女兵A(元男)[いやぁ~、ビックリしたよな。起きたら女の体になってたわ。」
女兵B(元男)「昨日の夜、帝国城の上空に現れた女魔王があんなこと叫ぶから、どうなるかとおもったが。まさか街中の男が女になるとはな。」
女兵C(元から女)「なに平然と言ってんのよ!!魔王はあの後消えちゃったし、あんた達一生女のままかもしれないのよ!!」
女兵B「つってもなぁ~。こんな美少女になれるとは思わなかったし。胸とかもこんなにあるんだぜ?」
女兵C「・・・私より胸が大きいだなんて・・。魔王め、どうせなら貧乳にしなさいよね・・」」
兵士「全く。街中の男も皆女化したのか?」
女兵D「そうらしい。帝国兵、その家族、そして一般市民から下町のホームレスまで。調べれる範囲は全員調べたんだが、皆女になってたそうだ。」
男兵「ほかの町はどうなんだ?魔王は世界中の男を、とか言ってたはずだろ?」
女兵E「現在調査中。でも、今のところ男のままの男は一人も発見されていない。
裏山に潜んでる山賊たちですら女化してたそうだし。」
兵士「へぇ~。今回の魔王はかなり強力だな。一夜にして、世界中の男を女化するなんて。」
女兵H「・・・・」
兵士「・・?なんだ?さっきから人の顔をジロジロと・・・」
女兵H「いや・・・。その、兵士君。女・・・だよね?」
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兵士「は?当たり前だろ。皆女になったんだから。」
女兵H「そのわりに・・・さ。あんまり見た目かわってないよね。身長とか・・ガタイとか・・」
女兵F「そういう女化なんじゃない?男っぽい女の子化・・・みたいな。」
女兵H[いや・・・男っぽいというより、男そのものな気が・・・」
女兵B「そうか?俺は別に違和感を感じないがな。」
女兵C「あーでもわかる。なんか女の勘なのかな。本能的に、こいつ男じゃね?感を感じるわ。」
兵士「・・・・」
女兵H[・・ちょっと、あの・・兵士君。その・・・」
女兵C[そうね。一応ね。確かめてみないとね。」
兵士「はぁ?なにが?」
女兵F「ちょっと脱いでみてよ。あんたが本当に男かどうか確かめたいから。」
兵士「・・・」
兵士「おーい、女兵A。ちょっと脱いでくれるか?」
女兵A「はぁっ!?なんだよいきなり!?」
兵士「いいじゃん。女同士なんだし。ちょっとぐらい。」
女兵A「い、嫌に決まってるだろ!!・・・こんな、女ばっかの前で裸なんて・・」
女兵C「はぁ?何言ってんのよ?あんたも女じゃん。」
女兵A「お、俺は昨日まで男だったんだ!!そんな、いきなり女だって言われても・・・」
女兵F「・・・」
女兵C「・・・」
ガシッ
女兵A「お、おい!?何すんだよ!?」
女兵C「よく見たら、あんたも意外と胸ありそうね。ちょっと見せなさいよ!」
女兵A「やめろ!放せ!このっ!くそっ!」
女兵F「あらぁ~。随分非力になったわねぇ~。そりゃあ、男の時は2mあった身長も、今じゃ中学生程度になったものね~。」
女兵C「いいから!大人しく裸になりなさい!!」
女兵A「う、うわぁっ!!?やめろぉ~!!!」
女兵H「ちょっ!?皆さん!何を・・・」
兵士「・・・んで?女兵Hさん。」
女兵H「は、はい!?」
兵士「俺に裸になれって?」
女兵H「い・・いえ!!・・・結構です・・」
~城下町~
住民A「どういうことなんだ!?息子の友達とかも皆が女になってるぞ!!」
住民B「昨日の城の上にいたあいつ!本当に魔王だったんじゃないの!?」
衛兵A「お、落ち着いてください!現在調査中です!」
エルフ「大変な騒ぎですね~。」
商人「ああ。まさかこんな事になるなんてな。まぁ、本当に魔王が現れたんだとしたら、命があるだけマシってもんだ。」
エルフ「ってことは、貴方も元々は男の方だったんですか?」
商人「はは。嫁もいれば2人の子供を抱える大黒柱だったんだがな。面影もなくなっちまったよ。」
エルフ「・・・これが、魔王の力。なんて強力なんでしょうか・・」
商人「ホントにな~。前の魔王が倒れてからまだ数か月も経っていやしないのに。」
エルフ「魔王が何を考えてるかは分かりませんが、もしこの力を使って本格的に世界征服を行い始めたら・・・」
兵士「旦那。いつものを。」
商人「はいよ!って、おう!兵士さん!」
女兵B「やっぱり旦那さんだったか。意外と美人になったな。」
兵士「まぁ、女になってもその気迫や物言いは変わってないがな。」
商人「はは。お前さんだって、ほとんど変わってないじゃないか。どうせ女になるんなら、もっとナイスバディになりゃあいいもんをよ。」
兵士「魔王さんってのも全員を『完璧な美少女』には変えてくれなかったみたいでな。」
女兵B「まったく、運が悪かったな。俺なんて、こんな美少女になれたってのに。」
エルフ「・・・あなた方は?」
兵士「ん?エルフとは珍しいな。旅人か?」
商人「なんでも、帝国魔動院に用があるらしくってな。なぁ?お嬢さん。」
エルフ「はい。私はエルフの里より使いとして参りました。」
女兵B「エルフの里から?あんな辺境から遥々と?1人でかい?」
エルフ「いえ。お供の人とは街についてから別れました。互いに別件で街を訪れていたので、彼女たちは自分たちの用を済ませに・・」
兵士「エルフの里からねぇ~。ひょっとして、魔王関連か?」
エルフ「そ、それについては言えません。極秘の伝達ですので・・・」
兵士「極秘って、そんな大事なお使いをしてるってことを旦那や俺達に話しても大丈夫なのか?」
エルフ「・・・商人さんが優しそうなお方だったので・・・つい・・・」
兵士「へぇ~。あんたは直ぐに騙されるタイプなんだな。詐欺師とかに。」
エルフ「え!?」
商人「おいおい、兵士さん。つまり俺が詐欺師だっていいたいのかなぁ~?」
兵士「旦那の笑顔が、詐欺師がうらやむほどの完璧のものだって、ほめたんだよ。」
商人「そう逃げるのか。まったく、このガキは口だけは上手いんだから・・」
兵士「はは・・どうも。」
商人「そんな悪戯ばっかりするんなら・・・あたしも本気で相手してあげるわよ?」
エルフ「えっ!?」
女兵B「なっ!?」
兵士「・・・はぁ?」
商人「・・・ははっ!どうだ!?今の色仕掛けは?昔、俺もカミさんやられまくったんだが、一度真似してみたかったんだ。」
兵士「・・・旦那。あんた意外と楽しんでるだろ。女になったのを・・」
女兵B「やべぇ。マジで旦那が女になってたよ・・・」
エルフ「・・・凄い・・・魅力的でした・・」
兵士「ホントに怖いね~。詐欺師の次はホステスか何かになれそうだな。」
商人「はは。まぁ・・相手がいればの話だがな。」
兵士「なに?」
商人「だって今は世界中の男が女になってしまったんだろ?なら、ホステスなんかやったって、客になる男がいないじゃねーかよ。」
兵士「・・・そういや、そうか。世界中の男が女になったもんな・・」
女兵B「ってことは今頃、風俗店がバンバン潰れてるんだろうな。」
兵士「・・いやぁ、魔導長みたいなのが居るからまだ大丈夫だろ。」
エルフ「魔導長?」
兵士「あんたがこれから行く魔動院を管轄する帝国魔導騎士部隊の隊長だよ。元から女なんだけど、かなりのフェミニストでね。」
エルフ「・・フェミ・・?」
女兵B「分かりやすく言うなら、大の女好きなんだよ。」
エルフ「女好き・・・?え?その人は元から女性なんですよね?え?」
兵士「まぁ・・・いわゆるレズってやつだよ。」
女兵B「多分、この騒動をもっとも喜んでるんじゃないかな。町中が女だらけなんて、あの人にとってはハーレムだろうし。」
エルフ「・・女性なのに、女性が好き・・・?」
ep1『黒一点』
~帝都・帝国軍施設~
兵士「なんだよ、誰もいねーじゃん。」
戦乙女兵「あらら、あんた達は何堂々とサボってんのよ?」
女兵B「別にサボってたわけじゃない。買い出しに行ってただけ。」
兵士「他の兵はどうした?おたくらの戦乙女部隊も残ってねーじゃんか。」
戦乙女兵「兵士は皆駆り出されたわよ。貴族街から下町まで、あらゆる場所で市民達が抗議を起こしてるんだから。」
兵士「そりゃそうだな。朝起きたら男が皆無、女だらけの街になってたんだから。」
戦乙女兵「全く、魔王がやることにロクなことなんかないわね。」
女兵B「そうか?俺は結構楽しいと思うが。」
戦乙女兵「楽しいで済むわけないでしょ!男が居なくなったら・・・」
兵士「居なくなったら?」
戦乙女兵「私たちがサボれなくなるじゃない。せっかく激務は男に押し付けれたのに・・」
兵士「おいコラ」
兵士長「全く、下らん書類ばかり持ってきやがって・・・」
戦乙女兵「隊長さん。」
兵士「たいちょ・・・隊長!?あんた隊長なのか!?」
兵士長「よぉ、お前らか。こんなところで油を食ってるとはな。」
女兵B「隊長!?あ、アンタ・・・」
兵士「嘘だろ・・あの鬼隊長が、こんな美人に・・・」
兵士長「全く、誰もかれもが同じ反応をしやがって・・・」
戦乙女兵「そりゃそうですよ。オッサンがあり得ないぐらいの美女になっちゃったんですから。」
兵士長「朝起きてすぐに会った娘に、どこかの貴族が客で来たのかと尋ねられたよ。実の娘に他人扱いされるとは・・」
兵士「そりゃ、大丈夫ですか?娘さん、あまりの衝撃にグレちゃったんじゃ?」
兵士長「逆に美人さんがお父さんで嬉しいって言われたわ!こっちの事情も知らずに・・・」
兵士「・・・ま、良いじゃないですか。どうせ皆女になってるんだから・・・」
兵士長「・・・本当に、これでいいと思ってるのか?」
兵士「逆に何の問題があるのかが、俺には分かりませんよ。」
戦乙女兵「あらら・・・」
女兵B「あちゃー・・・これだから、こいつは・・・」
兵士長「・・・そうかもしれんな。」
兵士「?」
兵士長「男の威厳を失い、父親としての立ち位置を失うかもしれない・・・。そんなこと、どうでもいいことなのかもしれんな。」
兵士「男でなかろうと、父親でなかろうと、兵士長がお姉さんになっても今まで通りカッコいい生き方であり続けるんなら、
今まで通り、部下や家族は隊長から離れたりしませんって。」
~帝国軍施設・廊下~
「兵士さん!」
兵士「ん?・・おう、戦乙女の魔導士だっけ?」
魔導士A「はい!御無沙汰してます!」
兵士「この前は差し入れありがと。なかなかおいしかったぞ。」
魔導士A「はい。私もかなり上達しましたからね。料理の腕。」
魔導士A「あの・・それで、兵士さん。」
兵士「ん?どうした?」
魔導士A「・・・え~と・・兵士さんもやっぱり、女性化・・しちゃったんですか?」
兵士「・・・・まぁな。」
魔導士A「そ・・そうですか・・」
魔導士B「ちょっと!何やってんのよ!」
魔導士C「そんなくだらないことを言うために来たんじゃないでしょ!」
魔導士A「え!?ちょっと・・・」
兵士「・・・?」
魔導士C「全く、いつまでもウジウジしないの!」
魔導士A「そ、そんなこと言われても・・・」
魔導士B「兵士さん!」
兵士「な、なんだよ・・」
魔導士B「こいつ!この娘!魔導士Cちゃんはね!アンタのことがずっと好きだったのよ!!」
兵士「・・お、おう。知ってたが・・」
魔導士C「!?」
魔導士A「・・え?」
魔導士B「知ってたって・・・アンタ!」
兵士「少なくとも好意を寄せられてるような気はしてた。」
魔導士B「はぁ!?知ってたんなら、なんで早く付き合ってあげなかったのよ!」
兵士「い、いや・・・こっちの勘ちがいかもしれないし。それに、魔導士Aの態度がいまいち分かりづらかったし・・・」
魔導士A「・・・あ・・・う・・・」
魔導士C「だからって・・・もう!なんでこうなるまで、放っておいたのよ!」
兵士「こうなるって・・?」
魔導士B「・・・女化しちゃったら、恋愛なんかできないじゃん・・・」
兵士「・・え?」
魔導士C「何ヶ月も好きだったのに、こんな形で恋が終わるなんて・・・」
兵士「・・終わるって、なにが?」
魔導士C「女になっちゃったら!もう恋愛なんてできないでしょ!」
兵士「は?なんでだよ?」
魔導士B「え?」
魔導士C「はぁ?」
魔導士A「?」
兵士「俺が女になったら、なんで魔導士Aの恋愛が終わるんだよ?」
魔導士A「え?・・・それは・・・」
魔導士C「あんたバカ?相手が女になっちゃったら、どうやって恋愛をすればいいのよ?女同士なのよ?無理に決まってるでしょ!」
兵士「そうか?相手が男だろうが女だろうが、好きなら関係ないだろ。」
魔導士C「っ!!・・・な・・」
魔導士B「ちょっ・・何?そのトンデモ理論・・・」
魔導士A「・・・・」
魔導長「すばらしい!!!実にすばらしい見解だよ!!兵士君!!」
兵士「・・・げっ・・」
魔導士A「魔導長!?」
魔導士C「魔導長!!こんなところで何を!?」
魔導長「兵士長さんが絶世の美女になったと聞いてね、一目見ようと訪れていたんだよ。」
兵士「・・・さっき隊長が持ってた書類、魔導長さんが持ってきたのか・・」
魔導長「なるほど~。なかなか面白いことをしてるね?兵士君。」
兵士「・・・・」
魔導士C「魔導長・・・これはその・・・」
魔導長「魔導士A!!」
魔導士A「は、はい!!」
魔導長「君はかなり純粋な乙女だったはずだ。誰よりも素直に訓練をこなし、誰よりも素直に魔導士生活を送って、そして素直な恋愛をした。」
魔導士A「・・・はい。」
魔導長「兵士君のことを好きになったきっかけはなんだ?」
魔導士A「そ、それは・・・」
魔導士B「初めて任務に失敗して悩んでいた時に、図書館で偶然話しかけられて、色々相談にのってもらったから。」
魔導士A「!!」
兵士「あー、あれか。でもあれって・・・」
兵士(課題提出の為の本をこいつが持ってたから話しかけたのがきっかけだよな。なんとかして譲ってもらえおうと、ご機嫌どりな対応してただけなんだが・・)
魔導士A「・・優しい人だなって、思って・・・」
魔導士C「あとは雪崩落ちみたいに。事あるごとにカッコいい!素敵!ばっか言ってたわよね?」
魔導士A「だ、だって!!兵士さんは本当に優しい方なんですからね!時間があれば教会で孤児たちを相手に剣術の指導とか・・」
兵士「・・あれも元々は隊長の手伝いだったのが、いつの間にか俺1人で面倒見る羽目になってたし・・」
魔導長「そうかそうか。そんなに好きな相手なのか?」
魔導士A「・・・はい」
魔導長「・・なら、何故諦めるんだ?」
魔導士A「え?」
魔導長「何故諦めるんだ!君は今、彼に君の思いを伝えてようやく両思いになれたんだぞ!」
魔導士A「え?ええっ!?だ、だって・・・」
兵士「両想い・・・・決めつけっすか・・」
魔導士A「兵士さん・・女になっちゃったし・・・」
魔導長「お前は女になったというだけで、好きな相手を捨てるのか!お前は相手が男じゃなかったら満足できないのか!?それが純愛か?私には身を交じ合わせることしか頭にない売女にしか見えんぞ?」
魔導士A「!!」
魔導士C「魔導長!失礼ですが、その発言は間違いです!」
魔導長「なんだ?」
魔導士C「で、ですから恋愛は!・・・男の・・フェ、フェロモンが関係していて・・・・そ、それに・・子供とかの問題も・・・」
魔導長「お前にとっての恋愛は子作りなのか?子種を貰うことが、乙女の恋愛だというのか?」
魔導士B「そ、そうではなくてですね・・・なんていうか・・この世の摂理に反しているというか・・・」
魔導長「摂理?私にはよく分からんのだが、それはどこの摂理だね?」
魔導士C「わ、私が生きてきた世界での摂理です!」
魔導長「なるほど。それは、君の生きてきた世界が間違っているんだよ。」
魔導士C「は!?え!?ま、間違ってるって、どこがですか!?」
魔導長「否、間違ってなどいない。それは、まだ、知らないだけなんだろう。」
魔導士C「・・・はぁ?」
魔導長「魔導士C、貴様何歳だ?」
魔導士C「・・・16ですけど・・」
魔導長「なんだ!それでは立派な大人ではないか!」
魔導士C「へ?」
魔導長「16にもなった乙女がその程度の恋愛観ではこれから先、困ることも多かろう。」
ジリ・・ジリ・・・
魔導長「仕方ない。一つ私が・・・・・」
魔導士C「ま、魔導長・・・?な、なぜこちらににじり寄ってくるのですか?」
魔導長「ちょうど人も少なくなったこの施設、空室の一つや二つ無断で使用しても問題なかろう・・」
魔導士C「げっ!これマジヤバい!!た、助けて!誰か!」
魔導士A「・・・私の・・恋愛・・・正しい・・」
魔導士B「さ、さぁて・・・私、お昼ごはんの当番があったような・・・」
魔導士C「へ、兵士さん!助けてぇ~!」
兵士「・・・・」
兵士「(^^)ゞ」
魔導士C「て、てめぇええええええ!!!!!!覚えてろよぉおおおおお!!!!!」
魔導長「・・・魔導士A。」
魔導士A「は、はい!」
魔導長「もうすでに答えはでているだろ?」
魔導士A「はい?」
魔導長「先ほど私の質問、「兵士君のことが好きなんだな?」に君は「はい」と答えたじゃないか。君は、男の頃の兵士君が‟好きだった”のではなく、今でも兵士君のことが好きなんだろ?」
魔導士A「・・・」
魔導長「では、行こうか。魔導士Bちゃん♪」
魔導士B「い、嫌だぁぁああああああ!!!!」
魔導士A「・・・・」
兵士「ふっ~・・お疲れさまだな。魔導士Bは・・」
魔導士A「兵士さん!」
兵士「ん?どうした?」
魔導士A「わ・・・私・・・」
兵士「・・・」
魔導士A「兵士さんのことが好きです!!」
兵士「・・ああ、そうだな。」
魔導士A「で、でもですね!兵士さん!わ、私・・・その・・・じょ、女性同士っていうのが、その・・」
兵士「・・・あ、うん・・・」
魔導士A「その・・私、まだ心の準備が・・・。」
魔導士A「だから!兵士さん!もう少し待ってください!」
兵士「・・え?」
魔導士A「必ず!必ず兵士さんとお付き合いをする為に!もう少しだけ時間をください!」
兵士「お、おう・・・」
魔導士A「お願いします!私頑張ります!で、ですから・・」
兵士「・・わかった。待ってるから・・・」
魔導士A「や、約束ですよ!兵士さん!」
兵士「あ、ああ。分かった。」
魔導士A「では、また後ほど・・・・」
兵士「・・・・・」
兵士「・・・面白い展開だなぁ~。まぁ、当事者の俺にとっては全く面白くないがな・・」
~帝国軍男性宿舎~
女兵G「おーい、風呂いこ~ぜ!」
女兵A「・・・嫌だ・・」
女兵B「今朝のことは気にすんなって!この宿舎には男しかいないんだから。」
兵士「元は男だった、だろ。今は女ばっかじゃん。」
女兵A「・・・女ばっかじゃねぇか・・どこもかしこも・・・」
女兵B「そりゃ、魔王のせいで世界中がこうだよ。だからってさ・・・」
女兵A「・・・もうやめてくれ・・・これ以上、お、俺に構わないでくれ・・・」
兵士「なんなんだ?あいつ?女性恐怖症か何かか?」
女兵I「あいつ、さっきカウンセリングに行ったってさ。今朝の件だけでなく、そこら辺で女たちに胸を触られたり、服を脱がされたりしたらしくて・・。中には元同僚とかの女化した奴らも混じってたらしく・・・」
女兵G「元々は堅実な男だっただけに、いきなりあーゆー扱いを受けたことへの気持ちの整理がつかないらしい。」
兵士「あーあ。そりゃご愁傷様。」
女兵G「女だらけの世界で、女性恐怖症とは可哀相な奴だよな。」
兵士「世界を見渡す限り四方八方が敵だらけって感じなのかな?あいつの中ではこの世界は修羅化してるのかよ。」
女兵A「・・・もう・・外に出たくない・・・・」
女性B「・・なんかスゲェ落ち込みようだけど、なんか可愛らしいよな。」
女性G「小柄な美少女が涙目でうずくまってるからなぁ~。なんか、こ~、守ってあげたくなるよな。」
女性B「これが・・俗にいう『母性』なのか・・?」
兵士「あ、わりぃ。俺もう先に入ってるから。そっちだけで入って来いよ。」
女兵B「なんだよぉ~。せっかくなんだからよ、裸の付き合いしよ~ぜぇ~。」
兵士「お前のナイスバディはもういいよ。朝から見飽きてる。そんなに見せびらかしたいんなら、街道で素っ裸にでもなってこいよ。」
女兵B「おいおい、そんなことしたら・・・」
兵士「何か問題でも?世界中女だらけになったこの世界で、女が裸で外にいることが。」
女兵B「・・あー・・確かに・・・」
女兵G「お、おい?お前何を・・・」
女兵B「・・ちょっと外に行ってくるわ・・」
女兵G「おい!ちょっと待て!おい!」
兵士「・・・・」
女兵A「・・・・」
兵士「・・あのさぁ・・
女兵A「ひぃっ!?な、何!?」
兵士「何そんな弱気になってんだよ?」
女兵A「べ・・・別に、弱気になんか・・・」
兵士「全く、あんな女共にいいように遊ばれやがって。それでも帝国軍人の男かよ。」
女兵A「そ、そんなこと言われても!!こ、こんな小っちゃくなったのに・・・・」
兵士「・・喋り方も、なんか女っぽくなってねーか?」
女兵A「・・・・女兵たちに、可愛い喋り方した方が良いって強要されて・・」
兵士「うわぁ・・完璧にお人形さん扱いだな。」
女兵A「!!う、うわぁぁあああああ!!!!」
兵士「!?」
女兵A「どうしてそんなこと言うのぉ!!あたしはお人形なんかじゃないよぉ!!!!元帝国軍人の、誰よりも強い兵士だったのにぃぃいいいい!!!」
兵士「・・・」
女兵A「うわぁ~ん!!うえ~ん!!」
寮長「全くうるさいぞ。誰かガキでも連れ込んでるのか?」
女兵A「!!」
兵士「寮長。ちぃっす。」
寮長「あら、兵士。あんたは女化してもあんまり変わらないのね。」
兵士「そういう寮長もあんまり変わってないですね。」
寮長「そりゃ~ねぇ~。あたしは元から女だから・・・ね?」
兵士「あれ?そうでしたっけ?」
寮長「あはは。あんたは冗談が好きだね。」
兵士「ははは。」
寮長「あはは。」
グリグリグリ
兵士「イテテテテ!!ゴメンナサイゴメンナサイ!!」
寮長「全くこの口は!!昔からいらないことばっかり!!!」
兵士「りょ、寮長さんが美人だからですって!!つい意地悪言いたくなるんすよ!!」
寮長「ふん!そういうお世辞は彼女出来た奴から聞きたかないよ!」
兵士「彼女?」
寮長「この前の魔導士の娘、あんたに随分懐いてるようだしね。さぞかし仲が良いんでしょうねぇ~?」
兵士「そ、それは別に・・・」
寮長「全く、あんないい子そうな娘相手にこんな口の利き方しようもんなら、その口切り落としてやるからね!」
兵士「・・・別に、あいつは・・・」
寮長「ん?」
女兵A「ビクッ!!」
寮長「あ、あんた!!まさかもう子供まで・・」
兵士「なワケあるかよ!」
寮長「じゃあ、この小さなお子さんは誰だよ!?」
兵士「こいつは女兵Aだよ!!元は男の!!」
寮長「はぁ!?この小っちゃいのが?あの大男の女化した姿なの!?」
女兵A「・・・あ、あの・その・・・」
寮長「・・な、なんでこんなにおどろおどろしいの?」
兵士「色々あって、女性恐怖症なんですよ・・・」
寮長「女性?はぁ?この女だらけの世界で?」
女兵A「・・・その・・りょ、寮長さん・・・」
寮長「なんだい?」
女兵A「ひぃっ!!?・・あ・・・あわわ・・・!!」ガクガク
兵士(寮長に見られただけで膝が震えてるとは・・)
寮長「・・なんか扱いずらい子だねぇ。というより、心配な子・・・」
兵士「とりあえず、こいつを部屋まで送っとくんで。今日はもう、部屋に引き込ました方が良いだろうな。この寮だって女だらけなんだから。」
寮長「そ、そうかい?なら、任したよ。」
兵士「はいよ。」
女兵A「・・・う、ううぅ・・・」
兵士「ほら、行くぞ。」
女兵A「・・うん。」
兵士「全く、寮長は余計なことばっかに口出ししやがって・・・」
女兵A「・・・・」
兵士「魔導士Aのことは、関係ないっていうのに。くそっ!」
女兵A「兵士。さっきから寮長の愚痴ばっか言ってるじゃん。」
兵士「え?まぁな。あの人のこと話すと話題が尽きないからな。今日だって、兵士たちが女化したって聞いた瞬間、女用の服がなくて困らないように、そこら中から衣服や下着やらを集めてきたらしいしさ。ホント、出来る女だよな。」
女兵A「ホント、兵士は寮長さんのことが好きだね。」
兵士「ああ、帝都に来てからずっと世話になってるからな。もう1年以上になる付き合いか。自然と愛着も沸くわなぁ。」
女兵A「・・・・」
兵士「・・つかさ、お前さっきよりもだいぶ口数がおおくなったよな。どうしたんだ?」
女兵A「なんでだろ・・?なんか、兵士と一緒にいると安心する・・」
兵士「はぁ?なんでだよ?・・・・ああ、もう慣れてきたってわけか。女性恐怖症に。」
女兵A「いや・・寮長を見たときは体も心も勝手に騒ぎ出して頭が真っ白だったのに・・・」
兵士「・・・・」
女兵A「・・・なんでだろ?なんか、何故か、お前と一緒に居ると、懐かしいような、居心地の良いような・・・・」
兵士「それは結構だが、それを他の女共の前でも感じれるようにならないと、お前これから先生きていけねえぞ。」
女兵A「・・・・」
兵士「・・・?」
女兵A「いやだよ・・・そんなの、無理・・・」
兵士「は?」
女兵A「あたしを見るなり、玩具みたいにベタベタ触って、服まで脱がされて・・・。やめて!って言っても、暴れても、力づくねじ伏せられて・・」
兵士「あ・・・うん。まぁ、そりゃ、お前は元は剛腕の大男だったしな。いきなり女相手に力負けしたらな・・」
女兵A「女って・・あんなに怖い生き物だったんだね・・・」
兵士「・・・・」
女兵A「あいたから、あいつらの世界で生きていく自信がないよ・・・」
兵士「・・・・」
女兵A「・・・だから、お願い。」
兵士「?」
女兵A「あしたからも・・・俺・・・・あたしを・・守って・・・お願い・・・」
兵士「・・・・お、俺が?アンタを?」
女兵A「・・・い、いや、いい!い、今のは忘れて!」
兵士「あ、はい。」
女兵A「・・おやすみ・・・」
兵士「・・・」
兵士(あ、あいつってホントにあの大男だったんだよな・・・?いまはただのあざとい少女にしか見えんが・・・)
兵士「全く、寮長は余計なことばっかに口出ししやがって・・・」
女兵A「・・・・」
兵士「魔導士Aのことは、関係ないっていうのに。くそっ!」
女兵A「兵士。さっきから寮長の愚痴ばっか言ってるじゃん。」
兵士「え?まぁな。あの人のこと話すと話題が尽きないからな。今日だって、兵士たちが女化したって聞いた瞬間、女用の服がなくて困らないように、そこら中から衣服や下着やらを集めてきたらしいしさ。ホント、出来る女だよな。」
女兵A「ホント、兵士は寮長さんのことが好きだね。」
兵士「ああ、帝都に来てからずっと世話になってるからな。もう1年以上になる付き合いか。自然と愛着も沸くわなぁ。」
女兵A「・・・・」
兵士「・・つかさ、お前さっきよりもだいぶ口数がおおくなったよな。どうしたんだ?」
女兵A「なんでだろ・・?なんか、兵士と一緒にいると安心する・・」
兵士「はぁ?なんでだよ?・・・・ああ、もう慣れてきたってわけか。女性恐怖症に。」
女兵A「いや・・寮長を見たときは体も心も勝手に騒ぎ出して頭が真っ白だったのに・・・」
兵士「・・・・」
女兵A「・・・なんでだろ?なんか、何故か、お前と一緒に居ると、懐かしいような、居心地の良いような・・・・」
兵士「それは結構だが、それを他の女共の前でも感じれるようにならないと、お前これから先生きていけねえぞ。」
女兵A「・・・・」
兵士「・・・?」
女兵A「いやだよ・・・そんなの、無理・・・」
兵士「は?」
女兵A「あたしを見るなり、玩具みたいにベタベタ触って、服まで脱がされて・・・。やめて!って言っても、暴れても、力づくねじ伏せられて・・」
兵士「あ・・・うん。まぁ、そりゃ、お前は元は剛腕の大男だったしな。いきなり女相手に力負けしたらな・・」
女兵A「女って・・あんなに怖い生き物だったんだね・・・」
兵士「・・・・」
女兵A「あいたから、あいつらの世界で生きていく自信がないよ・・・」
兵士「・・・・」
女兵A「・・・だから、お願い。」
兵士「?」
女兵A「あしたからも・・・俺・・・・あたしを・・守って・・・お願い・・・」
兵士「・・・・お、俺が?アンタを?」
女兵A「・・・い、いや、いい!い、今のは忘れて!」
兵士「あ、はい。」
女兵A「・・おやすみ・・・」
兵士「・・・」
兵士(あ、あいつってホントにあの大男だったんだよな・・・?いまはただのあざとい少女にしか見えんが・・・)
兵士「ふぅ~・・・。なんか疲れた。今日は特に・・・・」
エルフ「あ、あの~。」
兵士「あ?・・・あれ?あんた、昼間のエルフ?」
エルフ「え?あ、ひょっとして店でご一緒になった?」
兵士「ああ、やっぱりあの時のエルフか。魔動院に行くんだろ?なんで寄宿舎なんかに?」
エルフ「・・・お使いです。」
兵士「あー、またか。今度はどこに用があるんだよ?」
エルフ「・・・・」
兵士「・・・?」
エルフ「あ、あの・・・・」
兵士「なんだよ?」
エルフ「その・・・、しょ、証明・・・を・・・」
兵士「しょうめい?電気のことか・・?」
バサッ バサッ
「よいしょお~♪」
兵士「なに?」
エルフ「ハービーさん!」
羽女「エルフさ~ん!獲物を見つけたんなら、はやく合図だしてよね~。」
エルフ「で、でも、まだ確認が・・・」
羽女「え~、しゃ~ないな~。」
兵士「?」
羽女「じゃあ手っ取り早く!そこの人!」
兵士「あ、ああ。なんだよ?さっきから・・」
羽女「とりあえず服を脱ぎなさい!!!」
兵士「・・・は?」
羽女「先ずは早く!!服を脱げ!!」
エルフ「お願いします!どうしても、今回は貴方に用事があるんです!ですがその前に、確認を!」
兵士「か、確認?・・・って、なんの?」
エルフ「それは・・・ご、極秘情報なので・・」
兵士「服脱げって言う相手に理由を極秘にするとか、意味分かんねぇぞ!!!」
羽女「うるさい!!とりあえず服を脱げ~!!!!」
兵士「くっ・・・こうなりゃ・・・!!」
エルフ「!!へ、兵士さん!!そんな、剣を構えられても・・・」
兵士「そっちが事情を一切喋らないって言うんなら、こっちだって素直に従うワケにはいかねぇよ!!」
エルフ「そ、それは・・・・」
兵士「秘密にされたままじゃ納得いかねぇから。多少痛い目見てもらってでも、知ってること全部吐いて貰うぞ。」
羽女「こいつ・・なんか強そう・・・。エルフ!どうしよ!?」
エルフ(出来れば和平的に済ませたいですね。なんせ、相手は『勇者の可能性のあるお方』なんですから。)
羽女(でも、その為には服を脱いで貰って確かめないと・・・)
兵士(・・・?なんだ?意外と敵意を感じないな・・・)
エルフ「その・・・わ、私たちはですね・・・」
羽女「とりあえず、兵士さんに服を脱いで貰いたいんですよ!」
兵士「なんで?」
エルフ「そ、それはですね・・・・・」
羽女「とにかく裸になって確かめないとダメなんだって!!」
兵士「確かめるって・・何を?」
エルフ「えと・・えーと・・・」
羽女「・・・は、裸・・とにかく、裸を見ないとダメなんだよ!!!」
兵士「はぁ?」
羽女「そ、そう!!私たちは裸を見たい!!あんたの裸が見たい!!ただそれだけ!!・・で・・その・・・」
兵士「・・・・・」
羽女(!!な、なんか凄い怪しい目で見られてる・・・)
エルフ(ハービーさんがそんなこと言うからですよ!!)
羽女「な、なんだよ!!ケチ!!女同士なんだから裸ぐらい見せろよな!!」
兵士「・・・ん?お、女同士・・・?」
羽女「そ、そうだよ!!女同士なんだからさ!」
兵士(女同士って・・・てことは、こいつら俺を女扱い・・・?)
羽女「そ、そうだ!女同士だから、別に裸になっても問題ないよね!」
兵士「・・・い、いや。別に、女同士だからって・・・」
羽女「・・・そ、そんなことないって!!ホラ!こんな風に・・・」
兵士「!」
エルフ「は、ハービーさん!?何を!?」
羽女「んしょっと・・・」ガサガサ
エルフ「ハービーさん!何服を脱いで・・・」
羽女「ホ、ホラ!!別に恥ずかしくもなんともないじゃん!女同士で裸を見せ合うことぐらい・・・」
兵士「・・・・」
羽女「・・あれ?なんで目線を逸らしてんの?」
兵士「・・・・。お、お前が勝手に脱いだだけなんだからな・・・」
エルフ「何やってるんですか!!早く服を着て・・・」
羽女「強情な奴だな・・・。仕方ない、エルフ。」
エルフ「は、はい?」
羽女「お前も脱げ!」
エルフ「ええっ!!?な、なんでですか!?」
羽女「これも勇者の為だ!!早く脱げ~~!!!」
エルフ「や、やめてぇ!!いやぁぁあああ!!!!」
兵士(・・・勇者?)
兵士「お、おい・・あんたら、勇者って・・・」
エルフ「・・ぐすん・・・もうお嫁に行けない・・・」
羽女「ハァ・・ハァ・・・。あ、あはは。こ、これであんたも脱ぐ気になったっしょ?」
兵士「・・・い、いや、そんなことより勇者って・・」
羽女「こうなりゃ・・やっぱり力づくだなぁあああ!!!!」
兵士「!?」
兵士(くそっ!!さ、さすがに全裸の女に剣なんて・・・)
「ふ~ん?遅いと思ったら、なんか面白そうなことしてるわねぇ~。」
エルフ「!!」
羽女「!!」
兵士「・・・・この声・・・・」
「エルフちゃん。その子が勇者候補なの?」
エルフ「は、はい・・候補者100人のうちの一人です。」
兵士「・・昨日の夜、帝都中に広がったあの声と同じ・・・・・魔王の声・・」
女魔王「うーん・・・・」
兵士「・・・」
女魔王「なんか、あんまり勇者って感じじゃないわね。」
兵士「・・・・」
女魔王「とにかく、見てみないと分かんないわよね~。」
兵士「・・・?なんでエルフが魔王と一緒なんだ?」
エルフ「そ、それは・・・」
兵士「エルフが一緒に帝都に来たって同乗者は、魔王だったってわけか。」
女魔王「・・なんか怖い目してるわね。いい感じの気迫出してるし。男勝りもいいとこね。」
兵士「魔王。お前がこの世界をつくったんだろ?」
女魔王「男の居ない世界?うん、そうだよ。」
兵士「何故だ?どうしてこんな世界を望んだんだ?」
女魔王「え~?だって~・・・」
~30分後~
女魔王「つまり、男はこの世界に不要なわけよ。原理的に。」
兵士「・・・ごめん、よく分かんなかった。」
女魔王「え?マジ?まいったなぁ~。じゃあ、もう一回。」
兵士「いや、もういいから!そんな長い話、真面目に聞いてられるか!!!」
羽女「私もいつも途中で眠っちゃうんだけど、魔王さんは何をいつも話してるの?」
エルフ「えーとですね・・・とにかく、女性同士の恋愛は美しい、男女の恋愛はけがらわしい・・とおっしゃってました。」
兵士「なんか、魔導長の言ってることのレベルアップ版って感じだったし・・・」
女魔王「とにかく・・・あなたが勇者かどうかを確かめさせてもらうわよ。」
兵士「確かめるって、どうやって?」
女魔王「勇者に選ばれたものは、体のどこかに紋章が浮かび上がるのよ。魔王がこの世に『覚醒』したその日にね。私は一週間前に覚醒したから、ここ一週間で勇者も必ず覚醒してるはずなの。」
兵士「一週間?あいにくだが、俺の身体に紋章なんてなかったぞ。」
女魔王「そう?でも私自身のめで確かめないとね。気が済まないわ。それに・・・女の子を裸にするのはいつでも楽しいし・・・ウヘヘ」
兵士「・・・そのつもりなら、魔王と一戦っていうんなら・・・こっちもそれなりの覚悟で行かせてもらうけどな!!」
羽女「・・・エルフ。あいつって勇者じゃいのかな?」
エルフ「当人は紋章なんてないとおっしゃってましたけど・・・どうでしょうか?」
羽女「もし勇者でもなんでもないんなら、なんで魔王相手に闘争心剥き出しでいられるんだろう?もう何日も一緒にいる私達ですら、魔王の放ってる威圧感に毎回身体が慄いてしまうのに・・・」
エルフ「・・・それは・・・わかりません。」
女兵A「・・・のどか沸いたな・・・。結構遅いし、皆なちゃってるだろうし、誰にも会わずに済むよね・・・」
ガシャン
女兵A「ビクッ!!・・・なんだろ・・?今の・・・」
兵士「・・・くそっ・・・」
女魔王「意外と粘るわね。人間相手だから退屈なのかと思ったけど、案外楽しいじゃん。もう勇者以外に楽しい相手はいないと思ってたけど・・」
兵士「・・お前・・俺が勇者じゃないってこと・・・」
女魔王「もうとっくにわかってるわよ。勇者がその程度の力なわけがないし、手を抜いてるようにも見えない。あなたはただの一般人。」
兵士「・・・そんな悲しいこと言うなよ。さっきまで、意外と強いって誉めてたじゃねぇか・・」
女魔王「誉めてはいたけど強いなんて言ってないじゃん。たかだか人間相手に。残酷だけど、あんたはあたしの足元にも及ばないわ。」
兵士「・・・・」
女兵A「え?なに・・?何やってんの?」
女魔王「・・ん?」
女兵A「・・・え?」
女魔王「・・・・」
女兵A「・・・あ、あの・・・」
女魔王(キャー!!何あれ!?何何!!?チョーかわいい!!!可愛すぎ~!!お人形!?歩くお人形なの!?ていうか天使じゃん!!めっちゃかわいい!!攫いたい!いますぐ拉致して連れて帰って、ベットでギュってしたい!!!)
女兵A「ひぃっ!?なんなの・・?」
兵士「お前・・なんで・・」
女魔王「あ・・・あ・・・・あなた!!あなたも勇者の可能性が!!い、いや、私のしもべにる要素があるわね!!今すぐに!!!」
女兵A「い、いやっ!!来ないで!!」
兵士「てめっ!!このぉ!!」
女魔王「ちょっ!!邪魔!!」
ザクッ
女魔王「あ・・・」
兵士「っ・・・!!」
女兵A「・・え・・・?」
エルフ「兵士さん!!」
女兵A「兵士・・?嘘・・・・」
女魔王「まったく、あんな変な軌道から出てくるから・・・・」
エルフ「兵士さん!!大丈夫ですか!?」
女魔王「あー、もー。仕方ない。あたしの回復魔法で・・・」
女兵A「・・・あれ・・?ひょっとして・・魔王・・?」
女魔王「ん?なにかな天使ちゃん♪」
女兵A「っ!!・・・あ、あなたが魔王・・・?」
女魔王「まぁね。こんな感じで魔王やってるけど。」
女兵A「・・どうして、魔王が、兵士の傷を治してるの・・・?」
女魔王「え?そりゃだって、人殺しとかしたくないからね。」
女兵A「え?」
女魔王「私は殺戮は嫌いなの。私が目指してるのは女の子達が平和に暮らせる世界。平和な世界なの。」
女兵A「・・・へ、平和・・・?」
女魔王「・・・あれ?ちょっと待てよ?」
エルフ「?どうしました?魔王さん。」
ガバッ
エルフ「え?」
羽女「何々?なんで兵士の服なんか剥ぎ取って・・・・」
女兵A「・・・・え?」
女魔王「・・・・あ、あれ?お、おかしいな・・・。こ、この世界は女の子ばっかの世界なのに・・・」
羽女「・・あれ?こいつなんかおかしくない?」
エルフ「・・これは・・・もしかして・・・」
女魔王「・・・お、男・・・・?こいつ、男なの・・・?」
女魔王「・・・・」
羽女「え?じゃあ、これが男の裸なの?え?え?」
エルフ「!!」
女魔王「あ、あはははは。ま、まさか、この世界男がいるわけないじゃん!!」
女兵A「・・嘘・・・まさか・・・」
エルフ「・・その、魔王様・・早く服を着せて差し上げたほうが・・・」
女魔王「・・・・。よしこいつを殺そう。」
エルフ「え、ええっ!?」
羽女「ダメだよ魔王!!せっかく平和の殺戮のない世界を望んでるのに!!」
女魔王「だ、だって!!男の居ない世界を・・・女だけの世界が・・・」
女兵A「そんな・・・兵士が男のままだったなんて・・・」
女魔王「・・・・・。なんで、なんでこいつだけ男のままなの?なんでこいつだけ、私の世界の理に反してるの?こんな人間一人が、なんで・・・」
エルフ「ま、魔王さん?落ち着いてください。」
女魔王「・・・・。ねぇ、天使ちゃん。」
女兵A「・・・」
女魔王「傷は治したから、じきに目が覚めるから。もうちょっと看病しててあげて。それと、こいつが男だってことは他の人には言わないほうが良いよ。」
女兵A「・・・・」
女魔王「・・・・・。エルフちゃん。エルフちゃんもこの兵士の看病に付き添ってあげて。」
エルフ「は、はい。」
女魔王「行こう、ハービーちゃん。あたし達は勇者を早く突き止めないとね。」
羽女「お、おっけ~・・・」
<続く>
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