お嬢様「ふーん、へー、ほー」(85)

男「今の話聞いてた?」

お嬢様「うん、ばっちり」ピコピコ
男「ゲーム画面に目をやったまま、そんなこといわれてもなあ……」

お嬢様「大丈夫、問題ないっす」
男「まぁ、別に重要な話じゃないから良いけど」

お嬢様「あー、マジここでそれするか、普通。ないわー」

男「聴いてないな、こいつ」

お嬢様「今いいとこ! はなしかけるな!」

男「」

お嬢様「ふぅ、何とか抜けた」

男「おめでとう」

お嬢様「うむ、セーブして終わるか」

男「で、だ。さっきの話だけど」

お嬢様「何だ?」

男「スカート穿いてるんだから、エアロビのお姉さんみたいに肘ついて脚をパカパカしない」
お嬢様「今更女扱いかよ。減るもんじゃなし、よかろうもん?」

男「いかんとよ、お嬢」

お嬢様「なんでと?」

男「その前に博多弁やめよう」

お嬢様「うむ」

男「はしたないって習わなかったかい?」

お嬢様「特には」

男「確かに、あの両親なら逆に見せろって教えてるかもな」

お嬢様「すごいな、その通りだ」

男「あまり見せすぎても、ありがたみがなくなるよ」

お嬢様「それは教わった」

男「……」

お嬢様「ま、いいじゃないか。おまえだけにしか、見せてないし」

男「おれは、毎度目を逸らしてますけどね」

お嬢様「見ればいいのに。今日のは見栄え良し、さわり心地良しのものだぞ」

男「いけませんぞ、お嬢。年頃の男をからかっては」

お嬢様「うへっ」ノソッ

男(嫌な予感が……顔逸らしとくか)

お嬢様「」バサッ

お嬢様「嫌なら見るな! 嫌なら見るな!」バッサバッサ

男(時々、こいつがわからなくなるなぁ)

お嬢様「ちっ、玉なしが。ちゃんと、ついてんのか?」

男「また汚い言葉使って」

お嬢様「まじめに心配になってくるぞ、お前のそのストイックさは」

男(我慢なりませんよ、正直なところ)

お嬢様「まさか、あっちの気があるとか……ないよな?」

男「ある訳ないでしょ」

お嬢様「安心した」

男「何度目だよ、このやりとり」

お嬢様「わたしの穿いてる、パンツの水玉以上にはしてるはず」

男「解りづらい」

男「まぁ、いいや。ところd……」

お嬢様「うひっ」ニヨニヨ

お嬢様「まだスカート捲り上げたままでしたー」

男「」

お嬢様「さぁ、めくるめく快楽の園へ」

男「いやい、いや。自然にスカート被せようとしないで!」

お嬢様「後ろは壁、前にも肉壁。進むも引くもできないぞ」

男(心臓が肋骨をノックしてやがる、これはまずい)

男「ならばっ!」

お嬢様「!? なんとォッ!」

男「横に逃げるまでよ!」

ガッシリ

男「お? 足が?」

お嬢様「がっちりホールドしてやる」

男「ん?」

もう片方の足が迫ってきて、しっかりと頭を挟む。いわゆる、幸せ投げの体制。

お嬢様「しかとみろ! わたしのパンツをっ!」

男(目を閉じ、世界と一つになろう。今のおれは、世界となっているのだ。そこにおれというものは無いし、世界があるだけだ……)

お嬢様「んへ。これなら男も、流石にたまらんだろう」

お嬢様(うぁぁ、あそこにあたる息が気持ちいい……! それになんか生暖かい……ん? なんか湿って?)

足を退け、男を解放する。

男「ウンタラカンタラー」ダバダバ

そこには瞼をくっつけんとせんばかりに閉じ、独り言と鼻血をただただ垂れ流す男がいた。

お嬢様「まさか生暖かくて、湿ってたのって……」

確認すると、男の鼻付近にあった水玉が真っ赤に染まっていた。

お嬢様「」

お嬢様「いやまさか、こんな惨事になるなんて……」

お嬢様は足早にティッシュをとってきて、男の鼻にあてがう。
お嬢様「おい、上向いて押さえておけよ。わたしは、パンツ変えてくる」

男「しかし、こう考えている間であっても、わたしは何者かではならぬ。考えているわたし自身を否定することができないからだ」

お嬢様「よし、大丈夫だな。じゃあまた後でな」

お嬢様「メイド、これを洗濯へ」

はい、と頷き出て行くメイド。

お嬢様「はー、まさか、あんなことになるなんてな。あれはやりすぎたか」

だけど、嬉しくもある。わたしをちゃんと女として、見てくれているだろうから。
わたしが、こういったアプローチを、掛けて掛けて掛けまくっても、全くあいつは反応しなかった。
しかし、最近になって、やたらとうろたえるようになった。
どういう心境の変化だろうか。

男「」

男「」

男「あっ、止まった」

やっと、鼻血が止まった。
あの状況はまずかった。今までのいたずらの中でも、一番まずかったと思う。
なぜ最近になって、こんなに動揺する様になったんだろう。

前々からこの手のことはされてた。その時から、確かにドキドキしたし、興奮もした。
だけど、ここまでのものじゃなかった。

お嬢様「うーん」

何か、心当たりはあるかな。セクハラが今回の様に、直接的にするようになったくらいか。
でも、以前からこういったことは稀にだが、やってきたはずだ。

わたしの、男に対する気持ちは、日に日に増して行くけれど。今日のあれだって、内心ものすごく緊張した。
後、気持ちよかったし。

お嬢様「んひっ……おっと、涎が」

涎を拭い、ベッドから腰を上げる。

お嬢様「ま、あいつのところに戻るか」

男「はぁ……」

解らないなあ、お嬢様の気持ちが。
あんな事する割には、なんだか素っ気ないんだよなぁ。
男言葉だし、がさつだし、そもそもあれはおれを男と思ってないから、そうするんじゃないかな。

おれの気も知らないで。

そんなとき、部屋のドアが開いた。

お嬢様「よっす。治ったか」

男「うん、お陰様で」

若干嫌味も入れて返事をする。
お嬢様「そうかそうか、ならよし」

にへらっ、とした顔で答えるお嬢様。

何となく二人とも、沈黙する。最近になって、なんだか多い気がするこの間。

男・お嬢様(どうしたもんかなぁ)

お嬢様(わたしは、ただ男の気を惹きたいだけなのに、なんか手段がわからない。こんなやり方は、いけないってのはわかってんのにっ!)

男(おれは、なんでこんな事をするのかお嬢様に訊きたい。けど、結果、おれをさして考えてないって答えだったら怖いな……)

男・お嬢様(ふぅ……進展しないなぁ)

重苦しくないが、なんとなく気まずい雰囲気だ。

お嬢様「……まぁ、お前も男なんだな」

男「そりゃあね」

――

また、会話が途切れる。

お嬢様(ああああおぁぁ! どうすりゃいいんだ! そもそも男がアクション起こすべきだろうに! あんなことまでしてるんだぞ、わたしは! 押し倒してみろよ玉なし!)

男(なんか、お嬢様がイライラしてるような)

男「どうしたんだ?」

お嬢様「んあ!? ……なんでもない!」

男「そ、そう?」

お嬢様「とりあえずゲームやるぞ、ゲーム。付き合え」

男「あ、おう」

お嬢様「久々にアレやろう」

男「アレって、アレ? 毎度いじめられるアレ?」

お嬢様「そうだ。ボコる」

男「えぇーや「とっと準備しろ」

男「はい……」

お嬢様「うへへ、よいではないかよいではないか」グルルルル

男「やめろ、こかしてそれはやめろ。女キャラだとなおのことだ」キャー

お嬢様「仕方ないじゃないか。まともな追い討ちがローリングアタックとこれ位しか思いつかないし、ゲージ使いたくない」ギャオオオオ

男「また回転投げとかして……あぁ……」ケイオー!

お嬢様「相変わらず弱いなーお前は」

男「何で勝てないんだ」

お嬢様「とある秘密がある。その秘密がお前の弱さで、私の強さだ」

男「是非教えていただきたい」

お嬢様「無理。二ラウンド始まったぞ」

男「ちっ。って、手を着けてないのに攻撃すんな」

お嬢様「ひひっ、ヤったもんがちだぜ」ギュェョョゥ!

男「不穏な言い方に聞こえた」フッフッエイッ!

お嬢様「気のせいだろ。後ザンガン流強いなー」

男「初心者救済簡単コンボだな」フッフッエイッ!

お嬢様「かったー」

男「おかしい、こっち半分以上有ったのに、しかもミリまで削ったのにこれはおかしい」

お嬢様「惜しいなぁ」

男「こいつ、そんな事絶対思ってないな」

お嬢様「まぁ、お前の秘密を知ってれば訳ないな」

男「なんなんだ、それって……」
お嬢様「にひ」

コンコンと、ドアをノックする音。

爺「男様、お嬢様。ご夕食のお時間です」

もうそんな時間だったか。確かに、外は黄昏時特有の、青と赤が混ざった色になっている。

男「わかりました」

お嬢様「ありがとう、爺。すぐにいく」

爺「では、失礼します」

一礼の後、初老の執事はドアを閉める。

お嬢様「ということで、今日はここまでで勘弁してやる。片付けるぞ」

男「ちくしょう、何で勝てない……」

お嬢様「おら、口動かす暇あるなら、これなおせ」

男「さー」

片付けが終わり、部屋を後にする。
おれが住まわせてもらってるここは、お嬢様家だ。
大がつくほどの豪邸に住んでいる。

部屋数は軽く30以上有るのではないだろうか。
大半がゲストルームで、一部応接間など。
遊技部屋にはビリヤードやら、卓球やら、ゲームセンターとなんら変わらない設備が置かれている。
風呂も広い。スパセン並みだ。露天風呂も当たり前のように完備。風呂大好きのおれとしてはも、のすごくありがたい。
今向かっている食堂も大きい。

一括りにしていえば、絵に描いたような豪邸だ。ご都合主義の固まりとしか思えない。

ねやう。

大抵深夜、酔っぱらい時に書いていきますので、暇なときちらっと覗いてってください。

また、今更ですが、思い付きで立てたので〆を全く考えておらず、設定すら書いてる最中の思い付きです。行き当たりばったりのものですが、気長に書いていこうかと思います。

まあなんだかんだで、そういったところに、住ませてもらっている。
ありがたいやら、申し訳ないやらの気持ちで一杯だ。

しばらくお嬢様と話してるうちに、食堂についた。
この場は、まだあまり慣れない。自分みたいな小市民には、大きすぎて落ち着かない。それから……。

お嬢父「おっ、来たか。押し倒してたから、遅れたのか?」

男「またまた、ご冗談を」

お嬢母「違うわよね。押し倒されてた、の間違いよね」

男「それも違います」

お嬢様「否定すんな。あながち間違って……」

男「断じて否」

お嬢様「ちっ」

それから、このお嬢様の両親が何とも苦手だ。いい人だとは、解ってるし、疑いの念すら持ち合わせてない。信頼のできる、いい人たちだ。
ただ、やたらこう、なんというか、お嬢様とそういった関係になることを推してくる。

正直嬉しいが、ここまで前向きだと逆に困ってしまう。
裏があるわけではないのだろうけど、照れくさいというのが、当てはまるのだろうか。

お嬢様「まぁ、後々のお楽しみだな」ニヤリ

お嬢母「早く孫を見せてね」ニヤリ

お嬢父「ふへっ」

口の曲げ方と、気持ち悪い笑い方、悪いところをしっかり受け継いでいる。

お嬢父「それでは」

皆「頂きます」

この家では、文字通り皆が一堂に会して食事をする。
つまり、使用人も含まれるということ。
普通は分けるべきなのだろうが、奇特なお嬢様両親の方針でそうなっている。流石に上下区分はあるが、それ以外は何もない。
また、基本的食事マナーを守っていれば、例外でお喋りも自由。お堅い雰囲気は全くなし。日々のくだらない話などをして、団欒の雰囲気だ。

メイド1「ねね、食べ終わったらお風呂行こうよ、お嬢様」

メイド2「また失礼な言葉遣いを! 申し訳ありません、お嬢様」
お嬢様「いいっていいって。よし、ひとっ風呂浴びるか! メイド2も来るよな?」ニヨニヨ

メイド2「ま、またですか? しかし、お嬢様の頼みとあれば仕方ありません」

お嬢様「へへへ、よしよし」


爺(……ところで男様、この後『あれ』でもどうですか?)ボソ

男(あぁ、『あれ』ですか。良いですね。お嬢父さんは?)ボソ

アイコンタクトを送るおれ。

お嬢父(行きたい……! しかし、最近妻が不審がっている。惜しいが、今日は止めておこう)

本当に、極々小さく首を振る。残念だ、参加しないのか。仕方ない、爺さんと二人で、たのしもう。

しばらく経ち、皆、テーブルへ箸を落ち着け、夕食も終わりの雰囲気だ。

お嬢父「うん、では」

皆「ごちそうさまでした」

配膳の片づけは、いくら緩いお嬢様家といえども、流石にメイドが行う。
音もなく、さっと片付けるその様は先ほどの談笑していたそれと違い、流石プロといったところ。

お嬢様「じゃあ、ちょっと風呂入ってくるな。乱入ばっちこいだからな、男」

男「いかないよ」

お嬢母「いってらっしゃい、男ちゃん」

男「だからいきませんって!」

お嬢様・母「」ニヤニヤ

あの母娘は、精神的におれを追い詰めるのが、趣味なんだろうか。

お嬢様「さっ、参るぞ、メイド's」

メイド's「はい、畏まりました」

爺「さて、では私もお暇します」

男「じゃあ、自分も」

お嬢父「母さん、明日は特に用がないので、暇だったら久々に呑もうか」

お嬢母「呑みすぎないようにね」
各々が散らばり、思い思いに動く。だいたいここからは、課せられた業務さえ、ちゃんとこなしていれば、自由時間である。
遊戯部屋で遊ぶもよし、風呂に入るもよし、呑むもよし、寝るもよし。日をまたがなければ、外にでても良い。

おれは大抵勉強か、爺さんや、お嬢両親の酒やお茶に付き合うかだ。
時々、若い執事といろいろなことで、談笑もする。

今日は、爺さんとの『あれ』だ。

男「今日はイェァビスにしとくか」

厨房の冷蔵庫から、冷えたビールを取り出した。

不自然では無いほどに、周りを気にしつつ、向かう先は物置部屋が連なる廊下だ。そこは物置部屋だけしかなく、特に理由もない限り、皆あまり寄りつかない。

その場所で微妙なシミのついた壁の一部分を見つる。その一部分を、力強く押す。

カコッ――。

壁が回転し、壁の内側に隠れていた通路が現れた。
さっと中へ入り、直ぐに内側のボタンを押して閉じる。

パチリと、蛍光灯の電源を入れると、階段が見える。
それを登っていくと、ドアがあり目的地へと着いた。

キィ――。

建て付けのあまりよくない、そのドアをあけると、十畳ほどの部屋が現れ、爺さんがソファーに座り待っていた。

男「持ってきましたよ、爺さん」
爺「おぉ、ありがとうごさいます」

男「爺さんの方は美味しそうなもの、持ってきましたね」

爺「はい、一級品のビーフジャーキーですよ」

そう。
目的地とは、いわゆる秘密基地だ。

秘密基地は、それなりに広い。断熱をしっかりしているためか夏は涼しく、冬は暖かい。もしそれで不十分なら、物置から扇風機を拝借したり、カイロを持ってくる。
ただ、窓がないため埃っぽい。そこで近日中には保湿乾燥機を導入予定だ。

男「じゃあ早速、乾杯しましょう」

爺「はい、それでは」

乾杯。

缶同士をコツンと合わせ、開けた。

男「ふー、この一口、至極天にも昇りますね」

爺「全くです」

それから、いつも通りのとりとめのない話しを始める。
ただ、食事中とは違い普段しゃべれない、しゃべらないことも話す。
なんたって、秘密基地の中ですから。

酒呑みがなんか多い気がしますが、気にしないでください。
作者がのんべぇなので、やたら登場人物も呑みます。

そうだ、お嬢父がいない今なら、これが聞ける。

男「爺さん、最近、お嬢の行動が目に余ります」

爺「?」

男「その、スカートをやたらめくったり、ベッドに入り込んできたり、その、えっと、なんだかなぁ……キスをしようとしてきたりだとかもします。口には出せませんが、今日は飛び抜けて過激でした」

爺「その様なこと、前々からあったのでは」

男「えぇ、確かにありました。ありましたが、今は何か違うんです」

爺「? と、いいますと?」

男「以前は正直な所、そういったことをされた際に、なんとも思いませんでした。男と思ってないから、兄妹みたいなもんだから、そんな風に思っていました」

爺「ほお」

男「けど、今はそれがなんとももどかしいんです。変なことに」

爺「……」

男「なにが変わったのかなあと思って。
今日の行動だけが効いたとは思えませんし……」

爺(男様、色恋沙汰にはなにかと鈍いですね。あるいは無意識に気がついているが、気がつかないふりをしているかですな。今のところ、話を聞く限りでは後者)

男「なぜこうなった……」

爺「男様はお嬢様の事を、どう思われていますか?」

男「えっ? おれですか?」

爺「はい」

男「おれは……あいつのこと……どう思ってるんだろう。仲のいい兄妹? 親友? ……」

男(好き?)

男「いやいやそんなこと……」

爺(やはり、気がついていても、否定しているようですな)

爺(何とももどかしいですな。どれ、一つ後押しでもしましょう)

爺「この爺から見れば、お二人は友達でもなければ、兄妹でもありません。仲むつまじい恋人に見えます」

男「こ、恋人?」

爺「えぇ、何ら不自然なくそう見えます」

男「そ、うですか……」

男「あいつはどう思ってるんだろう」

爺「そこは、お訊きになるほかありません」

男「……」

不安を飲み下すように一気に酒をあおった。

男「そう……ですよね。昨日の今日ですから、すぐにはできないと思いますが、近いうちに絶対訊いてやろうと思います」

爺「はい(男様の漢を見せるときが来ましたぞ)」

男「よし、逃げてばかりの生活から脱します! 記念すべき日を祝いまして、呑みあかしましょう」

爺「旦那様には悪いですが、私達だけで楽しむとしましょう」

――――

かっぽん――。

お嬢様「ふぃー、風呂はいいなぁ。心の洗濯たぁ、上手く言ったもんだ」

メイド1「お嬢様、毎度おやじ臭いよね」

メイド2「またそんな失礼なことを!」

お嬢様「いーんだって、メイド2は真面目なのはいいが、堅すぎるぞ。もっと気楽にいこうぜ。同期のメイド1を見習え。もう一年も仕えているんだ。この家の勝手が分かるだろう?」

メイド2「ですが!」

お嬢様「主人の言うことが、きけないのかなぁ?」

手をわきわきと動かしつつ、メイド2へ詰め寄る。

メイド2「ひっ」

お嬢様「うえっへっへっ」

お嬢様「毎度毎度、堅苦しいお前にはこうせねばならんなぁ」ニヤァ

メイド2「ま、またですか……?」

お嬢様「うらぁ!」

ざばん!

メイド2へと飛びかかり、胸を揉みしだく。

メイド2「や、やめてぇ……くださいぃ」

お嬢様「お前、胸は柔らかいのになぁ……」

メイド1「またおやじ臭いよ……お嬢様」

お嬢様「よいではないか、よいではないか。うえっへっへっ」

ふにふにと、掌で転がる大きなマシュマロ。これくらいの大きさがあれば、男を誘惑するのは容易そうだなぁ。

メイド2「そ、そろそろ止めませんか……?」

お嬢様「いや、まだだ」

メイド2「ひんっ!」

お嬢様「ところでメイド2。どうやったらそこまで胸が、言い方悪いが化け物みたいに育つんだ」

ころころと、指先で小さな丘を転がしつつ尋ねてみた。

メイド2「そ、そん……なっ! 特別なこ、とはしてませぇ……ん」

お嬢様「遺伝か……」

母さまを思い浮かべる。無くもなければ、大きくもない、普通のもの。

わたしも至ってふつうのもの。バストアップと云うものは、さんざん試したが、一向に大きくなる気配なし。

お嬢様「ちくしょー! 遺伝こえー!」

吸い取らんばかりの勢いで乳を揉む。

メイド2「やっ、はぁん! 止めてくださいっ!」

バッ、と勢いをつけ体をひねりわたしから逃げる。

お嬢様「ちくしょー! 逃げられたー!」

メイド1「お嬢様も、揉める肉があるだけいいじゃない……あたしとか……」

お嬢様「あっ」

メイド1は胸の話をするとたまに、ダウナーになる。

お嬢様「でもお前は全体的にスリムじゃないか! 何度みてもヒップラインとか羨ましいぞ!」

メイド1「本当!? やったね、お嬢様に褒められたよ」

しかし、機嫌が直るのも早い。
メイド2「ともかく、止めてください。その……揉むのとか……」

お嬢様「揉むのは駄目。だが、転がすのは否定されてない。つまりいいんだな?」

メイド2「それも駄目です」

お嬢様「えー、でもなにを転がすか言ってないぞ」ニヤァ

メイド1「おやじ以外の、何者でもないよね、この時のお嬢様」

お嬢様「言ってやるな。転がすのはボールかもしれないぞ?」

メイド2「そ、それは、ただの屁理屈です! 小学生みたいな事言わないでください……! 」

お嬢様「えーっ、でもなー、わたし馬鹿だから、『なにを』転がしたらいけないのか、明確に言ってくれないと困るなぁ」ニヨニヨ

メイド2「っ!」

メイド1(うわぁ、本当にたちの悪いおやじだよ……)

お嬢様「なぁ、教えてくれよー」
メイド2は本当にいじりがいがあるなぁ。顔も真っ赤にしちゃって、可愛いなあ。

メイド2「しっ、知りません! お先に失礼します!」

あら、いじりすぎたかな。

少し用事ができたので、22辺りまで更新ができません。
すみませんが、しばらくお暇します。
失踪はしませんので大丈夫です。
それでは。

メイド1「もー、お嬢様やりすぎだよ」

お嬢様「いやー、つい、な」

メイド1「あたしも最初の頃は、お尻をなでられて困ったなあ」

お嬢様「お、焼きもちか」

メイド1「いやいや、あたしそっち方面持ち合わせてないよ……」

お嬢様「遠慮するな。久々に尻分が不足してたから、なでさせろよぉ。うえっへへ」

メイド1「あたしにそんな事したら、男くんにあることないこと吹き込むよ」

ザバッ

お嬢様「ず……せん……で……」ゴホゴボ

メイド1「湯船で土下座とは……流石お嬢様、格が違った」

お嬢様「ぶはっ、ひどいぞメイド1。男を盾にするなんて」

メイド1「困ったときの男君、便利だね!」

お嬢様「普通は冗談だろうと思うが、お前だったら何かと侮れない」

メイド1「そんなことないよぉ。冗談だよぉ」

こいつの冗談だと言った後の笑顔は、冗談の面には決して見えない。
こえー。

お嬢様「しっかし、お前に男の事を相談し始めて早半年経つが、全く進展がないな」

メイド1「まるであたしが、無能者みたいな言われよう」

お嬢様「お前が提案した、過激なことをしてきたが、惹かれてくるどころか、若干引かれてるぞ……」

メイド1「あ、上手いこと言った」

お嬢様「あぁ、確かに……。じゃなくて! 効果がみられないぞ!」

お嬢様「お前、ひょっとして楽しんでないか?」

メイド1「! そ、んなことない……ですよ?」

お嬢様「なんだその間はなんだその敬語はなんだそのベタな怪しさは」

メイド1「いえ、なんでもありません……」

お嬢様「はぁ……だけど、いまさら嘆いても遅い。そもそもそれに近いことやってきたし、まぁいずれにせよしてただろう。水に流してやるから、まともな提案をしろ」

メイド1「サー、イエッサー! 誠心誠意、この身尽きるまでやらせていただきます!」

お嬢様「もうじき大学は夏休み。時間もたっぷりある。攻めるぞ!」

メイド1「夏休み中に恋仲になれるといいですねぇー」

お嬢様「あわよくば恋のatozも済ませたい! うへへっ。参謀長、頼むぞ」

メイド1「了解でーす」

お嬢様「もしも、またおもしろ半分にしてたら――」

メイド1「サー、内容は想像に難いですが、とてもマイナスなことが起こるのは想像に難くないです、サー!」

お嬢様「よろしい。さて、風呂あがるか。ぼちぼちのぼせそうだし」

メイド1「うん、そうしよう」

決意をあらたに、男へのアプローチを頑張ろう。
夏休み、ここが勝負どころだな……。玉なしを、玉あり玉の輿にしてやらぁ。

――――

男「――んでぇ、そいつがああなったわけです! まじ笑いましたよ! ははは!」

爺「それは面白いですね。是非ともその場に居合わせたかったですよ」

男「そうでしょおー!」

男様は出来上がっております。久々にみましたね、この男様は。

爺「そろそろ、締めましょうか」

男「えー、もっと呑みましょうよー」

爺「爺もそうしたいのですが、明日に備えて寝ましょう。お酒とジャーキーの方も切れてきたことですし」

男「しかたないなぁ……そおしますかぁ」

爺「はい、御馳走様でした」

男「ごちそーさました!」

男「いやぁ、たのしかたですねぇ」

爺「えぇ、次は旦那様を交えて呑みましょう」

男「そーしましょお」

爺はうれしく思いますよ。よっているといえど、楽しそうな男様をみれて。

爺「さて、爺めは片付けをしておきます。先にお部屋の方へお戻りください」

男「ええ! いいんですかあ! すみません、あはは」

爺「帰りは気をつけてください。人にも見られぬよう」

男「うぃっす! 頑張ります! ありがとうございましたあ」

そう言って男様はドアをあけ、若干千鳥足ながら、去っていきます。

男「あいてっ」

ゴツンと、何かにぶつかる音が聞こえてきます。

爺「大丈夫ですか、男様」

男「あいーっす!」

爺「付き添いましょうか?」

男「だぁーじぶっす」

本当に大丈夫でしょうか。しかし、片付けないことにはこの場を離れれません。

爺「そうですか……ではすみませんが、失礼します」

男「はぃー」

ふらふらと、おぼつかない足取りの男様を見送り、片付けを再会します。

爺「しかし、本当に男様に笑顔が戻ってよかった」

爺は実の親ではないですが、それほど喜ばしく思います。

再会>×
再開>○
ですね。脳内訂正をば。

――――

呑みすぎた。
ふらふらする。

男「さあって、人はぁ」

隠し扉の、のぞき穴から探ると、無人のようだ。
よし、出よう。
ゴォと音がして扉が開く。
サッと出て閉める。

男「後は帰るだけっと」

毎度の千鳥足で、アルコールの臭いを振りまきながら自室へと足を運ぶ。

男「今日はまた一段とよかったなあ」

お嬢のことを相談できたのが、一番よかった。

人気のない廊下を抜け、明るい廊下へと出た。
上気な顔をしつつ、部屋へと足を進める。
道すがら、使用人に会うとしかめっ面をされて、酒臭いですよと挨拶をもらう。
お返しに、男には酒臭い息を吹きかけてやる。女の子には、さわやかスマイルで、酒気を振りまきながら立ち去る。
まあ詰まるところ、迷惑の塊だ。

ふらりと消えてふらりと現れることには、突っ込まれない。大方、外出してただろうと思われるためだ。

男「あいつどういうわけなんだよ、ほんとー」

ついつい酔いもあってか独り言が漏れる。

突然横から、流れ弾が跳んできた。

お嬢父「あいつとは? 誰かな?」

男「!」

お嬢父「誰かな?」

男「あっ、あっ……」

まさか……。なんというバッドタイミング。酒で不覚をとるなんて初めてだ。

お嬢父「へへへ。そうか、やっぱり、男君もまんざらではないか、そうかそうか」

なにやら悟られているらしい。怖い。

お嬢父「さて……式はいつかな? どこでやりたい? あ、手配は任せて。新婚旅行も任せなさい。それから、子どもは何人? じぃじ、ばぁばにいつなれる? 酒臭っ。そもそも馴れ初めはどっちから? というか、ヤっちゃったのはどっちから? 酒臭っ。今現在満足してるかな? 営みはノーマルも良いが、それから逸脱するのもいいぞ。さあ、聴かせてくれ、この義父に!」

男「いえっ、ちが、ちがいま、えーと、違います!」

お(義)父「そんなことあるものか! 証拠にわたしの名前をみてみろ。ほら、『義父』だろう?」

男「『お』が不自然ですし、なんかシールみたいなのが貼ってありますが……」ペリッ

お嬢父「あっ、剥がさないで……」

男「後、神の見えざる手、メタ存在を悪用するのはいけません」

お嬢父「なんのことかな?」

男「まったく……一気に酔いが醒めましたよ」

お嬢父「なんでだい?」

男「……いえ、なんでもないです」

酔いが醒めたとはいえ、このままではひたすら墓穴を掘りそうだ。
退散するが吉かな。

男「では、眠気がすごいので部屋へもどります」

お嬢父「えー。今さっきの続きを聴かせてくれよ」

男「何のことでしょうか? おれは何もいってませんよ」

お嬢父「いけずだなぁ、男君は」
男「なんのことやら……では」

お嬢父「しかたない。お休み」

男「はい、お疲れ様です(あれ? 引き下がらないな? まぁいいか)」

お嬢父「うむ(ひひっ、あの発言を聴いただけでも上々。お嬢に告げ口したろ! 喜ぶぞー!)」

>>1に、ネット環境がぼちぼち戻ってくるので、今後は一回の更新量が増えると思います。
代わりに、大学がぼちぼち始まるので、より不定期になり、休日更新が増えるかと思います。

後、毎度不定期に書いて、不定期に落ちますが、落ちるとき報告いりませんよね?
今までもこれからも、連絡がある際にだけ、一緒に落ちる報告をしようかと思います。
では。

すみません。
パソコンの電源がいきなり逝きまして、ちょっと困難でした。
今ちょっとだけ思いつきで更新します。

――――

お嬢様「ふー、いい湯だった」

メイド1「だったねー」

お嬢様「いいか、何度も言うけど、ちゃんと今度から協力しろよ」

メイド1「はあい」

お嬢様「よし」

お嬢父「――い、お嬢ー!」

お嬢様「ん? 父さん?」

お嬢父「はぁ、いいこと聞いたぞ、男君から」

お嬢様「えっ? いいこと?」

お嬢父「そうだ、いいことだ。聴きたいか? 聴きたいのなら、「お父様、大好き惚れちゃう!」と言え」

お嬢様「えーっ」

お嬢父「それが、男君からの愛の告白だとしてもか?」

お嬢様「お父様、大好き惚れちゃう!」

お嬢父「よーしよし」

メイド1「で、なんなんですか、その話は」

お嬢父「メイド1、そう急かすな」

お嬢様「わたしも早く聴きたい」

お嬢父「ひとまず息整えさせて……」

メイド1・お嬢様「わかった」

お嬢父「……ふう、おっけー☆」

メイド1・お嬢様(うぜ)

お嬢父「男君の口からな、なんとな?」

メイド1・お嬢様「ふんふん」

お嬢父「『あいつどういうわけなんだよ、ほんとー』って言ってたぞ」

メイド1・お嬢様「……うん?」

お嬢様(あいつって、誰だ……? わたし、なのか? わたしだろうか……? そうだったらいいなあ///)

メイド1(もう完璧じゃないですか。押すだけで堕ちますよこれは」

お嬢父「なんだ、反応が薄いな」

お嬢様「……」

メイド1「……」

お嬢父「どうした?」

お嬢様「いや、ありがとう、父さん」

メイド1「これでいい情報収集になりました。お嬢様、部屋へいこう。作戦だよ」

お嬢様「応! いいぜ!」

わたしは、メイド1と共に、部屋に篭るべく走り出した。

お嬢父「これで進展するといいがなあ」

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