ThisMan「ん?」 猿夢「あれ?」 (23)

過去スレ

八尺様「明日暇ぁ?」 メリーさん「空いてるわよ」

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ThisMan「え、この安っぽい電車ってさるちゃんの電車じゃね?」

猿夢「えっと、もしかしてマンさんっすか?」

ThisMan「うんそうだけど、あれ?」

猿夢「え、マンさんこんなところで何やってんすか?」

ThisMan「何って夢に出てんだけど」

猿夢「いえ僕も夢に出てるんですけど」

ThisMan「ん?」

猿夢「あれ?」

ThisMan「…」

猿夢「…」

ThisMan「え、じゃあ何?俺ら標的がかぶったわけ?」

猿夢「…みたいっすね」

ThisMan「どんな不幸だよ標的の男…」

猿夢「いやまあ、マンさんは別に夢に出てくるだけだしいいじゃないですか」

ThisMan「うん、それもそうだけれども」

猿夢「マジかー…どうされます?標的変えましょうか?」

ThisMan「あー、別にいいよ。お前は標的選ぶのに時間かかるっしょ」

猿夢「まあ、ほどほどには」

ThisMan「だったら俺が標的変えるわ。俺は標的の夢に出て好きなことすればいいだけの話だし」

猿夢「そっすね、じゃあそれでお願いします」

ThisMan「ごめんな、急に邪魔して」

猿夢「全然気にしなくていいっすよ、今出口作りますね」

ThisMan「…いや、せっかくだしお前の仕事見学してくわ」

猿夢「は?」

ThisMan「あ、ちょっとまずい感じ?」

猿夢「いや別にそんなことはないですけど…楽しいもんじゃないですよ?」

ThisMan「だろうね」

猿夢「まあ、それでいいならお好きに。好きな座席座っといていいですよ」

ThisMan「どもも」

ガタンガタン ガタンガタン


猿夢「まもなく、電車が来ます。その電車に乗るとあなたは恐い目に遇いますよ~」

ThisMan「おう、知ってる」

猿夢「いやマンさんに言ったわけではなく」

ThisMan「あ、そうなの」

男「なんだ…この電車…」

ThisMan「お、あいつが標的の男だな」

猿夢「結構イケメンですね」

ThisMan「イケメン死すべし、慈悲はない」

猿夢「段階というものがあってだな」

男「…猿の電車みたいだな…小さいころ乗ったやつに似てるかも…」

ThisMan「まあお前の記憶使ってるしなー」

男「…え?誰…?」

ThisMan「うぃす」

猿夢「うぃすじゃないっすよ、話しかけないでください」

ThisMan「めんごめんご」

男(変な人だな…)

猿夢「出発します~」ポッポー


ガタンガタン


ThisMan「お、動いた」

男(どこに行くんだろう…)

猿夢「あ、マンさん」

ThisMan「どしたー」

猿夢「大丈夫だとは思うんですけど、一応怪我とか気をつけてくださいね」

ThisMan「はいはい、了解…ってなんかいつの間にか乗客増えてね?」

猿夢「まあ死ぬ役がいりますからね、その人たちです」

ThisMan「あーなるほど。今日のコースは?」

猿夢「今日はベタに『活け造り』、『抉り出し』、でラスト『挽肉』で終わりです」

ThisMan「おお、ベタだね」

男(あの人さっきから誰としゃべってるんだろう?)

猿夢「次は活けづくり~活けづくりです」

ThisMan「あ、そろそろつくのか」

猿夢「さっきも言いましたけど、怪我とか気を付けてくださいね」

ThisMan「はいさーい」

男「あの、あなたさっきから誰と…」



??「うぎゃあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」グシュッ!



男「!?」クルッ



中年「痛い痛い痛いいたああああああああああ、あああ、あ、ああ゛あ゛あ゛」グチッ!グチッ!


男「な…なん、だ…あれ…」

ThisMan「うお、始まった」


中年「ぎぼ、ぐ、げ」ビクンビクン


男「あ…あ…」ブルブル

ThisMan「…ねえさるちゃん、エチケット袋かなんかない?」

猿夢「え、気分悪いんすか?」

ThisMan「いや俺グロ耐性低くて…うっぷ」

猿夢「なんでそれで『仕事見学したい』とか言ったんすか…」

ThisMan「面目ない…」オエッ

中年「」


ThisMan「…終わったか」

猿夢「っすねー」

男「…」

ThisMan「あちゃー、放心状態だね」

猿夢「反応ありますか?」

ThisMan「ねえな」ペシペシ

猿夢「じゃあ今のうちに中年さんは降りてください。証明書は後で発行しますんで」

中年「あ、わかりました。お疲れ様です」ムクッ

ThisMan「うおおおおおおおおおびびったあああああああああああああああ!!!??」

猿夢「ちょっ、大声出さんといてくださいよ。標的が正気に戻っちゃうでしょうが」

ThisMan「いやいやなんでこいつ生きとん」

猿夢「死んでますよ、死体が死ぬことはないでしょう?」

ThsiMan「は?」

中年「おや、もしかして猿夢さんのご友人の方ですか?」

ThisMan「え、あ、はい。一応」

中年「初めまして、私ここでバイトをさせていただいております    と申します」

ThisMan「え、バイトなの?」

中年「はい、バイトです」

ThisMan「バイトなんだ…」

猿夢「あーすいません中年さん、そろそろ降りてもらえますか?」

中年「あ、申し訳ありません。すぐに降車します」

猿夢「いえいえ、お疲れ様でした。気を付けて帰ってくださいね」

中年「はい、お疲れ様でした。また明日もよろしくお願いします」ペコッ

猿夢「はーい」


カチャッ スタッ スタスタスタ…


ThisMan「…彼、どこに帰るの?」

猿夢「どこって、家でしょう」

ThisMan「答えになってない件」

猿夢「…ああ、マンさんは人を使わないから知らないんですねこういうバイト」

ThisMan「どういうこと?」

猿夢「彼はね、地獄の住人なんです」

ThisMan「え?」

猿夢「彼は生前に罪を犯して、それを地獄で償ってるんですよ」

猿夢「で、地獄では苦痛を受けることで転生までの期間が短くなっていくんですけど」

猿夢「僕みたいな都市伝説は、地獄と契約を結んで転生までの期間短縮を賃金の代わりとしたバイトを募集できるんです」

ThisMan「地獄って意外と資本主義なんだな…」

猿夢「300年くらい前に始まった制度なんでまだまだ利用者は少ないですけどね」

ThisMan「ちなみにここの賃金はいくらぐらいなん?」

猿夢「うちは死給1000年ですね、平均的な賃金だと思います」

ThisMan「相場がわかんねえ…」

ThisMan「ちなみにさっきの彼ってそんなに重い罪を犯したのか?かなり礼儀正しい人に見えたけど」

猿夢「そりゃあ彼は生前は東大を出て大蔵省で官僚やってましたからね」

ThisMan「クッソエリートじゃん、何したんよ彼」

猿夢「あんま深く聞いたことはないですけど、一応地獄の書類には『幼女を監禁、性的暴行を加えたのち殺害して遺体を食した』って書いてありました」

ThisMan「歪みすぎだろ!彼の人生に何があったんだよ!!」


男「…っは!?さっきのは…」

ThisMan「っとと、正気に戻ったみたいだぞ」

猿夢「お、じゃあ次の駅行きますか」


ポッポー

猿夢「次はえぐり出し~えぐり出しです」

男「えぐり…出し?」

ThisMan「エチケット袋ない?」

猿夢「ないです」

ThisMan「っすよねー」

女「いやあああああああああああああああ!!やめてえええええええええええええええええええ!!!!」グリッ!


男「うあ、あ、あああああああああああああああああ!!」

ThisMan「あ、うぷ、やべ、これ、うっぷ」

猿夢「マンさん絶対吐かないでくださいね、掃除面倒なんで」

ThisMan「が、がんばむ」

猿夢「なんて?」

男「なんだよ…なんだよこれえええええええええええ!!」

ThisMan「猿夢だっての、おえっ」

猿夢「ネタバレしないでください」



女「助けてええええええええ、たずげでえええええええええええ!!!」グチッ ボトッ



男「ひっ…」ガチガチガチ

ThisMan「あ、やばいこれ吐kオロロロロロロ」

猿夢「あーあ…それちゃんと自分で掃除してくださいね」

女「あ…ぎ…」バタッ



ThisMan「…終わったみたいだな」

男「」チーン

ThisMan「また正気を失ってるな…」

猿夢「じゃあ女さんはここで降りて、事務所のほうに。そこで証明書を発行しますので」

女「はあい!お疲れ様でしたっ!!」ピョコンッ

ThisMan「うわあこの女の子超元気」

女「あ、猿夢さん!明日のシフト、ちょっと遅くなっても大丈夫ですか?」

猿夢「珍しいですね、何かあるんですか?」

女「えっと…その…『むげんくん』のですね…」

猿夢「ああ、そういえば明日新グッズ発売なんでしたっけ」

女「すいません、その、自分勝手なお願いなんですけど…」

猿夢「いえいえ、大丈夫ですよ。女さん最近シフト多く入ってくれたし、それぐらい構いません」

女「ありがとうございます!!お礼に新グッズプレゼントしますね!!」

猿夢「いや僕はいらn「失礼します!!」スタッ タッタッタ…

ThisMan「…むげんくんって何?」

猿夢「…無間地獄のゆるキャラです」

ThisMan「ええ…(困惑)」

男「これは夢、これは夢、これは夢…」ブツブツ

ThisMan「いやまあ実際夢なんだけどね。意外と夢の中で『あ、これ夢だ』って思うこと少ないよね」

猿夢「マンさん夢とか見るんですか?」

ThisMan「いや俺は見ないよ。ただ今まで俺が夢に出てきても夢であることに気づいてない人多かったなーと思って」

猿夢「へえ、気づかないもんなんすね」

ThisMan「この前調子に乗って女子高校生の夢に入って全裸でリンボーダンスしたら気づかれて夢から追い出されちゃったけど」

猿夢「マンさん何やってんすか」

ThisMan「いやだってさあ、なんかこう、たまにはっちゃけたくならない?」

猿夢「限度ってもんを知りましょうよ…」ポッポー

男「ッ!」ビクッ

ThisMan「お、そろそろ最後の駅?」

猿夢「そうですよ、本日の終着駅」ガチャッ



猿夢「次は挽肉~挽肉です~」


ウイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン



男「ひっ!?な、なんだこれ!!?」

ThisMan「うおっ怖っ」

男「あああああああ゛あ゛あ゛!!これは夢!!!これは夢!!!!これは夢!!!!!」




ブイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ




ThisMan「間に合うかなー?」

猿夢「大丈夫でしょ」



男「覚めろお!!覚めろ!!覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ」




キュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ




猿夢「…大丈夫かなこれ」

ThisMan「お?お?お?」




男「覚めてくれえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」










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ガタンガタン ガタンガタン


ThisMan「いやー危ないところだったね彼」

猿夢「ギリギリでしたねー」

ThisMan「あそこで間に合わずに死んじゃったらどうなるの?」

猿夢「んー、まあ心の可食部分が減るんで効率は悪くなりますよね」

ThisMan「ちなみに今まで死んだ人は?」

猿夢「いますよ、何人か」

ThisMan「うわあ…」

猿夢「まあそれでも普通は大丈夫なもんです。特に若い人なら」

ThisMan「へー、そうだったんか」


ガタンガタン ガタンガタン


ThisMan「…ふう、今日はなかなか面白かったな」

猿夢「あれ、お帰りになられるんですか?」

ThisMan「うん、まあ見るもんみたし。色々ためになる話もありがとな」

猿夢「いえいえ、何もお構いできませんで」

ThisMan「もし機会があれば俺の仕事も見に来てくれな、結構自由で面白いぞ」

猿夢「全裸リンボーは遠慮ですけどね」

ThisMan「それはしねえよ」ハハハ









ThisMan「…それじゃ、またいつか」




猿夢「ええ、またいつか」







ガタンガタン ガタンガタン ガタン…





ThisMan「…ねえ、チェーンのロック外してくれない?挨拶したあとに会話すんのきまずいんだけどさ」

猿夢「気まずいのはわかりますがマンさん」

ThisMan「なんでしょ」

猿夢「自分の吐瀉物、ちゃんと掃除して帰ってくださいね」

ThisMan「…」

猿夢「…」

ThisMan「…」チラッ

猿夢「…」

ThisMan「…」








ThisMan「…地獄で掃除のバイト、探してくるわ」






はい、以上です

ThisManにビンタをぶちかましたい人生でした

最後まで読んでいただき、ありがとうございました
>>1に書きました過去スレもよろしくお願いします


それから、前作で書ききれなかった都市伝説の設定をここに書かせていただきます

・多くの都市伝説は怪異状態と具現状態の2つの状態をとることができる
・怪異状態を保つには霊的なエネルギーが、具現状態になるには物理的なエネルギーが必要である
・怪異状態とは、都市伝説としての姿である。多くはおぞましい姿をしていたり、不可視の存在であったりする(物理法則は通じないことが多い)
・具現状態とは、都市伝説が人間に擬態した姿である。各都市伝説の特徴が体や服装に反映される(物理法則が通じる)


前作ではメリーさんも八尺様も具現状態でしたので、メリーさんはゴスロリ少女、八尺様はノッポ巨乳として周囲に認識されていました。また八尺様が190cmという少し低めの身長になっていたのも、人間として不自然ではない程度に具現化した結果です。実際の八尺様は240cmくらいでおぞましい顔をした化け物です。

この説明を忘れていたために「妖怪なんて基本怖い扱いなんだからこんな美人達が集まってる訳ないんだよなあ」と思われた皆様に謝罪いたします。サーセン。

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