オンリー・ビーナス(258)

とある廃教会


<トミエー‼︎

富江「はいはい」


<トミエー‼︎‼︎‼︎

富江「ちょっと、音量下げなさい。うるさいわよ」

<トミエェェエエエッッ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎


富江「やかましい!」


<プギャアー‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎

富江「耳がキーンてなったでしょうが‼︎ 耳がキーンって‼︎」

夜神月「落ち着いて下さい。富江様」

富江「あらっ…… ライト君。 準備出来たの?」

ライト「はい、いつでも始められます」

ライト「それじゃ…… 始めて頂戴」


<フォー‼︎‼︎‼︎


富江「人生は短く儚い…… だからこそ弾けなさい。人生、弾けてなんぼよ‼︎」

<イヤァー‼︎‼︎‼︎

ライト「上手く伝わりますかね? 」

富江「絶対に伝わるわ。 だって……」


碇 シンジ「はっくしゅん!?」


富江「彼は私が愛した唯一の男なんだから」

新浜 ニュータウン 某マンション


草薙 素子「風邪でもひいたの?」

シンジ「う~ん、どうだろ… そんな事あるのかな今更」

レイン「大丈夫? お父さん」

シンジ「うん。 大丈夫だよこれぐらい」


穏やかな時間…… シンジにとって血反吐を吐きながら手に入れた日常。

忙し過ぎてなかなか出来ない家族団欒を楽しんでいた。

シンジ「レイン、何が食べたい?」

レイン「うーん…… 金魚草が食べたいかな~」

シンジ「金魚草か…よし」


シンジは地獄の金魚草専門販売会社に連絡した。

4分ぐらいで枯れた金魚草が届けられた。


素子「どういう風に料理しようかしら」

レイン「新鮮なヤツは刺身にしたり、萎んだら煮込むのがオススメって鬼灯さんが言ってたよ」

シンジ「意外とバリエーションあるんだ……」


台所に母娘そろって金魚草を煮込む作業するのを眺めながらシンジの顔がほころぶ。

だが、30分後ー

一つの着信が平穏をぶち壊す。

ブリリリリッ

ピッ


シンジ「はい、もしもし」

衛宮 士郎「もしもし! 社長、大変です‼︎」

シンジ「シロウ君。落ち着いて何があったか詳しく話してよ」

士郎「ワールドニュースを観て下さい‼︎ かなりマズい事になってます‼︎‼︎」


シンジは肩と頬でPDA(イリジウム・スマホ)を挟みながらTVを点け、ワールドニュースにチャンネルを合わせた。


キャスター『こんにちは。 アンチクライストニュースの時間になりました』

キャスター『昨日から世界主要都市で発生している公共施設、連続自爆テロに関する続報です』

『テロを主導した容疑で坂田 銀時(22)を逮捕状を取り、国際指名手配しました』


シンジ「…… どういう事?」

士郎『こちらでも今、幕府に連絡しているんですが』

『繋がらないんです』

シンジ「ふむ」


この妙な事態にシンジは胸騒ぎを感じた。


レイン「お父さん」

シンジ「ん? どうしたレイン」

レイン「叔父さん達…… 大丈夫かな」


不安そうにTVを見つめるレインに近付き頭を撫でた。

シンジ「大丈夫さ。 叔父さん達は強いから心配ない」

レイン「うん……」

素子「シンジ」


妻である素子が腕を組みながらシンジに近付き、耳元で囁いた。


素子「緊急召集で呼ばれたから、レインをお願い」

シンジ「僕も同行する」

素子「えっ?」

シンジ「一応、9課とLSDは協定関係にあるから大丈夫」

素子「そうじゃなくて…」


シンジは素子の肩を優しく叩き、身をかがみ静かにこう言った。

シンジ「レインには上手く伝えるよ」


そう言って立ち上がるとレインに近付いた。


シンジ「レイン…」

レイン「分かってるよ。 お仕事でしょ?」

シンジ「ああ」


やりきれない顔してるシンジにレインは優しい笑顔でこう言った。


レイン「信じるモノの為に……義を尽くしてね。お父さん」

シンジ「もちろんだよ」

レイン「本社に居るから……迎えに来てね」

シンジ「ブリーフィングが終ったら迎えに行く絶対に」

レイン「気をつけてね。2人とも」


シンジ・素子「レインも(ね)」

笑顔でレインはLSD本社にテレポート、2人は駆け足で準備を行いシンジが持つ転送装置で9課ビルにジャンプした。

9課ビル ブリーフィング室


トグサ「状況確認だ。 まずっ…」

シンジ「」スッパー

トグサ「なんで居るんだよ……」

素子「9課とLSDは協定関係にある。会議に参加しても問題ないでしょ」

シンジ「そういう事ですので…… 話を続けて下さい課長さん」


トグサは微妙な顔をしながら会議を続けた。

トグサ「自爆した被疑者達は……」


シンジはふとある言葉が頭に浮かんだ。


スタンドアローンコンプレックスー

目的は同じでも全員性別や年齢もバラバラであり、繋がりがあるワケではない。

〈目的〉がなんであれ、ロクなものではなさそうだが。


トグサ「このテロを指揮したと思われる〈童帝のいない八月〉という組織のリーダー、坂田銀時を見つけなければない」


ややこしい事態になってきた…… シンジは煙草を吸いながらPDAで士郎に連絡した。

士郎「もしもし、社長?」

シンジ「シロウ君…… いきなりで悪いんだけど〈準備〉して貰えないかな」

士郎「一応、準備してるんですが……」

シンジ「どうしたの?」

士郎「お嬢さん、そちらに居ませんか? 何処にもいないんです」

シンジ「……」


シンジは頭を抱えた。

レインまで消えてしまうとは。

どうしたものか……


だが、こうも考えていた。

もしかしたら…… あそこに向かったのかも知れないと。

状況が全くもって不明な〈銀魂〉に

「ぱっつぁん~ コレ使えるか?」

冴羽?(志村新八)「ええ、よく見つけましたね銀さん」

坂田銀時「これでもよー〈行方不明の神様〉って呼ばれてたからね銀さん」

リョウ「行方不明の神様って…… それって貶されてません?」

銀時「俺に見つけらっ……」


「キシャアアアアア‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」

レジから、眼が紅いアルビノの女が銀時に襲いかかった。

押し倒された銀時は腰から洞爺湖を抜き噛みつこうとする女の攻撃を防いだ。

女の力に圧倒され、徐々に両腕が下がり始めた時

女の顔面にナイフが貫通した。

先端から滴る血が銀時の右頬に落ちた。


リョウ「大丈夫ですか?」

銀時「お、おう……」


冷汗かきながら、女を横に捨てリョウが差し出した手を握り起き上がった。


銀時「ここにも居るみてぇーだな」

リョウ「何処にでいますよ…… 何処にでも」


虚ろな眼をしながらリョウはそう言って、ビューシーナイフを鞘に収めた。

リョウ「外に出ましょう。長居は無用です」

銀時「ウィース」


リョウは背中に背負っていたAK-47(改)を両手に握り、チャージングハンドルを後ろに引き銀時と共に
〈必要な物〉を持って外に出た。

桂「新八君、大丈夫か?」

銀時「テメー 俺の心配はしねぇーのかよ」

桂「お前が死ぬことはほぼありえんだろ。最終回前に死んだ某ライダーの主人公じゃあるまいし」

リョウ「龍騎はバトルロワイヤル物として最高の出来ですからね…… ライダーとしてはどうかと思いますけど」

桂「うむ…… 1号殿も苦言を呈していたしな」

リョウ「余計な発言で顰蹙買った、リメイクの監督も中々出来はイイんですけどね~ やっぱ」


銀時「オィィィッッ‼︎‼︎‼︎ なに2人で呑気に龍騎の話してんだよ‼︎‼︎ 今、そんな状況じゃねーだろ‼︎‼︎‼︎」


「なに、声を荒げてるアルか?」

リョウ「神楽ちゃん、酢昆布は見つかった?」

神楽「二箱ほどあったヨ」

リョウ「それは良かった…… ところで信女は?」


今井信女「缶詰4個あったわ」

銀時「おわっ?!」


リョウ「御苦労さん、さぁ必要な物は殆ど手に入ったからもどっ……」


背後から視線を感じたリョウは後ろに眼をやった。


アルビノ少女「……」


左頬が抉れたアルビノ少女がリョウ達を見つめていたのだ。

リョウ「信女……」


ビシュ

トッ

バタン


信女は両手に持っていたホートンスカウトHD125でアルビノ少女の眉間を撃ち抜いた。

矢は眉間を貫き、後頭部を貫通した。


リョウ「ナイスショット信女」

信女「父さん、早くここから離れた方がいい」


銀時「離れられねぇーよ」

リョウ「…… チッ」


身体を前に戻したリョウは舌打ちした。

アルビノの群れが集まってこちらを見つめていた。

左顔面が半壊したアルビノ男が雄叫びを上げた。


アルビノ男「ウッガアアアアア‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」

桂「新八君……」

リョウ「ゆっくりと後ろに…」


神楽「駄目アル」

リョウ「ハハハッ……ツイないな 」

信女「囲まれた」


前後ともに群れに囲まれたリョウは苦笑いした。


銀時「どうすんだーよ、新八」

リョウ「どうするって決まってるじゃないですか」

「はい~ 皆さん、応戦して下さいー」


アルビノ男「ウガァアアアアア‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」

桂は固定ストック仕様H&K G3A2 (改)を左懐から取り出しハンドガード下のチャージングハンドル後ろに引き、群れ目掛けフルオート連射した。

銀時は懐からベクターSP1(改)とベルトから洞爺湖を抜き出しスライドを前後に引き乱射した。

リョウも2人の後ろでAK-47を3点バーストで連射した。


ズドドドドドッ‼︎‼︎ ドドドドド‼︎‼︎‼︎

ドドカ‼︎ドカ‼︎ドカ‼︎ドカ‼︎

桂「新八君、このままで我々が追い詰められるぞ‼︎」

リョウ「神楽ちゃん‼︎‼︎ 信女と一緒に荷物を持ってセーフハウスまで逃げろ‼︎‼︎‼︎」


ビシュ


信女「父さんは?」

リョウ「心配するな…… 後で合流するから」

そう言って微笑むとリョウは連射を続けた。


リョウ「行け‼︎」

信女「……」

神楽「早く、台車に乗るアル」

信女「援護するから走って」

神楽「おらぁああああ‼︎‼︎‼︎」


必要品が入った箱型台車に信女を乗せながら神楽は疾走した。

リョウは表情を変え、近くにいたアルビノをAKのストックで横殴りした。

アルビノの首がへし折れそのまま地面に叩きつけられて動かなくなった。

銀時「どんだけいんだよ‼︎ どいつもこいつも真っ白だなオイ‼︎‼︎」

リョウ「撤収‼︎‼︎ 」

銀時「おう‼︎ 」

桂「くっ…… 弾が……」

アルビノ「キシャアアアア‼︎‼︎」

桂「っ⁈」


桂に飛び掛かろうとしたアルビノの頭頂部が破裂した。

コルトパイソン風S&W M500 4inを右手に構えたリョウが肩に下げていたスリングを外してAK-47を桂に投げ渡した。

桂もスリングを外し弾が詰まったG3A2を投げ捨てAKを受け取った。


リョウ「走れ‼︎」


M500を連射しながらリョウは2人共に疾走した。

セーフハウス(リョウ達の隠れ家)

コン、コン、コン

ガチャン


ミック・エンジェル「リョウ! 無事だったのか‼︎」

リョウ「ああ…… なんとか」

「それより信女達は?」

ミック「戻って来てるぞ」


リョウ「そうか……」


そう言うと壁に背をつけて床に座り込んだ。


ミック「大丈夫か?」

リョウ「テキーラ持って来てくれ」


レイン「はい、テキーラ」

リョウ「…… ありがとう」



なぜレインが居るんだと唖然とした。

テキーラの栓を抜き飲み始めた。

リョウ(どうやって江戸に入ったんだ?)

銀魂の世界は壁に覆われ更に地獄特殊部隊<ハズマッド>と天界支援組織<BSAA>によって監視されている。

ほとんど上空からしか侵入できないが対空砲で撃墜されるはず。


リョウには一つ心当たりがあった。


リョウ「レイン」

レイン「どうしたの? 叔父さん」

リョウ「どうやってここまで来たのか…… 教えてくれないか」

リョウ(どうやって江戸に入ったんだ?)

銀魂の世界は壁に覆われ更に地獄特殊部隊<ハズマッド>と天界支援組織<BSAA>によって監視されている。

ほとんど上空からしか侵入できないが対空砲で撃墜されるはず。


だが、リョウには一つ心当たりがあった。


リョウ「レイン」

レイン「どうしたの? 叔父さん」

リョウ「どうやってここまで来たのか…… 教えてくれないか」

レイン「銀さんが公共機関に対するテロの主犯にされてるっていうニュースが」

銀時「待って待って… 俺、外の世界じゃテロリストになってんの?」

レイン「うん。自爆テロを指示した容疑で懸賞金も賭けられてるよ」

銀時「なんでェェェェッ‼︎‼︎ 俺全くかんけねぇし被害者じゃねーか‼︎‼︎」

レイン「私に言われても困るよ」

リョウ「別に銀さんが指名手配されてようがされてないかは置いといて……」

銀時「アレ?あっさり話すり替えられたんだけど?」

リョウ「どうやってフル装備でココまで来たんだ?」

銀時「えっ? スルー?」

レイン「なんか…… 銀魂の世界が壁に覆われたって…… ニュースで見たから必要品をリュックに積めてジャンプしたの」

リョウ「ジャンプしたのか…… 」

レイン「うん」


なるほど。

確かにジャンプすれば誰にもバレずにどこへでも行ける。

ただ…… リョウには気懸りがあった。


リョウ「レイン、これからどうするつもりなんだい?」

レイン「戻るつもりだったんだけど」

「戻れなくちゃった」



やっぱりなと思いつつリョウはレインのリュックを貸してもらい中身を確認した。

リョウ「これは……」

レイン「どうしたの? なにか問題あった?」

リョウ「いや、逆だ。助かったよレイン」

レイン「えへへへっ//////」


御礼を言われて嬉しそうに鼻歌を口ずさみながらドックフード缶を素手でこじ開けた。

それを眺めながらリョウはリュックから<仕事道具>を取り出し並べミックにこう言った。


リョウ「ミック、皆を呼んで来てくれ。渡したい物がある」

信女「……」

リョウ「試し撃ちするか?」

信女「いや、使い方だけ教えてくればいい」

リョウ「よし~ まずは」


ジャン・キルシュタイン「」ぷか~

レイン「どうしたの? ジャン」


ジャン「どうしたのって…… イマイチ状況が掴めてねぇだよ」

レイン「はい」

ジャン「?」


レインは自分が原因で巻き込んだジャンにベネリ ノヴァ(改)を渡した。


レイン「状況が掴めてなくても銃は必要だよジャン」

ジャン「てか、お前が……」

潮田渚「レイン」

レイン「どうしたの? 渚兄ぃ」

渚「これ、レインのじゃないの」

レイン「あっ‼︎」


同じく巻き込こまれたものの適応してる渚はFN FNC Para (改)をレインに見せた。

レイン「ありがとう~ 渚兄ぃ! 見つからないから置いていたのかと思ってたんだ~」

渚「良かったけど…… 」

レイン「どうしたの?」ジャキ


渚「これからどうなるんだろう……」

リョウ「本当にすまない」

レイン「テンパってジャンプしてごめんね渚兄ぃ」

ジャン「俺には謝罪無し?」

レイン「渚兄ぃはたまたまあそこに居ただけど、ジャン多分違うジャン」

ジャン「なんか、俺に対する扱い軽くないか?」

レイン「気のせいジャン」


なんだか腑に落ちない顔をしながらジャンはフォアエンドを前後にコッキングした。

渚もフォアグリップとドットサイトを装着したCZ 805 ブレンA2(改)のチャージングハンドルを後ろに引いた。

その様子を見ていたリョウはこう切り出した。


リョウ「皆、状況は知っての通り最悪だ。 奴らに囲まれ、食料も少ない」

だが、レインのおかげで少しだけだが状況が好転した。 だからといってココに留まるつもりはない」

銀時「つまりよぉ…… 上に出るってか」

リョウ「その通りです、銀さん」

桂「本気なのか新八君」

リョウ「本気です。 ココにいても事態が収まるとは到底おもえない」


リョウの言葉に全員、押し黙ってしまった。

だが……

信女「私も父さんと同意見」

神楽「私もアル。こんな場所で死にたくないヨ」


銀時「テメーら…」

ミック「俺はどんな決断をしてもお前に付いていく」

桂「侍として命尽きるまで抗ってみるのも悪くない」

レイン「かぶき町の人たちを助けないとね、叔父さん」

リョウ「……」


銀時もめんどくさそうに頭をかきつつ薄ら笑みしていた。

ジャンと渚は少し苦笑いしていた。

リョウは笑み浮かべこう言った。


リョウ「じゃ、行きますか」

レイン「ところで叔父さん」

リョウ「どうした?」

レイン「奴らって誰の事言ってるの?」

リョウ「徘徊してるアルビノみたいに真っ白な人たちの事だよ」


レインは少し首を傾げるとある聖書の言葉を引用し始めた。

レイン「主が、『名は何か』とお尋ねになるとそれは答えた」

「わが名はレギオン。我々は、大勢であるがゆえに」


渚「新約聖書のマルコによる福音書5章9節ですね」

リョウ「なるほど… 悪くない」

こうしてアルビノの如く真っ白な者たちの名が決まった。

『レギオン』とーーー

江戸 入口

ハズマット「」シュゴー

ハズマット「」シュゴー


「すいませーん」

ハズマット「なんだ?」

フード付きジャケットを着た2人の男が壁に覆われた江戸唯一の出入口に現れた。

ハズマットは訝しみながら眼鏡を掛けた男に反応した。


眼鏡「江戸ってココっすか」

ハズマット2「そうだ」

眼鏡「ヘェ~ 随分とまあ……」

ハズマット1「?」


眼鏡「でけェな」


そう言い終えた眼鏡の男はハズマット1の喉仏に背刀をくらわせた。

いきなりの事に間合いを引くことも出来ずに悶えているハズマット1の首に眼鏡は腕を巻きつけ、垂直落下式ブレーンバスターを仕掛けた。

ハズマット2がG36 K(改)を眼鏡に銃口を向ける寸前にイケメンの男が首にチョークスリーパーで絞め落とした。

眼鏡「やるじゃんレオン」

レオン・S・ケネディ「お前もな、タイチ」

天野 太一「へへへっ…… 行こうや」

レオン「ああ」


2人の名は

天野 太一。
<LSD最凶の侠客>と呼ばれる元LSD所属、フリーの私刑執行人。

レオン・S・ケネディ。

大統領直轄の組織『DSO』に所属するエージェント。

幾多のバイオハザードをくぐり抜けて来た兵(つわもの)である。


2人はそれぞれの<目的>を果たす為……タッグを組み江戸に来たのだ。

2人は身体をしゃがみながらゆっくりと、移動していた。


レオン「どこヘ向かうんだ?」

タイチ「万事屋だ」

レオン「ヨロズヤ?」

タイチ「いわゆる…なんていうか…何でも屋的なアレだ」

レオン「的なアレってなんだよ」

タイチ「的なアレは的なアレだろ」

レオン「……」


腑に落ちないが、レオンはとりあえず無理やり納得した。

万事屋

ガシャーン‼︎‼︎


タイチ「ウィース、 リョウ~」

レオン「穏やかじゃないな……」

タイチ「いねぇーみたいだ。 しゃなねぇ、荷物だけ拝借するか」

レオン「いいのか?」

タイチ「極致的非常事態だ、気にすんな」


タイチはそう言って押入の引戸を破壊して1段目から黒い革製カバンを引きずり出した。


レオン「……何が入ってるんだ」

タイチ「<仕事道具>さ」

チャックを開け、中に入っていた通信機をレオンに投げ渡した。


タイチ「来て良かったろ?」

レオン「そうだな…」

タイチ「他に色々あるぜ~」


カバンを横に倒し中身をブチまけた。


レオン「もう少し丁寧にやれ」

タイチ「no thank you」

レオン「……」

タイチ「さぁ、イイ奴ないかな~」


タイチのガサツな性格にやや押されつつボヤいた。


レオン「なけるぜ」

タイチ「携帯食料要るか?」

レオン「食べるヒマないだろ」

タイチ「…… 念の為に」


タイチ「どっちのハジキ使う?」

レオン「両方くれ」


タイチ「M61とM67あるから閃光手榴弾いらねっ」

レオン「……必要だ」


そんなやり取りを繰り返している途中


「チッ、先を越された見てェだ」

「うるさいよオルオ」


2人の男女が中に入ってきた。

タイチはハンドサインで応接室の出入り口付近を指差した。

レオンは頷き、忍足で壁に背中を着けた。

タイチは煙草を咥え、火を点け胡座をかいた。


「あんっ?」

「どうしたのよ」

タイチ「よぉ…… って お前らは」

レオン「ふん!」

ペトラ・ラル「うげらっ?!」


レオンの手刀がペトラの首筋にヒットした。


オルオ・ボザド「ペトラァァァアア‼︎‼︎‼︎‼︎」

タイチ「うるせぇ」

オルオ「オゴッ?!」

タイチはオルオに前蹴りを食らわせた。

鳩尾に入りそのまま気絶した。


タイチ「コイツら…… 俺の知り合いだわ」

レオン「手遅れだ」

10分後


ペトラ「うんっ……」

タイチ「よぉ、ペトラ。 久しぶりだな」モグモグ

ペトラ「タイチ…」

タイチ「悪かったな、気絶させて。ほらよ」

ペトラ「ありがとう……」


タイチは携帯食料を咥えながら2人が気絶してる最中に作っていた濃い緑茶をペトラに渡した。

緑茶を啜りながら不思議そうな顔でタイチを見ていた。


タイチ「俺がなんでここにコイツと居るのか… 疑問なんだろペトラ」

ペトラ「うん…… 」

タイチ「この人、見たことあるか」

ペトラ「これ…お登勢さんじゃないの…」

タイチ「知ってるんだな、綾乃叔母さんのことを」

ペトラ「叔母さん?」


タイチの言葉にペトラは驚いた。

お登勢こと寺田綾乃に身内が居たなんて話を数年暮らしているペトラは初耳だった。

タイチは携帯食料を食い終わると話を続けた。


タイチ「聞いてるだろ? 俺が’富江の弟”として育てられたが逃げ出して」

「サイコパスの世界に辿り着いたことは」

ペトラ「シンジさんから大体は聞いてるけど」

タイチ「そこは2番目に辿り着いた場所でここが1番最初なんだ」

ペトラ「えっ?」


驚愕してるペトラを無視してタイチは更に話を続けた。


タイチ「面倒見がいいお人好しだったな~ ボロ雑巾みたいに倒れていた俺を介抱してくれたんだから」

ペトラ「それが自分の性分って受け入れちゃう人だからね」

タイチ「そうだ。 数ヶ月ぐらい一緒に暮らしてたが」

「ちょっとした事がトラブルが起きた」

ペトラ「トラブル?」

タイチ「無銭飲食した馬鹿が…… 叔母さんが働いてる団子屋で喉詰まらせやがった」

ペトラ「あっ…」


前にリョウに聞いた死にかけの爺さんの依頼の話だとペトラは察した。

タイチは切なそうな顔で話を続けた。


タイチ「そのせいで叔母さんは団子屋を何故かクビになっちまったんだ」


何にも知らないタイチにペトラは伝えるべきなのか迷いつつ話を聞いた。


タイチ「俺は金策に走ったが…… 9歳のガキが出来る事はほとんどなかっただから」

ペトラ「だからどうしたの」

タイチ「攘夷志士とか天照院奈落を手当たり次第に暗殺して金を奪った」

ペトラ「えっ⁈」


意外と恐ろしい事をやってるのかとペトラは唖然とした。

タイチは苦笑いしながら話を進めた。


タイチ「まぁ…… 金は出来たがやり過ぎて俺の正体が露見したから叔母さんの元を離れなきゃいけなくなったんだ」

「叔母さんは心配していたが、それでも俺は叔母さんの為に居なくなる事を選んだ。 居なくなる前に約束した」

ペトラ「なにを約束したの?」

タイチ「1年に一回手紙を書くっていう約束だ」

ペトラ「だから…… 捜しているのねお登勢さんを」

タイチ「手紙を出したのに返信が来なかった。 だからコイツと一緒にワザワザ出向いたワケだ」

レオン「話は終わったか?」

タイチ「多分、終わった」


オルオ「ううっ…… クソッ」

タイチ「よぉ、オルオ」

オルオ「テメェ‼︎‼︎ 」

ペトラ「オルオ‼︎‼︎‼︎」

オルオ「ペトラ…… 大丈夫か」

ペトラ「大丈夫だから心配しないで」


タイチ「今、コイツ。 誰のモノマネしてんの?」

ペトラ「リョウさんだと…… 思うけど」

レオン「やれやれ…… タイチ、お客さんだ」

タイチ「マジで?」


銀時のデスクの後ろの小窓から見えた景色は

武装したブリーフ1丁の全身脱毛した白塗り軍団が万事屋全体を囲もうとしていた。

白塗りハゲ和太鼓野郎「トミエ~」

ドン!ドドン‼︎‼︎

白塗りハゲ軍団「トミエ‼︎‼︎ トミエ‼︎‼︎‼︎ トミエ‼︎‼︎‼︎ トミエ‼︎‼︎」

和太鼓野郎「気高く~ 美しく~」

白ハゲ軍団「she is Venus‼︎‼︎‼︎‼︎」

ドン!

白ハゲ1「ギャーギャー‼︎‼︎‼︎」


タイチ「あっ、当たった」

レオン「どうするんだ? これから」

タイチ「おい! 2人とも銃使えるな?」


オルオ「使えないワケないだろ」

ペトラ「レインに大体は教えられてるから基本はできるよ」

タイチは笑みを浮かべながら黒いカバンからホロサイトとフォアグリップ装着のH&K G36 KV (改)と MP5 K PDW(改)を2人に投げ渡した。


それを見たレオンもリュックから、リョウのスコープ装着のSPR Mk.12 mod.0 (改)のチャージングハンドルを前後に引いた。


タイチ「よっしゃ、まとめて地獄に送り返してやろうや」

レオン「やれやれ…」

それを見たレオンもリュックから、リョウのスコープ装着のSPR Mk.12 mod.0 (改)のチャージングハンドルを前後に引いた。 ×


それを見たレオンもリュックから、リョウの愛銃であるスコープ装着のSPR Mk.12 mod.0 (改)のチャージングハンドルを前後に引いた。 ⚪︎

白塗りハゲ1「ヒャッハー‼︎‼︎」


ジャキ


SIG SG552 (改)をチャージングハンドルを前後に引き、そのままフルオートで白ハゲ1の顔面に高速鉄甲弾が撃ち込まれた。

顔面を貫通した鉄甲弾の雨が2と3の額と左眼を貫いた。


タイチ「俺が先行するからレオンは後ろを頼む。2人は俺たちのサポートよろしく」

レオン・オルオ・ペトラ「了解」


リュックを背負い低姿勢で力走し柵を飛び越え、地面にカッコつけ膝を着いた。


レオン「普通に降りろよ」

タイチ「なんか…… カッコつけたくなるじゃん」


イエローバスタードもどき「八つ裂きにしろ‼︎‼︎‼︎」

白ハゲ軍団「ウォオオォォッ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」

赤いゴーグルを付けたイエローバスタードもどき(黄色ハゲ)の指示に高騰した白ハゲ軍団はオタ芸をやりながら迫り来た。


オルオ「クソッタレ⁉︎」


オルオは腰だめ撃ちで白ハゲ軍団にフルオート連射した。

次々と倒れていく白ハゲ軍団だが、仲間の屍を越えて更に距離を縮めて近付いてくる。


レオン「切りが無い。 退却するぞ!」

ペトラ「オルオ、逃げるよ‼︎」


ガガガガガッガガガガガガガガガガン‼︎‼︎‼︎‼︎


オルオ「クソックソッ」

カチカチッ

オルオ「チッ、弾が切れやがった!?」

黄色ハゲ「イヤッハー‼︎‼︎」


オルオ「ヒィィィィィィィィ~」


弾が切れた情緒がイマイチ不安定なオルオに黄色ハゲが飛び掛かろうとした瞬間


タイチ「オラァ‼︎‼︎」


前蹴りが黄色ハゲの顔面に叩き込まれた。

吹っ飛んだ勢いで白ハゲ軍団も巻き込んで後ろに倒れた。


タイチ「しゃんとしろ‼︎‼︎‼︎ 立たな死ぬぞ‼︎‼︎」

オルオ「ヒィィィ~」


戦意喪失したオルオはペトラに支えられながらタイチとレオン共に万事屋を後にした。

江戸 上空

バララララッ


シンジ「よし、準備はいい?」

常守朱「出来てます」

素子「OKよ」

宜野座伸元「いつでも」

バトー「こっちも行けるぜ」

シンジ「荷物が落下した同時タイミングで降下する!」

一同「了解」

アナウンス『荷物降下まで3秒前。1…… 2…3…』


シンジ「go!!」


2機のステルス仕様のティルトローターから大量の必要品と共に公安9課 課員とLSD 捜査官達がスカイダイビングした。

全員がパラシュート装着してる中で何故か

シンジはパラシュートを装着してなかった。

上空 降下中

バダダダダダダダッ‼︎‼︎‼︎


バトー「対空砲だ‼︎ 」

シンジ「城方面に降下しろ‼︎ 」

素子「シンジ‼︎‼︎‼︎」


シンジ「心配するな…… 後で合流するから」


荷物の上にうつ伏せの状態で乗り
ヒップホルスターから’リアル”エボニー&アイボリー抜き出した。

荷物を前に動かしそのまま身体を回転させながら銃弾の雨を降らせる技、レインストームを繰りだしながら対空砲に激突した。

降下から10分後


ギッ……

パラ…パラ…


シンジ「うっ…… 」


ギギギギッ……‼︎‼︎


シンジ「うおっ?!」


ガシャン‼︎‼︎‼︎


シンジ「あぶなかった」


頭から溢れでる血を抑えながら周りを確認した。

どうやら、激突の衝撃で対空砲担当のハズマット達は全滅していた。

『しゃ……社長⁉︎ ご、御無事ですか⁉︎』

シンジ「ああ、大丈夫だよ。ショウ君」

雛河翔『よ、よかった……』


LSDオペレーターを担当してる元公安局刑事課一係 執行官 雛河翔が
シンジを心配して連絡してきた。


シンジ「ゴメンだけど現在地を表示してくれ」

ショウ「り、了解」


シンジは左懐からサングラスを取り出し掛けた。

表示された現在地は江戸城から2キロ離れていた。

サングラスを外し懐にしまいショウに通信した。

シンジ「ありがとう、助かったよ」

ショウ「いえ…… それと」

シンジ「なんだい?」


人見知り気味なショウに優しく問いかけた。

ショウはあることをシンジに頼んだ。


ショウ「おっ…’お姉ちゃん”をお願いします…」

シンジ「ああ、必ず皆と一緒に連れて帰る。約束する」


シスコンなショウは勝手に元公安局監視官で LSD捜査官である常守 朱をお姉ちゃんと内心で呼んで慕っている事を、シンジは理解していた為

少し優しい応対した。


ショウ「ありがとう…… ございます」


ショウは安堵したように礼を言って通信を切った。

車道 江戸城から1.9キロ地点


目明し「アニキ‼︎ 撤退命令です!」


ジャカッ、ドカン‼︎‼︎


同心「よし、一旦BARにもどr」

レギオン「キシャアアアア‼︎‼︎‼︎」

チャキ

ドン!


同心「はひっ⁈」

シンジ「味方だ。 逃げるよ、分が悪すぎるから」

目明し「わ、わかりやした」


いきなり現れたシンジは同心に襲い掛かったレギオンをコルト パイソンステレンス 6in (改)で仕留め、
続けて連射しながら2人を先導しながら裏通に逃走した。

裏道


シンジ「こちら、カシウス。 応答を」

ザッザッ


シンジ「本部には繋がるが…… 皆とは繋がらないのか」

同心 (フゥ~ 仕事の後の一服はたまらなっ)


同心は咥えていた煙草をシンジに奪われ投げ棄てられた。


同心「……」

シンジ「君の名前は?」

ハジ「わっちはハジでやんす。よろしく頼まんす」

シンジ「君がハジか! いや~ 僕の娘と仲良くしてくれてありがとう」

ハジ「娘って……」

シンジ「レインていう名前の」


同心(レイン…… 俺を『役に立つのかたた無いのか判らないコメディアン』と評した14歳の娘だ。 懐かしい名が出てきっ)

シンジ「このハードボイルド気取りのイタい人が…」

ハジ「小銭形平次でやんすよ」


小銭形平次「俺がハードボイルド同っ」


シンジ「ハジちゃん、銃の使い方わかる?」

ハジ「へい、基本は出来るでやんす」

シンジ「そうか。じゃ、これを」


小銭形を無視してシンジは左懐からバックサイドホルスターに入っSIG P239(改)を手渡した。

ジャコジャコ、カシ

チャ、ジャキ‼︎


シンジ「おっ、僕の娘と同じ事やるんだねハジちゃんは」

ハジ「あっしに銃の使い方を教えたのはレインでやんすから動作が似るのは仕方ないす」

シンジ「へぇ~そうなんだ。 ハードボイルド君もそうなの?」

ハジ「アニキは万事屋の旦那トコの」

シンジ「リョウに教わったのか」


シンジは意外そうな顔で格好つけてる小銭形を見た。

特に何かを話すワケでも無く、すぐにハジに視点を戻した。


シンジ「実は2人に頼みたい事があるんだけどいいかな?」

ターミナル 内部


「待たしてまって申し訳ない」

富江「いいーのいいーの、気にしないで慣れてるから」

「要件を聞こうか……」

富江「あのさ~ 確認なんだけど私達とあなた達はビジネスライクな協定、結んでるわよね?」

「確かに協定は結んでるがビジネスライクかどうか不透明だ」

富江「なるほど……だから」

「ウチの最高傑作たちを銃撃したワケね」


「襲い掛かって来たから応戦したまでに過ぎない。何か問題でも?」

富江「バイオハザード起こせっつったのーー あなたじゃない」

「確かにそう頼んだが…… 襲い掛かってきたのはそちらの不始末。 我々の責任ではない」

富江「今ここで契約を破棄するわ」

「宜しい。では報酬の半分を今ここで渡そう」

「スカルフェイスー」

スカルフェイス「はっ‼︎」


謎の女は部下である、スカルフェイスにスーツケースに入れた報酬を
富江に届けに向かった。

そばでその様子を見ていたライトは呆れながらスカルフェイスを眺めていたが

静かにバックサイドホルスターに手を伸ばした。



スカルフェイス「どうぞ……これがー」


ドカ! ドドッ‼︎‼︎‼︎


ライトはワルサーP99(改)で歩み寄ったスカルフェイスを射殺した。

スカルフェイスの右手からタウルスPT92(改)が零れ落ちた。


富江「私を仕留めてたいなら’彼”を連れてきて。彼以外に殺されるつもり毛頭ないから」


「そうかー では仕方ない。 彼には悪いが我々が先にオマエを殺そう」

ライト「全員、戦闘用意ー‼︎」


ライトの掛け声と共に周りに居たをブリーフを穿いた三色の全身脱毛したハゲ達がチャージングハンドルを前後に引いた。


「チコ、朔夜、任せた」

東金朔夜・リカルド・バレンシアノ・リブレ(チコ)「了解」


チコは左懐から取り出したコルトM1911A1 (スネークカスタム)の
銃口を富江に向けた。


ライト「富江-」

ドッ‼︎


富江「惜しい~」


富江は近くに居た青い布を被ったブリーフ野郎を盾にした。

そのまま、青いブリーフ野郎が所持していたベレッタSC70/90(改)をスリングを外しチャージングハンドルを前後に引いて応射した。

そのまま、青いブリーフ野郎が所持していたベレッタSC70/90(改)をスリングを外しチャージングハンドルを前後に引いて応射した。×

そのまま、青いブリーフ野郎が所持していたベレッタSC70/90(改)のスリングを外しチャージングハンドルを前後に引いて応射した。 ⚪︎

朔夜「母さんを連れてここから離れろ‼︎ 」


ギュイン


フラット隊員「御意」

富江「やっぱ居たんだ…… フラット」


地獄中央内務省実働部隊、フラットが光学迷彩を解いて現れた事にほくそ笑みながら富江はSC70をフルオートで連射した。

それに応戦する為に朔夜もH&K HK45コンパクトを横撃ちで乱射した。

それに続け、フラット隊員たちもセブロC30 (改)で応射した。

富江「パッバパパパ~ 肉の壁~」


ザッザッザッザッ


バシュッババババス‼︎‼︎‼︎


チコ「イカれてやがる……」


富江はブリーフ軍団を盾に銃弾を掻い潜った。


ズドドドドドドン‼︎‼︎‼︎


ライト「富江様、退避しましょう」

富江「ここまで来たら引くに引けないわよ」

朔夜「チッ! 肉の壁が邪魔だ‼︎」

チコ「エリート!」

フラットエリート「なんで御座いましょうか」

チコ「40mm弾の使用を許可する」

エリート「御意」


薄緑の忍者服と暗視スコープを装着したフラットエリートにチコは

セブロc30に付いた40mmグレネード弾の使用を許可しエリートは直様、他のフラット達にも伝えた。


富江「やっべ」

シブタク「へっへへへ、どうしたんすか?」

富江「シブタク君…… 退避よ」


シブタク「?」


ザッザッザッザッザッザッ


チコ「よし…… やれ」

朔夜「撃てぇえええ!!!」


ドゴォォオオオ‼︎‼︎‼︎

ハズマット「………」

ガクッ


ミカサ「落ちた」

エレン「行くぞ、ユミル」

ユミル「始末書、書かねぇぞアタシは」

エレン「俺が書くから心配すんな」

ミカサ「私も手伝う」

エレン「お前が書いてもバレるだろ」

ミカサ「」ガーン

ユミル「一番の戦力が停止しちゃったよ」


ハズマット「ぐっぐっ………」

ガクッ


ミカサ「落ちた」

エレン「行くぞ」

ユミル「バレたらタダじゃすまねぇぞ」

エレン「心配するな、責任は俺が取るから安心しろ」

ミカサ「私も一緒に……」

エレン「お前は取らなくていいって全部、俺のワガママなんだから」

ミカサ「わかった」

ユミル「マジで…… 夫婦みたいだな」


ハズマットを絞め落とし、江戸に潜入した若きレインの専属ボディガード達。

待機命令を無視して潜入した目的はただひとつ

<レインを見つける>ことだった。

ジャキ!


ユミル「よくコレだけ持って来れたな」

エレン「ちょっとした裏ワザさ…… 移動するぞ」


誰にも目撃されずに武器庫に入る事をややカッコつけて<裏ワザ>と称したエレンはフォアグリップ、ダットスコープ装着のSIR仕様コルトM4(改)のチャージングハンドルを前後に引いた。

ユミルはSIG SG 553SBを両手に握りながら周りを見渡した。

人の気配が感じられず、まるで軍艦島の如く廃墟に成り掛けてる江戸に3人は気を引き締めながら歩き出した。

かぶき町 北斗心軒付近 江戸城 から1.7キロ地点


ミカサ「誰もいない……」

ユミル「誰もいないトコ程、誰か居んだよ」


ゆらゆら~


かぶき町の住人?「……」

エレン「ホントだな。 あのー」


声を掛けたが反応が無い。

エレンは首を傾げながらもう一度、呼びかけた。


エレン「すみませんが女の子を……」

ユミル「待て」


言葉をユミルが遮った。

おもむろに小石を拾い、それを住人の顔めがけて投げつけた。

エレン「おい!」

ユミル「人間じゃねぇな~ アレ」

レギオン「キシャアアアッ‼︎‼︎‼︎」


いつの間にか抜いていたスプリングフィールド M1911A1 MIL-スペック(改)でレギオンの眉間を撃ち抜いた。

エレン「……」

ユミル「囲まれる前に…… って」

ミカサ「すでに手遅れ」


レギオンの群れが3人の様子を窺っていた。

エレンはM4からコラシブルストック装着のモスバーグM500 クルーザー (改)に持ち変えた。


エレン「応戦しろ‼︎」

ミカサ・ユミル「了解」

群れ「シャアアアアアッ‼︎‼︎‼︎」


ジャカ

ドカン‼︎

カチカチッ


エレン「リロード‼︎」

ミカサ「カバーする」


ズドドドドドッ‼︎‼︎‼︎


レギオン「グルガァアア‼︎‼︎‼︎」


ミカサ「エレン!」

ユミル「チッ! 伏せろ‼︎」

エレン「っ⁈」


横から飛び掛かってきたレギオンに弾を再装填していたエレンは驚き、反応に遅れてしまったが


ドン!


エレン「……」

シンジ「ケガは?」

小銭形とハジを連れて現れたシンジが飛び掛かったレギオンの頭をパイソンで撃ち抜いた。

エレン「ありません…」

シンジ「立って、早くここから逃げよう」


レギオン「ッキシャア‼︎」


チャキ

ドン!


小銭形「やれやれ…… 一服する時間も無いのか」

ハジ「アニキ、早く応戦して下さい‼︎ でなきゃあちきらも仲間入りですよ‼︎‼︎」

ユミル「キリがねぇ‼︎ 退却するぞ‼︎」

ミカサ「私が援護する。 だから……」


ズドドドド‼︎‼︎

ジャカ、ドカッ‼︎

ドン!ドン!ドン!

チャキ、ドン!ドン!

ガラガラ


突如、閉まっていた北斗心軒の引戸が開いた。


『皆様、早く中にお入り下さい』

シンジ「走れ!」


パイソンを連射しながらシンジはそう叫んだ。



エレン「社長! 早く‼︎」

シンジ「あ…」

レギオン「グルガァ‼︎‼︎」


一瞬のスキをついてレギオンがシンジに飛び掛かかり、転がりながら北斗心軒に揉みくちゃなりつつ入り込んだ。

レギオン「キシャア‼︎シャアアア‼︎‼︎」


馬乗りになって咬み付こうとしてくるレギオンを、シンジは右腕で首を抑えながら防いだ。


『シンジ様、頭をお上げ下さい』

シンジ「オーライ‼︎」


からくり家政婦の指示に従い、シンジはレギオンの頭を上げた。


ジャカ

ドカン‼︎‼︎‼︎


コッキング音と共にレギオンの頭が粉砕した。

そのまま、静かに横に倒れた。


シンジ「ありがとう…… たまさん。助かったよ」

たま『お気になさらず』

幾松「いったい何が…… あら、シンジ君」

シンジ「御邪魔してます」

エレン「同じく……」


幾松「……」


シンジ達の様子から察したのか、幾松は厨房に立ちこう言った。


幾松「座んなよ。簡単なモノだけど何かつくるからさ」

シンジ・ミカサ・ユミル・エレン・小銭形・ハジ「……」


6人は無言で見つめ合うと静かにカウンターに座った。

ズッズッ

エレン「」ズズズズズズズッ

シンジ「 落ち着いて、焦らなくていいから」

エレン「ゴホッゴホ……は”い”」

小銭形(しょう油ラーメンの出汁が疲れた身体に滲みるぜカミュ)


幾松「なんでシンジ君、ワザワザこ危ない橋渡ってかぶき町に来たんだい?」

シンジ「レインを迎えに来ました」

エレン「オレもです。社長」


シンジは強張った顔で同調したエレンの頭を撫でた。

不思議そうな顔するエレンに優しくこう言った。


シンジ「キミはやや無鉄砲だが、まっすぐで誰よりも行動力がある」

「そこがキミの長所だ。 同時に短所でもあるけどね」

「……レインの事を今後もよろしく頼むよ」

エレン「あっ…… ありがとうございます‼︎」

エレンは嬉しそうに頭を下げた。

ユミルは煙草を吸いながら、たまに質問した。


ユミル「なぁ、他のヤツらはどこに居んだ?」

たま『お登勢様と源外様は吉原にて籠城しています』

シンジ「真選組の皆は?」

たま『江戸城にて将軍様の警護を』


エレン「何故、たまさんはココに?」

UTAS UTS-15(改)のフォアエンドを前後にコッキングしてたまは返答した。


たま『新八様の願いです』

シンジ「リョウ……」


頬を緩ませつつ、シンジは立ち上がりこう呟いた。


シンジ「とりあえず、吉原に向かうか」

ガシャン……


リョウ「フゥ…… ほら、手を」

神楽「ありがとうアル」


銀時「ここ、スッゲェ見憶えあるんだけど」

レイン「多分…… 吉原だね。信女ちゃん、ハイ」

信女「ありがとう」


ジャン「外に出る計画は?」

リョウ「かぶき町の住人を助けるにはまだ物資が必要だ」

渚「だから、ここで更に必要品を集めるんですね」

リョウ「そうだ」


ガシャッガシャッ


百華1「動くな!」

リョウ「万事屋銀ちゃんのリョウです‼︎」


「リョウ…… リョウ!」

リョウ「槇村! 俺だ‼︎ 中に入れてくれ‼︎‼︎」

槇村秀幸(晴太)「月詠姉ぇ、ゲートを開けるんだ‼︎」


槇村の掛け声と同時に鉄扉が徐々に開き始めた。


レギオン「キシャアアアッ‼︎‼︎‼︎」

銀時「ヅラ! 応戦しろ‼︎ 」

桂「ヅラじゃない、インビジブルだ」

ミック「チッ」

ジャン「トンデモねぇな‼︎ クソが‼︎」


月詠「早く入りんしゃい‼︎」


リョウ達は何とか吉原に入った。

吉原 内部

ワイワイガヤガヤ


ジャン「予想以上に賑やかだな」


テキ屋「らっしゃいらっしゃい~ 」


渚「テキ屋まであるね……」


レイン・神楽「」ぐるるるるるる


レインと神楽の様子を見たリョウは財布から200万円札を出した。


リョウ「好きなの食べていいからら。お釣りも返さなくていいし」

神楽「ありがとうアル!」

レイン「自分の分は自分で出すよ。だから信女ちゃんに渡して」

信女「私は別に……」

ぐるるるる

信女「///……」


恥ずかしいそうに顔を赤らめる信女に頭を撫でながら優しくこう言った。


リョウ「行って来ても大丈夫だ。できる時に食事はしとくもんだ信女」

信女「わかった」


薄らと笑みを浮かべながら返された100万円を受取り、レイン達と後を追った。


銀時「新八、ちょっと幾らか……」

リョウ「給料から引いときますね」


銀時にはそう言って50万円を渡した。

頭をかきながら賭博場に吸い込まれて行った。

桂はペットのエリザベスと再会し何処かに行き、ジャンと渚もリョウに論されてレイン達の元に向かった。

ひのや

フゥー


リョウ「お登勢さん……」

お登勢「新八、よく生きてたね」


リョウは突然、土下座した。


リョウ「すみません…… でした」

お登勢「……」

リョウ「貴女とたまさんを置いて逃げて……」


お登勢「頭を上げな」


そう言われ、リョウは覚悟を決めた表情で顔を上げた。

お登勢は膝をついて前にかがんでこう言った。


お登勢「アンタは誰も見捨てなんか無いよ。 自分が刺されてるにあのバカと一緒に助けようとしたじゃないかい」

「アンタがたまに非常事態に備えての対処を教えたからあたしらは生き残ったんだ、それで十分だよ」

リョウ「ありがとう……ございます」

地面に額を擦り付けてまで深々とリョウは頭を下げた。


その様子を見ていた晴太が日輪と共に奥から現れた。


日輪「疲れてるだろうから温かいお茶で…… 」

リョウ「ありがとうございます。ですがそれを飲むのはまた今度にします」

槇村「新八兄……」


槇村は手招きしてリョウと共に奥に入った。


日輪「いったい、ふたりして何をするのやら……」

お登勢「男にゃ…色々あんのさ」


フゥー

晴太こと槇村の部屋


リョウ「相変わらず…… 綺麗だな」

槇村「整理整頓しとかないと危ない代物がいっぱいあるからさ。ホラよ」


隠し冷蔵庫から缶チューハイを二つ取り出し、一つをリョウに投げ渡した。

缶を合わせた。


リョウ「旨いな……」

槇村「そうだな……」


2人は穏やかな表情で眼を瞑った。

槇村からこう切り出した。


槇村「頼みたい事があるんだ」

リョウ「香のことだろ?」

槇村「その通りだ」


槇村は真剣な顔でこう続けた。


槇村「香と…… 寺子屋の子供達を助けてくれ」

リョウ「分かった……だが」

槇村「’必要品”なら用意してある」


押入れの下の段から黒い革製カバンを二つひきづり出した。


リョウ「ヒュー」

槇村は笑みを浮かべながらチャック開き、必要品を並べた。


槇村「リョウ、いつもの多目的ライフルは今もってるか」

リョウ「いや……事務所に置いてきてしまったからレインが持ってきたLMT LM8MWSを所持してる」

槇村「そうか…… LMTの使用弾薬は?」

リョウ「7.62×51mmだ」

槇村「じゃ…… このライフルはどうだ」


槇村は都市型迷彩仕様のスプリングフィールドM1A(改)を見せた。


槇村「改良加えて、.338ラプアマグナムを使用でき直道式に改造した」


ジャキ

槇村「泥や砂塵が中に入った場合は自動的に排出されるようにしてる」

「遠距離ならそれはかなりイイだろう」


リョウはM1Aを見つめながらこう言った。


リョウ「悪くない」


槇村は静かにガッツポーズした。


リョウ「次は?」

槇村「あ、ああ……次はコレだ」


次に出されたのはストライカー製、ストライクゾーン380というクロスボウだった。

槇村「信女ちゃんがホートスカウトHD125を使用してるって聞いたから上位格をプレゼントしたいんだ」

リョウ「そう伝えとこう」


槇村「しかも折り畳めるんだ」

リョウ「で、次は?」


槇村「銀さんは何を使ってるんだ?」

リョウ「ベクターSP1と洞爺湖」

槇村「なら…… 銀さん様にこの三つを」

槇村「信女ちゃんがホートスカウトHD125を使用してるって聞いたから上位格をプレゼントしたいんだ」

リョウ「そう伝えとこう」


槇村「しかも折り畳めるんだ」

リョウ「で、次は?」


槇村「銀さんは何を使ってるんだ?」

リョウ「ベクターSP1と洞爺湖」

槇村「なら…… 銀さん用にこの三つを」

レミントンM1100とアーマライトAR-18とウェブリーMk IV(改)を並べた。


槇村「レミントンは弾数を9発増弾して、アーマライトは使用弾薬を7.62mmに変えてある。 ウェブリーは固定式になったが454カスール弾を使えるように改造してある」

リョウ「……全員に召集かけるからちょっと待てくれ」


30分後

レイン「ヒュー‼︎ It's cool‼︎‼︎」

ジャン「落ち着けって」


槇村「皆、好きなモノを選んでくれ」

リョウ「全員、必ずナイフは選んでくれよ。いざという時の切り札になるから」


レイン「折りたたみナイフ持ってるんだけど……」

リョウ「レインは鉈類を選ぶといい」

レイン「はーい」


信女「これは……悪くない」


AR-15 カスタム シーキングプレシジョンを持って構えた。

チャージングハンドルを前後に引きリョウを見た。


リョウ「それを使いたいなら使えばいいと思うよ」

信女「わかった」

槇村「ストライクゾーン380も使うかい?」

信女「ホートスカウトHD125があるからいい」

リョウ「良いのか……」

信女「私はこれが良いの父さん」


リョウは意外そうな顔しつつ少し笑み浮かべた。

レイン「叔父さん!叔父さん!」

リョウ「どうした? レイン」

レイン「これ、叔父さんなら扱えるかな?」


レインは大型サプレッサーを装着したH&K Mk.23 (改)をリョウに渡した。


槇村「忘れてた… お前に渡そうと用意してたヤツだ」

リョウ「どの辺りを改良したんだ?」

槇村「重量を1,130gまで下げ、全長は225mmに短縮した」

「更に使用弾薬を3種類選べる」

レイン「私のカトラスより凄いじゃん」


レインはショルダーホルスターから、ソードカトラス風H&K Mk23を一挺みせて呟いた。


リョウ「カトラスも十分スゴイと思うが……」

リョウはそう言ってスライドを前後に引き、撃鉄を起こした。


リョウ「使用できる弾薬は?」

槇村「454カスール、高速徹甲弾、高速破甲弾の三つだ」

リョウ「良いセンスだ」


銀時「アイツ、あんなキャラだけ?」

レイン「お父さん曰く……」

「輪廻してからクールでハジけた奴になったて言ってたよ」

銀時「輪廻したらキャラ弾けんの?」

レイン「叔父さーん、これもどう?」


レインは更にグロック17(改)を渡した。

銀時「あれ? また、スルー?」

渚「多分、話が終ってるものだと……」


レイン「見て見て‼︎ ジャン‼︎‼︎ ククリナイフだよ‼︎‼︎‼︎」

ジャン「あぶねぇから振り回すな‼︎‼︎ レイン‼︎」


そんなこんなで

吉原 入口前

ドドドドドドドドドドッ‼︎‼︎‼︎

百華「クリア!」

槇村「ありがとうございます皆さん…… 月詠姉!」


月詠「これで良いのか?」


背中にM1151と1152ハンヴィー(改)を連れ槇村に近づいた。


槇村「ありがとう。それだよ」


ウィーン


リョウ「これ貰っていいか?」

槇村「時すでに乗ってるヤツにそんな事いわれてもな……」


お互い笑みを浮かべながら、槇村は煙草を咥えマッチで火を付けてこう言った。

槇村「気をつけろよ」

リョウ「お前もな」

レイン「槇村のおじさん、死なないでね」

槇村「ここに居る限り大丈夫さ」


そう言ってエンジンを掛け、リョウはM1151を走らせた。


槇村「香を……頼むぞ」

槇村「気をつけろよ」

リョウ「お前もな」

レイン「槇村のおじさん、死なないでね」

槇村「ここに居る限り大丈夫さ」


そう言ってエンジンを掛け、リョウ達は吉原を後にした。


槇村「香を……頼むぞ」

北斗心軒


幾松「こう?」

シンジ「そうです、そんな感じで……」


ドン!


エレン「あがゃん?!」


幾松に銃の使い方を教えていたシンジだがエレンの耳元でユミルが貸し与えたSIG P226(改)が左耳近くで発射された。


幾松「ごめんなさい! 大丈夫?」

エレン「アッーアッー、大丈夫です」


左耳を押さえながらエレンはトイレに駆け込んだ。


ミカサ「幾松さん…… 耳の近くで発砲してはダメ」

幾松「分かったわ」

ユミル「これで十分だろ。 早く移動しよっ……」

ガシャーン!ガシャーン!ガシャーン!


BSAAのアルファ部隊が突如として北斗心軒 を強襲してきた。


BSAA 隊員「動くな! 手を頭の後ろにまわせ‼︎」


シンジ「LSD の碇シンジだ。隊長と話をさせてくれ」

BSAA アルファ一同「えっ……」


シンジがそう言うとアルファ部隊の全員が一瞬、動揺した。

その瞬間をミカサとユミルは見逃さなかった。

ユミル「オラッ‼︎」

BSAA 隊員「ウゲラッ?!」


不意打ち気味に掌底をBSAA隊員の顎にくらわせた。


BSAA隊員「なにっ……」

ミカサ「ふんっ‼︎」

マグプルMASADA (エンジェルカスタム)をミカサがバレルを力任せに引っ張り、喉仏を背刀で突いた。


ズドドドッ‼︎‼︎

チュンチュン、ビシビシ


幾松「きゃっ⁈」

シンジが幾松を庇うようにしゃがみこませ、背中に覆いかぶさった。

ミカサは更に追い打ちにバーティカル・スープレックス仕掛けた。


BSAA隊員「クソッタレ‼︎」


ユミルに銃口を突き付けたBSAA隊員に右太ももを蹴り飛ばした。

ユミルが駆け寄り、隊員に右腕にアームロックを仕掛けそのままカウンターにヘルメットもろとも叩きつけた。

カウンターを突き破りガスマスクつけたまま、隊員は動かなくなった。


ダダダダダッ

シンジが幾松を庇うようにしゃがみこませ、背中に覆いかぶさった。

ミカサは更に追い打ちにバーティカル・スープレックス仕掛けた。


BSAA隊員「クソッタレ‼︎」


ユミルに銃口を突き付けたBSAA隊員に右太ももをミカサが蹴り飛ばした。

ユミルが駆け寄り、隊員に右腕にアームロックを仕掛けそのままカウンターにヘルメットもろとも叩きつけた。

カウンターを突き破りガスマスクつけたまま、隊員は動かなくなった。


ダダダダダッ

BSAA隊員「なにが……」


2階から降りてきた4人のBSAA隊員ミカサはスピンキックをくらわせた。

4人、全員が吹き飛び壁に叩きつけられた。

3人が気絶したが


BSAA隊員「くっ…」


倒れたBSAA隊員にヒップホルスターからハーフシルバー仕様のH&K P2000(エンジェルカスタム)を抜いた。


ガシャン‼︎‼︎

トイレから取っ組み合いをしながらエレンと若いBSAA隊員が扉を突き破って現れた。


BSAA隊員「隊長! 」

ユミル「オラァッ!!」


銃口をエレンに向けた隊員に横蹴りで後頭部に蹴り飛ばした。


エレン「この野郎!」


馬乗りになったエレンがSIG 1911タクティカルオペレーション(改)を隊長の顔面に銃口を向けた。


シンジ「ピアーズ……?」

隊長「その声は…… シンジさん?」


エレン・ミカサ・ユミル「えっ?」

45分後


サッサッサッ


ユミル「ホラよ。 悪かったな」

BSAA隊員「いやっ…… こっちもいきなり襲撃してすみませんでした」



負傷したBSAA隊員をエレン達が手当してる中で、シンジはピアーズに煎れたての薄い緑茶を注いで渡した。


シンジ「申し訳ない……」

ピアーズ・ニヴァンス「気にしないで下さい。 攻撃を仕掛けたのは俺達ですから」

シンジ「悪いね……」


シンジは緑茶を啜りながらピアーズに質問した。

シンジ「ここを襲撃したのは……ギントキ・サカタを拘束する為だろ?」

ピアーズ「……」


顔を背けるピアーズにシンジは優しくこう説いた。


シンジ「ピアーズ…… この世界は姿を大きく変え、罪も無い人々がバケモノに変貌している」

「僕も早急に事態を解決したい。だが、その為には本当の敵を見つけなければならない」

「結論から言わせて貰うとギントキ・サカタはバイオテロの犯人じゃない」

ピアーズ「ワケを……」

シンジ「娘の友人だからだよ」


そう言ってシンジは緑茶を再度すすった。

カチッ、ジュボ!


小銭形「フゥー」

(仕事の後の一服…… たまらない)

(欲望の町が変貌してからはや、3ヶ月経過している。秩序はほぼ崩壊し、悪が栄えてる)

(だが、ここに……ッ‼︎)


ジョロロロ……


ユミル「うわっ⁈ きたねぇな~ 漏らすなよイイ大人が」

ハジ「アニキ、替えのパンツっす」

小銭形「悪いな」

(やれやれ…… 人間の排泄衝動には呆れてモノも言えない)

ミカサ「エレン、あれがレインが言ってた……」

エレン「ああ。 ’戦闘能力あるけどメンタルが残念な人”だろうな」

ピアーズは眼をつむり俯いた。

40秒後、決意を固めた顔でシンジを見つめこう返答した。


ピアーズ「その話、信じますよ」


その言葉に笑み浮かべながら礼を言った。



シンジ「ありがとう、ピアーズ」

ピアーズ「それで… これからどうしますか?」

シンジ「まずはクリスの所に行かないとね。 話が解るヤツだけど突っ走りやすいトコが難点だから前もって、話を済ませておかないと」


『しゃ…… 社長‼︎』

シンジ「翔君、どうした?」


かなり焦った様子でシンジに連絡してきたのはオペレーターの雛河 翔だった。


翔「白い異様な集団が……」


ドゴォォォッッンンン‼︎‼︎‼︎



翔が言い終わる前に店のトイレが爆発した。

北斗心軒 右側 車道

ドゴーン……


タイチ「デッケェ花火が打ち上がってんな、ホントに」

レオン「観に行くか?」

タイチ「俺より2人にきけよ」


ペトラ「私はあなたの指示に従うわ」

オルオ「フッ…… 人気者は辛いぜ」


タイチ「コイツ、撃っていい?」

ペトラ「大丈夫よ。 気づいたら野垂れ死にしてると思うから」

レオン「……」


タイチとペトラの鬼畜な会話にレオンは苦笑いした。

北斗心軒 裏側 0.8キロ地点


レイン「叔父さん‼︎」

リョウ「なっ……」


風景を眺めていたレインは北斗心軒が見えてくると声を上げた。

リョウはM1151の運転を一時停止した。

更に銃声と爆音が同時に響いてきた。


リョウ「銀さん!」

銀時「どうしたー」

リョウ「予定変更!これから北斗心軒に向かいます‼︎」

銀時「なぁーに?」


銀時の問いを無視して民家にM1151を突っ込ませ表に向かった。


銀時「しんぱっ…… クソ‼︎ おめーら、予定変更だー 表に出るぞ」

銀時もM1152でリョウの後を追った。

北斗心軒 前

パラパラ…… パラ……


シンジ「全員、無事かい?」

エレン「大丈夫です…… ミカサ」

ミカサ「全然…… 平気」

ユミル「いってぇなってかアイツは?」


ピアーズ「負傷者は?」

BSAA アルファ「ゼロです!」


ハジ「アニキ…… アニキ!」

小銭形「……」

大の字で黒焦げの小銭形が倒れていたが

その上に見慣れない赤いグラスのガスマスクを装着したブリーフ一丁の男がいた。


ユミル「ホモってたのか、こいつら」

ハジ「アニキはマゾのノーマルでやんす」


シンジ「’ハウンド”だ…」

ピアーズ「ハウンド? 」


ボソッとシンジがそう言うとしゃがみながらゆっくりと外を伺った。


ギュイン

富江「ああっ…… もう! あーあー」

「チェックチェック」


シンジ「やっぱりか……」


仁王立ちした富江が拡声器でシンジを口説き始めた。


富江「ダーリン~ 私と一緒にイイ事しない~」


シンジは無言で中指を外に向けて立てた。

富江「相変わらず堅いわね~ それじゃ……」

「始めてちょうだい」


ライト「全員、用意」


ドゴォォォッッン‼︎‼︎


ライト「っ⁈」


『シンジ様、無事ですか?』

シンジ「なんとか…… それよりたまさん、今まで何処に?」

たま『リョウ様が隠していた’仕事道具”の手入れをしていました』



たまは黒い革製カバンをシンジの元に置いた。

シンジ「ピアーズ、援護してくれ!」

ピアーズ「了解‼︎」


シンジはカバンからFN F2000 タクティカル(改)を取り出し背負って小銭形を引きづり、裏に置いた。


シンジ「エレン君たちは逃げろ!」

エレン「社長は?」

シンジ「大丈夫だから… 早く行って」


シンジはF2000をピアーズ達と共に応戦した。

北斗心軒 裏

ズドドドドッ‼︎

ドドドドドドドドドドドドドドッ‼︎‼︎

ギャアアアアアッ⁈

バシュッ、ドゴォン‼︎‼︎


ユミル「くそッ……重てぇな‼︎」

エレン「早く退避するぞ」

ユミル「コイツ、置いて行っていいか?」

エレン「それはダメだって」


ドン!ドン!ドドン‼︎‼︎



幾松「チッ…… 数が多いね」

ミカサ「あちらも全力でこっちを叩き潰すつもりでいるので」

「だから……これぐらい普通」

幾松「どんな職場で働いてんのさ」

ズドドドドッ‼︎


白ハゲ「グシャラッ?!」

ミカサ「クリア」

エレン「よし、かがみながらの力走で退避する」

ハ・幾・ミ・ユ「了解」


北斗心軒から退避しようとするエレン達だが


黄色ハゲ「居たぞー‼︎‼︎‼︎」


エレン「走れ!」

ミカサ「エレン‼︎」

エレンがM4の銃口をブリーフ軍団に向けた瞬間


ビュン‼︎

ドドドドドドドドドドドドドドッ‼︎‼︎‼︎

ガチャッ


レイン「エレン、大丈夫?」


M1151のリアからひょっこりとレインが現れた。


エレン「レイン…良かった…… 無事で」

レイン「私がそう簡単に死ぬワケないじゃん」


エレンは感極まりながらもM4で応射した。


ズドドドドッ‼︎‼︎

ダバババババババッ‼︎‼︎‼︎‼︎

レインも薄ら笑みを浮かべながら、H&K HK21(改)を乱射した。


ミック「早く乗れ‼︎ 長くは持たないぞ‼︎」

ミカサ「了解」

ユミル「だれが運転してんだ?」


ウィーン


神楽「新八アル」

リョウ「皆、無事か⁈」

幾松「私らは無事だけど…… シンジ君が」


それを聞いたリョウはすぐさまこう言った。


リョウ「ミック! 運転代わってくれ‼︎ 」

「俺はシンジを呼んでくる‼︎」

ミック「リョウ‼︎」

信女「援護するから、早く行ってきて父さん」


リョウ「ありがとう」


バシュ、ババス、カシュ‼︎カシュッ‼︎


信女は右座席の窓から身を乗り出しシーキングプレシジョンで援護した。

リョウはM1A を背負って、サプレッサー装着したグロック17を持って北斗心軒に乗り込んだ。


「富ェええええええええええ‼︎‼︎‼︎」

北斗心軒 内部


リョウ「シンジ!」


リョウが乗り込むと中は負傷したBSAA隊員で溢れていた。

その中で左腕を撃たれたピアーズを発見した。


リョウ「大丈夫か? ピアーズ」

ピアーズ「リョウさん…俺よりシンジさんを……」


シンジ「死にさらせぇえええええ‼︎‼︎!」


怒号をあげながら富江をパイソンで銃撃しようとしているシンジが見えた。

リョウは17をGパンに差込み、M1Aを構えスコープを覗き込んだ。

映っていたのは


シンジ「ジャマするなぁああああ‼︎‼︎‼︎」

魅上照「アガッ?!」

立ち塞がった魅上照の眉間を撃ち抜き、満面の笑みで両手を後ろに回して仁王立ちしてる富江に銃口を向けた。


シンジ「くたばれええええっ‼︎‼︎‼︎‼︎」

富江「I LOVE YOU…… ダーリン」


チャキ

ドン!


銃声と共に富江が横に倒れた。


シンジ「なっ……」


ドドン!ドン!


それと同時に右腕と脇腹を銃撃された。

シンジ「なんで…… 君が…」


「悪いな、これが俺の役割なんだ」


富江を射殺し、シンジを銃撃したのは夜神月だった。


ライトはタウルスPT66 4in(改)の銃口を虫の息のシンジに向けた。

シンジは撃たれた時に落としたパイソンを掴もうとしたが

ライトに笑みを浮かべながら蹴り飛ばされた。


ライト「心配するな。お前を処理するつもりは全くない」

シンジ「どういう……」

ライト「お前は<新しい世界>に必要な存在だ、だから処理しない」


シンジにはライトの言ってる事が理解できず、更に意識が徐々に遠のいていった。

それを見かねたライトは、左懐から救急スプレーを取り出し近くに置いた。

シンジは力を振り絞って救急スプレーを掴み、脇腹と右腕にかけた。

それをやり遂げると意識を失った。

意識を消失する寸前にライトはこう言った。


ライト「また会おう、’オルレアンの申し子”よ」

ズドドドドッ‼︎


タイチ「どけぇえええ‼︎‼︎‼︎」

レオン「落ち着け‼︎ タイチ」

ペトラ「ハァ…ハァ… どんな身体してるのよ」

オルオ「チッ…… 吐きそうだぜ」


ブリーフ軍団を射殺しながら突っ走るタイチとレオンになんとかペトラ達は追走していた。

そして……

ドドドドドドドドドドドドドドッ‼︎‼︎‼︎

チャキチャキ


銀時「おぃぃぃっっ‼︎‼︎? 今、弾が無くなったら困るって‼︎‼︎」

リョウ「持ちこたえろ! 必ず救援くる‼︎」


桂「新八君、アテがあるのか?」

リョウ「ありますよ……凶暴な……」


「うぉおおおおお‼︎‼︎‼︎ ジーザス‼︎‼︎‼︎」


リョウ「切り札がね」


タイチ「大丈夫かリョウ‼︎」


タクティカルマチェットを右手に持ったタイチがブリーフ軍団を斬り裂いてリョウ達の前に来た。

リョウ「お前が来るとは思いもしなかった」

タイチ「ヤボ用で来たついでに助けに来たんだよ」

リョウ「ありがとう……」

タイチ「礼は後にしてくれよ。今はこいつらを纏めて地獄に送り返しやろうや」


そう言ってバックサイドホルスターからSIG P228(改)を取り出し近くに居たブリーフの眉間を撃ち抜いた。


レオン「また変態か。飽きたが付き合うか」

オルオ「弾なら腐るほどあるぜ‼︎」

ペトラ「腐る程は言い過ぎだよ」


ジャン「人数が増えたから変態どもを返り討ちにできるぞ‼︎‼︎」

エレン「どうします? リョウさん」


リョウは落ちてあったパイソンを拾い、シリンダーを横に振り出し<不死殺しの銃弾>を抜き500S&W マグナム弾に入れ替えこう指示した。

リョウ「全員、敵を殲滅しろ」


レイン「ヤッフー‼︎‼︎」

渚「落ち着きなよレイン」

銀時「ムチャ言いやがるな、ホントに」

神楽「新八がムチャ言うのはいつものことアル」

信女「それを指示して自分もやり遂げるのが父さんだから」

銀時「へっ…… まぁそれが俺達が知っ」


ブリーフ野郎「しゃろうぉおおおお‼︎」


チャキ

ドン!


銀時を背後から襲おうとしたブリーフ野郎をリョウはパイソンで額を撃ち抜いた。

リョウ「銀さん、気を抜いちゃダメですよ」

銀時「1日も抜いてねーよ。ナメんな」


小銭形(男の友情に細かい言葉必要ない。 必要なのは)

ハジ「モノローグしてねぇで早く、応戦しろ」

小銭形(すんません)


20分後

信女「……全員、死んだ?」

リョウ「確認してくる」


M1151の後部座席からストライクゾーン380を取り出し、矢を装填して1人歩き始めた。

周りにはブリーフ野郎の屍しかなかった。


リョウ「大丈夫…… じゃないな」


南の方向からレギオンの群れが押し寄せていた。

リョウ「撤退だ! 逃げるぞ‼︎」

「たまさん、シンジをよろしく頼む」

たま『了解しました』


ビシュ

トッ



リョウはレギオン達の額を狙って矢を放ちながら、信号弾を上空に打ち上げた。


「とっつぁん……」

「どうやら~ お呼びみてェだな」

「近藤、準備しろ」

レイン「おっ」

ジャン「ぐおおおおっ‼︎‼︎ 動きとめてんじゃねぇ‼︎‼︎‼︎ レイン‼︎」

レギオン「グリャアアアアッ‼︎‼︎」


空に気を取られていたレインをジャンが叫びながら呼んだ。

気付いてククリナイフを回転くわえながら縦に投げた。


レギオンの頭部に貫通した。


レイン「大丈夫?」

ジャン「なんとかな………」


ククリナイフを引き抜き、ジャンに手を差し向けた。


レイン「みて」

ジャン「あれは……」

レインが指差した方向には宇宙船が浮かんでいた。


松平片栗虎(伊集院隼人)「リョウ! 着陸出来ねェから梯子で上がって来い‼︎」



リョウ「無茶言うなよ……」


ビシュ

ドッ


銀時「新八‼︎」

銀時はアーマライトAR-18をリョウに投げ渡した。

ストライクゾーン380を折りただんで左懐にしまい、AR-18を受け取った。


レギオン「キシャアア‼︎‼︎」

リョウ「フン!」


AR-18を逆手に持ってレギオンの顔面に目掛けてフルスイングした。

脊髄を砕け、いきよく後ろに倒れた。

銀時はアーマライトAR-18をリョウに投げ渡した。

ストライクゾーン380を折りただんで左懐にしまい、AR-18を受け取った。


レギオン「キシャアア‼︎‼︎」

リョウ「フン!」


AR-18を逆手に持ってレギオンの顔面に目掛けてフルスイングした。

脊髄が砕け、いきよく後ろに倒れた。

海坊主「おい、梯子降ろすぞ」


ガシャン!


タイチ「あぶねぇ⁈ 狙って降ろせよ!」

海坊主「狙って落としだろうが」


リョウ「早く、梯子に上がれ‼︎」

信女「父さんは?」


心配する信女の頭を撫でながら優しく言った。


リョウ「後で追いつくから先に行ってくれ」

信女「わかった…… 死なないで」

リョウ「約束する。必ず追いつくから」

海坊主「全員、乗ったか?」

近藤勲「とっつぁん! 新八君がいねぇぞ‼︎」

海坊主「あん?」

レイン「まだ地上に……」


ガシ


宇宙船から飛び降りようとするレインを信女が引き止めた。



信女「父さんは<先に行け。後で追いつく>と言った。信じましょう」

レイン「……」


意外そうな顔しつつ、レインは堪える事に決めた。

リョウ「行ったな」


宇宙船が江戸城に向かったのを見送るとリョウはブレーキが無い自転車にまたがり、レギオンだらけのかぶき町を疾走した。

2日後…… 江戸城


シンジ「ん…… うん?」

信女「おはようおじさん」

シンジ「信女ちゃん……ぼく」

信女「2日間、寝てた」


目覚めたシンジは信女から状況を聞いた。

頭を抱えつつ立ち上がり、信女に連れられてレインに会いに向かった。

江戸城 大奥


シンジ「レイン!」

レイン「あっ…… お父さん‼︎」



駆け足で2人はそのままの勢いで抱擁をかわした。


シンジ「何してるんだい?」

レイン「大奥で働く人達に銃の使い方を教えてるの…… それより」

シンジ「大丈夫だ。お母さんは必ず見つける」

レイン「ホント?」

シンジ「本当さ」


シンジはレインに再度、抱擁するとやや複雑そうな顔で眺めていた信女と共に大広間に脚を進めた。

大広間


徳川茂々「クリス殿、そなたら気持ちは理解してるつもり…… だが」

「焦って行動を起こせば余計な血が流れてしまう」

クリス「ショーグン、状況を判って居ないようだな。 ここは最後の砦だ」

「時として切り捨てなければならないモノもあるんだ」

茂々「助けを求めて城に来る民を見捨てろとおっしゃるのか」


シンジ「その必要はない」


2人の会話にレオンとタイチに信女を連れたシンジが現れた。

クリス「シンジ、大丈夫か」

シンジ「腕と脚に穴が空いたぐらいでは死なないよ。 それよりも」

「江戸城に居る人間の数はどれくらい?」

茂々「民が60万で旅行者が30万……」

タイチ「ギリギリだな……」


クリス「どういう事だ?」


シンジ「全員を別世界に移住させる」

信女「その前に父さんがあなたにー」


信女はシンジにH&K Mk.23(改)を渡した。


シンジ「Mk23か…… 懐かしい」

信女「伝言聞く?」

シンジ「伝言?」


信女「タイチ、ちょっと」

タイチ「なんだよ……」


信女は耳元で何か呟くと微妙な表情しながらタイチはシンジにこう言った。


タイチ「今からリョウの声模写でメッセージを伝えます」

シンジ「えっ?」

タイチ「コホン……」

リョウ(タイチ声模写中)「パイソン借りてるから、代わりにそれを使ってくれ」

「幸運を」


信女「以上」


レオン「ワザワザ…… 手間かけて伝える程のもんではないな」

シンジ「まぁ…… 気持ちは伝わったから別にいいや」


チャ、カシ

ジャキ!


弾を確認して弾倉を戻すとスライドを前後に引いた。


シンジ「よし、とりあえずは」

「少佐と朱ちゃん達を助けに行こうか」

かぶき町 マムシ工業跡地


「なんだよ…… アレ」

「コンテナに’生きた’’人間を入れてるみたいだ」

「様子はどうですか?」

「悪いな…… 」

「別の道をー」


「ちょっと待った」


眼に映ったのはシンジとレオン達がマムシ工業に連行される様子だった。

30分前、大広間


シンジ「少佐達が行方がわからなくなったのがマムシ工業跡地なんだね」

クリス「そうだ。2日前、偵察に出てから連絡が無い」

シンジ「よし…… チームを二つに別ける」

「タイチ、レイン、エレン君達はクリス達と江戸城の護衛を」


銀時・オルオ「俺らは?」

シンジ「オルオ君、ペトラちゃんは残ってくれ。 銀さんと桂さんはレオンと一緒について来て」

銀時「腹イテーから……」


レイン「はい、お腹痛い時に効く<ベスリA錠> 」

銀時「……」

ミック「早く、準備しよう」

シンジ「ですね」

マムシ工業 正面入口


シンジ「すいませーん」

銀時「待て待て待て」

シンジ「なんですか?」


不思議そうな顔で見つめるシンジに銀時は注意した。


銀時「いいか、俺たちはこれからイかれ連中の中枢にかちこむんだろ?」

「こんなストレートに……」


警備兵1「動くな!」

警備兵2「全員、武装解除し手を後ろに回して跪け‼︎」


桂「狙い通りか?」

シンジ「たまたまです」

マムシ工業跡地 北


リョウ「よし……」


茶色の大きい布を身に包みレギオンの死骸をミンチにして全身に塗りたくった。


ストライクゾーン380にライターを装着した。

マムシ工業跡地 内部


シンジ「ずいぶんと……」

警備兵「黙れ」


MP5A3(改)をシンジのこめかみに銃口を突きつけながら叱咤した。

肉鉤に突き刺され鎖で吊るされた

中身が抜かれ血抜きされた胴体が暗い部屋に10体以上飾られていた。


警備兵「跪け」

銀時「へいへいー」


跪くと同時に4人は黒い布を頭に被された。

マムシ工業跡地 血抜き場

バサッ


シンジ「うん……」

マダオ「あっ…… アンタは」

銀時「よぉー 奇遇だな」


マダオ「また、妙な……」


「久しぶりだな、犬どもよ」


レオン以外の表情が固まった。

LSDとの’抗争”の末に敗北、そして精神病院送りにされた元十五代目征夷大将軍……

徳川 喜喜こと一橋 喜々が何故かボンテージ姿の素子を連れて現れた。

一橋 喜々「紹介しよう、余の妻であるぞ」

素子「」ぺこり

シンジ「ファ~」


眼を逸らしながら会釈した素子に全くもって意に介さないシンジに対して喜々はほくそ笑みながら無理矢理…


ズキュゥウウウンンン


素子にディープキスした。


銀時「お前の嫁さん……」

シンジ「……」


銀時の声が届いて無いかの如くシンジはうなだれた。


喜々は勝ち誇った顔をしたが

シンジ「出会い頭に……掌打!」

喜々「あらばまっ?!」


喜々の顔面に掌底打ちをくらわせ、そのままバックサイドホルスターからエボニー&アイボリーを抜き出し左右にいた警備兵を射殺した。


シンジ「少佐、朱ちゃん達は?」

素子「外のコンテナに閉じ込められてる」

シンジ「よし! 助けに行こう‼︎」


マダオ「その前に俺たちの事、助けてくんない?」

シンジ「すみません…」


素子ともに銀時たちの結束バンドを解除している時


警備兵「貴様ら‼︎」

ドン!


シンジ「速く荷物、回収しないと」


躊躇なくエボニーで警備兵の額を撃ち抜き、喜々を踏みつけながらシンジは疾走した。


武器庫


シンジ「あったあった…… 少佐、君の忍者服あるけど着替える?」

素子「ありがとう……」


シンジ「外で待ってるから終わったら呼んでよ」


武器庫に着くまで警備兵を次々と惨殺しながら全身、返り血まみれになりながら満面の笑みを浮かべるシンジに少佐は苦笑いした。

ドゴーン‼︎‼︎


レオン「なんだ?」

シンジ「花火が打ち上がったみたいだね……」


ほくそ笑みながらレオンにウィングシューターが入ったバックサイドホルスターを手渡した。

マムシ工業跡地 北

ビシュ

トッ

チリリリリ……


警備兵「ん?」


ドゴォォオオオンン‼︎‼︎‼︎‼︎


リョウは燃料タンク、目掛けて火付き矢を撃ち込んだ。

狙った場所に突き刺さり燃料に引火して爆発した。


爆音を聞き、レギオンの群れがマムシ工業跡地に進軍し始めた。

その中にリョウも混じりながら侵入した。

武器庫


シンジ「桂さん、AR-15 PWS ディアブロ使います? 」

桂「貰おう」

レオン「……悪くない」

銀時「俺は…… これでいいや」


レオンはM203装着したMark 18 Mod 0(改)とFN SCAR 17S(改)を銀時が手にした。


素子「シンジ」

シンジ「どうしたの? 少佐」


忍者服に着替えた素子がノリンコ 56(改)をシンジに手渡した。


シンジ「少佐……これ、AKじゃないね」

素子「ごめんなさい。気付かなくて」


少し考えるとチャージングハンドルを後ろに引いた。

シンジ「ありがとう。使わせて貰うよ」

素子「シンジ………」


マダオ「イチャイチャしてるとこ悪いんだが」


レギオン「ガルルルル……」


ズドドドドドドド‼︎‼︎


シンジは躊躇なくフルオートでレギオンの群れに高速鉄甲弾で眉間を撃ち抜いた。

リョウ『子供たちの様子は?』

シロウ「怯えている子もいますが、大半は慣れてしまっているみたいです」


リョウ『そうか…… おっと』


寺子屋の子供達とその’担任”を護衛しているLSD オリジンズ。

たまたま、江戸城に向かっていたリョウと再会して一緒に行動していた。


ズドドドッ‼︎‼︎‼︎



通話しながら狙撃しようとした警備兵をスコープ装着したLMT LM8MWS(改)で返り討ちにした。


シロウ「大丈夫ですか?」

リョウ『ああ。 30分以内に戻って来れなかった場合はすぐ、江戸城に向かってくれ』

シロウ「了解しました」


シロウは敬礼しつつそう応えた。

コンテナ前

コンコン!


リョウ「誰かいるか?」

ギノ「宜野座です! 」

リョウ「よし! プラスチック爆弾で吹き飛ばすから、下がっていてくれ」

ギノ「了解‼︎」



お手製プラスチック爆弾でコンテナの扉を破壊した。


ドゴォォンン‼︎‼︎‼︎


ギノ「げほげほ…… 」

バトー「俺らまで殺す気かよ⁉︎」


リョウ「お前が物理的に死ぬ事ほぼ無いだろ…… それより速く移動しよう」

六合塚弥生「ちょっと待て下さい! 常守捜査官が中にいます‼︎」

リョウ「……」


一瞬、空を見上げると背負っていたリュックサックを下ろした。


リョウ「好きな選んでくれ」

レギオン「キシャアアア‼︎‼︎」


ドン!


リョウは振り返らずにシンジのコルトパイソンでレギオンの眉間を撃ち抜いた。


リョウ「時間無いから3分以内で頼む」

バトー「おう」

ギノ・弥生「了解」

マムシ工業跡地 東


「やっべぇ~ パーチーに乗り遅れたみたいだな」

「そうッスか」


「別に乗り遅れた所で……」

「コウ! ロキとバードルビーにパーチー始まってるって伝えてこい」

狡噛 慎也「アンタが行けよ」

「おっ? やんのか?」

「オレが行ってきます」


「悪いな……直保 」

沢木惣右衛門直保「気にしないで下さい。 慣れてますから」

マムシ工業跡地 内部

ズドドドドドドド‼︎‼︎

カシュッ、ババス

バシュ バス、カシュッ



シンジ「レオン‼︎」

レオン「任せろ」


レオンは40mmグレネード弾で壁を破壊した。

マムシ工業跡地 北


ズドドドドドドド‼︎‼︎‼︎

バシュ、バス

バス バス


シンジ「ホント…… どんだけ居るんだよ」

銀時「東京ドーム収容人数ぐらいじゃねぇの?」


桂「うむ?あれは‼︎」

リョウ「シンジ‼︎ 銀さん‼︎ 」

常守を捜していたリョウ一行と再会した。

リョウ「2階だ! 2階に居る‼︎」

シンジ「2階に誰が居るんだ?」

リョウ「とりあえずついて来い。 あと、これを返すぞ」


リョウはパイソンをシンジに返却した。


リョウ「長谷川さん、そのライフル……」

マダオ「ん? これ?」


マダオが背負っていたSPR Mk.12 mod.0を指差した。


リョウ「貰えませんか? それを」

マダオ「いいけどよ……」


LMT LM8MWSをギノに渡して、SPRを背負いシンジと共に2階の壁を目指して壁をよじ登った。

素子「今から2人が降りて来るまで時間を稼ぐぞ‼︎」

一同「了解‼︎」


2階 壁


リョウ「様子は?」

シンジ「結構…… 余裕だね」


窓から見えたのはサイトーとボーマが扉をこじ開けようとしている中で何故か


妙と九兵衛と朱が呑気に談笑していた。


リョウ「とりあえず、壁を爆破するぞ」

シンジ「オーライ」


プラスチック爆弾を投げ渡し、合図を待った。


リョウ「準備は?」

シンジ「いいよ」


リョウ「じゃ…… 行くぞ!」


ドゴォォンン‼︎‼︎‼︎


爆風に耐えそのまま、2階に転がり込んだ。

2階 監禁部屋


志村妙「キャッ⁈ 新ちゃん、大丈夫?」

リョウ「大丈夫…… 他の皆は?」


サイトー「俺たちは無事だが、お前たちの方が大丈夫か」

常守朱「社長! 無事ですか⁈」

シンジ「うん…… 大丈夫大丈夫。慣れてるから」


リョウは九兵衛に静かに手を握った。


リョウ「良かった…… 本当に」

柳生九兵衛「」ナデナデ


涙を流しながら胸に顔をうずめるリョウを優しく九兵衛は撫でた。

シンジ「とりあえず…… 脱出しましょう」


リョウ「君にコレを」

九兵衛「これは……」


リョウは九兵衛に日本刀<潮凪>を渡した。

シンジは、妙にベクターCP1(改)を朱にはグロック19(改)を渡すと

サイトーとボーマにセブロC26A(改)を投げ渡した。


リョウ「行こう…… 一緒に。今度は離さないから」


九兵衛は薄ら笑み浮かべつつ


九兵衛「わかった。僕も離さないよ」

と応えた。

マムシ工業跡地 外


シンジ「道を切り開け!」


ピシュ

トッ

ズドドドドドドド‼︎‼︎

ドン!


襲い来るレギオンを返り討ちにしながら江戸城を目指して疾走した。

江戸城 前

メラメラ……


レオン「嘘だろ……」

シンジ「レイン⁈」

リョウ「信女‼︎」


バトー「おい、ふたりを止めろ!」

妙「新ちゃん‼︎ 」

九兵衛「新八君、よせ!」

素子「シンジ! ダメよ‼︎」


シンジ「行かないと! レインが…… 渚君達が……」


父親2人が炎上する江戸城に突入するのを周りが制止している中で突如

レオン「なっ……」

バトー「クソッ?! 電脳を……」

朱「意識が……」ガクッ


シンジ「少佐? どうしたの?」

リョウ「姉さん! 九兵衛さん‼︎」


2人を残して全員、気絶した。


いきなりの事で戸惑う2人の脳内に聴き憶えのある少女の声が響いた。


『2人とも~ おやすみ~』


そのまま、2人は意識を失った。

ターミナル 事務室


「うんっ…… ここは」

(確か……)



『早く行け‼︎ 』

神楽『タイチ! お前も……』

渚『必ず、戻って来て下さい』

神楽『タイチィィィイイイ‼︎‼︎‼︎』


タイチ?(神楽達を逃がした後…… つーか)

「俺、声こんなに高かったけ?」


首を傾げながら立ち上がると


「おはよう」


謎のフードを被った人物がタイチ?に目覚めの挨拶をした。

タイチ?「誰?」

「ごめんなさい…… フード取るわ」


謎の人物はフードを外した。


タイチ「パシフィカ・オーシャン……か?」

パス・オルテガ・アンドラーデ「今は、パスよ」


シンジの亡き友人であるパシフィカ・オーシャンことパス・オルテガ・アンドラーデだった。

状況が理解できないタイチ?に何故か、手鏡を渡した。

鏡に映っていたのは


タイチ?「…… えっ」


赤毛のショートカットヘアの18歳ぐらいの髪と同じ瞳の少女がいた。


パス「おはよう…… アルモニ・エイゼルシュタイン」

アルモニ「意味が解んないだけど……」

パス「まぁ、説明するから座って座って」


タイチことアルモニはソファに腰を掛けた。

パスは煙草を咥えながら、パイプ椅子に脚を組みながら座った。


プカー


パス「まずは…… 確認なんだけど」

「貴女は天野太一よね?」

アルモニ「もちろん。 天野太一だけど」

パス「じゃ、実の両親について憶えてることは?」



アルモニは頭を摩りながら自信なく


「知らないけど、ただ富江が言うには」

富江『私と同列のクズよ』


アルモニ「としか聞いてない」


パス「フフフッ…… なるほどね」

アルモニ「何がおかしいだよ」



パスは立ち上がるとアルモニに顔を寄せてこう言った。


パス「それはウソよ。 それに貴女は天野太一じゃない」

アルモニ「はっ?」

アルモニ「いやっ…… でも……」


アルモニの中で数々の疑問が湧き始めた。


なぜ、両親の顔を思い出せないのか。

シンジが異様に自分の体調を気にしていたのか。

などのあまり、気にしてなかった事の疑問が激しく気になり出した。


アルモニ「どういう事だよ……」

パス「本当の貴女を知ってるのは3人だけよ」

アルモニ「3人?」

パス「気になる?」

アルモニ「」コクッ


煙草の煙を吹きかけ、笑みを浮かべながら耳元で囁いた。


パス「富江とジャンヌ…… 最期の<1人>は」


コンコン


パス「誰?」

チコ「俺だ。話がある」

パス「ゴメン、ちょっと待ってて」


呆然とするアルモニを置いて事務室を出ていた。

ターミナル 廊下


パス「チコ、どうしたの?」

チコ「なぁ、本当に……」

パス「また… その話? そんなに私が信用できないの?」


チコ「いやっ… そうじゃなくて」

パス「じゃ、何が問題なのよ」

チコ「別のやり方が……」

パス「無いわ。この’方法”以外でー」


「<賢者の触媒>は手に入らない」


チコ「’神代の血”もそうなのか?」

パス「そうよ。 私もやりたくてあんな事してるワケじゃないわよ」


チコは溜息をつきながらレインの元に戻って行った。

パスは首を回しながら事務室に再度、入室した。

ターミナル 廊下


パス「チコ、どうしたの?」

チコ「なぁ、本当に……」

パス「また… その話? そんなに私が信用できないの?」


チコ「いやっ… そうじゃなくて」

パス「じゃ、何が問題なのよ」

チコ「別のやり方が……」

パス「無いわ。この’方法”以外でー」


「<賢者の触媒>は手に入らない」


チコ「’神代の血”もそうなのか?」

パス「そうよ。 私もやりたくてあんな事してるワケじゃないわよ」


チコは溜息をつきながらレインの元へ戻って行った。

パスは首を回しながら事務室に再度、入室した。

ガチャ


パス「ごめんなさい、えっーと」

「どこまで……」


アルモニ「オレの正体を知ってる奴らについてだよ」

パス「ああ! そうだったわ。 ありがと」

アルモニ「3人目は誰か薄々…… 分かったけど」

パス「誰だと思う?」


微妙な顔で見つめながらアルモニはキレ気味にこう言った。


アルモニ「碇シンジ」

パス「正解~」

アルモニ「なぁ…… そろそろ教えてくれよ。アンタらの目的を」


パスは笑みを浮かべながら返答した。


パス「教えてあげるからついて来なさい」


眉を顰めながらアルモニはパスの後について行った。

ターミナル 拷問部屋

ウィーン


パス「ここよ」

朔夜「母さん…」

パス「お疲れ、朔夜。 休んで良いわよ」

朔夜「何かあったら、いつでも呼んでくれ」


アルモニ「アイツの母じゃないじゃんか。アンタは」

パス「嘘も方便よ」


悪びれもなく笑みを浮かべながらパスは布に被された何かに近づいた。


パス「これが…… 私が見せたかったモノよ」


バサッ

布を外すや姿を現したのは


アルモニ「レインっ⁈」


両腕の血管にホースを突き刺されたレインが鎖に縛られ血塗れで回転椅子に座っていた。


パス「抵抗しなきゃ、もうちょっと優しくしたのにね」

アルモニ「おまっ……」


ドン!ドン!



パスは左懐からサムライエッジ ウェスカーモデル (改)を抜き出し、アルモニの両膝を撃ち抜いた。

454カスール弾の威力で両膝を付き上半身を前のめりにした。

パスは満面の笑みで近づき、睨むアルモニの頭を撫でながらこう言い放った。


パス「貴女は’女神”に選ばれたの。だからー」

「生贄になって」

~追憶~


眠るといつも見てしまう。

自分が殺した<親友>

吉田松陽『強く生きなさい。それがー』

『キミの道です』


護れなかった弟分

クゼ・ヒデオ『兄さん……先に逝ってます』


姉の様に慕っていた相手も

カナン『シンジ…… 絶対に諦めるな。 お前は最後の希望だ』


師匠ですら

ザ・ボス『自分を信じろ。妥協せずに意思を貫け』

皆、死んだ。

<妹>すらも

綾波レイ『碇くん』


護れなかった。

すべてー

手からこぼれ落ちてしまった。


残ったモノは……

妻と

素子『シンジ』

娘に

レイン『お父さん‼︎』


初恋の相手の生まれ変わりと友人達だ。


タイチ『気持ちワリィな、見つめんなよ』

アルモニ『ごめんね…… 』

人は何かの代償なしに 得ることはできない…… それを

錬金術師達は<等価交換>と呼ぶ。


等価交換? ふざけるな。

代償を払って……何を得たんだ。

何も得ちゃいない。

ただー

無情な無力感に

罪悪感と共にくる冷たい怒りと

地獄の様な苦しみが続く<痛み>

しか残らない。


だが、それでも

素子『あなたが私にとっての<個>よ、シンジ』

レイン『お父さん、笑って笑って‼︎』


家族と


リョウ『ムチャするなよ』

マシュー・クルーソー『銃の使い方が荒いな… ホントに』

シロウ『社長、書類なら既に片付けときました』

レントン・サーストン『お前ん家のウォッカ、貰っていい?』

鈴原トウジ『ホンマ~ 大学生のバカップルみたいやな、センセイとこ』

相田ケンスケ『なぁ、ロングボウ…… えっ?ダメ?』


心の友達に

朱『安心して下さい。 ヤバくなったら絶対に逃げますので』

エレン『必ず、レインは護ります!』

宜野座『突っ走らないで下さい、社長。 俺達の仕事なくなりますから』

ミカサ『エレンもレインも……私が護るので。 社長は自分の勤めを果して下さい』

弥生『心配いりません。私はひとりで大丈夫ですから』

渚『お疲れ様です。シンジさん』

ショウ『しゃ…… 社長‼︎ 出来ました‼︎ 新しいファイヤーウォールです‼︎‼︎』

アルミン・アルレルト『社長、経費で落ちますかね? コレ?』

唐之杜志恩『あら、シンジ君。どうしたの? またレインちゃんに関する相談?』

ユミル『悪いけどよ~ ヒストリアに会いに行くから明日、会社休むわ』

直保『シンジさん、任せて下さい。 必ず仕留めますから』

岸谷 弘基『シンジ…たまには俺達を頼ってくれ』


同期と社員たち……

ジャンヌ・ダルク『賢くなっちゃダメよ、戦い続けなさい』

プーチン『お前は強い。絶対に最期まで闘い続けろ』


義母と義父……


護らせて。

いや…… 違う。

絶対に護るんだ。

僕の命が尽きようとも……

必ず、護ってみせる。

皆を…護る。

絶対に。


追憶 終了。

天界仕様 VTOL機 ’エッジ・ダークネス” 休息室


シンジ「うんっ…… 」

素子「大丈夫? 」

シンジ「少佐…… なんで膝枕?」


素子の膝から起き上がると周りを見渡した。

全てが白い。

そう表現するしかない妙な部屋に
シンジはとりあえず扉を探した。


ウィーン


シンジ「そこか」


真後ろの白い壁が開き、知り合いが中に入室した。

レントン「ウッース。 相変わらずのアツアツだな。バカップル共」

「お前んトコも似たようなもんだろ」

レントン「冗談キツイっすよアネさん」


漆黒のレインコートを羽織った碧眼の眼とショートカットの銀髪をした女性を連れてレントンが現れた。


シンジ「お久しぶりです…… ナタリアさん」

ナタリア・カミンスキー「おう、久しぶり。調子はどうだ」

シンジ「悪くないですよ。体調は」


素子「知り合いなの?」

シンジ「うん。 義母の友達…… かな」

ナタリア「腐れ縁だよ」


そう訂正しつつナタリアは笑みを浮かべた。

レントン「とりあえず~ 2人は休んでいてくれ。 後は俺達が’カタ”を着けるからよ」

シンジ「……」


シンジは手を組みながら横目でナタリアを見た。

それに気付いたのか首を回しながら語り出した。


ナタリア「悪いな…… お前の<母親>から留めるように頼まれたんだよ」

レントン「心配するな。 必ず、タイチもレインも助け出す… だから」

シンジ「だから…… 手を加えて見てろって言いたいのか」


素子「シンジ…」

シンジ「敵は、はなっから僕が来る事を予測してこんなクッソみたいなお祭騒ぎを仕掛けた」


冷汗をかきつつレントンはこう言った。

レントン「罠に飛び込むはアホみたいだろ? それに勝てる見込みも」

シンジ「確かに負ける可能性もある。だが」

「そうだとしても行かなきゃならないだ」

ナタリア「何故、そこまで……」

シンジ「僕はレインの父親で、タイチの兄だ。2人は待ってる」

「僕の助けを…… 待ってるんです。お願いですから行かして下さい」


ナタリアは無表情で


「ダメだ」


とシンジの願いを拒否してレントンと共に部屋を出た。

だが

エッジ・ダークネス 食堂


レントン「よぉ、ソープ」

ジョン・マクタビッシュ(ソープ)「珍しいな、レントン。珈琲を飲むなんて」

レントン「チッゲーよ。LSDの連中に’サーストンブレンド” を呑ませてやるんだ」

ソープ「あてつけか?」

レントン「だからチッゲーって。あいつら、地上で気を張りまくってから」

「癒してやるんだよ。疲れを」

ソープ「逆効果だろ… ソレ」


『ぐっ…… 犬のクソの方がマシだ』

と狭噛に言わしめたある意味で<伝説>のレントン特製ブレンド。

それがサーストン・オリジナル・ブレンド。


それをLSDと銀魂の面々に造ってるフリをしながら

シンジの分に’あるもの”を入れた。

ソープ「30分後にブリーフィングだ。参加しろよ」

レントン「ハイハイ。分かってますよ」


そうソープに言ってレントンはサーストンブレンドをシンジ達の元に運び出した。

休息室


素子「飲まないの?」

シンジ「……」


手を組みながらナタリア達が入室してきた方向の壁を凝視していた。

そんなシンジを心配しつつ、素子はサーストンブレンドを口にした。


素子「うっ」


あまりのクソ不味さに流石の素子も飲み干せなかった。

そして


ガシャン‼︎


シンジ「素子⁈」


意識を失い倒れた素子にシンジは駆け寄った。

同時にこぼれたサーストンブレンドからラップに包まれた見慣れない、小型スイッチと鍵が現れた。

シンジ「はははっ…… アイツ」


レントンに感謝しながらラップを外し、スイッチを押した。

壁が開くと同時に鍵を握り締め疾走した。

エッジ・ダークネス 武器庫

ガサゴソ…ガサゴソ…


狭噛「動くな」

シンジ「…… シンヤ君」


武器庫から銃器を盗んでるシンジを止める為に現れた狭噛がスタームルガー SP101(改)の銃口を向けた。


シンジ「撃ちたいなら撃っていいよ」

狭噛「…… 何故だ」

シンジ「僕は君と同じ人間だ」

「護りたいモノの為に闘う。神様や義母の為に銃を撃つじゃない。自分の信念に従い、撃鉄を起こして引き金を引く。だからー」

「撃ちたい撃て。それでも僕は止めないから」


狭噛は笑みを浮かべならSP101をタクティカルパンツの右ポケットに納めた。


狭噛「不死殺しの銃弾は右側の棚の上から2番目にあるぞ」

シンジ「ありがとう」

銀時「よぉ、ずいぶんお盛んだな」

シンジ「っ⁈」


シンジは近くにあったFN SCAR-H風コルトM16A2 (改)を銀時に向けた。


銀時「……あぶねぇーな」

シンジ「銀さん、どうして」

朱「彼は珈琲を飲まなかったんです」

狭噛「常森……」

朱「お久しぶりですね、狭噛さん」


珈琲の匂いに違和感を覚え、飲まなかった銀時と<刑事の勘>で口にしなかった朱がレントンが休息室のスイッチを弄ったおかげで脱走した。


シンジ「レントンは?」

銀時「お前の友人、銀髪のねーちゃんにメチャクチャ叱られてるけど」

狭噛「アイツ…… 無茶しやがって」

朱「それは狭噛さんも同じですよ。私達に協力するなんて」

狭噛「心配するな。 1時間、亀甲縛りの刑に耐えれば全てチャラだ」

銀時「転職考えた方がいいんじゃねーのか?」

シンジ「本当にゴメン」


銀時「とりあえずよぉ、ターミナルに行こうや。 お姫様と王子様を助けに」

シンジは満面の笑みで

「行こう、ターミナルへ」

と言って4人で武器庫を出て、BSAAと<タスクフォース141>の隊員達を気絶させながらパラシュートを強奪し、エッジ・ダークネスから脱出した。

ターミナル 裏側

ガシャン‼︎


シンジ「アミバっ⁈ いたたた……」


バサッバサッバサッ


朱「大丈夫ですか⁈ 社長!」



パラシュートが開かず、最終的に受け身で降下したが

飛び降り自殺の如く、車のルーフに激突した。

そのまま… 道路に転がり落ち後を追って降下した朱が心配して駆け寄って来た。


狭噛「何してんだ‼︎」

シンジ「パラシュートが開かなくて…… 受け身しようとしたら」

「こうなった」

銀時「ホント、親子揃ってムチャクチャ過ぎんだろ」

血塗れで脳震盪を起こしたシンジを支えながらフラットに見つからない様にターミナルから逃走した。

コンビニ 事務室


朱「どうぞ」

シンジ「ありがと…… 朱ちゃん」


渡された缶ビールを飲みながら持ってきたリュックのファスナーを開けた。


シンジ「皆、チョッキを着てくれ」

狭噛「用意がイイな」

シンジ「備えあれば憂いなしだよ」


天界仕様の防刀・防弾チョッキを3人に投げ渡した。

銀時にはSCAR風 M16A2も投げた。


シンジ「好きなを選んでいいから」

狭噛「選んでいいからって…… 殆どお前のじゃねぇだろ」

シンジ「50/50 だよ」


ストレイヤーヴォイト TiKi (改)が入ったバックサイド ホルスターを朱に投げ渡した。


シンジ「ちょっと… 外の様子を見てくるよ」

朱「私も同行します」

シンジ「いや、1人で大丈夫だから。すぐに戻ってくるし」


シンジはそう言ってキャンプ アックスⅡを持って事務室から出た。

フラット エリート隊員「はぁ…はぁ… なぜ、わかった」

シンジ「来た時から気付いてたんだ~ 実は」


そう言って殺害したフラットエリートの頭蓋骨に深々と刺さったアックスⅡを抜いた。

生き残った隊員に近付き、質問した。


シンジ「朔夜とチコは居る?」

エリート「何故…… 2人を知ってるんだ」


笑みを浮かべながら青い柄のデニムの右ポケットからスティックシュガーを取り出し咥えた。


シンジ「腐れ縁だから…… ありがとう教えてくれて」

エリート「えっ?」


それを聞くとエリート隊員の頭頂部にアックスⅡを振り下ろした。

ターミナル 前


シンジ「要塞空港…… か」


かつてとは姿を大きく変え、完全なる<要塞>と化したターミナルを見てそう呟いた。

薄ら笑みを浮かべながら パイソンのシリンダーを覗き弾を確認して左懐にしまった。


シンジ「さてと~ カタをつけますか」


そう言ってシンジは意気揚々とターミナルに入って行った。

ウィーン


エリート「シンジ様、お待ちしておりました」

シンジ「へぇー僕が来る事も<計画>の内なんだね」

エリート「それはどうか知りませんが…… パス長官代理が上でお待ちです」

シンジ「’長官代理”か……」


苦笑いしつつも左右横並びで敬礼しているフラットエリート達に挟まれながらエスカレーターで2階に上がった。


エリート「長官代理は事務室に居ます」

シンジ「ありがとう…」


右側に居たエリートにそう教えられ事務室に向かった。

事務室

ウィーン


パス「いらっしゃい、座って座って」

シンジ「…」

パス「貴方の事だから…… 何も食べてないと思って中華料理を用意したの」


回転テーブルに並べられた中華料理と交互に周りを見渡した。

パスの隣に朔夜がおり、煙草を吹かしていた。

チコはシンジの隣で料理をどか食いしている。

更には隅にはショルダーホルスター装着したボディビルダー並みの身体をしたタンクトップの男達が四ヶ所の隅に腕を組みながら立っていた。


シンジ「ウォッカある?」

パス「ふふふっ…… 相変わらず変わらないわね」

グラスを手にウォッカを持ってシンジの元に来た。


パス「乾杯しましょ」

シンジ「イイけど…… 何に?」

パス「私達の再会にかな」

シンジ「なるほど」


パスのグラスにウォッカを淹れ、ボトルで乾杯した。


パス「ところで……」

シンジ「なんだい」


ガシャガシャ


朔夜が下から茶袋を取り出し、中から大量の拳銃が出てきた。

それを見て立ち上がろうとしたチコにビルダーがショルダーからH&K Mk.23 (改)を後頭部に銃口を向けた。


パス「コレは……どういう事か説明してくれる?」

シンジはウォッカを飲みながらスティックシュガーを咥えた。


パス「いつから……なのよ」

シンジ「何が」


ドン!


テーブルに両手を叩きつけシンジを睨み付けた。

不敵な笑みを浮かべながらシンジはパスにこう言った。


シンジ「どこから話そうか……」

3ヶ月前…… 地獄 食堂


シンジ「新世界秩序?」

鬼灯「最近、現世と地獄で信者を増やしている新興宗教団体です」

シンジ「その団体に…… パスが」

鬼灯「はい。 しかもその団体の幹部で、更には」


鬼灯はテーブルにファイルを出した。


鬼灯「彼女は団体と繋がりがある地獄中央内務省の長官代理なんです」

シンジ「話が見えてきた…… つまり」

鬼灯「’内通者”からの情報では大規模なバイオテロを計画しているそうです。ですので……」

シンジ「ワザと見逃せと?」


鬼灯を睨みつけながらシンジはそう問いた。

鬼灯「その通り。確固たる証拠が無ければ我々は動けません」

シンジ「その為に世界を犠牲にしろと…… 言うんですか」

鬼灯「犠牲はなるべく少なくっ」

シンジ「そういう問題じゃないでしょ!」


激昂しながらシンジは立ち上がった。


鬼灯「もし…… この作戦が失敗すれば他の世界でも連中はバイオテロを引き起こす可能性がある」

「<犠牲をなるべく少なく最小限に>それが君の義母様の言葉だ」


シンジ「ふぅ…… なぜ、僕にこの話をするんですか」

鬼灯「君が長官代理と親密な間柄だと」

シンジ「ただの腐れ縁です」


そう言って食堂を後にした。

地獄防衛省 庭


金魚草「オギャアアアアアア‼︎‼︎」

シンジ「……」


「よぉ、何してんだ」

シンジ「」チラッ


スティックシュガーを咥えながら金魚草を眺めているシンジに天界公安部 外事課 <4課>所属の元監視天使、バードルビーが近づいてきた。


シンジ「お久しぶりです」

バードルビー「どうした? しかめ面して」

シンジ「言わなくて判ってるでしょ。あなたなら」

バードルビー「ははははっ……」


苦笑いしながらバードルビーは煙草に火を付け吸い始めた。

バードルビー「シンジ…… 気持ちは解る。 だが、堪えてくれ」

シンジ「虐殺に目をつぶれと言うんでんすか?」

バードルビー「’痛みなくして前に進む事はできない” 」

シンジ「義母の言葉か」


死んだ目をしながら金魚草を眺めていると


茄子「あっ」

唐瓜「こんにちはー」

バードルビー「よぉ、小鬼たち元気か?」

茄子「元気だよぉ~ バードルビー様は?」

バードルビー「ハハハハ、元気さ」

唐瓜「大丈夫ですか? 具合悪そう……」

シンジ「ありがとう。心配してくれて」


かがんで唐瓜と茄子の頭を撫でた。

バードルビー「彼らも犠牲になるかも知れない……」


眼を瞑り、45秒後に開けた。


シンジ「人は何かの代償なしに得ることはできない…… ふざけんなよ」

バードルビー「どこに行くんだ?」

シンジ「食堂に戻ります」



薄ら笑みを浮かべながらバードルビーは唐瓜たちとシンジを見送った。


バードルビー「ホント…… 親子揃って捻くれ屋だな」

食堂


鬼灯「決断してきましたか」

シンジ「協力します…… 条件を飲んでもらえるなら」

鬼灯「条件?」


妥協策としてシンジはある提案をした。


シンジ「バイオテロの犠牲者たちを甦らせる許可を下さい」

鬼灯「…… なるほど」

シンジ「もし、飲んでくれるのであれば出来る限りの協力はさせて貰います」

「受けれられないのであれば僕は帰ります」


鬼灯は不敵な笑みを浮かべて返答した。

鬼灯「わかりました。許可します」

シンジ「ありがとう…… ございます」


深々と鬼灯に頭を下げた。


ーーーー
ーー

シンジ「そういうワケなんだ」


パス「……裏切り者」

チコ「キミは変わってしまった」

パス「変わった? 私は何も変わって無いわよ」

シンジ「変わったよ、本当に。 昔の君はこんなマネを出来る程、外道じゃなかった」

「全ては……<あの時>からなんだろう」


パスは右こめかみから冷汗を流した。

チコは涙を目元に溜めながらこう言った。


チコ「許してくれ…… 俺がもう少し慎重に動いていれば……」


パス「黙って」

怒りを滲ませた表情で見つめるパスにシンジは優しくこう言った。


シンジ「キミの苦しみを…… 僕は察する事しか出来ない。だが」

「一つ言えるのはこんな事をやっても世界は変わらない」


パス「なぜ…… あなたはそう言えるの」


力無くそう言うパスに、シンジは優しく言い聞かせる様にこう返答した。


シンジ「夕方のニュースに流れて所でただの夕飯の話のタネになるだけだよ」

「’戦争を辞めよう”とは誰も想わないし、止めようなんて考えないさ」

パス「……」


唖然とするパスにチコが優しく論した。


チコ「パス、まだ引き返せる。 シンジにキミが知っている事っ」

朔夜「始末しろ」

朔夜の指示に警備員はMk.23でチコの後頭部を撃とうとするが

シンジがテーブルにあった中華スープを顔に浴びせた。


警備員「ジーザス?!」


チコは左懐からスタンナイフを抜き、警備員の喉を斬り裂いた。

朔夜は袋からタウルスPT92(改)を拾いテーブルを蹴り上げてパスを連れて逃げ出した。


朔夜「2人を始末しろ‼︎」

警備員「御意」

ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!


チコ「パス‼︎」


朔夜「来るな‼︎ 貴様らに母さんは汚させん‼︎‼︎」


ドン!ドン!ドン!

そんな事を叫びながら朔夜はPT92を乱射しつつ、パスを連れて屋上に向かった。


ベキャッ!


シンジ「よし……」


そばに居た警備員の脊髄をへし折り、エボニー・アイボリーをバックサイド ホルスターから抜き出して残り2人を瞬時に仕留めた。


シンジ「チコ、ここに居て。皆が来たら屋上に向かうように伝えて」

チコ「わかった。気をつけろよ」


シンジは笑みを浮かべながら2人の後を追った。

ターミナル 2階

タタタタタ…タタン


朔夜「どうした!」

エリート「天界と地獄の外事課が総動員で襲撃して来ました」

朔夜「応戦しろ!応戦‼︎」

エリート「了解‼︎」


銀時「おーい、アイツがパスって奴か?」

鬼灯「ちがいます」

「’右腕”の朔夜です」

銀時「へぇ~ そうか。 じゃ、撃っていいか?」

鬼灯「構いませんよ」


銀時はSCAR-Hをフルオート射撃した。

朔夜もPT92で応射した。


ズドドドドド‼︎ ドン!ドン!ドン!


朔夜「母さん、逃げろ‼︎ 」

パス「……」


無表情のままパスは


カチッ

ドン!


銃声と共に朔夜が崩れ落ちた。

銀時「おい…… 」

パス「ごめんね、こうするしか無いのよ。もう」

シンジ「パス‼︎」


追ってきたシンジがエボニー・アイボリーをパスに銃口を向けた。

自笑気味に笑みを浮かべたパスは、スタームルガー バゲーロ(改)を撃った。

屈んで避けると後を駆け出して追った。


それを見ていた銀時も2階に上がり2人の後を追った。

ターミナル 屋上


シンジ「……」

銀時「なんだ… ありゃ」


赤い結晶に包まれたレインとアルモニを見たシンジはエボニー・アイボリーをバックサイドホルスターに戻すと、パイソンを左懐から抜き出した。


レイン達の近くにいたパスはバゲーロをシンジ達に向けた。



シンジ「パス、終わりだ。ターミナルは完全に制圧されてる」

パス「…… だから?」

シンジ「投降してくれ」


パス「世界は変わらなかった。だからーーー」

「私が変えるの」


チャキ

シンジ「よせ‼︎」


ドン!


止めようとしたシンジより先にパスはバゲーロで自分の頭を撃ち抜いた。


銀時「……」

狭噛「大丈夫か?」



シンジ「大丈夫なら…… 良かったんだけど」


遅れて来た狭噛にシンジはそう呟いた。

『緊急事態。緊急事態。エネルギー200%オーバー、退避してください』


銀時「ホント…… 何回目だ?」

シンジ「多分、2回目」



そう言うとシンジはサングラスをデニムの左ポケットから取り出して掛けた。


狭噛「撤収だ。逃げるぞ」

銀時「その前にコイツら、助けねーと」


シンジ「銀さん、シンヤ君」


決意をかためた表情で2人にこう頼んだ。


シンジ「レインとタイチの事を頼むよ」

銀時「テメー…… なにを」

シンジ「なすべきことをなす」


そう言ってシンジは屋上から降りて行った。

報告書


えどじゅうにいたれぎおんたちは、ほおずきさまやなたりあさんたちによってくじょされました。

そして、おとうさんとのやくそくをしろうさんとれんとんおじさんにつたえてほおずきさまたちはじごくにかえっていきました。


みんなをたすけるためにたーみなるちかにいってゆくえふめいになっちゃったおとうさんのかわりに

なたりあさんがえどのみんなをよみがえらせました。

おとうさんきいたらたぶんおどろくだろうな~きっと。

なたりあさんがみんなをたすけたってきいたら。

後、教授のせいべつがなんかかわったみたい。

教授曰く、「ぶっちゃけ、いつか性転換するつもりだったからちょうどよかった」

っていってた。

テツオさんはおどろいてたみたいだけどあっさりうけいれて

さとこねぇちゃんからは

「綺麗……モデルになってみたらどう?」

もでるになることをすすめられ

ショタコンのへんたいデカのやましなさんには

「うわっ…… 性別が男なら高値で買うんだが…残念だ」


と残念がられたらしい。


最終的にもでるをやりながら兼業でかいさんしたぼーかるいがい全員、男装するばんど『アマルガム・ネオ』をふっかつさせてセカイをとびまわってるんだって。


ちなみになまえを『常森 レイ』かえたよ。


それとLSDは社長代理をおかあさんににんめいしてつぎのバイオテロをふせぐために、せいりょくてきにかつどうちゅう。


エレンたちと渚兄ぃはあいかわらずわたしのボディガードやってる。

ジャンはパニック収束後、えっじ・だーくねすから落下して全身複雑骨折で大江戸病院に1ヶ月入院。


叔父さんは九兵衛さんと信女ちゃんとじんせい初の家族旅行にいったんだって。

以上、報告終わり。

草薙素子 LSD代表取締役 宛名

差出人 レイン

日付 2036年 8月13日

レインの報告書から10日後。

LSD本社 社長室


素子「ハイ、これお願い」

士郎「あっ…… はい」


士郎は書類を受け取り、部屋を出た。

素子はシンジが咥えていたスティック シュガーを口にくわえ、窓から外の景色を眺めた。

その時


ガシャーン‼︎‼︎


防弾製の窓をぶち破り、素子の膝の上に’彼”が座った。

シンジ「ただいま」


笑顔でそう言ったシンジに素子は


素子「…… おかえり」


歓喜の涙を流しながらそう返した。


2人は数ヶ月に熱い抱擁を交わした。


素子「これからどうする?」

シンジ「ちょっとカタをつけたい事があるからそれを処理する」


新たな決意を胸に抱きながら窓から街を見下ろした。


シンジ「…… さぁ どこに行こうか。 世界は広大だ」


fin


推薦ED曲: 『date of rebirth』

ロスサントス チェンバーレイン・ヒルズ 住宅


がさごそ…がさごそ…


レイン「あった」

ジミー・デサンタ「レイン! 奴らが来た‼︎」


ガシッ


レイン「うわっ⁈」


台所に逃げ込む。


クリッカー「グリリリリッ」


レイン「静かに…」

クリッカー「グリャアッ‼︎‼︎」

ドン!

レイン「逃げるよ‼︎」


秩序が崩壊した<世界>で


ドン! ドン!


生き残るために


手段を選ぶな。


まぁ…… ’ゲーム”の世界での話なんだけど。


ダン‼︎


Last of Daylight

生まれて始めて二次創作を完成させる事ができ、今は何故か感傷的な気持ちに浸っております。

ですが、これで作品が完結した訳ではないので次は番外編を書きます。

因みに予定では三部作にするつもりです。


それではまた、どこかで会いましょう。

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