(ここは───)【寄生獣】 (74)

それの大きさはだいたいテニスボール大───

クパッ ニュルッ


(あの生物の脳に行かねば───)


バクンッ


(しまった!何かに食われた・・・・・・!)

(くっ・・・・・・!コイツに寄生するしか無いか・・・・・・!)

次の日───

パッパチパチ

(一体ここは───)

(!?体が動かん!)

(お、落ち着け。一旦周りを確認せねば・・・)

(周りを見る限りここは───)

(植物がたくさん生えている。・・・・・・木のようなものもある。見たところ草原だろう。コレを何とかして触ってみたいが‥‥‥‥‥‥)

(どうしたものか、触手は伸ばせないし‥‥‥‥‥‥)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1440956127

(目を開くときに生じる微かな振動を利用して体を振ってみよう)パチパチパチ

(どうだ・・・?)ヴヴヴヴヴ

ヒュンッ

(!触手が飛んでいった!これを利用して・・・)ウネウネ

(やった!触手が伸ばせる!体が動かせるぞ!)

(だが、移動はできないな・・・ふむ・・・)

(・・・・・ぐっ・・・意識が遠のいてたようだ・・・とりあえず水分と栄養を補給しなければ・・・)

(・・・・よし、なんとか栄養は取れるようになった。・・・しかしここは随分と土が干からびている・・・早く水を見つけなければ・・・)

(ダメだ・・・水が見つからない・・・!このままでは干からびてしま・・・・う・・・)

(くっ・・・・・)

(───)シナァ

???「この辺りから仲間の信号が有ったのだが・・・ん───」

???「・・・・・・もしかしてこいつか?」スッ

田宮「・・・・・・植物に寄生するのは確か初めてだったな・・・・・・・研究材料に連れて行くか。」

(───・・・)

~~~~~~
市庁
~~~~~~

広川「ん、『田宮』───いや、『田村』さん、何だい?それは」

田村「先ほどいつものように『仲間』を探していたら見つけてな・・・、育ててみようかなと思ったのだ」

広川「ほう・・・まあ、我々の存在に危険がないように頼むよ」

田村「もちろん、わかってるわ」

~~~~~~~~

田村「取り敢えずコイツを土の上に置かないとな。」トス

(・・・・土・・・・・・生きているのか・・・・・・?)

(『仲間』だ───しかも反応が多い・・・)

田村「水と栄養剤だけでも与えてみるか・・・」ザー サクッ

(栄養だ!・・・・・・水もある!)スゥー

(栄養補給はできたな・・・・・・そろそろ目を出しても大丈夫だろう)パチッ

(ここは、さっきと全く別の場所・・・・・・どういうことだ?)

(周りを確認せねば・・・・)キョロキョロ

(!!あ、アレは、あの生物か・・・!?)

田村(こちらに気がついたようだな・・・・・・)

田村「人間の言葉を話せるのか?」

(この人間は私になにか話しかけているのか・・・・・・・?)

(いや、違う!この人間、いやこの生物は、私の仲間だ!)

(脳波で話しかけることはできるだろうか・・・?試してみなければわからない・・・)

『あー、あー、聞こえるか?』

田村「!!まさか、脳波で答えてくるとはな・・・・・・」

田村『聞こえている。』

『そうか・・・・・・聞いてもいいか、ここは何なんだ?そしてなぜ私はここにいる?』

田村『ここは・・・・・・そうだな、人間の英知の結晶といったところか。君が外で瀕死だったから私が連れてきたのだ』

『なるほど・・・感謝する』

『ところで、私はどうにかして移動したいのだが、何とかならないだろうか?』

田村『そうだな・・・・・・ふむ、触手を足にして人間が歩くように移動する、というのはどうだろうか』

『触手を足に・・・やってみる価値はあるな』ヒュッ

『くっ・・・うおっ・・・』グラッ

『くうっ・・・!』ドサッ

『どうやら不可能のようだ・・・』

田村『なるほど・・・ダメだったか。』

『・・・そうだ!』

田村「何かいい方法を思いついたのか?」

『ああ、見ていてくれ』


植物の名前を募集しています、何か思いついたら書き込みよろしくお願いします

『このように根を張った状態にして、後ろの根を縮こませながら同時に前に根を張る』

『多少遅いが、中々いいと思わないか?』

田村『ふむ・・・・・・いいじゃないか。それ』

『そういえば周りの植物・・・・・・つまり私が寄生した植物に付いている、このひらひらとしたものは何だ?』

田村『葉のことか?』

『あれはハというのか。なんのためにあるのだ?』
 
田村『大半の植物は葉を使って光合成など、植物が生きるために必要なことをしている。お前は知能を持ってはいるが、葉は付けていた方が良いんじゃないか?』

『なるほど・・・・・・一応付けておくか。あと、あの口みたいなものは何だ?』

田村『それは気孔か花か……恐らくは花の方を言っているのだろうな
それは、花粉という、同種か近い種類の植物に、タネを付けさせる為の粉末を作る器官だ
ざっくり言えば、生殖行為用のものだな』

『なるほど・・・・・・もしも私のように植物に寄生したものがいれば生殖行為が可能・・・ということか?』

田村『それはわからない・・・なにせこのようなことは初めてなのでな』

『そうか・・・』

(しかし、やはり不可解なことがある)

『私は、どうやってこの生物に寄生したんだろうか・・・?』

田村『恐らく君は・・・・・・植物の中でも珍しい、食虫植物の ハエトリグサにに寄生してしまったのだろう』

『君の体についているそれで虫を捕らえるのだ植物の一つだ』

『ふむ・・・・・・』

田村『まあ、なにか進展がなければそのまま生きることになるだろうね』

『ああ・・・いや、まてよ・・・・・・そうだ!』

田村『む、どこに行くんだ?君の体では外にたどり着く前に干からびてしまうぞ』

『私を見つけた草原まで連れて行ってくれないか?試したいことがある』

田村「いいだろう・・・ただ無理はするなよ。貴重な研究材料なのだからな」

『わかっているさ。』

~~~~~~
草原
~~~~~~

『アレくらいがちょうどいいだろう、わるいがあの木の前まで私を持って行ってくれ』

田村『何がしたいんだ?こんな木の前に来て』

『待っていてくれ・・・よっと』

『まずこの穴の中に入る』ニュルッ

『維管束を通って意識が保てるくらいに、均等にバラバラになる』

『周りの細胞を食いながら同化していき・・・』

『周りの自分の細胞とくっつけば・・・・・・』

バチィッギョロンギョロン

『これで私は人間より大きくなった』

田村『これは・・・!面白い、イレギュラーなだけあるな』

田村『しかし、こんなことができるだろうか?私たちは人間に寄生しているからそんなこと考えもしなかったが・・・』

『理屈ではなく本能的にできたのだ。きっと寄生している生物も違えば本能も変わってくるのだろう』

『ふむ、体も大きくなったことだし、お前の研究に協力しよう』

田村『これはありがたい。私の研究は人手が少ないのよ』

『お役に立てて結構だ。さて、私は何をすればいい?』

田村『君との共同作業になるわけだが、仲間には君のように動けない特殊なものたちがいる』

田村『そいつらを持ち帰り、実験材料にするとともにパラサイトの研究を進めるのだ』

『なるほど・・・先ほど動けない仲間と聞いたが例えばどんなのがいるんだ?』

田村『そうだな、君のように植物に寄生してたり、犬や腕などに寄生している。』

『その『仲間』を助けに行く、か・・・』

『ところで、その仲間たちはどうやって見つけるんだ?』

田村『君と出会ってわかったが、どうやら特殊な『仲間』は脳波の波長が少しおかしいんだ。』

田村『建物の中でたくさん『仲間』の脳波を感じただろう、その脳波とは違う波長を探し出すのだ』

『出来るだろうか・・・』

田村『出来るさ。君はイレギュラーだから我々とは違う力を持っている。先程も我々が考えもしないようなことができたのだからね』

『・・・よし、探してみるか』

「─」「─」「─」「─」「─」「─」「─」「─」「─」
・・・・・・
・・・・
・・

「━」

『───見つけた』

田村『見つかったか。どこにあるのだ?』

『どこにあるかと言われても・・・説明しにくい』

『先程の方法で移動すれば連れて行くことも可能後思うが・・・』

田村『いや、それはダメだ。そんな巨体で動かれたら目立ってしまう』

『目立つのが嫌なのか?』

田村『いや、そうじゃない。パラサイトだとバレてしまうかもしれないからだ』

『なるほど、ではどう行動したものか・・・』

田村『・・・そうだ、人の形になることはできるか?』

『可能だ。だがそんな事を聞いて・・・ああなるほど』グググ・・・

田村『出来れば服を・・・そうだな、あそこで歩いている男の服装になってくれ』

『こんな感じか?』

田村『ああ・・・少しでかいが見た目は人だ。疑われることもないだろう』

『そうか・・・よし、行くぞ』

田村『ああ』


※今日はここまで

『そいつはこっちの方角にいるな。』

田村『そっちは住宅地区だぞ?イレギュラーが目立つようなところに行くとは・・・どういうことだ?』

『私にはわからん。しかしこちらに反応があるのは確かだ。』

田村『やはり行ってみるしかない、ということか。』

『そういうことになるな。』

田村『そういえばお前には名前がなかったな。名前を付けようと思うのだがどんな名前がいいか?』

『私に名前は必要ない。私は私なのだから名前は必要ないだろう?』

田村『私もその意見には賛成だ。だがパラサイトの私たちは名前を使って個体を見極めるということは重要なのだ。』
田村『例えば私の名前田村玲子は私が寄生する前の体の持ち主の名前を少し変えたものであるように元の名前を使うものや、草野や小林などのように発見、生まれた場所から付けられたものだ。』
田村『このように単純な名前でも、個体を分けるのに役立つ。君の場合は草に寄生し木に変質したから・・・ソーもくなんてどうだろうか?』

草木『ソーモク・・・まあなんでもいいがこの名前にしておくか』

草木『だんだんと反応が強くなってきたな・・・大体           くらいか』

田村『すごいな、そこまで遠くの反応を読み取れるのか。我々はせいぜい       前後だぞ。』

草木『やはりそれもイレギュラーであるからなのだろうか・・・不思議なものだ。種は同じなのに・・・』

田村「そんな種があるだろうか・・・我々の種は本当に不思議だ。」

草木『ここだ。ここから反応がある。』

田村『私にも感じ取れるわ。なかにいるのは一匹だけのようね。』

草木『とりあえず入るか・・・ん?』ガチャガチャ

田村『鍵が掛かっているようね。』ニュニュ・・・カチャ

草木『向こうの方から反応がするな・・・・・・?』ピチャッ

田村『血糊だ・・・誰か食事でもしたのか?しかしここは食堂ではないはずだし・・・』

???「やあやあようこそ!」

田村「っ!?・・・お前がこれをやった犯人か。いや・・・人ではないな」

キメラ「僕のことはキメラと呼んでくれ!色々なパラサイトを固められて出来たからさ!」

田村「・・・とりあえずこれをやった理由を教えてもらおうか」(おかしな奴だ・・・。今までにこんなパラサイトいたか?)

田村(三木の笑顔は作り物だし・・・これはなかなかいいものを見つけたぞ)

キメラ「もともと僕という人格はなかった。ここのラボはたくさんのパラサイトを使って実験を繰り返していたんだ。そのパラサイトを実験として固められたのが僕さ。」

キメラ「最初はここの待遇も悪い気はしてなかったよ?だけどずっと閉鎖空間にいると流石に窮屈になってね。」

キメラ「ここにいる奴らが僕を出すのを拒むから全員殺したってわけさ!」

田村「・・・なるほどな。」ピッピッピ

田村「・・・ああ、田村だ。・・・仲間による死体を・・・大量に・・・ああ。○○町の××だ。」

キメラ「ああ!僕それ知っているよ!携帯電話ってやつでしょ?」

田村「お前にはもう居場所はない。私のラボに来い。住ませてやる。」(物知りだな・・・やはり教育を受けているということか)

キメラ「でも君も奴らのように閉じ込めるんだろう?」

田村「そんなことはない。君は珍しい個体だ。言う事を守ってくれれば定期的に私との散歩も許そう。」

キメラ「それは本当かい!?ならついて行くよ!」

草木『・・・さっきからどうやって意思疎通をとっているのだ?』

田村『ああ、そういえば君は喋れないんだったな。帰ったらキメラに教えてもらうといい。いいよな?』

キメラ「うん、いいよ!」

キキーッ

田村「到着したようだな。」

小林「田村さん。どこだ?」

田村「こっちだ。」

小林「なるほど・・・沢山あるな。」

田村「ビニール袋は?」

小林「ここにある。やるか。」

田村「ああ」

小林「ところでこいつらは?初めて見るが。」

田村「ニ、三時間前に見つけたソーモクとここで見つけたキメラだ。見てわかると思うが両方ともパラサイトだぞ。」

小林「新しいパラサイトか・・・せいぜい迷惑にならないようにするんだな」スッ

草木「?」

キメラ「ムカつくなー」

田村「ああ、草木はまだ日本語を知らないんだったな。この作業が終わったら教えてやるわ。」

~~~~~
市役所
~~~~~

田村『そう言えば草木は市役所内に入れるのか?床は地面ではないから栄養を取ることができないぞ』

草木『む、そういえばそうだな。どうしたらいいのだろう』

キメラ『あ!それなら僕にいい考えがあるよ!』

田村『む、なんだ?』

キメラ『土に指すタイプの栄養剤使おう!』

草木『田村が私にかけたものか』

田村『なるほど、そんな手があったな・・・少し待ってろ、今買いに行く』

草木『これならしばらくの間活動できるな。しかし・・・』

田村『ええ。このままではコスト・パフォーマンスが悪いわ。やはり人間と同じ物をたべられるようにならねばならないわね。』

キメラ「ここが田村のラボ?僕のいたところよりは設備が雑だねー。」

田村「まあ国家的なものでなく隠れてやってるものだから規模を大きくできないわね。」

草木『ところで言葉を教わりたいのだが・・・』

田村『そうね、教えてあげるわ。まずは・・・』

キメラ「あ!それなら僕に任せて!『教え方』はラボにいた時に教わったんだ!」

田村「・・・それならあなたに任せるわ。」

田村「私は仕事をしてくるわ。お願いね、キメラ。」

キメラ「仕事してるんだ?」

田村「ええ。あくまで私は所員。仕事はしなくてはならないのよ。」

キメラ「そうなんだ!気を付けてね!!」

田村「そうだ、ここにはもうひとり仲間が居るわ。紹介しておくわね。名前は『冬夏』。まあ一言で言うならキノコよ。」

冬夏「よろしく。まあここには先輩後輩はないから。」

田村「彼にも言葉を教わるといいわ。」

冬夏「彼じゃなくて彼女って言ってっていつも言ってるでしょ!ま、気をつけてね。」

田村「じゃあ、今度こそ本当にさよなら」

~~~~~~

田村「どう?順調?」

キメラ「あ、田村!出来たよ!もうペラペラさ!」

草木「ああ。覚えるのよりも発音に手こずったくらいだからな。」

冬夏「といってもそんなに苦労してなかったみたいだけどね。覚えがいいってのはいいわね!」

田村「今は何をしてるんだ?」

冬夏「ババ抜きよ。前田村が私に買ってくれたやつ。」

草木「心理戦がなかなかクセになる。脳波で心が読まれないようにするのが大変だ。」

キメラ「僕のラボの人たちはこんなの持ってこなかったけどね。」

冬夏「田村も一緒にやらない?楽しいわよ!」

田村「いや、私はそろそろ帰るわ。冬夏、戸締まりのことを教えておいて。」

冬夏「了解!じゃあ気をつけてね。」

田村「ええ、それじゃあ。」バタン

~~~~~~

~~~~~~

田村「・・・・・・?」(食事をしている『仲間』の脳波・・・)

田村「こっちの方角には食堂はないはず・・・。どういうことだ?」

田村「確認する必要があるな。」

~~~~~~

パラサイト「ぐちゃっむちゅっ」バクバク

田村「おい・・・ここは食堂ではないぞ?」

パラサイト「・・・田村か。食事中だ。邪魔をするな」グチャ

田村「食堂以外で食事をするなと言われているはずだろう。」

パラサイト「黙れ・・・俺はお前のことを最初から気に入ってなかったんだ・・・」

田村「ちっ・・・それではやってることが犬同然だぞ。」

パラサイト「決着をつけてやる・・・」

パラサイト「[ピーーー]」ヒュッ

田村「ふん、貴様に生きる値打ちなどない。」カキンパシュッ

パラサイト「ウゴアッ・・・!ううっ」シナァ

田村「大人しくそこで[ピーーー]」

パラサイト「く・・・・そ・・・」

田村「・・・ああ、田村だ。・・・仲間の死体を1匹・・・ああ。○○町の××だ。」

~~~~~~

~~~~~~

田村「・・・・・・?」(食事をしている『仲間』の脳波・・・)

田村「こっちの方角には食堂はないはず・・・。どういうことだ?」

田村「確認する必要があるな。」

~~~~~~

パラサイト「ぐちゃっむちゅっ」バクバク

田村「おい・・・ここは食堂ではないぞ?」

パラサイト「・・・田村か。食事中だ。邪魔をするな」グチャ

田村「食堂以外で食事をするなと言われているはずだろう。」

パラサイト「黙れ・・・俺はお前のことを最初から気に入ってなかったんだ・・・」

田村「ちっ・・・それではやってることが犬同然だぞ。」

パラサイト「決着をつけてやる・・・」

パラサイト「[ピーーー]」ヒュッ

田村「ふん、貴様に生きる値打ちなどない。」カキンパシュッ

パラサイト「ウゴアッ・・・!ううっ」シナァ

田村「大人しくそこで[ピーーー]」

パラサイト「く・・・・そ・・・」

田村「・・・ああ、田村だ。・・・仲間の死体を1匹・・・ああ。○○町の××だ。」

~~~~~~

~~~~~~

田村「・・・・・・?」(食事をしている『仲間』の脳波・・・)

田村「こっちの方角には食堂はないはず・・・。どういうことだ?」

田村「確認する必要があるな。」

~~~~~~

パラサイト「ぐちゃっむちゅっ」バクバク

田村「おい・・・ここは食堂ではないぞ?」

パラサイト「・・・田村か。食事中だ。邪魔をするな」グチャ

田村「食堂以外で食事をするなと言われているはずだろう。」

パラサイト「黙れ・・・俺はお前のことを最初から気に入ってなかったんだ・・・」

田村「ちっ・・・それではやってることが犬同然だぞ。」

パラサイト「決着をつけてやる・・・」

パラサイト「[死ね」ヒュッ

田村「ふん、貴様に生きる値打ちなどない。」カキンパシュッ

パラサイト「ウゴアッ・・・!ううっ」シナァ

田村「大人しくそこで死ね」

パラサイト「く・・・・そ・・・」

田村「・・・ああ、田村だ。・・・仲間の死体を1匹・・・ああ。○○町の××だ。」

田村「全く、馬鹿な奴もいたものだ。。」

幼女「んー?何これー。」

田村「っ!?誰だ!」

幼女「ねーおばさん、これなにー?」

田村「子供・・・か」

幼女「んー?」

田村「まあ、どうでもいい。この現場を見られたのなら殺さなくては。」バラッ

幼女「わー!何それ面白ーい!」グイッ

田村「ゲェッ」ドサ

幼女「あれ、おばさん大丈夫ー?」

田村「くっ・・・殺してや・・・」

田村「(いや、待てよ・・・?この姿を見ても驚かないなんて・・・なるほど、なかなか面白い)」

幼女「おばさんどうしたの?」

田村「いや、何でもない。」シュルルルウ・・・

幼女「ふーん。ねえねえおばさん。これなにー?」

田村「・・・これは───」

田村「(教えるべきか、教えないべきか・・・)」

キキーッ

小林「田村さん。どこだ?」

田村「こっちだ。」

小林「なるほど・・・まあ誰でもいい。決まりを守れない奴なんぞ仲間じゃない」

田村「ビニール袋は?」

小林「ここだ。一日のうちに二回も出動なんて初めてだ・・・ところでその子供は?」

幼女「あたし?」

田村「ああ。さっきここで遭遇した。連れて帰る」

小林「お前な・・・。」

田村「ダメか・・・?」

小林「ッ・・・い、いや、ダメってこともないだろう。連れて帰るか。」

田村「そのことだが、私は今から帰宅する、その子を預かってくれないか?」

小林「なぜ?」

田村「既に私は帰宅することになっている。ここで私が市役所に戻ったらそれは怪しい・・・警察に睨まれる可能性がある。」
田村「私のラボに入れるだけでいい。頼めるか?」

小林「・・・田村さんの頼みだ、承った。」

田村「そうか?感謝する!」ニコッ

小林「っ・・・さて、作業を始めよう。」カァァ

~~~~~~
市役所
~~~~~~

小林「戻った」

広川「死体は?」

小林「裏から入れてきた。」

広川「田村は?・・・あとその子供は?」

小林「田村が興味があるから連れて帰ってきた。彼女のラボにいてもらう。」

広川「ついに誘拐までしでかしたのか」
広川「研究熱心なのはいいがこのままでは私たちにも危害が来るかもしないな。」

小林「まあそう言うな。・・・私もパラサイトに興味があるからな。」

広川「そうかい・・・。」


草野「・・・やはりあいつは・・・『危険』だ・・・」
~~~~~~

小林「・・・・・」ガチャリ

キメラ「誰?・・・ああ、さっきあった・・・ええと、大林だったっけ?」

小林「小林だ。」

冬夏「その子供はどうしたの?」

小林「田村が研究に使うんだそうだ。」

草木「研究に・・・ねえ。見たところパラサイトには見えないが。」

小林「ああ草木、喋れるようになったのか」

草木「キメラと冬夏のお陰でな。」

小林「子供は寝ている。その辺りの別途にでも寝かしておけ」

冬夏「わかったわ。草木、お願い。」

草木「これがヒトの子供・・・」

小林「私はそろそろ仕事に戻る。じゃあ」

キメラ「じゃあね。」

流石にサイクロプス銀城には勝てない

キッチン永久脱毛水泳【部員】

ネザスゼ歴史上最低裁可層のヂュエリスト摸歩ちゃん

草野「・・・やはりあいつは・・・『危険』だ・・・」

KULTUSAナンバーズ剛三郎様頃白孤児キャベツ社長

お前らちゃんと少し話分かり安く

教えろ思い出すのに時間掛かるだろう

髪の毛以外全部禿

小林「私はそろそろ仕事に戻る。じゃあ」

立ちゃん執筆モードイチマツ乙女美少女不可避

自殺未遂不可避

リッちゃん戸

RITUBEと

小林立先生は同一人物

更には声優も参加

もうキメラちゃん【ゴッチャニ666以上の産物~の善遊戯王正式美少女ちゃん】

此れで剛三郎様ペンギンの要求

美少女ちゃん主人公10代以降も出来るな

一時期ぺんぢゅらm遂に公式社長【茶色キャベツおむつプレイヤーと錯覚して入た】

広川「死体は?」

弘世菫様【原発撤去宇宙】

帰れ衰退人形

宇宙戦艦ヤマト

小林「田村さん。どこだ?」

パラなんとかさん声優

NEET~改変

決めて下さい

なんだこいつ

テスト

小林(さて…田村に頼まれていた仕事をするか…)

~~~~~~
20分前
~~~~~~
田村「そうだ…小林さん、仕事を頼める?」

小林「仕事?私は構わないが…」

田村「ならお願いするわ。この子について調べてくれる?」

小林「この子について…名前も分からないのにか?」

田村「それについては大丈夫だ。この町のパラサイト被害届を調べれば恐らくすぐに出てくるだろう」

小林「…何故そう言える?」

田村「完璧な根拠はないけど…推察くらいなら出来るわ…恐らくこの子の両親は…」

小林「…なるほど。分かった」

田村「ありがとう。…明日朝にお願いね。」
~~~~~~

小林(パラサイト被害届…パラサイトの存在が明るみに出てき、それのために作られたまとめだ)

小林(考え方によっては鳥獣被害なのかもしれないが、我々には知性がある)

小林(鳥獣でもなく、すぐに人でもない…ならば新しく被害届を作った方が効率がよいと考えたのだろう)

小林(しかし…市役所役員の殆どが『仲間』である現状ほぼ無意味…むしろこうやって我々に悪用されてしまっている)

小林「あった…これだ」

小林「平成○○年×月△日生まれ。年齢は5才。血液型はO型。」

小林「少女が幼稚園に行っている時にパラサイトが現れ親を殺害…その後帰ってきた少女の叫び声に気付き近所の人間が通報。少女は側に無表情で座っていた」

小林「親が残忍な状態で死んでいたことによる心的外傷による精神崩壊だと思われる。少女から何かを大切にする言う感情が欠落」

小林「□月◎日に幼児施設を脱走。未だに発見されていない。…ちょうど昨日だ…」

小林「そして…父親が依然行方不明…?」

ストーリー自体は考えてあるけど細かいところのミスや矛盾は見逃してください
大きな物は発見次第教えてくださると嬉しいですけど

~~~~~~
その夜
~~~~~~
隣人「あっ!くっ倉森さん!」

大家「何ですか!?今の音は!」

倉森「え?今の音って…わたし、今買い物に行ってまして…」

二人「……」

倉森(まっ…まさか!)

倉森「陽子!!由美!?」

倉森「あ…ああ…うわあああああ!!」

大家「倉森さん!?どうしたんですか!?」ドンドン

ガタッ

倉森「っ!?だっ誰だ!」

???「ふはははは!誰かと聞いたな!?私に名前はない!」

倉森「何とんちんかんなことを…!お前が…!お前がやったのか!?糞っ!暗闇で見えない!」

???「くくく…その通り!とは言え私は命令に従っただけだがね」

???「その者の名は田村!田村玲子!」

倉森「田村?…!!あの!」

???「警察に言いたければ言うが良い!」バッ

倉森「おい待てっ!ふざけるな!」

???「そうだ…一つ教えてやろう。」

???「○○市の市役所員は全てパラサイトだ!そこに田村もいる…」

???「警察にその項を伝えれば市役所をつぶせるかもねぇ…くくくっ」

倉森「なんだと…?何故そんなことを俺に!」

???「それは自分で考えな!もう言うことはない!さらばっ!」

倉森「あっ…!くそぅ…陽子…由美…」

ガチャリ

大家「倉森さん!?うげっ!」

倉森「市役所…と…言ってたな…」

~~~~~~
その頃
~~~~~~
ボオオオ
パリーン
草野「さてと…次は探偵本人だが…」

田中「あたしが行くわ」

草野「いや…念のために二人で向かおう。」

田中「分かったわ。ところで腕に寄生した人間の方は?」

草野「明日「三木」がむかうことになっている」

田中「そう…」

~~~~~~
草野「あそこだが…っ!?」

警察官「どいてどいてー!」

警察官「道を開けてください!」

田中「アパートの前にパトカーが…」

草野「糞っ!これではアパートに入れん!」

田中「なにがあったのだ!?」

警察官「また奴等の被害か…!最近妙に増えてるぞ!」

草野「奴等!?…まさか…他のやつらが!?」

~~~~~~
翌日
~~~~~~
田村「おはよう…広川さん」

広川「…『田村』さん…あの子供の事…流石に見逃すことは出来ないぞ」

田村「あら、もう知ってるのね。…そこに関しては大丈夫よ」

田村「『私が見つけ養子として預かることにした』…と言うことにしたら問題ないわ」

田村「私は子供もいるし受容されるのは簡単なはずよ」

広川「…そこまで考えてるあるなら問題は無いな」

田村「じゃあ私はこれで。草野さんと話すことがあるので」

広川「ああ…もう一度言っておく。くれぐれも気をつけて行動してくれよ」

田村「分かってるわ」

小林「『田村』さん…子供について調べたがやはりあの子の両親は…」

田村「…そう。まあ問題はないわ。私が保護することに決めたもの」

小林「そうなのか…今あの子は『田村』さんの研究室で眠っている。一度顔を出しておいてくれ」

田村「分かったわ。…それじゃ」

小林「うむ。私も自分の仕事に戻ろう」

~~~~~~
田村「ただいま」ガチャ

キメラ「た、田村!草木の様子がおかしいんだ!」

田村「なんだと?」

冬夏「突然苦しみ出して…脳波も感知できないの!」

田村「草木はどこにいる!?」

キメラ「研究室の隣の部屋に」

田村「おい!草木!どうし…!?」

草木「あぐ…うごああ…」バリバリ

田村「…もう遅い。生命反応も微弱だ」

冬夏「そんな…」

キメラ「見て!草木の形が変わっていく!」

田村「こ…これは…見た目はただの奇妙な植物だが…そこに付いてる実は…!」

キメラ「まさに僕達パラサイトの種だ!」

冬夏「…パラサイトの最後はこう言うものなの?」

田村「分からない…何故なら私たちは生まれてからまだ数年しか経っていないからだ…」

田村「しかし、確かに一つ言えるのは、草木がこうなったのは他でもないイレギュラーだからということ」

冬夏「!」

田村「二人も…突然ああなるかもしれない…覚悟しておきなさい」

キメラ「草木…」

田村「子供は?」

冬夏「まだ眠ってるわ」

田村「そう。…私は『草野』さんとはなしがあるから…起きたらあやしておいて」

キメラ「分かった」

田村「それじゃあ」ガチャリ

~~~~~~
会議室
~~~~~~
田村「遅れたわね」ガチャリ

草野「遅いぞ『田村』。…取り合えず昨日の結果を…『田中』」

田中「分かったわ。まず三木の方だけど…」

~~~~~~
草野「両方とも失敗…?信じられん」

草野「ヘボ探偵は他の仲間が家族しか殺してなくて殺せないわ…腕に寄生のガキも殺せなかったのか!だから後藤にやらせておけば…」

田中「それほど重要なことかしら」

草野「なに!?」

田村「草野さん。怒りの表現がだいぶ板についてきたわね」

草野「なにを言っている…もともとの原因はあんただろ」

田村「探偵の事務所の書類を全て片せとは言ったが…火を付けるというのはめちゃくちゃ過ぎるわ」

田村「しかし探偵の始末…他の『仲間』が殺したとなると相当頭の悪いやつね。探偵本人を殺さずその家族を殺すなんて人間の性質をあまりに知らなさすぎるわ」

田中「…しかしそれで邪魔物がどんなに増えようが順に殺していけばいいことでしょ?」

田村(……)

田村「みんな少し人間をあなどりすぎてるわ」ガタリ

田村「たしかに個体個体を見ればずいぶんとひ弱な動物にも思える。…けどそうじゃないのよ」

田村「我々が認識しなくてはならないこと、人間と我々が大きく違う点…」

田村「それは人間が何十 何百…何万 何十万と集まって一つの生き物だということ」

田村「人間は自分の頭以外にもう一つの巨大な「脳」をもっている。そして…」

田村「それに逆らったときわたしたちは敗北するわ…」

草野「人間のことはよくわからんがね…」

田村「わたしたちや人間も広く見れば仲間…人間になったつもりで周りを見渡したことはある?」

田村「…少年の方はある程度ほっといて大丈夫。問題は探偵よね」

田村「きのうまでとはまったく性質の異なる存在になっているはずだわ」

田村「敵として…」

草野(『田村』…あんたは本当に『仲間』なのか…?)

草野(どうも何かが違う…)

草野(何か…)

~~~~~~
田村「戻ったわ」

キメラ「お帰り!」

冬夏「お帰り」

田村「…『草木』は?」

冬夏「あの状態のまま動かないわ。それと…」

田村「?」

幼女「あっおばさん!」

冬夏「起きたわ。その子」

田村「そうか…ねえ、今日からおばさんじゃなくて、お母さんよ。」

冬夏「!?」

幼女「おかあ…さん?…!ママ!」

田村「そう。わたしの家で暮らすの」

キメラ「ちょちょちょ…どういうこと?」

田村「そのままよ。この子は幼児保護施設に入ってたみたいだから養子として預かることにしたわ。その方が疑われないから。」

冬夏「なるほどね…」

田村「さて…わたしはもう一仕事してくるわ」

キメラ「行ってらっしゃい…気を付けて」

田村「ええ。」ガチャリ

~~~~~~
田村「実際には一度しか手伝ってはもらってないが…草木が居ないと探すために一帯を回らなければ行けないから面倒臭いな…」

田村「…この一帯に不自然な仲間はもういないようだな…戻るか」 
~~~~~~
広川「田村さんか…今回は何も拾ってこなかったようだな」 

田村「見つからなかったわ…仲間は」 

広川「その言い分だと…我々の組に入ってない仲間も?」 

田村「ええ。この周辺に野良はいないわ」 

広川「そりゃ結構なことだ…『仲間』たちが間違いを犯したらいつ我々に矛先が向くかわからないからな」 

田村「今は静かに、私たちの組を広げることが大切ね」 

広川「ああ。…君も最近行動が激しくなってきていたからな。あまり行動しないのは失礼だが喜ばしいことだよ。」 

田村「どうも」 

~~~~~~

草野(田村玲子…ともかく急に感じたのだ…) 

草野(違う…『仲間』とは違う!) 

草野(危険…危険だ…!我々『仲間』にとって!)

草野(奴を排除しなければならない!!)

~~~~~
刑事「ずっとあの調子ですか?」

刑事「ま…無理ないと言やその通りなんだが…」

刑事A「フーム…いいですか?倉森さん。あなたのつらい気持ちはよくわかります」

刑事A「しかし…一つには時間が勝負なんです!ここでムダに時が過ぎるほど犯人逮捕もむずかしくなってしまう」

刑事A「…」

倉森「…」

刑事A「はー…」
~~~~~
陽子『小物は小物なりにさ…』
由美『おとーさーん』
倉森『すまんね阿部くん』
阿部『はははなーに…』
田村『…』
パラサイト『ゴボ…』
泉新一『もちろん このまま終わりにするつもりはないですよね?』

新一『担当だった刑事さん たしか えーと…「平間」って…』

~~~~~

倉森「ひら…」

刑事A「うん?」

倉森「平間さん…って人います…?」

~~~~~
刑事A「ふー…」

刑事B「どう?」

刑事A「あの人 目がぎょろぎょろしてておまけに血走ってるから こわいです」

刑事B「ははは」

刑事A「えーと…どなたかお知り合いで平間さんなんて人いますかァ?」

刑事達「!」

刑事「刑事で?」

刑事「北署の平間さんのことかな?」

課長「久保くん!」

久保「はい?課長」

~~~
カッカッ
チャッ
課長「倉森さん」

課長「あなたがなぜ平間警部補のことをご存知なのか…は」

課長「まあいいとしましょう。 なにしろ探偵さんですからね」

課長「ただ、わたしも…奥さんとお子さんの遺体を見てもしや…と思ってはいたんです」

久保「?」


課長「心当たりがおありなんですね?…パラサイトに」

倉森「う…ぐ…ぐぐぐぐ…」


倉森「ぐああああああっ!!」


~~~~~
課長「わざわざどうも」

平間「よろしく」

課長「こちらです」

久保「ねえ山上さん。あの平間って人、警部補なのにうちの課長より選らそげじゃないですか」

山上「まあ…この件に関しちゃ平間さんがこの地域の担当官だからね」

久保「うーむ…ようわからん」


平間「倉森さん。私が平間です」 

倉森「…」

平間「奥さんとお子さんのこと 大変お気の毒と存じます…」

平間「ご遺体について検死はまだ完全にすんではおりませんが拝見したところ間違いないと思います」

平間「ぜひお心あたりをお聞かせください」

倉森「…」

平間「倉森さん…かたきを!」

倉森「!…かたき…?」

平間「はい!」

倉森「…!」

平間(…)

倉森「…子供のころから…名探偵にあこがれていました…名探偵ホームズ…」

倉森「で…いろいろあって一応探偵にはなったんですが…ふふ…」

倉森「ふふふふ…ふふふふふふふふ…ふふふふふ…」

刑事「あのねェきみ…」

平間「…」スッ

平間「なれますよ…名探偵に」

倉森「…かたき討てるでしょうか…」

平間「もちろんです!」

倉森「わ わたしの力ではなく…わたしに力を貸してくれた人がいまして…い いくつかの情報があります」

倉森「あと…一人、いや、一匹、いとつ…なかまなのか、敵なのか、わからないのですが…」

倉森「ええと…今、えらく気持ちが混乱してまして…まず筆記用具とその…どこかもっと落ち着けるその…」

平間「わかりました。現在ご自宅の方は無理でしょうしどこかホテルの部屋をとりましょう」

課長「え…」

平間「では今後倉森さんのことはわたしどもで」

課長「あ…もちろん…」

~~~~~

倉森(陽子…由美…かたきはきっとおれがこの手で…)

倉森(田村玲子…!!)

~~~~~~

田村「ここが今日からお前の家だ」

幼女「へー!そんなに大きくないんだね」

田村「失礼なやつだ。養ってやるのだからもっと敬意を表せ」

幼女「なんかよくわかんなーい。あ、赤ちゃん!おばさんお母さんなの?」

田村「ああ。私の子供だ」

幼女「へえ、可愛いね」

田村「明後日から保育園だ。まあある程度は用意されてるが」

幼女「…あの狭い場所?あそこきらーい」

田村「いいや。きちんとした広い場所だ。グラウンドもみんなあるぞ」

幼女「ふーん。…ねえ、お腹減った」

田村「そう言えば…もうそんな時間か。なにが食べたいんだ?」

幼女「ハンバーグ!」

田村「…ミンチか」ボソッ

田村「分かった。作ってくるから待っていろ」

幼女「んー。…?ねえ、テレビってのはないの?」

田村「向こうの部屋にあるはずだが…見たいなら見ていいぞ」

幼女「はーい!」タタタ

~~~~~~

田村「出来たぞ…なんだ、どうした?」

幼女「ねえねえ、明日動物園行かない?」

田村「動物園…?なぜだ」

幼女「テレビ見てて、行きたくなったの」

田村「…まあ、明日は非番だ…良いだろう。二人の世話は小林に頼んでおくか」

幼女「ほんとぉ?やった!」

田村「ああ。机の上の物を適当に片しておけ。持ってくる」

幼女「はーい!」

~~~~~~

幼女「おいしー!」

田村「そうか。まあ私も最近はよく食べているからな…」

幼女「あちちっ!」

田村「きちんと冷ましてから食べないと火傷をするぞ。…ほら、頬にソースが付いている」シュルル

幼女「あ、また変なの」

田村(…しまった、あくまでもこいつは普通の人間だった…まあいいだろう)

田村「気にするな。いつものことだ」

幼女「ふーん」

田村「さあ、食べ終わったら風呂入って寝ろ。明日は動物園に行くのだろう?」

幼女「うん、分かった!寝んねするね!」

田村「ふふふ…む?」

~~~~~~

幼女「ひろーい!」

田村「そうか?…そうは思わんけどな」

幼女「赤ちゃん連れてこなくて良かったの?」

田村「基本あいつの世話は専門家にやらせているからな。…大きく育つまでに死んでしまったらどもならん」

幼女「ふーん。あ、見て!ぞうさん!パオーン!」

田村(こうやって見ると普通の子供なのだ…しかしやはりおかしい…一体どういった思考が変換されるのか…)

幼女「アイス!アイス食べたい!」

田村「そんなもの体に悪いだけだ。栄養はバランスよくとらねばならん。子供だろう」

幼女「おばさんのいじわるー」

田村「なんとでも言うがいい。赤子のように死んでしまわれたら困るのだ」

幼女「そんなもんじゃ死にませんー!死ぬってのはバラバラになることだよ!腕が飛んで、血が出て…」

田村「その辺にしとけ。人が見ている」

幼女「はーい」

田村「…まあ、一回くらいなら良いだろう。買ってこい」

幼女「ほんとう?わーい!おばさんだいすきー」

田村「…そう言えば…この辺りには仲間がいないな」

田村「まあ、こんなところにわざわざ来る仲間などいないか…ん?」

田村「なにか…胸騒ぎがする…向こうが、嫌な予感が…!」ダッ

~~~~~~

来場客「あああああ!!なんで!なんでこんなところに!うあああ!!」

来場客「きゃあぁっ!人が、人がぁ!」

係員「肉だ!おら!あっち行け!あっちに行けぇ!ぎゃあぁぁ!」

田村(これは…なにが起こっている…虎!?)

人の味を覚えた動物は…必ず人をまた狩る

人ほど弱く、脆く、そして肉厚な動物はいないからだ…

田村「あいつは!どこだ、どこにいる!?」

幼女「アイスおいしー」

田村「いたっ!なにを呑気にしてるんだ…!」ダッ

虎「ガルルルル…」ザッザッ

田村「まずい…このままでは…もう構わん!」シュルル

田村「死ね!」ドシュッ

田村「っ!おい、怪我は!大丈夫か!?」

幼女「んー?どうかしたの?」

田村「はっ…!良かっ…た…」

幼女「んー…良かったんならいいけど」

田村「…お前な…」

田村(…この気持ちは…一体なんだろうか…これは…)

幼女「ねえみてみて。人がたくさん」

田村「!…取り合えず、ここから離れるぞ。人が集まっては部が悪い」

幼女「はーい」

~~~~~~

田村(全く…災難だった。人に見られていなければ良いのだが)

幼女「楽しかったねー。ね、また行こうね!」

田村「ああ…今回みたいなことがなければいいがな…む?」

田村(敵意…明らかに私に向いているな…2、いや3…この脳波は…)

幼女「どうかしたの?」

田村「…先にマンションに帰っていろ。…すぐに戻る」

幼女「…?うん、わかったー。」タタタ

田村「面白い…」ダッ



???「…よっ」

幼女「あれ、お父さん!?おとーさんだー!どうしてここにいるの?」

父「ちょっと、用事があってな。お義父さん用事があるから、来てくれるか?」

幼女「うん、分かった!」

倉森「…?子供…?…まあいい、今のうちに…」

~~~~~~

田村「始めに言ったわ。我々が発する最も強い波長は敵意、あるいは殺意であると…」

田村「そしてそれは…「動くな!」!!」

父「動くなよ…動いたらこいつが知らんぞ」

草野「!…よくやった…。ははは、田村さん。あんたはなにやらこの子供を妙にすいているな。」

田村「…」

草野「母性か?下らん。今動いたらこいつを殺そう。代わりにこの子供は生かそう。」

父「そして草野は私の体と共に生き続けるというわけだ。」

田村「くくく…はははっ!」

草野「!?…何がおかしい。」

田村「いいや…今回の私刑…実に感動したが…まさかここまでしてくるとは思いもしなかった。」

田村「人質とは…普通情を持つような人間…それを理解できるものにしかできないものだと思っていたが…」

田村「私の変化を見切ったのか、それともあなた自身が変わったのか…」

田村「どちらでもいいわ。どうせ死ぬのだから。」

田村「あなたたちがね。」

草野「…?まさかっ!おい、そこから離れろ!」

父「何…?…!!」グシャッ

幼女「わっ」

草野「ばかな!我々が土中で行動できるはずが…」

田村「もう一度言うわ…私たちの発する波長で最も強いのは敵意か殺意。それは敵対するものがどちらから来るのかの判断材料でもあるわ。」

田村「あなたは味方を寸断し…あらゆる場所に敵意をばらまいてしまった。」

田村「そうなればもう前後左右、そして上空…土中だろうとね。」

草野「だがそれは…生命活動が可能化の話にはならない…!」

田村「とある仲間を参考にしたのよ。どうやって土中で生命活動を可能にするのか、学んだの。」

草野「あい…つか…」

田村「…人間のように、自分はどこから来て何処へ行くのか、なんて考えたことはある?」

草野「…」

田村「さようなら…行くわよ。」

幼女「…うん」

田村「ああ、そういうわけだ…頼んだ。」

小林『確かに承った。…ところで田村さん、声が少し沈んでいるが…大丈夫か?』

田村「ああ…今日は色々なことがあってな」

小林『そうか。まあボディをゆっくりと休めることだ。…お前に風邪をひかれると、仕事に力が入らん。』

田村「心配?これもまた、成長なのかしらね。…それじゃあ」ピッ

幼女「赤ちゃん見てくるー」

田村「ああ。」

幼女「…?あれ?赤ちゃんいないよー?」

田村「何!?」

田村「…やるじゃない…探偵さん」

田村「…というわけだ。悪いが、今日も頼んだ。」

小林「分かった。…気をつけろよ。」

田村「ええ、大丈夫よ。心配しなくてもいいわ。…それと」

小林「…?…!」

田村「あなたも、成長したのね。」ズイッ

小林「あ…ああ、そうか?まあ、何でもいいが…」

田村「…?じゃあ、行ってくるわ。」ギィ

小林「…なあ、田村さん!」

田村「なに?」

小林「帰って…来るよな?」

田村「…」ニコリ

バタン

小林「無事なら…いいんだが…」

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