みく「ロックにゃ!」李衣菜「ネコ耳とかいいかも」 (11)

みく「へ?」

李衣菜「え…?」

みく「今、李衣菜ちゃんの口からネコ耳って聴こえたけど」

李衣菜「みくちゃんこそ、ロックって……いきなりどうしたの? 頭でも打った?」

みく「みくは平常にゃ! 李衣菜ちゃんだって! ネコ耳ってどういう風の吹き回し!?」

李衣菜「い、いやぁ、なんとなく……たまにはいいかなって」

みく「なんとなくって……」

李衣菜「べ、別にいいでしょ!? そういう気分になる時があっても」

みく「よくないにゃっ!」

李衣菜「はぁ? いつもいつもネコ耳ネコ耳言ってるクセに何が不満なのさ!?」

みく「不満、っていうかなんていうか、えっとね、」

李衣菜「…なに?」

みく「李衣菜ちゃんはネコ耳をナメすぎにゃ。ネコ耳は一朝一夕にして成らず。ロックでさえ中途半端なのに」

李衣菜「むぅ……別にナメてるわけじゃないのに」

みく「というわけでロックが良いと思うにゃ」

李衣菜「待って待って! それだとみくちゃんこそロックナメてるんじゃないの!?」

みく「そんなことないにゃ」

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李衣菜「いーや、絶対ナメてるね」

みく「そんなことないもん!」

李衣菜「簡単に言ってくれるけどさ、みくちゃんギター弾けるの? 弾けもしないのにロックとか言われても」

みく「李衣菜ちゃんは弾けるの?」

李衣菜「うぇっ!? え、えーと、まぁ、うん、弾けるよ……? 当たり前じゃん」

みく「じゃあ弾いてみて」

李衣菜「い、今……?」

みく「うん、そこに李衣菜ちゃんがいつも携帯型インテリアにしてるギターもあるし」

李衣菜「インテリアゆーなっ! し、仕方ないなぁ……ちょっとだけね」

みく「うん」

李衣菜「え、えぇと……たしか、ここをこう押さえて……」
ジャカジャーン

みく「おぉー」

李衣菜「へへっ」
ジャカジャーン


ジャカジャーン


ジャカジャーン


ジャカジャーン……


みく「……さっきから同じ音しか聴こえてこないにゃ」

李衣菜「ふぅ……はい、おしまい」

みく「えぇっ!? やっぱり李衣菜ちゃんって…」

李衣菜「ていうか今はロック関係ないでしょ! ちょっとネコ耳貸してっ!」

みく「ダメにゃっ!」

李衣菜「なんで!?」

みく「ギターも満足に弾けない李衣菜ちゃんがネコ耳なんて100年早いにゃ!」

李衣菜「意味わかんないよっ!」

みく「ダメったらダメっ!」

李衣菜「貸してってば!!」

みく「ネコ耳じゃなくてロックにするんだからギター貸して! みくにも弾かせるにゃ!」

李衣菜「なっ!? ギターじゃなくてネコ耳の話してるの!!」

みく「違うにゃっ! ギターにゃっ!」

李衣菜「ネコ耳っ!!」

みく「ギターっ!!」












李衣菜「はぁ……はぁ……」

みく「はぁっ、はぁっ、李衣菜ちゃん頑固すぎにゃ…」

李衣菜「みくちゃん、こそ……」

みく「話を整理するにゃ」

李衣菜「うん」

みく「みくたちは次のアスタリスクのイベントでどう盛り上げたらいいのか話し合ってたにゃ」

李衣菜「そうだね」

みく「そこでみくが何か新しいことをしたいって言ったにゃ」

李衣菜「それには私も賛成した」

みく「でも新しいことといってもそんななかなか思い浮かばないから、その日は一旦解散してそして今日またこうして集まったにゃ」

李衣菜「そうだよ」

みく「昨日家に帰ってから考えてきた意見を出そうってみくが言って、それで、」

李衣菜「うん」

みく「考えた結果、みくはロックが良いって」

李衣菜「私はネコ耳とかやってみたいかな、って」

みく「…………なんで!?」

李衣菜「なんでって、そんなの……」

みく「どうせ李衣菜ちゃんのことだからみくに気を遣って合わせようとしてくれてるだけだよね?」

李衣菜「え? ち、ちちちち、違う、よ?」

みく「ほらっ! その焦り方がすべてにゃ!」

李衣菜「みくちゃんだって急にロックとか言い出すの明らかに不自然じゃんっ! 私に気遣ってるんでしょ!?」

みく「ち、ちがうにゃーっ!!」

みく「みくは本心からロックがやりたいって」

李衣菜「じゃあロックのどこに惚れたのか聞かせてもらおうか」

みく「え、えーと……か、かっこいいとこ!」

李衣菜「なにそれ、曖昧すぎで抽象的すぎ」

みく「なら李衣菜ちゃんは!? ロックのどういうとこが好きなの!?」

李衣菜「そ、それは……あー、クールなとことか、かな」

みく「みくとの違いがよくわからない……で、でも、ますますネコ耳を渡すわけにはいかなくなったにゃ!」

李衣菜「なんで!?」

みく「好き好き言ってるロックのこともよくわかってない李衣菜ちゃんがとてもネコ耳を使いこなせるとは思えないにゃ」

李衣菜「そ、そんなの頭に着けてにゃーにゃー言ってるだけでしょ…? 簡単じゃん」

みく「かちーん」

李衣菜「あ……」

みく「……」

李衣菜「ご、ごめん……怒った……?」

みく「…別に怒ってないにゃ」

李衣菜「いや、でも、今かちーんって聴こえて」

みく「そんなに言うなら貸してあげるにゃ」

李衣菜「えっ、え……?」

みく「ネコ耳。はい」

李衣菜「あ、ありが、とう……」

みく「ほら、着けてみて。みくが似合うか審査してあげるから」

李衣菜「う、うん…」

みく「……」

李衣菜「……」

みく「何してるにゃ。早く。りーにゃん」

李衣菜「うん、…ってりーにゃん!?」

みく「ネコ耳着けるんだから当然にゃ。みくだってみくにゃんだし」

李衣菜「わ、わかったよ。いいよ、りーちゃんで…」



李衣菜「ど、どう、かな……?」

みく「かわいい」

李衣菜「あ、やっぱり私には……え?」

みく「すごくかわいいよ! りーにゃん」

李衣菜「そ、そう…? ありがとう…」

みく「簡単に自己紹介してみて?」

李衣菜「え、今、ここで?」

みく「うん」

李衣菜「……よし」




李衣菜「た、多田李衣菜です。よろしく」

みく「……」

李衣菜「……」

みく「ナメてるの……?」

おわり

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