【NieR】ヨナ「おにいちゃん、今日もお仕事?」 ニーア「うん、天下一品でね。」【?】 (122)

こんばんは。

1.NieR RepliCant / GestaltがメインのSSです。設定資料集やドラマCD等の内容も一部含みます。
  また、他作品のキャラも登場します。

2.以前に書いた、【DOD3】ゼロ「天下一品に行ったことがないだと・・・」というSSの過去の話になっています。

3.キャラ崩壊・世界観崩壊しています。上のSSよりもアレな内容になっているのでご注意下さい。

4.タイトルに天下一品と付いているわりには、今回はほとんど天一ネタがありません。


色々前提条件があって申し訳ないですが、それでも良いという方、是非ご覧下さい。
何か意見があれば教えて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1440512242


東京都中野区内にある、ニーアの家にて・・・


ヨナ「ごめんね。ヨナのからだが丈夫だったら、いっしょに働けたのに・・」

ニーア「気にしないで。ヨナは家事を頑張ってくれてるじゃないか。」

ニーア「(それに、ヨナの年齢じゃ、まだ外で働けないしね。)」

ヨナ「でも、おにいちゃんも毎日家事してる。料理はほぼ全部、おにいちゃんがやってくれてるし・・。
   ヨナ、あんまり役に立ってない・・」


ニーア「そんなことない! それに、少し前から内職も始めたんだろ? ヨナはすごく頑張ってるよ!」

ヨナ「そうかな・・?」

ニーア「そうだよ! けど、どうして内職の内容は秘密なの? 教えてくれれば、僕も手伝うのに。」
    
ニーア「(いつも、僕が仕事から帰ってくる頃には、ヨナは内職を終わらせている。
    ヨナがどんな内職をしているのか、僕は分からずにいた。)」

ニーア「(・・・というか、ヨナの年齢で出来る内職って一体・・・? )」


ヨナ「ううん、いいの。おにいちゃん、いつもお外で働いてきて疲れてるでしょ? 
   ヨナ、家の中では、おにいちゃんにゆっくり休んで欲しいの。」

ニーア「ヨナ・・・(涙目」

ヨナ「・・あ、おにいちゃん。お仕事の時間はだいじょうぶ?」

ニーア「時間? あ、そうだった! 今日は店長が休みだから、早めに行かないと。じゃあヨナ、行ってくる!」

ヨナ「うん。行ってらっしゃい。」


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天下一品・中野店、スタッフルーム前にて・・・


ニーア「おはようございます。」

そう言いながらニーアはドアを開け、中へと入る。

部屋の中には、ニーアの同僚がいた。


ノウェ「おはよう、兄ーア。」

ニーア「うん。おはよう、ノウェ。父ーアはまだ来てない?」

ニーア「(この職場には、僕と同じ名前の店員がもう一人いる。
    同じ名前だから呼ぶときに困るということで、職場内で僕は兄ーア、もう一人は父ーアと、あだ名で呼ばれている。)」

ニーア「(ちなみに、ノウェと店長は職場内ではあだ名で呼ばれていない。
     だけど、お客さんの中にはあだ名で呼ぶ人もいる。ノウェは、親しみを込めて、野上と。
     店長は、雰囲気と佇まいから、無口な王子と呼ばれてたりする。)」


ノウェ「父ーアか。実は、ついさっき連絡がきたんだけど、
    『娘が体調を崩してしまった。看病がしたいから今日は休ませて欲しい』、だってさ。
    代わりに、ピンチヒッターにシフトに入ってもらったよ。」

ニーア「そうなんだ。ところで、店長はもう出かけたの?」

ノウェ「とっくに。朝早くに出かけたよ。知り合いと旅行に出かけるそうだ。
    たぶん今頃、どこかで観光でもしてるんじゃないか?」


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とあるホテルの一室にて・・・


紅き仮面の女エージェント「・・・・暖めてはくれぬか?」

カイム「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(ゴクンっ」



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天下一品・中野店、スタッフルーム内にて・・・


ノウェ「というわけで今日は、兄ーアは接客を頼む。」

ニーア「分かった。」

ノウェ「ピンチヒッター・レオナールは、俺と一緒に厨房を頼む。」

レオナール「分かりました。」


ノウェ「崖の村の皆さんは、いつも通りでお願いします。」

崖の村の皆さん「「「了解です!!!」」」

ニーア「・・・ねえ、ノウェ。」

ノウェ「何だ?」

ニーア「そろそろツッコんでもいい?」


ノウェ「何に?」

ニーア「この机の上に置いてあるCDって何?」

ニーアがCD入りのケースに触れる。

ノウェ「ああ、それか。数日前に店長が、友人から貰ったんだってさ。
    せっかくだから今週の店内BGMはこのCDの楽曲にしようってことで、
    朝、店長が渡してきた。」


ニーア「なるほど。」

ノウェ「ちなみに、店長のおすすめは、Disc2の13番目の曲らしい。
    なんか、強制的に何度も聞かざるを得ないような、謎の中毒性があるそうだ。
    曲名は・・・、あれ? 何だったっけ? 長い曲名じゃなかったんだけど・・・」

ニーア「大丈夫。無理に思い出さなくてもいいよ。ライナーノーツを見てみるから。
    えっと何々、13番目の曲名は、最・・」


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時刻は11時。天下一品・中野店が開店した。

早速、一人の客が店内に入ってきた。


カイネ「白飯定食1つ。ラーメンはこってりだ。」

ニーア「カイネ! 今日も来てくれたの!?」

カイネ「別に、たまたまだよ。たまたま今日も天一が食いたくなっただけだ。いいから、さっさと料理を作って持ってこい。」


ニーア「うん、分かった! ちょっと待ってて!」

ニーアがカイネの席から離れる。

カイネ「まったく・・・」

テュラン「とか言いつつ、5日間連続で通ってるツンデレがこちら。健気だねぇ、カカカッ!」

カイネ「テュラン!? お前、何しに来た!? というか、仕事はどうした!?」


テュラン「何しに来た? そりゃあ、メシを食いに来たんだよ。仕事は今日は休みだ、カカッ!
     あとついでに、カイネが少年とおっさんのどちらが本命なのかを観察しに来た。」

カイネ「っ、くたばれッ、この○★※■野郎! テメエの▼☆を裏返した後、そこに釘でも打ち込んでやろうか!?
    今すぐ帰って▲◎●◇でもしてやがれ、クソがっ!」

テュラン「そうかい。ツれないねえ、せっかくお前が喜ぶモノを持ってきてやったのに。」

カイネ「喜ぶモノ・・?」

テュラン「季刊雑誌、月の涙の第2号を持ってきてやったんだよ!」

カイネ「・・何・・・だと?」


■季刊雑誌、月の涙とは?

今、中野で人気急上昇中の白銀髪系男子をメインに特集している雑誌。
上記の特集が一番人気ではあるが、
アンドロイド系女子達による、歌と踊りと劇と爆弾と銃刀法の講座や、
催眠術系男子による、気になるあの子のおとしかた(オトし方、落とし方、堕とし方の3パターン全てに対応)講座も人気を博している。

先月創刊号が発売された。人気のため、現在でも手に入りずらい状況が続いている。


■読者の声・1

読者のAさん「おにい・・・白銀髪系男子さんのかっこいい写真がたくさん載っててよかった。」

読者のBさん「おとう・・・白銀髪系男子さんの好きな眼帯が分かってよかった。お金をためて、買ってあげようとおもいました。」

読者のCさん「最高です! ニー・・・白銀髪系男子さん達のあんな姿やこんな姿が大量に掲載されてます! 
      僕は保存用、鑑賞用、おねえさんへの布教用、およめさんになるためのイメージトレーニング資料用の4冊購入しました! 次刊も楽しみです!!!」



■読者の声・2

双子の姉妹系読者のDさん「アンドロイド系女子達に、何故だか分からないが、親近感を感じる。」

双子の姉妹系読者のEさん「・・一応聞いておくけど、親近感を感じるのは歌の部分だけよね? D。」


■読者の声・3

ロボット山の読者のFさん「催眠術講座のおかげで、結婚出来ました! 今は息子2人と、目がうつろな夫の
             4人で仲良く暮らせています! 本当に、本当にありがとうございました!」

ロボット山の読者のGさん「催眠術講座のおかげで、家を空けがちな母さんが、家を空けなくなりました!
             新しい家族も増えて幸せで・・・・ひっ、はははははっ!」」

ロボット山の読者のHさん「・・色々言いたいことはありますが、母さんと弟が喜んでいるのは確かなので、口には出さないでおきます。」


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テュラン「本来なら、第2号が発売するのは今から約2か月後の4月だ。
     だが、俺は前にも言った通り、この雑誌を作ってる奴らと知り合いでね。
     特別に超早く第2号を手に入れられたって訳さ。」

カイネ「よこせっ!」

カイネはテュランが持っている雑誌を奪おうとする。が、その行動はひらりと躱された。

テュラン「おおっと! 残念だが、タダでやるわけにはいかないんだよ、これは。
     なら、どうすればいいか。前回も同じことをしたんだし、分かるだろ? せいぜい色をつけてくれよな、カカカカッ!」

カイネ「チッ! 受け取れ!」


カイネはテーブルにお金を叩きつけた。

テュラン「おいおい、何だコレは?」

カイネ「金に決まってるだろ!」

テュラン「そういう意味じゃねぇよ。俺も馬鹿じゃないんだ。金なのは見れば分かる。
     俺が言いたいのは、これじゃあ足りねえってことだよ!」

カイネ「・・は? これだけあれば、あの雑誌1冊余裕で買えるはずだろうが!?」


テュラン「ざーんねーんでしたァアー! 第1巻は創刊号価格だから、お前が今テーブルに置いた金で買えるが、
     第2巻からは通常価格に戻るので、その金じゃ買えませぇーん!」

カイネ「クソがッ! なら、通常価格はいくらだ!?」

テュラン「3DLCニーアだ。プラス、俺の値上げした仲介料込みだから、合計6DLCニーアだ。」


※1DLCニーア = 840円 もしくは 560MSポイント。


カイネ「6DLCニーアだと!? ふざけるな! 前回支払った時の倍の値段じゃないか!」

テュラン「嫌ならいいんだぜ? この雑誌を欲しがってる奴は他にもいるんだ。
     そいつに売りつけるとするさ。じゃあな。」

テュランは立ち去ろうとする。

カイネ「・・ま、待て!」

カイネはテュランを引き止める。


テュラン「んー? どうした、カイネ。」

カイネ「か、買ってやるよ・・。(小声」

テュラン「え、なんだって? 声が小さくてよく聞こえねぇなぁー。」

カイネ「このっ、腐れ◆□×野郎!!! 雑誌を買ってやるって言ってんだよ!!!」

テュラン「おいおい、カイネ。お前、大好きなおばあちゃんや、学校の授業なんかで教わらなかったのか? 
     人に頼み事をするときはどうするんだっけなあ? 早くやらないと帰っちまうぞ。」


カイネ「(・・・畜生ッ! やるしか、ないのか・・)」

カイネは覚悟を決める。

カイネ「・・お・・・・お願い・・しま・・す。雑誌を・・・買わせて・・下さ・・・」

テュラン「もっと大きな声でハッキリとっ!! あと、言葉だけじゃなく行動でも表せ!」


カイネ「っ、お願い、しますっ! 雑誌を・・、買わせて下さいっ!!!」

そう言ってカイネは頭を下げた。

テュラン「カカカカカカッー!!! こいつは傑作だ! いいぜ、そこまでするなら売ってやる!
     その言葉と行動に免じて、特別に5DLCニーアで売ってやるよ! カカッ!!」

カイネ「(・・殺す。絶対殺す。いつか必ず、確実に殺してやる・・・!)」


カイネからお金を受け取り、代わりに雑誌を渡したテュランは、満足そうな顔で店から立ち去って行った。

カイネ「(屈辱だ・・。・・だがまあ、色々あったが、何とか雑誌は手に入ったな。これでゆっくり見・・)」

ニーア「お待たせ、カイネ。白飯定食だよ・・・・って、どうしていきなりテーブルに突っ伏したの!?」

カイネ「べ、別に、何でもない。気にするな。」


カイネ「(あ、危なかった・・・。もう少しで、ニーアに雑誌の存在がバレるところだった・・・)」

ニーア「? よく分からないけど、具合が悪いとかじゃ、ないんだよね?」

カイネ「あ、ああ。何の問題もない。」

ニーア「なら良かった。じゃあ、白飯定食はここに置いておくね。また何かあったら呼んで。それじゃ。」

ニーアはカイネの席から離れて行った。


カイネ「(よし、バレずに済んだ・・・が、失敗したな。ニーアに心配をかけさせてしまった・・)」

と、カイネがちょっと後悔していた、その時だった。

郵便配達員「あれ? カイネさんじゃないですか!」

入店したばかりの郵便配達員がカイネに向かって話しかけてきた。


カイネ「ん・・・? お前は確か、ロリコ・・」

郵便配達員「ちょ、ちょっと待って下さい。今、何て言おうとました?」

カイネ「普通にロリコンと・・」

郵便配達員「だからちょっと待って下さい! どうして私がロリコンなんですか!?」

カイネ「いや、だって、血がつながってるわけでもない、行き場を無くした見知らぬ少女を保護して、
    ひとつ屋根の下で一緒に暮らしてるんだろ?」


郵便配達員「そうですけど・・」

カイネ「赤の他人の異性に・・しかも少女にそんなことするやつなんて、その手の性的趣向があるやつくらいだろう?」

郵便配達員「ちょっと私に対して偏見を持ちすぎじゃないですか!?」

カイネ「とは言うけどさ。」

郵便配達員「・・はい?」


カイネ「初対面でいきなり、女性の生理について聞いてくる奴に偏見を持つなって言う方が難しいと思わないか?」

郵便配達員「・・その節は、大変申し訳ございませんでした!」

郵便配達員は、非常に綺麗な土下座をした。

郵便配達員「あの時は焦ってたんです・・。あの子と一緒に散歩していたら、いきなりあの子が・・その・・血まみれになってしまって。
      私は女性のそういうことに疎くて、どうすればと悩んでいたら、たまたまカイネさんが通りかかってくれて・・それで」

カイネ「・・分かってるよ。別に私も、本気でお前のことを変に思っている訳じゃないさ。」


カイネ「(それにこいつは、ロリコンというより、親バカに近いしな。
     以前、ウチの子は歌が上手いんです的な自慢を、かなり長い時間された。)」

郵便配達員「そう思って頂けると助かります。 ・・・・・・・あっ。すみません、話は変わるんですが・・」

郵便配達員は、持っていたバッグから手紙を取り出した。

郵便配達員「カイネさん宛てのお手紙が1通届いています。ここで、受け取ってもらってもいいですか?」


カイネ「ああ、構わない。でも、誰からの手紙だ?」

郵便配達員「カイネさんがよく知っている方ですよ。」

カイネは手紙を受け取り、差出人の名前を見る。そこには、フィーアと書かれていた。


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カイネさんへ


カイネさん、お久しぶりです。フィーアです。

いま私は、彼と一緒に世界中を旅しています。
そして毎日、歌を歌いながら、楽しい日々を送っています。
今こうして幸せでいられるのは、私と彼の間を取り持ってくれた、カイネさんのおかげです。
本当に、ありがとうございます。


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カイネ「・・良かった。」

郵便配達員「フィーアさん、今彼氏さんと旅行に行ってるんですね。
      そういえば、私の知り合いのおばあさんも今海外に行ってるんですよ。」

カイネ「へえ。そうなのか。」

郵便配達員「なんでも、おばあさんの旦那さんは海外で働いているらしいんですけど、
      色々な国を渡り歩く関係で、すごく忙しいらしく、なかなか帰ってこれないらしいんですね。
      それでも、この時期は時間が多少空くそうで、帰ってくるそうだったんですけど・・」


カイネ「忙しくなって、帰ってこれなくなった、と。」

郵便配達員「はい。けど、おばあさんは、一緒に暮らせるこの時期を非常に楽しみにしてたんです。
  で、とてもがっかりしていたんですが、どうしても、会いたい気持ちが抑えられなかったらしく、
  足が悪いのに自分1人で、旦那さんに会いに行きました。」

カイネ「それは・・大丈夫なのか?」

郵便配達員「私も気になったので、空港まで付き添ったんです。
      そしたら、買ったばかりの最新型行動補助ロボット『P-32』の力を借りつつ、
      颯爽と行動してたので、たぶん大丈夫だと思います。」


カイネ「そうか。なら、大丈夫だな。」

郵便配達員「はい。 ・・・・あれ? カイネさん。その手紙、まだ続きがあるみたいですよ?」

カイネ「何?」


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実は今回、お願いがあって手紙を書きました。

もうすぐ、バレンタインデーですよね。
私も彼にチョコレートを贈りたいんですけど、
手作りだと、なかなか上手く作れないんです。

カイネさんは私より大人なので、チョコレートを
作った経験も、渡した経験も多くあると思います。
どうか、私に美味しいチョコレートの作り方を教えて下さい。
よろしくお願いします。


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カイネ「私にそんな経験あるわけないだろ。」

郵便配達員「カイネさんは、チョコを手作りしたり、渡した事、ないんですか?」

カイネ「ない。」

郵便配達員「・・なるほど。じゃあ、これをいい機会だと思って、試しにチョコを作ってみたらどうですか?」


カイネ「何で私が。そもそも、誰に渡すんだよ。」

郵便配達員「え? そりゃ、Wニーアさ・・」

カイネ「お、お前、ふざけんなっ! どうして私があいつらにチョコを・・」

郵便配達員「あれ? Wニーアさんの事、好きではないんですか?」

カイネ「ハ、ハア? わ、わわ、私があいつらのことを好きなわけ・・」


郵便配達員「まあ別に、バレンタインデーって、恋愛的意味じゃなくても、好きな相手にチョコを渡せますけどね。
      その最たる例が義理チョコです。・・嫌いな相手にも付き合いのために嫌々渡す義理チョコもありますが。」

カイネ「・・・・お前、今日性格悪くないか?」

郵便配達員「さっきの偏見発言のお返しです。まあ、それに今の時代、チョコを渡すにしても色々種類があるじゃないですか。
      友チョコとか、ファミチョコとか、逆チョコとか。お礼チョコや、詫びチョコなんていうのもあるらしいですよ。」

カイネ「詫びチョコねえ・・・・」



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ニーア「? よく分からないけど、具合が悪いとかじゃ、ないんだよね?」

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カイネ「(・・そういえば、あいつに心配かけさせてしまったっけ・・)」




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ニーア(父)「カイネ。俺の畑で沢山野菜が採れたんだ。良かったら、持っていってくれ。」

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カイネ「(あいつには、いつも世話になってるな・・)」



郵便配達員「? カイネさん、どうしました?」

カイネ「・・いや、何でもない。でも、試しに作ってみるのも、いいかもな。」

郵便配達員「へ?」

カイネ「さてと。」

カイネは持っていたスマートフォンを操作し、ある人物に電話を掛ける。


カイネ「もしもし、久しぶり。いきなりで悪いが、お前の妹の・・・ほら、
    色んな意味で女子力が高い、青髪の子を紹介してくれないか? とある料理の作り方を教わりたいんだ。
    ・・・・え、なに、彼氏と一緒に旅行に行ってる? ちっ、なんで私の周りの奴は旅行に行ってる奴が多いんだ。
    流行ってるのか? いや、こっちの話だ、何でもない。ああ。そうか。分かった。またな。」


そう言って、カイネは電話を切った。


郵便配達員「カイネさん、どちらに電話を?」

カイネ「性にとても解放的な知り合いに、だよ。昔そいつから、妹は料理が凄まじく上手いって話を聞いてたから、
    その妹にチョコの作り方を聞こうと思ったんだが・・・、旅行中だとさ。
    まあいい。そのうち、エミールかハルアに聞くとするよ。」

郵便配達員「そ、そうですか。」

崖の村の弟店員「あの、お客様・・・」


崖の村の弟店員「あの、お客様・・・」

崖の村の弟店員が、郵便配達員に話しかけてきた。

郵便配達員「はい? 何ですか?」

崖の村の弟店員「ご注文は・・・?」

郵便配達員「・・・・・・・・・・・・・・・・あっ。」


以上で前半終了です。後半は数日中には投下したいと思います。

読んで下さった方々、ありがとうございました! ちなみに、『P-33』のほうは後半で登場する予定です。ではまた。


お待たせしました。後半を投下していきます。


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時刻は12時半、ランチタイム真っ盛り。
カイネと郵便配達員が去った後の天下一品・中野店は、沢山の客で賑わっていた。


1階席にて・・・

ニーア「ご注文をお伺い致します。」

クレオの母「私は、こってりラーメンを一つ。坊やは何にする?」

クレオ「ボクもママと同じこってりラーメン! ピーちゃんは?」

P-33「アジガサネヲ、ヒトツ。」


ニーア「かしこまりました、少々お待ちください。」

P-33「・・ア、ソレト。」

ニーア「はい、何でしょうか?」

P-33「コレヲ、ツカイタイ。」

P-33は、ニーアにクーポン券を見せる。


ニーア「クーポン券でございますね。こちらのクーポン券ですと、九条ねぎもしくは
    半熟煮たまごのどちらかを、お一人様に無料でサービスさせて頂く事ができますが、如何なさいますか?」

P-33「ハンジュクニタマゴヲ、トナリノコニ。」

クレオ「ピーちゃん、いいの!?」

P-33「クレオガヨロコンデクレルノ、ワタシウレシイ。」


クレオ「ありがとう、ピーちゃん! 大好き!」

クレオの母「あらあら、坊や達は本当に仲がいいわね。(笑顔」

クレオ「ママ! ピーちゃん! ラーメン楽しみだね!」

クレオ「うふふっ、そうね。」

P-33「トッテモ、タノシミ。」

すみません。 >>58で一か所間違えました。

正しくは、

クレオの母「うふふっ、そうね。」

です。


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グレーテル「皆、全国大会出場決定おめでとう。今日は私のおごりだ。遠慮しないで食べてくれ。」

グレーテルの生徒A「はい、グレーテル先生! でも、弱小だった僕達の部活が全国に行けるようになったのは、
          グレーテル先生が顧問になって、熱い指導をして下さったおかげです。本当に、ありがとうございました!」

グレーテルの生徒達「「「ありがとうございました、グレーテル先生!!」」」

グレーテル「別に私のおかげという訳じゃないだろう。お前達が頑張ったからだ。」


グレーテルの生徒達「「「「グレーテル先生・・・!(涙目」」」」

グレーテル「さあ、麺が伸びる前に食べてくれ。」

グレーテルの生徒達「「「「はいっ・・・!(涙目」」」」

グレーテル「(そう、私のおかげではない。私自身は、・・弱い。だがそれでも、お前達への指導・・
       ・・いや、サポートに手を抜いたことは一度もない。なぜなら、お前達は私にとって、一介の『生徒』ではなく、大切な『仲間』だからだ。)」


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ディレクター(株式会社ブッコロの代表取締役)「あ、すみません。高菜ご飯定食を一つ。ラーメンはこってり、トッピングは九条ねぎでお願いします。」

崖の村の姉店員「承知致しました!」



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- ウソヲヌリユクキオクウラギリ -

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ワン(弟)「姉さん! このこってりラーメンっていう食べ物、すごく美味しい!」

ワン「そうか。それは良かった。」

ワン(弟)「姉さんがこってりラーメンを知ったのは、何がきっかけだったの?」

ワン「きっかけか。実は、ゼロがこの店、天下一品を昔から好きでな。少し前に、私が行ったことがないって言ったら、即日連れてきてくれたんだ。
   そしてこってりラーメンを食べた結果、私もゼロと同じく天下一品が好きになり、今ではこの店の常連になった。」

ワン(弟)「そうなんだ・・。あ、そういえば。」


ワン「何だ?」

ワン(弟)「姉さんって、黒の書教頭先生と付き合ってるの?」

ワン「ごふっぅうううううううううううううううううううううううううううううううッ!!!」

ワンは食べていたラーメンを噴き出した。

ワン(弟)「ね、姉さん。大丈夫?」


ワン「ごほっ、・・・・あ、ああ。一応大丈夫だ。だが、どうして突然そんな話が出てきたんだ?」

ワン(弟)「いや、なんか、ゼロが、『ワンは生徒会長を務めるほどの優等生ではあるけど、教師と不倫してそう』って言ってたんだ。
      姉さん、よく黒の書教頭先生と話してるから、もしかして・・って思って。」

ワン「ゼロ・・・、後で潰す。」

ワン(弟)「じゃあやっぱり、姉さんは黒の書教頭先生と・・・」


ワン「付き合ってない。黒の書教頭先生は生徒会の顧問だ。
    だから、打ち合わせ等のためによく話すだけだ。断じて、恋愛関係なんかじゃない。」

ワン(弟)「じゃ、じゃあ、裏の教頭先生と言われてる、ジスモア・・」

ワン「ない。」

ワン(弟)「そ、そうなんだ・・。姉さんは誰とも付き合ってる訳じゃないんだね。良かった・・。」

ワン「当たり前だ。・・・それにそもそも。」


ワン(弟)「そもそも?」

ワン「私には、・・・・君がいるだろう。(ニッコリ」

ワン(弟)「姉さん・・・!(号泣」


ワン「だがまあ、それはそれとして、だ。」


- リガクガヨガメガ -


ワン「さっきから気になっていたんだが、店内で流れているこの曲・・・」

ワン(弟)「この曲がどうかしたの?」

ワン「・・・どこかで、聞いたことがあるような気がするんだ。」


- アノイミイツカハ -



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その頃、厨房では・・・

レオナール「・・・君は、とてもいい匂いだ。」

ノウェ「・・おーい、レオナール。恍惚とした表情をしながら、
    スープ鍋の事を君呼ばわりしていないで、早く仕事に戻ってくれると嬉しいんだが。」

レオナール「・・はっ! す、すみません。只今!」


---

その頃、フロアでは・・・

ニーア「(お客様が増えてきたな・・・。)」

と、ニーアが考えながら食器を片付けていると、後ろから崖の村の弟店員に話かけられた。

崖の村の弟店員「ニーアさん。お客様が増えてきたんで、上の2階席の様子を見てきますね。」

ニーア「あ、うん。お願いします。」

崖の村の弟店員「はい!」


崖の村の弟店員がニーアから離れる。

ニーア「(頑張ってるな・・・。よし、僕も負けていられない。頑張らないと!)」

ニーアは食器をテキパキと片付け、客にいつ呼ばれても良いように待機する。そして、

「おい、そこの店員。注文を頼む。」

客に呼ばれた。


ニーア「はい、只今参ります!」

ニーアは客に近づく。

ニーア「お待たせ致しました。ご注文をお伺い致します。」


裕福そうな男「こってりラーメンの大を一つ。トッピングはコーンだ。」

その男の姿を、ニーアが正面から見た、その瞬間だった。

ニーア「・・・あっ。」

立ちくらみの後、猛烈な吐き気に襲われた。


ニーアは口元を抑える。

裕福そうな男「お、おい。お前、どうした?」

ニーア「・・も、申し訳、ございません。少々、お待ちください・・。」

ニーアは裕福そうな男から離れ、別の席の片付けをしていた店員に近づいた。


崖の村の姉店員「ニーアさん、顔色悪いですけど大丈夫ですか?」

ニーア「・・すみません、体調を崩してしまったみたいで・・・。ちょっと洗面所に行ってきます。
    それと、申し訳ないんですけど、あの席のお客様の対応をしてもらえますか?」

崖の村の姉店員「はい、それは大丈夫ですけど・・・」

ニーア「ありがとうございます・・お願いします。」

ニーアは洗面所に向かう。


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洗面所にて・・・


ニーア「おぇえええええええええええええええええええええええええっっ!」

ニーアは吐いた。

ニーア「(何で・・・? 何であのお客様を見たら、吐き気がこみ上げてきたんだ? 
     あのお客様になにかをされたって訳でもないのに・・・)」


ニーア「(・・・本当に?)」

ニーア「(いや、本当だ。だってあのお客様にはこれまでに会ったことがない。あの場がお互い初対面のはず・・・。 
      けど、どうしてだ? 何でさっきから、どこかの立派な家の姿が、頭のなかに浮かぶんだ?)」

気づけば、身体が震えていた。


ニーア「(どうして、あのお客様に、手荒に髪を捕まれている姿が浮かぶんだ?)」

ニーア「(どうして、あのお客様に、無理やりの行為をされている姿が浮かぶんだ?)」

ニーア「(どうして、あのお客様から、お金を渡されている姿が浮かぶんだ?)」

ニーア「(どうして、あのお客様が、血を流しながら死んでいる姿が浮かぶんだ?)」

ニーア「(そもそも、どうして・・)」

ニーア「(あのお客様を殺したのが、自分だって分かるんだ・・・?)」

ニーア「(・・・分からない。)」



ニーア「(分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。本当は分かってる。分からない。分からない。分か。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。
     分からない。分からない。分からな)」


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その頃、とある道端にて・・・


白の書「もう、やめにせぬか?」

ニーア(父)「何を言ってる? やめるわけないだろう!」

白の書「44歳の男が、外出中の娘をストーキングしている・・・。なかなか終わっている光景とは思わんか?」


ニーア(父)「ヨナはまだ12歳なんだぞ! 外出を心配して何が悪い!」

白の書「それで? 心配しすぎて、嘘をついて仕事を休んだ、と?」

ニーア(父)「し、仕方ないだろう。ここ最近、友達が出来たといって外出が多くなっている上に、
      今日は友達の家に泊まってくると言い出したんだぞ。もし、その友達が男だったらどうするんだ!?」

白の書「なるほど。友達という名の彼氏か。」


ニーア(父)「ない。それは断じてない。仮に、100歩譲ってあったとしても、絶対に、強制的に、なかったことにする。確実に。」

白の書「・・親バカも程々にしておいた方がよいと思うがな。」

白の書「(まあ、娘の作ったアレな料理を食べて、天才だと言うやつだしな・・。
     それに、そんなに嫌なら外泊を許可しなければよいのに、娘の懇願に負けて許可をしてしまうとは・・なんとも甘いやつだ。)」

白の書「あと、そうこう言っているうちに、娘の姿が見えなくなったぞ。」

ニーア(父)「何!?」


ニーア(父)は、つい先程までヨナがいた場所を見る。が、すでに姿はなくなっていた。

ニーア(父)「シロ! 何とかして、ヨナの現在地を特定できないか!?」

白の書「俺・・・ではなく、我にそんなGPS機能のようなものはない。」

ニーア(父)「くそっ! なら、どうすればいいんだ!? ヨナっ!
       ヨナぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」


ニーア(父)は、ヨナがいそうな方向に向かって、叫びながら走って行った。

白の書「・・猪突猛進とはこのことか。」


白の書がそう言ったすぐ後、2人の男女の人間が現れた。

女の方が、クスリと笑って白の書に話しかける。

深紅の書「一人称、間違えかけたね。やっぱり、本じゃなくて、昔と同じ、人の姿をしてるから?」

白の書「何だ、お前達か。」


黒の書「何だとはなんだ。我らは、校長の職を放り出して遊んでいるお前を、迎えにきてやったというのに。」

深紅の書「私は、この人と一緒に行動するのは嫌だったから、本当は一人であなたを迎えにきたかったんだけど・・・」

黒の書「我と行動するのが嫌? 何故だ?」

深紅の書「忘れたの?」

黒の書「何をだ?」


深紅の書「私を、黒い槍で貫き殺して本にした・・。 ・・元の、本当の世界での話だけど。」

黒の書「何だ、その事か。とっくの昔の過ぎた事だ。忘れろ。」

深紅の書「・・・・・・・・・・・・・せいっ!」

深紅の書は、黒の書を気絶させた。

白の書「・・お前。そんな攻撃、どこで覚えた?」


深紅の書「季刊雑誌・月の涙の、アンドロイド系女子達の殺陣の講座で覚えた。」

白の書「・・・そんな講座もあるのか、あの雑誌。」

白の書「(そもそも、雑誌を読んで覚えただけで、あれほどの鮮やかな一撃を使えるようになるというのか?
     ・・・だがそういえば、昔から、彼女は学習能力や身体能力が高かったな。でなければ、16歳でレギオン掃討作戦に選抜されるわけがないが・・。)」

深紅の書「・・そうだ。せっかく二人きりになれたから、この機会に聞いておきたいことがあるんだけど、いい?」

白の書「何だ?」


深紅の書「あなたは、ニーアさん達に本当の世界の事を話さないの?」

白の書「話さぬ。」

深紅の書「でも、今いるこの世界だって、いつ何が起こるか分からない・・。なら、本当の事を話して、この世界が消えないように協力を・・」

白の書「させぬ。 ・・・小僧達は、本当の世界で文字通り、命がけで、必死に戦った。我はもう、小僧達にそんな事をさせたくはないのだ。」

深紅の書「・・・」


白の書「何かがきっかけで、本当の記憶を取り戻してしまった我らはともかく、記憶が戻っていない小僧達に、無理やり記憶を取り戻させるなぞ、我が許さぬ。」

深紅の書「・・あなたは、相変わらず優しい。」

白の書「優しい?」

深紅の書「うん。だって昔、本当の世界で、掃討作戦中にレギオンに囲まれた私を、逃がしてくれた・・。あなたは、優しい。」


白の書「・・・別に、あれは助けたわけでは・・」

深紅の書「うん。あなたがなかなか素直になれない事も、知ってる。」

そう言って、深紅の書は微笑んだ。

白の書「・・・勝手にそう思っているがいい。ところで、我からも聞きたいことがあるのだが。」

深紅の書「なに?」


白の書「本当の世界ではなく、この世界とも別の世界。そこでも我は校長の職をしていた気がするのだ・・。
    それも、本の姿のままで。お前には、そのような記憶はあるか?」

深紅の書「私にはない・・・けど。そこで転がってる人なら知ってるかも。」

白の書「・・そうかもしれぬな。まあ、別によい。この事はそこまで気になっておらんのでな。さて、では学校に戻るとするか。」

深紅の書「うん。帰ろう。」

白の書と深紅の書は、黒の書を引きずりながら、学校に戻った。


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白の書と離れてから、数十分後。

ニーア(父)は、相変わらずヨナ(娘)を探し回っていた。

ニーア(父)「くそっ! ここにもいない! まさか、中野区の外に出たっていうのか!? ヨナ、どこだ!? 返事をしてくれ! ヨナぁああああああああああああああああああああ!!!!」


それと同時刻。ヨナの家にエミールはいた。


エミール「そ、それでヨナさん。例のモノは・・・?」

ヨナ(娘)「はいっ。」

ヨナ(娘)は、季刊雑誌・月の涙の第2号を渡す。

エミール「ありがとうございます! わぁ、この号のニーアさんの写真もすごく良いですね! どっちのニーアさんもすごく素敵です!!!」

ヨナ「よろこんでくれて、よかった。エミールさんはお得意さまだから、とくべつに、1冊4DLCニーアでいいよ!」


エミール「本当ですか! 嬉しいなあ! 第2号も沢山買っちゃいますよ!」

ヨナ「エミールさん、どうもありがとう。」

エミール「いえいえ。当然の事です。じゃあさっそく熟読したいので、僕は帰りますね。それじゃ!」

エミールは雑誌の代金を支払い、ヨナの家から出て行った。


ヨナ(娘)「第2号もよろこんでもらえてよかった。」

ヨナ「うん。ヨナもそうおもう。でも、そうかん号と同じくらいうれるかな?」

ヨナ(娘)「そうかん号は、テュランさんがバイヤーとして、いろんな人にたくさん売ってくれたからね。
     この号もテュランさんが売ってくれるからだいじょうぶだよ。」

ヨナ「うん。なら、だいじょうぶだね。」


ヨナ(娘)「月の涙をたくさん売って、おとうさんを・・・」

ヨナ「おにいちゃんを・・・」

ヨナ(娘)「お金もちにしてあげるんだ。」

ヨナ「がんばろうね。」


とある魔王(兄)の妹「ねー。」

とある魔王(父)の娘「うん。ヨナもそうおもう。」



終わり。


以上で本編終了です。以下、おまけを投下していきます。


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おまけ1

バレンタインデー前日、カイネの家にて・・


エミール「・・・という、以上の工程で手作りチョコがつくれます。」

カイネ「なるほど。元となる市販のチョコを刻んで、溶かして、生クリームを加えて、型にはめ、冷し、デコレーションすればいいのか。」

エミール「はい! じゃあまずは、市販のチョコを刻むところから始めましょう!」

カイネ「分かった。」


カイネは包丁でチョコを刻みはじめる。

エミール「あ、そうだ。カイネさん、コツというより、心構えみたいなものなんですけど・・」

カイネ「何だ?」

エミール「料理を作るときは、食べさせてあげたい人の事を思い浮かべながら作ると良いですよ。
     僕もニーアさん達のことを思い浮かべて・・・ふふっ。ふふふふっ。」

カイネ「食べさせてあげたい人の事・・・」



================================


ニーア「カイネ! これ、すごく美味しいよ! カイネって料理上手だったんだね! カイネが作ってくれる料理なら、毎日でも食べたいよ!!!」


ニーア(父)「美味い! 頼む、嫁に来てくれ!!!」


================================




カイネ「~~~ッ///」

エミール「・・・えっ。ちょっ、カイネさん! チョコだけじゃなくて、まな板まで刻んでますよ!
     というか、テーブルまで貫通してませんか!? カイネさん、聞いてます!? カイネさん!! 返事をして下さい! カイネさん!!! カイネさぁあああん!!!!」



結果。

カイネが各調理工程で上記と同様に、照れと恥ずかしさのあまり、調理器具を壊してしまったため、
カイネとエミールは市販のチョコをニーア達にあげたのでした。



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おまけ2

本編SSの数か月前。とある道端にて・・・


赤目の人「じゃあ、その天下一品・中野店っていうのに行けば、抑えられるんだな?」

レオナール「はい、もちろんです。」

赤目の人「分かった。同じ赤目のあんたなら信用できる。
     それに、あんたは美食家とも言われてるらしいじゃないか。こってりラーメン、楽しみだ。じゃあな。」

そう言って、赤目の人は去って行った。


レオナール「ふう。これでまた一人、あの店に赤目を誘いこめました・・・」

レオナール「(実は私、この世界では赤目なんです。)」

レオナール「(赤目になった人間は、凶暴性や残虐性が増します。赤目によっては、人を襲って食べる者もいるそうです。
      ・・・まあ、本当の世界では、赤目でもないのに子供を食べる、子供好きな者もいましたが・・・)」

レオナール「(私も、食べはしませんが、子供は好きです。特に、幼い少年が好きです。正直、性的な意味で襲いたいくらいです。)」


レオナール「(ですが、私はその気持ちをなんとか抑えていました。そしてそれは、本当の世界では抑えきることができました。)」

レオナール「(しかし、この世界では私は赤目です。気持ちを抑えることは出来ませんでした。気づけば本当に、
       幼い少年を襲う、一歩手前のギリギリの状態まで来てしまったのです。)」

レオナール「(そんな時、手を差し伸べてくれたのがカイム達でした。)」

レオナール「(カイム達は、赤目の残虐性や暴力性を抑えるための研究を行いました。)」


レオナール「(そして研究の結果、赤目の残虐性や暴力性を抑える食べ物を作りだすことに成功したのです。そう、それが・・・)」

レオナール「(こってりラーメン・中野店バージョンです。)」

レオナール「(そのラーメンを食べた私は、本当の世界での私と同じように、幼い少年への気持ちを抑えることが出来るようになりました。)」

レオナール「(それから私は、カイム達の手伝いがしたいと思い、天下一品・中野店で働いています。
       また、仕事のない日には今日のように、他の赤目を探し出し、中野店に誘導するようにしています。そうしていたら、何故かいつの間にか美食家と呼ばれ・・)」


セエレ「あっ、レオナールだ。」

レオナール「セ、セエレ!? どうしてこんなところにいるのですか?」

セエレ「僕? 実はこれから、天下一品・中野店に行くところだったんだ。」

レオナール「中野店に?」

セエレ「うん。カイムとノウェから、10月1日限定配布のラーメン無料券を貰ったから、これから食べに行こうと思って。レオナールも行く?」


レオナール「私も良いのですか!?」

セエレ「うん。無料券を2枚貰ったから。一緒に行こうよ!」

レオナール「一緒にい・・・・・・・・っ。い、いいですね。是非行きましょう。」

レオナールはセエレに近づく。

レオナール「(・・・セエレ。君はやはり、こってりスープに負けず劣らずの、とてもいい匂いだ・・・。)」


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おまけ3


ワン姉弟が天下一品・中野店で会話をしている時、ある男が外の離れた場所から、二人の様子を伺っていた。


ネロ「よかったなあ、ワン。大好きな姉ちゃんと食事しながら会話が出来て。」

ネロ「俺と一緒にいたころとは正反対。随分楽しそうな顔してるじゃねえか。
   まあ、あのワンは、正確には俺の知ってるワンじゃねえんだけど。辿ってきた分岐が違うし。
   俺の世界じゃ最終的に、『オルオルオルオル。ランランランラン。』な事になったし。」

ネロ「楽しそうといえば、さっきも、俺の遠い未来の子孫ちゃんが、雑誌を持ち込んで楽しそうにしてたなあ。」


ネロ「ワンも子孫ちゃんもどちらにしても、一緒にいたのは女っていうね。女っていうのは男を変えるかねぇ?
   俺は女とは、会話して楽しむより、ヤッて楽しみたいんだよなあ。」

ネロ「まあ俺にも、楽しいっていうか、面白い事ならあったけどな。」

ネロ「いや、まさか、この世界の記憶を取り戻す前の俺は、あの王子様とお友達だったなんてな。超面白かった。」

ネロ「俺がいた本当の世界じゃ、俺とワンを城に招いたせいで、両親が死んだっていうのによ! あははははっ! 
   まあ、あの王子様も、俺の知ってる王子様じゃないみたいだが。俺のいた世界じゃ喋ってたし。」


ネロ「でも、本当の俺を知らないおかげで、お友達として何の苦労もせず、王子様にCDを渡すことが出来た訳だ。」

ネロ「さて、あのCDの楽曲を聞いた姉ちゃんは、どんな反応をしてくれるのかねえ。楽しみだ。にしても・・」

ネロ「神様っていうのは優しいねえ。本当の世界じゃ、自分の手で世界をブッ壊せなかった俺に、自分の手で世界をブッ壊すチャンスをくれるなんてよ。サイコ―♡」

ネロ「なあ、オマエはどう思う? ワン。 ははっ! あははははははははははははははははははっ!」


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おまけ4

とある田舎の家にて・・・


おじいちゃん「期待しないで買ったが、意外と美味い。ベビースター・こってりラーメン味。
         本物のこってりラーメンと似てるかどうかは別の話だがね。」

狼(犬)「わんっ!」

おじいちゃん「おまえも、試しに食べてみるかい?」


おじいちゃんは、狼(犬)にベビースターを食べさせる。

狼(犬)「わんっ!!わんっ!!」

おじいちゃん「そうか、美味いか。なら良かった。足りなかったら、味がさね味もあるから。たくさん食べなさい。」

狼(犬)「わんっ!!!」


おじいちゃん「・・でもまさか、この世界でも、儂とおまえが一緒に暮らせるなんて、思わなかったなあ。」

狼(犬)「わんっ?」

おじいちゃん「ああ、おまえは分からないか。だけどな、おまえとは別の世界でも、いっしょに暮らしてたんだよ。途中で離れ離れになっちゃったけどな。」

狼(犬)「わんっわんっわんっ!!!」

おじいちゃん「大丈夫。今度は離れ離れにはならない。 ・・・でも一応、今度は感謝の言葉として言わせておくれ。」




おじいちゃん「いっしょに暮らしてくれて、ありがとうな。」






本当に終わり。


以上で終了です。読んで下さった方々、ありがとうございました!

ちなみに、SS内にでてくる、季刊雑誌・月の涙の、
アンドロイド系女子達の詳細は、舞台『ヨルハ』を。
催眠術系男子の詳細は、漫画『君死ニタマフ事ナカレ』をご覧下さい。

どちらもNieRのディレクター、ヨコオタロウさん原作の作品です。
ヨルハはVer1.0のDVDが発売中で、君死ニタマフ事ナカレは第1巻が10月24日発売予定だそうです。
ヨルハは本番の舞台を見て、君死ニタマフ事ナカレは毎月ビッグガンガンで読んでますが、どちらも面白いですよ。

そしてNieR新作、非常に楽しみですね! 新情報は秋に発表だそうですが、
東京ゲームショウで新情報は発表されるんでしょうか?

あと最後に、今年の天下一品祭りでは、こってりストラップや
味がさねストラップが抽選で当たるそうです。

それでは改めて、読んで下さった方々、
本当に、本当にありがとうございました!

ものすごく今更ですが、間違いがありましたので訂正します。

>>71で崖の村の弟店員が、>>76で崖の村の姉店員が、
ニーアさんと呼んでいますが、(このSSでは)正しくは兄ーアさんです。すみません。



あと、コメントを下さった方々、ありがとうございました!

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