ミカサ「ショート・ストーリー?」(54)




アルミン『そう!現実には起こり得ないあんな事やこんな事を、物語のように自由に書き記すことができるんだ!』



ミカサ「アルミン、教えてくれてありがとう…これで私もエレンとあんな事やこんな事を…ぐふふ」




ミカサ「さて、何から書こう」


ミカサ「とりあえずエレンといちゃいちゃできれば何でもいい…」


ミカサ「でも、私には言語力がない…ので、あまり上手くは書けないと思うけど…頑張ろう」


ミカサ「まずは──」






みかさ『えれん。おはよう』


えれん『おはよう』


みかさ『きょうは なにして あそぶ?』


えれん『そぎあい かなー』


みかさ『わたしも そぎあい すき。やろう』


えれん『わくわく』


みかさ『わくわく』





ミカサ「……」


ミカサ「……」ケシケシ


ミカサ「……」



ミカサ「ここは図書室。何かの物語を参考にしてみよう」






『むかしむかし あるところに二人のわかものがすんでおりました』


エレン『おれの名まえはエレン。今から山へ しばかりに行ってくる』


ミカサ『わたしの名まえはミカサ。今から川へ せんたくに行ってくる』




『ばしゃばしゃばしゃばしゃ』


『ミカサが川でせんたくをしていると 川上から大きな桃が どんぶらこっこどんぶらこっこ』



ミカサ『あら大きな桃さんだこと』


ミカサ『家にもってかえってエレンとたべましょう』





ミカサ『エレンやエレン 大きな桃をとってきましたよ』


エレン『おやおや これだけ大きいと 切るのにも 一苦労しそうだね』


ミカサ『セイハッッ‼︎‼︎』グシャメキョゴリ


桃『』







ミカサ「……」


ミカサ「……」ケシケシ


ミカサ「このくだりは一度やってみたかったけど…」


ミカサ「桃の中身が不憫なのでやめよう」



ミカサ「うーん、何かこうもっと王道的な…」


ミカサ「王道といえば…あっ」






『むかしむかし 一人の女の子がいました』


『女の子はいつも、お姐さま達にいじめられています』


『そんなある日、お城で舞踏会を開催するとのお知らせが──』




ミカサ『お掃除がおわった』


ミカサ『今日はお城の舞踏会、エレン様のお嫁さんが決まる日。城の女を全員消せば、王妃の座は私のもの。』ルンルン


ミカサ『でも、そんな事をしなくても、エレン様は私を選んでくれるはず』ウンウン


ミカサ『どれを着ていこう。これかな?これかな?それともこr…』ビシッ




サシャ『こら!貴女、召使いの身でお城に行けるとでも思っているんですか!』


サシャ『私は食べm…エレン様のお目に留まるため、お城に行くのです!召使いの貴女が隣にいたら、私の輝きが減じてしまいますわ!』


ミカサ《サシャお姐様、この家の長女。食べ物が大好きだけど、根はいい人。》


ミカサ『あなたが興味あるのはお城の食べ物だけじゃないんですか』


サシャ『ギクーッ!』





クリスタ『ミカサさん!お姐様に向かってその様な事を申してはなりません!』


クリスタ『罰として、リビングのピアノの掃除を命じます!』


クリスタ『でも、私達は家の外だし…掃除をさぼってピアノを弾いたりお菓子を食べたりしても…私の知ったことじゃありません!』ニコ



ミカサ《クリスタお姐様、私の憧れ。この人に言われたのなら仕方ない。家にいよう…》


ミカサ『はい、わかりました…』グスッ


クリスタ『ごめんね…』





ジャン子『ミ~カ~サ~!いいじゃねえか、一緒に連れてっても!そんで俺と、一緒に踊ろうぜぇ?!』


ミカサ《ジャン子、馬面。他の二人はそこそこ可愛いのに、何故かこいつだけ馬面。》


ミカサ『あ、あの…私はお姐様方に家に残るよう、言われてますので』


ジャン子『いいじゃね~かよぉ!な、サシャ?クリスタ?』




サシャ『ジャン子さんが言うのなら…仕方ありませんね!私と一緒に、お城の食べ物全制覇しましょう!』


ミカサ『やっぱり食べ物メインじゃないですか』


サシャ『しまったぁぁぁ!!』


クリスタ『サシャったら…でもミカサ、良かったね!お洒落して行かなくちゃね!』


ジャン子『うふふ、私はエレン様よりもミカサに興味が…なーんてね!嘘、嘘!』


サシャ『ほら、馬車が家の前で待っています!急ぎますよ、皆さん!』



ミカサ《これが、この家の日常。なんだかんだ言ってとても優しい、三人のお姐様のことが、私は大好きです。》



『こうして四人の麗嬢達は、仲良く夜のお城へと向かっていったのでした…』





ミカサ「……」


ミカサ「あれ?」


ミカサ「何か違うような…まあいいか」


ミカサ「……」



ミカサ「よくないよ!」ボソッ


ミカサ「魔法使い登場してないし、エレンいないし、ジャン子って誰だよ!気持ち悪いよ!」ボソボソッ


ミカサ「……」


ミカサ「今のは確か…ツッコミ。アルミンがやっていた。」


ミカサ「ジャン子を想像したらあまりにも気持ち悪かったのでつい…」





ミカサ「……」



カチ コチ カチ コチ……



ミカサ「今は、3時。エレンとアルミンが街から帰ってくるまで、まだ時間がある。」


ミカサ「晴れの日の昼下がり、誰もいない図書室で一人、西日に当たりながら空想にふけるというのも…」








ミカサ「結構楽しい」




─────END






ザァァァァ……






ミカサ「……」ペラッ


アニ「…」


ミカサ「……」ペラッ


ミカサ「…フフッ」




アニ「…」




アニ「ねぇ」


ミカサ「何」ペラッ


アニ「それ。なんの本?」


ミカサ「『ジャックと豆の木』」


ミカサ「撒いた魔法の豆がとても大きな木になって…それを登って冒険する話。」



アニ「ふーん」ウズ






アニ「…あのさ、途中からでいいから…一緒に読みたいなー、なんて」


ミカサ「えーやだ」


アニ「やだってアンタねぇ…」



アニ「雨で訓練休みだし、ミーナたちはお菓子作ってるし。アンタはアンタで朝からずっとそれ読んでるし…」


アニ「他にやる事ないんだよ。ほら、ベッドもっとそっちつめてよ」ギシッ


ミカサ「貴方はサンドバッグ相手に自主練でもしてればいい…」ペラッ



アニ「くっ…」






アニ「私たち、友達じゃ…ないのかい?」


ミカサ「っ、それは…」



ライナー『友達ってのはな!突き合ったり乳繰り合ったりできる奴の事を言うんだぜぇ!』ウホッ



ミカサ「……友達じゃ、ない」


アニ「!…そうかい」



アニ「散歩、してくる」ガチャ バタン




ミカサ「あ…」





ミカサ「どうしよう。アニ、すごく悲しそうな目をしてた」


ミカサ「きっとアニは私の事を友達だと思ってくれていたのに…私はなんて酷いことを!」


ミカサ「でも貴方は…私とは突き合ったり乳繰り合ったりできる仲だと思っていたの?」







アニ「全く、傷つくよ。少なくともミカサ、私はアンタを友達、仲間…みたいなものだと」


アニ「そう思っていたよ」



アニ「でも、巨人が人間と友達になろうなんて…考えてみれば馬鹿な話だね」



アニ「私は独り…独りのままでいいんだ」



テクテク


アニ「…歩いてたら知らない所に来たみたいだね。ここは…図書室か」


シーン



アニ「誰もいないね……ん?」



アニ「なんだこれ…『訓練生の、訓練生による、訓練生のためのSS講座』」


アニ「『著:アルミン・アルレルト』」


アニ「…何やってんだアイツは」ペラッ





アルミン『現実には起こり得ないあんな事やこんな事を、物語のように自由に書き記すことができるんだ!』




アルミン『─そう、SSならね!』









アニ「ショート・ストーリー?」

ミカサ「ショート・ストーリー?」


~エピソード・アニ~







アニ「現実には起こり得ない、あんな事やこんな事…フン、馬鹿馬鹿しいね」ワクワク


アニ「で、でも実は少し興味あったり…」キラキラ



アニ「ま、まあちょっとだけ。文才なんて皆無だし、どうせ飽きてすぐやめるし!」



アニ「えっと、まずは──」







あに『えれん すき』


みかさ『えれん だいすき』


あに『わたしのほうが すきだもん』


みかさ『わたしと えれんは かぞく』


あに『むむむ』


みかさ『むむむ』


えれん『おれは ふたりとも だいすきだぜ』


あにみかさ『えれん!!』






アニ「……」


アニ「……」ケシケシ


アニ「……」




アニ「助けてアルミン!」ペラッ



アルミン『初心者の人は、好きな物語を参考にしてみてね!』




アニ「好きな物語か…」








『時は西暦3000年。大地は裂け、海は割れ、生命の息吹など微塵も感じられない地獄のようなこの世界で…天界と冥界それぞれの勢力は、日夜終わることの無い闘いを繰り広げていた──』




『しゅたしゅたっ』


『ごごごごご』


『ざっざっざっ』





アニ『我は冥界より参った黒神龍の遣い、アニ・レオンハート!!』


ミカサ『我の名はミカサ・アッカーマン!天界より降りし太陽龍の遣い!!』




アニ『永年に渡る戦いの決着、今こそつけようぞ!』


ミカサ『それではいざ尋常にッ…』



アニ・ミカサ『 勝 負 ! !』




『ぴしゅんぴしゅん』


『ずがががが』







『これは、戦乱の世に生を受け、残酷な世界の中を懸命に生きる少女たちの物語。彼女らが闘いの輪廻から抜け出せる日は、果たして来るのだろうか…』






アニ「……」


アニ「……」ビリィッ


アニ「…私の文才は巨人並か」ポイ



アニ「そもそもこんな話、私知らない…」ペラ




アルミン『──君が望むのは、どんな世界だい?』


アニ「私が望む世界…」





アニ「このまま、ずっとこのまま…あいつらの隣にいれる世界──」




ガチャ



アニ「!?」ビクッ






ユミル「おーいたいた」


クリスタ「アニ、私たち皆でパンケーキ作ってたの!完成したから食べに来ない?」


サシャ「すっっごいおいしいんですよ!!」


ミーナ「男子達も待ってるから、早く早く!」




アニ「あ、アンタ達…」





アニ「…うん。行く」



サシャ「あれれ?なんかアニ、今日はやけに素直ですね」


ミーナ「いつもならめんどくさっ、とか言いそうなのにねえ」ニヤニヤ


クリスタ「ちょっと、二人とも!いじわる言わないの!」


アニ「ほっときな…ほら、行くよ」スタスタ




アニ(友達、か…)






ユミル「ん?」


アニ『我は冥界より参った黒神龍の遣い、アニ・レオンハート!!』




ユミル「…んんん?」






─────────



──────



───








夜 ベットの上




デンキケスヨー
パチッ






アニ(はぁ…ったく今日は無駄に疲れたよ)


アニ(あの後、みんなで食べたパンケーキはとても美味しかったけど…)


アニ(いきなりサシャとコニーが私のSSを朗読し始めた時は心臓が止まるかと思った)




コニー『俺は黒神龍の遣いだ!!』ビシッ


サシャ『私は太陽龍の遣いです!!』ビシィ


アニ『…』プルプル


ベルトルト『ぼ、僕はアニのSSいいと思うな』


ユミル『ダッハハハハハ腹いてぇ!!』バンバン





アニ(とりあえずユミルは明日の対人格闘でぶちのめそう)ウン


アニ(でも…それなりに楽しかったし、やっぱり許してあげても…)


アニ(嘘。許さん)






スッ



アニ「!」





アニ「『ジャックと豆の木』…ミカサかい?」



ミカサ「うん。貸してあげる」


アニ「……」




ミカサ「…その、今日はあんなこと言ってごめんなさい」





アニ「あぁ…別に。気にしてないよ」


ミカサ「私、今まで友達とかいなかったから何て言っていいかわからなくて」


アニ(エレンとアルミンは家族だもんね)

アニ「…私だって同じようなもんだよ」




アニ「だからまあ、友達じゃないってきっぱり言われた時は…少しだけ、傷付いたかな…」


ミカサ「っ!…」





ミカサ「えっとじゃあ…貴方は、私とならその、友達らしい事をできると、そう思っていたの?」

ミカサ(突き合ったり乳繰り合ったりとか)


アニ(…?街に遊びに行ったりってこと?楽しそうだね)

アニ「まあそうだけど」


ミカサ「そ、そう。」


ミカサ(これは覚悟を決めなければ)







ミカサ「貴方は、私の初めての友達。慣れない所もあるかも知れないけど、優しくしてほしい」


アニ「!…いいのかい?」


ミカサ「ええ。私達は、友達。」


アニ「!!」




ミカサ「これから、よろしくね」ニコッ



アニ「…うん!うんっ!」






ミカサ「それじゃあさっそく」


アニ「うん?」






ミカサ「ルパンダイブッッ!!」バッ






エッ チョット ナニシテンノ!!
ワタシタチハ トモダチ
チチクリアッタリ デキル
ナニソノルール!!






サシャ「わーアニのおっぱい大きいですねぇ」


クリスタ「ユミル~やろうよ~」ユサユサ


ミーナ「いいなー友達っていいな~私もほしいな~」


ユミル「…」








ユミル「私達、全員友達だろ?」



皆「!!?」




ユミル「え?…あれ?」






ルパンダイブッ!!
オイ ヤメロ! ヤメロー!!




────END

最後グダリましたがこれで終わりです

また要望あれば書くかも

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