しまじろう「ぼくらのドラッグ戦争」 (120)

―ちゃれんじ倉庫外―

しまじろう「ちゃれんじコカインが1tも…」

ドサッ

とりっぴぃ「これだけのブツを渡せばお金持ちさぁ!」

しまじろう「ゴクリ…お金持ち…」

ウーウーウー

しまじろう「!?」

ちゃれんじ警官「そこで麻薬取引をしている奴等だ!速やかに確保しろ!」

とりっぴぃ「やべぇサツだぁ!」

しまじろう(は……ハメられたのか…?)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1440182442

ナレーター「時は遡ること1週間前…」



しまじろう「え?麻薬?」

とりっぴぃ「とりっぴぃもよく分からないんだぁ」

しまじろう「薬ってことは…悪い病気を治すんだよね!」

とりっぴぃ「きっとそうだよ~だから一緒にやらないかあ?」

しまじろう「お母さんに聞いてからね」

とりっぴぃ「じゃあ後でとりっぴぃの家に電話してくれよ」

しまじろう「分かった」

しまじろう母「麻薬…」

しまじろう「悪い病気を治す薬なんだ!だから働いてもいいでしょ?」

しまじろう母「……しまじろう、麻薬ってのは悪い薬なのよ」

しまじろう「え?」

しまじろう「このDVDを観なさい」

しまじろう「うん!」

ナレーター「母そう言うと、麻薬について学ぼうと書かれたDVDをディスクに挿入する」

「麻薬について学ぼう」

しまじろう「うわぁ!何か始まったよ!」

麻薬を始めてから人生滅茶苦茶です

迷惑をかけた人達に謝りたい

薬なんか絶対にしたらダメ

NO!とハッキリ言えるようになろう

先輩や知らない人に誘われても断ろう

しまじろう「…麻薬って怖いね」

しまじろう母「だから、そんなバイトをするのは止めなさい」

しまじろう「でも…とりっぴぃが……」

しまじろう母「とりっぴぃ君は悪い先輩にでも誘われてるんじゃないかしら?」

しまじろう「とりっぴぃが…!?」

コンコン

しまじろう母「あら、誰か来たわ」

しまじろう「誰だろう…こんな時間に」

しまじろう母「おかしいわね」

しまじろう「お父さんは今日は出張で帰ってこないんだよね?」

しまじろう母「お母さんが見て来るわ」

しまじろう「うん」


しまじろう母「……こんな時間に迷惑ね」

トミー「トミーだよ」

しまじろう「あらトミー?」

トミー「やぁ、しまじろう」

しまじろう「トミー!?」

ナレーター「彼はしまじろうの母方のいとこである」


しまじろう「久し振りだね!」

トミー「ああ、随分と大きくなったみたいだな」

しまじろう「トミーこそ元気そうだね」

トミー「今の生活が裕福過ぎて元気モリモリさ」

しまじろう「へぇー?お金持ちってこと?」

トミー「ははっ、まぁそんなところだね」

しまじろう「どうしてお金持ちになったの?」

トミー「ちょっとバイトを始めてね」

しまじろう「バイトなんかで稼げるの?」

トミー「しまじろうはまだ何も知らないんだなぁ」

しまじろう「え」

トミー「麻薬って知らないか?」

しまじろう「あ、さっきお母さんに聞いたんだ!悪い薬だって!」

トミー「悪い薬ぃ?ははっ、違う違う!」

しまじろう「違うの…?」

トミー「麻薬ってのは気持ちよくなる素晴らしい薬なのさ」

トミー「その麻薬を世界中の動物達に配るバイトをして大儲けしたんだ」

トミー「悪い薬もあるけど、良い薬もあるんだよ」

しまじろう「そうなんだ!じゃあお母さんが間違ってるね!」

トミー「知識の浅い母と思えばいいんだよ」

トミー「しまじろう、お前も小遣い稼ぎにどうだ?」

しまじろう「え…僕も……?」

トミー「ただ単に約束された場所にブツを運ぶだけ金が転がり込んで来るんだ」

トミー「楽なバイトだぜ?」

しまじろう「へぇーそれなら僕でも出来そうだね」

トミー「そうだろ?だから、しまじろうの友達も誘ってみろよ」

しまじろう「うん!」

トミー「じゃあ、お前にこの仕事の内容を簡単に説明してやるよ」

しまじろう「うん」

・約束の場所は依頼客によって異なる
・ブツの量によって報酬も大きく変わってくる
・あまりにも遠い場所の場合はキャンセルすることも可能
・依頼客をサップスと称する
・ブツを運び役が使用することは固く禁ずる
・場合によっては銃器を携帯するのも可能
・ブツを渡すのに失敗すれば報酬が入ってくることはない
・サツに捕まっても全て自己責任となる

トミー「まぁ、こんな感じだ」

しまじろう「長いよ」

トミー「つまり、サップスの要求してくる量次第によって儲けられる額も変わってくる」

しまじろう「どうやって依頼してくるの?」

トミー「それは様々だな」

トミー「ネットを使うのが一番手っ取り早い」

しまじろう「僕の家にパソコンあるよ!」

トミー「それなら依頼客は簡単に捕まえる事は出来るぜ」

しまじろう「あ、でもその薬はどうやって入手するの!?」

トミー「それは僕の裏の友達に頼んで入手してもらうさ…ふふっ」

しまじろう「さすがトミー!」

トミー「よせよ…照れるだろ///」

しまじろう「別にネットじゃなくても依頼客は見つけられるよね」

トミー「そうだな、ちゃれんじバーに行ってみるのもいいかもしれない」

しまじろう「ちゃれんじバー?」

トミー「いいか、僕はそのちゃれんじバーに同行することはできない」

しまじろう「どうして?トミーがいないと不安だよ…」

トミー「もう既にトミーという名前自体が裏世界で広まってる」

トミー「下手に動けばサツに捕まるかもしれない」

トミー「だから、基本客を捕まえるのはお前の役目だ」

しまじろう「ぼ……僕の役目…」

トミー「薬やブツに関しては僕に任しておけ、必ず入手する」

トミー「約束の場所まで運んでいくのがお前達の役目でありバイトだ」

トミー「成功すれば、報酬の半分をくれてやる!」

しまじろう「半分も!?」

ナレーター「トミーはバイトの内容を告げて速やかに立ち去った」

しまじろう「ようし…僕もこれでお金持ちになれるぞー!」

しまじろう「まずは、とりっぴぃに連絡しないと」

ぷるるるる

ぷるるるる

とりっぴぃ「はい?」

しまじろう「とりっぴぃ?今すぐちゃれんじバーの前まできてよ」

しまじろう「え?どうしてかって?」

しまじろう「詳しいことは後で話すから、とにかく来てよ!」

ガチャッ

ツーツー

―ちゃれんじバー

ちゃれんじ島の危険区域とまでされている場所でもある

しまじろう「うー…寒いなぁ」

バサッバサッ

とりっぴぃ「よぉ!しまじろ~!」

しまじろう「あ、とりっぴぃ」

とりっぴぃ「こんな時間に呼び出して何の用だよ?」

しまじろう「実はね…」

とりっぴぃ「!?」

とりっぴぃ「とりっぴぃの聞いてた通りだね…」

しまじろう「そうなの!?」

とりっぴぃ「ネットで調べたら情報がいっぱい載ってたのさぁ~」

しまじろう「まずは、サップスを見つけないと」

とりっぴぃ「どうしてバーにするんだよ?」

しまじろう「ネットなら冷やかしの可能性が高いかもしれないでしょ?」

しまじろう「バーなら面と向かって話せるからね」

とりっぴぃ「なぁるほど~」

ピッピッ

しまじろう「ん、トミーから電話だ」

ピッ

しまじろう「はい?」

トミー「仕事の方はどうだい?順調に進んでるか?」

しまじろう「まだサップスも見つかってないよ」

トミー「なら1つだけお前に伝えておこう」

トミー「ちゃれんじバーのカウター席に座ってる客についてだ」

しまじろう「それがどうしたの?」

トミー「右から3番目の席に座ってる奴は、薬を欲しがってる奴だ」

しまじろう「そんなことが分かるの!?」

トミー「ちゃれんじバーの裏世界では常識なことさ」

トミー「いいか?右から3番目に座ってる客がだぞ?」

しまじろう「分かったよ、情報ありがとう」

ピッ

しまじろう「よし行こう」

とりっぴぃ「お金儲け♪お金儲け♪」

屈強なガードマン「おい坊主」

しまじろう「エッ」

とりっぴぃ「とりっぴぃはフサフサだから該当しないよぉ~」

しまじろう「僕だってフサフサだよ!ハゲてる的なこと言わないでよ!」

とりっぴぃ「何フサフサ気取ってるんだよ~」

屈強なガードマン「そんなのどっちでもいいんだよ」

ポキポキッ

しまじろう「……ヒッ」

屈強なガードマン「規定によって坊主達はこの店に入られねぇんだよ」

とりっぴぃ「こ、こんな店に規定もクソもないだろぉ…」

屈強なガードマン「お前達からは金の匂いがしてこねぇんだよ」

しまじろう「帰らない…!」

屈強なガードマン「だったら骨の1つや2つ折るしかないな……」

とりっぴぃ「ヒィィィッ」

しまじろう「えい!!」

ガツンッ

ナレーター「しまじろうは小石でガードマンの頭を殴打する」

ガードマン「がはっ…」

バタッ

ナレーター「屈強なガードマンはその場で気絶した」

とりっぴぃ「すごいやしまじろう~!一撃だねぇ!」

しまじろう「はぁはぁ…仕事のためには犠牲も必要だよ…」

しまじろう「行こう、僕達はもう逃げ出す事は出来ない」

とりっぴぃ「うん」

しまじろう「お邪魔します」

ガチャッ

……

店内は思っていた以上に静かであった

客の数もこの日は少なかった

まず、しまじろうはカウンター席に視線を走らせる

しまじろう(右から3番目……)

とりっぴぃ(女の動物みたいだねぇ)

しまじろう(とりあえず、僕たちも近くの席に座ってみよう)

マスター「いらーーーっしゃいませぇ!!!」

しまじろう「マスター…ノンアルコールのオレンジジュースを1つ」

とりっぴぃ「とりっぴぃはノンアルコールのコーラ」

マスター「かしこまりました」

しまじろう(……まずは接触しないと)

とりっぴぃ(しまじろう!赤外線でアドレス飛ばしてみろって!)

しまじろう(そんなの受信してくれるはずが…)

とりっぴぃ(ダメ元で飛ばしてみろよぉ)

ピーッピーッ

しまじろう(まだ受信してくれないか…)

ピッ

しまじろう(受信された!?)

とりっぴぃ(もしかしたら、メールが来るんじゃないかぁ)

ヴヴヴヴヴ

すぐにしまじろうの携帯にメールが届く

『貴方は運び屋かしら?』

しまじろう「え、このアドレス……」

らむりん「……」

とりっぴぃ「らむりん!?」

らむりん「あら2人共きてたの…?」

らむりん「……意外だったわ」

とりっぴぃ「まさか、らむりんがサップスだったとはねぇ」

らむりん「依頼してもいいのかしら」

しまじろう「うん初めてだけど」

らむりん「それならダメね、他の運び屋に頼むわ」

しまじろう「大丈夫だよ!きっと運んでみせるから!」

らむりん「初めてする貴方達に出来るとは思えないわ…」

とりっぴぃ「らむりんが欲しいのって何だよ~」

らむりん「薬よ」

とりっぴぃ「!!」

らむりん「欲しくて欲しくてたまらないのよぉ…うずうずするんだから…」

しまじろう(やべぇ…DVDで観てた通りだ…)

とりっぴぃ「薬の種類は?」

らむりん「べッスタールのV-89型よ」

とりっぴぃ「べッスタールってかっこいいなぁ」

らむりん「早くしてちょうだい……」

とりっぴぃ「一旦外に出よう」

カランコロン

しまじろう「…もしもし?トミー?」

トミー「よぉ、サップスは見つかったのか?」

しまじろう「うん!べッスタールのV-89型って薬だよ」

トミー「あぁん?べッスタールだと?」

しまじろう「どうしたの?」

トミー「そいつは薬ってか性欲増強剤だな」

とりっぴぃ「そういえば、らむりんの性欲は動物界の中でも恐れられてるもんなぁ」

トミー「べッスタールは今の時代だと入手困難だ」

しまじろう「無理かな……」

トミー「何とかして手に入れてみる、一応量も聞いておいてくれ」

しまじろう「分かった」

カランコロン

しまじろう「らむりん、べッスタールはどのぐらいの量が欲しいの?」

らむりん「1tよ」

とりっぴぃ「ぶーーーっ」

しまじろう「い、一トン!?」

らむりん「それぐらい必要なのよ……お金はちゃんと払うから」

しまじろう「……」

とりっぴぃ「1tとなると、運ぶのも大変だし警察に捕まっちゃうよぉ」

マスター「話に割って入って申し訳ありませんが、1つよろしいでしょうか?」

しまじろう「はい?」

マスター「べッスタールは性欲を増強させるだけですので人体に悪影響ではありません」

マスター「ですから、警察も捕まえたりすることはありませんよ」

しまじろう「へぇー!それなら安心して運べるね!」

らむりん「とにかく…1週間後にちゃれんじ倉庫まで持ってくるのよ」

ナレーター「しまじろう達はバーを出て公園に立ち寄っていた」

しまじろう「トミー!依頼引き受けたよ!」

トミー「ああ、量はどのくらいだ?」

しまじろう「1tだよ」

トミー「ぶっーーーーー」

しまじろう「さすがに無理かな…?」

トミー「t単位になると報酬は軽く億を超えるぞ……」

とりっぴぃ「おっおっおっ億!?」

トミー「一生遊んで暮らせるじゃねぇか…しかもべッスタールなら…」

トミー「ゴクリ…」

しまじろう「1週間後にちゃれんじ倉庫街に運んでってさ」

トミー「倉庫街までは僕が運ぶから、金はお前達が受け取れ」

しまじろう「いいの!?トミーが運んでくれるなんて」

トミー「ああ、それぐらいさせてくれよ…」

しまじろう「ただいまー」

しまじろう母「あらおかえり」

しまじろう「もう疲れたから寝るねぇ」

しまじろう母「そうだしまじろう…麻薬には気をつけなさいよ」

しまじろう「え、さっきDVDで学んだから」

しまじろう母「違うのよ今ちゃれんじ島で出回ってる薬のことよ」

しまじろう「?」

しまじろう母「何でもその薬を飲めば、筋肉がムキムキになったり」

しまじろう母「精神的におかしくなっちゃうみたいのよ」

しまじろう「ははっ、筋肉ムキムキになれるならいいじゃん!」

しまじろう母「そうかしら…」

しまじろう「とにかく僕はもう寝るよ~おやすみ」

ナレーター「そして、1週間後」


しまじろう「時間は早朝の5時にか」

とりっぴぃ「ふぁーーあ…とりっぴぃまだ眠いやぁ」

しまじろう「これを成功させれば一生遊んで暮らせるんだよ!」

とりっぴぃ「そうだけど、話が上手くいきすぎなんじゃないかぁ?」

しまじろう「そんなこと言うなよ」

とりっぴぃ「だってそんな簡単にべッスタールが手に入るとは思わないし」

しまじろう「トミーなら何とかしてくれるよ」

しまじろう「とにかく倉庫街まで行こう!」

とりっぴぃ「はぁ~い」

―ちゃれんじ倉庫街―
しまじろう「あ!らむりん!」

らむりん「遅いじゃない…」

しまじろう「ごめんごめん!」

とりっぴぃ「それより、もうブツが届いてあるよぉ!」

ナレーター「既にシートに包まれた巨大な箱が置いてあった」

しまじろう「ふふっ、これがべッスタールだね」

らむりん「お金は後で振り込むから早く中身を見せなさいよ」

しまじろう「分かったよ…それよりトミーがいないね?」

らむりん「私がきたときには、もうこの箱が置いてあったわ」

しまじろう「ふーん」

とりっぴぃ「あいつは裏世界で名が知れてるからあんまりウロウロしてられないんだよぉ!」

しまじろう「そうかな…とりあえず中身を空けてみよう」

ドサッ

しまじろう「え…」

しまじろう「ちゃ…ちゃれんじコカイン…?」

箱の中に入ってた紙にはそう記されている

しまじろう「ちゃれんじコカインが1tも…」

とりっぴぃ「これだけのブツを渡せばお金持ちさぁ!」

しまじろう「いや、種類が違うだろ」

ウーウーウー

しまじろう「!?」

ちゃれんじ警官「そこで薬物の取引をしている動物達だ!速やかに確保しろ!」

とりっぴぃ「やべぇ!サツだぁ!」

らむりん「ちょ、ちょっと…警察が来るなんて聞いてないわよ!」

しまじろう(……ハメられたのか……?)

とりっぴぃ「ど、どうするんだよぉ!」

らむりん「私捕まりたくなんてないわ!」

しまじろう「クソッ…だが幸いまだ僕達の顔は見られていない…」

しまじろう「……駄菓子屋で買った煙幕を使おう」

ボゥンッ!!

ちゃれんじ警官「毒ガスか!?迂闊に近づくな!!」

警官B「ダメです!犯人に逃げられてしまいます!」

ちゃれんじ警官「…チッ!まさかこんな古典的な技を使うとは!」


しまじろう(今の内に、こっちの通路から逃げよう)

とりっぴぃ(はぁ…刑務所に行かずに済んだよぉ)

―ちゃれんじハイスクール前―

らむりん「はぁはぁ……ここまで来れば大丈夫ね…」

しまじろう「トミーの奴…」

とりっぴぃ「そうさぁ!トミーは何してるんだよ!!」

しまじろう「知らないよ、今起きたことは計算外なんだから」

らむりん「トミーが警察にチクったんじゃないの?」

しまじろう「そんなバカな…!!トミーは僕のいとこなんだよ!?」

とりっぴぃ「いとこは関係ないだろ」

しまじろう「トミーがそんな僕達をハメるようなことはしないさ」

らむりん「あら、やけにトミーの肩を持つわね」

しまじろう「いとこだから」

しまじろう「トミーに電話してみるね」

とりっぴぃ「すぐに連絡してくれよ!見つけ出してぶっ潰してやろう!」

らむりん「そうね、皮も全部剥いでやらないと」

ぷるるるる

ぷるるるる

ガチャッ

しまじろう「あ、トミー?」

「ただいまお掛けになられた電話番号は現在使われておりません」

しまじろう「え……」

らむりん「どうしたのよ?」

しまじろう「電話番号が変えられてるかもしれない」

とりっぴぃ「やっぱりハメられたんだよ!トミーの奴に!」

しまじろう「そんなバカな……」

しまじろう「ただいま」

はな「お兄ちゃんー」

しまじろう「あ、はな!どうしたの?」

はな「お兄ちゃんがテレビに映ってるよ」

しまじろう「ホント?僕もついに有名人の仲間入りかなぁ」

「今朝ちゃれんじ倉庫街で薬物取引をしていたと思われる犯人3組の写真が公開されました」

「この3人組を見かけたらすぐに警察にご連絡を…」

しまじろう「……バッチリ顔バレてたのか」

はな「お兄ちゃん有名人だね!」

しまじろう「う、うん……有名人だね……」

ぷるるるる

しまじろう「もしもし」

とりっぴぃ「しまじろう!?テレビ見てるかぁ?」

しまじろう「うん、公開されてるね」

とりっぴぃ「警察も本気で捜査してるみたいなんだぁ!」

しまじろう「捕まるのも時間の問題だね……」

とりっぴぃ「せめて顔さえ変えることが出来れば…」

しまじろう「あ、整形しよう!」

とりっぴぃ「整形ぇ?」

しまじろう「メエメエ博士に頼めば整形してくれるかもしれないよ」

とりっぴぃ「あいつ胡散臭いからなぁ~」

―メエメエ博士研究所―

ドンドンッ

とりっぴぃ「博士ェ~~」

ガチャッ

メエメエ博士「む?」

しまじろう「博士!こんにちは!」

メエメエ博士「おぉ…しまじろう君達か……」

しまじろう「博士に頼みたいことがあるんだけどいいかな?」

メエメエ博士「君達の頼みならば聞こうではないか」

とりっぴぃ「テレビ見た?」

メエメエ博士「君達が薬物取引をして警察に追われているんじゃろ」

とりっぴぃ「なぁんだ!知ってるなら話が早いやぁ!」

しまじろう「僕達の顔を整形して欲しいんだ!」

メエメエ博士「整形……なぁ…」

とりっぴぃ「出来るか出来ないかって聞いてるんだよ!」

メエメエ博士「出来ん事はないが、ちと高いぞ?」

しまじろう「ちゃんと払うから整形してよ!」

メエメエ博士「よかろう…君達の熱意に免じて5000万で引き受けよう」

とりっぴぃ「は…高すぎだろ……」

しまじろう「とりっぴぃ!また運び屋の仕事すれば元は取り返せるよ!」

とりっぴぃ「そ、そうだな」

メエメエ博士「では!この顔入れ替わり鏡に顔を突っ込むのじゃ!」

しまじろう「うん!!」

とりっぴぃ(おいおい鏡ブッ潰れるだろ…)

メエメエ博士「ゆけ!!」

しまじろう&とりっぴぃ「えいっ!!!!」

ガッシャーーーン

ブシャァァァ

しまじろう「うぎゃあああああああ」

とりっぴぃ「いたああああああああああ」

メエメエ博士「2人共!顔を見せるのじゃ!」

しまじろう「か…変わってますか…?」

とりっぴぃ「ごほっごほっがはっ」

メエメエ博士「…成功じゃ!見事に2人の顔は変わっておる!」

しまじろう「え、でもとりっぴぃの顔変わってないよ?」

とりっぴぃ「そういうしまじろうこそ…」

メエメエ博士「顔を入れ替えた同士ではそう見えてしまうだけじゃ」

メエメエ博士「君達以外であれば、全くの別人に見えているのじゃ」

しまじろう「とにかく、これで堂々と歩けるよ」

とりっぴぃ「へっ!使えるじゃないか博士ェ!」

メエメエ博士「3日後に5000万円を振り込んでおくのじゃ」

しまじろう「はい!」

メエメエ博士「しかし、君達がまさか薬物の取引に関わっていたとは」

とりっぴぃ「ハメられたんだよぉ!」

しまじろう「まだ確定はしてないですけど…恐らく僕のいとこにハメられたかと」

メエメエ博士「ほう…それは災難じゃったな」

とりっぴぃ「薬物なんかに手を出すんじゃなかったよ全く」

メエメエ博士「最近になってそういう事件が増えてきたのぉ…」

しまじろう「ちゃれんじコカインはどうしてダメなんですか?」

とりっぴぃ「そうさ!あれがべッスタールだったら捕まらなかったんだよぉ!」

メエメエ博士「ちゃれんじコカインは人体に悪影響を及ぼすからじゃ」

メエメエ博士「その他にもちゃれんじ薬物は出回っておる」

しまじろう「へぇ」

メエメエ博士「元々はちゃれんじ薬物等、手に入れる事なんぞ不可能な話であった」

メエメエ博士「手に入れるとしても余程裏に精通している動物で無ければ入手出来ん…」

とりっぴぃ「トミーはそういう動物だったんだろ~」

しまじろう「まだトミーが犯人とは決まってないだろ」

とりっぴぃ「99割トミーが悪いさぁ!」

メエメエ博士「A級ちゃれんじ薬物となってくれば大変なことになるぞ」

しまじろう「A級?」

とりっぴぃ「漫画の見すぎだぞ博士」

メエメエ博士「大昔にこの島で製造された物じゃ」

メエメエ博士「この島は大昔、他の動物達と戦争をしておった」

しまじろう「戦争……」

とりっぴぃ「ちゃれんじ戦争か…本で読んだことあるよ」

メエメエ博士「敵側の動物達は全て上の動物達に洗脳されておったのじゃ」

しまじろう「洗脳?どうやって?」

メエメエ博士「それこそがA級ちゃれんじ薬物じゃ…!」

しまじろう「!!」

メエメエ博士「戦いたく無い動物にその薬を飲ませれば突如豹変してしまう」

メエメエ博士「戦闘本能だけが駆り立てられ死ぬまで戦いを止めぬことになる」

とりっぴぃ「こえー…」

メエメエ博士「まぁ、そのA級は既に政府によって全て廃棄されたのじゃがな」

しまじろう「じゃあ、大丈夫だよ!」

メエメエ博士「廃棄されたとはいえ、誰かがまだ隠し持っている可能性もある」

メエメエ博士「A級ならば上空からばら撒くだけで洗脳可能じゃ」

とりっぴぃ「ひぇー真の悪役ならしそうだねぇ」

メエメエ博士「そんなバカをする奴は今後現れんと思うがのう」

しまじろう「トミーなら何か知ってるかもしれない…」

とりっぴぃ「あいつならA級を持ってるかもしれないねぇ~」

メエメエ博士「そうなれば野放しにしておくのは危険じゃぞ」

しまじろう「トミーに連絡が繋がらないしな…」

メエメエ博士「ならば、裏の動物達に情報を聞くと言うのはどうじゃ?」

とりっぴぃ「確かに!一旦裏の世界に身を潜めるのもいいかもしれないやぁ」

しまじろう「……」

みみりん「嘘…しまじろう達が指名手配だなんて…」

みみりん母「あんなバカ達とつるむのはもう止めなさい」

みみりん「しまじろうはバカじゃないわ!」

タッタッタ

みみりん母「あ!待ちなさい!」


みみりん「はぁは…ぁ……しまじろう…」

トミー「やぁ」

みみりん「貴方はトミー?」

トミー「しまじろう達が大変な事件に巻き込まれちゃったね」

みみりん「何とか疑いを晴らすことは出来ないのかな…」

トミー「僕にいい考えがあるんだ」

みみりん「いい考え?」

―ちゃれんじ商店街―

しまじろう「とりあえず、武器だけは調達しておこう」

とりっぴぃ「そうだな」

しまじろう「今僕達の指名手配レベルはどれぐらいなの?」

とりっぴぃ「★☆☆☆☆☆☆だな」

しまじろう「☆1か…まだ通行人に見られても大丈夫な程度だな」

とりっぴぃ「武器屋なんて商店街にあるのか~?」

しまじろう「ここだよ」

ちゃれんじ武器屋に入るしまじろう達

園長先生「いらっしゃい」

しまじろう「こんにちは、園長先生」

とりっぴぃ「園長何してんだよ」

園長先生「おやおや…しまじろう君達じゃないか」

しまじろう「今日は武器を買いにきたんだ!」

園長先生「ハハッ、お使いなんて偉いじゃないか」

しまじろう「手軽に使える武器がいいな」

園長先生「この斧とハンドガンを持っていきなさい」

しまじろう「わぁい!タダで武器ゲット!」

とりっぴぃ「とりっぴぃにも何かちょうだいよぉ~」

園長先生「この火炎放射器を使いなさい」

とりっぴぃ「かっけぇ…」

しまじろう「後は閃光弾と手榴弾をもらっていこう」

園長先生「はいはい、確かまだ在庫はあった気が…」

しまじろう「急いで持ってきてよ」

園長先生「どうぞ」

しまじろう「ありがとう」

園長先生「だが、こんな物何に使うつもりですか?」

とりっぴぃ「自分の身を護るためさぁ」

園長先生「なるほど…それはいいことですね」

しまじろう(そうか、園長先生はまだニュースを見ていないんだ)

しまじろう(自分の園児が犯罪者だなんて知りたくないよね…)

しまじろう(園長先生には黙っておこう)

とりっぴぃ「とりっぴぃ達、昨日の薬物取引の犯人なんだぁ」

しまじろう「ちょ」

園長先生「冗談……ですよね…ははっ」

しまじろう「そ、そうですよ」

とりっぴぃ「ホラ!新聞見てみろ!」

バサッ

「薬物取引犯3人組の写真ついに公開!!」

園長先生「こ……コレは・・・・・・」

しまじろう「バカ!!見せたら指名手配レベルが上がっちゃうだろ!」

とりっぴぃ「ご、ごめんよぉ~」

園長先生「……ちょっと待っていてください」

しまじろう「え?」

園長先生「渡したい物があります」

しまじろう(なんだ、思ったより落ち着いてて良かった)

園長先生「…」

カチャッ

園長先生はショットガンをしまじろう達に向けて構える

しまじろう「エッ」

とりっぴぃ「なに物騒な物構えてんだよぉ」

園長先生「君達を警察に突き出して懸賞金をもらうことにしたんですよ」

しまじろう「け、懸賞金!?」

とりっぴぃ「サツめ…とうとうとりっぴぃ達に懸賞金なんてかけやがったか!」

園長先生「とりっぴぃ君は50円」

とりっぴぃ「……」

園長先生「そして、しまじろう君は…1000万」

しまじろう「!?」

とりっぴぃ「どうしてしまじろうだけそんなに高いんだよ!」

園長先生「なにかあるんでしょうね…ええ…警察に突き出せば分かることですよ……」

とりっぴぃ「それでも園長かよ!」

バキューン

とりっぴぃ「ヒッ…」

園長先生「ガタガタとうるさい鳥ですね…」ピクピクッ

しまじろう「園長先生、それが貴方の本性だったんですね」

園長先生「フッフッ…本性?可笑しな事を言うんですね君は」

園長先生「私は今最高の気持ちが良いんですよ」

園長先生「日頃園児達に溜めていたストレスが一気に発散出来そうです」

とりっぴぃ「何だコイツ…狂ってるんじゃないか…」

しまじろう「…園長、貴方もしや薬を?」

園長先生「薬…?ふふっ…ふふふっふふふふ?」

しまじろう(…コイツ……まだ狂ってはいないか…)

園長先生「薬なんてしてる訳ないじゃないですかああああああ!!」

園長先生「フフフフフフフッ!!!!!」

とりっぴぃ「おい…コイツやばいってホントにやばい」

しまじろう「分かってるよ」

とりっぴぃ「どうする?」

しまじろう「逃げることは出来ないし、大人しく捕まろう」

とりっぴぃ「ハァ!?」

園長先生「しまじろう君の選択はとても利口だ」

園長先生「追い詰められた動物達はみんなそうしているんですよ」

園長先生「ウッヒュッッッ」

とりっぴぃ「……笑い方までやばいって」

しまじろう(出口までおよそ走って40歩…いや45歩ぐらいってところだな…)

とりっぴぃにアイコンタクトを送るしまじろう
それを当たり前のように受け取る
2人の信頼関係があってこそ成せることである

とりっぴぃ「……あ!UFO!」

園長先生「!?」

園長が一瞬だけ目線を逸らした

しまじろう「逃げろ!」

園長先生「…に、逃がしませんよ!!」

ピンッ

ポーンッ…コロコロ

しまじろう「あんたにもらった閃光弾使わせてもらうよ」

ピカーーーーンッ

園長先生「ぬぉぉぁあああ!!」

しまじろう「目に頼りすぎだ園長!」

とりっぴぃ「ようし、このまま逃げよう~」

バキューンンッ

しまじろう「なっ…」

銃弾がしまじろうの右頬を掠める

園長先生「フッフッ、そんなもので逃げ切れると思いましたか?」

とりっぴぃ「コイツ…閃光弾効かないのかよ」

園長先生「大人しく警察が来るまで待っておいた方がいいですよ」

しまじろうはギュっと唇を噛み締める

しまじろう「クソッ…!!」

とりっぴぃ「終わった……ホントにとりっぴぃ達捕まっちゃうよ…」

園長先生「10分ぐらいで警察が来るみたいですから」

園長先生「店の地下に設置してある牢獄にぶち込んでおきますね」

しまじろう(……ジ・エンドか……)

―ちゃれんじ牢獄―

しまじろう「……」

とりっぴぃ「アハハハッ、M1おもしろー」

しまじろう「暢気に牢獄にあるテレビ観てる場合かよ…」

とりっぴぃ「だって、もう何したって逃げられないだろぉ」

とりっぴぃ「ロッチおもしろいなぁ」

しまじろう「…このまま警察に突き出されるんだよ」

しまじろう「嫌だよそんなの……僕まだエッチしてないのに…」

とりっぴぃ「来世で頑張れよ~アハハハッ」

しまじろう「ふざけんな!!」

ガッ

しまじろうはとりっぴぃの翼を掴んだ

とりっぴぃ「いたぁいよぉっ!」

しまじろう「このまま簡単に警察に捕まってたまるかよ…!何とかして脱獄する方法を…!」

とりっぴぃ「どうやって脱獄するんだよ」

しまじろう「さっきもらったこの手榴弾で牢獄を破壊しよう」

とりっぴぃ「!?」

しまじろう「多分僕達にも多少のダメージは来る」

とりっぴぃ「いやいやだよ傷なんて負いたくないよ!」

しまじろう「時間が無いんだ…!!」

ガチャンッ

園長先生「警察が来ましたよ」

しまじろう「…!!」

とりっぴぃ「ほらな?もう諦めて出頭しようや」

しまじろう「ひっく…ひっく……お母さぁん……」

―ちゃれんじ警察署―

ライオンポリス「…さっさと吐いたらどうだ?」

しまじろう「……」

ライオンポリス「…黙ってても分かんだろう!!」

ガシャンッ

しまじろう「うっ!」

下っ端警官「お、落ち着いてください!警部補!」

ライオンポリス「はぁはぁ…イライラするんだよコイツみてるとよ!」


ライオンポリス「さっさと吐け」

とりっぴぃ「刑務所に入ってる間はテレビ観れるの?」

ライオンポリス「まずは全部やったか言え」

とりっぴぃ「ご飯は週に1回ぐらいはカレーを出してほしいなぁ」

ライオンポリス「貴様…!!」

下っ端「お、落ち着いてください!」

2人は暫くの間、ちゃれんじ刑務所で監禁されることになった

ライオンポリス「本人の口から全部やりました…と吐くまでは監禁しておけ」

下っ端「はい」

しまじろう「…」

とりっぴぃ「えぇ?」

ライオンポリス「お前達は24時間監視し続けられる」

ライオンポリス「トイレは刑務所の中にある」

しまじろう「じゃあ僕達のトイレまで見られちゃうの!?」

ライオンポリス「そういうことだ」

とりっぴぃ「ちゃれんじ警察署の奴等はスカトロ好きなのかよ」

ライオンポリス「……」

とりっぴぃ「う、嘘だよ!アブノーマルも良いことだよぉ!」

ガシャンッ

しまじろう「おっとっと…」

とりっぴぃ「ヒェェーこんなに汚い所なのかぁい」

しまじろう「僕達2人は同じ牢屋だね」

とりっぴぃ「他の囚動物達は寝てるのかなぁ」

しまじろう「新入りだから目付けられそうだよ」

くまごろう先生「へっへっ…新入りの動物かよ」

しまじろう「!?」

とりっぴぃ「コイツとりっぴぃ達の先生じゃん」

くまごろう先生「まさかお前達がこの刑務所にぶち込まれるとはな」

しまじろう「どうしてくまごろう先生が?」

くまごろう先生「薬を所持してるのが見つかったんだよ…へへっへっ」

とりっぴぃ「薬って…」

くまごろう先生「知らないと思うがA級ちゃれんじ薬物ってのを所持していてな」

しまじろう「A級!?」

とりっぴぃ「それって、メエメエ博士が言ってた洗脳薬だよ~!」

くまごろう先生「ほう…あの薬を知ってんのか」

しまじろう「あれは全部政府が廃棄したはずじゃ……」

くまごろう先生「全部廃棄したところで、また製造されちまうだけさ」

くまごろう先生「最近になってA級がまた闇市場で売り出されてたんだよ」

とりっぴぃ「ヒュー」

くまごろう先生「で、俺様は報酬としてその薬をもらった訳だ」

くまごろう先生「そんな危ないモンとは知らずにな」

くまごろう先生「その薬をもらって3時間後ぐらいに俺様は警察に捕まってた」

しまじろう「報酬って何か仕事でもしたの?」

くまごろう先生「ああ、運び屋って仕事だ」

とりっぴぃ「運び屋!?」

くまごろう先生「金に困ってた時期に誘われてしてたんだ」

しまじろう(先生が運び屋を・・・?まさかトミーが絡んでるのかな?)

くまごろう先生「今はあんな仕事したいとは思わないけどな」

とりっぴぃ「どうして警察はその闇市場を取り締まらないんだよ!」

くまごろう先生「警察も裏の連中には手を出せないみたいだ」

くまごろう先生「俺達が知らない方がいい世界もあるんだよ」

とりっぴぃ「情けない警察だなぁ!」

くまごろう先生「…噂だが、このA級を使って何か実験をしようとしているみたいだ」

しまじろう「実験?」

くまごろう先生「ふふっ、何も知らないみたいだな」

とりっぴぃ「とりっぴぃ達は訳も分からず捕まったからねぇ」

くまごろう先生「A級と同じく危険視されているのがG級ちゃれんじ薬物だ」

しまじろう「G級?」

とりっぴぃ「モンハンかよ」

くまごろう先生「G級はA級に比べて中毒性も低いし、洗脳されることもない」

くまごろう先生「むしろ自身の筋肉を恐るべきスピードで増強してくれるんだ」

しまじろう「A級にはその力は無いの?」

くまごろう先生「A級も多少は増強されるがG級程ではない」

とりっぴぃ「そういえば、この間のちゃれんじオリンピックで聞いたことあるや」

くまごろう先生「現代のアスリート選手なら全員している薬だからな」

とりっぴぃ「ドーピングじゃないの?」

くまごろう先生「G級は世界から認められたドーピングだ」

とりっぴぃ「G級は犯罪じゃないんだな」

くまごろう先生「ああ、今でも駄菓子屋で認められた薬物として販売されている」

しまじろう「駄菓子屋で購入できるんだ…」

くまごろう先生「俺様自身…持っているからなこのG級は」

とりっぴぃ「それ使えば無敵じゃないかぁ!」

くまごろう先生「強大な力にはそれ相応のリスクが必ず付きまとってくる」

しまじろう「リスク?」

くまごろう先生「G級を使う度に寿命は縮まっていく」

くまごろう先生「それに、筋肉が増強されるのも動物によっては時間が短い」

とりっぴぃ「そんなリスクがあるなら使わない方がいいねぇ」

くまごろう先生「どのみち俺様はここで一生過ごす運命なんだ」

しまじろう「……そんなの悲しいよ」

くまごろう先生「運び屋の仕事をしたのが運の尽きだったな」

しまじろう「トミー…」

くまごろう先生「と、トミーだと?」

とりっぴぃ「知ってるの?」

くまごろう先生「知ってるも何も…俺様に運び屋の話を持ちかけてきた奴だぞ」

しまじろう「エッ」

くまごろう先生「あいつの所為で俺様の人生は滅茶苦茶に…!!」

とりっぴぃ「じゃあ、先生もトミーにハメられたんだよ!」

しまじろう「う、嘘だ!!」

くまごろう先生「俺様がこの刑務所に入ってるのが何よりもの証拠だ」

しまじろう「ぬぐぐぐ」

くまごろう先生「トミーは裏の世界じゃ有名なんだぞ」

とりっぴぃ「そうなの?詳しく聞かせてくれよぉ」

くまごろう先生「あれは…俺様がまだ刑務所に前に入る頃の話だ…」


当時、俺はちゃれんじ幼稚園の仕事にストレスを感じて

荒れた生活を繰り返していた

バーに通い詰めては酒を飲み店内で喧嘩をしている

そんなバカみたいな生活を送っていたんだ

ある日、あの動物と会うまではな……

くまごろう先生「マスター、いつものを頼む」

マスター「かしこまりました」

シャカシャカッ

くまごろう先生(今日は誰をぶっ殺してやろうか……)

俺様はいつも通り獲物を探していた

すると、俺様の隣の席に1人の動物が座った

トミー「マスター、隣の方にノンアルコールのグレープジュースを」

くまごろう先生「……何の真似だ?」

トミー「奢りますよ」

くまごろう先生「…」

トミー「ふふっ」

それから、俺様はトミーに心を許し親友となった

毎日バーに行き一緒に酒を飲み世間話をするようになった

以前の俺様に比べて真っ当な人生を送っているような気がしたのさ

トミーにあの話を持ちかけられるまでは

くまごろう先生「なんか、こう一気に稼げる仕事はねぇのかな」

トミー「……1つあるぜ」

くまごろう先生「ホントか?」

トミー「ちょいとしたブツを運ぶだけ莫大な金が得られる」

トミー「こっちの世界じゃ運び屋なんて言われてるけどね」

くまごろう先生「お、俺様にもその仕事を教えてくれよ!」

トミー「ふふっ、そうか…なら教えてあげるよ」

最初はトミーのサポート役のような感じだったな

それから、俺様がブツを運ぶようになって

結構な資金を儲けることが出来た……

そして…ついに俺様はトミーにハメられることになった

くまごろう先生「ふぅ、今日の報酬は特別な物なんだってな?」

トミー「このA級薬物だよ」

くまごろう先生「おいおい…薬かよ」

トミー「大昔からあったブツさ、これを売れば相当なお金が入る」

くまごろう先生「へぇーそりゃありがたいな」

その一言を言い放ちトミーは2度と俺様の前に現れることはなかった

ちゃれんじ警官「いたぞ!あそこにA級薬物所持者が!」

くまごろう先生「!?」

ライオンポリス「よし、犯人確保」

くまごろう先生「な…なんだよこれ!!どういうことなんだよトミーィィィィ!!!!!」

くまごろう先生「そして、今の俺に至るという訳だ」

しまじろう「トミー…」

とりっぴぃ「とりっぴぃ達と似たような手口だったんだねぇ」

くまごろう先生「トミーのことを少し調べてみたんだ」

くまごろう先生「アイツは裏の世界じゃ薬人トミーと称されている」

しまじろう「薬人トミー?」

くまごろう先生「薬に関しての知識が豊富でな」

くまごろう先生「バックには巨大な組織が待ち構えているんだ」

しまじろう「と、トミーがそんな危ないことを…」

くまごろう先生「トミーの目的は分からねぇ」

くまごろう先生「ただ1つ言えることは薬を使って何か企んでいるはずだ」

とりっぴぃ「A級薬物を使うつもりなのかなぁ」

くまごろう先生「可能性としては無いとは言い切れん」

しまじろう「やっぱり、トミーを捕まえないと…!」

とりっぴぃ「やっとその気になったかぁ!」

くまごろう先生「どうするつもりだ?」

しまじろう「この刑務所から脱獄する…!」

くまごろう先生「ふっ、俺達たった3人で警察を相手に出来ると思うのか?」

しまじろう「うっ…」

くまごろう先生「俺様はお前みたいなバカみたいな考え出す奴…嫌いじゃないぜ」

しまじろう「先生…」

くまごろう先生「俺様も一丁協力してやるよ…脱獄作戦になぁ…」

メキッメキッ

とりっぴぃ「レッツ脱獄!」

ウーウーー

ライオンポリス「非常サイレンが鳴ってるぞ…どうした?」

下っ端「刑務所から脱獄した模様です!」

ライオンポリス「なっ、誰だ!?」

「しまのしまじろう…そらのとりっぴぃ…くまごろう先生…以下の3匹が脱獄した模様」

ライオンポリス「あの虎と鳥の2匹は良いとして」

ライオンポリス「よりによってくまごろう先生が脱獄するとは…!」

警官「どうします?すぐに確保しますか?」

ライオンポリス「ああ、だが簡単に確保出来ると思うなよ」

警官「エッ…」

ライオンポリス「今回の確保には私も出る」

シャキンッ

ライオンポリスは日本刀を携え脱獄犯確保に動き出す

しまじろう「こっちの階段から上がれば外に出られるよ!」

とりっぴぃ「指名手配レベル今いくつなのかなぁ」

しまじろう「★★★☆☆☆☆ぐらいだよ」

とりっぴぃ「まだ安心出来るやぁ!」

警官「脱獄犯!見つけたぞ!」

しまじろう「!!」

警官B「抵抗をするなら容赦なく撃つぞ!」

くまごろう先生「……そんな玩具で俺様を殺せると思ってんのか?」

警官「だ、黙れェェェェ!!」

くまごろう先生「お前等!隠れてろ!」

しまじろう「う、うん!」

ズガンッズガンッ!!

警官の放った銃弾がくまごろうに直撃した

くまごろう「チッ…やっぱり痛てぇな…」

とりっぴぃ「銃で死なない動物なんて初めて見たよぉ!」

警官「ば、バカな!!」

くまごろう先生「動物界でもトップに君臨する俺様に銃なんてきかねぇよ!」

グシャッ

警官「ぎゃあああああ」

警官B「ぐっ……か、噛まれた……」

くまごろう先生「へっ…お前等安そうな肉の味だな」

しまじろう「どんどん突き進もう!」

とりっぴぃ「無敵艦隊を手に入れたようなものさぁ!」

くまごろう先生(あと銃弾3発ぐらい食らったら…俺様は死ぬ……)

警官C「うてーーーっ」

パンパンッ

くまごろう先生「クッ…!!」

とりっぴぃ「どうしたんだよ~動きが鈍くなってるぞ~!」

しまじろう「まさか先生、限界なんじゃ?」

くまごろう先生「バカいえ…!俺様はまだまだいけるぜ!」

警官D「うてーーーっ」

パパパッパンッ

くまごろうの右目に弾が直撃

ガックリと膝をつく

くまごろう先生「チッ……!右目が塞がった…!」

しまじろう「せ、先生!!」

警官C「ハハッ!ついに弱ったか」

とりっぴぃ「ど…どうするんだよぉ!このままじゃ捕まっちゃうだろぉ!」

くまごろう先生「へへっ、弱ってる?そんな訳ねぇだろ!!」

しまじろう「良かった」

とりっぴぃ「まだまだしっかりと働いてもらうからなぁ」

くまごろう先生(右目は死んだな……片目だけで突っ切るしかない…)

スタスタ

ライオンポリス「下がれお前達」

警官C「は、はっ!」

くまごろう先生「…あいつは」

とりっぴぃ「ヒぇー!さっきのスカトロ上司だよぉ!」

ライオンポリス「随分と暴れてくてたみたいだな」

くまごろう先生「はっ、見れば分かるだろ」

ライオンポリス「……さすが犯罪者は言うことが違うな」

しまじろう「先生は犯罪者じゃない!!」

とりっぴぃ「ハメられただけさぁ!」

ライオンポリス「ふんっ、ベラベラとうるさい奴等だ」

くまごろう先生(チッ……ここでライオンポリスが出てくるとは…)

関係ねぇ……

今の俺様はコイツをぶっ潰すだけだ!!


ライオンポリス「遅いな」

シュパッ

くまごろう先生「……」

しまじろう「エッ」

僕達の視界に飛び込んできたのは

先生の左腕だった

ブシャァァァァ

とりっぴぃ「ヒッ!!先生の腕が斬られたァァァ!!」

しまじろう「先生!!!!」

くまごろう先生「クッ……そっ…」

ライオンポリス「ふむ、咄嗟に避けて左腕だけ失って済んだか」

ライオンポリス「さすがは最強の動物とでも言っておこう」

くまごろう先生「百獣の王のあんたが……はぁはぁ……剣なんかに頼るとはな」

ライオンポリス「それはただの負け惜しみというやつだ」

しまじろう「先生!!先生!!!!」

くまごろう先生(ダメだ……意識が遠のいていく………)

荒れた俺様にそれでも先生と呼んでくれる奴等がいた
ちゃれんじハイスクールの生徒だ

どんな時でも、俺様のことを先生と呼んでくれる

先生にしか分からないことだ…これがどれ程嬉しいことなのか

ググッ

ライオンポリス「ほう、まだ立ち上がるのか」

くまごろう先生(倒れる訳にはいかねぇだろ!!コイツ等を残して!)

しまじろう「せ、先生……」

ライオンポリス「次はその首を跳ね上げてやろう」

くまごろう「………やってみろよ」

ライオンポリス「ふんっ、ついに開き直ったか」

くまごろう先生「今の俺様なら跳ね飛ばされるだろうな…今の俺様なら」

くまごろう先生はポケットからG級のちゃれんじ薬物を取り出し

口いっぱいに頬張り飲み込んだ

ライオンポリス「き、貴様ッッ!!」

ムキムキッムキッ

くまごろう先生「うおおおおおおおおお!!!!」

警官C「あ、あれは一体!?」

ライオンポリス「筋肉を恐るべきスピードで増強するG級ちゃれんじ薬物だ」

ライオンポリス「まさか貴様が所持していたとはな…」

しまじろう「…す、すごい筋肉が」

とりっぴぃ「早く倒せよぉ~」

くまごろう先生「………ハァハァ」

ライオンポリス「消えろ!」

シュパンッ

ポキンッ

ライオンポリス「なっ……私の刀が拳で折られた!?」

くまごろう先生「残念だったなぁ……お前の自慢の刀が折られちまってよ」

警官C「え、援護しろ!!!」

パンパンッ

くまごろう先生「ぐおぉおお!!」

警官C「クソッ…効いていないのか!?」

ライオンポリス「効いているが麻痺して痛みを感じぬだけだ」

ライオンポリス「その内寿命が尽きる」

くまごろう先生(へっ…へへっ…あいつの言う通りだ…俺様はそう長くもたねぇよ)

とりっぴぃ「おいおい!このままじゃ死んじゃうよぉ!」

しまじろう「せ、先生!もう止めようよ!」

くまごろう先生「バカやろう…一度決めたことは最後まで貫き通せ…!!」

くまごろう先生「俺様がここは食い止める、先に地上に出ろ!!」

しまじろう「!?」

とりっぴぃ「それじゃ任せるわ」

しまじろう「だ、ダメだよ!先生を残してなんていけない!」

くまごろう先生「瀕死の俺様が外に出ても何もできねぇよ…」

くまごろう先生「まだ無傷のお前達の方が可能性はある」

しまじろう「……」

くまごろう先生「早く行けや……俺様がお前達を[ピーーー]ぞ!!!」

とりっぴぃ「早く行こうよ~」

しまじろう「先に待ってるから、先生も後から絶対にきてね」

しまじろう「絶対に」

タッタッタ

くまごろう先生「おう………派手に行けや!!!!!!」

ライオンポリス「逃がすな!!」

警官C「はっ!」

しまじろう「うっ・・・」

くまごろう先生「邪魔はさせねぇよ!」

グシャグシャッ

くまごろうは警官の顔を握りつぶす

ライオンポリス「クッ……」

くまごろう先生「そーいう驚いた顔嫌いじゃないぜ」

ライオンポリス「貴様、死ぬぞ」

くまごろう先生「死ぬのはこえーよ……内心ビビってるさ」

くまごろう先生「でもな今はすごく気持ちが良い…」

くまごろう先生「人のために何かするってのがこんなにも清々しいとはな!」

タッタッタ

ライオンポリス「……!!」

くまごろう先生「これで終わりだァッ!!!!」

スパスパッ

シュパンッ

ライオンポリス「がはっ……!」

くまごろう先生「……」

バタッ

倒れたのはくまごろう先生であった

ライオンポリス「……くっ、1発ダメージを受けてしまったか…」

ライオンポリス「懐にナイフを隠しておいて良かった…」

ライオンポリス「こちらライオンポリス…至急応援を頼む」

ライオンポリス「脱獄犯の内1名は始末した、残りの2名を追ってくれ」

くまごろう先生(……頼んだぜ……)

しまじろう「ハァハァ…」

とりっぴぃ「指名手配レベルもとうとう5か…」

しまじろう「FBIも動き出したみたいだね」

とりっぴぃ「てか、博士に詐欺られたじゃないかぁ!」

しまじろう「胡散臭いからね」

とりっぴぃ「それよりこれからどうするんだよぉ」

しまじろう「事件の引き金となったトミーを探さないと…!」

とりっぴぃ「情報も無いのにどうやって」

みみりん「しまじろう……?」

しまじろう「え、みみりん!?」

しまじろう「みみりん、こんなところで会えるなんて!」

とりっぴぃ「思わぬ救世主だねぇ」

みみりん「テレビで見たわよ…3人とも大変ね」

しまじろう「そういえば、らむりんはどうしてるんだろ」

とりっぴぃ「あの女はいざとなれば身体を使っててでも逃げ切るからなぁ」

みみりん「私の家に匿ってあげるわ」

しまじろう「ホントに!?」

みみりん「警察も私達の地域から離れて行ってるみたいだし」

とりっぴぃ「あのボンクラ上司が探し回ってるんだろうなぁ」

しまじろう「じゃあお願いするよみみりん」

みみりん「ええ、いらっしゃい」

みみりん「ママもパパもいないから気にすることないわ」

とりっぴぃ「お邪魔しまぁ~す!」

しまじろう「……ふぅ、やっと落ち着けるや」

みみりん「今までずっと逃げてきたんでしょ?」

しまじろう「まぁね…脱獄が成功するとは思わなかったし」

とりっぴぃ「あ!M1のDVDだ!」

しまじろう「くまごろう先生から連絡が無い……」

みみりん「くまごろう先生もいたの?」

とりっぴぃ「アハハハッ、中川家おもしろー」

しまじろう「僕達を地上に逃がすために…今も警察と戦ってるんだ…」

しまじろう「クソッ!!先生を結局救えなかった!!」

みみりん「しまじろうは悪く無いわ…」

しまじろう「みみりん…」

僕はそっとみみりんを抱きしめた

みみりん「貴方がここにいたいって思うなら何時までもいてくれていいからね」

しまじろう「う、うん……ありがとう」

みみりん「私達ずっと…ずっと友達だから」

しまじろう(良かった、みみりんは信頼出来る味方で)

とりっぴぃ「アハハハッ」

ピンポーン

みみりん「あら?誰かしら?」

ドンドンッ!!

警官「ちゃれんじ警察だ!!!」

しまじろう「エッ!?警察!?」

みみりん「マズイわ……」

ドンドンッ

警官「クソッ、鍵がかかってるのか」

しまじろう「やばいよ!!庭から逃げ出すしかないや!」

みみりん「誰が警察なんかに…」

しまじろう「警察がきっと探し当てたんだよ!!」

しまじろう「ほら、とりっぴぃ早く逃げるよ!」

とりっぴぃ「ちょ…次はロッチなんだよぉ~」

ガチャッ

警官「よし!!突入!!」

しまじろう「……!!」

警官「……はぁはぁ」

みみりん(ぶるぶるっ)

警官「この家に怪しい2匹組が入ったという目撃情報を聞いた」

警官「少し調べさせてもらう」

みみりん「怪しい2匹組なんていませんよ…」

警官「リビングにはいないようだな」

警官「その他の部屋も手分けして探せ!!」

―みみりん家のトイレ―

しまじろう(……やばいな、本気で探し始めてる)

とりっぴぃ(見つかるのも時間の問題だなぁ)

しまじろう(中から鍵をかけてるから見つからないさ)

とりっぴぃ(アハハ、それは関係ないだろぉ~)

とりっぴぃ「ちょっとトイレするから」

ジャーーッ

しまじろう(ば…バカ!!)


警官「今、トイレの中から音がしなかったか?」

警官B「いえ…」

警官「一応見てみるぞ」

タッタッタ

しまじろう(クソッ…とりっぴぃの小便の音で気付かれた…?)

とりっぴぃ「ちゃ~んと綺麗に流さないとねぇ」

ジャーーーッ

しまじろう(な、流すな!!音でバレる!)

警官「やはり誰かいるみたいだ!!」

警官B「どうします?開けますか?」

ガチャッガチャッ

警官「鍵がかかっているな…スプーンで開けるぞ」

ガチッガチッ

しまじろう(開けられたら完全に終わったな…)

とりっぴぃ「そんなに落ち込むなよぉ」

ガチッ

警官「よし、開いたぞ」

警官B「合図をお願いします」

警官「俺が合図したと同時に全員中に突入しろ!」

警官B「はっ!」

みみりん「………」

しまじろう(……見つかるッッ!!)

警官「よーーし!!突入ーーーー!!!!!」

警官C「大変です!」

警官「なんだ?」

警官C「ちゃれんじ公園付近で犯人らしき2匹が目撃されたみたいです!」

警官「いや待て…ならこの中に入っているのは…」

みみりん「私のお母さんです!」

警官「え……」

みみりん「犯人なんていません!あんまりにひどいと訴えますよ!」

警官「くっ…ええい!ちゃれんじ公園付近を捜索しろ!」

タッタッタ

警官達は足早とみみりんの家から飛び出て行った

しまじろう(あれ……?出て行った)

みみりん「もう出ても大丈夫よ」

とりっぴぃ「捕まらずに済んだねぇ~」

しまじろう「これも全部みみりんのお陰だよ!ありがとう!」

みみりん「ふふっ、友達だから当たり前じゃない」

ガシッ

僕達は熱い握手を交わした

長い間、みみりんの家に滞在していれば迷惑がかかってしまう

そう思ったしまじろうはすぐに家を出ることにした

みみりん「ホントにもう行くの?」

しまじろう「うん、これ以上迷惑はかけられないからね!」

とりっぴぃ「じゃあねぇ~」

タッタッタ

みみりん「……」

ぷるるるるる

みみりん「トミー?ええ……まだ2匹共泳がしてるわ…」

しまじろう(この地域はもう完全に封鎖されてるね)

とりっぴぃ(また警察たちが戻ってきたよぉ~)

しまじろう「そういえば、ちゃれんじ公園付近で見かけた2匹って誰だろ」

とりっぴぃ「バカな警察が見間違えたんじゃないのかぁ」

しまじろう「僕達を見間違える?そんなハズは……」

警官「おい!!いたぞ!!」

しまじろう「げっ…」

とりっぴぃ「は、ハンターだぁ!!」

タッタッタ

しまじろう(走りすぎてスタミナが尽きてきそうだ…)

とりっぴぃ「このままじゃ逃げ切れないよぉ!」

しまじろう(どこかに逃げ込むしか…)

らむりん「こっちよ」

しまじろう「らむりん!!」

らむりん「ほら、何ボケッとしてるのよ…この家の裏に隠れるわよ」

とりっぴぃ「イェーイ!頼りになる女だねぇ!」

バチンッ

らむりん「うるさいわよ」

とりっぴぃ「…ヒッ」


警官「チッ、見失ったか」

警官B「まだこの近くにいるはずです」

警官「ああ…ライオンポリスさんにもそう伝えておけ!!」

らむりん「行ったわね…」

しまじろう「助かったよらむりん」

とりっぴぃ「らむりんもまだ捕まって無かったみたいだねぇ」

らむりん「ええ、今回の事件に関わっていた事も一切他人に話したりしてないわ」

とりっぴぃ「お前股間はすぐ開くくせによぉ!股の緩い女なのになぁ!」

バチンッ

とりっぴぃ「ヒッ」

らむりん「とにかく、ここに隠れてても見つかるだけだわ」

らむりん「かんたの家に入りましょう」

しまじろう「かんたの家?」

―かんた家―

かんた「やぁ、よくきたね」

とりっぴぃ「こんなカバみたいなキャラいたっけ?」

かんた「ひどいなぁ…いっつも君達をストーカーしてたのに」

とりっぴぃ「ヒィッ、変な意味で怖いやぁ…」

しまじろう「かんたはどうして僕達を匿ってくれるの?」

かんた「トミーの野郎にお前達がハメられたって聞いたからな」

しまじろう「…!」

とりっぴぃ「かんたがどうしてトミーのこと知ってるんだよぉ」

らむりん「かんたもね、前にトミーにハメられたのよ」

かんた「やられたよマジで…あいつがあんな奴だったとは思わなかったし」

しまじろう「かんたはどうやってハメられたの?」

かたん「巧妙な手口でやられたのさ…!今思い出してもうずうずする!」


ナレーター「時は遡ること2週間前」

かんた「はぁー何か一気にガッポリ稼げる仕事ねーかな」

トミー「そんな君に運び屋の仕事を教えてあげる」

かんた「は、運び屋…?」

お前たちも知ってる通り、僕は運び屋の仕事を始めた

初仕事の時…僕は警察に追われる身となった

トミー「いいか?この薬を倉庫街に運ぶだけでいい」

かんた「オッケー任せろ」

かんた「よし…ここに置けばいいな」

かんた「サップスはまだ着てないから連絡してみるか」

「110」

ぷるるるる

かんた「もしもし?かんただけど…約束のちゃれんじコカイン持ってきたぞ」

ウーウー

かんた「エッ…サツかよ!?」

こうして…僕の逃亡生活が始まったのさ


とりっぴぃ「バカだろお前」

しまじろう「なんで警察にかけたの…」

かんた「間違えたんだよ…!その時のサップスの番号が警察の110番と似てたから…!」

らむりん「これはトミーは全く悪く無いわ」

かんた「だからこそ、トミーをひっ捕らえて一泡吹かせたい」

しまじろう「トミーの居場所さえ分かれば…」

かんた「あいつは頭がキレる…そう簡単に見つかりはしないさ」

とりっぴぃ「じゃあどうするんだよぉ!」

らむりん「かんたの出番よ」

しまじろう「エッ」

かんた「僕が全国のネット友達にトミーに関する情報を集めてもらってる」

しまじろう「!!」

とりっぴぃ「ネットの友達しかいないのかよ」

かんた「この友達は全員トミーにハメられた被害者達さ」

しまじろう「と、トミーはそんなに多くの動物を騙してたんだ…」

かんた「トミーの計画にはA級薬物が大きく関わってくる」

しまじろう「やっぱり!」

かんた「大昔に起きた大戦争と同じようなことを起こそうとしてるんだ」

とりっぴぃ「ウヒッィ」

らむりん「A級薬物でまた私達を洗脳する気なのかしら」

かんた「その可能性が高い、上空から撒き散らせば簡単に洗脳は出来る」

かんた「それには莫大なA級の量が必要となってくる」

かんた「今のあいつは入手するのに時間がかかっているかもね」

しまじろう「だったら、撒き散らす前にトミーを捕まえれば…」

かんた「洗脳は阻止できる」

らむりん「急いでトミーを捕まえないと…!」

かんた「忘れてもらっちゃ困るけど、僕達は一応まだ警察から追われる身なんだ」

かんた「簡単にトミーを探すことは出来ないよ?」

しまじろう「でも、時間が無いんだ!今すぐにでもトミーを捕まえないと!」

ピーピーッ

かんた「…トミーの居場所が掴めたよ!」

らむりん「!!」

かんた「えーっと……ちゃ、ちゃれんじ倉庫外だ」

しまじろう「すぐ近くだ!!」

かんた「そこにトミーはいるみたいだ…」

らむりん「チャンスは今しか無いわね」

しまじろう「行こう…!トミーは僕が仕留める!」

タッタッタ

しまじろう達は走る…!!


しまじろう「はぁはぁはぁ…」

とりっぴぃ「ヒィヒィッ」

警官「い、いたぞ!!!追え!!!」

らうりん「もう見つかったわよ…!」

かんた「指名手配レベルがマックスに達したからね」

とりっぴぃ「へ、ヘリからも追跡されるよぉ!」

ライオンポリス「逃がすな…必ず捕まえろ」

しまじろう(数が多すぎる!)

かんた「トミーはもうすぐそこにいるってのによぉ!!」

しまじろう「あっ・・・!」

バタッ

とりっぴぃ「おいおい!しまじろうが転んだよぉ!」

警官「よし、1匹確保だ」

しまじろう「離せえええええええ!!」

警官「暴れるな犯罪者!!」

かんた(クッ…しまじろうが行かないと意味がない…!)

ドスッ

かんたはしまじろうを確保している警官を突き飛ばした

警官「なっ……!」

しまじろう「かんた!?」

かんた「行けアタ…!!じゃなくてしまじろう!!先に行け!」

らむりん「かんたの行動を無駄にしちゃダメよ…いくわよ」

しまじろう「……っ!」

とりっぴぃ(はぁ…捨て駒も使えるなぁ)

ライオンポリス「貴様……時間稼ぎのつもりか?」

かんた「そ、そうだよ」

ライオンポリス「クズが」

シュパッ

かんたの右腕が吹き飛ぶ

かんた「グァァァァァァァァ!!!!」

ライオンポリス「こんなバカに時間を取られている暇はないぞ」

警官「はっ!」

かんた「ま……待てよ…」

ライオンポリス「しつこい動物だ…次は胴体を斬るぞ」

かんた「………僕は警察が嫌いだ」

ライオンポリス「ほう?それはなぜだ?」

かんた「違法ダウンロードとかハッカーとかしたらすぐに捕まえるからさ…!」

ライオンポリス「それは全て犯罪だ…犯罪の区別もつかなくなったのか?」

かんた「違法ダウンロードの何がダメなんだよ」

かんた「ハッカーしても別にいいだろ!!」

かんた「サイト経由して女と知り合って援助交際しても別に犯罪じゃないだろ!!」

かんた「掲示板に殺人予告書いても別に悪いこと起きないだろ!!」

かんた「何でお前等はそんなに規制ばっかりするんだよ!!!あぁ!?」

ライオンポリス「…」

警官「警部…これは……」

ライオンポリス「ただの精神異常者だ、死に際の一言だと思って聞いておいてやれ」

かんた「ネットで犯罪犯したら捕まるのかよ!?」

かんた「だったらみんな犯罪者じゃねーーーか!!!!」

かんた「ネットでぐらいかまってほしくてさぁ…!!!」

ライオンポリス「そろそろ斬るか」

かんた「あんた等…ホントに腐ってるぜ裏の連中と手組んでるなんて」

ライオンポリス「……!」

かんた「僕だけが知ってると思うなよ?いずれバレることさ」

ライオンポリス「…脅しのつもりか?」

かんた「脅しじゃないさ、遺言だと思って聞いてくれよ」

ライオンポリス「貴様……どこまで知った…」

かんた「……焦ってるな?」

シュパンッ

次の瞬間、ライオンポリスはかんたの首を斬り落とした

警官「…!」

ライオンポリス「無駄な時間を食った、急いで脱獄犯を追え」

ライオンポリス(この男は知りすぎたようだ…それだけだ…)

―ちゃれんじ倉庫街―

しまじろう「はぁはぁ……」

とりっぴぃ「やっと着いたよう~」

らむりん「すぐに警察が来るから、その間に決着つけるわよ!」

しまじろう「うん!」

スタスタ

「ついに辿り着いたようだね、しまじろう」

しまじろう「この声は……」

トミー「ハロー」

とりっぴぃ「お前!!今すぐ打ち殺してやる!!」

らむりん「あんたの所為でどれだけの人が犠牲になったと思うの…?」

トミー「いやー楽しかったよホントに…ハハッ」

しまじろう「ふざけるなトミー!!」

トミー「どうだい?この数日間に渡る逃亡生活は?」

らむりん「まるであんたの掌で踊らされてたようだわ」

トミー「ハハッ!その表現は正しい!」

しまじろう「お前……」

トミー「そう、君たちは僕が用意したシナリオ通りに動いてくれた」

しまじろう「あの運び屋の仕事も全部罠だったんだね?」

トミー「今更気付いたのか?バカな奴等だ」

とりっぴぃ「とりっぴぃは薄々怪しい仕事だとは気付いてたんだぁ」

らむりん「何が目的で私達をハメたりしたのよ…!」

トミー「少しだけ時間を稼いでもらいたかっただけなんだ」

トミー「世間がより君達に注目するようにね」

しまじろう「ど、どういう意味なの…?」

トミー「大体分かってるだろ?僕の計画は」

しまじろう「A級薬物……」

トミー「ご名答!その通りだ、A級薬物こそが重要な鍵となるんだ!」

らむりん「それを使って私達を洗脳する気かしら?」

トミー「洗脳……か」

とりっぴぃ「ん?」

トミー「A級薬物は確かに動物を洗脳する効果がある」

トミー「でも、僕が考えてるのはそれだけじゃないんだなぁ…」

しまじろう「ハッキリと言えトミー!」

トミー「うるさいなぁ…これから捕まる君達に関係ないだろ?」

しまじろう「そうか、もう警察がここに向かってるのか…!」

らむりん「どうするのよ!もう逃げられないわよ!」

とりっぴぃ「ピぇー」

トミー「……君達はこれから一生疑い続けられるさ」

しまじろう「…黙れ」

スッ

しまじろうはトミーに拳銃を構える

らむりん「し、しまじろう」

トミー「へぇ?いとこの僕を[ピーーー]つもりか?」

しまじろう「今のお前はただの悪人だ…」

トミー「撃てるのか!?今までお前に散々世話をしてきた僕に!?」

トミー「ハハハッ撃てないだろ!!」

しまじろう「……くっ」

とりっぴぃ「撃てよ撃てよーー!しまじろうビビってるー!」

トミー「お前も結局臆病だ」

しまじろう「……」

トミー「あのくまごろうとか言う奴もお前に似ていた」

トミー「バカな奴だぜ…僕に騙されて豚小屋にぶち込まれて死んじまうなんてな」

トミー「哀れすぎてよおおお!!」

しまじろう「黙れェェェェェェェェ!!!!」

パンッ

トミー「……」

放たれた銃弾はトミーの腹部に直撃した

トミー「がはっ」

とりっぴぃ「やりぃ~!」

トミー「…」

バタッ

タッタッタ

ライオンポリス「そこまでだ」

警官「脱獄犯だ!!捕らえろ!!」

ライオンポリス「いや、もうその必要はない」

警官「え?」

ライオンポリス「その撃たれた男の処理は我々に任せてもらおう」

しまじろう「トミー…トミートミー…トミー…」

とりっぴぃ「はぁ?お前等とりっぴぃ達を捕まえるんじゃないのかよぉ!」

ライオンポリス「貴様等がこの男にハメられたのであろう」

らむりん「ど、どうして警察のあんたがそれを……」

ライオンポリス「今の貴様等が知る必要性は無い、この事件はもうお終いだ」

ライオンポリス「少々遊びが過ぎたようだ」

しまじろう「トミートミートミートミー」

しまじろうは何度もトミーの名前を呼び続ける

とりっぴぃ「てことは!とりっぴぃ達はもう捕まることは無いんだねぇ!」

らむりん「……」

ライオンポリス「薬人トミーは我々警察も危険視していた男だった」

ライオンポリス「そのトミーも、もう追う必要は無くなったがな」

らむりん(ホントに…これで終わったのかしら)

ライオンポリス「小僧よ」

しまじろう「……」

ライオンポリス「貴様の知人達はこの島の真実を知りすぎたな」

ライオンポリス「それ以上真実を知ろうとするな、知らぬ方が身のためだ」

しまじろう「………」

事件はくまごろう先生とかんたの共犯によるものと報道された
内容も僕達の話していた物は大きく異なっている
恐らく、警察が世間に真実が知られないようにしているのだろう

その事件以降…薬物が関わる事件は激減した

事件から数ヶ月経つ頃には、既に多くの動物が事件のことを忘れ去っていた

揉み消された事実、真実を探し出すのには多大な犠牲を払わなければいけないのか?

この島の真実を知るのに…もう少し時間がかかりそうだ…

おしまい

つまんね

>>112
もしかしてあなたはホモ田ゲイ♂太郎さん!?

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