キョン「涼宮ハルヒの誤解」 (102)

【部室】


キョン「うーす」ガラッ


キョン「あれ? 今日は長門だけか?」

長門「…………」ペラッ (本をめくる)

キョン「長門、ハルヒや朝比奈さんや古泉はまだ来てないのか?」

長門「……」コクッ

キョン「何か理由は知ってるか?」

長門「……」コクッ

キョン「教えてくれないか?」

長門「文化祭の準備」

キョン「ああ……そういやもうすぐだったな」

長門「そう」コクッ

キョン「確か、朝比奈さんのところはアンケートか何かするんだっけ」

長門「……」コクッ

キョン「で、小泉がまた劇で、その練習ってとこか」

長門「……」コクッ

キョン「だけど、ハルヒは何でいないんだ? うちのクラスは喫茶店をやるとか言ってたけど、あいつも俺も当日に裏で調理するだけで、今はやる事がないはずなんだけどな」

長門「彼女なら、このSOS団でバンドをやりたいと言って、先程どこかに飛び出していった」

キョン「……またか。去年のがよっぽど気に入ったのかな、あいつ。て事は、行った先は多分、生徒会室か、はたまた軽音楽部ってところだな」

長門「恐らく」

キョン「ちなみに、そこの片隅にポンと置いてある段ボール箱は何だ? 昨日までは確かなかったと思ったが……」

長門「新しく物を置くスペースを作りたいという事で、涼宮ハルヒに頼まれてわたしがやった。必要な物と必要でない物を分けて整理しただけ」

キョン「また何か物を置く気か、ハルヒのやつ。で、あの中に入ってるのがいらない物って事だな」

長門「そう。あなたが来たら、後で一緒に捨てにいくように、涼宮ハルヒから言われている」

キョン「相変わらず人使いの荒い奴だな……。どれどれ、中身は、っと……」ゴソゴソ

キョン「折れたダーツセットに、壊れた時計……。インクの切れたペンに、破れた着ぐるみ、等々……。完全にゴミだな」

長門「修理すれば、幾つかは使える物も混ざっている」

キョン「俺には全部、修理不可能な物ばかりに見えるんだが……」

長門「わたしなら修復可能」

キョン「へえ……流石だな」

キョン「じゃあ、悪いが長門、直せる物は直してやってくれないか? きちんと直るなら、捨てるのも勿体ないしな」

長門「涼宮ハルヒの意に背く事になるけど、構わない?」

キョン「捨てるはずだったやつを直しても、ハルヒは文句言わないだろ。もし万が一それでハルヒが怒るようなら、俺が責任持って捨てに行くから、安心しろ」

長門「……条件付きで了承。ただし、ここには道具も器材もないので無理。技術室まで持っていく必要がある。それに、多いから少し時間がかかる」

キョン「どれぐらいかかりそうだ?」

長門「恐らく二十分ほど」

キョン「それぐらいなら、まあ、平気か。ハルヒもいつ帰ってくるかわからないしな。すまんが長門、今からお願いしてもいいか?」

長門「……」コクッ

【数分後】


ハルヒ「あー、もう! あったま来ちゃう!」バタンッ!!


キョン「おい、ハルヒ。罪のないドアをイジめるな。もう少し丁寧に扱ってやれ」

ハルヒ「キョンか。あんた来てたんだ? あれ、有希は?」

キョン「長門なら、ついさっき、そこに置いてあったガラクタを直しに出ていったところだぞ。直せる物は直してくれるらしい」

ハルヒ「へえ。有希のやつ、いいとこあるわね。で、あんたはここで何してるの? 有希一人に直させてたら可哀想じゃない」

キョン「そう思って俺も手伝うと言ったんだが、一人でやった方が早いって断られたんだ。それに、ここに誰かいなかったら、戻ってきたお前が困惑するだろうと思ったしな」

ハルヒ「あ、そ。ま、それもそうね。いいわ、今回は見逃してあげる」

キョン「へいへい。そりゃどうも」

キョン「それよりハルヒ、一体何を荒れてたんだ? また何かやらかして岡部にでも説教を食らったのか?」

ハルヒ「当たらずとも遠からずというところね。ホンット融通がきかないんだから、あいつら」

キョン「……で、一体何をやったんだ?」

ハルヒ「なにって、文化祭で今年はバンドをやろうと思ったのよ。あたしたち五人で。だから、当日に体育館を確保しようと思って申請しに行ったら、文芸部がバンドの為に体育館を借りるのはおかしいって言い出すのよ。ホント、頭が固い連中よね」

キョン「当然と言えば当然な対応な気がするが」

ハルヒ「だから、話があまりに通じないんで、頭にきてこっちに戻ってきたのよ。これから全員で作戦会議よ。って、あれ? そういえばみくるちゃんたちはまだ来てないの? ずいぶん遅いわね」

キョン「今頃それか」

ハルヒ「キョン、あんた何か知らない? みくるちゃんと古泉君って、一回、部室には顔出したの?」

キョン「いや、少なくとも俺は見てないな。古泉からは、今日は劇の練習が長引きそうだから来れないかもしれない的なメールがさっき俺のところに来たが」

ハルヒ「なにやってるのよ、古泉君は。クラスの出し物よりこっち優先でしょ、まったく。……で、みくるちゃんは?」

キョン「わからん。だけどやっぱり文化祭関連で遅れてるんじゃないのか」

ハルヒ「でも、確か、みくるちゃんのクラスってアンケートだけなんでしょ? 何でまだ来てないのよ」

キョン「そういえばそうだな。だけど、俺は何も聞いてないぞ。お陰でまだ朝比奈さんにお茶もいれてもらってないしな」

ピロリン♪

ハルヒ「っと、噂をすれば何とやらね。みくるちゃんからメールが来たわ。どれどれ」ピッ

『件名』
ごめんなさい

『本文』
今日は受験の説明会の関係で部活には来れそうにないです。すみません。代わりに、明日は必ず来ますから。

あと、うちのクラス、文化祭でアンケートをやるので、良かったら涼宮さんも参加して下さい。まだ本決まりじゃないですけど、アンケート内容の一部をお試しとして一緒に送ります。


1、あなたは男ですか? 女ですか?
2、今、好きな人はいますか?
3、その人とは付き合ってますか?
4、あなたが、恋人や好きな人にしてあげたい事は何ですか?
5、異性のどういうところに魅力を感じますか?
6、これまで、浮気をした事がありますか?

ハルヒ「あーあ、残念。みくるちゃんも来れないって」

キョン「マジか。朝比奈さん、来ないのか?」

ハルヒ「そ。受験の説明会だって。流石にその中から無理矢理引っ張ってくる訳にもいかないし、今日は諦めるしかないわね」

ピロリン♪

キョン「と、今度は俺にメールか。しかも、朝比奈さんからだ。どうしたんだ?」ピッ

『件名』
キョンくんへ

『本文』
今日は受験の説明会の関係で部活には来れそうにないです。涼宮さんにもその事をメールで送っておきましたけど、もしもわたしの事を聞かれたらそう伝えておいて下さい。

あと、うちのクラス、文化祭でアンケートをやるので、良かったらキョンくんもお願いします。まだ本決まりじゃないですけど、アンケート内容の一部をお試しとして一緒に送ります。


1、あなたは男ですか? 女ですか?
2、兄弟姉妹はいますか?
3、部活動には入っていますか?
4、あなたの好きな事は何ですか?
5、あなたが人より優れてると思うところは何ですか?
6、これまで、ペットを飼った事がありますか?

ハルヒ「みくるちゃん、何だって?」

キョン「いや、多分、お前と同じ内容のだ。受験の説明会の関係で今日は来れないって事と、あとアンケートをお試しにって送られてきた」

ハルヒ「ああ、じゃあ、まったくおんなじ内容ね。あたしにもアンケートのやつ送られてきたから」

キョン「そうか。で、今日はどうするんだ、ハルヒ? 朝比奈さんも来ないし、古泉もだ。団活としては、ちと盛り上がりに欠けるが」

ハルヒ「そうなのよね。まあ、今日はまだ作戦を考える段階だからそこまで焦らなくてもいいけど、でも、キョンと二人きりってのがちょっとね。有希がいつ頃戻ってくるかとか、あんた、聞いてる?」

キョン「二十分ぐらいかかるって言っていたな。とりあえず、時間でも潰しながら長門を待とうぜ。あいつ抜きで会議を始めるのも良くないだろ」

ハルヒ「そうね。二十分ぐらいなら、待った方がいいわね」

キョン「って言っても、何をして時間を潰すかだが……。たまにはオセロでもやるか、ハルヒ?」

ハルヒ「あんた弱いからいいわ。面白くないもの」

キョン(というか、ハルヒに勝たせないとかなり不機嫌になるから、わざと勝たせてるんだが……)


ハルヒ「んー……どうしようかしらね。いつも通りネット見ててもいいんだけど、それは毎回の事だから何か変化が欲しいところだし……」

キョン「なら、折角だから、朝比奈さんから送られてきたアンケートでもやるか? 二人で話ながらやればそれなりに時間が潰れるだろ」

ハルヒ「え? ちょっとキョン、あのアンケートを二人で話ながらやるの? それ本気?」アセアセ

キョン「本気だが……。何かまずい事でもあるのか?」

ハルヒ「べ、別にないわよ。ある訳ないじゃない!」

キョン「なら決まりだな。やるか」

ハルヒ(え、ちょっと、本当に……!? あのアンケートの内容、めちゃくちゃ恋愛関係の事だったんだけど……!//)

キョン「えっと、それじゃ1からだが……」


キョン:1、あなたは男ですか? 女ですか?
ハルヒ:1、あなたは男ですか? 女ですか?


キョン「ま、これは言うまでもないよな。男か女かなんてわかりきってる事だし」

ハルヒ「そ、そうね」ドキドキ

キョン「じゃあ、次の2だが……」


キョン:2、兄弟姉妹はいますか?
ハルヒ:2、今、好きな人はいますか?


キョン「俺は、いるな」

ハルヒ「あ、そう……。キョン、いるんだ。へー……」ドキドキ

キョン「そういえば、今まで聞いた事なかったけど、ハルヒはいるのか?」

ハルヒ「あ、あたしはその……。い、いるわよ//」

キョン「そうなのか? それ、初めて聞いたな。何人いるんだ?」

ハルヒ「なっ! 一人に決まってるでしょ! なにあたしを軽い女みたいに見てるのよ!」

キョン「あ、いや、そんなつもりで言った訳じゃないんだが……。ん? え? 軽い女?」

ハルヒ「そうよ。あたしは一途な方なの。一人だけで他にはいないわよ」ドキドキ

キョン「そうなのか……? いや、なんかよくわからんが、とにかくすまん」

ハルヒ「そういうキョンはどうなのよ? まさか、二人とか三人いるなんて事はないでしょうね?」

キョン「いや、俺は一人だぞ。少し生意気な感じのが一人いる」

ハルヒ「生意気? え、え、そうなの?」

キョン「いや、でも、それでも可愛いんだけどな。俺に何だかんだでなついてるし」

ハルヒ「あ、えと、ちょっと待って、キョン。あんたの思うその子は、少し生意気な感じで、キョンによくなついてるのね? それで、可愛いのね?」

キョン「ああ、ていうか、ハルヒもそれはよく知ってるだろ」

ハルヒ「え、あたしよく知ってるの? え、ちょっとそれキョン、もしかしてって事もあるって、あたしは思っていいの?//」

キョン「そのまさかってのがよくわからんが、ハルヒが知ってるのは間違いないだろ。ていうか、忘れたのか、ハルヒ?」

ハルヒ「いや、あたし全然覚えないんだけど。え、なに、どういう事?」

キョン「一緒に野球もやったし、旅行にも行っただろう。おいおい、まさか本当に忘れたのか?」

ハルヒ「確かに野球もやったし、旅行にも行ったわね。それは覚えてるけど、え、なに、その時のメンバーの中にいるわけ?」

キョン「何でそれは覚えてて肝心な事を忘れてるんだ? あの時のメンバーの中にもちろんいたぞ」

ハルヒ「あの時のメンバーって、旅行だと、あたし、キョン、みくるちゃん、古泉君、有希、それとあんたの妹の六人で合ってるわよね?」

キョン「……合ってるな。ていうか、それはジョークか、ハルヒ?」

ハルヒ「ジョーク? めちゃめちゃ真剣なんだけど、あたし。今、頭を物凄い勢いでフル回転させてるんだけど」

キョン「……なんかよくわからんな。一体、どうしたんだ、ハルヒ?」

ハルヒ「その……キョン。もう少し確認させて欲しいんだけど、その子は、口数は多い方、少ない方?」

キョン「どちらかと言えば、多い方じゃないか? 少なくとも無口じゃないな」

ハルヒ「じゃ、じゃあ、年上だったりする?」

キョン「それは見ればわかるだろ。年上のはずがない」

ハルヒ「ストライク!//」

キョン「急にどうした、おい。大丈夫か」

キョン「それより、ハルヒはどうなんだ? お前の場合、(兄弟姉妹は)上なのか? それとも下なのか?」

ハルヒ「あ、あたしはその……! (好きな人は)同い年よ//」

キョン「へえ……。初めて聞いたぞ。双子なのか?」

ハルヒ「どこから双子が出てきたのか知らないけど、違うわよ。二人兄弟よ」

キョン「同い年で双子じゃないのか……? 凄いな、それも」

ハルヒ「あんたの言ってる意味がわからない」

キョン「ちなみに、男か女かどっちだ?」

ハルヒ「男に決まってるでしょ。あんた、バカなの? 死ぬの?」

キョン「何でそこまで言われなきゃならないんだ?」

ハルヒ「常識的に考えればわかるでしょ! そんなの!」

キョン「俺は超能力者か? 聞かなきゃわからないだろ。お前の常識で物事をはかるのはよせ」

ハルヒ「全世界の常識よ、こんなの! あんたはあたしの事を今までどんな風に思ってたのよ!」

キョン「まあいい。お前の非常識さは今に始まった事じゃないしな」

ハルヒ「ちょっと、キョン! 何よ、その言い方!」

キョン「わかった。悪かった。とにかく次の3に行くぞ」


キョン:3、部活動には入ってますか?
ハルヒ:3、その人とは付き合ってますか?


キョン「これは、二人ともYESだな」

ハルヒ「え!?」

ハルヒ「なに、ちょっと待って。そうだったの? あたし、全然気がつかなかったんだけど」アセアセ

キョン「そうだったのも何も、そうだろ? 今更何を言ってるんだ? 今もこうして二人で活動してるじゃないか」

ハルヒ「え? なに? あたしたちいつのまにかそういう関係になってたの?//」

キョン「そうじゃなかったとしたら、逆に俺たちは今どうしてここにいるのかを聞きたいんだが」

ハルヒ「で、でも、あたしキョンからそんな風な感じの話は一回も聞いた事なかったし//」

キョン「ああ、まあ、確かにあれだな。正式なものとしては認められてないからな。でも、俺たちにとってはそういうものだと俺は思ってたんだが、お前は違うのか?」

ハルヒ「え?// あ、その……キョ、キョンがそう言うなら、あ、あたしは別にそれでもいいけど……//」ドキドキ

キョン「今までずっとこれでやって来た訳だし、別にハルヒももう正式だとかそういうのにはこだわってないだろ?」

ハルヒ「そ、そうかもしれないけど// でも、いつのまにかみたいなのより、やっぱりその、ちゃんとした言葉がほしいって……// あ、あたしはその……そういう風に思うのよね//」

キョン「なら、今度生徒会にお願いしてみるか? 認めて下さいって」

ハルヒ「何で生徒会なのよ? おかしいでしょ」

キョン「いや、普通は生徒会だろ? もしも、ハルヒにその気があるなら、俺も付き合ってやらん事もないが、どうする?」

ハルヒ「ちょっとあんた、上から目線過ぎでしょ! なによそれ!」

ハルヒ「なんかこう、言い直しなさいよ。あ、あたしはその……キョンの事をいいなって思ってるんだから……//」

キョン「?」

ハルヒ「だから、もっと自信を持って、ロマンチックな感じで言いなさいよね。そしたらあたしも……よ、喜んでオーケーしてあげるわよ//」

キョン「……自信はともかくとして……ロマンチックな感じってのは何だ? お前は一体俺に何を求めてるんだ?」

ハルヒ「な、何をってその……お、男らしさとか潔さみたいなところよ//」

キョン「……よくわからんが、とにかく男らしく言えばいいんだな?」

ハルヒ「そ、そうよ!// だから、言い直しなさい!」

キョン「じゃあ、まあ……」

ハルヒ「う、うん//」ドキドキ

キョン「ハルヒ、俺がついてってやるから、お前も来い」

ハルヒ「なんか違う! 男っぽいけど、なんか違うわよ、それ!」

キョン「意味がわからん。じゃあ、どういう言い方だったらいいんだ」

ハルヒ「それをあたしに言わせないでよ! あんたが考えなきゃ意味がないでしょうが!」

キョン「それじゃあ、なんだ……ええと」

ハルヒ「う、うん!//」ドキドキ

キョン「ハルヒ、俺と一緒に付き合え。俺に出来る事なら、やれる限りやってやるから」

ハルヒ「!///」ズッキューン

キョン「これならいいか? 男らしく言ったつもりだが」

ハルヒ「ちょ、ちょっと待って。あまりのワイルドさに、心臓がキュンキュンして止まらないから///」ドキドキ

キョン「そ、そうか……? 何だかよくわからんが大丈夫か?」

ハルヒ「へ、平気……。も、もう大丈夫よ//」ドキドキ

キョン「とは言っても、なんか顔が真っ赤だぞ? さっきも心臓がどうとか言ってたし、体調でも悪いんじゃないのか?」

ハルヒ「流石のあたしでも、あんな直球で言われると弱いのよ!// でも、本当に平気だから。それより、キョン! あたしからの返事なんだけど!//」

キョン「ああ、大丈夫だ。お前の事は、言わなくてもわかってるし」

ハルヒ「!///」ズッキューン

キョン「長い付き合いだしな。流石にそれぐらいは言わなくてもわかる。止めようがないってのも身に染みてわかってるし」

ハルヒ「ほ、本当ね/// さっきからキュンキュンが止まらないわ///」ドキドキ

キョン「それよりも、本当に大丈夫なのか、ハルヒ? 保健室まで送った方がいいか?」

ハルヒ「だ、大丈夫よ!// むしろ、絶好調になったわよ!/// 今なら地球だって滅ぼせる気がするわ!」

キョン「おい、それはマジでやめてくれ。洒落にならん。お願いします」

ハルヒ「そんな事よりも、キョン!// 次よ、次! 次のアンケートいくわよ!」

キョン「……お、おう」


キョン:4、あなたの好きな事は何ですか?
ハルヒ:4、あなたが、恋人や好きな人にしてあげたい事は何ですか?


ハルヒ「あ、あたしはその……// すごく普通だけど、料理を作ったりとか、そういうのね//」

キョン「意外だな。初めて聞いたぞ」

ハルヒ「あたしだって、結構女の子らしいところがあるのよ// 言っとくけど、料理は上手いのよ、あたし」

キョン「いや、料理が上手いのは前から知ってたが、そういうのが好きだって事が意外でな」

ハルヒ「ま、まあそうかもね// いかにも女の子みたいな感じで、あたしにしてはありきたりだしね」

キョン「ちなみに、得意な料理とかは何だ?」

ハルヒ「普通の家庭料理なら大体いけるわよ。肉じゃがとかも得意よ。ほら、男って肉じゃがとか家庭的なの好きなんでしょ? 今度キョンに作ってきてあげるから//」

キョン「悪いな。いいのか?」

ハルヒ「いいわよ、そんなの。当たり前じゃないの//」ドキドキ

キョン「ん? 当たり前なのか?」

ハルヒ「だってもう、そういう流れじゃないのよ、これ// そりゃもうバンバン作ってくるわよ」

キョン「そ、そうか……。なんか知らんが、ありがとな、ハルヒ」

ハルヒ「それより、キョン。あんたの方はどうなの?//」ドキドキ

キョン「俺か。俺はそうだな……」

ハルヒ「うん//」ワクワク

キョン「漫画を読んだり、ゲームをしたりとかかな」

ハルヒ「は?」

ハルヒ「ちょっと、キョン。なにそれ、どういう事よ。何かそれっぽい事が他にいくらでもあるでしょうが!」

キョン「いや、いかにもってものが俺にはあまりないんだ。昔からそうでな」

ハルヒ「は?」(威圧)

キョン「いや……あの。だけどまあ、どっちも楽しいだろ? 大して金がかかる訳でもないし」

ハルヒ「あんた、ちょっと現金すぎない? 夢やムードがまるでないじゃないの」

ハルヒ「大体、ゲームはまだわかるとして、漫画を読むって何なのよ? 漫画を横でずっと朗読するっていうの? なんでそんな事をしたいのよ?」

キョン「いや、小学生じゃないんだから、流石に朗読はしないぞ。黙読だ。何でしたいかと言われたら、面白いからとしか言えないが」

ハルヒ「全然面白くないんだけど。というか、横でそんな事されたら邪魔でしかないんだけど」

キョン「いや、別に部室や学校でする訳じゃないぞ。ベッドに寝転がりながらとかだな」

ハルヒ「その状態なら、漫画読む前になんか他にする事があるでしょうが!//」

キョン「ああ、その……例えば勉強とかか?」

ハルヒ「何の勉強をするつもりよ!// 言い方がいやらしいのよ、あんた!///」

キョン「??」

ハルヒ「と、とにかく!// なんか別の事を考えなさいよ! 漫画読むとか、有り得ないでしょ!」

キョン「そりゃ確かに、料理とかと違って、あまり人に自慢出来る事じゃないが……」

ハルヒ「自慢以前の問題なのよ! 何でもいいから別の事! 将来が不安になってくるじゃないの!」

キョン「そうだな。面接とかでは流石に漫画を読む事とは言えないしな」

ハルヒ「面接で言う気だったの、あんた!?」

キョン「というか、大体は聞かれるものじゃないのか? ありきたりな質問だしな」

ハルヒ「え!? そうなの? それ、本当に?」

キョン「一般的な質問だぞ。他にもお見合いとかでもそうだしな」

ハルヒ「お見合いはわかるけど……面接もなの? え? え??」

キョン「それじゃあ、次いくか。って言っても、次はあまり俺はないんだけどな」

ハルヒ「ないの、あんた?」


キョン:5、あなたが人より優れてると思うところは何ですか?
ハルヒ:5、異性のどういうところに魅力を感じますか?


キョン「これは、ハルヒの方がかなり多そうな質問だよな」

ハルヒ「あたし、そんなに男にがっついてるように見える訳?」

キョン「がっつく? いや、そうじゃなくて……なんて言えばいいんだ? とにかく実際、多いだろ? 俺は誉めてるんだぞ?」

ハルヒ「え? 誉めてたの?」

キョン「だって、俺が挙げれる事と言えば、本当にないからな。成績だってそうだし、運動にしたってそうだし」

ハルヒ「顔とかはどうなのよ?」

キョン「それこそないな。それぐらい自分で鏡を見りゃわかるだろ?」

ハルヒ「あんた物凄い失礼な事をさらりと言ったわね」

キョン「とにかくまあ、際立ったものがないんだよ。悪い意味で凡人ってやつだな」

ハルヒ「あんた、マジであたしにケンカ売ってるの?」(威圧)

キョン「いや、ちょっと待てよ、どうしてそうなるんだ。何が気に食わなかったんだ」

ハルヒ「何がって全部に決まってるでしょ! なんか一つぐらいはっきりと誉めなさいよね!」

キョン「そ、そうか……。確かに自虐的過ぎたな。悪かった。ならええと……そうだな。ツッコミとかはどうだ?」

ハルヒ「何でやねん! おかしいやろ!」

キョン「おい、ハルヒ! どうした!?」

ハルヒ「だって、あんたが妙な事を言い出すから!」

キョン「俺は何も言ってないぞ! ていうか、どうしてお前、ちょっと涙目になってんだよ!」

ハルヒ「なってないわよ! なる訳ないじゃない! 傷ついてなんか、まったくないわよ!」

キョン「マジで落ち着け、ハルヒ! なんか知らんが俺が悪かった! もう何も言わないから、ちょっと落ち着いてくれ、頼む!」

ハルヒ「その何もわかってないところが腹立つのよ! バカキョン!!」

キョン「じゃあ、そのハルヒ。逆にお前はどうなんだ? (自分で思う、人より優れてるところは)どんなとこだと思うんだ?」

ハルヒ「あたしはアレよ! (異性に魅力を感じるところは)優しいところとか、そういう普通の事よ!」

キョン「……優しい……?」

ハルヒ「あと、たまに頼りになるところとか!」

キョン「たまに?」

ハルヒ「あと、お人好しなところとかよ!」

キョン「お人好し? え?」

ハルヒ「こんな風に、あたしは他にも一杯あるのに、何であんたは何もないとか、ツッコミとか訳のわからない事を言うのよ!」

キョン「いや、お前が怒ってる理由が俺にはマジでわからん」

ハルヒ「何でわかんないのよ! アホキョン!」

キョン「……わ、悪かった」

ハルヒ「あんた、本当に他にないの!? この際、スタイルがいいとか、そんなんでもいいわよ!」

キョン「俺……自分で言うのも何だがもやしっ子なんだが……」

ハルヒ「誰もあんたの事なんか聞いてないわよ!」

キョン「えええ……」

キョン「と、とにかく、ハルヒ。一旦落ち着け。な? 今回の事は全面的に俺が悪かったから、だから泣きそうになるな。頼む」

ハルヒ「悪かったって、あんた、どこが悪かったなんて全然わかってないでしょう! そんなんで謝られても嬉しくないのよ! この際、何でもいいから、何か良いとこをあげなさいよ!」

キョン「その……ええと、あれだ。付き合いや面倒見がいいとことか……」

ハルヒ「……それだけ?」

キョン「し、信頼されているところ……」

ハルヒ「……他には?」

キョン「思いやりがある、とかだな……」

ハルヒ「…………」

ハルヒ「…………」

キョン(黙りこんでしまったが、大丈夫か、これ……? というか、今頃、閉鎖空間が大量発生してそうで、かなり怖いんだが……)

ハルヒ「……キョン、あんた本当にそう思ってるの……?」

キョン「あ、ああ! マジだ! 本当にそう思ってる!」

ハルヒ「……あたしの事、本当に好きなのよね、あんた……?」

キョン「お、おう! 好きだぞ! え?」

ハルヒ「……ならいい。今回は許してあげるから」

キョン「そ、そうか……。すまん」


キョン(あれ……? 何か雰囲気がおかしくないか、おい? さっきの好きって友達としてって事だよな? まさか、告白とかそんなんじゃないよな? この唐突な流れでそれはいくらなんでもないよな? だよな?)

ハルヒ「……それじゃ、最後のアンケートね。ま、こんなの、答えるまでもないけど。……そうよね、キョン?」

キョン「お、おう……。そうだな」


キョン:6、これまで、ペットを飼った事がありますか?
ハルヒ:6、これまで、浮気をした事がありますか?


ハルヒ「あたしはもちろんなし。当然だけど」

キョン「俺はありだな。今もそうだし」

ハルヒ「はあ!?」

キョン「え!?」

ハルヒ「ちょっと、キョン! なにそれ!? 今もってどういう事よ! このタイミングでどんな告白してるのよ、あんた!!」グイッ

キョン「ちょっ! ネクタイ掴むな!! いきなり何でキレてんだよ、ハルヒ!」

ハルヒ「これで怒らない訳ないでしょうが! さっきの好きって言葉は何だったのよ! いい加減にしなさいよ!!」グイーッ

キョン「絞めるな! 苦しい! 落ち着け!!」

ハルヒ「いつからよ! 一体いつからそんな事をしてたのよ!?」

キョン「い、いつからって、去年の映画の時からだ! その時に押し付けられただろ!」

ハルヒ「胸を!? それで、あっさりと落ちたって訳!? 相手はみくるちゃんなの!?」

キョン「何の話だよ、一体!? それに、朝比奈さんはほとんど関係ないぞ! 関係があったのは、長門の方で!」

ハルヒ「有希なの!? しかも、一年ぐらい前からそんなにずっと!? 一体、その間、何してたのよ!!」

キョン「何って、飼ってただけだぞ!」

ハルヒ「調教してたの!?」

ハルヒ「あんた、そんな男だったの! 最低ね! 調教するとか、なによもう!!」

キョン「俺は調教なんかしてない! 調教してたって言うなら、それは多分長門の方だ!」

ハルヒ「は!? キョンがされてたの!?」

キョン「だから、何の話だ、ハルヒ!? さっきからまったく意味がわからん!!」

ガチャッ

ハルヒ「!?」
キョン「!?」


長門「今、戻った。直せる物は全部直してある」


ハルヒ「有希!! あんた、よくも!」ツカツカ

キョン「おい、ハルヒ! 何で長門に対してもキレてるんだ!? ちょっと落ち着け!」

ハルヒ「有希! あんた、隠れてなんて事してたのよ! この泥棒猫!」

長門「……何の話かわたしにはわからない。それに、あなたは私に対して怒りを覚えている?」

ハルヒ「とぼけないでよ! さっき、キョンから全部聞いたのよ! あたしのものなのに、勝手にどうこうするなんて、何考えてるのよ!!」

長門「これは、直すために少し借りただけ。こうして返しにも来てる。それでも、まずかった?」

ハルヒ「まずいわよ! 当たり前でしょ!!」

ハルヒ「とにかく、有希! 責任取ってよ! 取りなさいよね!!」

長門「わかった。……それなら、あなたも一緒に来て」グイッ

キョン「え!? おい、長門?」

ガチャッ

長門「」スタスタ

キョン「おい、長門? ちょっと待ってくれ。何で俺が一緒に引きずられなきゃならないんだ!?」ズルズル


ハルヒ「ちょ、ちょっと、有希!! キョンを連れていって、一体、何するつもりよ!!」

長門「……彼は前にわたしに言った。この件であなたが怒るようなら、自分が責任を取ると」

キョン「え? 言ったか、俺? え、え??」


ハルヒ「だから! どこへキョンを連れてくつもりよ! 有希! 答えなさいよ!!」


長門「焼却炉。これは全部ゴミとして捨てる」

キョン「!?」

ハルヒ「!?」


長門「最初の予定通り捨てる。責任を取ってわたしが彼を焼却炉まで連れていく」

ハルヒ「ちょっ、ちょっと有希、待って!! キョンを捨てないで!! 燃やしちゃダメー!!」ダダダダッ



END

はいよー。思いついたら続き書いてく。ちょっと待ってて

長門「?」

ハルヒ「燃やしちゃダメ、有希! キョンはあたしのなんだから!」グイッ

キョン「いてて! おい、ハルヒ! 痛い痛い!!」

長門「燃やすというのは? わたしが彼を焼却する理由はないはず」

ハルヒ「だって、今! キョンを燃やすって言ってたじゃないの!」

長門「……わたしが燃やすと言ったのは、このゴミの事。彼ではない」

ハルヒ「え?」

キョン「え?」

ハルヒ「ゴミって……その段ボールの中の?」

長門「そう」

ハルヒ「え、だけど、さっきからずっとあたしたち、キョンの話をしてたんじゃ……」

長門「違う。わたしはゴミの話をしてた」

キョン「というか、シャミセンの話だろ?」

ハルヒ「え?」

長門「?」

キョン「え?」

ハルヒ「……シャミセンって、あれよね? あんたが飼ってる猫の事よね?」

キョン「だから、シャミセンだろ? 飼ってたペットの事なんだから」

長門「ゴミの事ではないの?」

ハルヒ「え、なに、どういう事? 何でいきなりシャミセンの話が出てきたの? 今、話してたのは、キョンが有希に調教されてるって話でしょ?」

キョン「は?」

長門「……興味深い」

キョン「え? おい、長門?」

長門「調教というのは具体的にどのような事を指す?」

ハルヒ「キョン、あんた有希から何されたのよ?」

キョン「だから、何もされてないぞ! 長門がシャミセンをステッキでパシパシ叩いてた事があったから、調教したってんなら長門の方だって俺は言っただけだ」

ハルヒ「ていうか、何でそこでシャミセンの話が出てくるのよ? 浮気をした事があるかどうかの話でしょ? あんた、猫相手に浮気してたの?」

キョン「浮気? それこそ、何を言ってるんだ? ペットを飼ってるかどうかの話だろ?」

ハルヒ「は? 何を今更すっとぼけようとしてんのよ?」

キョン「お前の方こそ、明らかに会話が変だろ!」

長門「…………」

長門「二人の間に、情報の食い違いが発生しているように見受けられる」

ハルヒ「なによ、情報の食い違いって」

長門「二人は元々、どうしてそういう話になったのか、その確認をしたい」

ハルヒ「話って、みくるちゃんからのアンケートよ」

キョン「朝比奈さんが送ってきたメールに同じアンケートが来てたから、それについて話してたんだ」

長門「……それは本当に二人とも同じ内容?」

ハルヒ「同じに決まってるでしょ。ちょっと、キョン。あんたの携帯を貸してみなさいよ」パシッ

キョン「あ、おい、ハルヒ! 勝手に人の携帯を取るな!」

ハルヒ「メールってこれでしょ? ほら見なさい。全部あたしのと同じ……な……いよ……う」

キョン「ハルヒ?」


ハルヒ「…………」(確認中)


ハルヒ「…………」(熟考中)


ハルヒ「!///」カァァァ ←気付いた


キョン「……おい、ハルヒ?」

長門「……?」

ハルヒ「……お、おおお同じ内容ね!// 全部一緒よ! 間違いないわ!」

長門「…………」

キョン「本当にか? ハルヒ、お前の携帯もちょっと見せてくれ」

ハルヒ「は? 何で?// 見せる必要なんかないじゃない! だって、同じなんだから!!」

キョン「同じだったら別に見せても構わないだろ? それに、なんかところどころ俺とハルヒで話が噛み合わなかった時があったしな。一応、確認させてくれ」

ハルヒ「だだだから、同じだって言ってるでしょ!! 確認なんかする必要ないわよ!!」

キョン「あからさまに動揺してないか、ハルヒ?」

ハルヒ「してない! してないったらしてない!」

キョン「……長門。ハルヒの携帯……奪い取れるか?」

長門「可能」

ハルヒ「!?」ビクッ

キョン「よし! じゃあ、頼んだ!」

長門「了承」サッ、シュパッ


ハルヒ「ああああっ!! あたしの携帯、返してよ!!」


長門「確保」

キョン「ナイス!」

長門「内容を確認する」ピッ

ハルヒ「そ、そりゃっ!!」ドガッ!! (飛び蹴り)

長門「迂闊……。携帯が……」

コロン、コロン……

キョン「よし、俺が!」サッ

ハルヒ「ふんっ!」バキッ (かかと落とし)

バリンッ!!

キョン「おい、ハルヒ! お前、自分の携帯を壊すか!? そこまでするか!?」

ハルヒ「な、何の事よ! あたしはただ、偶然足が滑っただけよ!!」

長門「……修理はまだ可能」

ハルヒ「せいっ!!」バキッ!! (粉砕)

キョン「粉微塵にしやがった……。一体、どんな内容だったんだ……」

ハルヒ「別に何でもないわよ!// あんたと同じよ!! 同じなんだから!!//」

ガチャッ

みくる「あ、皆さん、お揃いですね」


ハルヒ「みくるちゃん!?」

キョン「朝比奈さん!」


ハルヒ「みくるちゃん、空気読めないの!? どうして来ちゃったのよ!?」


みくる「え、あ、その……説明会の日にちをわたし間違えてて……。おかげで、すごい恥をかいちゃったんですけど……来たらまずかったですか?」


ハルヒ「いいから、今日は帰ってよ! 早く!! 急いで!!」

みくる「え? ええ? 涼宮さん!?」

キョン「朝比奈さん、ナイスドジっ子です! すみませんが、さっきハルヒに送ったメールの内容を教えてもらえませんか!」

みくる「メール? ああ、アンケートの事ですか? あれは、一人一人違う内容のを」

ハルヒ「ああーーーーーーー!!」

キョン「うるさいぞ、ハルヒ! 黙ってろ!」

ハルヒ「みくるちゃん! 早く帰りなさい!! ほら! すぐに!」グイッ、グイッ

みくる「え、ちょ、ちょっと! 涼宮さん、押さないで!!」

キョン「長門! ハルヒを押さえつけろ!」

長門「了承」サッ、ガシッ

ハルヒ「ちょっと有希っ! やめてよ! 離してよっ!!」ジタバタ

キョン「朝比奈さん! それで、メールの内容は!?」

みくる「あ、あの、キョンくん、どうしたんですか? 涼宮さんといいキョンくんといい、ちょっと変ですよ?」

キョン「朝比奈さん! 朝比奈さんはハルヒがあれだけ嫌がってる事に興味がありませんか! 朝比奈さんのメールを見れば、その正体がわかるんです! 是非、教えて下さい!」

みくる「え、でも……」チラッ

ハルヒ「みくるちゃん! ダメよ! キョンの口車になんか乗っちゃダメふがっ!」

長門「口を押さえた。早く」

キョン「グッジョブ! 長門!」

みくる「あ、あの……」オロオロ

キョン「朝比奈さん、お願いします! 俺はどうしても真実を知りたいんです!」

みくる「えと……だけど」チラッ

ハルヒ「ううううっ!! うーっ! うーっ!」ジタバタ

長門「涼宮ハルヒなら問題ない。それよりメールの確認を。急いで」

みくる「じゃ、じゃあ……」(携帯を取り出す)

みくる「」ピッ、ピッ

みくる「これです」

ハルヒ「や、やめふごっ! うううーっ! うーっ!///」ジタバタ

キョン「よし! えー、内容は……」

キョン「…………」(確認中)

みくる「キョンくん、このメールがどうかしたんですか?」

長門「説明を求める」

ハルヒ「ひゃ、ひゃめ!!// みにゃひでっ!!///」(涙目)


キョン「…………」(回想中)


キョン「…………」(思考中)


キョン「…………」(再確認中)


キョン「!///」カァァァ ←気付いた

長門「あれはどんなメール?」

みくる「メールの内容自体は……えっと……。どちらもそんな大した内容じゃないはずなんですけど……。単なる連絡とアンケートですし……」

長門「アンケートの内容は?」

みくる「涼宮さんのに送ったのは恋愛関係ので、キョンくんに送ったのは学生生活についてのです」

長門「そこで、どう食い違いが発生したかあなたに説明を求める」

キョン「あ、い、いや、何でもない!/// 誤解といっても、大した事ないものだった! な? そうだろ、ハルヒ!?//」

ハルヒ「!////」カァァァ ←キョンが気付いた事に気付いた


みくる「……ん?」

長門「……不審」

キョン「そ、それよりも、今日はもう団活は終わりにしないか?// 解散して、とっとと帰ろうぜ。な、ハルヒ?」

ハルヒ「うっ……」(涙)

みくる「……え、涼宮さん?」

長門「……涙?」

キョン「あ、ハルヒ! すまん! さっきのは悪気があってした事じゃないんだ! 許してくれ!」

ハルヒ「キョンのバカバカバカ!!! あんたなんか大っ嫌いよ!!!」ダダダッ

キョン「あ、待て! ハルヒ!!」ダダッ


みくる「出ていっちゃいましたけど……何だったんでしょうか……?」

長門「……不明」

【校門前】


キョン「ハルヒ、待て! 本当にすまん、さっきのは!」ガシッ

ハルヒ「やめて! 離しなさいよ! あんたなんか大嫌いだって言ったじゃない!」グシュッ

キョン「それでも離す訳にはいかないだろ! だって、お前が泣いてるんだぞ! 普段、強がってばかりいるお前が!」

ハルヒ「だから、何なのよ! あたしの事なんか、どうせキョンはバカ女ぐらいにしか思ってないんでしょ!? そうよ! あたしは勘違いして浮かれてただけの、ただのマヌケよ! 離しなさいよ!」グシュッ

キョン「そんな事ない! 俺だって完全に勘違いしてた訳だし! バカだって言うなら俺もバカだ!!」

ハルヒ「でも、あんたの勘違いとあたしの勘違いじゃ全然違うじゃないの! オマケに有希にまで当たり散らしちゃったのよ! 明日、どういう顔して学校に来ればいいのよ、あたしは!!」グシュッ

キョン「正直に話せば長門は許してくれるはずだ! 俺も一緒に謝ってやるから!」

ハルヒ「何でキョンが一緒に謝るのよ! あんた、直接、関係ないじゃないの!」

キョン「ある! 勘違いだったかもしれないが、それでも俺はお前の彼氏だからだ!!」

ハルヒ「!?」

キョン「正直に言うぞ、ハルヒ! 俺は誤解に気付いた時、メチャクチャ恥ずかしかったしかなり照れもしたが、それでも嬉しかったんだ! お前が俺の事を好きだとわかって、喜んだんだよ!!」

ハルヒ「え、キョン……?」

キョン「俺は古泉みたいに歯が浮くようなクサい台詞は言えないが、その代わりお前が絶対に勘違いしないほど、はっきりと言うぞ!」


キョン「ハルヒ、俺はお前が好きだ! 付き合ってくれ!」


ハルヒ「!///」ズッキューン

【同時刻 中庭】


古泉「ふう……。劇の練習というのも疲れますね……。少し休憩をもらえて助かりました」

古泉「いえ、違いますか……。僕の場合、劇の練習というより、普通の学生生活自体がきっと疲れるんでしょうね。普段いるSOS団が楽な分、きっとそう感じてしまうのでしょう」

古泉「さてと……」(伸び)

古泉「そろそろ戻らなくては。あまり長居も出来ませんし」

古泉「」トコトコ


古泉「おや? あそこにいるのは、もしかして涼宮さんと……」

【同時刻 校門前】


キョン「俺は入学してからずっと何だかんだで楽しかった。それはお前がいたからだ、ハルヒ。お前がいなかったら、俺はごく普通のつまらない退屈だらけな毎日を送っていたはずだ」

ハルヒ「……ちょ、ちょっと、キョン……//」ドキドキ

キョン「お前が俺の人生を変えてくれたんだ。俺にとって一番大切な人はお前なんだ、ハルヒ!」

ハルヒ「!///」ズッキューン

キョン「お前が俺の事を同じように大切に思ってくれてるなら、俺と付き合ってくれ! 絶対にお前を退屈で飽きさせたりなんかしない!」

ハルヒ「……キョン!///」ドキドキ

キョン「ハルヒ、返事を聞かせてくれ。お前の口から」

ハルヒ「い、言わなくてもわかるでしょ!// そんなの決まってるじゃないの!///」ドキドキ


ハルヒ「あ、あたしはキョンの事が好きよ! ずっと前から好きだったの!//」


キョン「ハルヒ!///」パアッ

【同時刻 校門近く】


古泉「これはこれは……」

古泉「意外というか……ようやくというか……」

古泉「あるべきところに、鞘が収まったと言うべきか……」

古泉「きっと、祝福するべきなんでしょうね……あの二人を……」

古泉「……少し物悲しくもありますが、こういう結末になるだろうというのはわかっていましたし、その方が彼女にとっては喜ばしいのなら仕方ありません……。僕は、涼宮さんが幸せなら、それで満足です……」

古泉「ただ、せめて二人を冷やかすぐらいはさせてもらいましょうか。とりあえず、長門さんと朝比奈さんにメールを急いで送って……」ピッ、ピッ

【部室】


みくる「……涼宮さんたち、ここに戻ってくるでしょうか」

長門「……不明」

みくる「せめて、キョンくんだけでも戻ってきてくれれば、事情がわかるんですけど……」

長門「…………」ペラッ (本をめくる)

みくる「涼宮さん、泣いてましたし……。キョンくんもちょっと普通じゃなかったですし……」

長門「…………」ペラッ

みくる「何か二人で妙な感じになってなければいいんですけど……」

長門「…………」

ピロリン♪ ピロリン♪

みくる「あ、メール。キョンくんから? ……じゃなくて、古泉くんからですね。ひょっとして、長門さんのも?」

長門「……そう」

みくる「どうしたんでしょうね?」ピッ

長門「」ピッ

『件名』
緊急速報です。

『本文』
涼宮さんと彼がどつき合いをする事になりました。
皆さんで火矢貸しませんか?



みくる「殺し合い!?」

長門「!?」



END

やっぱその後は余分だったかな。とりあえず、これでおしまい
見てくれた人、サンクス

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