち上がります。



漣はちょっといらいらしてきました。

「ご主人様、調子に乗ってると本気でぶっ飛ばしますよ?」

「漣こそいい加減に認めたらどうなんだ、あぁ?」

私達のあいだを火花が飛び散りました。

「ふたりとも、やめてください!」

そこに駆けつけたのが現秘書官の祥鳳さんです。必死になって争いを止めようとしてます。

「祥鳳さん、申し訳ありませんがこればっかりは譲れないのです」

「祥鳳、俺だってここは譲れませんから。はい」

でも、祥鳳さんは私達の間に割って入ってきます。

優しい人。でも、たとえ祥鳳さんでも、私たちを止めることはできません。


「いいかげんにして!だいたい、なんでそんなくだらないことで戦うんですか!?」

「くだらないだと?」

「だいじなことです!」



「祥鳳に着せる水着だ、重要に決まってんだろーが!!」

「まったくです!!」



「いいか!? 祥鳳に着せる水着は、スク水一択だ!!

あのエロい体を子どもっぽい服装で包むことこそ、彼女の色気が最大限に発揮されるのだよ!」

「いいえ、このVフロント水着こそ、祥鳳さんのすぇくすぃーなお姿にお似合いです! 

あのお美しいお背中を彩るにはこれしかありません! セクシー×セクシーこそ、メシウマな組み合わせなんですよ!!」

「んなもん霧島にでも着せてろ! 祥鳳にはスク水だ!」

「Vフロント水着です!」

「スク水だ!」

「Vフロント水着です!」

「スク水!」

「Vフロント水着!」

「スク水!」

「Vフロント水着!」

「スク水!」

「Vフロント水着!」



「あ、あの・・・」

ワーギャーワーギャー

「祥鳳さん、はっちゃん達と泳ぎましょ?」

「もーアイツらはほっとくでち!」

「そうね、行きましょうか」

「・・・あ」


祥鳳さんは上着をはだけ、いつものチューブトップにスカートのお姿で潜水艦達と浅瀬に駆けてゆきました。

その姿は、何よりも美しくエロティックでした。

私たちは思いました。やっぱり、祥鳳さんはいつもの格好が一番ですよね。



その後、お美しい姿に見とれていた漣とご主人様の元に、とても素敵な笑顔をした曙ちゃんと霧島さんが近づき、砲塔を構えました。



そして、いかずちの音が響きました。





【執務室のビニールプール】


ショートランドは熱帯である。故に、大雨が降ることも珍しくない。

今年の夏は海で遊ぶと張り切っていた艦娘も、雨とあっては海水浴もできない。がっかりして部屋にこもるしかない。

そんな彼女達を見て、木曾と提督はある提案を思いついた。

ある雨の日のことである・・・


朧「くぅらえ~! 朧アクベンス!」パシャ

漣「漣スペシャル!」パシャパシャ

潮「漣ちゃんやったわね~!」パシャ

曙「・・・ったく、おこちゃまね」

不知火@水着「不知火は別に問題ないと思いますが」

陽炎@水着「ちょっと!二人ともな~に辛気臭い顔してんのよ!不知火、アンタも早く来なさい!」

まるゆ「まるゆもこれくらいなら大丈夫です」

木曾(まるゆ、かわいい・・・)ホッコリ


キャッキャッ

(参考画像)
ttp://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira087687.png


祥鳳「え・・・」

提督「おお、おかえり祥鳳」

祥鳳「・・・なにこれ?」

提督「模様替え」

祥鳳「あの・・・。執務室は遊び場じゃないんですよ。砂まで敷いて、しかもカニさんまでいるって・・・」 

提督「いいじゃん、書類なんざ紙とペンがあればどこでもできるんだし」

祥鳳「よくないです!提督は執務をなんだと思ってるんですか?」

提督「いや、雨だからビニプ出して室内で遊ぼうってことで・・・。

駆逐艦の子達もせっかく水着買ってたわけだしね。あっ、交代制だから今は駆逐艦と潜水艦のターンね」

祥鳳「そんな思いつきで妖精さん達を疲れさせないでください!」

提督「大丈夫、作業はだいたい俺と木曾がやったから。アイツ等にはそんなに仕事させてねぇよ」

祥鳳「・・・本当ですか?」

木曾「あぁ。こう暑いと、まるゆもキツそうだったからな。癒しも大事だ」

祥鳳(木曾さんの暑苦しそうな格好は大丈夫なのかしら・・・?)

提督「砂も俺らが運んだんだぜ」




祥鳳「妖精さん達、提督はウソついてないわよね?」

提督「そこまで疑うの!? ひどくね?」

妖精「○×△□(一応ウソじゃないですよ祥鳳さん)」

祥鳳「そう。ならいいんですけど・・・」

提督「おぅ、ご苦労さん、妖精さん。今日はもういいぞ」

妖精「○×△□(訳:夕刻に報酬のカレーを所望致すぞよ)」

提督「了解。とっておきのを鳳翔さんに作Ra・・・失礼。鳳翔さんに作っていただく」

祥鳳「まったく・・・」ハァ

伊58「あー、祥鳳お帰りでち!」

伊168「祥鳳さんも一緒に遊びましょ?」

伊8「もしかしてお疲れですか?」

祥鳳「ううん。いいわよ、付き合ってあげる」ニコ

伊58「わ~い!」


アハハ ウフフ


その後、軽巡⇒重巡⇒空母⇒戦艦の順でプールに入ったそうです


【危険なE-4】


※無駄シリアス注意


提督「祥鳳、そちらの状況は?」

祥鳳「はい、飛行場姫は混乱状態に、それ以外の敵はなんとか殲滅しました。ですが比叡さんが大破、榛名さんや摩耶さんも中破しています・・・。

霧島さんや金剛さんは無傷ですが、これ以上の戦闘は・・・」

提督「・・・夜戦だ」

祥鳳「えっ? でっ、でも比叡さんが・・・」

提督「大丈夫だ、昼間他戦力を潰したし、夜間の戦闘力が若干だが減少するはず。

霧島と金剛が動ける以上、何とか倒せるだろう・・・。比叡も、まだいけるな・・・?」

比叡「は、はい!がんばって、耐えてみせます・・・!」

祥鳳「てっ、提督・・・!?」

提督「すまない、みんなもう少しがんばってくれ。夜戦突入を命ずる・・・!」

祥鳳「っ・・・!」



霧島「距離、速度、よし! 全門斉射ァァァッ!!」ミンナヨケロ!


飛行場姫「グワーッ!!」ドカーン


霧島「や、やりましたっ!!」

榛名「霧島・・・!」

比叡「やっ、やった・・・!」

金剛「良かったデース・・・」ホッ

祥鳳「・・・よかった」



30分後…


提督「まだか・・・。まだか・・・」ソワソワ

ガチャ

祥鳳「艦隊、帰還しました・・・」

提督「あ、あぁ・・・。みんな、辛い中よく耐えてくれたな。比叡も、すまなかったな・・・」

比叡「い、いえいえ。これくらいへっちゃらです・・・」

祥鳳「提督・・・。この度の作戦に関して、秘書官としてご意見申し上げます」

提督「・・・なんだ、言ってみろ」


バシッ!


提督「痛ッ・・・!」

祥鳳「提督のバカ!」

金剛「!?」

比叡「し、祥鳳さん!?」

祥鳳「なんてことするのよ!? 一歩間違えていたら、比叡さんが轟沈するところだったんですよ!」

提督「・・・すまん」

祥鳳「ダメコンもなしにあんな命令するなんて! もっと部下の命を大切に扱ってください!」

提督「・・・」


比叡「し、祥鳳さん・・・。私、結果的に無事だったんですから、何もそんなに怒らなくても・・・」

祥鳳「比叡さんは黙ってて!」

比叡「は、はい・・・」

祥鳳「提督、約束してください!誰であろうと、もう大破進軍は絶対にしないって!」

提督「あぁ・・・」

祥鳳「私だけ助かったって・・・。誰かがいなくなるんじゃ、私・・・、私・・・!」ポロポロ

提督「分かった。約束する。だからもう泣くな」

祥鳳「うぅ・・・」グズ

提督「比叡、みんな。本当にすまなかった」ペコリ

比叡「あ、あぁ・・・。もう本当にいいですから!提督も頭を上げてください!ねっ?」アセアセ

金剛「・・・では、我々はBathtimeをとりマース・・・。お疲れ様デース!」

提督「あぁ。ゆっくり休んでくれ」


パタン



祥鳳「えっぐ、ひっぐ・・・」グズ

提督「すまなかったな、祥鳳。心労をかけてしまった」

祥鳳「提督・・・、ごめんなさい・・・。私、私・・・!」ポロポロ

提督「気にすんな。寧ろあそこで叩いてくれて嬉しかったよ。ちゃんと比叡達に謝ることもできたし」

祥鳳「でも・・・。私、提督にあんなひどいことを・・・!」

提督「上司が狂ってたら道を正すのが優秀な秘書官。違うか?」

祥鳳「提督・・・!」

提督「・・・ありがとな。ここで俺を叱ってくれるのは、お前と漣くらいのもんだ。あと隼鷹もか」

祥鳳「提督・・・!」ギュッ

提督「はいはい、もう泣くな」ポンポン

祥鳳「提督、ごめんなさい、ごめんなさい・・・!」

提督「・・・もう謝んなくていいから」ナデナデ

祥鳳「はい・・・!」クスン

提督(やれやれ、後で漣にぶっ飛ばされそうだな・・・)


その日、祥鳳が泣き止んで眠りに就くまで、提督は彼女を抱きとめ、優しく撫で続けたという。




【やっと会えた】


龍驤「みんなー! ようやく夏の作戦も終わったんで、新人歓迎も兼ねて、飲むでー!」

那智「よし、待っていたぞ!」

千歳「飲むわよー!」



瑞穂「水上機母艦、瑞穂、推参致しました。どうぞよろしくお願い申し上げます」

速吸「航空機搭載給油艦 速吸です。みなさんのサポート、頑張ります」

江風「江風だ、よろしくな!」

一同「おー!」パチパチ



浜風「駆逐艦、浜風です。これより艦隊勤務に就きます。よろしくお願いします」

陽炎「やっと会えたわね、浜風!」ギュッ

浜風「か、陽炎・・・。暑苦しいです・・」

陽炎「んも~、つれない子だな~。い~っぱい、お姉ちゃんに甘えてくれていいんだよ!」スリスリ

不知火「甘えたいのは陽炎ではないでしょうか」

黒潮「せやな」

雪風「雪風にも、甘えてくれていいのですよ!」ポンポン

浜風「は、はぁ・・・」

舞風(野分に会いたいなぁ・・・)

秋曇「陽炎×浜風・・・、いいねいいねぇ・・・。絵になるねぇ・・・」カキカキ


衣笠「青葉、元気してた?」

青葉「にひひ、青葉は大丈夫でしたよ!」ニッ



ワイワイガヤガヤ


隼鷹「みんな楽しそうだねー」

祥鳳「そうね・・・」

隼鷹「ん?祥鳳ももしかして瑞鳳に?」

祥鳳「うん。でも・・・」

飛鷹「そんな祥鳳さんに朗報です!」


ドン


瑞鳳「祥鳳・・・」

祥鳳「!?」

瑞鳳「祥鳳・・・。やっと・・会えたね・・・」

祥鳳「ず、瑞鳳・・・。どうしてここに・・・?」

飛鷹「瑞鳳さん、ソロモン海出撃のついでに祥鳳さんに会おうと思ってたら、途中で部隊からはぐれて遭難したんですって。そ

れを隼鷹がこないだの出撃で拾ってきて・・・」

祥鳳「で、でもその時私もいたじゃない・・・?」

隼鷹「いや~、サプライズに隠しとこうと思ってさ。へへ・・・。ちなみに転属手続きはアタシがやっといたから、ずっとこっ

ちにいられるよ」

祥鳳「もう・・・、隼鷹さんったら・・・」

瑞鳳「祥鳳・・・! ずっと・・・会いたかったんだよ・・・。心配してたんだよ・・・!」ポロポロ

祥鳳「私も、ずっと心配してたんだよ・・・」グズ

瑞鳳「うわ~ん、祥鳳!」ギュッ

祥鳳「瑞鳳~!」ダキッ

祥鳳「瑞鳳・・・!私、嬉しい!これからも一緒に頑張ろうね!」

瑞鳳「うん・・・!」



飛鷹「良かったわね・・・」グズ

隼鷹「ひひっ。たまにはアタシも、いい仕事するだろ?」ニッ



瑞鳳「私、本当に心配してたんだよ・・・! 祥鳳が赤痢菌にかかって黄熱病と腸チフスも併発したって!」

祥鳳「・・・へ?」ポカン

瑞鳳「ストレスで胃に穴が空いて、芋ようかんしか食べられなくなって、体中から緑色の血が流れだして、全身にヒビが入った

挙句、体から草が生える病気にかかって、どんよりした状態になったって・・・!」グズ

祥鳳「え、そ、それは・・・」アセ

瑞鳳「元気になって、本当に良かったよぉ・・・」ポロポロ

祥鳳(どうしよう、全部提督のでまかせなのに・・・)



飛鷹「・・・どうすんのよ、アレ」

隼鷹「・・・どうしようか」


瑞鳳の誤解を解くのに苦労した祥鳳が、後で提督におしおきしたのは言うまでもない。



おしまい



ウチでは飛鷹島風隼鷹が今回の夏イベで活躍してくれました。(もちろん祥鳳さんもがんばりました)

なお、筆者は夏イベをE-4丙で終わらせた超ヘタレさんであります

途中に挟まれてたシリアス風味のSSですが、もう二度と大破進軍をしないための戒めです。決して比叡を沈めたわけではないので念の為

正直、ヒヤヒヤしたので二度とやりません


それでは祥鳳さんにおしおきされてきます


おまけ(ブレン追悼編)


【8月30日のショートランド】


ショートランドは日本から遠く離れた地である。もちろん日本の放送局の電波は遠すぎて届かない。

その代わり、インターネットは使用できた。

このショートランド鎮守府では、日本のテレビ番組のインターネット配信が特別に認可されているのだ。

今、その鎮守府では、パソコンの画面の前に二人の艦娘と提督が体育座りをして番組を見ていた。

三人の顔は、至って真剣であった。

そして画面の中では、今にも緑の服を着た男が消え入りそうな声で言葉を紡いでいた。


『やはり私は・・・優秀で、誠実で・・・、優秀で、誠実で・・・』

『おい、三つ目言えよ・・・!』


男は微笑み、塵となって消えていった。画面の前の三人は、涙に濡れた。



朧「ブレンさん・・・(´;ω;`)」

漣「くぅ・・・、何も言えねぇ・・・(´;ω;`)」

提督「ブレン・・・(´;ω;`)」


曙「・・・アイツら、なに朝っぱらから泣いてんの?」

潮「お気に入りの仮面ライダーの怪人が死んで、悲しいらしいよ」

曙「・・・バッカじゃないの、たかが架空のテレビ番組で」

提督「うわ~ん、ブレン~!」ズビィー

曙「うわ・・・。いつもにもましてキモすぎ。鼻水まで出さないでよクソ提督・・・」

潮「ま、まぁまぁ・・・」



その日のショートランド鎮守府の執務は、ブレンさんの死を悼んで全て中止されたという。




優秀で誠実で嫉妬深いブレンさんへ


一年間、笑いと感動をありがとう


松島さん、佐藤さん、一年間お疲れ様でした


ブレンさんをわすれないでね


http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira087691.png

秋雲なんだよなぁ

>>30
すみません、本当にすみません・・・

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