モバP「346のあいつら」 (37)

※アイドルマスターシンデレラガールズのアニメを元にした架空のお話です。
※向井拓海、木村夏樹、松永涼が346プロでッユニットを組んでいたらという設定です。
※第一期アニメのネタバレを含んでいますので未視聴の方はご注意ください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1440441037

1.「Who is in the pumpkin carriage?」


――――――――――――346プロ地下倉庫内

http://i.imgur.com/D4HOrPm.jpg


涼「ヒマだなー?」

http://i.imgur.com/jHFJmZz.jpg
松永涼(18)

夏樹「仕事がねえからな。だからといってダラダラすんなよ」

http://i.imgur.com/BmG6Bnm.jpg
木村夏樹(18)

涼「こんなデカいプロダクションのくせに、なんでアタシらこんな地下の倉庫みたいなとこに押し込められてるワケ?」

夏樹「実績がねーからな」

涼「しっかりしてくれよ、Pサン」

P「うっ、すまん…これには訳が…」

涼「そういや、拓海は?」

夏樹「さあな、また遅刻だろ?」

涼「あいつ、しょうがねーな」

ばあん!


拓海「はぁっ……はぁっ……大変だ!」

http://i.imgur.com/RdEwgOC.jpg
向井拓海(18)

夏樹「遅せーよ、何やってたんだ?」

拓海「そんな事より大変だ!」

涼「なに? 一階のカフェに勤めてる安部菜々サンならウサミン星人じゃねーよ」

拓海「何の話だ!! そんなことじゃねえ!!」

夏樹「だからなんなんだよ?」

拓海「不審者だ! 怪しい野郎がウロウロしてやがる!」

涼「怪しいって、どんな?」

夏樹「ストーカーか? 熱狂的なファンか?」

拓海「えとな……なんかデカくて…目つきが悪くて…すげー怪しい奴!」

涼「ああ、そりゃ鏡だ。自分の姿見て驚くなんてバカだねー」

拓海「夏樹、離せ!…こいつだけはボコボコにしねえと気がすまねえ!」

夏樹「落ち着けって! なんでお前らはそんなに仲が悪いんだよ?」

P「デカくて目つきが悪い……ああ、そりゃ武内だ」

http://i.imgur.com/aK5sGI0.jpg

涼「武内?」

P「今度新しく始まったシンデレラプロジェクトの担当Pだ」

夏樹「へえ、そんな優秀な人がいたとはね。今まで何してたんだ?」

P「ん……まあ、ちょっとな……」

拓海「新しいプロジェクトってことは……またアイドル増えんのかよ」

P「そういうことだ」

涼「へえ、Pサンのライバルってワケか」

P「ああ、そうなるな。俺も早く結果出してシンデレラプロジェクトが持ってる事務室を取り戻さないと」

拓海「アタシらが倉庫に追いやられたのはオメーのせいか!!」

夏樹「こりゃ先は長そうだな……」

2.「I never seen such a beautiful castle」


――――――――――――346プロ地下倉庫内


涼「はー、つっかれたー」

拓海「ベテさんのレッスンきつすぎだろ?」

涼「シンデレラの新人のレッスンがあるから、切り上げられたから助かったよ」

拓海「まあな……ありゃ? 夏樹は?」

涼「いつものベンチでギター練習」

拓海「真面目なこった」

こんこん


涼「はいよー」

楓「失礼します。Pさんはいらっしゃいますか?」

http://i.imgur.com/fFvucCX.jpg
高垣楓(25)

涼「あー、楓さんか。Pなら会議中だよ」

楓「あら、そうですか……仕方ないですね」

拓海「アンタみたいなトップアイドルがこんな小汚い倉庫に来るとはね」

楓「なぜここに来るのか……そこに倉庫があるから……ふふっ」

涼「……」

拓海「相変わらずワケわかんねー人だな」

3.A ball is resplendent,enjoyable,and...


――――――――――――346プロ地下倉庫内


拓海「……ふわぁ……」

涼「……退屈だな」


がちゃ


夏樹「ういーっす……ってお前ら、ソファーで寝るのやめろよな」

涼「いいじゃん、今日はレッスン中止なんだってさ」

夏樹「へー、珍しいな」

拓海「さっきルキさんが来て言ってたんだよ。例のシンデレラなんちゃらって連中が美嘉のライブに出るんだと」

夏樹「そいつはすげえな。まだピチピチのルーキーだろ?」

涼「そんでこの倉庫にあった衣装を持ってたのさ」

夏樹「衣装?」


涼「ほら、アタシらがデビューで着てたロッキングスクール」

夏樹「へ? でも、あれってオメーら二人がライブ前に大ゲンカしてボロボロになったやつじゃん」

涼「……」

拓海「……」

夏樹「止めに入ったアタシまでボロボロにされてさ。あれ着せるのか?」

涼「……やべえっ! あれがベテさんたちにバレたら…」

拓海「殺される……おい!回収してくるぞ!」


がちゃ


ルキトレ「ん? どうしたの?」

http://i.imgur.com/zSw6Q4a.jpg
ルーキートレーナー(19)

涼「ルキさん! ちょうど良かった! あの衣装…」

ルキトレ「ああ、さっき渡してきたよ」

拓海「なんだって!」

ルキトレ「あの子達喜んでたよ。ワイルドでいいって」

涼「……ワイルドって…」

ルキトレ「ちょーっとサイズが合わなかったけど、まあそのへんは着崩しってことで」

拓海「……そ、そっか」

ルキトレ「それがどうかしたの?」

涼「い、いや! な、なんでもないよ! な、なあ?」

拓海「お…おう! ま、まあ喜んでるならそれで……な?」

夏樹(結果オーライ……なのか?)

4.「Everyday life,really full of joy!」


――――――――――――346プロ地下倉庫内


涼「……テステス……ごほん……あーあー、こんなもんかな?」


がちゃ


夏樹「うーす……何やってんだ? 携帯構えて?」

涼「なんか、紹介用プロモーションビデオを撮れってさ。アンタも手伝えよ」

夏樹「いいけど、iPhoneねえ……ちゃんとしたカメラはなかったのかよ?」

涼「例のシンデレラが先に使うんだってよ」

夏樹「差が付けられてんなー」


涼「そういや拓海は?」

夏樹「撮影。あそこにポスター貼ってんだろ」

http://i.imgur.com/KOqtKTt.jpg

涼「へー、登山か。あいつには死ぬほど似合わないけど、よく登れたな」

夏樹「背景は書割だ。さすがにマッターホルンまでは行けねえよ」

涼「だよな」

夏樹「高尾山に書割持っていくのは大変だったみたいだけどな」

涼「意味あんのかよ!スタジオでやれ!」

夏樹「まあ、撮影はアタシらで進めようか。外で撮るか?」

涼「おう。拓海の奴びっくりさせてやろうぜ」


がちゃ



???「にょわー!」

http://i.imgur.com/jGjrPAF.jpg



涼・夏樹「「ぎゃあああああああああ!!」」

5.「I don't want to become a wallflower」


――――――――――――346プロ地下倉庫内


拓海「あっちー、喉乾いたな」

夏樹「久しぶりに346カフェにでも行くか?」

涼「そうだね、行こうか」

――――――――――――カフェ前


拓海「なんだ? あの人混みは? そんな儲かってんのか?」

夏樹「ちょっと様子が変だな」

涼「誰か立てこもってる……とか?」

夏樹「そんなバカな」


みく「みく達のデビューを約束してほしいにゃ!!」


夏樹「マジで立てこもってやがる」

拓海「へっ! 面白え。最近暴れ足りなくて体鈍ってんだ。ちょっくら相手してもらおうか」

夏樹「やめとけって! お前が行くと余計にこじれそうだ」

拓海「うるせえ!離せ!話してもわかんねえ奴は実力行使に決まってんだろ!」

夏樹「それはお前の役割じゃねえって!」



涼「でもさ……アタシ……気持わかるよ……」

夏樹「ん?」

涼「アンタらはさ、仕事も大きいの何本も経験してるし、拓海はデビュー決まっただろ?」

拓海「それが……なんなんだよ……」

涼「あの子……みくって言ったけ? 同じグループのメンバーが先にデビュー決まってんだろうな。アタシと同じじゃん」

夏樹「涼……」

涼「自分では差が付けられてるなんて思ってなくてもさ……実際目に見える形で先に行かれると辛いよ」

拓海「……」

涼「別に立てこもりが正しいとは思えねえよ。だけどさ、堪えきれないほどの悔しさはわかる」

夏樹「……」

涼「頑張れば……本当に報われるのかよ……ってな」

拓海「……情けねえこというなよ」

涼「え?」

拓海「そういうのはおめーらしくねえンだよ!そんな弱気でどうすんだ!」

涼「……拓海」

拓海「ふざけんなよ!……こんなの……お前をライバルだって思ってたアタシが馬鹿みてえだろ!」

涼「……ごめん」




だだだだ


武内P「すみません! 前川さん!」


拓海「あ、この間の不審者!」

夏樹「Pだろ」


武内P「デビューについては…皆さん、全員分……考えてあります!」


拓海「へぇ……」

数十分後


夏樹「とりあえず一件落着だな」

拓海「説得に応じたって…感じだな」

涼「……」

夏樹「良かったじゃん、涼」

涼「…ん?」

夏樹「頑張ってれば報われる……こともある。それはあいつらが教えてくれたんじゃね?」

涼「……そだね」

拓海「ま、オメーじゃアタシのレベルまでは及ばねーけどな」

涼「なんだと!」


夏樹「やれやれ。仲がいいんだか悪りーんだか」

6.「Finally,our day has come!」


――――――――――――346プロ地下倉庫内


夏樹「なあ」

涼「どうした?」

夏樹「例のシンデレラ連中、今日がデビューイベントらしいぜ」

涼「へえ」

夏樹「後で見に行かねーか?」

拓海「は?なんでそんな事しなきゃなんねえんだよ」

夏樹「気になるじゃんか」

拓海「けっ、素人に毛の生えたような奴のライブ見て何がおもしれえんだか」

涼「そうでもねえよ」

拓海「は?」

涼「この間美嘉にライブの映像見せてもらったんだ。まだ、粗削りでぎこちないけどな」

夏樹「ニュージェネレーションズ…だっけ?」

涼「でも、すげえ楽しそうだった。ああいうのっていいよな」

夏樹「へえ、ちょっくら見てくるか」

涼「拓海も行こうぜ。少しは勉強になるかも」

拓海「どういう意味だよ!?」

イベント当日


~♪


夏樹「へえ、いい感じだな。えっと…LOVE LAIKAか……」

涼「ビジュアルはいいよな。今までのウチにはいないタイプだし」

拓海「けっ、大したことねえよ」

夏樹「お? いよいよニュージェネレーションズか…」

涼「どんなステージか楽しみだな」


~♪


涼「……」

夏樹「……」

拓海「……なんなんだこりゃ?」

夏樹「落ち着けよ、拓海」

拓海「ダンスはメチャクチャ。キーは外すし視線はバラバラ……こんなひでえイベントは初めてだ」

涼「おかしいな…もっと良いステージだと思ったのに」

拓海「だいたい、何だあのツラは?仏頂面でステージに上がんじゃねえよ!」

夏樹「お前だって初めての時は客にメンチ切ってたろ?」

拓海「ぐっ……それはそれ、これはこれだ」

涼「きっと、なんかあったんだろうな…」

7.「I wonder where I find the light I shine...」


――――――――――――346プロ地下倉庫内



夏樹「よお、この間の例の奴らの話、美嘉に聞いて来たぜ」

涼「どうなんだ?」

夏樹「理由はわかんねえ。けど、ショートカットの奴……未央って言ったかな? そいつが辞めるって言い出したらしい」

涼「マジかよ…デビューしたばっかなのに……」

拓海「けっ! 辞めろ辞めろ。根性のねえ奴は何やっても無駄だ」

夏樹「それだけじゃねえ。黒髪ロングのヤツいただろ?渋谷とか言う」

涼「ああ」

夏樹「そいつも来なくなったんだと」

涼「おいおい……」

拓海「傑作だな。デビューイベントが解散ライブかよ」

夏樹「心配だな……」

涼「アタシらで何かできることないかな……」

拓海「やーめとけ。辞める奴は勝手に辞めさせろ」

涼「アンタさっきからひでえな。そこまで言うか?見損なったよ」

拓海「言ってろ。これは当事者がケリつける問題だ。部外者が口挟むこっちゃねえだろ」

夏樹「だけどよ……」

拓海「おめえら、忘れてんじゃねえか? アタシらもデビューした時決めたろ?」

涼「デビューの時?」

拓海「困った時、壁にぶち当たったら……」

夏樹「プロデューサーを」

涼「信じる……」

拓海「そういうこった。今はあの武内とかいう目付きの悪い奴が何とかするしかねえだろ?」

数日後



夏樹「あいつら戻ってきたんだってよ」

涼「良かったな」

拓海「ノンキに喜んでんじゃねえ。おめえら追い抜かれないようにしろよ」

涼「へぇ…」

拓海「なんだよ?」

涼「なんだかんだ言って、アンタも考えてくれてんじゃん」

拓海「う、うっせえ!」

夏樹「よっ! さすが美城の姉御!」

拓海「だ、黙ってろ!!」

おまけ・Special Program


『涼とアナスタシア』


アーニャ「Здравствуйте! ワタシの名前はアナスタシアです。アーニャと呼んでください」

拓海「お、おい……ロシア語で挨拶ってどうすりゃいいんだ?」

夏樹「アタシが知るかよ」

拓海「え、え、えと……ぐ、ぐっもーにん」

涼「馬鹿だな拓海は。それは英語だろ? グーテンモルゲン!」

夏樹「それはドイツ語だ」

アーニャ「Очень рад Познакомиться みなさんにお会いできてとてもうれしいです」

夏樹「ありがとな……しっかし、すげえ美人だよな? 肌も真っ白だし。ほんとにアタシらの年下かよ」

拓海「なあ、涼。お前その子の隣に立ってみろよ?」

涼「?? こう?」

拓海「やっぱりな」

涼「何がだよ?」

拓海「こうやって見るとアーニャの白さでお前の地黒が際立つな」

涼「うっせ」

拓海「いっそユニットでも組んだらどうだ?『碁石』とかいう名前で」

涼「アンタねえ」

アーニャ「ゴイシ……とは何ですか?」

拓海「あー、なんて言うんだろ?コマか?ジャパニーズオセロ」

夏樹「違うと思うぞ」


涼「でも、ホントキレイだよ。髪なんて銀色がツヤツヤだし」

アーニャ「スパシーバ。ありがとう……でも、リョウさんの髪も素敵です」

涼「ちくしょー。完璧かよ」

『拓海とみく』


拓海「なあ?」

みく「ん?」

拓海「なんでお前いつもネコミミつけてんだ?」

みく「これはみくのポリシーにゃ。アイドルには誰にも負けない個性が必要だにゃ」

拓海「語尾の『にゃ』もか?」

みく「そうだにゃ」

拓海「だけどお前大阪出身だろ? もうかりまっか?ぼちぼちでんなじゃねえの?」

みく「にゃー!関西人をバカにしてるにゃ。たくにゃんもネコミミつけるにゃ」

拓海「たくにゃん言うな!!」

『夏樹と莉嘉』


夏樹「おーい!おまえー!」

莉嘉「ん? なあに?」

夏樹「なんで木に登ってんだ?あぶねーから降りてこい」

莉嘉「あのね、カブト虫探してるのー」

夏樹「は?カブト虫?」

莉嘉「アタシ、カブト虫好きなんだー」

夏樹「変わったやつだな」

莉嘉「ねえ、お姉ちゃんも好きでしょ? カブト虫」

夏樹「別に好きじゃねーよ」

莉嘉「うそー?そんな髪型してるのに?」

夏樹「これはツノじゃねえよ!」

※とりあえず一期前半部分で終わります。後半はまた後日にでも
涼拓海夏樹の話は当分書かないつもりでいましたが、涼に声がついたことで記念に書きました。
歌唱力のある方らしいのでCDデビューされることを首を長くして待ちます。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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