遊真「きのこ?たけのこ?」『ワールドトリガーss』 (166)

<玉狛支部>

修「休憩にしようか」

陽太郎「おやつの時間だ―!」

烏丸「その前に手は洗うんだぞ」

宇佐美「それじゃ私はおやつを取りに――」

小南「栞ー、これどこに直せばいいの?」

宇佐美「あーそれは向こうのね……」

小南「向こうってどっち?」

宇佐美「あー……遊真くん」

遊真「分かった。おれがおやつを取りに行ってこよう」



遊真「……と、取りに来たはいいが今日のおやつは」

遊真「ふむ、珍しいな。どらやきじゃないのか」

遊真「二種類あるみたいだが……どっちも持って行くか」

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陽太郎「お・や・つ! お・や・つ!」

小南「こら、はしゃがないの」

遊真「持ってきたぞ」

宇佐美「あ、遊真くんありがとね」

遊真「それにしても珍しいな。どらやきじゃないなんて」

宇佐美「そういえば今日のおやつの買い出し頼んだのは……」

陽太郎「いいから、早くおやつをよこすんだー!」

小南「だからはしゃぐなって!」

修「そういえば千佳とレイジさんは?」

烏丸「まだ訓練中みたいだな」

遊真「ほれ」

机の上に持ってきたおかしの箱を置く遊真。



――遊真は近界民(ネイバー)ゆえに、未だこの世界の知識に疎い。

だから、彼は知らなかったのだ。



『きのこの山』



『たけのこの里』



無造作に置いたその二種類のおかしが。

メテオラ以上の破壊力を持つ組み合わせだということに。

修「……っ!?」

宇佐美「……っ!?」

一瞬で事態を把握するメガネ二人。

陽太郎「……?」

ピンとこないお子様。

烏丸「たけのこの里ですか。久しぶりに食べたいと思ってたところでした」

小南「きのこの山ね。まあまあのチョイスじゃない」

烏丸・小南「「…………ん?」」

そして無意識に着火する二人。

小南「……とりまる。今あんた何て言った?」

烏丸「小南先輩こそ今なんて言いましたか?」

小南「きのこの山がいいチョイスだと言ったのよ」

烏丸「そうですか。ちなみに俺はたけのこの里を久しぶりに食べたかったと言いました」

小南「………………」

烏丸「………………」



遊真「……? どうしたんだ、二人とも睨み合って」

修「く、空閑! あのおかしはどうしたんだ!?」

遊真「どうしたも何も置いてあったから持ってきただけだぞ」≡3≡

小南「そう、あんたあんな食べにくいものが好きなのね」

烏丸「小南先輩こそあんなクッキーとチョコ一緒になってる意味があるのか分からない食べ物が好きなんですね?」

小南「分かってないわね。きのこの山のスナック部分はクラッカーよ。そんなことも知らないなんて」

烏丸「へえ。そうだったんですか。きのこの山なんてどうでもいいんで知らなかったです」

小南「ほら、そうやっていつもたけのこの里は自分の方が優秀だと思い込む」

烏丸「実際優秀ですよ。売り上げでもたけのこの里の方が勝っているじゃないですか?」

小南「売り上げで勝っているからっておいしいっていうわけじゃないでしょ。きのこの山の美味しさは分かる人には分かるのよ」

烏丸「多くの人が好んでいる方が総合的にはおいしいという判断になると思いますが?」

小南「………………」

烏丸「………………」

陽太郎「ふ、二人ともケンカはよ、良くないぞ」

小南「陽太郎はどっちなのよ」

陽太郎「……え?」

小南「もちろんきのこの山の方が好きよね?」

陽太郎「いや、それは、その」

小南「ね?」

陽太郎「ひ、ひぃっ……!!」

烏丸「小南先輩、そんな剣幕で子供に聞いたらかわいそうじゃないですか」

陽太郎「と、とりまる……!」

烏丸「まあ、もちろん陽太郎はたけのこの里派に決まってるよな?」

陽太郎「………………」

宇佐美「二人ともそこまで。子供相手に大人げないよ」

陽太郎「うう、怖かった」

宇佐美「よしよし」

小南「……栞はどっちなのよ?」

宇佐美「私? ……悪いけど、私はたけのこの里かな」

烏丸「ほらな」

小南「な、何でなのよ!?」

宇佐美「んー、何でって言われても好みの問題としか」

宇佐美「あーでも、別にきのこの山の方が下とか思っているわけじゃないよ。普通にきのこの山だって食べるし」

宇佐美「けど、まあどっちかって言われるとたけのこの里ってだけ」

烏丸「見ましたか小南先輩。この誰にでも好かれる味がたけのこの里の魅力なんですよ」

小南「ぐぐっ……」

烏丸「二対一ですね」



遊真「それにしても二人はさっきから何を争っているんだ? 修、分かるか?」

修「……ああ、そうか。空閑はまだ40年に渡って続くきのこたけのこ戦争のことを知らないんだな」

遊真「40年? そんなに長い間戦争が続いているのか?」

修「そうだ。……詳しいことは後で教えるよ」

小南「修、ちょっとこっち来なさい!!」

修「今は話す余裕が無さそうだから」

修「それで小南先輩何の……」

小南「分かるでしょ。あんたはどっち派なのよ!?」

修「やっぱりそれですか」

烏丸「修はもちろんたけのこに――」

小南「きのこで――」

烏丸・小南「………………」

宇佐美「あれ、二人とも急に黙ってどうしたの?」

小南「やっぱいいわ」

烏丸「修のことだから『どちらか優劣を付けるのは間違っています』みたいな正論を吐くんだろう、どうせ」

宇佐美「あー確かに」

宇佐美(敵対していた二人をして一致する修くんの真面目さだね)









修「……えっと、一応ぼくはきのこ派なんですが」

烏丸・小南・宇佐美「…………!?」

小南「そうよね! やっぱりそうよね!!」

小南「修! あんたはやればできるメガネだと思ってたわ!」バンバン!

修「ちょ、痛いです、小南先輩」

烏丸「……修、おまえそれは本気で言っているのか?」

小南「往生際が悪いわよ。ちゃんときのこ派だって言ったじゃない」

烏丸「理由があるんだろう? 小南に賄賂でも渡されたか?」

修「いえ、そんなのじゃないですけど……一応理由はあります」

宇佐美「ほう。聞かせて、聞かせて」

修「そのぼくはあまり買い食いするタチじゃないので、お菓子っていったらここで食べるものか、家で母親が買ってきたのを食べるってことになるんですよね」

烏丸「……つまり親がきのこ派で、それに洗脳された結果って訳か」

修「洗脳っていうとタチが悪いですけど……まあ、一度もたけのこの里を買ってきたことは無いですね」

宇佐美「修くんの母親ってあの美人さんでしょ? ……へえ、きのこ派だったんだ」

修「ぼくも幼いころは疑問に持ってなかったのですが、成長してきのこたけのこ戦争の事を知った辺りで母さんに一回理由を聞いてみました」

小南「どういう理由だったのよ」

修「それが……」

三雲香澄『どうしてきのこの山しか買ってこないのかですって?』

修『うん、ちょっと気になって』

三雲香澄『そうね……その理由は簡単よ』

修『何?』

三雲香澄『たけのこの里はスナック部分が小さくて掴み難いもの』

三雲香澄『その点、きのこの山はちゃんと持ちやすくて食べやすい』

修『まあ、そうだけど』

三雲香澄『たけのこの里には親密さが足りないのよ、親密さが』

修『は、はあ……』


――――――――――――――

修「……という感じに言われまして」

宇佐美「ええと……独特な言い回しだね」

小南「まあ、何はともあれ二対二よ!」

烏丸「修……今日限りで師弟関係解除な」

修「え……!?」

今日はここまで。
玉狛編後編、明日投下できればーと思っています。

これ本部も巻き込むやつですよね?

烏丸先輩はこなみんのことは先輩呼びじゃねっと
あとこの話題に関しては本部にあの方が・・・

その点、トッポってすげぇよな、最後までチョコたっぷりだもん。

やはりアルフォートですよ

すぎのこ村こそ至高

>>15 その予定です

>>19 ミスです、すいません。

>>22 >>23 >>26 異教徒が出たぞー!

では、玉狛編後編開始したいと思います。

修「ほ、本気ですか!?」

烏丸「そうだ。きのこ派の弟子など取った覚えは無い」

小南「しょうがないわね。なら私が修の面倒見るわよ」

宇佐美「えっと……さすがに冗談よね、とりまるくん?」



遊真「ふむふむ、何となく分かったぞ」

千佳「どうしたの遊真くん」

遊真「おう、チカ。訓練終わったのか?」

千佳「うん。今から休憩」

レイジ「……それよりあの四人はどうしたんだ?」

カ、カラスマセンパイ ダイジョウブヨ、オサム!ワタシガツイテイルワ! スイマセン、ウソデス、コナミセンパイ ヨカッター

レイジ「何かいつもと雰囲気が違う感じだが」

空閑「ああ、それならこれが原因みたいだ」

『きのこの山』『たけのこの里』

レイジ「この組み合わせは……」

千佳「えっと……これが今日のおやつ?」

遊真「そうでもあり、あの四人を争わせている原因でもある」≡3≡

レイジ「昨日おやつの買い出しに行ったのは……ああ、そういうことか」

遊真「ようするにあの四人はこのお菓子のどちらが好きかということで争っているみたいだ」

千佳「きのこの山とたけのこの里……」

遊真「修に聞いたところ40年も争い続けているみたいだ」

千佳「そうなんだ」

遊真「それにしても木戸派、忍田派、玉狛派、そしてたけのこ派ときのこ派。……ボーダーの中でどれが一番大きい派閥なんだ?」

千佳「あ、えっとそれはね遊真くん……」

遊真「いや、それだと玉狛派の中でもたけのこときのこに分かれていて……ダメだ。分からなくなったぞ? チカは何か知っているか?」

千佳「えっと……どこから説明すれば」

レイジ「おまえら何をしている」

修「あ、レイジさん」

小南「ちょうどいいところに来たわね」

烏丸「現在二対二。……これで決着を付けましょうか、小南先輩」

小南「望むところよ」

レイジ「……?」

宇佐美「ごめんねレイジさん。ちょっと質問なんだけど、きのこの山とたけのこの里どっちが好き?」

小南「………………」 ゴクッ

烏丸「………………」 ゴクッ



レイジ「そんなのどっちもおいしいに決まっているだろ」



修(言い切った……!?)

レイジ「全く、おまえらそんなことで争っていたのか?」

小南「そ、そんなことって……」

烏丸「これは譲れない戦いなんです、レイジさん」

レイジ「どっちが好きか主張するのまではいいとしよう。だとしてもそれを理由にもう一方が劣っているだとか、攻撃する理由にしていい理屈は無いぞ」

小南「それは……」

烏丸「ですね……」

修「まるで今までの経緯を見てきたかの発言ですね」

レイジ「そこで震えている陽太郎を見れば大体想像がつく」

陽太郎「ううっ……」 ブルブル

宇佐美「よしよし」

遊真「ようやく分かったぞ。たけのこ派ときのこ派はボーダー内だけの派閥じゃなかったんだな」

千佳「そういうこと」

修「あ、空閑と……千佳も休憩入ったんだな」

千佳「うん」

遊真「それにしてもそんなに違うか? きのことたけのこってやつ」

遊真「食べてみたけど、どっちもおいしかったぞ」

レイジ「その通りだ。どっちもおいしいそれが結論でいいだろう」

レイジ「なのにこの二人は……」

小南・烏丸「「すいません、レイジさん」」

修「話もまとまったみたいですし、落ち着いておやつでも食べましょうか」

宇佐美「……いや、まだだよ」

修「え?」

レイジ「そうだな……もう一人出てこないといけない人物がいるはずだ」

遊真「もう一人? 誰だそれは?」

宇佐美「そもそも遊真くんが『きのこの山』と『たけのこの里』どっちも持ってきたことから今回の争いは始まったんだけど」

宇佐美「遊真くんは持ってきただけで……その二種類を用意した人は別にいるんだよ」

修「おやつを用意するのって宇佐美先輩じゃなかったですか?」

宇佐美「それが昨日はちょっと忙しくて別の人に頼んだの」

レイジ「俺もそれは見ていた」

修「別の人って……」

レイジ「そもそも今回の騒動はこっちの世界の知識に疎い遊真がおやつの運び手を務めなければ起きなかった。普通の人なら二つを一緒に持ってくるなんてことはしない」

宇佐美「つまりその未来が見えていたのは誰?」

小南「……あー趣味が暗躍のあの人ね」

烏丸「だったらどこかでこの騒動を見て楽しんでいそうですけど――」



迅「その通り!!」

扉を開けて入ってくる仁悠一。

修「あ、迅さん」

迅「いやー中々だった。見ていて楽しかったよ」

宇佐美「もう悪趣味だよ、迅さん」

迅「まあまあ。いいじゃん、たまにはこれくらい」

レイジ「そもそもどうしてこんなことをしたんだ?」

迅「いやさ、昨日お菓子の買い出しに行ったときにフェアでもしてたのか『きのこの山』と『たけのこの里』が大々的に売ってて」

迅「これをどっちも買って行ったら面白いことになる……っておれのサイドエフェクトがそう言っていてさ」

レイジ「はぁ……」

遊真「特に深い理由は無いんだな」

小南「ところで迅! あんたはどっち派なのよ!?」

烏丸「そうですよ。教えてください」

修「……あの、レイジさん。あの二人まだ争う気満々ですが」

レイジ「もういい。放っておく」

迅「あー、おれ? おれは――――」






迅「ぼんち揚げ派だぞ」





迅以外「「「………………」」」

迅以外(((ですよねー)))

小南「結局陽太郎もどら焼き派だって分かったし」

烏丸「玉狛支部では二対二の引き分けだな」

レイジ「これ以上争うなっていう天の啓示だろう。分かったら普通に休憩するんだな」



修「ああ、そういえば空閑。きのこたけのこ戦争について話しするってことだったが」

空閑「それならもう大丈夫だ。チカに詳しく聞いたぞ」≡3≡

千佳「うん」

修「そうか……ならいい。お菓子でも食べよう」

空閑「そうだな」

迷いなく『きのこの山』に手を伸ばす修と……千佳。

修「…………あれ? そういえば聞いてなかったけど、千佳はどっち派なんだ?」

千佳「わたしはきのこ派だよ、修くん」

小南「本当!!?」

千佳「わ、小南先輩」

小南「きのこ派なの、千佳ちゃん!?」

千佳「はい、そうですけど」

小南「本当に、本当!?」

千佳「本当に本当です」

小南「ふっふっふ……聞いたわよね、とりまる」

小南「千佳ちゃんもきのこ派……つまり玉狛支部では三対二できのこ派の圧勝よ!!」

宇佐美「三対二じゃ圧勝じゃないと思うけど」

烏丸「う、嘘だ。たけのこが負けるなんて……」

遊真「チカはきのこ派なのかー。どうしてなんだ?」

千佳「あ、えっと修くんの影響かな」

修「ぼくの?」

千佳「正確には修くんのお母さんの影響かな。修くん家に遊び行くと『きのこの山』出されるし」

修「言われてみれば」

烏丸「くそっ、きのこ派め。正面からじゃ勝てないからと、子供に洗脳ばかりしおって」

小南「何とでもいいなさい! 負け犬の遠吠えが心地いいわ!」

烏丸「ぐっ……」

小南「大勢に支持されている方が総合的においしい……だったかしら。その理屈で行くと『きのこの山』の方がおいしいっていうことになるわよね?」

烏丸「違う……もっと大勢に聞けば……ここが特殊なだけのはずだ……!」



レイジ「…………」 モグモグ

迅「えっと……レイジさん」

レイジ「もう俺は止めんぞ。やるなら仕掛けた張本人がするべきだ」

迅「あー……まあそれはそうだけど」

迅「あそこまでヒートアップするとはおれのサイドエフェクトはそう言って無くて」





結局迅としぶしぶ協力したレイジのおかげによって争いは止まりかけるものの

そのとき、本部に行ってた林藤支部長が帰り、たけのこ派だと分かって

玉狛支部で三対三になった烏丸が息を息を吹き返し

また争いが再燃すると迅もレイジも諦めるのだった

玉狛編完。

すいません、思いっきり誤字りました。>>35迅悠一です。
というわけで現在の勢力はきのこ3たけのこ3どら焼き1ぼんち揚げ1中立2です。

次はたぶん嵐山隊あたりになるかと思います。

菊地原「コアラのマーチがいい」

風間「....」ジャキン

ボーダレスミッション発売しましたね。一通りクリアしました。
とりあえず自分としては満足な出来。ショットガン千佳で暴れるの楽しいです。

というわけで久しぶりですが、嵐山隊編投下します。

<玉狛支部での騒動から数日後>

修「これ、宇佐美先輩からです。この前のお礼だということみたいですが」

嵐山「そうか、ありがとな三雲くん」

綾辻「やったーいいとこのどら焼きだ」

時枝「お茶入れますか?」

木虎「私が入れます」

修(宇佐美先輩からの届け物を預かって、本部の嵐山隊室に来た)

修(どうやらタイミングが良かったらしく、嵐山隊全員が部屋にいる)

佐鳥「俺のツインスナイプ見た? 見た?」

空閑「おう。見てたぞ」

修(疑問なのは僕一人だけで大丈夫なおつかいに空閑もついて来たことだが……)

修(来る途中、緑川に誘われたのに断ってまでついて来て……どういう風の吹き回しだろうか?)

佐鳥「ところでそっちに持ってる包みは……?」

空閑「これか?」

修(佐鳥先輩が空閑の持っている包みを指さして聞く)

修「僕も気になってたんだが、それは何なんだ?」

空閑「これは迅さんが嵐山隊に渡して欲しいと預かったものだ」

嵐山「迅が?」

空閑「そうだぞ。中身はお菓子だって言っていた」≡3≡

綾辻「どら焼きに加えて今日のおやつは豪華ですね」

修「迅さん……お菓子…………」

修(…………悪い予感しかしない)

木虎「お茶入れてきました」

時枝「ありがとう木虎」

修「空閑。その中身だけど……」

空閑「ん……ああ。大丈夫だぞ、ちゃんと確認してある」

修「そ、そうか……」

修(ふう……どうやら思い過ごしだったみたいだ)

佐鳥「中身見ていい?」

空閑「いいぞ」

修(佐鳥先輩が包み紙を開ける。その中から出てきたのは――――)






『きのこの山』  『たけのこの里』





全員「「「………………」」」



修(迅さんーーっ!? 何してるんですかーーっ!???)

修「ちょ、ちょっと待て空閑。さっき中身を確認したって言ったよな?」 コソコソ

遊真「確認したぞ」 ヒソヒソ

修「ならどうして……まさか途中で中身がすり替えられたとか……」

遊真「いや、そうじゃないぞ」

修「……?」

遊真「確認して『きのこの山』と『たけのこの里』だと分かっていて大丈夫だと言ったんだ」

修「えっと……?」

遊真「この前の騒動何だかんだ見ていて楽しかったからな。迅さんが『今回も面白くなる。おれのサイドエフェクトがそう言っている』って太鼓判を押してくれたし」

遊真「だからミドリカワとの誘いを断ってまでこっちに付いて来たんだ」

修「………………」

修(駄目だ。空閑が迅さんの悪いところに影響されている……!)

修(まずい、このままじゃ前回の二の舞になる……!)

修(どうにか平和的に解決する方法を――)

時枝「全く迅さんも悪趣味ですね」

嵐山「……そうだな。この二つを持って行って争うところでも見たかったのか?」

修(――考えないと……ってあれ?)

空閑「ふむ」

修「……そうか」

修(前回は最初迅さんの仕業だと分からなかったから、唐突に振ってきた事態に争いが勃発してしまった)

修(けど今回はそれが分かっているから、きのこ派たけのこ派お互いにではなく、迅さんの方に矛を向ければいい)

修(それが分かっているのか時枝先輩、ナイスフォローだ)

修(このままきのこ派、たけのこ派ともに攻撃を仕掛けなければ事態は収束して――)





木虎「全く、たけのこの里を好む人の気が知れないですね」

修「………………」

修(……い、いや。まだだ。これに反応するたけのこ派がいなければまだ事態は軽く――)

綾辻「むー。それはちょっと聞き捨てならないな」

修「………………」

木虎「もしかしてたけのこ派なんですか?」

綾辻「どちらかと言えばって感じだけど、そんな風に一方的に悪く言われると反論したくなります」

木虎「あんな掴み難いものお菓子としてあり得ません」

綾辻「あんなに軽いものお菓子としてどうかと思うな」

木虎「………………」

綾辻「………………」



時枝「どうしますか、これ」 ヒソヒソ

修「時枝先輩……本当すいません」 ヒソヒソ

時枝「謝る必要は無い。悪いのは三雲くんじゃなくて迅さんだから」

修「それは………………そうですけど」

時枝「今はこの事態をどう収集するかが大事」

木虎「佐鳥先輩はどっち派ですか?」

佐鳥「え、オレ?」

綾辻「そうですね、気になりますね」

佐鳥「そうだなー、きのこ好きなんだけど時々開けるとスナックとチョコが分離してるのが気になるのよねー」

佐鳥「かといってたけのこも溶けてぐちゃっと塊になってることあるし」

佐鳥「あーけど、きのこの方が食べやすいってのもあるか」

佐鳥「けどぶっちゃけたけのことあんまり変わらなくね」

木虎・綾辻「「結局どっち派なんですか!?」」

佐鳥「うおっ!? どっち派かって言われると……どっちも好きだぜと言うしか」

木虎・綾辻「「なら黙っててください!」」

佐鳥「は、はいっ!!」

空閑「陽太郎の時も思ったが、どっちつかずっていうのは難しいな」

修「佐鳥先輩……ご愁傷様です」

修(どっち派にも付かないというのが一番争いを起こさないように見えるが)

修(レイジさんみたいにスパッと言い切るか、迅さんみたいに相手を呆れさせるかでもしないとどっちからも怒りを買う結果となってしまう)

嵐山「まあまあ俺たちが収めてくるから安心してくれ、三雲くん」

修「嵐山さん……」

嵐山「というわけだ、行くぞ充」

時枝「分かりました」

修(自信満々に向かう二人だけど……大丈夫なのか?)

嵐山「まあまあ、争いはそこまでにしようぜ」

時枝「せっかく木虎が入れたお茶が冷めます」

木虎「……嵐山先輩はどっち派なんですか?」

綾辻「そうですね、気になります」


修「仲裁の言葉も全く聞いてない……」

空閑「とりまる先輩とこなみ先輩もあんな感じだったな」


嵐山「あー……俺はな」

嵐山「どっち派にも付かないようにしているんだ」

木虎「……?」

綾辻「どっち派にも付かないですか? 妙な言い回しですね」

嵐山「ああ。副と佐補がそれぞれきのこ派とたけのこ派でな。俺がどっちかに付けばバランスが崩れてしまうからな」

木虎「……なるほど」

綾辻「嵐山さんらしいですね」



空閑「上手く交わしたな」

修「そうだな」

修(自他ともに認めるブラコン・シスコンを両立する嵐山さんだからこそ出来る二人を納得させる理由だ)

木虎「時枝先輩は?」

時枝「……どっちも好きというしかないですね」

時枝「手軽に食べたいときや、あまり手を汚したくないときはきのこの山の方がいいですし」

時枝「やっぱり男ですから、たけのこの里の詰まった感じがいいときもありますから」

木虎「そうですか」

綾辻「残念です」


修(お互いのメリットを客観的、主観的に分けて評価する)

修(どっちつかずだった佐鳥先輩とは大違いだな)

空閑「んー……面白くないぞ」

木虎「大体たけのこの里はですね――」

綾辻「それを言うならきのこ派は――」



修(援軍が望めなかったからか、一対一で言い争う)

嵐山「……すまない、止めることが出来なかった」

時枝「あそこまで執着心が強いとは」

修(二人も頑張っていたが、争いを止めるには至らなかった)

修「いえ、二人とも頑張っていたと思いますよ」

嵐山「しかしどうするか」

時枝「このままではままならないですね」

修「そうですね」

空閑「………………」

修(さっきから空閑が妙に黙っている)

修「どうしたんだ?」

空閑「いや、そろそろ後始末だと思ってな。あんまりやりすぎると前回みたいに引っ込みがつかなくなる」

修「後始末……?」

空閑「ああ。この前迅さんは面白半分でやったことがあんな騒乱になったことを悔いていたみたいだ」

修(……だったらまたこんなことしないでほしいんですが)

空閑「だから今回はきちんと争いを収める方法も見てきたらしい」

修「えーと……つまりどういうことだ?」

空閑「要するに俺はその方法を教えてもらったんだ。今から二人の争いを止めてくる」

修(そう言って空閑は綾辻さんと木虎の方に向かっていく)



空閑「木虎」

木虎「自分たちが大多数だからって優れていることには――って、そういえばいたわね。どうしたかしら?」




空閑「とりまる先輩はたけのこ派だぞ」



木虎「………………え?」



修(目に見えて動揺している木虎)

木虎「う、嘘よね……? そ、そんなこと」

空閑「おれはつまらない嘘はつかない」

空閑「とりまる先輩はきのこ派を絶対に認めない生粋のたけのこ派だ」

木虎「そ、そんな……」

空閑「現にきのこ派だって分かった修を弟子として認めないとまで言ったからな」

木虎「み、三雲くん!!この話は……」

修「あー……えっと一応本当ですよ」

木虎「………………」 ガーン

空閑「よし、これで争いも止まった」

木虎「………………」 チーン

綾辻「だ、大丈夫?」

嵐山「木虎しっかりしろ!」

修(魂が抜けたかのようになっている木虎にさっきまで対立していた綾辻さんも心配している)

空閑「一件落着だな」

修「……そうなのか?」

時枝「後はこっちでどうにかするから。玉狛は確かこれから防衛任務のはず」

修「そうなんですけど……本当にすいません」

空閑「よーし、帰るぞ」


修(後ろ髪引かれる思いながらも嵐山隊室を出る)

修(争いは何も生まない、と心から思った)

嵐山隊編終了。

ぶっちゃけもうネタ切れなんで次は超短編で何人かやって終わりにします。
那須さんとか出したいけど、ネタ思いつかない。……そもそもどっち派なんだろう。

とりあえず堤が出ることは確定。ネタはご察しの通りで。

諏訪「男だったらたけのこだろうが」
小佐野「私おとこじゃないし、きのこ派だしー」
笹森(堤先輩早く帰ってきて…)

一方、堤大地は死んでいた
ここまで想像はできた

三輪「俺はたけのこ派だ!!きのこなぞ認めん!!敵だ!」トリガ-オン!

奈良坂「えっ」ガ-ン

米屋(秀次のお姉さんがたけのこ派だったからなー)シュウジ オチツケ

古寺(言えない...パイの実派だなんて言えない...)


 >>1です。原作でカメレオンが流行った理由を痛感する日々。今のマイブームはミニレプリカ付けた槍の急降下爆撃です。

 さて、前回堤を出すって書きましたが、時系列的に三バカ編の方がやりやすかったていうのと、筆が乗ったのもありそっちから行きます。
 超短編とか言ってましたけど、結局嵐山隊と同じくらいの量になりました。

<A級三バカ編>

米屋「よーっす」

空閑「お、よーすけ先輩。久しぶり」 ←修とは別れて一人

出水「俺もいるぜ」

空閑「出水先輩も久しぶり」

緑川「あ、遊真先輩! さっきは誘い断ってどこに行ってたの?」

空閑「ちょっとおつかいにだな……そうだ」

空閑「三人にちょっと聞きたいことがあるんだけどいいか?」

米屋「なんだなんだ? 何でも聞いてくれ」

空閑「じゃあ聞くけど……みんなはたけのこ派なのか? それともきのこ派なのか?」

米屋「……そういえばそのことで玉狛がこの前騒動になったって聞いたが」

緑川「あ、迅さんが仕掛け人だったって聞いたよ」

空閑「その騒動の時にきのこ派とたけのこ派について知ってな。今も嵐山隊に聞いてきたところだ」

米屋「うおっ、マジかよ。確か木虎がきのこ派で綾辻がたけのこ派だろ? 戦争不可避だったんじゃねえか」

出水(どこでそんな情報を仕入れてるんだ……?)

空閑「そうだな。……ああ、一応後始末はしておいたぞ。とりまる先輩がたけのこ派だって言ったら、木虎の活動が停止した」

出水「うわー……それはきついだろ」

米屋「それにしてもまさか近界民(ネイバー)にそんなことを聞かれる日が来るとはな」

出水「別に教えることに抵抗は無いが……」

緑川「あ、じゃあオレから発表していい?」

米屋「……いや、ちょっと待て。折角だし勝負にしようぜ」

空閑「勝負?」

米屋「ああ。ルールはシンプル。誰が何派なのか予想して当てる。当てた数が多い奴が勝ちだ」

出水「……面白そうじゃねえか。乗ったぜ」

空閑「いい提案だな」

緑川「オレも乗った!」

米屋「よし、じゃあまず緑川のから予想しようぜ」

出水「緑川か……」

空閑「ふむ」

緑川「ふふーん、当たるかな?」

米屋「俺はもう決めたけど、最後に発表させてもらうぜ」

出水「緑川といえば……お子様、小さい」

緑川「失礼だなー。14歳相応の身長はあるって」

出水「つまり食べやすいきのこ派だ!」

緑川「ふーん。YES……かもしれないね、果たしてどうかなー?」

米屋「白チビ、おまえはどう予想するんだ?」

空閑「緑川」

緑川「ん、何?」

空閑「おまえつまんない嘘つくね」

緑川「……?」

空閑「出水先輩の問いかけにYESと言ったあれ、嘘だろ?」

出水「あ、ちょっと待て! サイドエフェクト使うのかよ! ずりぃだろ!」

空閑「サイドエフェクト使っちゃいけないってルールは無かっただろ?」

米屋「確かにそうだな」

空閑「おれは緑川がたけのこ派だと予想する」

米屋「出水がきのこ派で白チビがたけのこ派か」

出水「ちょっと待て! 俺も予想変更する! 緑川はたけのこ派だ!」

空閑「……ん、それは」

出水「予想変更しちゃいけないってルールも無かっただろ。まだ結果発表してないしアリのはずだ!」

空閑「よーすけ先輩」

米屋「まあいいんじゃねえの。確かにそういうルール決めてないし」

出水「よしっ」

米屋「ま、どっちにしろ意味が無いんだけどな」

空閑「……?」

出水「何言ってんだ?」

緑川「あ、これでよねやん先輩もたけのこ派だって予想したら勝負がつかないじゃん」

米屋「そういうこと。当然俺もたけのこ派だって予想する」

米屋「――――と思うじゃん?」

空閑「……?」

出水「違うのか?」

米屋「おまえらなあ、よく思い出せよ。緑川のことを」

空閑「……?」

出水「……?」

米屋「きのこ派が嘘だと見破ったそこまではいい。けど、それイコールたけのこ派ってことじゃないだろ」

空閑「……あ」

出水「…………そういや」

米屋「俺は『きのこたけのこどっち派』かじゃなくて、ちゃんと『何派』かを予想しろって言った。つまり緑川の性格からしてやつは――」




米屋「ぼんち揚げ派だ」



空閑(そういえば……)

出水(緑川といえば迅バカ……!)



緑川「よねやん先輩大正解ー!!」

米屋「これでリードだな」

出水「くそっ!」

空閑「……一本、取られたな」

米屋「次で挽回するんだな」

緑川「それで次は誰の予想するの?」

出水「次は米屋だ! 絶対に当ててやる!」

空閑「それがいいな」

米屋「まあいいぜ。じゃあ予想してみろよ」

出水「米屋といえば……」

空閑「よーすけ先輩といえば……」

緑川「よねやん先輩といえば……」

出水「槍バカだ」

空閑「槍バカだな」

緑川「槍バカだね」

三人(((つまり形が似ている――)))

三人「「「きのこ派だ(だな)(だね)!!」」」

米屋「……すっげえシンクロ率。打ち合わせでもしたのか?」

米屋「まあいいや。じゃあ三人ともきのこ派って予想でいいんだな?」

出水「ああ」

米屋「そうか……じゃあ正解発表と行こうか」

出水「…………」

空閑「…………」

緑川「…………」

米屋「大正解――と、思うじゃん?」

出水「……なんだよ間違っているとでも言うのか?」

米屋「残念ながら俺は……『アルフォート派』なんだな」

出水「………………」

空閑「………………」

緑川「………………」

米屋「どうした? みんな黙りこくって」

出水「トマホーク!!」 ドカン!!

米屋「うわっ! 危ねえじゃねえか!!」

出水「そんなの分かるか!!」

出水「全く、この異教徒が」

米屋「まあまあ。それを言うなら緑川だってそうだろ?」

米屋「つうかチョコ菓子である分、俺の方がマシっていうか」

出水「やつはいいんだよ、迅バカだからな」

緑川「まあね」

空閑(今のは褒め言葉なのか……?)

出水「それに比べて……アルフォートってなんだよ」

出水「おまえ槍バカなのに、きのこ派じゃないとかキャラがぶれてるぞ」

空閑「そういう問題なのか?」

出水「アルフォート派なら盾バカかレイガストバカにでもなっとけ」



米屋「ははは……よし、じゃあ最後の予想と行こうぜ」

緑川「次はいずみん先輩かー」

出水「ふん、当てられるもんなら当てて見ろ」

空閑「ふむ……」

米屋「つっても大体予想は付いてんだけどな」

緑川「え、なになに?」

米屋「簡単なことだ。あれほどまで俺のことを異教徒呼ばわりしたんだ」

米屋「その出水がきのこかたけのこ派じゃなかったら……どうなる?」

空閑「ものすごいブーメランだな」

米屋「そういうことだ」

出水「…………」

米屋「どうした何か反応しないのか?」

出水「するわけないだろ。そこに嘘を見破れるサイドエフェクト持ちがいるっつうのに」

空閑「狙ってたのに」

米屋「あとはどっち派かだが……それは各々で決めろ」

緑川「了解ー」

空閑「分かったぞ」

米屋「つってもこれ以上は考えても分かる問題じゃないし……俺はきのこ派だと予想する」

緑川「じゃあたけのこ派で」

緑川「ていうかよねやん先輩と一緒の予想しても勝負に勝てないしね」

空閑「そうだな。じゃあ俺もたけのこ派だ」

出水「お、みんなの予想が出そろったな。正解発表と行くか」




出水「正解は……『パイの実』派でした」



米屋「………………」

空閑「………………」

緑川「………………」

出水「どうした? みんな黙りこくって」

米屋「幻踊弧月!!」 シュッ!!

出水「うおっ、危ねえだろうが!?」

米屋「俺にあれだけ言っておいて、自分はきのこでもたけのこでも無いとか」

出水「それはそれ、これはこれだろ」

緑川「いや、同じ問題だと思うけど……」

空閑「ふむ……にしてもどうしてパイの実派なんだ?」

出水「え……ああそれは俺も昔はたけのこ派だったんだが………………」

米屋「……?」

空閑「それで?」

出水「……すまん、やっぱ無しで」

米屋「匂うな」 キラーン

緑川「何か隠したね、いずみん先輩」 キラーン

出水「ば、馬鹿言うなよ! 別に隠したことなんて――」 アタフタ

空閑「おまえつまんないウソつくね」

出水「くそっ、そういえばおまえがいたか!!」 ダッ!

米屋「逃がすか!!」

出水「……さすがに三対一は無理か」 ←取り押さえられた

米屋「さーて、さっき隠した理由を教えてもらおうか」

緑川「もらおうか」

空閑「言っとくけどウソは通じないからな」 キラーン

出水「くそっ……分かった、分かった」

出水「話すけど絶対に言いふらすなよ」

<回想>

柚宇「ねえねえ」

出水「どうした、柚宇さん」

柚宇「たけのこ派? それともきのこ派?」

出水「……ええと、いきなりどうしたんだ?」

柚宇「いいから」

出水「たけのこ派……だけど」

柚宇「んー唯我と同じか。なかなか同士が見つからないなあ」

出水「マジか。唯我もたけのこ派なのか」

柚宇「うん、そうだよ~」

出水「じゃあ太刀川さんは?」

柚宇「んーそれが『その質問は止めてくれ……お願いだ、止めてくれ』って答えた後ちょっと鬱になって」

出水「何だそれ?」

柚宇「にしても見つからないなあ、パイの実派」

出水「……あ、きのこ派じゃないんすね」

柚宇「そうだよ~。おいしいと思うんだけどな」

出水「へえ」

柚宇「というわけで布教しようと思う」つパイの実

出水「え、おれにですか? けど、おれは生粋のたけのこ派なんでそう簡単に寝返るなんてことは――」

柚宇「はい、あーん」

出水「……へ?」

柚宇「ほら、口を開けて」

出水「………………って、いやいやいや」

出水「そんなことしなくても自分で食べられる――」

柚宇「はやく」

出水「…………あーん」 ←諦めた

柚宇「ひょいっと」

出水「……ん」 モグモグ

柚宇「どう? おいしいでしょ?」

出水「え、あ、はい……おいしいです」

柚宇「よーし、じゃあもう一個いってみよ~」

<回想終了>


米屋「なるほどねえ、あーんか」 ニヤニヤ

緑川「国近先輩のあーんだね」 ニヤニヤ

空閑「パイの実派に転向した決め手はあーんなのか」 ニヤニヤ


出水「ちくしょうっ!! こうなるのが分かってたから話したくなかったんだよっ!!」

 三バカ編終了。
 柚宇さんのA級一位のオペレーターと思えないあの緩さ好きです。



<次回予告>

 やめて! 加古さんのチャーハンで、胃袋を焼き払われたら、堤の精神まで燃え尽きちゃう!

 お願い、死なないで堤! あんたが今ここで倒れたら、諏訪や笹森とのチームはどうなっちゃうの? チャーハンはまだ残ってる。ここを耐えれば、生きて帰れるんだから!

 次回「堤死す」。トリガー、オン!



 上の予告、CV宇佐美先輩が似合う気がする。

お久しぶりです。まずは宣伝
修「ワールドトリガーボーダレスミッション?」
修「ワールドトリガーボーダレスミッション?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1443865553/)
ワートリのゲームのSS書きました。もし良ければ読んでみてください。

さて、引っ張った格好となった諏訪隊編投下します。
ちょっと短いですがどうぞ。

<諏訪隊編>

諏訪「おう、白チビ。珍しいじゃねえか」

空閑「そうだな」 ←三バカと別れて一人

笹森「そうですね。今日はどうしたんですか?」

空閑「ちょっと近くを通ってな」

堤「お茶でも入れようか」

空閑「どうぞおかまいなく」

小佐野「ところで何の用なの」

空閑「ちょっと聞いてみたいことが合ってな」≡3≡

空閑「みんなはきのこ――」

その瞬間、反射的に諏訪隊は動いた。

まず堤に近い場所にいた笹森が堤の耳を塞ぐ。

そして諏訪が慌てて遊真の口を塞ぐ。

空閑「な、何を……」 モガモガ

諏訪「お、おう、何だ白チビ! ランク戦でもしようってか! いいぜ行こうぜ!」

そのまま外に連れ出される遊真。

堤「……? どうしたんだ、日佐人?」

笹森「いや、すいません。蚊がいたもんで」

堤「……両耳にか?」

笹森「両耳にです」

堤「……あれ、諏訪さんは? 空閑くんは?」

小佐野「ランク戦に行ったみたいだよ」

<諏訪隊室・外>

空閑「いきなりランク戦なんて珍しいな」

諏訪「んなわけねーだろ! 方便だ、方便!」

空閑「そうなのか?」

諏訪「ところで、おい白チビ! さっきなんて聞こうとしたんだ」

空閑「ん? ああ、きのこ派かたけのこ派か聞こうとしたんだが」

諏訪「……やっぱりか」

空閑「諏訪さんはどっち派なんだ?」

諏訪「男は黙ってたけのこ派だ」

諏訪「って、そうじゃなくて……うちの堤にその質問を絶対にするんじゃねえぞ」

空閑「ふむ……そうしたらどうなるんだ」

諏訪「三日は寝込む」

空閑「…………マジか?」

諏訪「マジだ」

空閑「どうしてなんだ?」

諏訪「トラウマになってんだ。加古んとこの双葉に聞いたんだが、以前こんなことがあったって話がだな――」

<回想>

加古「ねー堤。あんた、たけのこときのこ、どっちが好き?」

堤「…………!」

その瞬間堤の脳内に激震が走る。

堤(きのこかたけのこ……)

堤(一般的に考えればきのこの山かたけのこの里どっち派か聞かれているだろう)

堤(だったら普通に答えても良さそうだが……)

堤(さっきからすごい悪寒がする) ブルッ

堤(これは生物的本能から来る警告……)

堤(加古さん……食べ物……とくれば結びつくのはチャーハン)

堤(これは……もしかして次のチャーハンに入る具を聞かれているんじゃないか?)

堤(だったら……どっちを選べば生き残れる……?) ザワ、、、ザワ、、、

堤(きのこは……直球で毒キノコを混ぜられるかもしれない)

堤(もしくは洗っていないキノコ、石突きを切っていないキノコ……)

堤(しかし、たけのこも皮をむいていなかったりする可能性がありそうだが……)

堤(それくらいならまだマシ……!)

堤「た、たけのこです」

加古「オッケー。たけのこね。ちょっと待ってて」

<十数分後>

加古「出来ましたー、ほうれん草たけのこチャーハン!」

堤「…………」

堤(……はは、そうだ)

堤(何を勘違いしていたんだ、誰も選んだ食材だけを使うなんて言っていない……)

堤(最初から……この勝負は負け戦だった……)

堤「……いや、待つんだ」

堤(これは珍しくまともな組み合わせじゃないか……?)

堤(いつも甘味を混ぜる加古さんにしては珍しくどっちも野菜……これは)

堤「……あれ?」

チャーハンをよく見る堤はすぐに衝撃の事実を発見した。

堤「……あのー加古さん」

加古「どうした?」

堤「……たけのこはどこに入っているんですか?」

加古「ちゃんと入っているじゃない」

堤「……ところで、この黒っぽいのは何ですか?」

加古「チョコに決まっているじゃない」

堤「……変にふやけたスナックっぽいのは?」

加古「スナックに決まっているじゃない」

堤「………………」

加古「変なこと言う堤ね。ほら――」

加古「ほうれん草たけのこ(の里)チャーハン召し上がれ」



後の堤談
ほうれん草の青味にチョコの甘味とふやけたスナックがごはんと絶妙に混ざり合わないでそれぞれ主張して、カオスとはこのことを言うんだなと実感しましたね。ええ。

<オマケ 太刀川編>

柚宇「太刀川さんってきのこ派? たけのこ派?」

太刀川「その質問は止めてくれ……お願いだ、止めてくれ」

少し鬱になる太刀川。

思い出されるトラウマ。

<回想>

加古「ねー太刀川。あんた、きのことたけのこ、どっちが好き?」

太刀川「………………」

太刀川(この質問はこの前の加古チャーハン被害者の会で聞いている……)

太刀川(たけのこと答えた堤は死んだ)

太刀川(先人の犠牲に感謝して……俺は生きる!)

太刀川「き、きのこ派だ」

加古「オッケー。ちょっと待っててね」

<十数分後>

加古「出来ましたー、マグロきのこ(の山)チャーハン!」

太刀川「………………」

太刀川(結局、どっちを選んでも変わらないんだな)

その日太刀川は思い出した。

加古製チャーハンという兵器を。逃げることが出来ない恐怖を。

太刀川(ああ……無念)

諏訪隊編(とオマケの太刀川編)終了。
出なかったですが、日佐人はきのこ派、小佐野はキャンディ派の印象。

ネタが尽きてきた感がある……。
次はボーダー上層部分裂危機の予定。予定は未定。

太刀川さんのあとに堤がもう1回死んでそうだな・・・

二宮「危なかった.....」

どっちも嫌と言ったらどっちも入れられそうwww

>>134>>135 に書けと言われた気がしたオマケの二宮編投下。



<オマケ 二宮編>

加古「ねー二宮。あんた、きのことたけのこどっちが好き?」

二宮「………………」 ポケIN

二宮(これが前々回、前回の被害者の会で話題になった質問……) ポケIN

二宮(ふっ……あいつら馬鹿だな) ポケIN

二宮(こう答えるに決まっているだろ) ポケIN

二宮「どっちも嫌いだ」 ポケIN

加古「オッケー。ちょっと待っててね」

二宮「……え?」 ポケIN


<数分後>


加古「出来ましたー、きのこ(の山)たけのこ(の里)チャーハン!!」

二宮「………………」 ポケIN

加古「好き嫌いしたら大きくなれないわよー」

二宮「………………」 ポケIN

二宮(俺は……俺たちはどうすれば良かったんだ……?) ポケIN

前の投下から一週間経ちました……早い。
すいません、上層部編もう少しお待ちを。代わりに小ネタを投下。

<オマケ>

加古「ねー堤、あんた、きのことたけ――」

堤「止めてください! 本気で、もうマジでお願いですから、その質問は止めてください!!」

加古「どうしたの? いきなり叫びだして?」

堤「その質問二度目ですよ!! どうせどう答えても死ぬんですよね!?」

加古「死ぬって大げさね……って、そうか。堤にはこの質問一回したわね」

堤「そうですよ!!」














加古「んー……でもやっぱり答えて。きのことたけのこ、どっちが好き?」

堤「…………」

堤(こうなった加古さんは止められない……)

堤(今までまだしていない答え方は……)

堤「さ、最近きのこもいいかなーと思いまして……ど、どっちも好きですよ」

加古「オッケー、ちょっと待っててね」

堤「…………」


<数分後>


加古「出来ましたー、きのこ(の山)たけのこ(の里)チャーハン!」

堤「…………」

加古「好きな物、たーんとお食べ」

堤「…………」



堤大地は二度死ぬ。

>>132がどうしても殺したがってたので仕方なく(大嘘)。

何度もすいません、チャーハンネタはもうこれで打ち止めです。ネタもないし。

お待たせしました。上層部編をお届けします。
ずいぶんネタに寄せました。

<会議場>

城戸「これで通常会議は終わりだ。……何か報告のある方は挙手を」

根付「では私が」

根付「ええ、どうやら最近A級の方で体調を崩す隊員が多いみたいでしてねえ」

鬼怒田「体調を? 自己管理がなっとらんな」

林藤(自己管理…………あんたが言うのか)

根付「ああいえ、自己管理とかそういうレベルの問題じゃないんですよ」

鬼怒田「どういうことだ?」

根付「ええ、まずはA級5位、嵐山隊の木虎隊員ですが」

根付「どうやら再起不能……真っ白に燃え尽きている状態のようで、防衛任務に支障が出ています」

鬼怒田「再起不能……じゃと?」

忍田「それは……また」

林藤「…………」

林藤(あれ。何かその話聞いた覚えがあるぞ)



唐沢「ラグビーやってたらそんなことにはならないだろ」

根付「そしてA級一位、太刀川隊の出水隊員ですが」

根付「純情を傷つけられたって不貞寝状態のようで」

鬼怒田「不貞寝状態……じゃと?」

忍田「それは……また」

林藤「…………」

林藤(あれ。何かその話も聞いた覚えがあるぞ)



唐沢「ラグビーやってたらそんなことにはならないだろ」

根付「同じくA級一位、太刀川隊隊長の太刀川隊員」

根付「そしてB級ですが二宮隊隊長の二宮隊員や、諏訪隊の堤隊員には……」

鬼怒田「その三人はどうしたんだ?」

根付「どうやらきのこ、たけのこというワードを聞くとトラウマを思い出して寝込むだとか」

鬼怒田「トラウマ……じゃと」

忍田「それは……また」

林藤「…………」

林藤(あれ。何かその話も聞いた覚えが……ってとぼけてる場合じゃないか)



唐沢「ラグビーやってたらそんなことにはならないだろ」

林藤「あーすんません、その問題に心覚えがありますわ」

根付「林道支部長……?」

城戸「それで……心覚えとは何だ?」

林藤「このまえうちの支部で起こった騒動なんですけどね――」


<事情説明中>


林藤「というわけで興味を持った空閑隊員が本部でも聞きまわっているらしいです」

鬼怒田「全くけしからん」

根付「無駄に問題を起こさないでほしいですね」

忍田「だが、この場合それに反応して体調を崩すA級隊員の方にも問題があるだろう」

唐沢「そうだな、ラグビーやってたらそんなことにはならないだろ」

根付「まあそれも一理ありますか」

根付「しかしボーダーのイメージ的に多数派のたけのこ派を推して欲しいんですけどねえ」

鬼怒田「何だと、貴様たけのこ派か」

根付「……そういう鬼怒田室長はもしかしてきのこ派で?」

鬼怒田「たけのこなど食べにくいだけだ」

根付「ちゃんとデータとしてたけのこ派が優れているという根拠があるのに……これだからきのこ派は」

鬼怒田「なにおう?」

城戸「………………」



林藤(城戸派の仲間割れ……案外ここから袂を分かったら面白いな)

沢村「忍田本部長」

忍田「何かね、沢村くん」

沢村「すいません、ちょっと気になったので。……その、忍田本部長は何派ですか?」

忍田「私か……」

忍田(ここで答えるべきは自分の好みではない。というより私自身、正直どちらでもいい)

忍田(だが、それを言うと角が立つ)

忍田(あちらの城戸派一党のように仲間割れしないためにも……ここは沢村くんが好きな方を答えるべき)

忍田(きのこ、たけのこの二択……ここは……)

忍田「きのこ派だ」

沢村「……なら、敵ですね」

忍田「!?」

林藤「何か面白いことになってんなあ」

林藤「ところで唐沢。おまえはどっち派なんだ?」

唐沢「俺か。ラグビーに甘いものは必要ないぞ」

林藤「……そうだな。すまん、分かったわ」



城戸「総員、静まりたまえ」

全員「…………!?」

城戸「全く、今は会議中だ。くだらない雑談は止めたまえ」

根付「あー……えーそれは」

鬼怒田「そうじゃな……」

忍田「すまなかった」

沢村「すいません」

唐沢「すんません」

城戸「林藤支部長は空閑隊員に注意の喚起を。気にする人間もいる。わざわざつつくのは止めて欲しい」

林藤「そうですね」


城戸「それとこれは言っておきたいのだが――」


全員「…………?」






城戸「一番はキットカットだ。異論は認めない」





根付「……それは聞き捨てならないですねえ?」

鬼怒田「そうじゃな」

沢村「たけのこ派が至高なんですよ!!」

唐沢「だからラグビーに甘いものは……!」

忍田「………………」

忍田(早く帰りたい……)



林藤(やべえ面白くなりそう)

この後大人たちの醜い争いで会議は通常の倍かかった模様。忍田本部長が抑えにかかるが、林道支部長がその度に混ぜっ返したのが主な原因。


というわけで上層部編終わり。
次はまた考えてきます。

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