男 「超能力で成績が決まるのさ」(226)

男 (人類が超能力に目覚めてから半世紀)

男 (今ではほとんどの人間が超能力を使えるようになっていた)

男 (超能力者を育成するため、小中学校までの課程では能力を使うことを学び)

男 (高校からは能力を実践的に使うことでその力を高めていく)

男 (能力の強さは前時代での勉強の成績と大差は無くなっていた)

教師 「さて皆さん、ご入学おめでとうございます」

教師 「我が校に入学したということはみなさん大なり小なり超能力を持っている人物ということになります」

教師 「ここにいるみんなは級友であり、好敵手でもあるのです」

教師 「これからの三年間、気を緩めること無く能力を高めることに力を注いでください」

男 (文章自体は至って普遍的)

男 (しかし内容は一歩間違えば誇大妄想狂とも言えるようなことだ)

男 (しかしそれが普通な世の中なのだ)

教師 「みんなにはこれを配ります」

男 (配られた携帯端末)

男 (これは通信手段の他に、他人の能力を確認、記録していくことができる)

教師 「同学年の全生徒約百人分の名前と顔はプリインストールされています」

教師 「あとのことは自分で増やしていってください」

男 (情報をいかにして手に入れるか)

男 (それが上位成績者になることの鍵の一つだ)

キンコンカンコーン

男 「さて……」

男 (教師が言うには最初の試験は来週末)

男 (相手は明日に発表されるらしい)

男 (どうしたものか…)

友 「いよぅ!」

男 「なんだ?」

友 「なんだはねーだろ。同じクラスの前後ろの席になった縁だ、仲良くしようぜ」

男 「……そうだな」

男 (沢山の人数のステータスを集めることは不可欠)

男 (自分の能力を晒す機会も増えるが…俺の能力などたかがしれているからな…)

友 「しっかし超能力で戦うなんて危なっかしいよな」

男 「危なくないように小中と学んできたんじゃないのか?」

友 「いやいや、バイオレンスな能力の奴とかもいるじゃん?」

友 「最悪死んだらどうしようってさ」

男 「殺されないように努力すればいい」

友 「まぁごもっともなんだけど…」

男 「何か問題が?」

友 「ほら、あそこの奴、不良って言うんだけどさ」

男 「あぁ」

男 (窓際の席でぼーっとしている奴か)

友 「俺、あいつと同じ中学でさ」

友 「能力で何人も病院送りにしてるんだよ」

男 「怖い奴だな」

友 「あー別に悪い奴じゃないんだけどな」

友 「能力の扱いが難しいんだと」

男 「どんな能力なんだ?」

友 「おっと、その手には乗らないぜ?」

男 「ふっ、惜しかったかな」

友 「打算は無しにしようぜ。お前とならいい友達になれそうだ」

男 「まぁ、お前を謀るような真似はしないでおこう」

友 「じゃ俺も能力については俺のは語らないようにしておくわ」

男 「そうだな」

男 (友はどうやら友人を売るような真似はしない男らしい)

男 (第一印象からは信頼に足る人物かと思われる)

男 (だが、油断はできないかな…)

友 「じゃあ親睦を深める為に遊びにいきましょー!!」ガシィ

男 「な、なにぃ?」

友 「なぁなぁカラオケで何歌う?俺古めのやつにハマっててさぁ~」

男 「な、何故カラオケなんだ!?」

翌日

男 「」ゲッソリ

男 (午前で学校が終わり…)

男 (昼から夜まで二人でカラオケ耐久レース)

男 (疲れた……)

友 「おっはようさん!」

男 「あぁ…」

友 「今日は試験の相手の発表日だな」

男 「そうだな…」

友 「なんでゲッソリしてんだ?」

男 「なんでケロッとしてるんだ?」


ワイワイガヤガヤ

友 「もう貼り出されてるみたいだな」

男 「あぁ」

友 「んー、俺の相手は隣のクラスの奴か…」

男 「俺は……」

女 「私よ」

男 「む……?」

女 「同じクラスの女よ、よろしく」

男 「そうか……」

女 「早速だけど能力教えてくれる?」

男 「鼻から光るオレンジジュースを出せる」

友 「マジ?」

男 「左はなっちゃんで右はqooだ」

友 「お前すげぇな!」

男 「だろう」

女 「嘘に決まってるでしょ…」ハァ

友 「嘘なの!?」

男 「本当は飲んだ牛乳を目から出せるだけなんだ」

友 「すげぇぇぇぇぇ!!」

女 「ただのビックリ人間じゃない…」

女 「やっぱり教えてくれない?」

男 「あぁ」

女 「じゃあ、自分なりにアタック仕掛けてみるから」

男 「どんとこい、じゃあな」

友 「なぁなぁ牛乳出してくれよ」

男 「あれは嘘だ」

友 「」

昼休み

男 「カツ丼か?」

友 「カツ丼こそ至高の贅沢だよ」

友 「てか何故コロッケをうどんに…?」

男 「美味いぞ」

友 「そっすか…」

友 「それよかお前女はいいのか?」

男 「なにがだ?」

友 「なんか仕掛けてくるんだろ?」

男 「あぁ、問題ない」

友 「なんでまた?」

男 「ルール上、試験前に相手に直接的な攻撃を加えることは禁じられている」

男 「能力を使うのはもってのほかだ」

男 「だから……」ヒュン!

男 「このように食器が飛んで来てもまともな相手ならば当たることは無い」ヒュン!

友 「いや、落ち着かなくね?」

男 「問題ない、当たらなければどうということはない」ヒュン!

友 「いや、それってどうよ…?」

男 「大方念力あたりの能力だろう」ヒュン!

男 「ただこれだけ食器を飛ばせるとなるとそこそこに使えるらしい」ヒュン!


スキル
念力?

友 「すげぇなお前…」

男 「さて早く食べて教室に…」ヒュンガシャバシャー

男 「」ボタボタ

友 「お、おい……」

男 「問題ない」

男 「だが、うどんを冒涜した罪は償って貰わんとな…」

友 (怒った…?)

女 「やば、やり過ぎた…」

男 「」ギロ

女 「めっちゃ睨んでるし…」

男 「」ヒュン!

女 「わっ!?」スタッ

女 「か、壁にフォークが…」

女 「まさかあいつも念力?」


スキル
念力?

寝ます

ガッシュはやっぱみんな大好きだよな!


男 (しまった、つい…)

友 「今の能力?フォーク投げ?」

男 「…あぁ」

友 「すげー!」

男 (助かった…のか?)

友 「つかうどんであんなキレるなよ。うどん県民か?」

男 「いや、修羅の国の民だ」

友 「あー、なるほどな」

男 (説明しよう、実は修羅の国はうどんがラーメンに並ぶ庶民的な麺類なのだ)

男 (特徴はコシの無い柔らかな麺である)

男 (ちなみにコロッケうどんの発祥は讃岐であるそうだ)

友 「傘とかチャリとかすぐパクられるってマジ?」

男 「鍵をかけなければ最悪ちょっとコンビニに寄った時間でチャリはパクられる」

男 「傘はみんなの共有物だ」

友 「oh...」

友 「あれってちょっとした冗談だとばかり…」

男 「某川沿いの町から少し歩くだけで怪しげなお店が建ち並んでいるぞ」

男 「あと、やから始まる金融業のおにいs」

友 「わかったもういい」

友 「すごいな修羅の国って…」

男 「来てみるといい、観光する分には楽しいと思うぞ」

友 「夏休みにでも行くわ」

男 「あぁ、そうしろ」

友 「お前んち泊めろよな」

男 「生活費を払えばな」

友 「ちゃっかりしてやがる」

友 「ジュース奢って~」

男 「む、能力を教えてくれればな」

友 「ごめんなさい」

男 「あぁ、素直だな」

友 「おっ?」

会長 「施設費の計算は先週中に終わらせておけと言っただろう!」ツカツカ

会計 「ご、ごめんなさい手違いがあったみたいで…」トテトテ

友 「会長さんじゃん」

男 「む……」

友 「才色兼備、文武両道、おまけに上位成績者!」

友 「気は強そうだけどクールな見た目が相まってイイ!!」

男 「そうだな……」

友 「なんだよテンション低いなー」

友 「あぁ俺も上位の成績とってゆくゆくは生徒会に……」

男 「授業が始まるぞ」

友 「会長さんに罵られたい…あ待てよおい!」

数日後

男 (いよいよ明日、試験なわけだが…)

男 (解っているのはあいつの身体能力と超能力と思われるものだけ…)


体力 c 腕力 c 敏捷 b 超能力 ? 幸運 ?
スキル
念力?

男 (少し相性は悪いか…)

友 「帰ろうぜー」

男 「お前は相手のことはいいのか?」

友 「おう、もう俺にかかりゃあテレポーターなんて余裕だわ」

男 「ふむ…」

友 「あ、やっちった」

?(友の対戦相手)
スキル
空間転移

男 「ありがとう友君」

友 「あー、まぁいいか」

男 「俺は明日の情報を集めるよ」

友 「あぁ、頑張れよ」

男 「任せておけ」

友 「じゃなー」バイバーイ

男 「さてと…」

? 「あの…」

男 「おぅ?」

眼鏡 「私、隣のクラスの眼鏡っていいます」

男 「うむ、男だ」

眼鏡 「よろしくお願いします」

眼鏡 「友さんとは仲が良いのですか?」

男 「うむ」

眼鏡 「じゃあ友さんの能力分かったりします?」

男 「いや、俺達は互いに能力の話はしないようにしている」

眼鏡 「そうですか…」

男 「力になれずにすまない」

眼鏡 「いえいえ全然…」

男 (友の相手も女子だったのか…)

眼鏡
スキル
空間転移 ?

眼鏡 「えっと、男…さんって呼んでも?」

男 「好きに呼べ」

眼鏡 「隣のクラスですけど仲良くしましょうね」

男 「好きにしろ」

男 「来るものは特に拒まない」

眼鏡 「そうですか」

男 「それで?」

眼鏡 「は?」

男 「なんだ、用はそれだけか」

眼鏡 「え、えぇまあそれだけと言えば…」

男 「俺もあまり暇ではない」

男 「それではな」

眼鏡 「あはい…」

女 「うぉっ、男」

男 「おぅ」

女 「えとそのうどんの件は…」

男 「気にするな」

男 「それより少し話さないか?」

女 「は?」

男 「ジュースくらいなら奢ってやろう」

女 「はぁ…」

女 「で、なんのつもり?」

男 「うん?」

女 「明日の対戦相手とのんびりお茶だなんて」

男 「あぁ、そんなことか」

男 「少し話し合おうと思ってな」

女 「何をよ?」

男 「互いの能力についてとか」

女 「どんな風に?」

男 「例えば…」

男 「念力って便利だよなぁ、とか」

女 「…そうね」

女 (カマをかけにきたか…)

男 「どんなのまでなら動かせるんだ?」

女 「答えないといけない?」

男 「答えてくれたら嬉しい」

女 「じゃあ嫌」

男 「そうか」

男 「俺は乗用車程度ならいけるくらいだな」

女 「!?」

女 「そう……」

女 (やっぱりこいつも念力…?)

女 (嘘の可能性もあるけど、フォークを飛ばしてきたわけだし…)

男 「お前も話してくれないか?」

女 (馬鹿正直に答えるわけにはいかないわね…)

女 「私も動かせて車くらいよ」

女 (ほんとは車なんて軽いけど…)

女 (こいつが念力だとすれば能力はb程度か)

女 (正面からぶつかれば勝てるわね…)

女 (体育の授業なんかから考えて…)


体力a 腕力b 敏捷a 超能力b? 幸運 ?
スキル
念力?

女 (体力には自信があったみたいだけど…)

女 (勝てない相手では…)

男 (奴の念力の程度はaだ、間違いない)

男 (今奴は俺を出し抜く為に能力を低く見積もった)

男 (ポーカーフェイスのつもりのようだが俺には通じん…)


体力c 腕力c 敏捷b 超能力a 幸運 ?
スキル
念力

男 (少し、仕込みが必要か…)

男 「悪かったな、邪魔して」

女 「いいのよ別に、奢って貰って悪いわね」

男 「気にするな」

男 (奴の念力の程度はaだ、間違いない)

男 (今奴は俺を出し抜く為に能力を低く見積もった)

男 (ポーカーフェイスのつもりのようだが俺には通じん…)


体力c 腕力c 敏捷b 超能力a 幸運 ?
スキル
念力

男 (少し、仕込みが必要か…)

男 「悪かったな、邪魔して」

女 「いいのよ別に、奢って貰って悪いわね」

男 「気にするな」

試験当日

友 「調子はどんな?」

男 「うむ」

友 「なにがだよ」

男 「悪くないな」

友 「さいですか…」

眼鏡 「あ、男さーん」

男 「あぁ」

眼鏡 「男さんも試験頑張って下さいね」

男 「お前もな」

眼鏡 「はい!」

友 「お前どっちの味方だよ…」

男 「どちらもだ、頑張れ友」

友 「あいよー」

男 (試験はアリーナに用意された4つのフィールドで行われる)

男 (フィールドは試験ごとに変わる)

男 (あくまで実践的な戦いの為、市街地であったり密林であったり、色々な地形が用意されている)

教師 「では、試験を開始します」

教師 「ルールは先日も説明しましたが、相手が降参した時と我々が続行不能と判断した時、制限時間を迎えた時試験は終了します」

教師 「時間内に勝負がつかなかった場合は我々の判定で勝敗を決定します」

男 「了解だ」

女 「わかりました」

教師 「では定位置に待機して下さい」

教師 「男対女、フィールドは採掘現場です」

教師 「これより試験を開始します」

男 (さて…)

男 (俺はついている)

男 (俺に圧倒的に有利なフィールドだ)

男 (だが…)

女 「くらいなさいっ!」ブォンッ!

男 「くっ!」

女 「避けるなぁ!」ブォンッ!

男 (物が多く散乱している分、向こうにも有利に働く…)

放送委員 『おっと女さん開始早々仕掛けたぁ!』

男 (え、実況とかあるの?)

男 「はっ!」ヒュン!

女 「っ!またフォーク!?」

男 「はぁっ!」ビュッ!

女 「うわっ?」

女 (今度は資材の鉄パイプ…ってどこいった?)

放送委員 『これは念力使いの戦いでしょうか?』

放送委員 『女さんの攻撃を凌いだ男君は姿を消しました!』

男 (逃げる…)

友 (あいつの能力、ほんとに念力か…?)

男 「坑道まであるのか…」

男 (質で奴に劣ってはいるか…)

男 (ならば量で攻める…!)


女 「あいつどこに…」

男 「こっちだ!」ヒュン

女 「なっ!?」キュィィ

女 (止めれた…)

男 「やはりフォークではダメか」

女 「フォーク好きね、あなた」カラン

男 「あぁ」

女 「でもそれじゃあ簡単に押し返せちゃうわ」

男 「なら小細工抜きで正面からやらせてもらう…!」ザァァァ

女 「!?」

女 (あれは砂鉄?)

女 (でもあれだけの小さな粒子を動かすなんてbくらいじゃ…)

女 「まさか…」

男 「俺は自分が念力使いだと一言も言った覚えはない」

女 (あいつのはまさか磁力操作?)

女 (それならフォークを使う意味も頷ける…)


体力a 腕力b 敏捷a 超能力? 幸運 ?
スキル
磁力操作

男 「行くぞっ…!」ザァァァ!!

女 「くっ!!」キュィィィ

男 「受け止めきれるか…?」

女 (これだけの砂鉄をどこから…)

女 (まさか坑道の中に?)

男 「まだだ…」ザァァァ

女 「別方向から!?」キュィィ

男 (念力はベタではあるが強力な能力だ)

男 (だが、それを使うには並大抵ではない集中力を要する)

男 (いくら程度が高かろうと、多方向から多質量の物質を押し返すのは不可能だ)

女 「負けた…」

男 「次は頑張るんだな」

女 「服の中も体も砂鉄でざらざら…」

男 「洗ってやろうか?」

女 「はぁ?バカじゃないのこの変態!!」

男 「服を洗うのは変態なのか?」

女 「あ、いや…」

女 (体のことかと…)

寝ます

友 「お疲れさん2人とも」

男 「うむ」

友 「女はドンマイな」

女 「うるさいわねぇ」

男 「試験はいいのか?」

友 「次の次だからいいんだよ」

男 「そうか…」

会長 「少しいいか?」

男 「む……」

女 「なっ…?」

友 (会長キターー!!)

会長 「なんだ男、あの体たらくは」

男 「…すみません」

会長 「しょうもないお前の能力でも出し惜しみしなければ開始早々決着をつけることができたはずだ」

男 「はい」

友 「なにこれ……」ボソボソ

女 「さぁ…?」ボソボソ

会長 「お前の能力など他に比べれば矮小なものなのだ」

会長 「多少頭が回るからとて油断しないよう、よく肝に銘じておけ」

男 「ありがとうございます、姉さん」

会長 「ふん……」スタスタ

友 「ねぇ…」

女 「さん…?」

男 「」ギリィ

男 「奴は俺の実の姉だ」

友 「はああぁぁぁぁぁぁぁ!?」

女 「マジで…?」

男 「奴が俺を弟と思っているかは知らんし、俺もあれを姉とは思っていないがな」

友 「なんか、ワケアリ?」ボソボソ

女 「みたいね」ボソボソ

男 「聞こえているぞ」

会長 「………」ツカツカ

モブ 「おー会長さんだ」

モブ 「クールビューティーだよなー…」

会長 (あぁぁぁ男かあいかったよぉぉぉ!!)モンモン

会長 (あの物憂げな目とか苛立った表情とかやばいよおぉぉぉぉ!!)モンモン

会長 (あぁもう久しぶりに見たから失神するところだったわ)

会長 (一刻も早く男に生徒会に入って貰って私の右腕としてそしてゆくゆくは私の後を継いで…)

会長 「ふふふ…」

モブ 「か、会長が意味ありげに笑っているぞ!」

tv 「オレノタメニシネッ!」

男 (むせる……)

男 (試験から数日)

男 (なんだかんだで俺と女は友人になった)

男 (試験と言えば友だが自分が能力を使う前に眼鏡に負けてしまった)

男 (奴は運が無いようである)


体力b 腕力b 敏捷c 超能力? 運e
スキル


男 (しかしやはりボトムズはいいな…)

友 「それよりマクロス見ようぜー」

男 「愛おぼならいいぞ」

友 「やたー!」

女 「私はついていけないんだけど」

男 「面白いぞ」

女 「なんで集まってアニメ見ないといけないのよ!?」

男 (今日は寮の俺の部屋に集まったのだが、手持ち無沙汰なのでアニメを見ることになったのだった)

tv 「ウワァァァァァァ!!」

友 「柿崎ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

男 (様式美だな)

女 「え、この人死んだの?」

男 「フラグを建ててしまったからな…」

tv 「オボエテイーマスーカー」

女 「ヤックデカルチャー…」

友 「面白かったろ?」

女 「アニメを侮っていたわ…」

男 「うむ、マクロスもいいな」

友 「たまにはいいだろ?」

男 「じゃあ次は…」

女 「これは?」

友 「お、グレンラガン」

女 「なんか絵綺麗っぽいし」

男 「では見るか」

tv 「アバヨ、ダチコウ・・・」

女 「あ、兄貴…?」

友 「………」ドンヨリ

男 (無茶しやがって…)

女 「ヨーコはどうなるのよ!?」

男 「黙って見ていろ」

tv 「アニキハシンダ、モウイナイ!!」

女 「おー…」

友 「シモン△」

女 「これからシモンがリーダーになっていくのね」

男 「むせる……」

友 「それはちげぇ」

数時間後

tv 「オレノドリルハ、テンヲツクルドリルダ!!」

女 「―――――!!」バシンバシン

友 「ついに女が言語を失った!?」

男 「痛いから叩くな」

女 「―――――!!」バシンバシン

友 「だからって俺を叩くな」

会長 「ふふ、カメラの調子は抜群ね…」

会長 「何よあの女男とベタベタして~」グヌヌ

会長 「私だってグレンラガンぐらい見てるんだからぁ!」

会長 「あぁ私も男と一緒にアニメ見たりしたいなぁ…」


男 「む……」ゾクッ

友 「どした?」

男 「寒気がしたような…」

友 「暖房入れるか?」

男 「いや、いい」

なんか痛い。エターナルフォースブリザードを感じる

>>69
じゃあ訊くけど痛くない二次ってあるの?


男 「で、早くも夕方になったわけだ」

友 「あ、ピザでもとる?」

女 「私シーフードミックスがいい」

男 「帰れ」

友 「えー、だって俺の部屋は目と鼻の先だぜ?」

男 「帰れ」

女 「もーご飯の用意めんどい」

男 「学食に行け」

学食

女 「結局学食になるのね」

友 「ピザデリバリー…」

男 「勿体無い」

男 「学食だっていいものだぞ」

友 「今日はラーメンなのな」

男 「知っているか?」

女 「何を?」

男 「福岡のラーメンの発祥はギトギトのとんこつでは無くあっさりテイストのとんこつだったというのが通説なんだ」

友 「マジ?」

男 「あぁ、久留米の方のな」

男 「俺はあまり脂っこいのは苦手なのでこちらの方が合うんだ」

女 「こういうところのとんこつってあっさりだものね」

友 「福岡のラーメン=博多だと思ってたわ~」

男 「まぁ間違ってはいないがな」

眼鏡 「ご一緒してもいいですか」

男 「あぁ」

友 「あ、俺を負かした人」

女 「自分で言って悲しくならない?」

友 「すげー悲しい」

男 「すまない騒がしい連中で」

眼鏡 「構いませんよ」

眼鏡 「そういえば、試験の結果貼り出されましたね」

男 「言っても同率で2つに割れただけだがな」

女 「………」

友 「………」

男 「よう、負け組」

女・友 「うっせ!」

眼鏡 「あの、なんかごめんなさい勝ってしまって」

友 「負けた相手に謝られた死にたい」

女 「私まだ馬鹿にされてる死にたい」

男 (ラーメンうめぇ)

眼鏡 「なんか面白いですね」

眼鏡 「でも次回からは採点の方式が変わりますよね」

男 「確か得点が一律なのは初回だけだったか」

女 「次回からは教師側と生徒会が採点するんだっけ?」

友 「もしかしたら裏取引とか出来るんじゃね?」

男 「無理だな、あいつが俺に辛辣なのは見ていただろう」

女 「だよね」

眼鏡 「なにがですか?」

友 「こいつのねーちゃん生徒会長」

眼鏡 「え、凄い」

友 「んでまた凄いのが会長さんのこいつへのお言葉」

女 「試験が終わった直後にね、『お前のしょうもない能力でも云々』キリッ」

女 「って男に言葉攻め」

眼鏡 「会長さんって実の弟にも厳しいんですねー」

会長 (あの女いつか殺す…)ワナワナ

会計 「どうかしました?」

会長 「なんでもない」

男 「酷い時には汚物を見るような目で見下ろされる」

眼鏡 「キツいですね~」

男 「慣れたがな」

会長 (それは私が鍛練後に息を乱す男に恍惚していた時の顔ね)

会長 (まさかそんな風に見えていたなんて…)

会長 (厳しい姉キャラなんて止めとけばよかった…)

女 「昔からあんなだったの?」

男 「いや、昔は優しかったような気がするんだがな…」

男 「小さかったせいか記憶が曖昧でな、もう一人の姉と混同しているのかも知れん」

友 「え、まだねーちゃんいんの?」

男 「うちは女系一家でな、妹も一人いる」

眼鏡 「じゃあ長男坊なわけですね」

男 「あぁ、それ故か父も厳格な…」

男 「って何故俺ばかり身の上話をしているんだ」

女 「勝手にしはじめたんじゃない」

友 「もう一人のねーちゃんはどんな人?」

男 「この学校にいる、勝手に探せ」

女 「え本当?」

男 「基本嘘は吐かないのが信条だ」

眼鏡 「学年は?」

男 「会長の姉と一緒で2年だ」

友 「ちょっと知り合いにメール回しとく」

女 「私もー」

眼鏡 「では私も」

数分後

友 「姉さん、2年b組所属」

女 「おしとやかで人当たりがよく、男女問わず人気がある」

眼鏡 「おまけに成績は上位」

友 「お前んちってスゲーのな」

男 「俺の能力だけ大したこと無いのさ」

女 「私は大したこと無い奴に負けたの?」

男 「うん」

友 「wwwww」

女 「ふんっ」バキィ

友 「あべしっ」

眼鏡 「あわわわ…」

女 「で、磁力操作ってどんなもんなのよ?」

男 「あまり言わないで欲しいんだが」

女 「生徒のほとんどがもう分かってることよ」

男 「むぅ…」

男 「中学の時に磁界やらなんやらの勉強をしただろう」

友 「砂鉄の奴?」

男 「そうだ」

男 「磁力というのは今でもその辺に流れている力でな」

眼鏡 「地球自体が磁石なんですよね」

男 「あぁ、その力の流れを少しだけ変えたり強めたりとか、そんな感じの解釈で構わない」

友 「よくわかんね」

男 「まぁ、このフォークだが」

女 「出た」

男 「上向きの磁力を出してから」フヨー

友 「おぉ?」

男 「下向きに磁力を作る」

眼鏡 「滞空しましたね」

男 「でこれの力を強めていく」

女 「すると…?」

男 「今これは弓の弦を一杯に引っ張っているような状態だ」

男 「これをちょっとずらせば…」ヒュンサクッ

モブ 「ヒイィ!?」

友 「壁に刺さった…」

女 「ようは弓とか見たいに使えるわけ?」

男 「まぁ用途は幅広いな」

眼鏡 「でもこの能力」

男 「あぁ、直接人に働かせられない」

男 「能力だけで評価するなら子供の玩具レベルだな」

友 「子供の玩具に負けたそうよ奥さん」

女 「うるさいわね奥さん」

眼鏡 「能力は使いようというわけですね」

男 「お前らも見せろ」

女 「嫌よ」

友 「無理だわ」

眼鏡 「ごめんなさい」

男 「くそっ」

会長 (畜生あいつらふざけやがって)

? 「おっとこくーん!!」ダキッ

男 「ぐふっ」

会長 「!?」

友 「男が美少女に抱きつかれてる爆発しろ」

姉 「もう探したよ男くん君ってば入学前にメール一通寄越したっきり連絡してくれないんだからー」

女 「爆発」

眼鏡 「まさかこの人って…」

男 「やめてください姉さん」

姉 「やめなーい」スリスリ

友 「畜生……」

姉 「もう男くんってば最近めっきり大人になっちゃってお姉ちゃん寂しいなぁ」

男 「そうですね」

女 「お、男の顔が微動だにしてない…」

友 「これは所謂賢者モード?」

眼鏡 「違うと思いますよ」

姉 「私には男くんをもふもふしないといけないという使命があるのですよ」

男 「そうですか」

姉 「そうなのです」モフモフ

友 (なんか男と会長の姉とは思えないハイテンションだな)

会長 「な、何をやっているんですか姉さん!?」

姉 「男くんを愛でてるんだよ。会長ちゃんもやる?」

会長 (はいよろこんで!!)

会長 「すするわけないでしょう!」

姉 「えー、絶妙な抱き心地なのにー」

会長 (それは素晴らしい!)

会長 「遠慮します」

会長 「学校の敷地内で不純異性間交遊と思われるようなことはしないでください」

姉 「えー、でも姉弟の健全なスキンシップだよ?」

会長 「だ め で す!!」

姉 「けちんぼ」

男 「姉さん、騒ぎが大きくなるので」

姉 「えー、そんなー」

男 「明日にでも姉さんの部屋に遊びに行きますから」

姉 「え、ほんと?約束だよ?」

男 「はい」ニコ

女 (寧ろ男が兄だろ)

会長 (なにそれ姉さんズルい)

姉 「じゃあ私腕によりをかけてご馳走作っちゃおー!」

男 「期待しておきます」

姉 「うむうむ存分に期待しておきたまえ」

眼鏡 「なんだか…」ボソボソ

友 「姉さんは満更でも無いっぽいな」ボソボソ

女 「よね」ボソボソ

会長 (ズルいよ姉さん…)ズーン

姉 「もちろん会長ちゃんも来るよね?」

会長 「へ?」

姉 「たまには姉弟水入らずでさぁ、妹ちゃんいないけど」

姉 「男くんもいいよね?」

男 「えぇまあ」

会長 (あぁ明らかに嫌そうな顔に…)

会長 「いえでも私もいそがs」

姉 「来るよね?」

会長 「はいよろこんで!」

会長 (殺気が…!)

友 「ねぇ知ってる?俺達のこと空気って言うんだよ?」

女 「あぁ、これが俗にいうそれだったのね」

眼鏡 「案外慣れるものですね」

姉 「あら、男くんのお友達ね。空気にしちゃってごめんね?」

女 「いえ全然」

会長 「うちの愚弟が世話になっているようだな」

友 「いえいえよくできた弟さんで」

会長 (当たり前じゃない!)

会長 「ふん、まだまだ出来損ないだ」

男 (実は俺が一番空気なのだった)

翌日

男 (さて、姉さんの部屋だ)

男 (俺は今日、死ぬことになるかも知れない)

男 (骨は拾って貰うよう友に頼んでおいた)

男 (もう、思い残すことは、ない)

男 「姉さん、男です」コンコン

姉 「はいはいいらっしゃーい」ガチャ

姉 「いやいや遅かったね男くん会長ちゃんなんか朝から来てお料理手伝ってくれたよ」

会長 「なっ、姉さん!?」

男 「あぁ、なんか悪いことしてしまいましたね」

会長 (他人行儀である)

会長 (しかしそのよそよそしさがまたたまんねぇ)

会長 「ふん、そう思うのなら最初から早めに来ておけ」

男 「次からは気を付けます」

男 (次があればだが)

会長 (うーなんか違うー)

姉 「男くん試験はどうだったの?」

男 「勝たせていただきました」

姉 「おーよかったよかった」

姉 「初回は周りへの印象づけに大事だからねー」

男 「はい」

会長 (何故姉さんはあんなにスラスラと…)

授業あるんでちょっと落ちます


再開は夕方か夜くらい

授業とか言わないほうがいいぞ
俺は正直どうでもいいけど過剰反応する人がいないでもないから用事とか無難な事言って言葉濁せ

>>98,99
すまん気を付けるわ


姉 「ふんふふーん、あとちょっとできるからね~」

男 「はい」

姉 「あ」

会長 「どうしました?」

姉 「お醤油切らしちゃった」テヘ

姉 「ちょっと買ってくるねー!」ダダダ

会長 「あっ……」

会長 (醤油くらい私の部屋にあるんだが…)

男 「………」ボー

会長 (こ、これは……)

会長 (2人っきり、だと…?)

会長 (取り合えず座ろう…)チョコン

男 「………」ボケー

会長 (し、静かだ…)

男 「………」カコカコ

会長 (私がいるのに普通に携帯弄りだしたし…)

会長 「そ、その携帯昔から使っているよな」

会長 「スマホに換えたりはしないのか?」

男 「はい」カコカコ

会長 「そうか」

会長 (会話しゅうりょーう!!)

会長 (私会話センスねぇぇぇ!!)

男 「これで十分なので」

会長 (会話が繋がった!)

会長 「しかし不便ではないか?近頃はもう昔の携帯の保証サービスも終わっているだろう」

男 「まぁ、電池は悪くなっている気はします」

会長 (お買い物フラグキタ!)

会長 「な、何ならわたs…」

男 「友にでも付き合って貰います」

会長 「」

男 「彼は機械に強いようですから」

会長 「そそそうか、それは頼りになるな」

会長 (クソッ!)

姉 「おまたせー!おまけにアイスも買ってきたよ!」

男 「すみません」

姉 「男くんはハーゲンダッツとガリガリ君どっちがいい?」

男 「ガリガリ君で」

姉 「だと思ってましたー!ご飯の後で食べようね」

男 「えぇ」

姉 「会長ちゃんは?」

会長 「あ、あぁ私もガリガリ君で」

姉 「そう」

姉 「惜しかったね」ボソッ

会長 「!?」

姉 「むふふふふ」ニヨニヨ

男 「ごちそうさまでした」

姉 「お粗末様でした。どうだった?」

男 「お二人とも相変わらずの腕前で」

姉 「きゃー褒め上手」

会長 「ふんっ……」

姉 「じゃあ何する?スマブラ?」

男 「いえ、長居するのも」

姉 「えー夜の分も用意してるのにー」

男 「そうですか…」

姉 「会長ちゃんも男くんにいてほしいよね?」

会長 (私に振るの!?)

会長 「ま、まぁ食材余らされても困るしな」

姉 「ほほーぅ?」ニヨニヨ

会長 (恥ずかしい…)

男 「ではお言葉に甘えて…」

tv 「オソスギダゼェ?」

姉 「相変わらず男くんのソニックは速いね」ピコピコ

男 「そうですか」ピコピコ

会長 (相変わらず?男とスマブラなんて私初めてなのに…)ピコピコ

男 「どうかしましたか姉さん?」ピコピコ

会長 「あ、いや何でもない」ピコピコ

男 「そうですか」ピコピコ

tv 「オマエタチガオレノツバサダ!!」

女 「………」

友 (あー……)

女 「なにこれ、全然ヤックデカルチャーしない」

眼鏡 「fにそれを言っちゃだめなんです」

友 「fは劇場版でよかったと思ってる」

友 (00だけど)

女 「あー男は今頃御姉様がたとキャッキャウフフしてるのかしら」

友 「どうだろう…」

数日後

男 「試験だな」

友 「よくぞ帰って来た」

女 「褒めて使わす」

男 「今ここに生きていられることに感謝します…」

眼鏡 「大袈裟ですよ」

男 「会長の方の姉さんの話によるとなんでも試験の方式が変更になるらしい」

友 「ほぇ~」

女 「今日貼り出されるのよね?」

男 「恐らくな」

眼鏡 「気になりますね」

モブ 「試験の内容が貼り出されたぞー!」

友 「行くべし」

女 「打つべし」

男 「なにをだよ」

眼鏡 「私はクラスの子と行きます」

男 「うむ」

友 「チーム戦…?」

紙 『今回の試験よりチームでのサバイバル戦を行う』

紙 『なおチームを組むか組まないかは自由である』

紙 『一チームの上限は四名、試験前一週間までに運営側にチーム申請されたし』

女 「じゃあ…」

友 「俺と女と男と…眼鏡ちゃん?」

男 「眼鏡は自分のクラスの人間と組むのではないか?」

女 「なら……」

友 「心当たりならあるぜ」

不良 「えと…不良っす」

女 「う、うーっす」

男 「男だ」

友 「緊張すんなって不良、2人ともいいやつだから」

不良 「おぅ」

友 「こいつを候補に、どっすか?」

男 「諸手を挙げて歓迎だ」

女 「私も」

不良 「すまねぇな」

男 「さて何故突然チーム戦になったのか…」

友 「理由なんていいだろ、作戦立ててこーぜ」

女 「そうね」

男 「互いの能力を知る必要があるな」

不良 「あぁ、そうだな」


体力b 腕力b 敏捷c 超能力b 運e
スキル
炸裂

不良
体力a 腕力ex 敏捷d 超能力c 運b
スキル
身体強化

男 「炸裂ってなんやねん」

友 「触れたものを炸裂させる力」

女 「グロ」

友 「流石に人体にはそんなに強く使わねぇよ」

男 「不良の身体強化は?」

不良 「俺のは一分毎に好きな能力を上げることができる」

男 「なるほどな…」

女 「頑張れ頭脳労働担当」

男 「任せろ」

今日はここまでで

男 (攻撃的なスキルは友と不良だが…)

男 (どちらも扱いにクセがあるようだ)

男 (オールラウンダーとして活躍できるのは女か)

男 (だが女自体のステータスがあまり高くないのはネックだ)

男 「うむ…」

友 「どうだ大将」

男 「なんというか、角ばったチームだな…」

男 (サポートに回すとすれば俺と女か…)

女 「なーんかパッとする能力が私以外無いわよねー」

友 「反論できねー…」

不良 「俺もだ…」

男 (女の能力は武器になる…)

男 「女、お前は出来るだ手を抜いて能力を使え」

女 「なんで?」

男 「お前のランクがaであると気づいている人物は少ない。試合を見たほとんどがc程度だと思っている筈だ」

女 「まぁ、活躍できなかったし」

男 「だからお前はcの振りをし続けろ」

女 「わかったわよ」

不良 「相手のこともあるよな」

友 「あぁ、それに関しては発表を待つしかねーな」

男 (勝つ為には何が必要か…)

男 (敵を知る以前にやはり己を知ること)

男 (ならば…やるしかないな)

男 「俺は少し用がある、お前達は先にアリーナで練習しててくれ」

友 「うーす、すぐ来いよ~」

会長自室

会長 (今日は男帰ってくるの遅いなー)ポチポチ

コンコン

会長 (誰だよもう~)

会長 「誰が私になんの用…」ガチャ

男 「こんにちわ」

会長 「だ」

男 「頼み事があります」

会長 「そそそそうか、上がるといい」

男 「はい」

会長 (おぉとこが私の部屋にぃぃぃぃ!?)

会長 (実家でも無かったよこんなイベント!)

男 (案外普通の女の子っぽい部屋だ…)

会長 「ちゃ、茶でも飲むか?」

男 「いえ、もてなしなど必要ありません」

会長 「そうか」

会長 「それで頼みとは?」

男 「はい姉さん、自分に稽古をつけてください」

会長 (男が自分から私に…?)

会長 「何故だ。強い者と手合わせしたいのならば姉さんがいるだろう」

男 「姉さんには手を抜かれる上にいいところの指摘しか貰えませんから」

男 「あなたに是非未熟な部分を指摘して頂きたい」

会長 「…そうか、いいだろう」

会長 「30分後に武道場に来い、久しぶりに本気を出せそうだ」

男 「ありがとうございます」

会長 (イヤッホーーーゥ!)

武道場

男 「ふー……」

会長 (やべぇ目閉じて深呼吸とか俺得)

男 「行きます!」

会長 「来い!」

男 (先に男の組手さえとれれば……)ガシィ

会長 「む?」

男 (一気に袖釣り込みで……!)グンッ

会長 「甘い」パンッ

男 (払われた!?)

会長 「ふっ」バッ

男 「っ!?」グラァ

男 (出足! 体勢を崩されたそこから続くのは……!)

会長 「……」グンッ

男 (必殺の背負い……!)ドォン

男 「がっ……」

会長 「一本だな」

男 「……はい」

会長 (あぁぁ思わず本気で投げてしまったぁぁぁ!)

男 「ご指導ありがとうございました」

会長 「袖釣り込みでの奇襲は悪く無かった」

会長 「だが、小手先の技術や奇策に囚われすぎてはいないか?」

男 (小手先か……)

会長 「お前が頭を回すのは必然だろう」

会長 「だが、回しすぎというのも考えものだな」

会長 「一度、何も考えず自分のやりたいようにやってみるといい」

男 「やりたいようにですか……」

会長 (決まった……)

なんかこういうラノベあったよね
魔法なんちゃらの劣等生てきなかんじの

>>130
小説家になろうのやつだっけ?
名前だけは知ってるわ


男 「ありがとうございました」

会長 「もう行くのか?」

男 「はい、みんなを待たせてあるので」

会長 「あぁ、頑張れよ」

男 「頑張ります」

アリーナ

男 「待たせた」

友 「遅いぞ大将」

女 「ちょうどマンネリ化が始まっていたのよね」

不良 「てめーがちゃんとやんねーから……」

女 「ぁん?」

不良 「なんでもねー」

友 「で、用は済んだのか?」

男 「あぁ、完璧だ」

男 「本番は任せておけ」

女 「期待してるぞたいしょー!」

不良 「えっと、お互い頑張ろう、ぜ?」

男 「あぁ、頑張ろう」

数日後 廃墟

男 (試験日、俺達は廃墟に集められた)

男 (この廃墟で試験が行われるのだろう)

男 「やってやる……」

友 「お、やる気満々?」

不良 「ったりめーだ、本気でやっぞ」

女 「新人が調子にのらなーい」

不良 「んだと?」

男 (いい具合にチームもまとまってきた)

男 (これならば勝てる…!)

教師 「はいみなさん注目、今から試験内容について説明します」

教師 「ここに集められたのは5チーム」

教師 「あなたたち5チームにはこれから陣取りゲームをしていただきます」

男 (陣取りゲーム……?)

男チーム拠点

男 (5チームには予め拠点が配られ、残りの5つは無人)

男 (最終的な拠点の数が多かった順に成績が決まる至って普通な陣取りゲーム……)

友 「ようは一杯陣地とりゃ勝ちなんだよな?」

男 「いや……」

男 (しかしこの陣取りゲーム、特別ルールが存在する)

男 (敵を退場させた時、その生徒は好きな拠点を消すことができる)

男 (1チームの人数の都合上、守りきれる拠点は精々2つ)

男 (ならば陣を増やすよりも奪うよりも、消す方が効率がいい)

男 「いいかお前達、よく聞け……」

数分後

友 「スタートしたんだが…」

女 「ほんとに大丈夫かしらね…?」

友 「ま、我らが大将を信じようや」

女 「そうね」


廃墟 某所

男 「さて……確保と」

不良 「陣地はとらねーんじゃ無かったのか?」

男 「ダミーだ」

不良 「ダミー?」

男 「いきなり敵の陣を取りに来る奴はいない」

男 「陣取りが始まるのは拮抗状態になってから」

男 「俺達の陣はここと合わせて2つ、という風にしておくがこちらは捨て陣だ」

不良 「攻めいられた時のブラフってわけか」

男 「あぁ、だがまぁとりあえず今はここで」ヨッコイショ

男 「今からお前に個別の作戦を伝える」

不良 「おぅ」

不良 「……」

不良 (俺達の陣は拠点1と拠点2)

不良 (俺にできるのか……)

モブ1 「あいつは、男チームの不良か……」

モブ2 「そのようだな」

モブ1 「馬鹿でぇ、一人で拠点探しなんてしてやがる」

モブ1 「あいつらまだこの試験の本質に気づいてねーのかよ」

モブ2 「とりあえず、やっちまうか」

男 「あぁそうだな」スパパッ

モブs 「なっ……?」

男 「このナイフ、よく切れるな」


装備
カトラリーセット

実況 『男チーム、モブチーム2人を撃破!!』

不良 「俺の出番無かったじゃねーか」

男 「いいじゃないか、暗殺は必殺じゃねーといけないんだから」

不良 「仕方ねえなぁ」

運営委員 「どうも」シュン

不良 「うお?」

運営委員 「どの拠点を消します?」

男 「9と10だ」

運営委員 「了解しました」シュン

実況 『拠点9と10が消去されたー!』

男 (残った拠点は8つ……)

不良 「次はどうする?」

男 「拠点2を捨て陣だと悟られてはいけない」

男 「次に動きが起こるまではそこで待機だ」

不良 「おう」

男チーム
人数4
拠点2

眼鏡 「やられましたね……」

お嬢様 「あの人達、勇み足のわりには大したことありませんでしたわね」

眼鏡 「仕方無いですよ、男さんお強いですから」

お嬢様 「どうだか。それにあの2人が取るに足りなかったことは確かですわ」

眼鏡 「せめて拠点の1つくらい見つけて欲しかったんですけど……」

お嬢様 「期待するだけ無駄でしたわ」

眼鏡 「そうですね」

お嬢様
体力c 腕力e 敏捷c 超能力? 運?
スキル
?

お嬢様 「しかしどうしましょうか、わたくし達ピンチですわ」

眼鏡 「人の数も拠点の数も負けていますからね……」

眼鏡 「籠城ではもちろん勝てませんし……」

お嬢様 「どこかから拠点を奪うしかないのでは?」

眼鏡 「背水の陣ですか……」

拠点2

男 「さて……」

不良 「動きねーなー」

男 (眼鏡チームの拠点数が1、残りの2チームも9と10が潰れて拠点は1)

男 (そしてもう1チームは拠点が2つ……)

男 (最後の拠点をどこが取るかで立ち回りが決まってくる……)

不良 「時間は残り40分か…」

男 「逃げ切りは無理だな」

男 「このゲームは守ったら負ける」

不良 「籠城をしても周りが戦えばいずれ自分達の拠点が消えて」

不良 「かといって下手に攻め込めば返り討ちにあうかもしれない」

不良 「あーめんどくせー!」

不良 「俺にはこんな頭使うゲーム無理だわ」

男 「がんばれ」

お嬢様 「あら……?」

眼鏡 「あ、あれ拠点じゃないですかね!?」

お嬢様 「そのようですけど……」

眼鏡 「どこかに取られてなければいいんですけどねー」ソローリ

お嬢様 「!!」キロリロリン!

お嬢様 「眼鏡さん下がって!」

眼鏡 「へ?」

友 「くらえっ!!」ズガァ!

眼鏡 「!?」ズドォン!

お嬢様 (柱を倒して……?)

お嬢様 「眼鏡さん!!」

眼鏡 「あ、危なかった……」シュン

友 「チッ、逃したか」

お嬢様 「大丈夫ですか?」

眼鏡 「お嬢様のお陰でなんとか……」

友 「相変わらず面倒な能力だな、転移ってやつはよ」

眼鏡 「友さん……」

友 「前回はドジ踏んじまったが、今日はそうはいかないぜ」

眼鏡 「私も、負けません……!」

お嬢様 「だ、大丈夫?」

眼鏡 「えぇ、お嬢様は逃げておいて下さい」

お嬢様 「じゃあ、お願いしますわ」タタタ

眼鏡 「任せてください」ニコ

友 「いいのかよ、2人でかかってこなくて」

眼鏡 「一度倒した相手に遅れはとりません」

友 「そうかよぉ」

友 「なら格下に、足下掬われないように、なっ!」ドォン!

眼鏡 「もちろんです!」シュン

眼鏡 (炸裂の能力……! 威力は高いですけど……)

友 「そらよ!」ヒュン!

眼鏡 (石ころ……?)

友 「爆ぜろぉっ!!」パァン!

眼鏡 「っ!?」

眼鏡 (石を弾けさせて……)

眼鏡 (この短時間じゃ破片が届かない範囲を座標指定できない……!)ヒュン

眼鏡 「つぁっ!」

友 「捉えたぁっ!」ブンッ

眼鏡 (右のストレート……! このままだと)ガンッ!

眼鏡 「きゃぁっ!?」

友 「ふーっ……」

眼鏡 「まだです!」ヒュン!

友 「石!?」

友 (真似のつもりか……?)

石 「」シュン!

友 「消えた?」ガンッ!

友 「―――!」

友 (後ろに転移させて……!)

眼鏡 「これでぇっ!」

女 「はいごめんねー」キュィン

眼鏡 「!?」

眼鏡 (動きが止められて……)

友 「あてて……わりぃ、な。今日は2人がかりだ」

女 「隠れてて正解だったわね」

友 「けっ、1人でもやれてたよ」

女 「やられてたじゃない?で眼鏡ちゃんどうする、って……」

友 「逃げられてんじゃんかよ!!」

女 「しまったぁぁぁぁぁ!!」

お嬢様 「はぁはぁ……」

お嬢様 「眼鏡さん大丈夫でしょうか……」

お嬢様 「アナウンスは入っていませんしまだやられてはいないと思いますけど……」

お嬢様 「ちょっとここで休みまs……」

男 「」

お嬢様 「」

男 (おいおいまじかよおい不良が偵察に行ってる間に奇襲来たってヤバいっておい)

お嬢様 (ここよくみたら拠点じゃないですかしかも既に男さんのチームが……)

男 「……」ジリジリ

お嬢様 「……」ジリジリ

男 (こいつは能力を見せずに試験に勝っていた)

男 (能力を使わずとも強いのかそれとも能力が目に見えて効果が出るものではないのか……)

お嬢様 (マズイですわ非常にマズイですわ)

お嬢様 (わたくしの能力は戦闘向きではありませんのに……!)

男 「ふ……」

お嬢様 「……?」

男 「ふぉぉぉぉぉぉ……!」ウネウネ

お嬢様 (な、何か中国拳法的なものを感じさせる動き!?)

お嬢様 「は……」

お嬢様 「はぁぁぁぁ……!」

男 (凄い特殊な格闘技っぽい構え!?)

男・嬢 (こいつ……できる!!)

実況 『男チーム友、女、不良』

実況 『モブチーム全員』
実況 『エキストラチーム全員』

実況 『眼鏡チーム、眼鏡』

実況 『それぞれリタイアだー!!』

男・嬢 「「!?」」

お嬢様 「どういうことですか……?」

実況 『なお拠点が全て消去されたため、ルールを変更致します』

男 (誰がやった?)

男 (俺とこいつ以外、4チームが全滅……)

男 (確か残りの1チーム、いや1人は……)

お嬢様 「赤毛さん、ですわね……」

男 「あぁ……」

男 (4人まで組んでいいチーム、1人だけで登録した男、赤毛)

男 (やつが1人でやったことになる……)

お嬢様 「わたくし達が揉めている場合では無いようですわね」

男 「あぁ…おい、運営委員」

運営委員 「なにか」シュン

男 「裏切りを使う」

お嬢様 「なっ!?」

運営委員 「眼鏡チームに寝返るのですね」

男 「あぁ」

運営委員 「承知しました」シュン

お嬢様 「なにを考えているんですの!?」

男 「勝つことだ」

お嬢様 「ハイリスクローリターンなのですよ?」

男 「男チームの人間のままじゃお前の信用は得られない」

男 「俺はなにをしてでも勝たないといけないんだ」

お嬢様 「……わかりました」

男 「すまない」

男 (裏切り)

男 (読んでそのまま、試合中に敵のチームに寝返ることができる)

男 (しかしそんな便利な機能、只で使えるわけがなく)

男 (そのチームが勝ったとしても点数は半減)

男 (それ以外の場合は全てゼロ)

男 (今のタイミングで使ったところで、利点はほぼ無い)

男 (それでも俺は勝たないといけない……!)

お嬢様 「わたくしの能力はお伝えしましたね」

男 「あぁ」

お嬢様 「戦いはあなたに任せることになりますが、よろしいですね」

男 「分かっている、お前もやられないようにな」

お嬢様 「分かっていますわ」

赤毛 「作戦会議は終わったのかい?」

お嬢様 「!?」

男 「」キッ

赤毛 「おー、怖い怖い。そう睨むなって」

男 「たのむぞ、お嬢」

お嬢様 「えぇ」タタタ

赤毛 「おや、1人でやれんのかい」

男 「言葉はいらない、早く来い」

赤毛 「……生意気!!」チャッ

男 (ピストル……)

お嬢様 『右!』

男 「ふっ!」キィン

赤毛 「お?」

お嬢様 『イヤホンの感度はバッチリのようですわね』

男 「助かる」

男 (それより奴の能力……)

赤毛 「なーんで俺の能力見きれたん?」

男 「さぁな」

赤毛 「そうかよ!」ヒュヒュヒュン

男 (銃のファンネル……)

赤毛 「避けられるかよ!」バララララ

男 「っ!!」キュィ

赤毛 (弾丸を止めた?)

お嬢様 『右上!』

男 「ふっ!」ナイフナゲ

銃 「」キィン

赤毛 「また俺の銃を……!」

男 (いけるぜ、お嬢の能力があれば……!)

お嬢様
スキル
超直感a

男 (しかし奴の能力の詳細がわからない以上、下手に仕掛けられない)

男 (残り時間は10分、それまで持たせれば2人対1人で判定勝ち)

男 「だが……!」

赤毛 「てめぇの能力は見きってんだよ!」ダッ

男 「……!」ダッ

赤毛 「死ねぇ!!」バンバン

男 「くっ!」キュィ

お嬢様 『駄目っ!!』

赤毛 「面倒なんだよ! その磁界操作は!!」

男 「!?」

男 (弾の軌道が……?)

男 「ぐぁっ!?」スコーン

赤毛 「はっ、カーボン製の訓練弾だよ!」

男 「てんめぇ……!」

赤毛 「まだまだ!」

男 「っ!!」

赤毛 「全面展開!!」

男 (囲まれた……?)

赤毛 「撃ぇぃ!!」ズダダダダ

お嬢様 『男っ!!』

男 (こうなったら―――!)

赤毛 「ふぅ……」

赤毛 「なぁ、男だっけか?」

男 「はぁ、はぁ……」

赤毛 「なんでまだ生きてんの?」

男 「さぁな……」

赤毛 「周りを囲む鉄の板はどっから出した?」

男 「さぁな……」

赤毛 「手品だとでも言うつもりか?」

男 「そうかもな」

赤毛 「ふざけやがって……!!」ギリィ

赤毛 「ぶち殺してやる!!」シュン

男 「……お前をな!」キュイ

赤毛 「ぐぁっ!?」

赤毛 (地面からナイフが!?)

男 「何の策も無しに迎え撃つかよ馬鹿が!」

赤毛 「なんなんだよその能力!!」

男 「自分で味わいやがれ!!」

男 「囲め!」バババッ

赤毛 「!?」

赤毛 (どういうことだ?)

赤毛 (いくらなんでもこの量のナイフとフォークを持ち歩けるわけが……)

赤毛 「っ!」

赤毛 (見たぞ、今の一瞬)

赤毛 (紙がナイフに変わる瞬間を!!)

赤毛 「なるほどな……」

赤毛 「多重能力者だったってわけか」

赤毛 「紙を変化させる……物質変換ってところだな」

男 「気づくのが遅かったようだな」

男 「紙さえあれば俺はなんだって作りだせる」

赤毛 「あぁ、どっからともなく出てくるナイフも全部紙を仕込んでたってわけだな」

男 「お前が銃を出すと同時に俺のナイフがお前を切り裂く」

男 「俺達の勝ちだ」

お嬢様 『ちょっ、なんであなたがこちらにいますの!?』

男 「お嬢!?」

赤毛 「奥の手を出し渋り過ぎたなぁ」

赤毛 「お前の負けだ」スゥゥ

男 (消えた?)

男 「応答しろお嬢、お嬢!!」

お嬢様 『ご、めんな、さい……』

実況 『赤毛がお嬢様を撃破ーっ!!』

男 (なんだ、一体何が起こった?)

男 (まさかあいつも多重能力者?)

男 (空間転位の能力を?)

男 (しかしそれなら俺と戦った時に使っていれば……)

赤毛 「お祈りは済んだかい?」

男 「赤毛……!」

赤毛 「お前は俺の能力を銃を介した力だと思っていたんだろう?」

赤毛 「残念だったなぁ、そりゃハズレだ」

男 (頭を回せ、奴の能力を考えろ……!)

赤毛 「俺の手にかかれば……」シュン

赤毛 「こんなもんよ」

男 (俺のナイフを?)

男 (やはり空間転位? だがしかし……)

赤毛 「つーわけで、そろそろお別れにしとこうか」シュン

男 (また銃を……)

男 「……?」

赤毛 「消し飛べっ!!」

男 (一か八か……!)ヒュン

赤毛 「っ!?」ガンッ

男 「やっぱり、そっちか」

男 「わかったぞ、お前の能力」

男 「赤毛、まさか二人いたとは思って無かったぜ」

赤毛 「くっ……」

男 「本体は後ろにいた方だな?」

赤毛 「……なんでわかった?」

男 「お前が一斉に銃をだしていなかったら気づけなかった」

男 「銃の配列が全く同じことに気づいたのさ」

赤毛 「そんなことがわかるわけがない!」

男 「なんとなくだ」

男 「俺の能力も多少は空間認識能力が必要だからな」

男 「それと、お嬢の直感で後ろの銃を弾く時」

男 「銃があるのは必ず同じ方角だった」

男 「さぁ答え合わせだ」

男 「お前の能力、それは」

男 「過去を再現する能力、だな?」

赤毛 「ふっ……」

赤毛 「正解だよ、男」

赤毛 「俺の能力が分かった奴はお前が初めてだ」

男 「そうか」

赤毛 「すげぇ奴だ」

男 「侮れない奴だ」

赤毛 「大した能力でも無いのに、それを最大限利用して俺と渡り合った」

男 「たった一人で俺達の殆どを倒し、俺を欺いた」

赤毛 「俺が他人を認めたのはお前が初めてだ」

男 「俺がこんなにも裏をかかれたのはお前が初めてだ」

赤毛 「だからこそ!」

男 「故に!」

赤毛 「消し飛ばす!!」バババッ

男 「切り刻む!!」バババッ

男 「初めてだ! 姉さん以上に超えたいと思った人間は!!」ヒュン

赤毛 「今まで無かった!ここまで倒したいと思える人間は!!」バン

男 「ちぃっ!!」キィン

赤毛 「消えろぉ!!」ババン

男 「ぐぅっ!?」ボンッ

赤毛 「煙幕!?」

赤毛 (どこから来る……)

赤毛 (後ろか、右か、左か……)

男 「うおぉぉぉぉぉ!!」

赤毛 「上!?」

男 「うらぁっ!!」ドガッ

赤毛 「ぐぅっ!!」

男 「はぁっ!」ザァッ

赤毛 (目潰し!?)

男 「食らえ!!」ドガッ

赤毛 「ぐあぁっ!」ドサァ

男 「はぁーっ、はぁーっ、はぁーっ……」

赤毛 「らぁっ!!」ザァッ

男 「つぅっ!?」

赤毛 「う、らぁぁぁぁぁ!!」カミツカミ

赤毛 「はぁっ!」ドガァ

男 「ぐぁぁっ!」

赤毛 「ふーっ、ふーっ……」

男 「負けられるかよ……」グググ

赤毛 「いい、かげん、倒れろよ……」

男 「お前こそな……」

男 「次で決める……!!」

赤毛 「終わらせる……!!」

男 「俺の、勝ちだぁぁぁぁぁ!!」

赤毛 「貴様の負けだぁぁぁぁぁ!!」

ドガァッ!!

男 「ぐ、あ……」ドサッ

赤毛 「か、はっ……」ドサッ

男 「…………」

赤毛 「…………」

実況 『えーっと……』

実況 『男、赤毛両者試験続行不能により第二回試験を強制終了します』

姉 「ありゃりゃ、引き分けちゃったね」

会長 (男ぉぉぉぉ!!)

運営委員 『得点を発表します』

運営委員 『赤毛さんには50点』

運営委員 『それ以外の方は全員20点』

運営委員 『なお、男さんは裏切りをした後勝利できなかった為零点』

運営委員 『落第となります』

会長 (あぁぁぁ男が補習にぃぃぃぃ!)

姉 「会長ちゃん?」

会長 「あ、そうですね……」テクテク

男 「…………」

運営委員 「あの、目を覚まさないのですが……」

会長 「起きろ、男」パチン

男 「ぅ……」

会長 「お前は落第だ、追試を受けて貰う」

男 「そう、ですか……」

会長 「頭を冷やして出直せ」

会長 「運営委員、男を補習部屋に連れていけ」

運営委員 「はい」

お嬢様 「お待ちください」

会長 「なんだ」

お嬢様 「男が落第したことはわたくしにも責任があります」

お嬢様 「彼を落第にするならわたくしもそうしてくださいませ」

会長 (ったりめーだテメー)

会長 「お前も零点になるが、いいのか?」

お嬢様 「もちろんですわ」

会長 「なら行くといい」

お嬢様 「ありがとうございます」

お嬢様 「いきますわよ、男」

男 「あぁ……」

運営委員 「こちらです」

会長 「裏切りなんてしなければ……」ブツブツ

姉 「文句ばっかり言わないの」

姉 「あの子が選んだんだから、私達が口を出すことじゃないわ」

会長 「そうですが……」

姉 「あの子がこのくらいでくじけると思う?」

会長 「……そうですね」

補習部屋

男 「ん……」パチ

お嬢様 「目が覚めましたのね」

男 「ここは……」

お嬢様 「補習部屋ですわ」

男 「どこかのリゾートホテルの一室にしか見えんが……」

お嬢様 「最後になるかも知れないのだからいい思いでを、といった具合では無くて?」

男 「なるほどな……」

男 「俺は負けたのか…?」

お嬢様 「ご安心を、相討ちですわ」

男 「勝てなかったんなら負けと同じだ」

男 「それよりなんでお前が?」

お嬢様 「あっ、あなたが余りにも惨めだったから付き添ってあげただけですわ」

男 「そっか」

男 「ありがとな」

お嬢様 「ですから!」

お嬢様 「はぁ、もうよろしいですわ」

男 (俺は這い上がってみせる)

男 (絶対に這い上がる)

男 (這い上がって、姉さんと、赤毛を倒す)

男 (這い上がってやる)

男 (この、気味が悪い程に明るい、地の底から)

一応一段落です


色々と厳しいので次から地の文入れていってもいいですか?

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