八幡「ずっと前から好きでした。俺と付き合ってください」海老名「…」 (629)


以前に似たようなタイトルのSSを見たことはありますが、関係はありません

時々、地の文が入るかもしれません

携帯からなので遅いです

初投稿なのでお見苦しい点があると思いますが
よろしくお願いいたします


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1440851634


八幡(これでいい…これで海老名さんの望み通りの展開に…海老名「…いいよ」)

八幡「…っは?」

海老名「だからいいよ。私も前から好きでした付き合ってください」


八幡(周りも驚いてる。さっきまで緊張の面持ちで失敗する告白をしようとした戸部からは何か抜けちゃダメなものまで抜けてしまっているし。)

八幡(葉山とその取り巻きたちも呆然としているだけ。由比ヶ浜や雪ノ下も目を見開いてはぱちくりさせるという器用なことをしていらっしゃいますし。)

八幡(てか、そんなことよりも一番驚いてるのは俺なんですけどぉ!?)


八幡(いやいや!?こんなの俺の想定していたルートと全く違うんだが…ここでは海老名さんは俺の嘘の告白を振って。今は誰とも付き合わないみたいな感じのことを言って。)

八幡(それで葉山グループは今までのままでいられて、俺の黒歴史が一つ増えて万事解決だろ。決して海老名がこの嘘告白を受けて承諾するなんてルートはなかったはずなんですけど?)

八幡(えっ、何か間違ったのかこの行為自体がダメだったのか?でも、ここまできたらこれしか手段はなかった。つまり俺は間違ってない。つまりおかしいのは海老名さんで…あぁもうなに考えてるのか分からなくなってきた!?)



海老名「どうかしたのヒキタ…八幡くん?顔が青いけど大丈夫?」

八幡「い、いや大丈夫だから…むしろ大丈夫すぎて絶不調まである。」

海老名「ふふっ…なにそれいってること矛盾してるよ♪」ニコッ

八幡(うわぁ…その笑顔は反則ですよ。俺じゃなかったら一発で惚れてしまいますよ?戸部とかもう一発ですよ?そういえば隣りに戸部いたこと忘れてたわ。)

戸部「えっ、てか海老名さんヒキタニくんのこ…」

海老名「戸部っち。ヒキタニくんって誰かな?私が知ってるのは比企谷八幡くんなんだけどなぁ?」

八幡(そう言い放った海老名さんの顔は、あの魔王に匹敵するレベルの冷たさなんですけども。なに今だけあの人ここに来てんの?いやあの人もシスコンだから無いとは言い切れないけど…てかこんなどうでもいいこと考えてる場合じゃない。)


八幡「海老名さん。あのなさっきのは…海老名「姫菜」…えっ?」

海老名「姫菜って呼んでほしいなぁ。せっかく恋人になれたんだしね。」

八幡(その笑顔は反則だとさっき心の中でいったでしょう…)

八幡「分かった…えっと、ひ、姫菜…さん。さっきのは…」

海老名「分かってるよ。ちゃんと分かってる。でもそれでも私はこう答えるよ。私も好きでした付き合ってくださいって…」


八幡(だって…こうでもしないと…小さな声でそう呟いた海老名さんはさっきとは違い少し自虐的な笑みを一瞬浮かべた。)

海老名「ありがとう。こんな私を好きになってくれて…優美子待たせてるからもう行くね。明日ゆっくり話そうね八幡くん♪」

八幡(そう言ってペコリと頭を下げると、海老名さんは小走りで去っていく。)


八幡(高校二年の秋。ひょんなことから彼女が出来ました…いや、これ素直に喜べないんだけども…戸部はさっきから機械のようにそりゃないっしょ…しか言ってないし)

八幡(まぁ、確かに告白しようとしたら。別の男が先に告ってそれが成功するなんて俺じゃなかったらトラウマものだ。ってことは戸部にトラウマを植え付けてしまったのか…すまん戸部そんな気はなかったんだ…戸部に謝るって俺も相当参ってるようだ…)

葉山「戸部もう行こう。今回は運がなかったとしか言いようがない。ヒキタニくんおめでとう姫菜をよろしくな。」


八幡(葉山は消沈してる戸部を連れて去っていった。俺の仕事も終わりで…なんか別の方向に変なことにはなったが…)

八幡「はぁ…全くなんなんだよ」

雪ノ下「なんなんだよと言いたいのはこちらなのだけれど?」

八幡(うん…秋の夜は寒いですからね…キットコレモキオンノセイナンダロウナ-)

八幡「えっと…ですね。こんなことになるなんて微塵も思ってなくてですね…」ギギギ

八幡(ゆっくりと後ろを振り向くと、人を冷凍保存出来そうな笑顔を浮かべている雪ノ下と、ドングリを詰め込み過ぎたように頬を膨らませている由比ヶ浜が詰め寄ってきていた。)


雪ノ下「一体なんであんなのことになったのか説明してほしいのだけれど横取り谷君?」

由比ヶ浜「ほんとだよ!!なんで姫菜に告白してそれに付き合うことになるの!?」ガルル

八幡「分かってるからちょっと落ち着け…ちゃんと説明するから。あと、雪ノ下もう原型無さすぎだろ…」

八幡(まぁ、そんなことは置いておいてだ。俺はこうなるであっただろう結末について説明した)

雪ノ下「つまりあなたは戸部くんより先に告白をして振られ、海老名さんから今は誰とも付き合う気がないという石を出したかったのね。そのための告白だと」

八幡「そういうことだ。こんな展開になるなんて全く思ってなかったけでな…」

由比ヶ浜「でもなんでヒッキーはそんなことしたの?それじゃあ、とべっちの依頼出来ないじゃん?」


八幡「それは…」

八幡(海老名さんが俺に向けて出した依頼。この二人はこのことについては何も言っていない。さっきの説明で雪ノ下は気付いたかもしれないが、由比ヶ浜は分かってないらしい。この依頼について話すのは海老名さんに対して悪いが、この展開はさすがに予想外すぎるからな…)

八幡「海老名さんの依頼あっただろ…ほら俺が男どもも仲良くしてくれってやつ。あれは暗に戸部達を引き離してくれ、そして未然に戸部の告白を防いでくれってことだったんだよ」

八幡「葉山にもこの事は言っていたんだろうな。だが、あいつのやり方ではどうにもならなかった。」


由比ヶ浜「でも…それじゃあヒッキーはまた…」

八幡「…だがそれが一番だった…これで葉山のグループは元のままだった。戸部は振られずにいられてあのトップカーストが崩れることはない」

由比ヶ浜「それでも!!…ヒッキーはまた傷ついちゃうじゃんか…」

八幡(由比ヶ浜は必死に目に浮かべている涙をこぼさないよう押し留めている。分かっていた…きっとこの方法は彼女たちには全く好ましくないことだと)

雪ノ下「比企谷君。あなたのやり方は確かに嫌いだわ。でも、あなたが今懸念していることはそういうことではないでしょう?あなたの筋書き通りに事が運ぶなら、あなたはみっともなく海老名さんに振られていなければならないはすだわ。なのに一体どんな脅しを使って海老名さんに告白を受け入れるようにしたのかしらね?場合によっては然るべきところを通さないとダメなのだけれど」ニコッ


今、仕事の休憩中です
仕事終わったらまた投下します

あと、見辛いとかあったらバシバシディスって下さい


ID変わってますが1です
少し時間あるので投下します

八幡「なんで俺が捕まる方向になろうとしてるんですかね……別に何もしてねぇよ。ちょくちょく依頼の確認みたいな話はしたが、それくらいだ。」

八幡(あとはもっとはやはちを見せてくれると嬉しいなぁ。腐腐腐みたいなことを言ってはいたが…これは関係ないので置いておこう)

雪ノ下「…少し解せないことになってしまったけれど、なったものは仕方がないわ。海老名さん本人に真意を確かめるしかないでしょう。」

由比ヶ浜「そうだよね…ヒッキー姫菜とこれからどうするの?」

八幡「どうするの何もさっき雪ノ下が言っただろう。海老名さんの考えを海老名さんに聞くしかねぇよ…そもそも戸部の告白を潰すためにわざとあんなこと言った可能性もあるしな」

八幡(だったらそれこそ俺の告白を振れば効率的にはいいんだけどな…)


仕事終わりました
投下していきます
酉の助言ありがとうございます

八幡「とりあえずここにいてももう何もならないからな。さっさと戻るぞ…」

八幡(現状ではどうにもなりはしないし、このまま考えたところで時間の無駄だ……また明日と海老名さんも言っていたことだしな)

由比ヶ浜「ねぇ…ヒッキーはさ…本当に姫菜がヒッキーのこと好きだったら付き合うの?」

八幡「そんなことはありはしない。そもそも俺ならこんな眼の腐ったやつと付き合おうとは思わない。」

八幡(ヤバい…自分で言ってなんだけどちょっと泣きそう…)

八幡「それに付き合うならそれこそ戸部でいいだろう?チャラチャラした奴ではあるだろうが、少なくともこのことに関しては随分と本気だったみたいだしな」

八幡(千葉村でのこともあるし、ここは軽い気持ちってわけではなさそうだしな)


八幡「これ以上言っても焼け石に水だ。そもそも海老名さんの冗談だったっていう可能性のがでかい。だったら今はとやかく言っても意味はない」

八幡(由比ヶ浜はボソボソとそんなの分かってるけど…なんか嫌だし…みたいなことを言っているが)

八幡(何?そんなに俺のこと好きなの?いやいやそんなはずはない。好きな人に向かってあんなにキモいキモいと連呼しないだろうしな…いや、まぁ、確かにこの腐った目がキモいのは認めますけど)

八幡(万が一…違うな億が一くらいの確率で本当に海老名さんが俺のことを…いやそれこそ考えるだけ無駄だ)

八幡()


八幡(そんなことはありはしないのだから…)

八幡(そもそも彼女と俺は住む世界が違う。黙っていて腐ってるとこを除けば三浦が言っていたように男受けもいいだろう)

八幡(海老名さんには悪いが三浦や由比ヶ浜にくらべては地味な印象はある。だからといって彼女自体が悪いというわけではない)

八幡(対しての俺は文化祭でのことで好感度なんてものは初めからなかったが、さらにそんなものとは無縁になったぼっちで嫌われ者だ。嫌われすぎて逆に存在を知られるまである)

八幡(そんな日向側の人間と、日陰側の人間が相容れるわけはない…)

八幡(無駄に期待はしない。そうすればダメージなんてものはないのだから。彼女の依頼はそもそもこれで終わりだ。由比ヶ浜が奉仕部にいるから絶対はないが、関わることもそうそうありはしないのだから…)


・・・・・・・・・

八幡「なんて昨日は思ってたんですけどね…」

海老名「どうかしたの八幡くん?」

八幡(京都からの帰りの電車の中。現世に舞い降りた天使戸塚の隣を取ろうとした矢先に腕を引っ張られた)

八幡(また明日。その言葉からなんとなく察しはついていたが、もちろん俺の腕をつかんだのは件の海老名さんである)

八幡「どうかしたんですかね?昨日の時点で依頼は終わったはずだろ?」

海老名「そうだね。依頼は終わったけど、忘れてないかな?八幡くんは私の彼氏さんなんだよ♪」

八幡「それこそ何かの間違いじゃないのか…あれは戸部をよけるためにわざと…」

海老名「それもあるけどね。でもあの言葉は本当だよ。私は八幡くんとなら付き合えるって思ったから。あの時、嘘の告白をして私が君を振って、今は誰とも付き合う気がないっていえば万事解決…そういうことだよね」







八幡(やはり彼女は全て分かっていた。俺が辿ってほしかった道筋までちゃんと)

八幡「そこまで分かっているならなんでそうしなかったんだ?あの依頼はそういうことだったのならあれで問題がなかったはずだが」

海老名「分かっていたからだよ。分かっていたから私はあの依頼をしたの」

八幡(俺は疑問に思った。分かっていたから告白を避ける依頼をした?疑問に思っていたら彼女は答え合わせを始めだす)

海老名「八幡くんならあの依頼の解決にこういった方法を使うと思っていたよ。隼人くんにも助けを求めたのもそれのためね」

海老名「とべっちの告白を隼人くんはどうにかして防ごうとするけど…」

八幡(そこで彼女は一息をついた。昨日少しだけ見せた自虐的な笑みを浮かべながら…)


海老名「隼人くんはどうしようもなくなって結局八幡くんを頼るだろうって…愚腐…愚腐腐こんな風にはやはちじゃくてはちはやなんて八幡くんもなかなかやるねぇ」

八幡(うわぁ…このシリアスに腐ってるの持ってくるなんてさすがだわぁ…ちょっとさっきまでの空気が一気に腐卵臭に変わってしまって手であおがないと刺激強すぎるわぁ…)

海老名「まぁ、冗談はさておいて。もちろんはちはやは冗談じゃないよ」

八幡「…いやむしろそっちを冗談にしてほしいんだが」

海老名「まぁまぁ八幡くんもいずれ分かるよ。てか私が分からせるまであるよね」

八幡「いや、そんなことないからね!?俺はちゃんとノーマルもノーマルだからね!?」

八幡(ダメだ…彼女のペースになると腐っていく未来しか見えない。俺はすでに目が腐ってはいるけども…)


海老名「でも隼人くんが八幡くんを頼ったからこうやって付き合うことになった」

八幡「だからそれは戸部を振るために…」

海老名「まず前提が違うってことなんだよ?私の男子と仲良く…そしてとべっちからの告白を未然に防いでほしいっていう依頼なんだけどね」

海老名「私の狙いはそこじゃなかったんだ…ずるいけどね。そうすることで八幡くんはとべっちの告白を防ぐために私に告白をする」

海老名「告白してもらうのが私の本当の狙い。その告白を私は受けることで私たちは恋人になる。つまり初めから私は八幡くんから告白をしてもらうことを望んでいた」


八幡(ジャンジャジャ~~ン!!今明かされる衝撃の真実ゥ!!…えっ、じゃあ何?海老名さんにとってあれは隠れ蓑で本当は俺と付き合うのが目的だったってことか!?)

八幡「いや、待ってくれまずそれ自体がおかしいだろ!?なんでそんなことしてまで俺からそれを引き出そうと」

海老名「そうでもしないとあの二人には絶対に追い付けないからかな」

八幡(あの二人と聞いて思い浮かぶのは奉仕部の二人以外はあり得ないだろう)

海老名「私はね…あの千葉村の時から君が気になってたんだ。あの小学生の子達の関係を壊して」

海老名「サキサキもちらっと言ってたよ。あいつのおかけで色々と何とかなったって。それに体育祭でもなんだかんだ言いながらもちゃんとやってたしね。それに」


海老名「文化祭での影の立役者は君だよね?」

八幡(一瞬だか自分の顔がこわばったのが分かった…なぜそこまで知っていってむしろ興味を持てるのか)

八幡(普通ならあそこで俺は女子に対して罵詈雑言を吐いたクズってことになるはずだ)

海老名「不思議だと思ってるでしょ?でもあの場のことを私が知っているとしたら?」

八幡「…言葉遊びはもうたくさんなんだけどな。その言い方からすると海老名さ…『姫菜!!』…姫菜さんは知っているんだろ」

八幡(名前で呼ぶだけでニコニコするのやめてくれませんかね…うっかり勘違いしちゃ…って勘違いじゃないかもしれないだよな…)


海老名「うん、知ってるよ。そもそもあの場面見ちゃったしね」

八幡(まじか…あの場に相模や隼人たち以外にも人がいるとは思わなかったな…)

八幡「だったらなおさらだ。女子に向かってあそこまでいった奴なんて好きにならないはずだろ?」

海老名「普通はそうかもね。でもほら私って腐ってるから」

八幡「これに関しては腐ってるとか関係ないでしょうよ」

海老名「まぁね…でも君が傷ついたおかけであの文化祭は成功した。といっても閉会式なんかくだくだだったけどね」

海老名「私はね…そこまでして誰かのために何かをしようとする君のことをみたくなったの」

海老名「多分、私はもうあのグループには居られない。違うかな居られはするけど今までのようにはいかないかもね」

八幡(あははと笑う彼女は声とはうらはらに哀しげな表情をしていた)


海老名「でもね…それでも私は君を見ていたくなっちゃったから。あの場所を失ってでも……」

八幡(結局…あの依頼をしてきたときから彼女はあの関係から抜け落ちていたのだ)

八幡(葉山はあのぬるま湯のような現状を守ろうとした…しかし葉山が守ろうとしたものはすでになかったのだ)

八幡(滑稽な話だが俺もあいつも海老名さんの手のひらでダンスを踊っていただけだった)

海老名「引いちゃうよね。こんな色々と謀ってる女なんて」

海老名「そんな私を私は一番嫌い…」

八幡(消え入るような声で呟くと彼女は窓のほうに顔を向ける)

八幡(景色を観るわけでもなくただただ外を眺めている彼女の顔は…三浦が俺に話した海老名さんの表情だと思った)


海老名さんのこれじゃない感が尋常じゃないですね

でも、個人的には色々と考えてそうでサキサキと同じくらい
八幡とは合ってる気はします


・・・・・・・・・・・・

八幡(千葉に帰ってきて。やはり千葉の空気は最高だということを再認識しながら、最愛の妹小町が俺の帰りを待ってくれている我が家を目指す)

八幡(あの後、俺と海老名さんとの間に言葉のキャッチボールは行われなかった。実際のキャッチボールも壁以外としたことはないんだが)

八幡(解散する際に俺に向かってバイバイとだけ言って彼女も自分の帰路に着いた)

八幡(葉山グループがいつも通り集まっていたのにも関わらずだ…)

八幡(昨日の今日でそこまで劇的に事態が変わるわけでもない。海老名さんも居辛くなるとは言っていたが、居れなくなるとは言っていない)

八幡(つまり彼女は自分からあのグループから離れていったということになる)

八幡(自分がやったこととはいえ気が滅入る…あの時点ではこんなことになるとは全く考えてはいなかったが。ダメだ結局これを考えたところで堂々巡りに陥るだけで意味はない)


八幡「ただいま」

八幡(ごちゃごちゃとまとまらない考えを巡らせているうちに我が家に着いた)

小町「あっ、お兄ちゃんおかえり~」


八幡「おぅ」

小町「?どしたのお兄ちゃん何かあった?」

八幡(真っ先にねだってくるであろうお土産よりも先にそんな返しがくるとは予想外すぎる)

八幡「何かあったとはどういう意味だ?」

八幡(確かに修学旅行で何かはあったが…)

小町「うーん、なんていうんだろ?いつも腐ってるお兄ちゃんの目が若干違う腐り方してるんだよねぇ」

八幡「結局腐ってることに変わりはないのな…」

小町「まぁ、それが分かるのなんて小町くらいだろけどね。あっ、今の小町的にポイント高い♪」

八幡「はいはい高い高い」

八幡(適当に小町をあしらい若干ふてくされる小町を横目に、俺はカバンをソファーに置くと自室に向かう)

八幡「土産はカバンに入ってるから勝手に取ってくれ。俺はもう休むから…」

八幡(色々とありすぎたせいで肉体的な疲労以外にも溜まっているみたいだった)

八幡(携帯をポケットから出し、ベッドに投げ出そうするとメールが受信されているのに気付いた)

八幡(いつものように密林からのメールかと思ったがそうではなかった)


おはようございます
投下していきます
いつになったらイチャイチャさせれるんだろう…

From:・・・・・・・・
件名:はろはろ~
やぁやぁ愛しの姫菜だよw
あっ、アドレスは結衣から聞きました
昨日と今日ありがとうね
番号も送っておくからちゃんと登録しておいてね♪
可愛い彼女からのお願いだよ(〃∇〃)
八幡くんも疲れてるだろうしゆっくり休んでね
おやすみなさい


八幡(まさかの海老名さんからでした。いや、知らないアドレスだったから間違いだと思ったがそんなことはなかったみたいだ)

八幡(ていうか由比ヶ浜さんや…せめて俺に許可取ってから教えましょうね?俺の個人情報なんて道端に落ちてる石くらいの価値かもしれないけどな)


八幡(俺はそれに返信はせず、今度こそ携帯を放り出した。幸いなことに休みを挟んでから学校だ)

八幡(そのまま月曜からの学校も行かないまである。だが、それをした場合さらに事態が悪化しかねないので、結局のところは出来ないのだが)

八幡「…海老名さんなぁ……」

八幡(それだけ呟くと俺のまぶたは睡魔には勝てなかったようで、俺の意識は微睡みの中に落ちていった。)


海老名「…ふぅ」

海老名(自分の家に帰ってきてお風呂に入り、ベッドに自分の身体を預ける)

海老名(なかなかに大変な修学旅行だと自分でも思う)

海老名(とべっちの想いにはなんとなしには気付いていた…でも、それだからといって私がとべっちと同じ想いを抱くわけではない)

海老名(だから私は彼がいるあの部活に頼むことにした)

海老名(表向きは男子と仲良くしてほしい…いや私にとってそれは何も間違ってはないけどね…ぐ腐腐)

海老名(あの二人は分かっていなかったのだろう。分かっていたならば結衣はともかくとしてあの雪ノ下さんのことだ。何かしらのアクションはあったはずだろうから)

海老名(しかし…というかやはりというか分かっていたのは彼だけだった)

海老名(比企谷八幡…彼だけが私の思惑を理解していた。まぁ、その先にある本当の思惑まで気付いてはなかったみたいだけど)


海老名(彼のことは前々から気にはなっていた。それこそ奉仕部に入り、雪ノ下や結衣と出会うより前に)

海老名(常に学校では一人で行動し、私とは違った意味で腐っている部分を持っている)

海老名(彼とまともに話したのは千葉村のときだった。彼は一人の女の子の周りの関係性を壊した…)

八幡『誰かを貶めないと仲良くしてられないようなのが本物なわけねぇだろ』

海老名「本物かぁ…」

海老名(その言葉を耳にしたとき私は不意に周りのものが全てハリボテに見えた)

海老名(あの隼人くんと優美子がいてそれに私たちがいる関係…それはまるで彼が壊したあの子達と同じではないかと思った)

海老名(そう考えるともうどうしようもなかった…きっとこの関係は何かのきっかけですぐに瓦解してしまう)

海老名(この時からとべっちの私を見る視線が、このグループの友人といはう位置から何か違うものが含まれてることに気付いた)


海老名(とべっちは私に対して好意を含んだ視線を送るようになっていた)

海老名(とべっちには悪いけど私にとってただただ迷惑なだけなもので、この事でいつしかこの関係が崩れ落ちるのは予期していた)

海老名(それにその頃には私は比企谷八幡に惹かれていたのだと思う)

海老名(彼の見ている世界はどんなものなのか、彼にとっての本物とは何なのか…そんなことばかりを考えるようになっていた)

海老名(文化祭での相模さんに対しての罵詈雑言…それは彼の立場をただ辛くするためだけもので…彼は自分を犠牲にして文化祭を成功へと導いた)


海老名(それからというもの私は常に彼を追っていたのだと思う。自分の中にこんな感情があるんて思いもよらなかったけど)

海老名(私は彼のことが好きなのだと自覚した)

海老名(でも、分かっていた。彼にとって私は隼人くんのグループの一員。それ以上でもそれ以下でもないと)

海老名(結衣や雪ノ下さんみたいに同じ部活の間柄でもないし、戸塚くんのように彼と友人のような関係でもない)

海老名(私には彼と繋がるものなど何もなかった…)


海老名(彼との距離を何とか縮めたい。そんな希望を叶えてくれたのか修学旅行が間近に迫っていた。)


海老名(私は隼人くんに相談をもちかけた。とべっちはこの修学旅行で私に告白をしてくると思うからそれを阻止してほしいと)


海老名(最初は隼人くんも若干戸惑っていたのものの承諾してくれた。それは私にとって予想通りだった。隼人くんは今のこの関係を壊したくないと思っている)


海老名(隼人くんはとべっちの告白を防ぐことで、この関係を維持出来ると思っていたのだろうけど)


海老名(その時点で隼人くんの考え通りにはいかない。私はこの関係を壊してでも彼の隣に立ちたかった)

海老名(きっととべっちは隼人くんに相談するだろう。私に告白をするのを手助けしてほしいと)


海老名(それも予想通りだった。そして隼人くんは奉仕部を頼った)


海老名(ここまで自分が計算で動くとは驚きだった。自分の中にある醜い部分がここまであったのかと失望もした)


海老名(今まで仲良くしていた人たちを利用して、さらにその中の人の気持ちを踏みにじって)


海老名(でも、そんな醜い部分さえも私は利用するのだ。私は…奉仕部に…比企谷八幡に依頼をした。とべっちの告白を防いでほしいと)


海老名(ここまできたら後には引けない。いや、正確にはまだ引けるところはあった)


海老名(彼はとべっちに告白をとめるためにまた自分を犠牲にする。隼人くんには悪いが私は隼人くんに一切の期待などしていなかった)


海老名(そしてあの嘘の告白を彼はする。あの時に彼を振って今はそういうことは考えていないと示せば、あの関係は保たれる)


海老名(でも、私はそんな関係を壊した)


海老名(嘘だとは分かっていた。彼はこの手段を使ってくるのは分かっていたから)


海老名(でも嘘と知っていても私の心は歓喜に震えていた。好きな人から告白をされる。物語の中の話ばかりだと思っていた)


海老名(実際にそんなことが起こるのは稀で、私の人生でそんなことは起こるわけがないと)


海老名(しかしそれが現実に私の前で起こったのだ。あの時の彼の言葉に一切の気持ちが入ってないことなど知っていた)


海老名(知っていたが私にとってそれは些末な問題で、私はその告白を受け入れた)


海老名(もう戻ることはないと覚悟した。日向よりも私が求めるものがそこにあるなら…私は彼のいる日陰に堕ちよう。それで彼に近づけるのなら私に迷いはなかった)


読み返してみて
ここまで計算高い海老名さんになるとは思ってませんでした…


投下していきます

・・・・・・・・・・

八幡(修学旅行明けの休みが終わり今日から学校だ。布団と親友を決め込みたいがそういうわけにはいかないだろうな)


八幡(そもそもぼっちなのに親友(笑)とか…ウケる!!…思い出してはダメな人物が頭をよぎったが気にしないでおくか)


八幡(顔を洗いリビングに向かい小町と挨拶を交わす、すでに両親が仕事に向かっていたため朝食はすでに出揃っていた)


八幡(学生よりも早くに出勤とか…まじ社会人にいいとこなしだな。やはり専業主夫こそ至高であり最強だと改めて証明されてしまったQED)


八幡(小町と一緒に朝食を食べているとおもむろに小町が口を開く)


小町「……ねぇ、なんか、あった?」


八幡「なんもねぇよ。……むしろあれだな。逆に俺の人生なんも(中略)波乱万丈なのかもしれん」


小町「どしたのお兄ちゃん」


八幡「…なんもねぇってことだよ」


八幡(それから小町は俺の長々と垂れた講釈をさらにどうでもいいことと一蹴し、奉仕部二人と何かあったのかと訊いてきた)


八幡「あの二人とはなんもねぇよ…」


八幡(嘘は言っていない。実際にあの二人とは何もなかったのだから。だからといってあったことを話すわけではないが)


八幡(しかしこういう時の小町の勘の鋭さを俺はなめていたようだ。あのという部分に餌をぶら下げられた犬のように喰いついてきた)


小町「ふぅ~ん、あの、二人、とは何もなかったんだね?じゃあ、別の誰かとは何かあったんだ?」


八幡(ニヤニヤとこちらを見ながら楽しそうに顔を綻ばせる。我が妹ながら可愛いすぎるだろ。まじあのかわ…川…田……川田まみ?の弟にはやらん!!)


八幡「だからさっき言っただろ…なんもねぇよ…」


八幡(海老名さんのことを小町にいうこともないだろう。千葉村のときくらいしか面識がないのだから印象にあるわけでもないと思うしな)


小町「……まぁ、お兄ちゃんが言いたくないけど。小町はあの二人に訊くだけだしね♪」


八幡…!?小町ちょっと待て!?それは」


八幡(俺の慌てぶりをみて小町はさらにニヤニヤと笑みを浮かべる)


八幡(俺はやはりまだ本調子ではないらしい。こんな簡単な誘導にすら引っかかってしまうのだから)


寝る前に少しだけ投下します

八幡「はぁ…分かったよ…でももう時間ねぇから学校終わって帰ってからな」


八幡(あの二人に訊かれて面倒なことになるくらいなら自分で説明した方がいい)


小町「うんうん、物わかりのいいお兄ちゃんは好きだよ。あっ、今の小町的にポイント高い♪」


八幡(…小町ちゃん。八幡的にはポイント低いよ…)


小町「じゃあ小町は先に行くから鍵閉めよろしくねぇ~♪」


八幡(上機嫌のまま小町は学校に向かっていった。それを見届けて俺は残っている朝食をかきこんだ)


・・・・・・・・・・

八幡(学校に着くといつも通りのぼっちスキルを発動させ誰の目からも見えないように行動する)


八幡(教室の扉を開けて中に入るが誰も一瞥すらしない。(チラッ)ふっ、ついに俺のこのステルスも極めてしまったか)トントン


八幡(決して後ろから俺の肩を叩いてる人間なんているわけがない)トントン


八幡(あのですね…確かにそんなこと思ってましたけどね…目がばっちり合ったのは分かってはいましたよ?でもですね俺はいつも通り…)トントントントン


八幡(ここまでくると寝たふりで回避も出来ないし、そんなことする暇なく詰めよってきましたしね。俺は諦めて振り向いた)


八幡(そこにはやはりというか…目が合った人がニコニコしながら俺を見下ろしていた)


海老名「はろはろ~八幡くん♪」


八幡「あ、あぁ…うっす…」


八幡(俺が今現在…あの魔王をよりも会いたくはない人がそこにいた)


八幡(俺の先程のステルスはどこにいったのやら…周囲のクラスメイトたちは俺達をしきりに見てきた)


八幡(ちらりと周りを見渡すと、三浦は驚きの表情を浮かべていて。葉山は苦虫を潰したような顔をしており、戸部は俺に向かって怒りとも悔しさともとれる視線を送っていた)


八幡(そんな周囲の状態に気付いたのか海老名さんは少しだけ考えるような仕草をして)


海老名「うん、まぁ、そうだよね…今はゆっくり話せそうにないし昼休み空けといてね」


八幡(それだけいうと彼女は俺のこたえを聞かずに、葉山グループには向かわず自分の席へと戻っていった)


八幡(そのまま彼女は周囲のざわめきも気にせずに、ただ時間が過ぎるのを待っているようだった)


八幡(結局、誰も彼女の元にはいかず。もちろんのことだが俺のとこにも誰もこずにチャイムが鳴ったのだった)


八幡(昼休みまでの時間は淡々と過ぎていった)

八幡(その間に別段変わったことは起きていなかったのだろう…あのグループに海老名さんが入っていなかったこと以外は)

八幡(昼休みのチャイムがなると、俺はいつものように購買でパンを買いベストプレイスまで向かう)

八幡(しかし、どうやら俺にとっての安らぎの時間はないらしい)

海老名「やぁやぁ八幡くん待っていたよ♪」

八幡「朝のあれは冗談じゃなかったんですかねぇ…」

八幡(まぁ…勝手に俺が今現在まで冗談だと思っていただけなんだが)

海老名「さすがに私でも恋人と過ごす時間を冗談ってことはしたくないかな」

八幡「…はぁ」

八幡(俺はため息をつきながら座り、無言でパンを食べ始め、海老名さんも自分の弁当を広げ食べ始める)

八幡(お互いに言葉を交わすことはなく、黙々と食べ進める…あれ?恋人っていうのはこんな淡白なものなんですか?)


八幡(俺は食べ終わり、海老名さんもあと少しということころで口を開く)


海老名「やっぱりみんな驚いてたね…」


八幡「…カースト底辺を独走する俺と、トップカーストの一員であるあんたが、あいつら放ってまで俺のとこにきたらそりゃそうなるさ」


海老名「みんなが思うほど君は底辺走ってなんかないと思うけどね」


八幡「…前にも言ったが、文化祭の…相模の一件以来俺の評価なんてただでさえマイナスなのに、それを突き破ってむしろないまである」


八幡「少数の意見と大多数の意見…どちらが優先されるなんて分かりきってることだ」


海老名「そうなんだけどね…まぁ、君の良さを知ってる人間少ない方が取られる心配なくていいかな」


八幡「取られる心配も何も別にあんたと俺は…恋人ってわけではないだろ。もしそうだというなら俺がここで振ればいい」


海老名「そして私は最低な男と付き合って傷つけられて、慰めてもらい元のグループに戻り…君はさらに最低のレッテルの上塗りをされるってとこかな?」


八幡(えっ?何この人本当にエスパーなの?俺の考え筒抜け過ぎません?)


海老名「分かるよ。だって私は千葉村のあの時からずっと見てきたから」


海老名「でもね。私にそれは通用しない。君の考えが分かるとかそんなことでもない」


海老名「私を君から離れるように、君がどれだけ私に言っても無駄なの…」


八幡(声色は震えてはいるが、彼女の言葉からは弱々しいという印象は受けなかった…むしろ何かを決意したようなそんな強さを感じた)



海老名「だって私は…今を全て壊してでも君のそばにいたいと思ってしまった」


海老名「いつの間にか君のことを考える自分に気づいてしまった。君を常に追っている自分に気づいてしまった」


海老名「君が日の当たらない場所で頑張るなら、私はそれを支えたい。日陰を進むなら私は君とともに歩みたい……」







海老名「だって…私は…」

















海老名「こんなにも君を好きになってしまったから」


八幡(俺は…言葉を失った…こんなにも明確な好意というものをぶつけられたことなどぼっちの俺にあるはずがなかった)


八幡()


ミスって投稿を押してしまうorz

八幡(ここまで言われて…俺はそれでも彼女の言葉を全て信じるということが出来ない…)


八幡(過去のトラウマが俺に警鐘を鳴らしてくる。結局は今までのように裏切られるだけだと)


八幡(でも…俺はそんな彼女に少し歩み寄っていいのかもしれないとも思った)


八幡(これで裏切られるのなら…それでもいい。やはり俺が馬鹿だったということですむ)


八幡(信じてみよう…こんな俺に真っ直ぐな視線を向けているこの人を)


八幡「……気持ちは分かった…でも悪いな。それにちゃんと応えることが今の俺には出来そうにもない」


海老名「うん…君はそんな簡単じゃないことも知ってる。そんなんだったら修学旅行の時にもっと進めてたはずだしね」


海老名「だからゆっくりでいいんだよ。少しずつでもいいから…いつか応えてくれたらいい」


八幡(俺のこの情けない答えにも彼女は受け入れてくれる。ちょっと本当に俺なんかでいいの?俺のが申し訳なくなるんですが?)


海老名「でもね…私は何もしないでいるわけじゃないよ」


八幡(?…どういうことだ?と彼女に聞こうと振り向こうとしたら)


チュッ…

八幡(俺の頬に柔らかい感触と、耳には水音が入ってくる)


八幡「…なっ…えっ、い、いまのは…」


八幡(エヘヘと顔を赤らめながら微笑む海老名さんは、宣戦布告のように俺に言い放つ)


海老名「私は全力で君を落としにかかるから覚悟してね!!」


八幡(そう言って彼女はいつの間にか片付けていた弁当箱を片手に俺の前から去っていった)


八幡(去り際に…うぅ、やっぱり恥ずかしいようとか…聞こえたが某難聴系主人公のように聞き逃せば良かったかもしれない)


八幡(俺はその場からしばらく動けず、昼休み終了前の予鈴が鳴るまでそのままフリーズしていた)


海老名さんが予想以上に計算高い女の子になってしまい
葉山がものすごい不憫な感じにはなっていますが

個人的には葉山は俺ガイルの中で嫌いなキャラ断トツで一位なので…

あんまりそういった好き嫌いでキャラの不憫さとか出したくなったのですが

海老名さんのあのエスパーっぷりであんな感じになってしまいました…

葉山好きの方には申し訳ないです


もうさっさと本格的に付き合わしてイチャイチャさせるか

奉仕部との一悶着いれるか悩み中です

とりあえず八幡や海老名さんの心象や考えばかり全然話が進まず申し訳ないです

また、投下していきますが
懲りずに海老名さんの心象とかです


海老名(やってしまった、やってしまった、やってしまった…)


海老名(唇にまだ彼の頬の感触がやんわりと残っている)


海老名(いきなり積極的にいき過ぎたかもしれないが、彼の疑心という牙城を崩すにはこれくらいしないと効果はないと思った)


海老名(…本当はちゃんとした恋人という関係になっていないなど分かってた)


海老名(あの程度で彼が私を恋人だと思うはずもないし、彼にとっては所詮依頼での出来事)


海老名(だけど…だからこそ私は彼に惹かれ彼が好きなのだ)


海老名(あの状況でも自分のことよりも私の立ち位置に関しての心配をしてくれていた)


海老名(…多分…というか確実にこの面倒なことをさっさと終わらしたいと思ってもいただろう)


海老名(でも、さっきの……思い出すだけでも恥ずかしいが彼は私を意識してくれる…と思いたい)


海老名(私はやっとスタートラインに立てただけ。気がつくと彼はすぐにそこからいなくなってしまう)


海老名(やっとのことで手繰りよせたこの機会を逃すことは出来ない)


海老名(今の私の手の中にあるカードで攻め続けるしかない)


海老名(昨日私は覚悟した…こんな計算高い自分を利用しようと…)


海老名(こんな私の醜さを知ったら彼は離れるかもしれない…そうなったら私に居場所はもうない)


海老名(後戻りの選択はもう出来ない…選ばないんじゃくて、選べないのだ)


・・・・・・・・・・

八幡(俺の心の中を荒らしに荒らした台風が上陸した昼休み。すでにそれは過ぎ、残りの授業も終わり放課後になった)


八幡(昼休み明けは特に何もなく、いつもと同じように過ぎていった)


八幡(奉仕部の部室に着き、扉を開けると雪ノ下が紅茶をそそいでいるとこだった)


雪ノ下「こんにちは、比企谷君。由比ヶ浜さんはどうしたのかしら?」


八幡「…うっす…あいつは三浦たちと何か話してたから。もうすぐ来るんじゃないか?」


八幡(雪ノ下はそうとだけ言うとティーカップを机に置き、いつものように読書を始める)


八幡(俺もいつものように本を取り出そうとカバンに手をつけるといきおいよく扉が開いた)


由比ヶ浜「ヒッキー!!朝のあれはなんだし!!」


八幡「…どうどう由比ヶ浜落ち着け…」


由比ヶ浜「どうどうって私は犬じゃないし!!あっ、ゆきのん、やっはろ~♪」


雪ノ下「こんにちは、由比ヶ浜さん。そんなに興奮してどうしたのかしら?」


由比ヶ浜「それは…姫菜がね。朝にヒッキーに昼休み一緒に過ごそうって…」


八幡「おい、その言い方は語弊があるぞ。昼休み空けといてって言われただけだ」


雪ノ下「あなたはいつまで海老名さんに対して脅迫をしているの?今度こそ本当に然るべきところに通して
、あなたを暗いとこにいれた方が海老名さんにとってもいいのではないかしら?」


八幡「だから…なんで俺が海老名さんを脅してる前提なんですかね?」


雪ノ下「あら?そんなこともこの能無し谷君は分からないのかしら?あなたを何かしていなければ、修学旅行の時に彼女があんなことを言うはずがないでしょうし、由比ヶ浜さんがいったようなことが起こるわけないでしょう」


八幡「だから何もしてねぇよ…そんなに言うなら海老名さん本人にでも直接訊いてくれ」


由比ヶ浜「うぅ~…ゆきのんもヒッキーも二人だけでお話ししないでよ!!私も混ぜて!!」


雪ノ下「由比ヶ浜さんこれは会話ではなく事実確認よ。あなたの友人である海老名さんが、そこにいる産業廃棄物に何かされているのではないかというね」


由比ヶ浜「えっ、ヒッキー、姫菜に何かしたの!?ちょっとマジキモい!!今すぐやめてよ!!」


八幡「…いやですね…俺に発言権はないんですかね?だから何もしてないって何回言えば…」


八幡(その時ガラッと奉仕部の扉が開いた。依頼人かと思ったがそういうわけではなく。この部活の顧問である平塚先生だった)


雪ノ下「…平塚先生…何度も言っていますがノックをして下さい」


平塚「おおこれはすまないな。それよりも随分と盛り上がっていたが何かあったのかね?」


八幡「…いや、何でもないですよ…ところでどうかしたんすか?また誰かの依頼ですか?」


平塚「……そういうわけではないんだがな…まぁ、いい入ってきなさい」


八幡(平塚先生が誰かに向かって部室に入ってくるように促す)


八幡(依頼人でなければ一体なんなのだろうか?それに平塚先生の個人的なことなら一人でもいいはずだ)


八幡(いや、決して、平塚先生が独りの方がいいっていってるわけではないですよ?だからその拳をおろしてくれませんかね…俺の周りにはエスパーしかいないの?)


八幡(そんなことを考えていると、平塚先生が連れてきた人物が部室に入ってきた)










八幡(……マジか…それはちょっと神様運命の悪戯すぎやしませんね?)















海老名「はろはろ~奉仕部のみなさん♪」


八幡(ついさっきまでの渦中の人物がそこにはいた)


明日も仕事なのて本日はここまでです

軽く一悶着は起きるかもです
はるのんは出せたらいいんですが
すごいややこしいことになりそうで…

ではまた明日投下していきたいと思います


八幡(俺たち三人は訪れた人物を見て固まっていた。まぁ、さっきまで話題に上がっていた人が来たらこうなるわな…色んな意味で)


平塚「ん?どうかしたのかお前たち?急に静かになって?」


雪ノ下「…っ!…いえ、大丈夫です。それより何故彼女が?依頼人ではないのなら連れてきた意味がわかりませんが」


平塚「あぁ、それはだな…」


海老名「先生。ここは自分で言いますよ。というか言わせて下さい」


八幡(平塚先生はそうかとだけ言うと一歩下がった。依頼人でもなくここに来た意味…俺はおおよその察しがついた)


海老名「本日をもちまして私、海老名姫菜は奉仕部に入部することになりました。よろしくお願いいたします♪」


八幡(由比ヶ浜はぽかんと間抜け面をさらし、雪ノ下はふぅ…とため息をついた)


八幡(…はぁ…やっぱりそうですか…こういうときには予測が当たるのは人生上手く出来てるわ)


平塚「と、そういうことだ。じゃあ、あとはお前たちで何とかしてくれ」


雪ノ下「待って下さい」


八幡(立ち去ろうとする平塚先生を雪ノ下が呼び止める)


平塚「ん、どうかしたか雪ノ下?」


雪ノ下「…何故、彼女が入部しなければならないのでしょうか?そこにいるひき…ひき…ヒキガエル君のように更正ということでは?確かに…彼女は…私たちの考えつかない言動をするときはありますが、それだけでは理由としては弱い気がしますが?」


八幡(…まぁ…確かにな。BLや腐女子的な発言はともかく俺みたいに捻くれてるわけでも、ぼっちというわけでもない)


八幡(てか雪ノ下さん?さりげなく俺のことヒキガエルって言いましたよね?ちょっと傷口に塩塗るのはやめて頂きたいんですが…)



平塚「あぁ、そういうことか。簡単なことだよ。彼女が自分から入部を希望してきた」


平塚「初めは私も渋ったがな。実際君たちだけでも充分な働きをしてくれているしな」


雪ノ下「それなら入部を認める意味がないとは思いますが」


平塚「…雪ノ下…君は海老名になにか恨みでもあるのか?」


雪ノ下「……いえ、そういうことはありませんが…」


八幡(珍しく雪ノ下がいい淀む。海老名さんが入部することにここまでつっかかる意味もないからな。先生からしたら不思議なことだろう)


八幡(まぁ…俺からしたらゴリゴリと精神を磨り減らす日々がこれから訪れる予感しかないが…)


平塚「なら何も問題はないだろう。彼女の入部を決めた理由は…まぁ、有り体に言えば私が根負けしたというところかな。それに…」


八幡(平塚先生は一度言葉を止め一瞬だけ俺に目配せをする)


平塚「彼女が入ることでいい結果が起きるかもしれない。それに賭けてみたくなった私の願望かな」


平塚「異論がこれ以上なければ私自身はすでに海老名の入部を認めている」


平塚「色々と分からないこともあるだろうから、そこは奉仕部の先輩して教えてやってくれ」


八幡(平塚先生はもう一度俺に目配せをして奉仕部から出ていった)


八幡(そこまで露骨に…いやわざと分かるようにしたんだろうな。これから俺がどうしていくか…そして奉仕部がどう変わっていくか俺に見届ける役目を与えたのだろう)


八幡(平塚先生が出ていってから重苦しい沈黙が奉仕部を包んでいる)


八幡(そんな空気を読んだのか、はたまた痺れを切らしたのは破ったのは由比ヶ浜だ)


由比ヶ浜「…と、とりあえず姫菜座ったら?」


海老名「おっ、ありがとうね結衣。ところで座る場所は何か決まりがあるのかな?」


由比ヶ浜「?特にないけどそれがどうかしたの?」


八幡(そうなんだぁ…と海老名は答えイスを持つと、少し動けば肩が触れる距離で俺の隣に座ってきた)


由比ヶ浜「えっ、姫菜!?」
雪ノ下「…!?」


海老名「どこでもいいんだったらここでも全然大丈夫だよね♪」


雪ノ下「…海老名さん…入部のことは平塚先生が決めたから私も納得したのだけれど、一体何をしているのかしら?」


八幡(……ヤバい雪ノ下の辺りから何か冷気が漂ってくるんですけど、何あいついつの間に過負荷に目覚めたの?凍る氷柱なの?だったら俺はラフレシアかな腐ってるし)


海老名「何って、ただ座っただけだよ。どこでもいいならここでもいいよね」


八幡(海老名さんはけろっとした軽い感じで答える。いや、あの雪ノ下の漂ってる冷気感じないの?)


八幡(早くも事態は急展開ですよ。こんなの読者はついてけねぇよ…インフレ起こすには早すぎませんかね?神判手にいれた魔導かよ…だれか征龍呼んでこい…あっ、今は両方禁止だわ)


雪ノ下「私はあなたの心配をしているのよ。そんなによってしまったら比企谷菌が移ってしまって取り返しがつかなくなるわ」


八幡(…いつの間に俺の比企谷菌もそこまでインフレしてたの?スタンで石鍛冶から殴打頭蓋サーチしてくるくらい強くない?)


八幡(てか雪ノ下さん今日はちょっと俺に対する当たりがキツすぎませんかね?)


海老名「ふふふ、雪ノ下さんありがとう。でも、大丈夫だよ私はすでに感染してて取り返しがつかないまでいってるからね♪」


八幡「…はっ!?」
雪ノ下「…」キッ
由比ヶ浜「…えっ?えっ?」


八幡(一体何言ってるんですかねこの人は?見てから回避余裕でしたとかいうレベルの返しなんですけど!?)


征竜の漢字間違えてた…orz

雪ノ下「…遠回しの言い方ではあなたとは言葉遊びにしかならないようね。何故、比企谷君にそんなにくっついてるのかしら?」


海老名「えっ、好きな人のそばにいたいと思うのは普通じゃないかな?」


八幡(………なんでこの人はいきなり核弾頭落下させるだよ!?)


八幡(一瞬で部室が暴力だけが支配する殺伐とした世界みたいになっちまったよ!!)


由比ヶ浜「ひ、姫菜…好きな人って…」


海老名「もちろん、ひ…八幡くんのことだよ♪」


八幡(雪ノ下は俺をにらみてけてくる。やめてくれ…お前のにらみつけるは防御だけじゃなくて命まで削られるんだよ…初代ファイヤーにそのにらみつけるをくれてやれ)


海老名「そもそも…そのことは修学旅行の時に分かってたはずだよね。雪ノ下さん?」


海老名「あの時に結衣も雪ノ下さんも隼人くんたちもいたことは知ってるしね。もちろんとべっちからの依頼のことも…」


八幡(戸部の依頼のことが出たことで緊張が走る。俺は修学旅行の帰りに聞かされていたから分かってたが…)


雪ノ下「そう、知っていたのね」


海老名「隼人くんにも相談はしてたしね。なんかとべっちと一緒にさそうって空気もあったし、あれは少し嫌だったかなぁ」


由比ヶ浜「…そうだったんだ……ごめんね姫菜…」


海老名「結衣は悪くないから気にしないでいいよ♪依頼だったら奉仕部としては仕方ないだろうからね」


雪ノ下「あなたに不快な思いをさせてしまったことには謝罪するわ」


雪ノ下「でも、比企谷君からあなたの依頼の真意について聞いているし、本来の目的ならもうすでに達成していると思うのだけれど?」


海老名「とべっちからの告白を未然に防いでもらう依頼は確かに終わってるよ」


海老名「でもね雪ノ下さん。それで彼のことが好きなことは全く違うことなの」


海老名「あなたの中ではとべっちを避けるために八幡くんを盾にしてると思ってるんでしょ?」


雪ノ下「…ええ、その通りよ」


海老名「それがそもそもの間違いなんだよ」


海老名「私はね…本気で八幡くんのことが好きなの」


雪ノ下「あなたに不快な思いをさせてしまったことには謝罪するわ」


雪ノ下「でも、比企谷君からあなたの依頼の真意について聞いているし、本来の目的ならもうすでに達成していると思うのだけれど?」


海老名「とべっちからの告白を未然に防いでもらう依頼は確かに終わってるよ」


海老名「でもね雪ノ下さん。それで彼のことが好きなことは全く違うことなの」


海老名「あなたの中ではとべっちを避けるために八幡くんを盾にしてると思ってるんでしょ?」


雪ノ下「…ええ、その通りよ」


海老名「それがそもそもの間違いなんだよ」


海老名「私はね…本気で八幡くんのことが好きなの」


すみません連投してしまいました…


八幡(二人の顔からはっきりと驚愕の顔が読み取れる。由比ヶ浜はともかく、こういったことで雪ノ下のこの表情はレアだ)


八幡(…てかそんなにはっきりと好きとか言わないで下さい。心臓に多大なダメージがきますので…)


由比ヶ浜「姫菜…本当にヒッキーのこと…」


海老名「うん…気づいたらね。結衣には悪いとは思ってるよ…」


八幡(さっきの沈黙よりもさらに重苦しい雰囲気が辺りを覆う)


八幡(次にそれを破ったのは雪ノ下だった)


雪ノ下「……あなたの想いは分かったわ。奉仕部の入部のことも先程言ったように、平塚先生が認めているのだから私はもう何も言えない」


雪ノ下「…今日はもう解散しましょう。この状態では依頼が来ても手につかないでしょうし」


八幡(雪ノ下は由比ヶ浜を見ながらそう言った…この雰囲気から開放されるなら俺に異論はない)


海老名「うん、分かったんだよ。これからは放課後にここに来ればいいのかな?」


雪ノ下「ええ、それで問題ないわ。あなたのことだから説明しなくても何をするかは分かってるみたいだしね」


おはようございます
原作の流れで行くと生徒会選挙がくるんですが
いつになったらそこまでいけるのか…

次から投下していきます


雪ノ下「じゃあ、私は鍵を返しにいくから」


由比ヶ浜「あっ、まってゆきの~ん。私も一緒に行く」チョットユイガハマサンダキツカナイデホシイノダケレド
エヘヘ…


八幡(あいつら一瞬で百合百合した空間作りやがったよ。…雪ノ下さんその由比ヶ浜に対する甘さを少しでも俺に分けてはくれませんかね?)


八幡(それよりも…なんで海老名さんと二人にするんですかね?さっきまで散々敵意剥き出しだったのに)


八幡「…あぁ、なんだ…じゃあ俺も帰るから…」


八幡(さっさとこの場から立ち去ろうとすると、急に腕を捕まれた。あれぇ前にもこんなことありましたよね?)


八幡「…えっと…なんすかね…」


海老名「せっかく彼女と二人なんだから一緒に帰りたいなぁとか思ったりして…」


八幡「…彼女って…言っただろ俺とあんたはそんなんじゃないって…あんたも分かってるはずだろ」


海老名「それはね…でも言ったよね。全力で落としにかかるから覚悟してねって」


八幡「それこそ冗談ですましてほしいんだけどな…俺は日々を平穏に過ごしたいんだが?」


海老名「えっ、なんだって?」


八幡(海老名さんは俺の腕を引っ張りながら難聴を発動させる。あれ?難聴ってなれるものなの?海老名さんは小さな鷹さんだったの?)


八幡(海老名さんに引っ張られながら俺たちは靴箱まで来るとそこには予想してなかった……いや、ある意味予想通りのやつがそこにはいた)


戸部「……………」


葉山「…やぁ、姫菜。それにヒキタニ君も」


八幡(修羅場る展開は望んでなかったんだがな…まぁ、こうなるか)


八幡(俺は海老名さんの手を振りほどき彼女の前に立つ。葉山はともかく今の戸部は少し変だしな)


八幡「…何か用か?何もないならそこに入られると邪魔なんだが」


葉山「……二人とも…すまないが少し時間をくれないか?」


八幡「…面倒な話は嫌なんでは悪いが…海老名『いいよ』」


八幡(…彼女は諦めと何かを覚悟した面持ちでそう言った)


海老名「…いいよ…君もいいかな?」


八幡「……あぁ…分かったよ。葉山手短に頼むぞ…」


葉山「…すまない二人とも…」


八幡(葉山は苦悶の表情を浮かべながらぼそりと言った…相変わらず厄介事しか持ってこないやつだ)


八幡(人に見られたくないということで、部活で残っている人もそういないし、俺たちはベストプレイスにやってきた)


葉山「………」
戸部「………」
海老名「………」


八幡(今日は重苦しい雰囲気と沈黙がよく流れる日だな…俺はさっさとこんな状況を終らしたいので口を開く)


八幡「で、なんで呼び出したんだよ。わざわざ待ったりしてまでな…」


葉山「…それは…」


戸部「そんなのヒキタニ君が一番分かってるっしょ!!」


八幡(戸部が葉山の言葉を遮り叫ぶ…まぁ、お前たちが来た時点で分かっていたさ。俺も…そして海老名さんもな)


戸部「なんでお前と海老名さんが付き合うことになってんだよ!?ちゃんと依頼したよな俺のサポートしてほしいって!!」


戸部「なのになんでヒキタニが告白してんだよ!?意味わかんないっしょ!!俺が頼みはどうなったんだよ!?」


葉山「…っちょっと落ち着け戸部!!」


八幡(葉山が感情的になった戸部をなだめるがあまり効果はない)


八幡(分からなくもないがな…自分が告白しようとしたら別の人が先に告白をして、しかもそれがいい結果になるなんて予想なんてしてないだろう)


八幡(だがこれは…俺にとっては最高の舞台だ)


八幡(少し観客は少ないが…それでもこの戸部なら充分に俺の考え通りに働いてくれるはずだ)


八幡「そんなの決まってるただこの女の…海老名『私が依頼したの』」


八幡(…!?)


海老名「私が奉仕部に依頼したのとべっちの告白を防いでほしいって」


葉山「…姫菜」


戸部「…えっ?どういうことだよ海老名さん!?」


海老名「とべっちが私に好意を持っていることを私は気付いてた。でも、今の私はそういったことには関心はなかったから」


海老名「だから告白自体をしてほしくなかった。それで奉仕部に依頼してたの…私はとべっちのことは好きじゃなかったから」


八幡(戸部は今まさに本当の意味で振られたのだ。淡い希望なんて抱かせないように想い人によって)


戸部「……海老名さんが俺のこと好きでもないから振られたのは仕方ないっしょ…」


戸部「でも、じゃあなんでヒキタニの告白は受けたんだよ!!さっきそういうの関心ないって言ってたけどそれじゃあわけわかんないっしょ!?」


戸部「ヒキタニの告白も振ったなら分かるけどなんで…」



戸部「なんでそんな最低野郎のは受けたんだよ!!」


葉山「やめろ戸部!!」


八幡(戸部は俺に向かってつっかかって来そうになるが、すんでのところで葉山が抑える。だが、俺に対する言葉は投げ続ける)


戸部「お前みたいな最低な屑がなんでだよ!!千葉村の時もそうだったよな、小学生脅すようなことしてさ俺たちを悪者にして」


戸部「文化祭も相模さんに向かって酷いこと言ったんだろ!?さらに俺の気持ち知ってるくせにこんなことしてまじで最低だな!!」


葉山「…戸部、それ以上は!」


パシンッ!!

八幡(乾いた何かを叩いたような音が戸部の言葉をかき消した)


八幡(俺は葉山が力づくで戸部を止めたのかと思ったがそうではなかった)


八幡(そこには腕を振り上げた海老名さんが戸部の頬を思い切り叩いた後だった)


八幡(叩かれた戸部は地面に崩れ呆然としていて、葉山は抑えてた手を離し驚きの表情を浮かべている)


八幡(それもそうだろうな…葉山からはきっと俺の葉山と同じ表情が見えているはずだ)


戸部「…っえ、なんで…えっ、おれ」


八幡(戸部は何を言えばいいか分からないのか、あたふたと言葉というよりは音を発してるだけだった)


八幡(そんな戸部を海老名さんは涙を溜めてはいるが、冷たい目で見下ろしていた)


海老名「ねぇ…"戸部くん"彼のことが最低ってどういうことかな?あなたはそんなにも彼について知ってるのかな?」


戸部「…え、海老名…さ」


海老名「なんで彼を責めるのかな?さっきの話聞いてなかったの?責めるなら普通私じゃないかな」


海老名「だって君の気持ち知ってたのに、それに答えようとはせずに奉仕部に頼んだんだよ。君の気持ちを伝えないようにしてほしいって」


海老名「彼はその依頼をちゃんとしてくれただけ。そこに彼の気持ちがあったわけでもないの。彼は依頼を遂行するためにあの告白をしたんだから」


海老名「それなのに彼を最低っていうのは間違ってるよね?だって…最低なのは私なんだから」


海老名「私のことをいくら罵ってくれても構わないの。気持ち悪いとか、腐女子とか、最低だとか。それは全然いいの…むしろ本当のことだからね」


海老名「でもね…何も知らないのに私の好きな人のことを悪く言うのは許さない」


海老名「戸部くんは知ってるの?なんで相模さんに向かって酷いこと言ったのか?なんでそんなことをしたのか」


葉山「…姫菜それは…」


海老名「"葉山くん"は分かってたよね。だってあの場にいたんだから」


八幡(葉山の顔が一瞬で青ざめる。あの場を知っているのは俺と葉山に相模たちだけだと思っていたのだろう)


八幡(それにさっきから感じていた違和感…今まであいつらを呼んでいた呼び方と違う)


海老名「彼が自分を犠牲にしてまでしたことをあなたは見てただけで…それで良しとしたよね?」


葉山「…違う…そんなことは…」


海老名「ならなんで文化祭が終わってから彼に対する酷い噂が流れたのにそれを止めなかったの?」


葉山「…それは……」


海老名「結局、君は何もしなかった。君は周りに…相模さんたちにいい顔をして、全ての責任を彼に押し付けただけだよね?」


海老名「君のやり方じゃ何も救えないということを認めたくなかったから彼に押し付けた…そうだよね?」


葉山「…俺は…」


八幡「…もういい」


八幡(俺は海老名さんの肩を掴み制止する。これ以上彼女の立場を悪くする意味はない。それこそ戻れなくなってしまう)


八幡「これ以上言う必要はない…あの件は俺が勝手にやったことだ。その結果ああいうことになったそれだけだからな」


海老名「…そっか…君がいうならもう言わない」


葉山「比企谷…」


八幡「俺は別に誰かに褒めてほしくてやってるわけじゃねぇよ…あの時はお前のが正しかったんだろうしな」


八幡「葉山、お前をフォローするわけじゃないがな。俺はそもそもぼっちだ。誰かに何言われようが、俺の評判が落ちようが元から無いものだ」


八幡「どんな結果であれ…過程であいつに対しての言ったことは覆らない。今さら蒸し返したとこで意味もない」


葉山「…すまない…だが姫菜の言ってることは…」


八幡「それをお前がどう受け止めようとそれこそ俺の管轄外だ。勝手に自分で考えてろ…」


八幡「…話がもうないなら俺は帰らせてもらうが…」


葉山「ああ、分かった…時間を取らせて悪かった…」


八幡(俺は踵を返し自転車を取りにいこうとするが、袖を海老名さんに捕まれる)


海老名「…ちょっと待ってて…私のけじめだから」


八幡(ぼそりとそう呟いた海老名さんは再び葉山たちの前にいき)


海老名「分かったよね…これが私なの…だからもう」


海老名「私には関わらないで」


八幡(海老名さんは二人に向かって冷たく言い放つ)


八幡(これで彼女は完全にあの場所から居場所を消したのだ)


・・・・・・・・・・

八幡「あれは少し言い過ぎなんじゃねぇか?」


海老名「うん…分かってる。だから言い過ぎるようにしたの」


八幡(あの後俺と海老名さんはあの二人を残し帰り始めた)


八幡(葉山はなんとかなるだろうが、戸部がこの先どうなるか分からない。少なくとも女子に向かって何かをするようなやつではないだろうが…)


八幡(てか自然と二人で帰ってますけど、なんでこんなことになったんですかねぇ?)


八幡(さすがに着いてきてるのにほっぽりだして帰るのも気が引けるには引けるしな…)


八幡「あそこまで言ったのはあのグループから完全に離別するためか」


海老名「疑問で訊いてこないんだね…うん、そうだよ」


海老名「中途半端にすると君はまた何かするでしょう?さっきだって何とかしようとしてたみたいだしね」


八幡(…やっぱり気付かれていたか…)


八幡「そうだな…海老名さんがこんなこと言ってるのは、俺に弱味を握られ脅されていることにしようとしたんだがな…」


八幡「そうすれば戸部は俺から海老名さんを離すために何とかするだろうからな」


八幡「当然そこまでいってしまえば葉山も動くしかなくなるからな。三浦も全力であんたを助け出そうとするだろうしな」


海老名「やっぱりそんなこと考えてたんだね…」


八幡「まぁ…それはあんたによって潰されたが」


海老名「でも、もうここまで…私の切れるカードはなくなったからね」


八幡「…どういうことだよ?」


海老名「私が考えついてた状況からはここまでだってことだよ。きっと戸部くんは修学旅行のことを納得してるわけなかっただろうから」


海老名「考えついてたらまだ何とか出来ることもあるでしょ?奉仕部に入ったのは極力君と私がいる状況を作りやすかったから」


海老名「でもそれはオマケみたいなもので…本当は少しでも一緒にいる時間があったら嬉しいなって…」


八幡(ちょっとどれだけこの人は俺のこと好きなの?思わず勘違いしちゃいそうになるだろ…てか勘違いじゃないのか)


海老名「えっと…うぅ…その話を戻すね」


海老名「君一人だったらさっき君がいったみたいなことされるからね。なるべく二人の状態で戸部くんや葉山くんの話は聞きたかったの」


海老名「でも、ここからは私ももう考えつかないかな…だって上手くいくかは君の気持ち次第だしね」


八幡「…俺みたいなんかよりももっといいやつなんてそこらじゅう転がってるだろうがな」


海老名「でも、君はこんな私を見ても引かないでしょ?」


八幡「俺のがよっぽと他人が引く黒歴史あるだろうからな…」


海老名「私にとったらそれで充分なの…ここまでするなんて自分でも引くくらいだよ」


八幡「そうか…でも自分のしたいことしようとしてるだけだろ?そんなの海老名さん本人が決めたことなら止める権利なんて誰にもねぇよ」


海老名「……その結果や過程で誰かを傷つけることになっても?」


八幡「別に俺は聖人君子じゃないからな。あんたがその後悔や罪悪感で押し潰されるならやめたらいい…それだけのことだ」


海老名「そうやって、どうでもいい人に対して素直な部分も好きだよ」


海老名「全く考えてる素振りなく、どっかから引用したみたいな感じだしね」


海老名「やっぱりまだ私はあの二人に敵いそうにないね」


八幡(チラリと海老名さんは俺を見たが俺は無言を貫いた)


八幡(そんな俺の態度で何か感じたのか、そっか、っと呟くと急に駆け出した)


海老名「じゃあ…私はあっちだからまた明日ね。八幡くん。」


八幡(控えめに手を振ると彼女はそのまま振り向き駆け出す)


八幡(俺は彼女の姿が見えなくなるまでそこに立っていた)


話が思い浮かばない…
最終的にはイチャイチャさせたいですが
自分で読み返して…
これ無理ゲーじゃね?

海老名さんこんなに真っ黒になるなんて…当初の予定とは違いすぎて…

また浮かんだら投下していきます


レスありがとうございます
頑張って考えていきます
生徒会選挙まじどうしよ…

少し投下していきます


八幡(秋の夜の冷たさを感じながら自転車を走らせる)


八幡(…多分あの反応で勘のいい彼女は読み取ったのだろう)


八幡(今の俺が海老名姫菜をまともに意識していないということも)


八幡(だからこその今日の昼休みの宣言であり、葉山たちに対してあの反応だったのだろう)


八幡(そんなことを考えていたら家はもう目の前にまで迫っていた)


八幡(……今日は色々ありすぎた。さっさと寝よう)


八幡(…なんて淡い希望は持つものじゃないな…)


小町「おかえりお兄ちゃん♪」


八幡「……あぁ」


八幡(朝に修学旅行中にあったことを説明すると、小町に言っていたことを俺はすっかり失念していた)


八幡(晩飯を食べて、風呂から上がると先に風呂に入っていた小町がリビングで待ち構えていた)


小町「お兄ちゃん逃げようとしても無駄だからね。ちゃ~んと教えてもらうから」


八幡「…はぁ…分かったよ」


八幡(俺は修学旅行中にあった依頼についてとその結果、それだけでは今のこの好奇心の塊が私、気になります!状態なので、今日起きたことも話した)


八幡(さすがにありのまま話すと、どこかの雪の女王みたいに、周りを凍らせそうな部分もあったから脚色は削除はしたが)


八幡「…まぁ、そういったことがあったわけだ」


小町「…おおぅ、お兄ちゃんがいつの間にかすごいラノベの主人公みたいになってる」


八幡「…そんなもんじゃねぇよ」


小町「でも、こんなお兄ちゃんにはっきりと好意示してくれる人が出るとは、ちょっと予想外だったかなぁ?」


八幡(…一体どんな予想してたんですかね。この小町ちゃんは…)


小町「で、で、結局お兄ちゃんは海老名さんと付き合ってる状態なの?」


八幡「…話ちゃんと聞いてたか?付き合ってねぇよ…」


小町「もぅ、女の子待たすなんて小町的にポイント低すぎだよお兄ちゃん」


小町「…でもねお兄ちゃん…」


八幡「ん、どした?」


小町「どんなことになっても小町はお兄ちゃんの味方でいてあげるからね。今の小町的に超ポイント高い!!」


八幡(本当にこの妹はよく出来てることで)


八幡「…おぅ…ありがとな」


八幡(俺は小町の頭をそっと撫でる。小町は拒むことなくそれを受け入れ、えへへと微笑んでいた)


小町(お兄ちゃんに頭を撫でてもらいながら、いつもこの優しさを出せばもっとお兄ちゃんモテると思うんだけどなぁ、もったいない)


小町(ここ数日でお兄ちゃんの周りは劇的に変化した。ダークホース中のダークホース海老名姫菜さん)


小町(千葉村で見たけどそんな印象に残っているわけではなかったから、全くノーマークだったがまさかここまでだったとは)


小町(お兄ちゃんの話を聞く限り海老名さんは悪い人じゃないと思うし、それにどちらかといえばお兄ちゃん寄りの人な気がするから…お兄ちゃんのこと分かってくれるとは思うよ)


小町(雪乃さんや結衣さんはさっさとアピールしないと、今は大丈夫だけど気付いたら追い付かれてるって感じになりそうだなぁ)


小町(小町はお兄ちゃんの味方なので今のままだと海老名さんに肩入れしますよ)


小町(果たしてあの二人はどういう様相をこれから繰り広げるのだろうか…でも、お兄ちゃんが幸せならそれでいいかな)


小町(お兄ちゃん頑張ってね)


とりあえず風呂入ってきます
あと、エロってあるのがいいですか?

次は海老名さんのターンのつもりです
さっさとイチャイチャさせれるかなぁ…
何修羅場くらいするんだろう…


上がりましたいつもシャワーだけなのに湯船入るもんじゃない…血行がぁ

このエロの不人気さw
まぁ、がっつりいれるわけではなくて思春期の特有の好きな人想ってみたいな感じだったんですがね
説明不足ですみません

もう少しまとまったら投下していきます


さぁ頑張って書こう

・・・・・・・・・・・

海老名(冷たくなった身体にお湯の温かさが染みる)


海老名(お風呂はいいね。心の洗濯とはよくいったものだ)


海老名(洗濯するならちゃんと私の汚さも消してくれたらいいのに…)


海老名(やっぱり分かっていたことだったけど…彼から直接伝えられるとキツいものがある)


海老名(彼にとって今の私はどうでもよくて…あの反応はそういうことだったのだろう)


海老名(戸部くんも今の私のような気分だったのだろうか…そう考えると少し悪い気はしてきた)


海老名(後悔は…してないわけではない。決してあの関係が嫌いだったわけではなかったから)


海老名(でも、もうそれは遅いのだ。やらずに後悔するよりやって後悔した方がいいとよくきくが)


海老名(…彼からしてみれば、やらなかったら後悔もなにもないってことになるのかもしれない)


海老名(後悔するくらいならやらなければ良かっただけで、やはり私はまだ何処かで完全には割り切れてなかったのだろう)


海老名(…弱気になっても仕方ない…もう戻ることはないのだから。ならせめてどうすれば彼を落とせるか考えたほうがいい)


海老名(なんて自分勝手なんだろうか…誰かを傷つけてまで私は彼の隣にいる資格はあるのか?)


海老名(壊してまで得たものが果たして『本物』なのか…)


海老名(今の私は…どう足掻いても彼女たちには勝てないんだと思う)


海老名(きっと彼女たちは真っ向から彼に向かうことが出来るのだろう。そして彼もそれにどんなにみっともなくてもきちんと応える)


海老名(その中に私は入れるのだろうか…そもそもそんな隙間すらないのかもしれない)


海老名(ダメだ…ここまで来たんだから…もう後ろには引けないから)


海老名(一度マイナスになるとどんどん泥沼に陥っていく…)


海老名(でもこれに耐えれないようじゃ彼には近付けない…彼のいる場所に行くことすら出来ない)


海老名(私が自分で決めたことなのだ。私がそれを信じきれなかったから誰が信じられるのだろう)


海老名(私は最低で最悪で腐っている…誰からなんて思われようがそれを受け入れよう)


海老名(それがせめてもの…私が傷つけた人に対する罪滅ぼしになればいい)


海老名(どんな言葉も、どんな蔑みも
、どんな境遇になろうと私はそれに嘆かない)



海老名「…はぁ…そう思ったら少しは楽になれたかな」


海老名(そういえば私はこれから私はどうやって彼を落としていこうか)


海老名(今日のことで彼は直球の好意に弱いということは分かった)


海老名(裏を返せば下手な小細工では彼には効果はないということだ)


海老名(つまり今まで考えながら裏で何かをするようなことは考えが読まれ意味がない)


海老名(直球に弱いのはそういったものに慣れていないからだろう。明確な好意に対して免疫がないのかもしれない)


海老名(下手な小細工なしに押すのは私の苦手なことだけど頑張るしかない)


海老名(…押すといえばやっぱり女の子の部分を出していけばいいのだろうか)


海老名(……あんまり今まで気にしたことなかったが私の身体は彼から見て魅力があるのだろうか?)


海老名(少なくとも健康的な体型だとは思う。しかし女らしいかといわれればそういうわけではないだろう)


海老名(結衣や優美子のように胸が大きいわけでもないし、サキサキのように家庭的というわけでもない…よく考えたらサキサキも大きいし)


海老名「…やっぱり大きい方がいいのかな?」



海老名(少なくとも雪ノ下さんよりはあるよね?)


海老名(…いや、もしかしたら彼は大きいのが好きじゃない可能性も)


由比ヶ浜『たまにヒッキーがね…そんなずっとじゃないけど胸見てて…そんなに興味あるなら少しくらいなら…やっぱり恥ずかしい!!』


海老名(……以前、結衣はそんなことを言っていた)


海老名(つまり大きいほうが…やっぱりそこらへんは普通の男の子なんだと安心もしたが、自分のサイズが大きいとよばれるものでもないことを呪った…)



海老名(ふにふにと自分の胸を軽く揉んでみる。やはりお世辞にも大きいとはいえない)


海老名(…揉んでたら大きくなるんだっけ?)


海老名(ゆっくりと両手で自分の胸を揉んでいく。修学旅行中に見た結衣や優美子にくらべたらまるで別物だ)


海老名(…揉んでいくうちにじわじわと身体が熱くなっていくのを感じる)


海老名(…違うこれは…お風呂に入っているせいで…)


海老名(…気持ちとは裏腹に揉んでいる手は徐々に早くなっていく)


海老名(そんな風にしていたからか指が胸の先端に触れる…)


海老名(…ダメ…これ、以上は…)


海老名(ダメだと分かっているのに…一瞬触れたときの快感が私を堕とす)


海老名(この手が…彼のなら…)


海老名(そう思うともうダメだった…自分の手なのに彼のだと思うだけで触れている部分がどんどんと熱くなっていく)


海老名(ここまでくるともうお風呂に入っているとか言い訳にしかならない)


海老名(彼がしてくれている思うだけで、今まで自分でしたときと段違いで痺れが襲ってくる)


海老名(今なら…もっと…気持ちよく…)


海老名(抗えない…これが全て彼からもたらされるものだと…そう思うだけで私は)


海老名(この快楽から逃れることが出来なかった…)



・・・・・・・・・・

海老名(部屋の窓から入ってくる秋の風が火照った身体と思考を冷やしてくれる)


海老名(分かっていたことだった…お風呂の中であんな行為をしたらのぼせるに決まっている)


海老名(…でも今までよりも全然…って!?いけないまた考えるとこだった…)


海老名(こんな私を知ると彼は幻滅するだろうか…)


海老名(私の中の変化に私自身すらも戸惑ってしまう。頭では分かっているが心は追い付いていない感じだ)


海老名「……八幡くん…」


海老名(彼の名前を呟くだけで顔が熱くなる…って、さっき冷やしたばかりなのに何してるのよ!?)


海老名(でも…この気持ちは決して嫌なものではない)

海老名(ゆっくりと瞼を落とす。これからどうなるかは私次第で…そして彼次第でもある)


海老名(明日またゆっくりと考えてみよう…そう思っているといつしか私は眠りの中に入っていた)


今日はここまでです
エロ?みたいなものは自分が書きたかったので書いてみました

うわ何でこんなん書いてんだよ気持ちわるって思ってくださいw

また明日も少しずつ投下していきたいと思います

何度もいっていますが早くイチャつかせたい(末期)

オタクネタで八幡の気を引く海老名さんが見たい

>>213
オタクネタはそこまで広く知ってるわけではないのであまり出せそうにないです
狭く深くな感じで好きなのもマイナーなので…

カードネタなら絶賛現役なの出せますが…


投下していきます

・・・・・・・・・・

八幡(いつものように起きて、いつものように学校に行く。なんでこう人生はルーチンワークなのか…)


八幡(朝から人生の在り方に嘆きながら教室の扉を開ける)


八幡(俺が来たことなど誰も見向きもせず各々が談笑に花を咲かせたり、出されてた宿題に悪あがきをする)


八幡(少しだけ葉山グループの方を向くと…戸部も葉山も昨日のことはなかったみたいに普通のように見える)


八幡(海老名さんはまだ来てないみたいだな…)


八幡(あのグループのいつもの面子の中に海老名さんはいない…というよりもまだ彼女は教室にすらいない)


八幡(わざとそうしているのか…何かあったのか…多分、前者だろう)


八幡(なるべく関わらないようにしていくために会う機会を少しでも減らしているのだろう…)


戸塚「おはよう八幡♪ 」


八幡「おう、戸塚今日もきれいだな結婚しよう」キリッ


戸塚「…も、もう何言ってるの八幡、僕は男だから無理だよ!?」


八幡(くそぅ…なんで戸塚は男なのかマジ神々の悪戯過ぎるだろ…)


戸塚「それにきれいって言われても…嬉しくないわけじゃないけど…やっぱりかっこいいとかのがいいかなって…」


八幡(何この可愛い生き物。戸塚といられるなら専業主夫なんてやめて戸塚のために働くまである)


八幡(そんなかっこよくなりたいと思う戸塚まじ戸塚…もう戸塚過ぎて戸塚しかない)


八幡(やばい少しバグってた…破壊力高すぎんだろ…ダメージ限界突破かよ。99999ダメのクイックトリック連打だよ)


海老名「それに結婚するならちゃんと女の子じゃないとね」


八幡(…えっ、いつの間に来てたんですか?あ、さっきトリップしてたときですね分かります)


戸塚「あっ、海老名さんおはよう」


海老名「うん、戸塚くんおはよう。それにしても朝から濃厚なとつはち見せてくれるなんて分かってるねぇ…ぐ腐腐」


戸塚「?八幡、海老名さんどうかしたの?」


八幡「…ぁぁ…まぁ、気にするな戸塚いつもの持病だろうから」


戸塚「…えっ?持病って大丈夫なの?」


八幡「大丈夫だ、すぐに収まるだろうしな…」


八幡(腐女子のトリップ状態も心配する戸塚マジ天使。ナース服着て治療してあげて、ついでに俺も治療して!!)


海老名「こらっ、戸塚くんにデレデレしないでほしいな」


八幡「…い、いや別にデレデレなんてしてないけど」


八幡(すみません、嘘です、本当はすごいしてました)


戸塚「八幡と海老名さん仲良くなったんだね。海老名さんこれからも八幡と仲良くしてあげてね♪」


海老名「…うわっ、すごい眩しい…なんか浄化されそう」


八幡(あぁ…あれは耐えられない。もう俺も浄化されそう…ついでに目の腐りも浄化してくれ)


八幡(…まぁ、それは置いといてだ…戸塚は気付いてないみたいだが周囲のやつらがチラチラと俺らを見てくる)


八幡(それはそうだろうな…昨日の今日で、海老名さんが俺のとこに来るなんて異常なことだと思っているだろうしな)


八幡(俺が教室にきた時点で注視されることはなかったから、昨日のことを知ってるやつはいないのだろう)


八幡(葉山も不用意にそんなことは誰かに言わないだろうし、あるとすれば戸部が俺に対しての悪評を広めることだが…)


八幡(それもさすがにやろうとするなら葉山が止めるはずだろうからな)


八幡(仮にそんなことが起こった場合、海老名さんは本当にあのグループには戻らなくなるし、最悪は崩壊だ)


八幡(葉山は今のあのグループを守りたいと思っているからな。これ以上の瓦解は何としても阻止するだろう)


八幡(まぁ…昨日言ったことが本当なら海老名さんももう何かを企んではないはずだ)


八幡(それ自体が嘘かもしれないがな…)


戸塚「…八幡、大丈夫?なんか急に黙っちゃったけど?八幡も何か病気なんじゃ…!?」


八幡「…あぁ!悪いな…ちょっと考え事してただけだ」


戸塚「そう…ならいいんだけど、無理しちゃダメだよ。もうすぐチャイムなるからぼくは自分の席に戻るね」


八幡(いけない…戸塚に心配をかけてしまった…一生の不覚!!)


海老名「本当に戸塚くんのことになると性格変わるよね」


八幡「…誉め言葉として受け取っとくわ…」


海老名「…大丈夫だよ、もう本当に何も考えてないから。これ以上はあのグループに対して何かしようとはしないから」


八幡「…そうか」


八幡(そういった時にチャイムが鳴り、担任が入ってきたため、海老名さんも自分の席に戻っていった)


八幡(戻る時に一瞬だけ見えた彼女の顔はどこか悲しそうに見えたが…気のせいなのかもな)


八幡(滞りなく授業が過ぎていき昼休みになる)


八幡(あくまで滞りなく過ぎたのは授業であり休み時間の度に、若干どこかのグループは重苦しい雰囲気ではあったが)


八幡(ベストプレイスに向かうと、なんとなく察してはいたが昨日と同じように先客がいた)


海老名「はろはろ~、今日は来ないかなと思ってたんだけどね」


八幡「…ここで食うのが一番だからな。屋上も考えたが…あそこは少しな」


八幡(ここで避けても追われることは分かっているので、俺は海老名さんの隣に座った)


海老名「…何処かに行こうとはしないんだね…」


八幡「別に避けたところであんたはくるだろ…無駄な労力と時間は使いたくないからな」


海老名「……君らしいね。そんなに私は邪魔かな?」


八幡「そういうわけじゃねぇけど…ただ何かまだ慣れないだけだ」


海老名「ならいいんだけどね。早く慣れてもらわないとこれからどんどん攻めてくよ」


八幡「…勘弁してくれ。そんなことされるとうっかり惚れそうになるだろ」


海老名「私はそれでもいいんだけどね。むしろ惚れてほしいまであるよ」


海老名「でもそっか…そうだよね」


八幡(弁当を食べていた彼女は一旦箸を止めうつむいた。眼鏡に光が反射してその表情は窺えない)


八幡(そして、また箸を進め出すと自分の口にはもっていかず)


海老名「…はい、あ~ん♪」




八幡「えっと…何してんだ?」


海老名「何ってあ~んだけど?」


八幡(いや、そんなさも当然の様に言われましてもですね)


海老名「早く食べてくれないかな。腕がきつくなってくるから」


八幡「…だったら…自分で」


八幡(そういって彼女に顔を向けると声色からは分からなかったが、顔を真っ赤に染めていて、こっちを窺うように上目遣いで見てきていた)


八幡「…はぁ…あん」


八幡(さすがにそんな顔をされていては拒否することも憚れる)


八幡(…俺の顔も熱くなってきている気はするが気のせいだな。気のせいに違いない)


八幡(あと、食べたときに表情が一気に明るくなるのは反則なんでやめてくださいね)


八幡(その後何回か同じことを海老名さんは繰り返してきた)


八幡(俺も抵抗することを諦め、餌付けされている動物よろしくそれを受け入れた)


八幡(…料理が美味しかったからそれを受け入れたわけで)


八幡(…決して彼女の喜ぶ顔が可愛くて何度も見たかったからではない)


八幡(そうこうしている内に弁当の中はなくなり、俺も買ってきていたパンを食べ終える)


八幡(しばらくお互いに無言でいると、不意に自分の右肩に何かがのっかる)


海老名「………えっと、いいかな?」


八幡「……恥ずかしいからやめていただきたいんですが」


八幡(いや、あのですね!?いきなりこんなことされてびっくりしないわけなくてですね!?)


八幡(こんなの誰かに見られたらどうするの?いや、それとも見られることが今度は狙いなんですかね!?)


八幡(海老名さんマジ策士。孔明もびっくりだよ…いやあいつは軍師だったか?)


海老名「私も…恥ずかしいけど、ごめん少しだけだから…」





八幡(いや、だから俺も恥ずかしいから…って言おうとしたがすんでのところで飲み込んだ)


八幡(彼女の顔は何かに堪えているようで、先程までとはうってかわり仄暗い表情だった)


海老名「……分かってたけど………やっぱり…キツいや…」ボソッ


八幡(若干の泣き声混じりのその台詞は、今の彼女の心境そのものなのだと思う)


八幡(よく考えたら…いや考えなくても当然のことだった)


八幡(今まで仲良くしていた人を利用し、さらにそれを壊しかけているのだ)


八幡(しかもそれは誰かのためとかいうことではなく…自分自身のためにだ)


八幡(覚悟はしていたはずで…それが昨日のあの戸部と葉山に対しての言葉だったのだろう)


八幡(でも覚悟していても…彼女はまだ普通の女の子だ)


八幡(割り切れるほどの大人でもなく、何処かの強化外骨格のように飄々と全てをこなせるわけでもないはずで)


八幡(今日の重苦しい雰囲気も表面上では何事もないように振る舞っていても、見せないだけで弱っていた部品があった)




八幡(自業自得といわれればそうだろう…自分で蒔いた種なのだから)


八幡(でも…彼女をそこまでさせる何かが俺にあったのか?)


八幡(そんな自惚れは俺はしない…俺にはそんなものがあるはずもない…)


八幡(しかし、そんな俺をこの海老名姫菜は真っ直ぐに好意をぶつけてくれている)


八幡(彼女の想いに俺は…まだ答えを出せないだろう。情けないことだが彼女もそれは重々承知で)


八幡(そう思うと彼女から逃げるのはやはりフェアじゃくて、彼女だけじゃないあいつらにも逃げるのはフェアじゃない)


八幡(不意に自分の意思とは関係なく
腕が動き、彼女の頭を撫でる)


八幡(初めは少し驚いた彼女だったが、すぐにされるがままになる)


海老名「…馬鹿…そんなことするなんて卑怯だよ…」


八幡「…妹に何度もして…頭撫でるのは得意だからな」


海老名「…ふふっ、それ…言い訳になんか…なっ…てないから、ね…」


八幡(必死に押し留めていたものが一気に溢れたのか…小さくだがその声には涙が含まれていた)


八幡(ガラじゃないことくらいは分かっている…でも…)


八幡(今だけは何故か…彼女の涙が流れ終わるまで)


八幡(俺は隣で海老名さんを撫で続けていた)


こんばんは
やっとイチャイチャ?というか二人の時間?作ることできました

すごいここまで長かった気が…

また思い付いたのまとまったら投下していきます


投下していきます
そんなに進まないですが…

八幡(俺の肩に頭を乗せている海老名さんは泣き疲れたのか眠りに落ちていた)


八幡(今の時間はもうすでに昼休みも終わり5時間目が始まったばかりだった)


八幡(つまり二人ともサボり決定である。まぁ、授業は数学なんで全然良かったが)


平塚「…君一人ならまだしも海老名まで巻き込んでのサボりは感心しないな」


八幡「…どしたんすか先生…」


八幡(今一番会いたく人に会ってしまった…先生だからなぁ普通に説教をされるかと思ったが)


平塚「昼休みに君に頼み事をしたかったんだがね。教室に居なかったから探していたんだ。そしたらなかなかレアな光景が目に入ったものでな」


八幡(マジか…あのすごい他人に見られたら冷やかし間違いなしのところを見られていたとは)


八幡「で…どうするんすか?俺たちは今サボっているわけですし教室に返すんすか?」


平塚「君一人ならそうしただろうが…今回は海老名もいることだ」


平塚「それに君のあんな一面を見せられてはな。今回は多目に見ることにしよう」


八幡(そう言うと平塚先生はポケットからティッシュを出し俺に渡してくる)


八幡「なんすかこれ?」


平塚「その顔で海老名を教室に返すわけにはいかないだろう。涙の跡くらい拭いてやれ」


八幡「はぁ…どうも」


八幡(俺はもらったティッシュを制服のポケットにしまいこむ。今そうして起こしてしまうのは嫌だったからな)


平塚「君は優しいな…だがその優しさを知る人間はごく僅かだ」


八幡「俺が優しいだなんて俺の目の腐りが先生に移ってしまいましたかね…」


平塚「そうかもしれないな…だが私は信じているよ。君のその優しさが彼女を救うことを」


八幡(平塚先生は後ろを振り向き校舎に入っていく)


八幡(去り際に、今回は私が言い訳しておいてやろうと言葉を残していった)


八幡(全く…本当にいい先生だ。誰かさっさともらってやれよ。そこらへんの男よりかっこいいけどな…)


八幡(平塚先生が去って、特にするけともないの空を見ている隣の海老名さんが目を覚ました)


海老名「……あれ?わたし…」


八幡(海老名さんはしばらく頭が働いてなかったのかボーッとしていたが、さっきまでのことを思い出したのか顔が一気に朱色に染まった)


海老名「あっ!!えっと…あの…さっきのは忘れてくれないかな…?」


八幡「…海老名さんがそう言うならそうするわ」


八幡(俺は先生からもらったティッシュを取り出し、海老名さんの顔をなるべく優しく拭く)


海老名「……!?えっと…な、なにして!?」


八幡「…涙の跡残ってたからな…それじゃあ教室に行けないだろ」


海老名「うっ、えっとその……ありがとう…」


八幡(別に平塚先生が言わなかったら俺にこんな気遣いが出来るわけなかったがな)


八幡(まぁ、平塚先生が来たことは黙っておく)


八幡(さすがにあんなところを見られていたなんて知ったら、恥ずかしさで穴に入りたくなるだろうしな)


八幡(実際に俺は今もその気分は続いているしな)


海老名「…ごめんね…みっともないとこ見せちゃって」


八幡「…あれがみっともないなら、俺は常にそんな姿さらしてると思うけどな」


海老名「ふふ、そんなことないと思うよ」


海老名「それにありがとうね。少しだけ楽になったよ」


八幡「別に俺は何もしていない…あんたが自分で吹っ切ったんだろ」


八幡(結局のところ自分の心は自分で何とかするしかないからな)


八幡(海老名さんが楽になったと思うってことは、自分で多少なりとも折り合いをつけれたということだ)


海老名「そうかもしれないけど…でも君がいてくれたから…じゃないともっと長いことウジウジしてたと思うから」


八幡「……そうか」


海老名「うん、だから…ありがとう」


八幡(そう言って微笑む彼女の顔は、さっきまで見せていた仄暗さはなかった)


海老名「私ね…君を好きになって良かったよ」


八幡「…だから、なんでそんなこと面と向かって言えんだよ…」


八幡(不意打ちは卑怯過ぎるだろ…やっぱりこの人は読むことはできない。あの強化外骨格といい勝負するんじゃねぇの?)


海老名「だって本当のことだからね。それに言ったでしょ全力で落とすって」


海老名「一日一回言えば君も気のせいなんて思わないだろうしね」


八幡「……そんな悪魔みたいな所業はやめてくれ、俺の精神がもたないですからね?」


八幡(でもまぁ…今、目の前で笑っている彼女を見るんだったら少しはありかなと思うのだった)


今日はここまでです

やっと素直な海老名さん出せた
今まで真っ黒海老名さんばかりだったから良かったです

もっとイチャイチャさせてあげたいです


自分の中ではそこそこイチャイチャさせたつもりですが…

なんか物足りない感じですみません

次回は多分奉仕部かあーしさんとの絡みになるかと


なんとか浮かびましたので投下していきます

300くらいで終わらせる予定だったのに…どうしてこうなった

次から投下します


八幡(俺は5時間目の休み時間の時に奉仕部の部室に向かった)


八幡(雪ノ下が昼には部室で食べているから開いているとふんで、その予想は見事に的中した)


八幡(海老名さんは教室に戻っていった。俺が教室に戻らなかったのは単純にサボりたかったのもあるが)


八幡(5時間目にいなかった二人が次の時間に戻ってきたら、さすがに要らぬ噂も流れるかもしれないからな…)


八幡(というわけで俺はサボりを続行というわけだ)


八幡(まぁ…本もないもないから暇で仕方ないんだがな)


八幡(適当にボーッとしてれば時間はすぐに過ぎるだろう)


八幡(俺は腕を枕にして寝ようとしたら…この時間には開かないはずの扉が開いた)


海老名「はろはろ~、やっぱりここにいた」


八幡(えっ?なんでいるの教室に戻ったンじゃないの?)


海老名「そもそも教室に戻ってもないからね。カバンとかは後で回収すればいいし」


海老名「せっかくの初めてのサボりなんだからとことんしようかなって」


八幡「…はぁ…」


海老名「じゃあ、お邪魔しま~す♪」


八幡「…なんで自然に隣に座るんですかね?」


海老名「えっ、それはくっついときたいからに決まってるじゃない」


八幡「……っ、もう勝手にしてくれ…」


海老名「うん、じゃあ勝手にするね♪」


八幡(……いやですね勝手にしろとは言いましたけど)


八幡「…なんで腕を組んでるんですかね?」


海老名「だって勝手にしろって言われたから勝手にしたいことしてみました」


八幡(今日のことマジでどうしたの!?キャラ崩れるとかいうレベルじゃないんですけど!?)


八幡(なんでこんなデレデレなの?どっかで某悪魔星の長女の発明品の影響でも受けてるの?)


八幡(あと…そんなにグイグイ押し付けてくるとですね…ちょっと何か当たってるんですが)


海老名「ふふ、役得だよね」


八幡(…この人狙ってやってたわぁ、俺の精神ゴリゴリ削る方法知りすぎじゃないですかね?)


海老名「ごめんね結衣みたいに大きくなくて?」


八幡「はっ?いや、別に気にはしないが」


海老名「でも結衣が言ってたよ。ヒッキーはちょくちょく見てるって」


八幡(………バレてぇら…)


海老名「女の子はそういう視線に敏感なんだから気をつけないとダメだよ」


海老名「それに…みたいなら私に言ってくれたら……」


八幡「…はぁ!?何言ってんだあんた!?大丈夫か!?」


海老名「…えっ、もしかして聞こえてた…」


八幡(そりゃあこんなにくっついてたら多少小さな声で言ったところで聞こえるだろう)


八幡(俺には都合がいい難聴属性なんてないしな)


海老名「…うっ、えっと…さっきのなしね!!うん、君は何も聞かなかったことで、これで万事解決!!」


八幡(なんとか取り繕うとしてたが、どんどんと顔は赤くなっていく)


八幡(…いや、そんなに恥ずかしいなら言わなかったら良かったじゃん…)


海老名「でも…そんなときが来たら…」


八幡(いやだから聞こえてますからね?もうマジで理性壊そうとするのやめて下さい…)


八幡(でも、そんなに恥ずかしいのに腕は離してくれないんですね)


八幡(しかも逆に離れるわけじゃなくて余計にくっついてきてるし…)


八幡(この感じからみるにこれは計算でやってるわけじゃなくて、素でやってるというのが余計に質が悪い)


八幡(海老名さん小悪魔過ぎんだろ…もう俺じゃなかったらとっくに落ちてるわ)


八幡(でも…まぁ、役得なのは確かにそうなんたが…狙ってやるならそんなにドキドキしないで下さいね)


八幡(最初にくっついてきたときからそんなんだったから、振りほどくなんて出来るわけないだろ…)




海老名「ふふ、でも君とこうやっていられるのは嬉しいよ」


八幡「…そうか…それは光栄だな」


海老名「なんでだろうね…自分でも分からないけど…君を見ていたいと思ってしまうんだ」


八幡「…感情なんて全部分かったりしねぇよ…それが自分のでもな」


海老名「…それもそうだよね…だからいっぱい間違えて、だから嬉しいんだ…それが分かったときは」


八幡「……それでもずっと分からないときもあるだろ。どんなに考えても答えは出ないときもある…」


海老名「うん…でも私はそれでもこの気持ちは間違いだなんて思ってないよ」


八幡「…ここまでされたら、俺ももう認めるしかないんだろうな」


八幡「でも…悪いがまだ俺は答えを出せない」


八幡「これだけあんたがぶつかってきてくれても…俺はまだ信じきることが出来ない…」


海老名「いいよ。前にも言ったけど簡単に君を落とせるなんて思ってないよ」


海老名「でも…私は頑張るからね」


海老名「私は一途でしつこいだなんて、私が一番びっくりだけどね」


八幡(そう言う彼女の表情は何だか晴れやかだった)


八幡(俺もそんな彼女に応えるために答えを探していかないといけない)


八幡(でも、今はまだ…隣にいる海老名さんの温かさを感じながら、何気ない言葉を交わすのも悪くないと思うのだった)


今日はここまでです

すみません散々伸ばしたあげく
話は全く進まないわ、ぼぼ前回の更新と同じ内容だわ

イチャイチャはさせれたのでなんとか許していただきたいです

明日はちゃんと話が進むように頑張っていきます


八幡(そうこうしているうちに6時間目も終わる)


八幡(海老名さんは抱きついていた腕を離し立ち上がる)


海老名「じゃあ、私はカバン取ってくるからね。ついでに君のも取ってきてあげる」


八幡「…ああ、悪いな」


八幡(いえいえと言いながら海老名は教室に戻っていった)


八幡(彼女が教室に戻ってから数分後、奉仕部の扉が開く)


八幡(…お前はこんなに早く来ていたのか)


八幡(そこには奉仕部の部長である雪ノ下雪乃が少し驚いた表情を浮かべていた)


雪ノ下「…あなたの方が早いなんて…サボりかしら?」


八幡「まぁ、当たらずも遠からずってとこだな」


雪ノ下「そう」


八幡(雪ノ下はカバンを置くと、いつものように紅茶を入れだす)


雪ノ下「…あなたもいるかしら?」


八幡「…ん、あぁ、まぁ、ほしいな」


八幡(雪ノ下は慣れた手付きで紅茶を自分のティーカップと、紙コップに注ぐ)


雪ノ下「どうぞ」


八幡「悪いな」


八幡(それだけ言葉を交わすと雪ノ下はいつものように本を取りだし読み始める)


八幡(俺は特にすることもないので、頬杖をついて部室の黒板を眺めていた)


八幡(ちょうど猫舌の俺でも飲みやすくなった時間が過ぎたくらいに部室の扉が開く)


由比ヶ浜「やっはろ~♪」


雪ノ下「こんにちは由比ヶ浜さん」


八幡「…おう」


由比ヶ浜「あっ、ヒッキーなんで5時間目と6時間目いなかったし!!それに姫菜もいなかったし何か二人でしてたの?」


八幡「単純にサボりなだけだ。昼飯食い終わったら眠たくなったてな、少し寝ようとしたら6時間目途中まで寝てしまってただけだ」


八幡(海老名さんといたことは黙っておく方がいいだろうな…目の前の火に油を注ぐなんてしたくない)


由比ヶ浜「じゃあ、なんで姫菜もいなかったの?」


八幡「それこそ知るか、単に体調が悪くなったから保健室にでもいたんじゃねぇの?」


由比ヶ浜「そっかぁ…姫菜大丈夫かな?なんかちょっと教室の空気重かったし…」


八幡(さすがは得意技は空気を読むだけはあるな)


雪ノ下「海老名さん教室ではどうなのかしら?」


由比ヶ浜「…ちょっとね…なんか私たちのとこも来なくなったし、昨日もそうだけど今日も昼休みには何処かに行ってた…」


八幡(それは俺と昼飯食ってからな…なんてわざわざ言ったりはしない事態が面倒な方向にいくだけだ)


雪ノ下「やはり修学旅行のことがあるのかもしれないわね。あとはそこにいる比企谷君のせいかもしれないけど」


八幡「…別に俺は何もしてねぇよ…それこそ冤罪だ」


海老名「ところがそういうわけでとないんだなぁ」


少しだけ更新です

また考えがまとまったら投下していきます


海老名「はろはろ~」


八幡「…そうやって俺に罪を擦り付けるのやめてくれませんかね?」


海老名「ふふ、ごめんごめん。あっ、さっきのは冗談だから気にしないでね」


由比ヶ浜「あっ、姫菜大丈夫なの?5時間目からいなかったけど、ヒッキーがいうには体調悪かったかもしれないからって…」


八幡(ああ…ね。一緒にいたとは言うわけにはいかないだろうから嘘つきました…と思いを込めて一瞬だけ彼女に目を向ける)


海老名「あっ、ああ大丈夫だよ。ちょっと気持ち悪かったから保健室で休んでたの」


海老名「ちょっと溜まってたもの吐き出したらよくなったよ」


由比ヶ浜「そうなんだ…良かったぁ」


海老名「心配かけてごめんね結衣」


八幡(まぁ…吐き出したのは自分の苦悩だったが…それを知っているのは俺だけだが)


八幡(海老名さんはイスを取ると俺の隣に座るわけではなく由比ヶ浜の反対側に座った)


八幡(昨日みたいなことになると俺も胃にや精神にダメージがくるからな…主に正面の雪ノ下からだが…)


雪ノ下「何かしら失礼なことを考えられている気がするわ。ねぇ、比企谷君?」


八幡「…何も考えてねぇよ」


八幡(もうやだ…俺の周りにはエスパーしかいない)


八幡(もうそれ活かしてカウンセラーになれよ…ダメだカウンセリングするどころか相手の精神壊しかねないな)


八幡(そんなことを思っていると、ドアが無造作に開け放たれた)


三浦「……ちょっとたの…」


八幡(いきなりやってきたのは三浦だった。三浦は何か言いかけでいたが…視線の先の人間を見て固まっていた)


三浦「…海老名…なんで」


海老名「はろはろ~、優美子」


八幡(両者の反応は全く別のものだった)


八幡(三浦はここに海老名さんがいるとは思ってなったのだろう、驚きを隠せないでいる)


八幡(一方、海老名さんは今まで同じように明るくいつもの挨拶を返している。または、これもいつか来ると分かっていたからの反応かも知れないが…)


三浦「なんでここにあんたが…」


海老名「…言ってなかったね。私は奉仕部に入ったんだよ」


三浦「はぁ!!海老名なんで!?」


雪ノ下「ちょっと三浦さん落ち着いたらどうかしら?」


八幡(雪ノ下の言葉にイラッとしたのか三浦は雪ノ下をにらみつける)


三浦「あんたには関係ないし!!口出しすんのやめてくんない!?」


八幡(このままだと一向に話が進まないと思った俺は嫌々ながらも口を挟んだ)

八幡「…大方、お前は海老名さんを探してたか?または海老名さんが今何してるか探ってほしかった?違うか?」


八幡(今度は俺をにらつけてくる…内心すごいビクビクしながら次の言葉をまった)


三浦「…そうだよ…海老名が何考えてんのか確かめてほしかった。まさかここにいるとはあーしも思ってなかったけど…」




海老名「…用件は…まぁ聞くまでもないとは思うけどね」



三浦「あんたなんでここ最近あーしらといないし?それにメールも電話も無視するし…あんたなんかあったの?」


八幡(少し三浦は落ち着いたのか口調は先程とは柔らかくはなっていた。まぁ、不機嫌な感じはまだ残ってはいるが)


海老名「私が戸部くんの告白を断ったからだよ」


八幡(海老名さんは物怖じしないで淡々と事実だけを答える)


海老名「それに私は比企谷八幡くんが好きだからね」


三浦「はっ!?海老名がヒキオのこと!?あんたそれ」


海老名「本気だよ。いくら私でもこんなこと冗談じゃ言わない」


八幡(そう言い放った海老名さんは真っ直ぐに三浦をみつめる)


八幡(そんな海老名さんの態度に、三浦が俺に話していたことと被ったのか言葉をつまらせる)


三浦「…海老名がヒキオのこと好きなのは分かったし」


三浦「でも、それであーしらと離れることはなくない?確かに戸部とは居辛いかもしんないけど?」


海老名「戸部くんと居辛いから離れてるってわけじゃないよ。そうなら私が我慢すればいいだけだしね」


八幡(海老名さんの言ってる意味が分からないのか三浦は困惑している)


海老名「でもね優美子…居辛いから我慢して、今までのように振る舞って…それは仲良くしてるって言えるのかな?」


海老名「それは本当に本物っていえるかな?…極論だけどね」


八幡(海老名さんの独白に三浦は言葉をつまるだけじゃなくついに失ってしまった)


やっとなんとかまとまりましたので投下していきます


海老名「私は優美子たちが嫌いになったから離れたわけじゃないよ…まぁ、戸部くんは少しあったからあれだけど」


八幡(…あの放課後のことか)


海老名「優美子と結衣だけなら私は今までのようにいてもいいとは思ってるよ」


海老名「でも、あのグループとしてなら私はもう居られないの」


海老名「私は自分でも驚くくらいに一途でしつこいみたいだったからね」


三浦「…海老名の気持ちは分かったよ…本気でヒキオを好きってこともね」


三浦「でも、あーしは…あんたがいて隼人がいて結衣もいる今のあれが大事なんだし」


海老名「……ねぇ、優美子は葉山くんのこと好きだよね?」


八幡「…!?」
由比ヶ浜「…ひ、姫菜!?」
雪ノ下「………」


三浦「えっ!?それは…その…今の話に関係な」


海老名「答えて優美子。隼人くんのこと好き?」


八幡(海老名さんが有無を言わせず問い詰めていく)


三浦「……そうだけど…あーしは隼人のこと…好きだけど、でも今それは関係ないし!!」


八幡(まぁ、確かにな…三浦が話していたのはあのグループのことであって)


八幡(三浦が葉山に対してどう思っているかではないからな)


海老名「…例えばね。隼人くんが優美子のこと好きで、でも、付き合うならあのグループには居られないってなったらどうするの?」


三浦「そ、そんなこと隼人が言うわけ…!」


海老名「例えばだからね。確かに葉山くんならそんなことは言わないと思うよ。今のグループが大事だとは思ってるだろうから」


海老名「でも、もしそうなったとして優美子はあそこから離れることが出来る?」


三浦「……それは…隼人が言うなら…でも、あーしは…」


海老名「今を壊してそうなる覚悟が優美子にはある?私はね覚悟したの戸部くんを振って…彼に好きだと伝えたときから」


三浦「……!!海老名…」


八幡「……もう、それくらいでいいだろ」


八幡(三浦もここまで海老名さんに問い詰められるなんて考えてもみなかったのだろう)


八幡(目には涙を浮かべていて、今にも溢れそうになっていた)


八幡「…三浦もそろそろ限界みたいだしな…」


三浦「なっ!?ヒキオに心配される筋合いなんて」


八幡「別に心配とかじゃねぇよ。俺からしたら葉山たちがどうなろうと対した意味はない。由比ヶ浜には悪いがな…」


由比ヶ浜「……ヒッキー…」


八幡「でも、今のお前じゃ多分海老名さんの覚悟を崩せやしねぇよ」


八幡(三浦はあの場所を崩すことを躊躇った…葉山と天秤にかけられてもだ)


八幡(本来そんなことを天秤にかけるものじゃないのかもしれない)


八幡(だが海老名さんはそれをしたのだ…かけることすら間違ってるかもしれないことを)


八幡(壊してしまうと分かっていても…それがどれだけ自分の心を痛めつけて踏みにじると分かっていても)


八幡(自分だけじゃなく…周囲を傷つけることも…彼女は分かっていてもだ)


八幡「納得しろなんて俺は言えねぇし。そもそも納得出来るものでもないだろ」


三浦「…あーしは海老名とまだ…」


八幡「お前が本当に海老名さんといたいなら…今度は海老名さんに踏み込んでいかないとダメなのかもな…」


八幡「それが彼女がいう『本物』なのかもしれないしな…」


八幡「…俺がこんなこと言っても信じられないだろうから…ここからは海老名さんに直接聞いたらいい」



八幡(俺はイスから立ち上がるとドアに向かう)


八幡「それと…海老名さんもちゃんと話せよ。誰かを遠ざけるなんて回りくどいことは俺の専売特許だからな」


海老名「…気付いてたんだね。まぁ、君ならそれくらい分かるか」


海老名「うん、今度はちゃんと話すよ。遠ざけもしないし逃げもしないよ」


八幡「そうか…なら…まぁ頑張れよ」


八幡(俺は奉仕部の外に出た。これから話すことは彼女たちの問題であり、俺が出る幕はこれ以上ないからだ)


八幡(…さてと、どうするかねぇ)


八幡(とりあえずマッ缶買いにいくか)


八幡(柄にもないことはやはりするものじゃないと改めて思いながら、俺は自販機に向かっていった)


今日はここまでです
なんか話がグダクダで申し訳ないです…

もっときれいにまとめれたらいいんですが
エタる人の気持ちがなんとなく分かりました
けど、なんとか完結はさせれるよう頑張っていきます


海老名「さてと、彼にもお膳立てされちゃったし話そっか」


雪ノ下「話すのはいいのだけれどあなたたちの問題に私がいる必要性はあるかしら?」


海老名「いいよいいよ…それに雪ノ下さんにも確かめたいことはあるしね」


海老名「それにいざとなったら止めてくれるでしょ?」


雪ノ下「…あなたと話していると何だか色々と見透かされる気がするわ」


海老名「そんなことないよ。あくまで私が分かるのは私が考えてたことだけだからね」


三浦「なんでもいいけど、さっさと本題に入れし」


海老名「…うん、そうだね」


海老名「さっきも言った通り私は彼のことが好きなの」


三浦「あーしにはそれがよく分かんないんだけど」


海老名(彼のことをそういった対象だということは、普通に考えたらあり得ないのかもしれない)


海老名「なんていうのかな…不思議な魅力みたいなものがあるんだよね」


海老名「多分…結衣や雪ノ下さんには分かると思うけど」


由比ヶ浜「…!?」
雪ノ下「……」


海老名「なんだろうなぁ…言葉じゃ上手く伝えられないけど。彼を見てると自分にないものを見せつけられてる感じ」


海老名(そう私は傷つけて…傷ついてそれで得ようとするのは自分のためのことだけど)


海老名(あの時の彼は傷ついて…そして自分以外を傷つかないようにしてたはず)


由比ヶ浜「ヒッキーは…自分大好きとか言ってるけど、いつも結局は自分のことなんかどうでもよく扱うよね」


雪ノ下「……そうね。彼があなたの依頼を果たそうとしたときもそうだったわね」


三浦「依頼?海老名あんた何か頼んでたの?」


三浦「やたらと戸部とあんたを一緒にいさそうとはしてたから、戸部が何か頼んでたかとは思ってたんだけど?」


海老名「私は戸部くんの告白を防いでほしいって頼んだの」


海老名「厳密には内容は違うけど彼はちゃんとそのことを分かっててくれたから」


三浦「でもそれをヒキオに頼むことなくない?自分で今は付き合えないって言えばいい」


海老名「…そうするとね。結局は壊れちゃうからだよ」


海老名「前に優美子、私に男の子勧めてきたよね。あの時私は本当にどうなってもいいって思ってたから」


三浦「…それは!?…悪かったと思ってるし」


海老名「今はもう気にしてないから大丈夫だよ。でも、葉山くんはきっと今が壊れることが嫌だったんだろうね」


海老名「私もね…最初は今のこの関係はいいなって思ってたの」


海老名「でも、それじゃあきっと彼には届かないから」


海老名「私はずるいから…彼に届きたいって我が儘で今を壊そうと…ううん、もう壊しちゃった…」


海老名(今の私の顔はどんなのかは私は分からなかったけど、私を見るみんなの表情がそれを物語ってくれていた)


海老名(きっとあの時、優美子に男の子を勧められた時と同じような…)


由比ヶ浜「…姫菜…泣くの我慢なんかしなくていいよ」


海老名「えっ?やだなぁ結衣今の私は泣いてなんか」


海老名(その時、頬を何か温かいものが落ちっていった)


海老名「違うの…私は泣いてなんか…私は酷いからみんなを戸部くんや葉山くんを傷つけて…でもそれすら私は」


三浦「辛いの我慢してまで自分を悪者になんかしなくていいし!!」


海老名(突然の優美子の叫びに私や結衣は当然、あの雪ノ下さんさえ驚いていた)


三浦「あーしは…あーしは分かってあげれなかった。あんたがそんなに思い詰めてるなんて…どれだけ辛かったなんて…」


三浦「あーしは今があったら、それでよくて…でもあんたはそれを壊してでも…ヒキオといたくて…」


海老名「違うの…私は悲劇のヒロインになりたいわけじゃないの!!」


三浦「違わないし!!あんたは辛くて苦しくて…」


三浦「あーしらと一緒にいられなくなるって分かっても、必死にヒキオに近づこうと頑張ってたし!!」


三浦「あんたはヒキオのヒロインになりたかっただけだし!!女の子が好きな人に本気になって悪いわけない!!」


海老名「…でも……でももう私は…私は…っ」


海老名(抑えこんでいた全てが溢れだした気がした。こんなにも真っ直ぐ私を優美子は見てくれた)


三浦「あーしもヒキオに言われて気がついたし、海老名のこと本当に分かってあげようとしてなかったことに…」


三浦「あーしは今が大事。それに嘘なんてつけない」


三浦「でも、え…姫菜のことも同じくらい大事だし!!」


三浦「姫菜だけじゃない、結衣も大事で!!…だから私はあんたたちと離れたくないし!!」


三浦「辛いなら辛いって言ってほしい…あーしじゃなにも…で、出来ないかも…しれない…けど」


海老名(優美子が涙ながらに語りかけてくる。そんな姿を結衣も涙ながらに見守ってくれて、雪ノ下さんは私たちを労るように優しい視線を送ってくれている)


三浦「あんたが本物がほしいなら、あーしが本物になれるように頑張るから」


三浦「姫菜だけ…辛い思いしてるなんて!!そんなの…そんな嫌だし…」




ひとまずここまでです
あーしさんの口調がよく分かりません…

書いてるとテンション上がって
変なことになってるかもしるないです
読みづらかったりわけわからなかったらすみません


雪ノ下「もういいのよ三浦さん…」


海老名(私はぐしゃぐしゃになった顔を上げて、目の前にある光景に驚いた)


海老名(雪ノ下さんが泣きじゃくる優美子を優しく抱きしめていたのだ)


雪ノ下「あなたの思いはちゃんと海老名さんに届いているはずよ」


雪ノ下「あなたまで彼女のように傷を被ろうとしなくていいの」


三浦「でも…でも、それじゃあ!!あーしはまだ姫菜の気持ちが…」


雪ノ下「…私には彼女の気持ちは分からないわ。だから私があなたに何を言っても信じてもらえないかもしれない」


雪ノ下「でも彼女はあなたはあなたのままでいてほしいと願ってるはずよ」


三浦「………っ!!…ぅん…」


雪ノ下「…私も…いえ私たちも彼女に気付かされたの…そしてあなたにも…彼にこれからどうしていくのか」


雪ノ下「………それがどんな結果になっても私たちも覚悟しないといけない」


由比ヶ浜「ゆきのん…」


雪ノ下「三浦さんは覚悟をしようとした…そして海老名さんの『本物』になろうとした」


雪ノ下「今度は私たちの番のようね。由比ヶ浜さん」


由比ヶ浜「…うん…私もヒッキーと…そしてゆきのんとも姫菜とも優美子とも…もっともっと知りたいよ」


・・・・・・・・・・

八幡(彼女たちはどうこれから変わっていくのだろうか)


八幡(屋上で肌寒いと感じる風を受け、俺はマッ缶を飲みながらぼんやりとそんなことを考えていた)


八幡(きっと海老名さんと三浦は近づいていくのだろう)


八幡(今までのように踏み込まず、踏み込ませず…そんな垣根など乗り越えて)


八幡(それが俺にはひどく眩しく見えてしまう…)


平塚「君は彼女に対して正しい答えを導いたのかもな」


八幡「そんな大それたことじゃないですよ…」


八幡(今日は本当にこの人とよく絡む日だ)


八幡「…てか、先生あの場を見てたんすか?」


平塚「いや、そんなことはないよ。ただ海老名が奉仕部に入部を申し込んだときに薄々こうなると思ってはいたさ」


平塚「言っただろう。海老名が入ることでいい結果が出るかもとな」


平塚「私の賭けはどうやら上手くいったようだ」


八幡「結局は俺たちは先生の筋書き通りに動いてたってことっすか?」


平塚「そういうわけではないよ。これは賭けだったからな、外れれば損するだけだよ」


八幡「なら先生は大穴中の大穴を当てたってことですね…」


平塚「そういうことになるな。全く君には驚かされるよ」


八幡(ポケットから煙草を取りだし、火を点ける。紫煙と夕暮れ時の暗さであまり見えないが、何だか嬉しそうに笑っている)


平塚「彼女たちは変わっていくだろう。それが、いい方向に進むかは彼女たち次第だが」


平塚「そして…その導火線は海老名で、火は君だった」


平塚「君は変化を拒むかもしれないが…彼女たちはもうそれを許してくれないかもな」


八幡「……そうですね…」


平塚「ほう、君にしては随分受け入れるのが早いな」


八幡「…逃げるなんて出来そうにないですからね…」


平塚「君もついに観念したということか」


八幡(平塚は楽しそうに笑顔を見せる。そうやってしていたら可愛いから、早く誰かもらってあげて!!)


八幡「そういうわけじゃないっすよ…」


八幡「ただ、俺も…覚悟しないといけないって思っただけですよ…」


八幡(先生は吸い終わった煙草を携帯灰皿に入れて、さっきよりも柔和な笑顔で俺の肩を叩く)


平塚「それを観念したというんだよ。やはり彼女を入れて良かった」


平塚「変わらないこと自体は悪くないさ…だが変わらないと見えないものもあるさ」


八幡「……それが例え悪い結果になったとしても」


平塚「ああ、悪い結果になったことが見えるからな」


八幡「…先生と言葉遊びをしても勝てそうにないから、これ以上はやめときますよ…」


平塚「ふふ、そうだな。いくら君が国語の成績が3位でも、生徒に、それも私の教科で負けるわけにはいかないからな」


八幡「…それもそうですね」


八幡(他愛ない話をしながら俺は彼女たちが、どんな答えを見つけだすのか)


八幡(それを考えながら、俺もこれからどうしていくのか考えるのだった)


今日はここまでです
やっと話が進みました
でもいつになったらイチャイチャするんだろう…

なんか色々書いて自分が何書いてるのかも分からなくなってきましたw

平塚先生出てばかりですね
八幡と平塚先生の絡みが一番多い気が…


投下していきます
シリアスは書いてると疲れますね

早くラブコメさせれるよう頑張っていきます


八幡(平塚先生との会話を終え、俺は特別棟の廊下を歩いている)


八幡(完全下校時間にはまだ時間があるが、それなりに時間は経っていた)


八幡(奉仕部の前に来ると、とりあえずノックをした。まだ、取り込み中でいきなり入って変な空気になるのは嫌だったからな)



八幡(雪ノ下からどうぞという言葉が聞こえてきたので、ドアを開けて中に入る)


雪ノ下「あら、戻ってきたのね」


八幡「そりゃな…カバンもここに置いてあるままだし」


八幡(俺は少しだけ様子を見たあと、自分の定位置であるイスに座る)


八幡(俺が出ていったときのメンバーがいる状況は変わってなかった)


八幡(だが、出ていったときと雰囲気は全然違っている)


八幡(海老名さんはまた泣いたのか目が赤くなっていたし、三浦も化粧が崩れ落ちていた)


八幡(それでも何だか晴れやかな顔をしているのは…俺が知らない時間の中で、彼女たちは越えていったのだろう)


三浦「ヒキオ」


八幡「……なんだよ」


八幡(まさかの一発目が三浦とは思ってなかったため少し反応にかかってしまった)


三浦「……あんたのおかげで…姫菜の気持ち少し分かったし…だから、その…ありがと」


八幡「…別に何もしてねぇよ」


八幡(そう、俺は別に何もしていない。ただ話すように言っただけだ)


八幡(そこから答えを出したのは、彼女たちが自分の想いを相手に伝えたからだ)


三浦「それでもあんたがいなかったら分からなかったままだし…だから、ありがと」


八幡「…ああ」


八幡(俺は短くそれだけ応える)


三浦「でも、あんたはこれから大変だから」


八幡「はぁ?どういうことだ」


八幡(俺が大変とは全くもって分からなかった。俺は今回のことに、きっかけは与えたかもしれないが直接は関わってはいない)


八幡(海老名さんのことでか?)


八幡(そんなことを思っていると、わけが分からない俺に海老名さんが説明してくれる)


海老名「えっとね。みんな自分の気持ちに正直になろうって決めたから」


八幡(…説明になっていなかった。正直になったから今の状態になったのではないのだろうか?)


海老名「うんと、それは二人から教えてくれるよ」


八幡(確かにこれからどうしていくのかは考えてはいくつもりだ)


八幡(それこと海老名さんや三浦のように越えていかないといけないとこもあるだろう)


八幡(しかし、海老名さんや三浦はそういったことを言っているわけではなさそうだ)


雪ノ下「比企谷君」
由比ヶ浜「ヒッキー!!」


八幡「うおっ、なんだよ!?」


八幡(由比ヶ浜は顔を赤くして、雪ノ下も少しだけ焦っているように見える)


八幡(……それに、海老名さんと三浦が何故かニヤニヤとしながらこっちも見ている。あーしさんそんな顔も出来たんすね…)


雪ノ下「私たちもさっき彼女が言ったように正直になろうと決めたのよ」


由比ヶ浜「…うん、だから、恥ずかしいけどあたしも頑張るから」


八幡「…だから、何に正直になるのか、何に頑張るのか説明してくれ」


八幡(雪ノ下も由比ヶ浜も何度も何かを言おうとはするが結局言えず。そんな俺たちをみて三浦が呆れたように呟く)


三浦「…はぁ、だからヒキオはヒキオなんだし」


海老名「まぁまぁ、そこがいいとこでもあるよ。でも、ここまで言われて分からないなんて察しが悪すぎるのは否めないけどね」


八幡「…なんで急に貶められらないとダメなんですかね…」


海老名「ふふ、ごめんごめん。ほら、彼にはちゃんと言わないと分からないよ」


雪ノ下「…そのようね。少しは由比ヶ浜さんの空気を読むということ覚えてほしいと思うのだけれど、それは高望みね」


八幡「…いや、俺以上に空気読んでるやついないから、それに空気読みすぎて俺自身が空気になってるまである」


由比ヶ浜「ヒッキーそれ誰にも見られてないじゃん…」


八幡(戯れ言を交わす俺たちに痺れを切らしたのか、三浦が発破をかけるように言ってくる)


三浦「これじゃあ姫菜の一人勝ちになるし、一人勝ちって不戦勝だね」


雪ノ下「ちょっと待ちなさい三浦さん。私が海老名さんに負けるということかしら?」


三浦「負けるも何も雪ノ下さんも結衣も勝負になるまでいってないし」


八幡(三浦は悪い笑顔を見せながら挑発するように二人に話す)


八幡(いつも雪ノ下に言い負かされてきて、反撃出来るのが嬉しいのか三浦は嬉々としている)


三浦「まぁ、あーしは姫菜が勝てるなら全然いいけど」


雪ノ下「……そうね何時までもこうしていても埒があかないのは確かね」


由比ヶ浜「うぅ、あたしももうはっきり決めたし!!」


雪ノ下「比企谷君!!」
由比ヶ浜「ヒッキー!!」
















雪ノ下「あなたのことが好きです。付き合って下さい」


由比ヶ浜「ずっと前から好きでした。付き合って下さい!!」


ひとまずここまでです
やっとこラブコメ展開ですよ

黒海老名さんはもう出ないといいなぁ…

またまとまったら投下していきます


少しだけ投下していきます

終わりがいつになったら迎えるんだろうか…


八幡「…………はっ?」


八幡(いや、何かすごい信じられないことが耳にないってきた気がするが…ついに幻聴まで…)


雪ノ下「あら聞こえてなかったのかしら?ならもう一度…」


八幡「い、いや、まて、雪ノ下!!聞こえてるから!!ちょっとまってくれ」


八幡(えっ、なに?二人とも俺のこと好きって…きっとあれだ奉仕部だからとかそういう)


雪ノ下「私も由比ヶ浜さんもLOVEの方であなたが好きよ。だから付き合って下さいと言ったでしょう」


由比ヶ浜「まぁ、ヒッキーだしね。そんな簡単に信じてもらえないよねぇ」


八幡「いや、お前らなんで…」


雪ノ下「理由なら簡単よ。私はあなたに助けられてきたし、それにあなたは私を私として見てくれた」


雪ノ下「姉さんと私を一緒として見なかった。今でも覚えているわ『笑った顔が全然違うだろ』と言ってくれたこと」


八幡「…そりゃ、お前とあの人は違うだろ…そんな当たり前のことで」


雪ノ下「当たり前のことが、その人の境遇によったら当たり前じゃないのよ」


雪ノ下「もう一度言うわ。あなたは私を見てくれた。それだけのことで私はたまらなく嬉しいの」


雪ノ下「好きになるには充分な理由だと思うのだけれど?まだ足りないかしら…?」


八幡「いや、大丈夫だから!?充分だから!?」


三浦「へぇ、ヒキオもそんなに風に慌てんだね」


八幡「いや、普通に慌てるだろ!?」


八幡(いきなりこんな状況になって慌てない方がおかしいだろ!?)


八幡(今まで同じ部活ってだけだったのにいきなり告白されるんだぞ!!しかも二人から!!)


雪ノ下「じゃあ、次は由比ヶ浜さんの番ね」


八幡「まて、由比ヶ浜も…その理由を…」


由比ヶ浜「だって言わないとヒッキー信じてくれないし、ゆきのんにだけ言わすのは何かフェアじゃないし」


由比ヶ浜「えっと…ヒッキーのこと好きになった時は…ごめんねよく分かんないの」


由比ヶ浜「気付いたら…その好きで。きっかけはそれはサブレ助けてくれたことだけど」


由比ヶ浜「でもでも、それだけじゃなくて!!ヒッキーの頑張ってる姿見てるとかっこいいって思うし」


由比ヶ浜「優しいとこもあるし、今回だって姫菜と優美子のこと助けてくれて」


由比ヶ浜「それからそれから…」


八幡「分かったから!!もう分かったから落ち着け」


由比ヶ浜「とにかくいっぱいヒッキーのこと好きなの!!」


由比ヶ浜「ゆきのんにも姫菜にもこの気持ちは絶対に負けない!!」


八幡「……っ!?」


八幡(すごい顔が熱くなってくるのを感じる)


八幡(二人ともこれだけ言ってくれているのだ。もう冗談で言ってるのではないとは分かっている)


海老名「すぐになんて無理だよね」


八幡(今まで雪ノ下と由比ヶ浜の独白を黙って聞いていた海老名さんが口を開く)


海老名「いきなりだもんね。それに私もいれたら女の子三人に詰め寄られてるわけだし……」


八幡(ぼそりと詰め寄られるなら、男の子にも詰め寄られてよって聞こえたが気のせいだろう…)


海老名「今、決めてなんて言わないよ。それは二人とも話したことだから…ね」


八幡(雪ノ下と由比ヶ浜は海老名さんの言葉に頷く)


本日はここまでです

ハーレムっぽくなりそうですが
今のところハーレムにはいく気はないです

てかもうすぐ400いくんですけど
ここまでなるとは思ってなかった…


本当に少しだけですが投下します

まさか殆ど考える時間ないとは…
シルバーウィークも休みないし

だらだらとしてすみません


八幡「…そんなこと言ったらいつまでも決めないかもしれないぞ」


雪ノ下「言っておくけど、自分に悪評を集める画策をしても無駄よ」


海老名「そうそう。そんなことしても私たちが君を信じてる限り意味ないしね」


由比ヶ浜「ヒッキーがみんなから何て言われても、あたしたちはヒッキーのこと好きでいるから」


八幡(たく…なんでこうエスパーが増えるんですかね)


八幡「…分かったよ…答えはちゃんと出すから」


八幡「待たせてしまうが…悪いな」


由比ヶ浜「誰が選ばれても、誰かも選ばれなくても、どんな結果でもヒッキーが決めたことなら受け入れるよ」


雪ノ下「あなたにはこんなに女の子から言い寄られるなんてこと、これから二度とないだろうからじっくり考えなさい」


海老名「もちろん私たち以外に好きな人いるとかなら
仕方ないけどね」


八幡「…んなもんいないから、ちゃんと考えはだす」


八幡(もしかしたら誰とも付き合わないってことになるかもしれない)


八幡(それに誰かを選ぶということは…他の二人を傷つけてしまうことになるかもしれない)


八幡(だけど、彼女たちはそれを全て分かっているのに、俺に真っ直ぐ想いをぶつけてくれている)


八幡(その想いに応えないことが、どんなことよりも彼女たちを裏切ることになってしまうくらいは俺にでも分かる)


すみません本当にこれだけです

海老名さんとのイチャイチャなら考えたんですが
そこまでもっていくのが…全く浮かばない


少しだけ投下していきます
シルバーウィークなんてなかったんや…

溜めて投下するほうがいいんですかね?


八幡「…さっきも言ったがしっかり考えるから待っててくれ。出来るだけ早く結論は出せるようにするから」


八幡(こんなことは雪ノ下が言っていたように、これから先あることはないだろう)


八幡(俺の言葉に彼女たちは頷いてくれる)


八幡(彼女たちのためにも今までのように逃げることも…気持ちに向き合おうとしないことも出来ないのだ)


八幡「これじゃあ…ぼっちなんて言えねぇな…」


八幡(呟いた言葉は今度は誰の耳にも入らなかったのか、返答はなかった)


・・・・・・・・・・


八幡(あれから数日が経った)


八幡(海老名さんは元のグループにはいないものの、三浦や由比ヶ浜とはクラスでも談笑したりしている)


八幡(最近では主に川…川……川なんとかさんと一緒にいることをよく見かけるようにはなったが)


八幡(川なんとかさんは鬱陶しそうにしながらも、何だかんだでそれを受け入れているみたいで)


八幡(一緒に昼飯を食ったりしていることもあるみたいだし、仲良くしているようだ)


八幡(奉仕部では特に変わったことはない。多少…俺の近くに三人が寄ってくるようになったこと以外は…だが)


八幡(海老名さんが俺には変に態度で示すよりも、直接的にいったほうが効果があると二人にも言ってしまったからだ)


八幡(私だけが弱点を知ってるのはフェアじゃないとのことらしいが)


八幡(俺は毎日の部活でどぎまぎしないといけないので出来るだけ勘弁していただきたい…確かに役得ではあるが…)


八幡(おかげでゆっくり出来る場所が家くらいしかなかったのだが…)


八幡「…えっと…何でこうなったんですかね?」


海老名「ん?私が来ちゃダメだったかな?」


八幡「そういうわけではないんだが…なんで俺の家に来たんだ?」


海老名「えっ、お泊まりしに」


八幡(はっ…?今何て言ったんだ)


八幡「いや…俺は某難聴主人公ではないんだが、難聴になってしまったようだ」


八幡「もう一度何しに来たか教えてくれないか?」


海老名「だから、お泊まりしに来たんだよ。ちゃんと小町ちゃんには許可取ってるよ」


八幡(…気のせいじゃなかった。えっ、いきなり来てお泊まりとか急展開過ぎません?)


八幡(こんなライブ感あるのは、死神代行が出てくる少年マンガだけでいいよ)


八幡(いつから遊びに来ただけだと錯覚してした。完全催眠レベルじゃね?)


八幡(わけわからなすぎて何考えてるか俺すら分からなくなってきた)


八幡「……小町」


小町「小町的には小町が海老名さんと仲良くなれると思って許可しました♪」


海老名「いきなりでごめんね?迷惑だったかな…?」


八幡(そんな風に悲しそうにするのは反則なんですが…)


八幡「……分かったよ。てか、俺はこの家での発言権なんてないからな」


八幡「…小町が決めたなら、仕方ない」


小町「さすがお兄ちゃん♪よく分かってる」


八幡(そもそも…発言権がないのは本当だしな。カマクラにすら俺は地位的に負けてるまである)


小町「じゃあ、海老名さん。小町の部屋に行きましょう♪」


海老名「うん、いいよ。また後でね。八幡くん」


小町「……ほほう。これはお兄ちゃんに聞いたことよりも色々聞かないとダメみたいだね」


八幡「…あんまりあれこれ聞き出そうとするなよ」


八幡(分かってるよーって言いながら小町は海老名さんを連れて自室に戻っていった)


今のところここまでです
全然更新出来ずすみません

お泊まり回です
これは最初から入れるつもりでした


少しだけ投下していきます
誰かシルバーウィークさせてください

何でもしますから…


八幡(若干、今日の部活中もそわそわとしていたのはこういうことだったのか)


八幡(いきなり来たというのに小町は特に驚いた様子もなかったのは)


八幡(小町の連絡先は雪ノ下の由比ヶ浜にでも聞いて、前からこのことを計画していたんだろうな)


八幡(まぁ、泊まりに来たからといって俺から特に何もしなければいいだけだ)


八幡(小町にはああ言ったが、多分根掘り葉掘り聞くだろうからな)


八幡(ある程度の時間は小町に捕まってるはずだ)


八幡(明日が休日ってのも狙ってたんだろうな…これは小町だけかもしれないが)


八幡「……とりあえず風呂入るか…」


八幡(誰にいうわけでもないがそう呟いて、俺は風呂場に向かっていった)


海老名「急に来て迷惑じゃなかったかな?」


小町「大丈夫ですよ。兄も何だかんだで受け入れてましたし」


海老名(私は結衣から小町ちゃんの連絡先を聞いて、小町ちゃんにこの事を提案してみた)


海老名(断られるかなと思っていたけど、予想に反して二つ返事で了承してくれた)


小町「それに小町も思わぬダークホースの海老名さんに色々聞きたいですしね」


海老名「やっぱりそうなるよね」


海老名(多分、そんなことになると分かってはいた。それでも今更誰かに知られて恥ずかしいとは思わないけど)


海老名(それに、小町ちゃんと仲良くなってるほうが色々といいだろうしね)


小町「それでそれで兄のこといつから好きで、どこが良かったんですか!!」


海老名(小町ちゃんは目をキラキラさせながら私に問いかけてきた)


海老名(確かに雪ノ下さんや結衣が言ってたように、彼の妹とは思えないくらい社交的だ)


海老名「うーん、いつって言われてもなぁ…自覚したのは文化祭からだけど、その前から気にはなってたし」


小町「もしかして千葉村の時もですか?」


海老名「そうだよ。もっというなら、気になったのはクラスが一緒になって少し経ったくらいかな」


小町「えっ、そうだったんですか!?」


海老名(小町ちゃんが驚いた表情を浮かべる)


海老名(あの二人もこのこと言ったらビックリしてたし、そんなに驚愕することなのかな?)


海老名「どこが良かったっていうのは…彼のわかりづらい優しさとか、何だかんだ言いながら頑張ってるとことか」


海老名「顔だけってわけじゃないけど、結構よく見るとカッコいいし、目が腐ってるのも私も『腐ってる』から特に気にならないし」


海老名「読書してるときの表情はいつもと違う雰囲気あってそれもいいし」


海老名「それから…」


小町「ストップ!!ストップです海老名さん!!一体何個出るんですか!?」


海老名「えっ?まだあるけどもういいの?」


海老名(強いていうならってとこがなかったから、とりあえず色々出してみたけれどダメだったのかな?)


小町「…いやぁ、まさか小町もここまでとは思ってなくて…」


海老名「それくらいじゃないと彼は振り向いてもくれないだろうしね」


小町「……おおう、まさかこんなに兄の特性分かってるとは…」


海老名「聞いたことはないけど、彼が黒歴史って言ってるやつが関係してるのかなって」


小町「…それは…」


海老名「大丈夫。それを聞こうとは思わないよ。彼が自分から言ってくれるなら聞くけどね」


小町「……ありがとうございます…」


海老名(あそこまで元気に私と話していた小町ちゃんがこうなるってことは)


海老名(…そんなこと考えるのはやめよう)


海老名(私がどう思ったって彼の過去が変わるわけではないのだ)


海老名「大丈夫。私はちゃんと彼のことが好きだから」


海老名「強力なライバルが二人も…いやぁもしからしたら三人かもしれないけど」


小町「やっぱりあの二人もそうなんですね。でも、じゃああと一人って?」


海老名「それはちょっと教えられないかな。まだそうってわけじゃないし、そうだったとしてもね」


海老名(多分…そうなんだとは思うけど、彼の話出すとぶっきらぼうにしながらも嬉しそうだしね)


小町「そうですかぁ、いやぁ、いつの間にこんなにお兄ちゃんがモテモテになったなんて驚きですよ」


小町「お兄ちゃんが幸せならそれでいいんですけどね。あっ、今の小町的に超ポイント高いです♪」


少ないですがここまでです

もう少し海老名さんと小町の会話続くかもしれません

何でもするって言ったよな…
サキサキの出番を増やすか平塚先生を結婚させてくれよ

>>404
サキサキはこれでは出ないかもしれません
出すならサキサキメインで書きたいです

平塚先生は…お察し下さい…


海老名「それでも彼と付き合えるかは彼次第なんだけどね」


海老名(彼の気持ちが誰に向かうかは彼が決めることで)


海老名(結衣みたいに素直で真っ直ぐで可愛らしいわけでもない。…あと一部分は完全敗北しているし)


海老名(雪ノ下さんみたいに凛としていて、綺麗で聡明なわけでもない)


海老名(そして何より、彼と過ごした時間は彼女たちの方が多い)


海老名「…やっぱり不安だよ。恋ってこんなに不安になるもんなんだね…」


小町「絶対にいけますなんて言えないですからね…海老名さんだけなら押したらいつかはいけたかもしれないですけど」


海老名「まぁ、焚き付けたのは私なところもあるから頑張るしかないよ」


海老名「彼を想う気持ちは負ける気ないからね」


小町「おお…その意気ですよ海老名さん!!」


小町「お兄ちゃんにこんなに素敵なお嫁さん候補が出来るなんて小町も嬉しいです♪」


海老名「…ちょっと!?お嫁さん候補って飛躍しすぎじゃないかな!?」


海老名(そんなとこまで考えたことなんて…ああ…そういえばあるかもしれない…)


海老名(アレをしてた時に何故か変なテンションになってそんなことを妄想してた気が……)


海老名「ほ、ほらっ!とりあえずは彼と付き合えないとね!!」


海老名「……それはそれでいいかもしれないけど」ボソッ


小町「これはかなり期待できそうですね♪」


海老名「……とにかく少しでもこの機会に彼に近付かないとね」


小町「そのために泊まりに来たんですもんね。ここまでするなんて予想外でしたけど」


海老名「やっぱり彼は受けだろうから攻めないとね…ぐ腐腐」


海老名(おっと…いけないつい腐女子が入ってしまった)


海老名(小町ちゃんの前では出来るだけ出さないようにしようと決めてたんだけど)


小町「はは、大丈夫ですよ。兄から海老名さんはそういうのだって聞いてますから」


海老名「そうなの?でもなるべく出さないようにはするね」


小町「気遣いも出来るなんてますますポイント高いですよ」


海老名「ふふ、ありがとうね」


海老名(ここに来ることが少し怖かったけど、どうやら杞憂に終わったみたいで良かった)


小町「そろそろいい時間ですしお風呂どうですか?」


海老名「そうだね。入りたいけど…でもいいの?あんまり泊まりとかしたことないから勝手がわからなくて」


小町「全然いいですよ。じゃあ、案内しますね。あっ、小町は後でもいいですからお先にどうぞ」


海老名「そう?じゃあお言葉に甘えようかな」


海老名(私は持ってきた着替えを持って、小町ちゃんに連れられてお風呂場に行くのだった)


今日はここまでです
明日も出来たら更新していきたいと思います

相模かサキサキのSS書いてみたいです
これ完結したらいけたらいこう…


なかなか投下出来ずすみません
少しだけですが投下します

いろはすはこの話では出て来ないです
申し訳ないです


八幡(風呂場に行った後、自室から着替えを持ってきてないことに気付いた)


八幡(取りに戻り、いつものジャージと下着を持って風呂場の戸を開けると)




海老名「…えっ?」


八幡「…はっ?」


八幡「…………」
海老名「…………」


八幡(えっと…これは…)


八幡(理解するのに少しだけ時間がかかったが…)


海老名「…きゃっ!!えっなんで!?」


八幡「すまん!!わざとじゃないんだ!!」


八幡(俺は叫んだような声を上げて戸を閉める)


八幡(ちょっと待てよ…こんな展開どこのスクエアの漫画だよ!?)


八幡(確認するの怠った俺も悪いのかもしれないが、てか明らかに俺が悪いですね)


海老名「…えっと、先にお風呂頂いてもいいかな?」


八幡(戸を挟んで遠慮がちに海老名さんが聞いてくる)


八幡「あ、ああ…分かった!!出たら声かけてくれ」


八幡(あちらからも分かったと答えが返ってきて、俺はまた自室に戻り、ベットに突っ伏す)


八幡(やっちまったやっちまったやっちまったやっちまった)


八幡(こんな社会的に抹殺されないことをしてしまうとは)


八幡(忘れろ忘れろって思いながらも先程見た光景が浮かんできてしまう)


八幡(少ししか見えなかったが、小柄ながらも均整がとれた身体付きとか水色の布地とか…)


八幡(ダメだダメだ!!ちゃんと忘れないと!!)


八幡(足をバタバタさせながら必死に頭から消し去ろうとする)


八幡(そんなことをしているとガチャリと音がした)


八幡(振り向くと小町が戸を少しだけ開けてこちらを窺ってきていた)


小町「……どしたのお兄ちゃん?大丈夫…?」


八幡「……そんな若干引きながら聞いてこなくてもいいんじゃないですかね…」


小町「いや、なんか音がしてると思って見に来たら」


小町「頭抱えながら足バタバタさせてる姿目に入ってきたら引くでしょ…」


八幡「……それはそうだが…」


小町「でしょ?まぁ、いいや。それで何かあったの?」


八幡(さすがにさっきのことを言うのは、引かれるどころの話ではないので悟られないように…)


八幡「い、いや…何もなかったぞ。決して水色が見えたとかそんなこと思ってないからな」


小町「水色?何のこと言ってるの?」


八幡(やべぇ…すごい墓穴掘っちまった!?)


八幡「と、とにかく何もなかったから!!」


小町「…怪しい…けど、いいや。そういえば今は海老名さんがお風呂入ってるから覗いたりしたらダメだよ」


八幡「…の、覗くわけねぇだろ!?馬鹿なこと言うなって!?」


八幡(実際はもうしてしまってるんですけどね…)


小町「……本当にダメだからね」


八幡(じとっとして目で俺を少し睨み付けた後、小町は部屋に戻っていった)


八幡(いや、あれはそんなつもりなかったから、事故だから…)


八幡(問い詰められることもなかったので何とかなったが…普通に怪しまれるよなぁ)


八幡(とりあえず頭冷やさないとな…)


八幡(今度は足をバタバタさせることなく、じっとしていたら控えめにノックの音が響く)


ひとまずここまでです

ラキスケって難しいですね…
気付いたら400いってた

このスレ内では完結させたい


全く更新出来ずにすみません
少しだけ投下していきます

リアルがもう少し落ち着いたら
投下ペース上がると思います


八幡「……はい」


海老名「…えっと、あ、あがったから…その…入ってきたら?」


八幡「…分かった」


海老名「じゃあ、私、小町ちゃんの部屋に行ってるから」


八幡(少し時間をおいて海老名さんがドアの前からいなくなったのを感じて)


八幡(俺は着替えを持って、また風呂場に向かっていった)


八幡(今度は一応ノックをして、中に誰もいないのを確認してから戸を開ける)


八幡「…はぁ…家にいるのに疲れた…」


八幡(ゆっくり湯に浸かってこの疲れを取ろう…)


・・・・・・・・・・

八幡(風呂からあがり、俺は買っていたマッ缶を持って自室に戻ってきた)


八幡(風呂で火照った身体にマッ缶の冷たさと甘さが染み渡る)


八幡(戻る途中に小町の部屋からは二人の笑い声が聞こえてきた)


八幡(仲良くやっているようで何よりだ)


八幡(マッ缶を飲み干し、俺は部屋の電気を消して、目を閉じて、ベットに身体を預ける)


八幡(………目まぐるしい毎日だ…)


八幡(あの奉仕部での件以来、変わってしまった環境に、俺自身まだついていけないところもある)


八幡(教室では戸塚としか話すことはほとんどなかったが)


八幡(海老名さんや由比ヶ浜も話しかけてくるようになり、たまに三浦までもが来る始末だ)


八幡(昼では奉仕部で食うことも多くなったし、物理的に距離が近いのはやめていただきたい…)


八幡(さらに運の悪いことに、その光景を見た平塚先生は)


平塚『…いつの間に君は楽園計画を推し進めていたんだ…?』


八幡(…と、若干、こめかみをヒキつかせながら、拳を握っているし…早く誰かもらってあげて!!俺のライフがなくなる前に!!)


八幡(…まぁ、そんな感じで変化しているのだが…)


八幡(さすがに今までぼっちだった奴が、いきなりこんな境遇になるのは色々と疲れもくる…)


八幡(周りからしたから贅沢な悩みだと言われるだろうが…)


八幡(しばらく目を閉じたままそんなことに耽っていると)


八幡(小さくガチャリと部屋の戸が開く音がした)


八幡(……まさか…な…)


八幡(俺はうっすらと目を開いて誰が来たのか確認する)


八幡(まぁ…そこにいたのはやはりというか案の定というか…海老名さんだった)


八幡(彼女は俺が寝ていると思っているのか、なるべく音を立てないようにしながら近づいてくる)


八幡(ベットのすぐ近くまで来ると、彼女が座りこむ気配がした)


八幡(しばらく目を閉じたままそんなことに耽っていると)


八幡(小さくガチャリと部屋の戸が開く音がした)


八幡(……まさか…な…)


八幡(俺はうっすらと目を開いて誰が来たのか確認する)


八幡(まぁ…そこにいたのはやはりというか案の定というか…海老名さんだった)


八幡(彼女は俺が寝ていると思っているのか、なるべく音を立てないようにしながら近づいてくる)


八幡(ベットのすぐ近くまで来ると、彼女が座りこむ気配がした)


海老名「……起きてる?」


八幡「………ああ」


八幡(…少しだけ間があって、再び彼女が口を開く)


海老名「ねぇ…こっち…向いてくれないかな?」


八幡(…俺はそれに返答はせず、無言で海老名さんの方に振り向く)


八幡(目を開けると、いつもと違い眼鏡を外している海老名さんがそこにいた)


海老名「…えへへ、来ちゃった…ってこういうときは言えばいいのかな?」


八幡「…あながち間違ってはいないな…」


八幡(暗い部屋の中、漏れている月の光に照らされている彼女の顔は)


八幡(眼鏡を外していることもあるのか、なんだか儚く見えた)


すみません同じ内容連投してしまいました

ひとまずここまでです
全然話が進まなくて申し訳ないです

落ち着いたらさっきもいいましたが
投下ペース上げていきたいです


少し投下していきます

今回はそこそこイチャイチャしてると思ういます
甘甘な展開って難しいですね


海老名「……なんか恥ずかしいね…眼鏡かけてないのもそうだけど」


海老名「こんな風に二人っきりでいるのも…」


八幡(少しずつ海老名さんの顔が朱色に染まっていく)


八幡(多分、俺の顔も海老名さんの表情に比例して、同じようになっていることだろう)


海老名(でも…嬉しいよ。君とこうやって二人でいられるのは)


八幡「……っ‼よくそんなこと言えるな…俺なら恥ずかしさで悶え死にしそうだ」


海老名「大丈夫だよ。私も今そうだから…」


八幡「……風呂上がりには時間が経ちすぎてると思うけどな」


海老名「ふふ、そうだね」


八幡(さすがにあの空気は…ちょっとキツすぎます)


八幡(あんな周りにフワフワしたスクリーントーン使われるであろう雰囲気は、今まで経験したことないからな)


八幡「…で、どうかしたのか?」


海老名「ん、どうもしないよ?ただお話がしたかったから」


海老名「まぁ、本当はもっとちがうこともあったけどね」


八幡「…なんとなく察したが、そういうのは某悪魔星のべリアさんだけにしとほしいんだが…」


海老名「やっぱりバレちゃったかかぁ…しかもそれ結衣とかには分からないよ」


八幡「だろうな。あんたは分かるみたいだが」


海老名「そうだね…ねぇ、私もそのお姫様みたいなことしてもいいのかな?」


八幡(何言ってんだ?っと言葉にしたかったがそれは出来なかった)


八幡(言い終わるとすぐに彼女は俺のベットの中に潜り込んできた)


八幡「ちょ!?何して…!?」


八幡(俺はとっさに反対側に寝返りをうった)


海老名「……何って、本当にしたかったことだよ」


八幡「でも、あんた……これは…」


海老名「私もやり過ぎかなとは思ってるよ…でも、お願い……」


八幡「……今回だけだからな」


八幡(消え入りそうな声でお願いされて…断れるわけがないだろ)


海老名「うん、ありがとう」


八幡(お礼を言うと海老名さんは恐る恐るといった感じで、俺の身体に腕を回してきた)


海老名「ごめんね…これもいいかな?」


海老名「迷惑かもしれないけど…」


八幡「もうここまでしてきたんだ。何も言わねぇよ」


八幡「それに、あんたが唐突に何かするのには、少しは慣れてきたからな」


八幡「……するなら勝手にすればいい」


八幡(学校で色々とされたお陰か、それとも色々とされたせいかは分からないが)


海老名「普段の君ならそんなこと言わないと思うけどね?」


海老名「深夜テンションってやつなのかな?」


八幡「……そういうことにしておいてくれ」


八幡(背中越しに感じる海老名さんの体温が、心地良いと感じるのは気のせいなのか……)


海老名「うん…そういうことにしておくね」


八幡(少しだけ腰に回されてる腕に力が入る。けれど、決して苦しいわけではなくて)


八幡「そんなにくっつかれると恥ずかしいんだが…」


海老名「いいじゃんいいじゃん。こんな機会めったにないんだから」


八幡「まぁ、それはそうなんだが」


海老名「それにね…好きな人とはこうしてみたかったから」


海老名「私ね…こんなに乙女なところがあるなんて驚きだよ」


八幡「何言ってんだ?海老名さんは充分にそうだろ」


八幡(やはり俺自身、夜中でテンションがおかしいのか)


八幡(それともこんな状況になって浮かれているのか)


八幡(いつもの俺からは絶対に言わないような言葉が口から出ていく)


海老名「…っ!?そんなこと言うのは反則だと思うな」


八幡「いつもそんな風に反則してくるのはそっちだろ」


海老名「それはそうなんだけど…なんか悔しいな…」


ひとまずここまでです
亀更新で、さらに展開が唐突でありきたりですみません

海老名さんの攻め方も物理的なものばかりで単調ですみません


数スレしか更新出来ませんが
投下していきます

気づいたら1ヶ月半くらいたってて
いつになったら完結出来るのか不安です


八幡「それに……こんなの言うのはどうかと思うが…役得ではあるしな」


海老名「…私なんかにこんなことされても…君はそう思ってくれるの?」


八幡「当たり前だろ。そもそもぼっちの俺が恋人なんていたことあるわけないんだからな」


八幡「こんなことされるの初めてなんだよ……」


八幡「だからって誰でもいいってことじゃないが……でも、あんたなら…その、いいけどな」


八幡(顔から火を吹くとはこういうことをいうのだろうな)


八幡(ぺらぺらと今の俺の口は何でも言ってしまいそうだ)


海老名「だから、そういうの反則だって…嬉しすぎてどうにかなりそうだよ」


海老名「もう、本当に…好き…好きだよ」


八幡「……ありがとうな」


八幡(彼女の…いや、彼女たちの好意は素直に嬉しいと思う)


八幡(こんな俺をちゃんと見てくれて、真っ直ぐに想いを伝えてくれて)


八幡「本当に俺にはもったいないな…」


海老名「結衣も雪ノ下さんも…そんなこと思ってないよ。もちろん、私も」


八幡「それでもだ。今の折れば人生の絶頂期にいると言っても過言ではないな」


八幡「こんな美少女たちに言い寄られることなんて、これから先の人生で絶対にないだろうからな」


海老名「…美少女って……結衣や雪ノ下さんは分かるけど…私は…」


八幡「あんたも俺からしたら充分に美少女なんだよ…恥ずかしいから…あんまり言わせんな」


海老名「本当に今日はどうしたの?何か悪いもの食べた?」


八幡「悪いものも何も、今日の晩飯はここで同じものだったんだからそれはねぇよ」


八幡「ただ、海老名さんたちが真っ直ぐに来てくれるなら…俺もそうじゃなかったらフェアじゃないし」


八幡「俺も、もう逃げないって決めたから…」


八幡「雪ノ下からも、由比ヶ浜からも、そして海老名さんからもな」


海老名「…今の最高にカッコいいよ。あの二人に見せれないのが残念だよ」


八幡「一人だけに言うだけでこんなに恥ずかしいんだ。あと、二人もいたら言えるわけねぇ」


八幡(現在進行形でさっきよりも顔の熱さが増しているんだから。これ以上とか無理ゲー過ぎる)


海老名「誰が選ばれても…最初はギクシャクするだろうけど、みんな君を恨んだりしないかな」


海老名「君がちゃんと考えて決めてくれたことなら…私たちはちゃんと受け止めるから」


海老名「……本音を言ったら私を選んでほしいけど、君が一緒にいたいと思う人なら私は……」


八幡(彼女は一旦そこで言葉を止めた。少しだけ背中越しの彼女が僅ながら震えているのを感じた)


海老名「ふふ、私にそんなこと言える資格なんて本当はないんだけどね…」


海老名「"とべっち"や"隼人くん"を傷つけて…優美子にもいっぱい酷いこと言ったり」


海老名「そんな醜い私が…本当に君に選ばれてもいいのかなって、なのに…こんなにも君に選んでほしくて」


海老名「不安で不安で仕方ないのに…もっともっと自分は冷たい人間なんだって言い聞かせて…」


海老名「誰かを踏みにじってでも、君と一緒にいようと考えてる自分が…私は大嫌い…だから…だから…っ!?」


八幡「もういい…もういいんだ…」


八幡(悲痛な彼女の告白に俺は気づいたら彼女の身体を抱き締めていた)


八幡「俺はあんたが何を抱えていて、どれだけ苦しい思いをしてるのか…」


八幡「正直言ったら少ししか…もしかしたら全く分かってないのかもしれない」


すみません
ここまでです…

八幡のこれじゃない感が
尋常ではないですね

海老名さんに対して何を今更とは思うかもしれませんが…

>>454
数スレってことはあと2,3000レスくらいは書いてくれるんだろ?
はよ

>>463
うお、盛大な間違いしてしまった…

数"レス"です
すみません


大分遅くなり、しかも短いですが
投下していきます

全然進まなくて申し訳ないです


八幡「でも…俺がこんなこと言うのもなんだが、もうそんな風に自分を追いつめないでくれ」


海老名「……八幡くん」


八幡「こういう時に何か気のきいたことを言えたらいいんだろうが」


八幡「俺はそんなこと出来なくて悪いな」


海老名「ううん、そんなことない…そんなことないよ」


海老名「こうやってちゃんとしてくれてる。君は受け止めてくれてるんだって」


海老名「それだけでもすごく嬉しいから」


八幡「別に俺は…ただしたいようにしてるだけだ」


八幡「やっぱり今の俺はおかしいな。普段なら絶対にこんなことしないし、言わないわ」


海老名「いいんじゃないかな。今の君なら誰にだってかっこよく映ると思うけど?」


八幡「やめてくれ…ぼっちは注目されることにひどく敏感なんだよ」


八幡「今の、俺がぼっちかと言われたら、そんなことないって言われるのがオチだろうけどな」


海老名「そうだねぇ。今じゃ教室でも普通に話してるもんね」


八幡「あんたや由比ヶ浜は分かるんだが、三浦や川崎までくるのは何なんだよ」


八幡「おかげで視線が痛くて仕方ない」


海老名「優美子は色々と気にかけてるんだよ。ああ見えて面倒見いいしね」


八幡「ああ、確かにな。オカン属性高いよなあーしさん」


海老名「それ優美子の前で潰されちゃうから言わないほうがいいよ。何がとは言わないけどね♪」


八幡(いや、一体ナニを潰すんですかねぇ……恐ろしすぎるだろ)


八幡「ま、まぁ…それは良いんだ。でも何で川崎まで来るんだよ」


八幡「それも海老名さんに連れられというのもあるが、そこそこな頻度だしな」


海老名「まぁ、それはね…ほら、サキサキにも色々あるんだよ」


海老名(サキサキも八幡くんのこと気になってるなんて…言っても信じはしないだろうけど)


八幡「そうか…大体は下向かれてるし、顔は赤いし、何か怒らせるようなことしたのかと思ってたんだが」


海老名「はは、そういうのはないから。安心して」


海老名「ただ、ほらサキサキも八幡くんみたいに一人の時のが多かったから慣れてないだけなんだよ」


海老名(本当はただの照れ隠しなんだけどね。あんなサキサキ可愛すぎて)


海老名(サキサキには悪いけど正直気付かれてなくて良かったなんて思っている)


八幡「ならいいんだが…あいつ目がキリッとしてるから睨まれると怖いんだよなぁ」


海老名「はは…それはさすがにサキサキも怒るかもね」


八幡「……まぁ、よく言えば綺麗な目はしてると思うけどな」


海老名「ん?」


八幡「怖い印象はあるが、話してみるとそんなに悪いやつじゃないしな」


八幡「結構家族思いなとこあって、見た目もいいし、あんな感じじゃなかったらかなりモテてるだろうに」


海老名「ふぅ~ん…八幡くんはサキサキみたいなのが好みなのかなぁ?」


八幡(あれ?布団に入ってるのに何でこんなに寒いんだ?ちゃんと窓は閉めたはずなんだが)


海老名「八幡くんはひょっとしてサキサキのことが好きなのかなぁ?」


八幡(あっ、見つけたわ冷気の原因…ニコニコしながらなのにそんな空気出せるんですかね?)


すみませんかなり前の投下から空いたのに
ここまでです

話なかなか進まないのに
サキサキばかり出てます…


大分更新が出来ず申し訳ありませんでした
まだまとまってない部分もあるので
出来ているとこだけ投下していきます

今日中にある程度また更新しますので
長い間更新出来ず本当に申し訳ありませんでした



八幡「そういうわけじゃねぇよ。ただあいつと俺は何処となく似てるなとか思ったことはあるが」


海老名「まぁ、確かにサキサキも君と一緒でどちらかといえば一人でいることのが多いしね」


八幡「あとはかなりのブラコンだな。俺もかなりのシスコンだが、あいつも大概だ」


海老名「で、そんな似ているサキサキに興味でも出てきたのかなぁ?」


八幡(いや、だから怖ぇよ…)


八幡「だからそういうわけじゃないって言ったろ。ただ似てるって思っただけだ」


海老名「ふぅん…まぁ、いいんだけどね。サキサキ可愛いなんて女の私から見ても思うんだもん」


海老名「ねぇ?やっぱり男の子からしたら……その大きい方がいいの?」



八幡「ん、何がだ?」


海老名「えっ!?それは…その……ねのことなんだけど」ボソボソ


八幡(何か言ったみたいだが、俺の耳にはよく聞こえなかった。え、なんだって?)


八幡(海老名さんは顔を真っ赤にしながら言うか言わまいか悩んでいるみたいだったが、深呼吸を一回すると意を決したように言ってきた)


海老名「だから‼胸って大きい方がいいのかなって……」


海老名「君も、ほら、ちゃんと男の子だからさ…そういった部分も必要なのかなって…恥ずかしいんだから言わせないでよ」


八幡「は!?いや、その……別にそんなことは…」


海老名「そうなの?でも結衣がたまにヒッキーが見てるなんて言ってるのはなんでかな?」



八幡(おぅ…ばれてぇら…)


海老名「女の子はそういうのには敏感だから気をつけないとダメだよ」


八幡「はい…肝に命じておきます…」


海老名「でも、君になら多少はいいって結衣も思ってるだろうけどねぇ」


八幡「はぁ?さっきと言ってること違いすぎてないか?」


海老名「そりゃあ、知らない人からそんな目線で見られたら気持ち悪いってなるけど」


海老名「結衣は君のことが好きなんだよ。好きな人が魅力的だと思ってくれてるとこがあるなんて嬉しいからね」


八幡「……そういうものなのか?」



海老名「そうなんだよ。だからってそんなとこばかり見てたらただの気持ち悪い人だから気をつけてね」


八幡「いや、見ようと思って見てるわけじゃないんだが……」


八幡(まぁ…俺も男なんでそんな目で見ないこともないが)


海老名「それで話を戻すけど、君は……その大きいほうが良かったりするのかな?」


八幡(上目遣いでそんなこと聞いてくるのやめてくれませんかね…しかもあざといなんて感じねぇし)


八幡「別にそんなことはねぇけど……そんなとこだけで決めたりしないし、外見なんて人を作る一つのファクターでしかないしな」


八幡(その外見のファクターである目で、そこそこな思いはして気はしたが、それはただの黒歴史だ)


海老名「じゃあ、八幡くんから見て私ってどうかな?」



海老名「ほら私って優美子たちと一緒にいるから目立ってるだけで、部類的には地味な方だから…」


八幡「そうか?俺からしたら充分可愛いと思うけどな」


海老名「えっ!?ちょっと八幡くん!?」


海老名(彼の口からこんなことが聞けるとは全く思っていなかったし)


海老名(例え言ったとしても、こんなはっきり言われるなんて想像なんてしていなかった)


八幡「あの二人といるからじゃなくて、海老名さんだって負けてねぇよ」


八幡「って俺はいったい何言ってんだろうな。まぁ、これも深夜テンションってやつで聞き流してくれ」


海老名「聞き流してくれって…そんなこと出来るはずないよ…だってこんなに嬉しいのに」



海老名「君って色々と無自覚でそういうこと言うよね。あざといって分かってるのかな?」


八幡「はぁ…俺があざといって?それなら小町はあざとい通り越して別の何かになっちまうな」


海老名「全く…そんなんだから結衣や雪ノ下さんも君に惹かれたんだよ」


八幡「それだよ…俺はあいつらに好意持たれるようなことした記憶はないんだけどな」


海老名「理由ならあの時に言ってくれたと思うけど?」


八幡「いや、別に何か考えて言ったようなこともねぇし。ただただ思ったこと口にしてただけなんだが…」


海老名「それでもあの二人にとったら大事なことだったんだよ」


八幡「そういうものなんかね?こういった経験ないから全く分かんないわ」



海老名「それで話を戻すけどね。君は私のことどう思ってるのかな?」


八幡「どう思ってるって言われてもな…わるいがよく分からないっていうのが本音だ」


八幡「そりゃあ、俺みたいなやつに好意持ってくれるのは素直に嬉しいけどな」


八幡「でも…どうしても考えてしまうんだ。結局は今までのようになるんじゃないかって…」


八幡「頭では分かってる。雪ノ下に由比ヶ浜、それに海老名さんだってそんなことはしないだろうって…」


海老名(彼の声は震えていた…きっとあの事が原因で誰かを好きになるっていうこと事態がトラウマなんだって小町ちゃんは言っていた…)


八幡「…俺は臆病なんだよ…みんなそんなことしないって思ってても…」


海老名「……大丈夫だよ」



海老名(私は思わず彼の身体を強く抱きしめた)


海老名「大丈夫だから。私たちはそんなことないから…」


海老名「すぐには信用出来ないかもしれないけど……ごめんね…何て言ったらいいか分かんないや…」


海老名(すごく自分が不甲斐ないと思ってしまった。彼は私を助けてくれたのに…)


海老名(私は彼に対して何もしてあげられない……言葉すらかけてあげられないのが、辛くて情けなかった)


海老名「ごめんね…好きって気持ちは本当なのに何も出来なくて…」


八幡「……そんなことねぇよ」


海老名(彼はゆっくりと私の腕を離すと、私の方に身体を向ける。そして優しく私の身体を抱きしめた)



海老名「えっ!?八幡くん…」


海老名(突然のことに私は驚きを隠すことが出来なかった。私はしてはいいか分からなかったけど、おずおずと彼の背中に腕を回した)


海老名(彼は私の腕を引き離すでもなく、私たちはしばらく無言でお互いを抱きしめあっていた)


海老名(彼とこんなにも密着する状況に、自然と心臓が高鳴りだす)


海老名「……えっと、どうかした?」


海老名(私が問いかけると、一度深呼吸をして彼は口を開いた)


八幡「…ありがとな」


海老名「いきなりお礼なんて言ってどうしたの?…そんな言われることしてないよ?」



八幡「ちゃんと分かってる…みんなの気持ちが本物なんだって」


八幡「踏み出せないのは俺が臆病なだけで…今までのようになるかも知れないっていうのも言い訳にしかならないけどな」


八幡「…今のこの状況が心地よくて…みんなが待ってくれることに甘えて」


八幡「俺も葉山のことは言えないな…結局は俺も今を壊すことを何処かで怖がってたんだ」


八幡「俺がどんな答えを出してもみんな受け入れてくれるか、不安だったとこもあった」


海老名「そんなことないよ……私もあの二人も君が考えて出した答えならちゃんと受け入れてくれるから」


八幡「ああ、だから…ありがとな。俺はもう怖がらないから…」


八幡「悪いな…なんかみっともないところ見せちまって」


一先ずここまでです
今日中にまた更新します

本当に今まで待たせてしまってすみませんでした


今日中とか言いながら少し時間が過ぎてしまいました
投下していきます



海老名「ううん、いいの…君はもっとそういうとこ見せてもいいんだよ」


海老名「一人で抱え込まないで、もっと私たちを頼ってよ…」


八幡「……ずっとぼっちだったから。人に頼るとかあんまりしたことがなくてな」


八幡「だから、色々と迷惑とかかけちまうかもしれないが……その、なんだ…なるべく頼るようにする」


海老名「うん…うん、きっと結衣も雪ノ下さんも同じだと思うから」


海老名(やっぱり私は狡い女だとつくづく思う)


海老名(フェアじゃないのなんて分かってて、分かってるけど…今の彼を知ってるのは私だけ)



海老名(私はあの二人に対して優越感を感じてる。なんて酷く歪んでるんだろうと自分ですら呆れてしまう)


海老名(多分…いや、きっと私はこの歪みを直すことは出来ないのだと思う)


海老名(こんな私を彼は受け入れてくれるだろうか?)


海老名(今…彼の近くにいるのは私だけど、彼の心に一番近いのは誰?)


海老名(こんなに近くに彼の体温を感じても不安で不安で仕方がなくて…)


海老名(ギュッと彼の身体をさらに強く引き寄せる。この不安が少しでも紛れるように)


八幡「……どうかしたか?」


海老名「何でも…何でもないよ。大丈夫…私は大丈夫だから」



八幡「…そうか」


海老名(彼はそれだけ言うと、優しく私の頭を撫でてくれる)


海老名「うん、そうなの。だから大丈夫。大丈夫だよ」


海老名(きっと彼は薄々分かってるんだろう。私のこの醜い部分を……)


海老名(それでも彼は何も言わない。否定するわけでも、肯定するわけでもない)


海老名(それが彼の優しさなのか、ただただ面倒だからなのか分からないけど、今の私にはひどく心に染み渡る)


海老名「…もっと…して?」


海老名(自分でもなんてあざといんだろうなって思ってしまう)



海老名(なんだか…やっぱりダメだなぁ)


海老名(溶かされていく…こんな甘いものを知ってしまったらもう逃げられない)


海老名(いつもは他人に興味ないって雰囲気だしてるのに、こういうときだけするりと入ってくるのは卑怯だ)


海老名(私の頭を撫でてくれてる手は、さっきよりも柔らかくて、心地よくて…)


海老名(この雰囲気もあるんだろう。彼と私しかいなくて、彼のベッドに二人でいるこの状況も)


海老名(そこだけ切り取るとまるで恋人同士の戯れみたいに思えてくる。だから今の私はこんなにも彼に甘えてるんだろう)


海老名(この時間を少しでも長く味わいたいのに、この心地よさは私を眠りに落とす)


海老名(まどろみの中で聞こえた八幡くんのおやすみという声は、きっとこの続きを夢で見させてくれると思いながら、私は意識を手放した)


今回はここまでです
毎度毎度数が少なくてすみません

こんなチマチマしてるのに気付いたら500いってて自分でも驚きです

待っててくれた人がいてくれてすごい嬉しかったです
なので必ず完結させますので
よろしくお願いいたします


すみません遅くなりました
仕事なんてなくなればいいのに

投下します
すごい少ないですが
あとはラストまで考えてますので出来次第投下していきます



海老名(カーテンの隙間から漏れる太陽の光が目をくすぐってくる)


海老名(その感触でゆっくりと目を覚ます。寝ぼけた上に眼鏡をしてないからぼんやりする視界をなんとか定める)


海老名(最初に視界に入ってきたのは、いつもとは違い少し幼く見える寝顔をしてる彼だ)


海老名(えっ!?なんで…‼)


海老名(そのことに驚き声をあげそうになるけど、気づいたら彼の隣で眠りについていたことを思い出す)


海老名(そっか…昨日はあのまま寝ちゃったんだ…)


海老名(沢山…色々なこと言ったけど、どう思ったんだろう?)


海老名(話のなかで彼が私の頭を撫でてくれて、抱き締めてくれたこともはっきりしていく頭と共に思い出してくる)



海老名(こんなキャラじゃなかったはずなのになぁ…)


海老名(もっと私は淡白なものだと思っていた。優美子にしつこく男の子を勧められたときのように)


海老名(たったひとつ…ただ彼に、比企谷八幡を好きになった)


海老名(それだけのことで私は変わってしまった。腐っているから上手くいかないなんて思っていたのに)


海老名(結局は私の気持ち次第だったってことなんだね)


海老名(後悔がないわけじゃない…どう言ったって私は…人を傷つけたのだから…その事を私は背負わないといけない)


海老名(彼の優しさに甘えちゃいけない)


海老名(そんなことを分かってはいるけど、ついそばにいる彼に甘えようとしてしまう)



海老名(昨日あれだけ彼に慰めてもらったのになんて貪欲なんだろうか)


海老名(そう頭じゃいけないって思っても心は覚えてしまった優しさを求めている)


海老名(布団の中をまさぐって、彼の手を見つけるとそのまま自分の手を重ねる)


海老名(それだけで今の単純な私の心は満たされてしまう)


海老名「…大好き」


海老名(無意識に口から零れた言葉に、私は顔を真っ赤に染める)


海老名(はぁ、いきなり一体何を言ってるの私は!?もう本当におかしいよ‼)



海老名(恥ずかしさで軽く悶えていると、その気配に気付いたのか彼が目を覚ます)


八幡「……んっ、ん?」


海老名(あっ、起こしちゃった…)


海老名(朝日が眩しいのか、目を細めて光に慣らしながらゆっくりと目を開ける)


海老名(そこには見慣れた彼の特徴でもある濁った瞳に私が映っている)


八幡「…海老名さんか…」


海老名(しばらくお互いにじっと目を見ていると、少しずつ彼もこの状況が分かったのかいきなり飛び起きる)


八幡「は!?なんで海老名さんと一緒に寝てんだよ!?てかなんで俺ん家に海老名さんが……ってそうかそういや泊まりにきたんだったな……」



八幡(えっ、じゃあ何?俺は付き合ってもない子と一緒に寝たの?)


八幡(寝たと云っても真っ当な睡眠だけってことだけど、昨日の俺のテンションおかし過ぎだろ)


八幡「ああ…なんだ…その悪かったな。昨日は俺も変だったみたいだ」


海老名「えっ、ああ気にしないでいいよ。私も……その、嬉しかったし……ドキドキしたし…」


八幡(ぼそぼそ言ってるけど聞こえちゃってるんですよね…難聴系主人公ならえっ、なんだって?でいけるんだろうが)


八幡(そこからお互いに恥ずかしさから口を閉ざして無言になってしまう)


八幡(正直な感想を言うと、こんなにしおらしい海老名さんを見るのはレアなので役得だとは思いはする)


八幡(いつもは海老名さんぐ腐腐系女子だしな…てか、自分で思っといて何だがぐ腐腐系女子ってなんだよ…)



八幡(そんな静寂もいつかは破られるわけで…)


小町「お兄ちゃん海老名さん知らない……」


八幡(小町よ来てくれたのはありがたいけど、この光景を見てその汚物に向けるような眼差しは止めてくれ)


海老名「あっ、小町ちゃんおはよう。大丈夫だよ私が勝手に入っただけだから」


八幡(海老名さんのフォローで小町の目が元に戻ってくれた)


小町「そうだったんですね。いやぁ、てっきりそこのごみぃちゃんが無理矢理連れ込んだのかと思いましたよぉ」


八幡「そんなこと出来る度胸ないのくらい分かってるだろ…」


小町「確かにそうなんだよね。……そんなに積極的ならあの二人がそこまで苦労するわけないだろうし…」ボソッ



海老名「あはは…それで小町ちゃんどうしたの?」


小町「ああ、朝ご飯出来たら探してたんですよ。まさかお兄ちゃんと一緒にいるとは思ってませんでしたけど」


海老名「そうだったんだ。ごめんね手間かけて」


小町「いえいえ大丈夫ですよ。それじゃあ下で待ってますね」


海老名「うん、分かった。すぐ行くね」


八幡(ドアが閉められてトタトタと小町が階段を下る音が聞こえる)


海老名「それじゃあ私達も起きよっか」


八幡「そうだな…」


海老名「あっ、そういえばいい忘れてた。おはよう八幡くん」


八幡「……ああ、おはよう」


大変遅くなって申し訳ありませんでした
もう終盤ですので
もう少しだけお付き合い頂けたら幸いです


投下していきます
サキサキ一番好きなんで書きたいですが
なかなか話が浮かばなく

何故か折本ならきましたが



・・・・・・・・・・

海老名(小町ちゃんの作ってくれた朝ご飯を食べた後は、特に何をするというわけでもなく)


海老名(小町ちゃんは友達と予定があるということで出ていった)


海老名(彼と二人きりになれたからといって何か特別なことをしたわけじゃない)


海老名(ただ、一緒にTVを観て談笑したり、彼の持っている本を読んだりして何処にでもある普通の日常を過ごした)


海老名(そんな普通なことが彼がいるだけでとても幸せで、そして幸せな時間は過ぎるのが早い)


海老名「もう、こんな時間かぁ…」


海老名(小町ちゃんも帰ってきて、時計の針は夜の8時を示していた。明日は学校なので帰らなければいけない)


海老名「そろそろお暇させてもらうよ。昨日今日とありがとうね」



小町「海老名さん帰っちゃうんですか?もっと色々とお話ししたかったのに…」


八幡「仕方ないだろ明日からまた学校なんだしな」


小町「うぅ…それは分かってるけどさ」


海老名「ふふ、ありがとう。呼んでくれたら出来るだけ来るようにはするから」


小町「はい、分かりました♪じゃあ、お兄ちゃんしっかりと送るんだよ」


八幡「ああ、分かってる」


海老名(えっ、そこ即答なの!?)


海老名「えっ?別に送ってもらわなくても大丈夫なんだけど…」


海老名(普段の彼なら渋りそうなとこをだったから、少しばかり戸惑ってしまう)


小町「いやいや駄目ですよ。こんなお兄ちゃんでも盾くらいにはなってくれるでしょうから。いくらでも使って下さい」



八幡「小町ちゃんそれはさすがに酷すぎない?まぁ…いいか。そういうわけだから送るわ」


海老名「そ、そう…ならお言葉に甘えようかな」


八幡「ん、じゃあ、ちょっと上着とか取ってくるから少し待っててくれ」


海老名(そう言って彼は自室に一度戻っていった)


小町「へぇ、あのお兄ちゃんがここまでするなんて」


海老名「どういうこと?」


小町「そりゃ専業主夫が夢なんて言ってるお兄ちゃんですから、前なら面倒臭がって渋々って感じだったんですけど」


小町「さっきのは最初からそうしようって思っていたみたいだったので、お兄ちゃんも変わってきたんだなぁって」



小町「きっと、皆さんのお陰なんでしょうね」


海老名(やっぱり色々言ってもちゃんと彼のこと考えてるんだね)


海老名(そんなことに思いを馳せていると、準備が出来たのか彼が戻ってきた)


八幡「悪い待たせた。それじゃ、小町。留守番頼むな」


小町「はーい、気を付けてね。海老名さんまた来て下さいね♪」


海老名「うん、こちらこそありがとう。またね」


海老名(小町ちゃんに別れを告げて、私は彼と一緒に彼の家から出ていく)


海老名(いくら街頭があるとはいえ、この時間から自転車は危ないとのことで徒歩で送ってくれるみたいだ)



海老名(外に出ると、深まる秋の空気からか少し肌寒いと感じる)


八幡「前と同じくらいのところでいいのか?」


海老名「えっ!?…ああ、うん、大丈夫だよ」


海老名(彼は分かったと言って私の前を歩き始める。歩調は私に合わせてくれているのかゆっくりとした感じで)


海老名(私は歩きながらチラチラと彼の顔を覗き込む)


海老名(いつもと違う雰囲気だからか、何だか妙に見惚れてしまう)


海老名(そんな雰囲気に私も呑まれてしまっているのか、自分でも気付かないうちに彼の手を掴んでいた)


八幡「…え、海老名さん!?」



海老名「これは‼…その、えっと…ほら、寒かったから‼だから…」


海老名「…だから、こうしたら温かいかなって……ダメかな?」


海老名(自分でも苦しい言い訳をしているなんて分かっているが、それ以外のことを思いつかなかった)


海老名(振りほどかれるかと思ったけど、私の予想に反してそのままでいてくれた)


八幡「…寒いなら仕方ないな…」


海老名「うん…」


海老名(ドキドキと自分の心臓が高鳴ってるのが分かる。これよりも昨日はもっと密着してたはずなのに、それ以上の恥ずかしさを感じている)


海老名(お互いに恥ずかしさからか無言のまま歩みを進めている)



八幡「…その、ありがとな」


海老名「えっ?な、何が?」


八幡「いや、小町も楽しそうだったし、ほら俺がこんなだからあんまり家にも友達呼ぶことなくてな」


八幡「それに俺は特に何も思ってないが、親も仕事が忙しいからあんまりいなくてな。口では言わないけど寂しい思いしてるだろうから」


八幡「だから来てくれてありがとな。ただ、今度から俺にも言ってくれ少し…というかかなり驚くから…」


海老名「うん、分かった。そうするね」


海老名(良かった迷惑じゃなかったんだ…)


海老名「また、行ってもいいかな?」



八幡「…俺の家でのヒエラルキーはカマクラより下だからな。小町がいいなら俺もいい…」


海老名(それって殆んど大丈夫って言ってるようなものだよね)


海老名(隠す気があるようでない答えに私は笑みを浮かべる)


海老名(きっとこんな捻た優しさに私はどうしようもなく惹かれるんだろう)


海老名(月明かりに照らされて浮かんでいる私達の影が繋がっていることが幸せで)


海老名(そこから前に別れたところまで話すことはなかったけど、それでも私の心を満たしてくれた)


海老名(帰り際に繋いでいた手を離すのが名残惜しくて、でも、彼はぶっきらぼうだけどまた明日なと言ってくれた)


海老名(私もまた明日と言って手を離し、彼の帰る後ろ姿を少し眺めた後、残っている温もりを感じながら残りの帰路についた)


今回はここまでです
こんなに亀更新なのに待ってくれている方がいてありがたいです
次から終盤ですので最後までお付き合い下さい



・・・・・・・・・・


八幡(海老名さんが泊まりに来てから数日、特に何があったわけでもなく)


八幡(まぁ、相変わらずあの3人の距離が物理的に近いのには役得ではあるけど、精神的になかなか疲弊はするが…)


八幡(そろそろ彼女たちからの告白に答えを出さないといけない。そう思いつつも何故か足踏みしてしまう)


八幡(もう…分かってはいるのにな)


雪ノ下「じゃあ、今日はこのくらいにしましょうか」


八幡「…ああ」


八幡(結局この日もそんなことばかり考えながらいると1日が終わってしまった)


八幡(帰る準備をしていると奉仕部のドアからノックする音が聞こえた)



八幡(最初は気のせいかとみんな思ったのか反応をしなかったが、再びノックの音がする)


雪ノ下「どうぞ」


八幡(雪ノ下が来客に声をかける。こんな時に誰だと思いながら、ドアが開くとそこにいたのは思ってもいない奴だった)


由比ヶ浜「……戸部っち」


海老名「……………」


戸部「…うっす…」


雪ノ下「…こんな時間に依頼かしら?もう帰るつもりでいたのだけれど」


八幡(周りの空気で何かを察したのか雪ノ下は刺のある言い方で対応する)



戸部「…そういうわけじゃなくて…ただちょっと海老名さんとヒキタ…比企谷君に話があって」


八幡「…戸部……分かった俺はいいが…」


八幡(問題は海老名さんだ。またあの時のようになるかもしれない)


八幡(海老名さんはしばらく俯いて沈黙していたが、顔を上げると返答する)


海老名「いいよ…」


八幡(戸部はその応えにホッとしたのか、少しだけ安堵の表情を浮かべている)


八幡(それといつものあの軽い雰囲気が少し成りを潜め、いつになく真面目な感じだ)


戸部「んじゃ、前話した場所で待ってるっす…」



八幡(戸部はそれだけ告げると部室から出ていった。さっきまでの穏やかな雰囲気と変わって、重たい沈黙が流れる)


八幡「…本当に良かったのか?」


海老名「うん、いいの…ほら行こう?」


八幡(そんな風に促す彼女だが、声は少しばかり震えていて、眼鏡の奥の瞳は沈んでいるように見えた)


由比ヶ浜「姫菜……ヒッキー、姫菜をお願い…」


雪ノ下「…そうね。この事はきっとあなたたちにしか出来ないのでしょうね。でも、もし何かあったらすぐに言ってちょうだい」


海老名「…ありがとう」


八幡(わずかに表情に明るさが戻ると、彼女は部室から出ていく)



八幡(俺は雪ノ下と由比ヶ浜に目配せをする。二人の表情からは心配と、俺に任せるといった雰囲気が伝わってくる)


八幡(それに応えるように静かに頷いて海老名さんの後を追う)


八幡(少しだけ見えた二人の顔からは心配の色は消えていた)


・・・・・・・・・・


八幡(いつもの俺のベストプレイスに着くと、戸部と海老名さんはお互いに下を向いたまま黙りこんでいた)


八幡「悪いな待たせたか?」


八幡(なるべく刺激を与えないようにするつもりではいるが、どうしても言葉に刺が付きそうなのを抑える)


戸部「いや、呼んだのはこっちだから…それに本当に来てくれるとは思ってなかったし」


八幡「それで話ってなんだ?」



八幡(あの時のように、出来るだけ海老名さんに来ないよう俺が話を進めようとする)


八幡(戸部は何かを考え、大きく深呼吸すると急に膝を着くと)


戸部「この間はすみませんでした‼」


海老名「……‼」
八幡「…はっ!?」


八幡(膝を着いて頭を下げる戸部。急な戸部の土下座に俺たちは二人とも困惑する)


戸部「俺って馬鹿だから全部ヒキタ…比企谷君のせいにして…」


戸部「でもそんなことしても意味無くて、海老名さんが好きなのは比企谷君で、好きな人を馬鹿にされたら誰でも怒るって」


八幡「戸部…いや、俺は別に、てかそろそろ頭を上げてくれ」



八幡(戸部は立ち上がり、俺たちを正面から見据える)


戸部「それに気づいたっしょ。隼人君や奉仕部に頼んで海老名さんと付き合えたって自分の力でしたわけじゃないって」


海老名「……戸部…君」


戸部「自分で頑張ってもないのに比企谷君を責める俺は最低で…」


戸部「だから…許してほしいわけじゃない。ううん…違うっしょ本当は許してほしくてびくびくしてて…」


戸部「でも、俺は馬鹿だけど馬鹿なりに考えて、二人に謝らないと前に進めないって思ったから‼」


戸部「海老名さんには迷惑かけまくったし、比企谷君にはいっぱい傷つくようなこと言って…すみませんでした‼」


戸部「俺の自己満だけどこれだけはしたかったから」



八幡(戸部は再び頭を下げる。それを見て何だか胸の奥から何か込み上げてくるのを感じた)


八幡「俺はそもそもお前に怒ってもないし、謝られることもされたとも思ってない」


八幡(戸部は頭を上げてると、俺を真っ直ぐ見て俺の言葉に耳を傾ける)


八幡「だから…俺から言えるのは気にするなってだけだ。どうしても言葉がいるなら俺はお前を許す」


戸部「…比企谷君……ありがとう」


八幡(あとは海老名さんだが…)


八幡(彼女は下を向いてずっと押し黙っているままだ)


八幡(時折、何かを言おうとするが結局それを飲み込むといったことを繰り返している)



八幡(戸部はその様子をじっと見つめていたが、しばらくすると諦めたような顔を浮かべる)


戸部「……そりゃそうだよな。今更こんなことを言っても仕方ないって分かってたから」


八幡「戸部…」


戸部「わざわざ来てくれてありがとうっしょ。信じてくれなくてもいい…けど、さっき言ったのは本気だから」


戸部「だから、ありがとう」


八幡(戸部はそう言うとゆっくりと校舎に戻っていく)


八幡(その姿を見ながら、これでのいいのかと海老名さんに問いかけようとした)


海老名「……っ戸部君‼」



八幡(問いかけようとしたその時に、海老名さんは戸部の名前を叫んだ。戸部はその声で振り返って驚いている)


戸部「海老名…さん」


海老名「……私も…私もごめんなさい‼君を悪者にして、みんな壊してしまって…」


海老名「恨んでくれていい、憎んでくれていい…君の好意を知っていって踏みにじった私を」


海老名「私こそ許してくれなんて言わない‼」


海老名「だから謝らないで…君は悪くないの…」


海老名「ごめん……ごめんね」


八幡(涙を流しながらそう叫ぶ彼女に、戸部は戸惑っていたが、戸部は明るく笑みを浮かべる)



戸部「海老名さんこそ悪くないっしょ。俺と一緒で海老名さんも比企谷君と付き合いたかっただけなんだし」


戸部「負けたのは悔しいけど、俺が海老名さんにとって本物になれなかっただけだから」


海老名「…戸部君…でも私は‼」


戸部「だから‼海老名さん頑張ってほしいっしょ‼俺は海老名さんが好きだから‼」


戸部「海老名さんには笑っていてほしい‼みんなと…比企谷君と笑っていてほしい‼」


八幡(お互いに涙を流してそれぞれの思いをぶつけていて、それを俺はとても綺麗だと感じている)


八幡(きっとここにいる人間以外からしたらすごくみっともないと思える状況なのかもしれない)


八幡(戸部は前に進むことを選んだ…だからこそぶつかることも選べたのだろえ)



海老名「でも…それじゃ戸部君は‼」


戸部「俺は…辛くないって言ったら嘘だけど、それでも海老名さんには笑っていてほしい‼」


八幡「…受け入れてやれよ。俺が口を挟むことじゃないかもしれない」


八幡(そんな真剣な…本物の思いに、俺の口が勝手に言葉を発していた)


八幡「でも、戸部は選んだんだ。どれだけ悩んだのかも俺は戸部じゃないから分からない」


八幡「それでも…海老名さんに対する言葉は全部本物だと思う。今それを聞いた俺でもそれは分かるくらいだ」


八幡「だったら一緒にいた海老名さんならもっと分かるはずだろう?」


海老名「八幡君……そんなのそんなの…痛いくらい分かるよぉ……」



戸部「海老名さん…やっぱり比企谷君には敵わないっしょ」


八幡「そういうわけじゃねぇよ。海老名さんも分かってた。ただそれだけだ」


戸部「それでも…うーんやっぱりこういうのは惚れた男のがよく効くってことで」


八幡(泣きながら笑うなんて器用なことをしている戸部の顔はとても清々しそうだ)


戸部「それじゃあ勝手だけど海老名さんのことよろしくお願いします‼」


八幡「ああ、その依頼確かに承った」


八幡(もう一度笑顔を浮かべ、今度こそ戸部は校舎に戻ろうとする)


海老名「翔君‼」



八幡(海老名さんはまた戸部を呼び止める。しかし戸部は戻る足を止めようとしないが海老名さんは言葉を続ける)


海老名「ごめん…そしてありがとう‼」


八幡(戸部は一瞬足を止めて、振り向かないまま片手を大きく上げる)


戸部「俺も頑張るっしょ‼ありがとう‼」


八幡(戸部はそれだけ言うと走って戻っていった。その背中は何処か誇らしげで、俺には大きく見えた)


八幡「俺も選らばないとな…怖がらずに…」


八幡(不意に手に暖かいものが触れる。海老名さんの手が俺の手を握る。それにつられ彼女の顔を見ると)


八幡(海老名さんも戸部と同じように清々しい顔をしていて、俺の方を向くと優しく微笑んだ)


いよいよ次でラストスパートです
ここまで来るのにとても時間がかかってしまい申し訳ありません

戸部の口調や誰だこれ感は尋常じゃないですね…
かなりのキャラ崩壊ですがご容赦して頂けると幸いです



・・・・・・・・・・


八幡(戸部の件があった次の日に、いつもの様にベストプレイスで昼食を取りながら、昨日のことを考えていた)


八幡(俺も選ばないとな……いや、本当はもう分かってる。俺が誰を想っているかなんて)


八幡(結局は俺も今を壊したくないと…そう思ってしまっていたんだろうな)


八幡(でも、それでは前に進むことなんて出来ない。あの嘘の告白をしなかったら、葉山達のグループは停滞していたかもしれない)


八幡(けれど…海老名さんは方法はどうあれ、あの関係を壊してでも俺に想いを伝えてくれた)


八幡(雪ノ下も由比ヶ浜も今が変わるのは分かっていただろう。それでも俺に真っ直ぐ好意を示してくれた)


八幡(戸部も自分の気持ちに決着をつけるために、本音をぶつけてきてくれた)


八幡(なら俺も選んで伝えないといけない。それが今を変えてしまっても、それで何かが壊れてしまっても)


八幡(冷めていくぬるま湯に浸かるより、そんなレプリカの安寧より…俺が求めていたものが、きっとそこにあるだろうから)



八幡(しばらく考えに耽っていると、俺の前からコツコツとした音が耳に入ってきた)


八幡(本当に最近はよく絡むな)


八幡(顔を上げると、俺の予想通り平塚先生がそこにいた)


平塚「どうやら君も選んだようだな」


八幡「先生…そうなるんですかね」


八幡(先生は俺の隣に座り、まるで分かっていたかのようにそう俺に話しかける)


平塚「確かに何かを選ぶということは怖いことかもしれない。身近なことで言えば進路の事とかな」


平塚「だが人生は取捨選択の連続だ。それで何かを得て、何かを失ってしまう」



平塚「君は選ばれない辛さを知っている。だからこそ戸惑ってしまった」


平塚「選ばれなかった人が傷ついてしまうのではないかと、離れるかもしれないと」


平塚「でもな比企谷。それで私は君達がの関係が壊れるとは思ってないよ」


平塚「彼女らは君のその不器用なところなんて承知の上だろうしな」


八幡「…それはそれで複雑っすけどね」


平塚「ふふ、今回私が言ったことはお節介だったかもな」


平塚「どんな選択をしようと、君が考えて伝えることを彼女達は真っ直ぐ受け止めてくれるさ」


平塚「それにどんな結果になろうと私は君の味方だ。だから思い切りやってこい。君のために、彼女達のために」



八幡(平塚先生は立ち上がり、柔らかい微笑みを俺に向けると、校舎に戻っていった)


八幡(本当にあんたはなんてかっこいいんだよ。もっと早く出会えてたらあんたに心底ほれてたんだろうな)


八幡「……もう迷わない」


八幡(こんな俺でも声をかけてくれる人がいる。見守ってくれる人がいる。支えてくれる人がいる。)


八幡(そして想ってくれる人達がいる)


八幡(何がぼっちだよ。もうそんなこと言えねぇな…)


八幡(どんな結果になっても、それを受け入れる覚悟はした)


八幡(きっと分かってはいたんだ。たから前に進むために、俺はもう逃げない。)



・・・・・・・・・・


八幡「なぁ…聞いてほしいことがあるんだ」


八幡(奉仕部の部室でいつものように依頼者を待っているなか、俺は三人に話しかけた)


八幡(三人は何かを察していたのか。俺の方を見て、俺が話し出すのを待ってくれる)


八幡「回りくどいことを言ってダラダラ長引かすのもあれだから単刀直入に言う」


八幡「この間の答えを出した」


八幡(その言葉に緊張が走るのが嫌でも分かった。俺も何だか口が重くなるように感じた)


雪ノ下「…大丈夫よ。あなたが決めたことだもの、私達はそれで責めたりしないわ」


由比ヶ浜「うん、きっとヒッキーがいっぱいいっぱい考えてくれたことだもん」



八幡「雪ノ下…由比ヶ浜」


海老名「私達はどんな結果でも受け入れるよ。だから君の答えを私達に聞かせて?」


八幡「海老名さん…」


八幡(彼女達の優しさが心にすっと入ってくる。目から何か込み上げてきたが、今はそれをグッと堪える)


八幡「こんなに気持ちをぶつけられたのは初めてでな。最初は戸惑った。過去のように何かあるのかとも考えた」


八幡「でも、例え裏切られても俺はそれでもいいと思えた。俺にとってここはそう思える場所になった」


八幡「俺はもうぼっちなんかじゃない。そうみんなが教えてくれた…だから…」


八幡(結局何か回りくどいことを言ってるが、でも、俺自身この思いを伝えることを止めることが出来ない)



八幡「雪ノ下。俺はお前に憧れている。その気高さに、その真っ直ぐな姿勢に、俺はそんな雪ノ下をとても綺麗だと思っている」


八幡「由比ヶ浜。お前の優しさには何度も助けられてきた。お前の笑顔に、明るさに、いつも俺を見てくれていたことに、俺は救われてたんだ」


八幡「海老名さん。一番あんたには驚愕させられた。いきなりあんな風にしてくるんだからな。でも、嬉しかった。俺に好意をぶつけれくれたことが」


八幡「…言葉だけじゃ、まだまだ言い切れないくらい俺は…ここが、みんなが大事だと思ってる」


八幡(目から必死に堪えていたものが溢れ出す。どんなにみっともなくても俺は)


八幡「だから…俺は選んだんだ。それが残酷なことでも、俺はもうみんなの気持ちから逃げない‼」


八幡(気持ちを伝えると決めた時、真っ先に浮かんだのは彼女と過ごした日々だった)


八幡(強いけど弱い。そんな彼女のそばに俺はいたいと思ったから)



八幡「俺は、海老名さんのことが好きです。俺と付き合って下さい‼」


海老名「…‼八幡くん」


八幡「それが俺が決めた答えだから…」


八幡(緊張の糸が切れたのか俺は床に座り込む。そんな俺に海老名さんが駆け寄ってくる)


八幡「悪いな…こんなみっともなくて」


海老名「そんなこと…そんなこと全然ないよ‼」


雪ノ下「そうよ比企谷君。今のあなたはとても…そのかっこいいと思うわ」


由比ヶ浜「うん、ありがとう…ヒッキー。えへへ、そんな風に思っててくれて」

海老名きゅ

八幡「雪ノ下…由比ヶ浜…その、俺は…」


雪ノ下「言ったでしょう。あなたが決めたことなら責めたりしないと」


由比ヶ浜「ヒッキーはヒッキーがしたいようにしていいんだよ。それにさっき言ってくれたことすごい嬉しかった…」


八幡(俺は海老名に支えられながら立ち上がる。俺を見ながら二人は笑ってくれている)


八幡「ありがとうな…」


雪ノ下「あなたが素直にお礼を言うなんて天変地異でも起こるのかしら?」


八幡「うるせぇ、たまには素直になるのも悪くないって思ったんだよ」


雪ノ下「冗談よ。それと海老名さんおめでとう」



海老名「う、うん…でもいいのかな…私…」


雪ノ下「何を言ってるのかしら?そんな弱気じゃ彼を捕まえておけないわよ」


雪ノ下「私も由比ヶ浜さんもまだ彼を諦めるなんて言ってないのよ?」


海老名「へ、へぇ…それはどういうことかなぁ?」


八幡(笑顔なのに雰囲気怖いんですけど、あと…やっぱり怖いんですけど)


雪ノ下「それだけ本気ということよ。あなたがしっかりしないならあなたから奪うくらいするわ」


由比ヶ浜「あたしも…ヒッキーのことこの中じゃ一番前から好きなんだから‼だから姫菜には悪いけど、あたしも諦めないからね」


海老名「ふふ、じゃあ私も頑張らないとね。でも絶対に八幡君のこと離したりしないから」



雪ノ下「それでいいのよ」


八幡「おいおいお前らなぁ…」


雪ノ下「あなたも海老名さんのことちゃんと捕まえてないと駄目よ。最も離れられたら私が拾ってあげるわ」


由比ヶ浜「あっ、ゆきのんズルい‼ヒッキーあたしが拾ってあげるからね‼」


八幡「いや、俺は物かよ…」


海老名「堂々とNTR宣言なんて二人ともやるね。でも、残念でした。さっきも言ったけど私は離したりしないから」


八幡(そんなことを言いながら俺達は笑い合っていた。平塚先生が言ったように、この関係は壊れなかったのかもしれない)


雪ノ下「さて、折角、恋人になれたんだもの。ここにいるだけじゃあなた達に申し訳ないわ」



雪ノ下「海老名さんと比企谷君は今日はもう帰っていいわよ。あとは私と由比ヶ浜さんで何とかするわ」


海老名「…‼うん、分かったよ。じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな」


八幡(海老名さんは自分と俺の鞄を持つと、俺の手を引っ張ってドアまで俺を連れていく)


八幡「お、おい!?本当にいいのか?」


雪ノ下「ええ、いいわよ。由比ヶ浜さんもそれでいいかしら?」


由比ヶ浜「うん、大丈夫だよ。ほらヒッキーちゃんと姫菜を送ってくんだよ」


八幡「まぁ、お前らがそういうならいいが…その……また明日な」


海老名「こっちこそ二人ともありがとうね。……本当にありがとう」


八幡(俺と海老名さんは奉仕部の部室から出ていく。ドアを閉める時、二人の顔は夕日で見えなかった)



雪ノ下「……行ったわね」


由比ヶ浜「うん……そう…だね……」


雪ノ下(由比ヶ浜さんは我慢の限界だったのか、目からな涙がとめどなく流れ出している)


由比ヶ浜「…ゆきのん…ヒッキーが決めたことだけど、やっぱり悔しいよぉ‼」


由比ヶ浜「ずっとずっと前からあたしはヒッキーのこと好きで…ヒッキーの隣にいたかった‼」


雪ノ下(泣きじゃくる由比ヶ浜さんを私は抱き締めた。気付いたら流れていた涙を、彼女に見られたくなかったのかもしれない)


雪ノ下「そうね。悔しいわね」


由比ヶ浜「でもヒッキーが選んだことだから、あたしはヒッキーが好きだから幸せになってほしい…」



雪ノ下(やはりあなたは強いわ。こんな時でも彼の幸せを願えるなんて)


由比ヶ浜「選んでほしかった‼選んでほしかった‼ヒッキーに好きって言ってほしかったし‼」


雪ノ下「私も‼私も彼に選ばれたかったわ…」


雪ノ下「私も彼の隣にいたかった。彼はちゃんと私を見てくれてた」


雪ノ下「だから彼に選んでほしかった‼彼に好きって言ってほしかったわ‼」


雪ノ下「でも…私達は伝えるのが遅かったのよ…彼女のように何かを失ってでも、本気で彼の隣にいようとしなかった」


雪ノ下「それが彼女と私達との差だったのよ…」


雪ノ下(きっと甘えていたのね…どこかで彼が私達以外といようとするはずないと。なんて傲慢な考え…)



由比ヶ浜「ゆきのん…でもね。ヒッキーがちゃんと伝えてくれたのは嬉しかった…」


由比ヶ浜「いつもヒッキーは色々考えてたと思うの…それを言ってくれることなかったし」


由比ヶ浜「でも今日はそんなことなかった。ちゃんとヒッキーの気持ちが分かって良かった」


由比ヶ浜「しばらくは辛いかもしれないけど、それでもヒッキーと一緒にいたいって…」


由比ヶ浜「恋人じゃなくても、ヒッキーが辛い時に支えられたらなって思うから」


雪ノ下「……あなたは本当に強くて…そして優しい」


雪ノ下(比企谷君も言っていた優しさに、私もきっと何度も救われてきたのでしょうね)


由比ヶ浜「えへへ、そんなことないよ。ただ諦め悪いだけかも」



雪ノ下「そうね…海老名さんには悪いけど、私達もまだ諦めたわけじゃない。想い続けるくらいはいいわよね」


由比ヶ浜「ゆきのん…うん、そうだよね‼」


雪ノ下(気付いたらお互いの目から流れていた涙は止まっていた)


雪ノ下(私は窓の外を眺める。部室を茜色に染めている夕焼けが眩しいけど、とても暖かくて)


雪ノ下「ねぇ…結衣。これからは結衣と呼んでもいいかしら?」


由比ヶ浜「ゆきのん!?……うん、いいよ。雪乃」


雪ノ下(結衣も私と同じように外の夕焼けを眺める。私の心も暖かさに包まれながら)


やっとここまでこれました
少し駆け足な感じはしますが

次の投下で最後だと思います
もう少しだけお付き合い頂けたら幸いです



海老名(彼の手を引っ張って部室から出ていく。きっと雪ノ下さんのあの言葉は、結衣のためのことだったと思うから)


八幡「……」


海老名(無言で私に連れられている彼も、そのことは何となく察しているんだろう)


海老名「ねぇ…本当に後悔はないの?」


八幡「そりゃ…あいつらを傷つけてしまったかもしれない。でも、それじゃあ駄目だと思ったからな」


海老名「答えを出さないでズルズルするっていうのは…君なら考えたはずだよね?」


八幡「まぁ…な…けど、それは三人の気持ちを踏みにじることになっちまう」


八幡「どんなに辛くても俺は逃げないって決めたからな」



海老名「でも…私よりあの二人の方が一緒にいた時間は…」


八幡「……なぁ、これから少し時間あるか?」


海老名「えっ?」


八幡「俺はちゃんとあんたと話したいからな」


海老名「う、うん…大丈夫だけど」


八幡「なら決まりだな」


海老名(彼はさっきまで引っ張られていたように、今度は私を引っ張って行く)


海老名(上の階にどんどん向かって行き、行き着いた先は屋上だった)



八幡「ここでいいか…」


海老名「…どうしてここに?君にとったらここは…」


八幡「別にそんな嫌だったとは、今では思ってねぇよ」


海老名「………それで話って」


八幡「多分、あんたは信じられないと思ってんだろうな。俺が雪ノ下や由比ヶ浜を選ばれなかったことに」


海老名「…!?そうだよ。だって、それは…君の事は本当に好きで、正直選んでくれたことはすごく嬉しい‼」


海老名「もうこのまま幸せに浸かっちゃえばいいじゃんって私の心は言ってくるよ‼」


海老名「…でも…あの二人より私が幸せになる資格なんて…ないよ」



海老名「いっぱい壊して、いっぱいみんなを傷つけて…いっぱい後悔して…そんな私が、私が…」


八幡「…そんなもん俺には関係ねぇよ。あんたがそれを抱えるって云うなら、俺も一緒に抱えてやる」


八幡「俺みたいが奴が何か出来るかは分からねぇけど、俺はあんたと一緒にいたいって思ったんだ」


八幡「似合わない事言ってるのは重々承知してる上で言う。俺は……姫菜さんが好きなんだ。好きな女の子ぐらいは俺も守りたいんだよ」


海老名「……!?そんなの反則だよ…」


海老名「ねぇ…私は幸せになっていいの?」


八幡「ああ」


海老名「私はみんなと…奉仕部にいていいの?」


八幡「むしろあいつらが離してくれねぇよ。もちろん俺もな」



海老名「…私は…私は…君と一緒にいていいの?」


八幡「ああ、俺が好きなのは姫菜さんだからな」


海老名(もう…なんで君はいつも私がほしいものをくれるの)


海老名(私は彼の身体に体当たりするように飛び込んだ。彼は優しく私を抱き止めてくれる)


海老名「私も君が…八幡君が好き‼だからこんな私で良かったら、私と一緒にいて…」


八幡「俺の方こそ…俺なんかで良かったらいてくれ」


海老名(私はうん、うんって言いながら彼の胸に顔を押し付ける。そんな私の頭を彼は撫でてくれる)


海老名(私は彼に甘えるようにそうして、彼も私が飽きるまで撫でる手を止めなかった)


海老名(恋人になれた私達を、夕焼けだけが暖かく包みこみ、見守っていた)


・・・・・・・・・・


海老名(その後のことを語ると、私達の周りはそんなに変化することはなかった)


海老名(あの彼が告白した次の日、奉仕部に行くと変わらず私を迎えてくれた)


海老名(そのことに思わず泣きそうになったけど……)


雪ノ下『言っておくけど昨日言ったことは嘘じゃないわよ』


由比ヶ浜『そうだよ。私も雪乃もまだまだヒッキーのこと諦めないんだから‼』


海老名(なんて、堂々と宣戦布告してきた。もちろん私はそれに負けるつもりなんて全然ないし、彼を離す気なんて考えられない)


海老名『いいよ。私と八幡君の間に入れるならね。私は八幡君の彼女なんだから、絶対離さないけどね』


海老名(そんなこと言いながら私達は笑い合った)


海老名(マッ缶を買いに行っていて、後から来た彼が、その光景を見ながらポカンとしながらも何処か優しい表情をしていた)



海老名(戸部…ううん、翔君とはあれからも交流は続いていた)


海老名(八幡君と付き合うことになったのを伝えると素直に祝福してくれた)


戸部『海老名さんが幸せならそれでいいっしょ。ヒキタニ君も海老名さんもよろしく』


海老名(また彼の呼び名がヒキタニ君に戻っていたけど、八幡君も戸部に比企谷って言われるのは、何か違和感しかないとか言ってたので大丈夫みたいだ)


海老名(優美子にもその事を伝えると、私を抱き締めながら良かったと何度も言ってきた)


三浦『でも、ヒキオ…海老名泣かせたら、あんた泣かすから覚悟しときなよ』


海老名(そんな優美子を見て、彼が縮こまってしまったのは想像に難くないだろう。私もそれをみて思わず笑ってしまった)


海老名(結局のところ私が思っていたほど、そんなに簡単に壊れるものじゃなかったんだろう)



平塚『やはり君を奉仕部に入れて良かったよ。生徒に先を越されたのは癪だがな……』


海老名(平塚先生は私を呼び出して、色々と話をしてくれた。途中で婚活の失敗談とかになってたけど…早く誰かもらってあげて‼)


平塚『だが、まぁ…君達が幸せなら教師としてはとても嬉しく思うよ。これからも彼らと一緒にいてやってくれ』


海老名(慈愛に満ちた表情でそう笑う先生は、本当になんでこんなかっこよくて綺麗なんだろうと思った)


海老名(私が男で、後10年早く産まれてたなら心底惚れてたんだろうなぁ)


海老名(きっと色々分かってた上で、この人は私をあの場所に入れてくれた)


海老名(あの時、奉仕部に入れてほしいとお願いして本当に良かった)



葉山『姫菜すまなかった…』


海老名(また別の日、隼人君が私を呼び出して謝罪してきた)


海老名(私としてはもう何も気にしてはいないし、寧ろ利用していたのは私の方だ)


海老名(この際だったから彼に私が思っていて、考えていたことを全て話した)


海老名(隼人君は怒るわけでもなく、ただただ苦虫を噛む潰したような表情をしていた…)


葉山『…そうか…俺には羨ましいよ。そんなになって想えることが…今になって気付くなんてな』


海老名(私も…今なら分かるよ。君のしたかったこと、守りたかったことが…)


海老名(でも、君も目を逸らさないでほしい。そうすれば分かると思うから。君を想っていてくれる人が近くにいることを)


あともう少しだけあります
紛らわしくて申し訳ありません



海老名(色んなことがあったこの数日、今日は彼と…何かこういうのは恥ずかしいけど初めてのデートだ)


海老名(恋人になる前から結構飛ばしてた気はするけど、恋人になってから今日が初めてなのでやはり気分も違う)


海老名「あっ、こっちこっち」


八幡「おう、悪いな。待たせたか?」


海老名「大丈夫だよ。待ち合わせには まだ時間結構あるし、君ならギリギリに来るかなって」


八幡「最初からはさすがにな…それにそんなことしたら小町にどやされちまう」


海老名「ふふ、小町ちゃんならいいそうだね。それじゃあ、八幡君も来たことだし行こうか」



海老名(そう言って進もうとした時、彼は私の手を取って歩き出す)


八幡「まぁ…なんだ…このくらいはな」


海老名「えっ、ああ…そ、そうだね」


海老名(手を繋ぐってことだけなのに、何だか猛烈に恥ずかしくて)


海老名(今まで私が彼を落とすのにどれたけ全力だったのかよく分かった)


海老名(改めてこうするとやっぱり…でも嬉しいよ)


海老名(彼もきっと恥ずかしいはずなのに、こうしてくれることがすごく嬉しくて)


海老名(周りからは私達はきっと何処にでもいるカップルに見えるんだろうけど)


海老名(私はどんな恋人達よりも幸せだと感じている)



・・・・・・・・・・


海老名「今日はありがとう。楽しかったよ」


海老名(太陽も沈んで、空が真っ暗になり始めたころ。私の彼の初めてのデートも終わりかけていた)


八幡「そうか。それなら良かった」


海老名「うん、君があんなに積極的に何かしてくれるなんて思ってなかったしね」


八幡「あんまり言わないでくれ…今でもこうやってるの恥ずかしいんだよ」


海老名(そう…彼は今日はずっとこうして私の手を繋いでくれていた)


海老名(デートとしては…ららぽで服やアクセサリーなどのウィンドウショッピングとか、本屋に行ってお互いにおすすめの本を紹介したり)


海老名(至って普通のことばかりだったけど、それが彼といるだけでとても楽しかった)



海老名(でも、そんな楽しい時間ももう少しで終わってしまう)


海老名(まだこの時間を終わらせたくなくて、私は彼の手をギュっと握る)


八幡「……どうかしたか?」


海老名(彼は歩くのを止めて私の方を向いてくれた。私はじっと彼の目を見つめる)


海老名「えへへ…何だか寂しいなって」


海老名「こんな風に思うんだ…でも寂しいんだけど悪くないよ。寂しいけど暖かいの」


八幡「…そうか」


海老名(そう言って穏やかな表情をする彼を見てると、無意識のうちに身体が動いた)



海老名(私より高い背、それに合わせるために私は背伸びをする)


海老名(目を閉じて彼の唇に自分の唇を重ねた)


海老名(目は閉じているけど、彼がすごく驚いているのが分かった)


海老名(さっきよりも強く彼の手を握って、自分も結構緊張してることには後になって気付いたけど)


海老名(唇を離すと、お互いに照れくさそうにそっぽを向いたけど、すぐにまた見つめ合う)


海老名(さっきまで感じていた寂しさは、いつの間にか薄らいでいって)


海老名(私達は惹かれ合うように、自然とまた唇を重ねる。寂しさは完全に消えた)


海老名(ああ、こんなにも……私は…)



海老名(ファーストキス…いや実際はもうセカンドキスだけど、レモンの味がするなんてことなかった)


海老名(でも、何だか甘い感じがして、とても幸せで)


海老名(やはりこういうのはあれだろう。定番の二人は幸せなキスをして終了ってなるんだろうけど、プラスαがあってもいいはずだ)


海老名(私は唇を離すと、彼の腕に自分の腕を絡ませる)


海老名(そして自分のありったけの気持ちを言葉にするんだ)


海老名(偽りのない。私の彼への想いを)


海老名「ずっと前から、これからもずっと好きです。私と一緒にいて下さい」


海老名(やはり私の青春ラブコメは始まったばかりだ)


これで終わりです
長いこと時間がかかってしまって申し訳ありませんでした

最後はすごい駆け足でデートの中身とか全く無いですが
海老名さんと八幡を恋人にって感じだったんでこうなりました

物足りないって方もいるとは思いますが
気が向けばイチャイチャしてるだけのを別ので書いてみたいとは思ってます

それよりもまずあーしさんのを完結させてになりますが

あーしのが完結さたらサキサキとか織裳ととか色々浮かんだのがあるんで
書けたらいいなと

今度はもっと早く書けるよう頑張っていきたいと思います
ここまでお付き合い下さって本当にありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年09月04日 (金) 21:08:37   ID: J0p1U7Xp

この海老名嫌い

2 :  SS好きの774さん   2015年09月04日 (金) 23:01:03   ID: Z40aNhod

俺は好きだよ

3 :  SS好きの774さん   2015年09月05日 (土) 23:01:11   ID: 0WGUtwRF

大好きだなこの海老名

4 :  SS好きの774さん   2015年09月06日 (日) 04:59:43   ID: yLouhhWQ

更新頑張ってください!

5 :  SS好きの774さん   2015年09月08日 (火) 13:27:56   ID: nM8OTF8A

面白い!頑張ってください!

6 :  SS好きの774さん   2015年09月10日 (木) 12:16:15   ID: 9iGy4cPX

よっしゃ!ハーレムやな!!!
男見せろや!

7 :  SS好きの774さん   2015年09月13日 (日) 03:26:42   ID: CdahMAat

自分に素直な海老名さん可愛い

8 :  SS好きの774さん   2015年09月13日 (日) 11:11:19   ID: 6KzEExK5

すごい面白いです!

9 :  SS好きの774さん   2015年09月13日 (日) 22:53:48   ID: kLIHlMBN

いいぞもっとやれ

10 :  SS好きの774さん   2015年09月27日 (日) 23:06:16   ID: isnWTYO1

これこそ待ち望んでいた海老姫のssだ!作者がんばれ!続きがみたい!

11 :  SS好きの774さん   2015年09月27日 (日) 23:07:21   ID: isnWTYO1

海老名さんが八幡にもふもふされるシーンがみたい

12 :  SS好きの774さん   2015年09月29日 (火) 03:27:28   ID: kvBM55sX

奉仕部二匹が心底うざい
彼女でもねーのに調子のんなよks

13 :  SS好きの774さん   2015年10月02日 (金) 22:13:31   ID: MG7kUVzO

個人的にとても好きです
楽しみにしてるので頑張ってください

14 :  SS好きの774さん   2015年10月11日 (日) 21:04:23   ID: nuGOZIAi

海老名さんやサキサキはメインヒロインじゃない分妄想が膨らむからね
暴走するのも仕方ないね

だから俺はメインヒロイン以外のSSがすっげぇ好き

15 :  SS好きの774さん   2015年10月20日 (火) 05:59:56   ID: KzQRmxxZ

読んでて、段々キャラが気持ち悪くなってきた、、。

16 :  SS好きの774さん   2015年10月30日 (金) 16:36:38   ID: 4ZfSZhQo

ならもう読まなくていいよ
そもそも気持ち悪いと感じた時点で閉じろよ


続きまだかなー

17 :  SS好きの774さん   2015年11月03日 (火) 03:09:31   ID: BpDQJbht

修学旅行のくだりからの海老名さんの話をここまで広げて書けるのは本当にすごいと思います!

大変だとは思いますが最後まで納得できる形で書ききってください!

18 :  SS好きの774さん   2015年11月23日 (月) 21:53:26   ID: cFuoWU4m

頑張ってください!!ずっと待ってます!

19 :  SS好きの774さん   2015年12月01日 (火) 21:52:59   ID: MlkrfX8l

面白いです♪
続きも期待してます!

20 :  SS好きの774さん   2016年02月01日 (月) 16:49:34   ID: Q8BxkghV

まってました!

21 :  SS好きの774さん   2016年03月04日 (金) 03:15:04   ID: idaNlTwc

読み終わ…れませんでしたぁ(´;ω;`)

22 :  SS好きの774さん   2016年03月10日 (木) 21:49:29   ID: mfdBDOJC

NICEでGREATな作品でした!!
海老名さんとは思い切りイイっすね。
面白かったわー。っべーわ。

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