きれいなジャイアン「みんな、一緒にお勉強しませんか?」(33)

<学校>

きれいなジャイアン「みんな、一緒にお勉強しませんか?」

きれいなのび太「いいですね、やりましょう!」

出木杉「そうだね!」

きれいなしずか「みんなでお勉強……なんてステキな響きなのでしょうか!」

きれいなスネ夫「それだったら、ぼくの家でお勉強しましょう!」

きれいなスネ夫「みんなで勉強するのに、ちょうどいいスペースがありますから!」

きれいなジャイアン「さすがスネ夫君!」

出木杉「じゃあ、帰ってから、骨川君の家に集合することにしよう」

きれいなのび太「そうしましょう!」

<のび太の家>

きれいなのび太「ただいま帰りました」

きれいなドラえもん「お帰りなさいませ、のび太君」

きれいなのび太「君と一緒におやつと洒落込みたいところなのですが――」

きれいなのび太「これからすぐ、スネ夫君の家でお勉強をするので」

きれいなのび太「出かけてきますね!」

きれいなドラえもん「相変わらず勉強熱心ですね、あなたは」

きれいなのび太「ところで、ドラえもん君」

きれいなドラえもん「なんでしょう?」

きれいなのび太「スネ夫君の家に菓子折りを持っていきたいのです」

きれいなのび太「お手数ですが、用意していただけないでしょうか?」

きれいなドラえもん「分かりました」ゴソゴソ…

きれいなドラえもん「菓子折り~!」

きれいなドラえもん「どうぞ、お持ちになって下さい」

きれいなのび太「いつもいつも、ありがとうございます」

きれいなのび太「行って参ります、ママ」

きれいなママ「行ってらっしゃい」

きれいなママ「しっかりお勉強してくるのですよ」

きれいなママ「だけれど、無理をしてはいけませんよ」

きれいなママ「私はあなたが元気であれば、それでよいのですから」

きれいなのび太「お心遣い、恐縮です……ママ」

<外>

きれいなのび太「おや、かわいらしい野良犬ですね」

きれいな野良犬「クゥ~ン」ペロペロ…

きれいなのび太「あなたはいい子ですね」

きれいなのび太「いずれ、ドラえもん君の道具で新天地に連れていってあげますからね」

きれいな野良犬「ワン!」

<スネ夫の家>

きれいなのび太「こんにちは、スネ夫君」

きれいなスネ夫「お待ちしておりました、のび太君」

きれいなジャイアン「これで全員、揃いましたね」

出木杉「それじゃ、勉強を始めようか」

きれいなしずか「はいっ!」

きれいなのび太「ううむ……この問題はなかなか難しいですね」

出木杉「ここはね、こうやって解くといいよ」

きれいなのび太「なるほど! ありがとうございます、出木杉君!」

きれいなしずか「のび太さんはこのところ、めきめき成績を伸ばしていますね」

きれいなのび太「いえいえ、ぼくなどまだまだですよ」

きれいなのび太「やった! 先ほど手こずった問題と同じような問題を」

きれいなのび太「ついに自力で解くことができました!」

きれいなのび太「これも皆さんのおかげです! どうもありがとうございます!」

出木杉「いやぁ、野比君こそがんばってたじゃないか」

きれいなしずか「そうですよ。最後まで諦めなかったのですから」

きれいなジャイアン「のび太君の素晴らしさを改めて実感することができましたよ」

きれいなスネ夫「――そうだ!」

きれいなスネ夫「今度、このメンバーで四丈半島へ遊びに行きませんか?」

きれいなスネ夫「ぼくたちの友情を、さらに深め合いたいのです!」

きれいなジャイアン「賛成です!」

出木杉「今の季節、四丈半島はとても過ごしやすい気候になってるだろうね」

きれいなしずか「スネ夫さん、ありがとうございます!」

きれいなのび太「スネ夫君」

きれいなスネ夫「なんですか? のび太君」

きれいなのび太「ドラえもん君も、連れていってかまいませんか?」

きれいなスネ夫「もちろんですとも! ぜひ連れてきて下さい!」

きれいなスネ夫「ぼくのポリシーは『来る者は拒まず』なのですから!」

きれいなのび太「ありがとうございます!」

出木杉「それじゃ、今日のところはこれで解散しようか」

きれいなしずか「さようなら、出木杉さん」

きれいなジャイアン「今日は楽しかったです」

きれいなスネ夫「さようなら!」

きれいなのび太「また明日、皆さんと学校でお会いできるのが楽しみです!」

きれいなのび太「帰りは健康のため、ジョギングして帰りましょうかね」

きれいなのび太「えっほ、えっほ」タタタッ…







「ふふふ……どうやらうまくいっているようだな」

「ああ」

宇宙人A「“きれい化ウイルス”の感染はどんどん進んでるぜ」

宇宙人A「人や動物はもちろん、ロボットにすらこのウイルスは作用するからな」

宇宙人B「うむ、“地球人浄化計画”は順調だな」





「やはり、こういうことだったのか」





宇宙人A&B「!?」

宇宙人A「だ、だれだ!?」

宇宙人B「何者だ?」

出木杉「君たちのいう、地球人の一人さ」

出木杉「近頃、みんなの様子がおかしいから、これはなにかあるなと思ってたんだけど」

出木杉「全て君たちの仕業だったというわけか」

宇宙人A「ぐ……!」

宇宙人A「お、おい! なんでこいつには“きれい化ウイルス”が効いてないんだ!?」

宇宙人B「分からん……。考えられる理由としては――」

宇宙人B「この少年は元々“きれい”なのだろう」

宇宙人A「な、なんだと……!」



出木杉「…………」

出木杉「ところで、なぜ君たちは“地球人浄化計画”なるものを始めたんだ?」

宇宙人A「ふん、その理由は自分が一番よく分かっているんじゃないか!?」

宇宙人B「うむ、この地球という星は宇宙の星の中でも特に“悪の心”に満ちている」

宇宙人B「戦争、環境汚染、テロ、犯罪、いじめ、引きこもり……問題は山積みだ」

宇宙人B「だから、我々が君たち地球人を“きれい”にしてやろうと思ったのだ」

宇宙人A「そういうことだ!」



出木杉「…………」

宇宙人A「周囲の人間が急に“きれい”になったから違和感を覚えてるんだろうが」

宇宙人A「“きれい化ウイルス”が通じないお前のことだ」

宇宙人A「本当はもう、気づいてるんだろ?」

宇宙人A「この星のためには、“地球人浄化計画”が必要だってな!」

宇宙人B「うむ、我々の試算では、この星はあと百年もしないうちに滅ぶぞ」



出木杉「…………」

出木杉「たしかに……そうかもしれない」

出木杉「ぼくだって、心の奥底では君たちの計画に賛成してしまっている」

宇宙人A「だろう!? だったら俺たちに協力――」

出木杉「でも……だとしても!」

出木杉「ぼくはたとえ心がきれいでも、ウイルスに操られた友だちなんかより」

出木杉「自分自身の意志で行動する友だちが欲しい!」

出木杉「そしてなにより――ぼくは人類……みんなを信じている!」

出木杉「だから、みんなを元に戻してくれ!」

宇宙人A&B「!!!」

宇宙人A「ぐ……! なんというきれいさ!」

宇宙人A「さすが、“きれい化ウイルス”が効かなかっただけのことはある!」

宇宙人B「これほど澄んだ輝きを放つ目を持った者は」

宇宙人B「我々“ソージ星人”の中にもいるかどうか……!」

宇宙人A「分かった……いいだろう」

宇宙人A「ひとまず“地球人浄化計画”は中止にしてやる」

宇宙人B「うむ」

宇宙人B「君が人類を信じるように、我々も君を信じてみよう」

出木杉「どうもありがとう!」



──────

────

──

<宇宙船>

宇宙人A「“きれい化ウイルス”は全て取り除いた」

宇宙人A「これで地球人は元通りだ」

宇宙人A「さて、これからこの星はいったいどうなっていくのやら……」

宇宙人A「次来る時にゃ、滅んでたりしてな……」

宇宙人B「……いや、きっと大丈夫だろう」

宇宙人B「なにせ、この星にはあの少年がいるのだからな」

宇宙人A「そうだな!」

次の日――

<学校>

ジャイアン「のび太、ブン殴ってやる!」

のび太「ひぃぃ~! やめてよぉ! だれか助けてぇ~!」

スネ夫「ハハハ、のび太は相変わらずマヌケだなぁ」

しずか「もう、しょうがない人たちね!」



出木杉(これで……よかったんだ、きっと)







                                   ~おわり~

<お詫び>

本来の予定ではこのSSはのび太たちが「地球人浄化計画」を目論むソージ星人に立ち向かう
映画ドラのようなSSにする予定だったのですが、出木杉を絡ませたところ、
出木杉があまりにも優秀すぎたため、こんなにも短く終わってしまいました

大長編を期待していた方は本当に申し訳ありませんでした

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