【艦これ】瑞鳳「焼き芋、焼いちゃう?」三日月「焼きましょう!」 (39)

・短め

・瑞鳳は好きなほうの服装でご想像ください

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執務室

瑞鳳「ダンボールいっぱいのさつまいもが二箱も……提督、これどうしたの?」

提督「それは実家に住んでる母から送られたものでな、たくさん取れたから艦娘の子達と分けあえだとさ」

瑞鳳「いいお母さんなんだね」

提督「そうだな……いつかちゃんと親孝行しないとな」

瑞鳳「……ねえ提督、せっかくだからこのさつまいもで焼き芋を焼いちゃってもいいかな?」

提督「別に構わないぞ。でもなるべくなら艦娘全員に行き渡るようにしてくれ」

瑞鳳「了解、じゃあとりあえずこの焼き芋は鳳翔さんのところへ持って……ううっ、重い」

提督「そりゃあこんだけ詰められていたら重いだろう。無理せず武蔵や長門あたりに頼め」

瑞鳳「うん、そうする……」


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厨房

長門「よし、ここでいいか?」

瑞鳳「はい、大丈夫です。ありがとうございます」

武蔵「礼には及ばんさ、焼き芋を作った時にくれればな」

瑞鳳「じゃあ後でさっそく作って渡しますね」

武蔵「ああ、楽しみにしてるぞ」

長門「では、また後でな」テクテク

瑞鳳(長門さんも食べたそう……武蔵さんだけじゃなくて、長門さんの分も焼いておこう)



鳳翔「あら、こんなにたくさんのさつまいもが……瑞鳳ちゃん、これは一体……」

瑞鳳「えっと――(説明中)――ってことがあったんです」

鳳翔「あら、提督のお母様には感謝しないといけませんね。ところで、このさつまいもで、何か作るつもりですか?」

瑞鳳「実はこのさつまいもを使って焼き芋を作ろうと考えてるの」

鳳翔「焼き芋ですか……最近、裏の方で落ち葉が沢山あって困っていたので丁度いいですね」ニコッ

瑞鳳「まさか……落ち葉で焼くつもりですか?」キョトン

鳳翔「そのまさかですよ?」

瑞鳳(オーブンで作ろうと考えてたけど……鳳翔さんがやる気でいるし……うーん)

瑞鳳「……そうですね! 落ち葉を集めて作りましょう!」

鳳翔「はい。まずは私達以外に数人ほど手伝ってくれる人を探しましょうか」ニコッ

瑞鳳「はい!」



瑞鳳(たまたま皆忙しくて、頼めたのは三日月ちゃんだけだった。三人で大丈夫かな……)

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数十分後
鎮守府裏

瑞鳳「……落ち葉ですごいことに」ボウゼン

鳳翔「この時期になるといつもこうですよ。去年も大変でした」

三日月「でも、綺麗に集めたら大きな焚き火ができそうですね」

鳳翔「そうですね。落ち葉で作る場合は時間が掛かるので、手際よく終わらせてしまいましょう」

瑞鳳・三日月「「はーい!」」

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鳳翔「色々な事情があって、焚き火をしておきびが出来上がるまで時間が進んでいます」ニコッ

瑞鳳(鳳翔さんが不思議なことを言ってるよ……)

三日月「これがおきび……これで美味しい焼き芋が作れるんですか?」

鳳翔「そうですよ。ではこのおきびの中にさつまいもを置くのですが……その前にアルミホイルで包んでおきます」

瑞鳳「何でアルミホイルで包むんですか?」

鳳翔「後で渡す時に、そのまま渡すよりは見栄えがいいでしょう?」

瑞鳳「……確かに」

鳳翔「それに、灰の中に入れるわけなので、少し皮に付着して払う手間もありますし、予め包んでおいたほうが食べやすいでしょう?」

三日月「焼き芋が包んである理由って、そういうことだったんですね!」

鳳翔(とても感心しているけれど、私も本当に詳しいことは知らないんですよね)

鳳翔「これもお芋の数が多いので、時間が掛かると思いますから手早く行いましょう」

瑞鳳・三日月「「はーい!」」

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瑞鳳「やっと終わったー」

三日月「やっと、焼き芋を作る段階まできましたね!」

鳳翔「お疲れ様です。では、さつまいもをこの中に埋めていきましょう」

瑞鳳・三日月「「はーい」」

数十分後


三日月「埋めるのが大変でしたけど、これで全部ですね!」

瑞鳳「鳳翔さん、出来るまでどれくらい掛かるのかな?」

鳳翔「短くても、一時間はかかりますね」

瑞鳳・三日月「「えっ」」

鳳翔「でも、時間がかかる分、おいしく出来上がりますからね」ニコッ

瑞鳳(うまいこと利用された気がするよ……落ち葉の掃除とか)

三日月「……もうここまで来たんですから、出来上がるのを待ちましょう。その間に何か手伝えることはありますか?」

鳳翔「そうね……あまり手伝って欲しいことはないけれど、お芋が勝手に取られないように見張りは欲しいわね。放置していると食べそうな人がいるから……」

三日月「……確かに、その可能性はありますね」

鳳翔「私が見張りをしていたいけれど、この後もやることがあるから……」

瑞鳳(鳳翔さんは鎮守府の家事の多くをしてるから、見張りまで頼むわけにもいかないよね)

瑞鳳「じゃあ、私が見張ってます」オズオズ

三日月「私も、瑞鳳さんと一緒に見張ります!」ビシッ

瑞鳳「ええっ!? いいの?」

三日月「一人でいるより、二人でいたほうが退屈はしないと思いますよ?」

瑞鳳「あっ……うん、そうだね!」

鳳翔「そうですか……申し訳ないですけど、二人ともよろしくね」

瑞鳳「はい」

三日月「お任せください!」

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――

瑞鳳「焼き芋、まだかなー」

三日月「まだそこまで時間は経ってませんよ?」

瑞鳳「そうだよねー。今ならオーブンやレンジとかでもっと早く作れるんだけど……」

三日月「でも、時間と手間をかけてるからきっとおいしい焼き芋が出来ますよ」

瑞鳳(この子は前向きでいい子だなー、私も年上として、見習わなくちゃ)



三日月「……少し、寒いですね」ブルブル

瑞鳳「日が暮れてきたからね……おいで、三日月ちゃん」ポンポン

三日月「膝の上に、ですか?」

瑞鳳「うん。少しは温かいと思うよ?」

三日月「……そうですね。では、失礼します」ポスッ

瑞鳳「そして、こうすれば温かいでしょう?」ギュッ

三日月「…………は、はい。温かいです」

瑞鳳「よかった。私も何とか時間まで過ごせそうだよ」ナデナデ

三日月「え、えっと……頭を撫でる必要はないんじゃ……」

瑞鳳「うーん、何となく撫でやすい位置にあるからかな。えへへ」ナデナデ

三日月(い、色々と落ち着けません……)カァァ

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――

一時間経過

瑞鳳「じゃあ、竹串……行くよ?」ゴクッ

三日月「はい……」ゴクッ

瑞鳳「えいっ」プスッ

瑞鳳「……あっさり入ったから、多分もう食べられそうだよ!」

三日月「やりましたね!」



提督「長い見張り番お疲れさん」ヌッ

瑞鳳「あっ、提督……」

三日月「司令官、焼き芋がたった今焼けました!」

提督「お、マジか。なら何人か呼んでくるかな」

瑞鳳「提督、その前に一緒に焼き芋、食べない?」

提督「ん? 俺が食っていいのか?」

三日月「司令官にも是非食べてもらいたいです!」コクコク

瑞鳳「手伝ってもらった鳳翔さんも呼びたいけどきっと今は忙しいし……さつまいもを貰えたのは提督のおかげだから、先に食べるべきだと思うの」

提督「うーん、まあそういうことなら一つ貰うかな」

三日月「分かりました、ではちょっと待ってくださいね」ゴソゴソ



提督「それじゃ、焼き芋も行き渡ったし、食べるとしようか」

3人「「「いただきます」」」パクッ

提督「……おっ、しっかり温まってておいしいな」モグモグ

瑞鳳「寒さに耐えながら作ったから、とてもおいしく感じる!」モグモグ

三日月「少し熱いくらいですけど、おいしいです」モグモグ

提督「はー、マジで親孝行どうしよう。こんなうまいもんたくさん寄越しやがって……」

瑞鳳「……ねえ提督」

提督「ん? どうした瑞鳳」

瑞鳳「あのね、親孝行になるか分からないけど……鎮守府の何人かと焼き芋食べている写真を撮って、お母さんに送るのはどうかな?」

提督「そんなの見たら、びっくりすること間違いなしだな」

三日月「でも、司令官がここにいる艦娘達と仲良く楽しく過ごしているのが分かれば、安心できると思いますよ?」

提督「……なるほどな。じゃあ何人か呼んで、青葉に撮影してもらうか。じゃあそこで待っていてくれ」ダダッ

――――――
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――

提督「よし青葉、お前の撮影テクで一発で決めてくれ」

青葉「お任せください! では皆さん動かないで……はい、チーズ!」パシャ

青葉「……中々よく撮れてると思いますが、どうでしょう?」サッ

提督「ナイス青葉、後でデータを渡してくれ」

青葉「はい、分かりました!」ビシッ

ワイワイガヤガヤ


瑞鳳「……皆、おいしそうに焼き芋を食べてるね」

三日月「そうですね。頑張った甲斐があってよかったです」ニコッ

鳳翔「ふふ、皆さんに喜んでいただけてよかったですね」ヌッ

瑞鳳「鳳翔さん……うん、今とても嬉しいです!」

三日月「私も、頑張ってよかったって思います」

鳳翔「二人が嬉しそうにしてて、私も安心したわ。でも、ちゃっかりお手伝いさせちゃったのは良くなかったから……ごめんなさい」ペコリ

瑞鳳「い、いいですよ謝らなくて……ねえ、三日月ちゃん」

三日月「は、はい……瑞鳳さんと、仲良く出来ましたし」ポッ

鳳翔「あらあら……瑞鳳ちゃん、三日月ちゃんに何かしたのかしら?」

瑞鳳「えっと……寒かったから膝の上に三日月ちゃんを乗せて抱きしめて撫でてただけだよ?」

三日月「あわわわわ……い、言わないでくださいー!」ブンブン

瑞鳳「えっ、なんでそんな慌ててるの?」

鳳翔(あらあら、微笑ましいわね)ニコニコ

――――――

執務室


提督「俺は元気でやってます、と……送信」

提督「……何だかんだもう二年か、時が経つのは早いなー」

提督「いつか、何人か連れて……実家にでも帰るかな」

提督「……その時は、俺が焼き芋を作って、皆に振舞うか」


終わり

瑞鳳の限定ボイス聞いてたら書くしかないと思いました
たべりゅうううううだとかやきゅううううううとか期待した人、すいません

前回は二人と青葉だけだったので、今回は三航戦つながりで三日月も出してみました。おかげでほのぼの度合いが上がった気がします
焼き芋とか14年前に親とかに焚き火から作ってもらった記憶しかないんでググって色々すっとばしました。おきびが漢字でないのもこのためです

では、次回作もまた呼んでくださると嬉しいです
読んでくださり、ありがとうございました



(明日こそは現行スレの方を書いて今の話だけでも完結させないとなー)

元ネタが違うスレのURLは貼らないようにしてるんでSSまとめ速報ってところで酉で検索して何とかしてください
ただ72時間以上更新してないから現行スレで探しても見つからないと思うんで休日中に更新します
多分そうすれば見つかるかも

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