李衣菜「~♪」蘭子「…」 (25)

李衣菜「~♪」

蘭子「…」

李衣菜「あー…これぞロックって感じだね」

蘭子「…その宝具は、何を奏でているのだ?」

李衣菜「?…ああこれ?勿論、ロックだよ!」

蘭子「激震の旋律…我が魂と共鳴するのだろうか」

李衣菜「…?…??」

蘭子「…」

李衣菜「…」

蘭子「…」

李衣菜「…聴く?」

蘭子「今こそ、我が魂と共鳴せん!」

李衣菜「良かった合ってて」

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李衣菜「はい」

蘭子「フフ…気をつけるのだぞ?我が力の前にこの宝具が絶えられぬかもしれぬ」

李衣菜「えちょっと待って、壊す可能性あるの?」

蘭子「…」

李衣菜「…」

蘭子「…」

李衣菜「…き、気をつけてね。それ結構高いから…」

蘭子「闇の旋律…」

李衣菜「さっきと変わってない?」

蘭子「〜♪」

李衣菜「驚いたなあ。蘭子ちゃんもそういうの聴くんだ」

蘭子「〜♪」

李衣菜「楽しそうに聴いちゃって…やっぱり可愛いなあ。あはは」

蘭子「フレーフレー頑張れーさあいこーお」

李衣菜「だあああああああああ!!!!」

蘭子「ふぇっ!?」

李衣菜「ご、ごめん蘭子ちゃん。びっくりさせちゃった?」

蘭子「…ふ、ふふ…我が力をも脅かす咆哮とは…」

李衣菜「…えっと、今、何聴いてたんだっけ?」

蘭子「…」

李衣菜「…」

蘭子「…どーんなー卵だってかえるんだぞー」

李衣菜「ダアアアアアアアア!!!!」

蘭子「ひうっ…」

李衣菜「ごめん蘭子ちゃん。またびっくりさせちゃって…」

蘭子「…」

李衣菜「あ…あと、今の、ひ、秘密にしといてね?」

蘭子「…今の?」

李衣菜「あ、その〜…そういう曲、聴いてるって…」

蘭子「!」

李衣菜「ああそういえばみたいな顔してる!!」

蘭子「秘密の共有か…良いだろう!」

李衣菜「…蘭子ちゃんで良かったぁ…」

蘭子「魔王も安息の時を求める事はあるもの…恥じることなど無い!」

李衣菜「あー…えっと、そ、そう。私も可愛い曲を聴きたくなる時があるっていうか…み、みくの影響だよ!そう!みくのせい!」

蘭子「フフ…」

李衣菜「あれ?そういえば蘭子ちゃん、共有って言ってたけど、何か秘密にしてたことあったの?」

蘭子「?」

李衣菜「ほら、さっき…秘密の共有って」

蘭子「…我が肉体は、突如起こる悲劇には弱いもの。弱点の一つ」

李衣菜「怖がりなの秘密だったんだ」

蘭子「そして我が魂の叫びを聞き入れたことよ」

李衣菜「割と自然にキラメキラリしてたけどね」

蘭子「我が秘密、決して他言無用であること、その身に刻み込んでおくがよい」

李衣菜「ま、まあ分かったよ。私も秘密にしてもらってるし…」

李衣菜「蘭子ちゃんってさ」

蘭子「む?」

李衣菜「ハンバーグ好きなんだっけ?」

蘭子「我が好物である」

李衣菜「意外だよね」

蘭子「何と?我がこの肉体の糧となった贄達が…」

李衣菜「ほら、蘭子ちゃん肌白いし細いから草食派かなって」

蘭子「ふむ。我が肉体は太陽の光には不向きでな。弱点の一つである」

李衣菜「弱点二つ目もう来ちゃったかー」

蘭子「して終の旋律を奏でる者よ」

李衣菜「出来れば名前が良いなあ」

蘭子「その腕が片刃の剣を振るえば、そこには甘美なる贄達の」

李衣菜「料理なら得意だよ」

蘭子「…」

李衣菜「…」

蘭子「…」

李衣菜「…今度ハンバーグ作ってあげるね」

蘭子「甘美なる誘いに抗えぬ!!」

李衣菜「そういえばプロデューサーから聞いたんだけど」

蘭子「?」

李衣菜「蘭子ちゃんって熊本出身なんだってね!」

蘭子「ふぇっ」

李衣菜「熊本弁ってどんな感じなの?博多弁とはやっぱり違うの?」

蘭子「種が違う為、融合は出来ん」

李衣菜「違うんだぁ」

蘭子「熊本は良いところですよ」

李衣菜「どうしたのいきなり」

李衣菜「みくちゃんは大阪なんだけどさ、あんまり出ないんだよね。訛りも無いし」

蘭子「ふむ…偽りの姿か…」

李衣菜「偽りっていうか、器用だよね。でも蘭子ちゃんも訛りとか感じないよね」

蘭子「ふ…我が力を持ってすれば容易いこと」

李衣菜「標準語に近い感じ、かなあ…」

蘭子「…我はこの地に永く存在している」

李衣菜「抜けていってるんだね」

智絵里「おはようございます」

李衣菜「おはよー智絵里ちゃん」

蘭子「闇に飲まれよ!」

智絵里「あ…や、やみのまー」

李衣菜「あはは。やみのまーって何か良いよね」

智絵里「かな子ちゃんも言ってたから…」

李衣菜「じゃあ、私もやみのまー!」

蘭子「闇に飲まれよ!」

李衣菜「あれ?そういえばかな子ちゃんは?」

智絵里「プロデューサーさんと話してたよ」

李衣菜「この間大変だったみたいだから、それでかなあ?」

智絵里「えへへ…でもプロデューサーさん、すっごく優しく叱ってくれたんだぁ」

李衣菜「え?プロデューサーが!?」

蘭子「………ひっ」

智絵里「そ、そんな怖くないよ!むしろ、暖かいっていうか…」

李衣菜「そうなの?…ああ、でも確かにプロデューサーって天地がひっくり返っても声荒げなさそうだよね…」

蘭子「我が友よ…」

智絵里「初めて会った時は怖かったけど…今は、優しくて、頑張り屋さんなんだなあって」

李衣菜「あはは。分かる分かる」

蘭子「ハンバーグが好きだって言ってました」

李衣菜「どうしたのいきなり」

李衣菜「四つ葉のクローバーねえ…」

智絵里「うん。なかなか見つからなくて…」

李衣菜「千切れちゃってる…これじゃただの三つ葉だもんね」

智絵里「うん。…でもね」

李衣菜「?」

智絵里「もしかしたら、願いが叶ったからかなあって」

李衣菜「願い?何の?」

智絵里「かな子ちゃんと仕事、ちゃんと出来ますようにって」

李衣菜「ミサンガ的な、ね。良いんじゃないかな?」

蘭子「その命を果たし、力尽きた深緑の武具か…」

李衣菜「武器じゃないと思うけどなあ」

武内P「皆さん、おはようございます」

かな子「おはよー!あ、蘭子ちゃん、やみのま!」

蘭子「闇に飲まれよ!」

李衣菜「おはよー」

武内P「成る程、四つ葉のクローバー…ですか」

智絵里「はい…。願いを叶えてくれたんだなって…」

かな子「えへへ。そのおかげで私も元気になれたもんね!」

智絵里「えへへぇ」

李衣菜「でも、プロデューサーも怒ったりするんですね」

武内P「え…?」

李衣菜「え?」

武内P「わ、私がお二方に何か失礼な事を…!!」

李衣菜「違います違います!自覚無かったよこの人!」

智絵里「あれからまた四つ葉のクローバーを探してるの!」

かな子「私も手伝うよ。助けてくれたんだもんね」

智絵里「かな子ちゃん…ありがとう」

李衣菜「…友情だなあ」

蘭子「…友情ですねえ」

武内P「…しかし、一つ、私の意見を言わせてください」

智絵里「?」

かな子「?」

武内P「緒方さんと三村さんがあの仕事を成功させたのは、決して運やクローバーのおかげではない、と思うのです」

李衣菜「プロデューサー?」

武内P「お二方が、成長し、お互いを信じた。その結果だと、私は思うのです」

かな子「プロデューサーさん…」

智絵里「…プロデューサーさん…」

武内P「自らの力を、否定してはいけません。あの成功は、あなた方二人の力によるものです」

李衣菜「…ま、そうだよね。クローバーが千切れたのは、「もう俺の力は要らないだろ?」って事だったりして!…クゥ〜!ロックですね!プロデューサー!」

智絵里「…えへへ」

かな子「プロデューサーさん。いつもありがとうございます!自信がつきました!」

武内P「…いえ」

李衣菜「…こんなにアイドルの為に頑張ってくれる人、プロデューサーくらいですよね」

武内P「そんな事はありません。プロデューサーの方々は皆、担当するアイドルの為に日夜、頑張っていますよ」

李衣菜「私達にとっては、プロデューサーが一番なんです!」

武内P「…多田さん…」

蘭子「プロデューサーはがまだしもんだけんね」

李衣菜「ん!!?」


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