ヘレン「世界レベルの仮面ライダー」 (46)

一度落としてしまったSSをもう一度完結まで頑張ります

・アイマスシリーズと仮面ライダーディケイドのクロスSSです
・オリジナルのライダー,設定,敵が出ます
・不定期更新
・sideMのキャラも出ます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1440038347

1話「始まる旅行~世界レベル~」

-どこかの世界-
カメラを首から下げた男「ぐうっ!」

カメラを首から下げた男-門矢士は追いつめられていた

ショッカーライダー「ふん,ライダー達とのつながりがとければこんなものか…」

右手に剣を持ちその前に立っているのは正義の象徴“仮面ライダー”を模して造られた,ショッカーライダーである

ショッカーライダー「さて,とりあえず消えてもらおうか」

士「ただではやられないさ…鳴滝!」

鳴滝「!」

叫んだ士は鳴滝と呼んだ男に何かを投げた

士「“ソレ”を‘アイツ’に届けてくれ…‘アイツ’ならきっとどうにかできる」

鳴滝「ああ!まかせておけ!」

鳴滝は返事を返したあと,オーロラの中に消えていった

士「頼んだぞ…」

そうつぶやいた後,士は生身でショッカーライダーに向かっていった

-東京-
ヘレン「今日のレッスンも世界レベルだったわね!」

紫色の服を着た女性,ヘレンは言った

佐藤 心「体がヤバい…」プルプル

ピンクの痛々しい服を着た女性,佐藤心は悲しい現実を放つ

この二人は753プロのアイドルユニット【ハートオブワールド】に所属するアイドルである
この日も二人はマスタートレーナーの厳しいレッスンを終え自分たちのプロダクションに帰るところであった

ヘレン「いつもの☆が出てないじゃない,そんなことでは世界レベルにはなれないわよ!さあレッツダンサンブル!」

心「無☆理☆」

よくわからない話をしながら歩く二人であったがその会話は突然の爆発音に中断させられることになる

ヘレン「あら何かしら?花火?」

心「んなわけねぇ…ってなにあいつら☆」

???「イーッ!」

もくもくと上がる煙の中から現れたのは黒い全身タイツに骨の模様がある武装した男たちであった

ヘレン「あらショッカー?なぜこの世界に?」

心「ショッカー?何それ?って…ちょっ!そんなことどうでもいいから避難したほうがいいだろ!」

そうこう言っているうちにショッカーは次々と人々を襲い始めた,突然の事態に心はいつもの調子を失っていた。しかしヘレンは落ち着き払った様子で

ヘレン「避難より救助の方が先ね」

心「え?でも…」

ヘレン「襲われている人々を放って,自分だけ避難なんて世界レベルじゃないわ!」

このような状態であっても自分を見失わないヘレンを見てようやく心もいつもの調子を取り戻したようである

心「フゥ…ああもう!分かった!人を助ければいいんだろ☆どうすればいいよ☆」

ヘレン「じゃあ私が奴らを倒すからその間にあなたは人々を導いてちょうだい」

あっさりと放たれた予想外なヘレンの言葉に心は目を丸くして聞き返した

心「はぁ?明らかにあいつら普通にどうにかできる相手じゃないだろ☆どうやって倒すわけ?」

心が心配するのも当然である。いくら相手が武装しているとはいえあまりに一方的に襲われる人々

ヘレン「あら,大丈夫よ。だって私は世界レベルだしそれに…」

心「それに?」

ヘレン「“イイモノ”が落ちているもの」スッ

そう言ってヘレンがひろったものは中央に窓の空いた白い何かと白い本の様なものであった

心「何それ?」

ヘレン「黙って見ていなさい」シュルルブォン

ヘレンが”ソレ”を腰に当てるとベルトの様なものが巻き付く。驚く心を尻目に今度は本の様なものの中から1枚のカードを取り出した

ヘレン「変身!」

《KAMENRIDE DECADE!》

ベルトのバックルに当たる部分にカードを入れ,回した。瞬間,ヘレンの周りに黒い何かのシルエットが現れ彼女に重なり,黒いアーマーのようなものとなった。間髪入れずにピンク色の物体が上空に打ちあがり降下して彼女の頭に刺さる、そしてそこに立っていたのはバーコードのような鎧を着た戦士(?)であった

心「え…なにそれ…」

ディケイド(以下DCD)「ディケイド…仮面ライダーディケイドよ。覚えておきなさい」

そういってヘレンは驚く心を尻目に腰についている本-ライドブッカーをソードモードに変形させショッカーに向かっていった

DCD「ヘイ!ヘイ!ヘーイ!」ザンッザザン

ヘレンの戦いぶりは見事なものであったライトブッカーと脚を使い,さながらダンスのようにショッカー達を華麗に蹴散らしていった

DCD「さぁ!今のうちに人を!」

心「後で絶対に説明してもらうからな…絶対にしろよ☆」ダッ

あまり納得できていない心ではあったが人を助けることを優先することにしたようである

DCD「さて…ってあら?ほとんどブランクカードじゃないの」

心を見送った後ライドブッカーを開いたヘレンは軽く驚愕した

DCD「まあいいわ」

《ATTACKRIDE BLAST !》

ライドブッカー・ガンモードから大量の弾が放たれ大量のショッカーたちは爆発した

DCD「ふぅ」

???「お前…」

一息つくヘレンの前にクモのような1匹の怪物が現れた

クモ男「鳴滝の奴を追ってきてみれば,誰だ貴様は?」

クモ男が目の前のディケイドに正体を問う

DCD「へぇ鳴滝…。なるほどだいたいわかったわ」

ヘレンはその名を聞いて何かを納得したようである

クモ男「誰なのかと聞いている!」

DCD「世界レベルの仮面ライダー」スッ

クモ男「何?」

DCD「そういうことよ!」

投下はここまでにしておきます
前に立てた方とちょっとだけ表現とかが違います

やっと時間ができた…
投下します

ヘレンはクモ男に向かっていき流れるような攻撃を仕掛けた
彼女が放つ攻撃は着実にクモ男に対してダメージを与えているようである

DCD「最近造られたのかしら,戦い慣れていないようね」

クモ男「くそっ!」

クモ男は完全に防戦一方であった

クモ男(何か…何か逆転するためのチャンスは…)

そのときクモ男の視界に柱の陰に隠れて覗きこんでいる1人の子供の姿が映った

クモ男「しめた!」

子供「うわっ」

クモ男は攻撃の一瞬のスキを突き,糸を使って子供を捕えてしまった。それを見たヘレンの動きが止まる

クモ男「動くんじゃねえ!このガキがどうなってもいいのか!」

DCD「なるほど…世界レベルの私には卑怯な手を使わなければ勝てないと踏んだわけね!それにしても人質とはまた,ベタな手を使うのね?」

クモ男「うるせえ!」

ヘレンは相手を挑発しながらゆっくりと腰のライドブッカーへと手を伸ばし,素早くカードを抜き取ってバックルへと装填する

《ATTACKRIDE》

クモ男「!」

クモ男が音に反応してはなった糸でヘレンは簀巻きにされ倒されてしまった

クモ男「動くなと言ったのに…まあいい,これでお前も手も足も出まい」

DCD「そうね,この体の手足は…ね!」バッ

《ILLUSION !》

ヘレンは体をひねりバックルを地面に叩きつけることで無理やりカードを使用したようである

クモ男「しまっ…」ガッ

カードの効果により分身したディケイドがクモ男に背後から攻撃を食らわせる

子供「あっ!」

攻撃にひるんでしまったクモ男が子供から手を離した

DCD「逃げなさい」スマキー

子供「う…うん!」

クモ男「そんな馬鹿な…」

DCD「戦いとは常に2歩3歩先を見るものよ。それこそが…」

ヘレンは分身に拘束を解いてもらった

DCD「世界レベル!」ブオンッ

彼女は黄色いカードを取り出しバックルに装填する

《FINAL ATTACKRIDE DE DE DE DECADE !》

すると目の前に人間大のカードが出現した。そしてヘレンはそのカードの中を通り抜けながらクモ男へと跳び蹴りを放った

DCD「ヘーイ!」

クモ男「ショッカー軍団バンザーイ!」ドガーン

叫ぶクモ男の爆散を見届けるとヘレンは変身を解いた

ヘレン「ナイス世界レベル」

心「ヘッレェェェン☆」

丁度よく人々の避難誘導を終えた心が走ってきた

ヘレン「あらハート,人々を導き終わったかしら?」

心「終わったけど…つかマジで倒したのかよ☆」

ヘレン「ええ,不完全なディケイドライバーでも楽勝な相手だったわ」

心「そうだよ☆説明しろよ☆なんだよそれ☆」

ヘレン「説明なら私よりも適任者がいるわ。でしょ?鳴滝?」

ヘレンがそう言い終わるとどこからか1人の男が現れた

鳴滝「ああ,では私から説明しよう…って,ん?」

心「ん?」

鳴滝「君のその格好まさかプリキュアのコスプレか!いやぁ,オジサンもプリキュアが大好きでね…」

心「いえ,違いますけど」

いきなり現れやたらとはしゃいでいる目の前の気持ち悪いオッサンに心は思わず真顔で言葉を返してしまう

ヘレン「ハート,☆忘れてるわよ」

心「おっと☆いっけね☆」

ヘレン「ほら,さっさと説明しなさい鳴滝」

鳴滝「ああ…門矢士がショッカーライダーにやられた」

ヘレン「ディケイドで敗れたの?」

鳴滝「ああ、ほかのライダー達とのつながりを断たれて全力を出せなかったようだ」

ヘレン「そのつながりを断ったのってもしかして剣かしら」

鳴滝「ああ、たしかに剣のようなものを持っていたな」

ヘレン「だいたいわかったわ、それで下剋上をされたわけね」

鳴滝「いや,奴はもう首領じゃないぞ。下剋上ならとっくの昔にされている」

ヘレン「あらそうなのね。いつかはそうなると思っていたけど」

ヘレンはその話を聞き何とも言えない顔をした

鳴滝「それでやられる間際のアイツからディケイドライバーを頼まれたわけだ」

鳴滝はいきなり真剣な顔になる

鳴滝「頼む!このままでは数多もの次元の全宇宙がショッカーの手によって破壊されてしまう。その前に世界を渡りライダー達とつながり、エネルギーを貯めてくれ,ヘレン」

ヘレン「世界がつながることでの崩壊をあなたが一番恐れていたじゃない,いいのかしら?」

鳴滝「お前なら崩壊させない方法もわかるかもしれないだろう?だから持ってきた」

ヘレン「なるほどね…いいわやってあg「ちょっと待てや!」」

心「もっと分かり易く説明しろよ!なに2人で分かり合ってんだよ!」

ヘレン「しょうがないわねじゃあ質問に答えてあげるわ」

心「じゃあまず仮面ライダーって何☆」

ヘレン「簡単には説明しづらいわね,全てがそうではないけど正義の味方の代表格といったところね」

心「じゃああの白いのはそれへの変身アイテムか☆さっきのショッカーってのは?」

ヘレン「悪の秘密結社,一言でいうと世界征服とか狙っている集団ね。門矢士はそこの首領で私の元カレ」

心「なんかすごく気になる言葉が聞こえたけど,訳分かんないし面倒だから次の質問な☆世界をつなぐってどうするの?」

ヘレン「ほかのライダーの世界を旅するしかないわね」

心「どうやって☆」

鳴滝「こうやってだ」

すると彼らの前にオーロラが現れる

心「え☆」ガシッ

ヘレン「さあ!いくわよ!いざ世界レベルの旅行へ!」ズルズル

心はヘレンによってオーロラの中に引きずられていく

心「あたしもかよ!いやだぁぁぁ!はなせぇぇぇ!」

一行はオーロラの中に消えて行った

子供「正義の味方…」

そうつぶやいて子供はヘレンたちの後を追ってオーロラの中へと入っていった

ED 「Journey through the Decade」feat.Jupiter

-研究施設?-
とある研究室の一角でいかにも博士という風貌の男がパソコンに向かっていた

博士「くそっ!どうしても制御機構があるはずの鞘の部分がうまく作れん、奴め鞘の設計図を持っていきよって…」

ブツブツいいながら開発を続ける博士の背後には持ち手が紫の剣が横たわっていた

-続く-

次回,仮面ライダーディケイド!

心「なにこれここどこ」

鳴滝「クウガの世界だ!」

光「アタシも連れて行ってくれ」

ヘレン「あれがこの世界の仮面ライダー」

凛「バカだなぁプロデューサーは」

未央「そんなの嘘だよね?」

卯月「私がアイドルをやる理由…」

武内P「笑顔です」

第2話「No fear , No pain」

1話終わり

説明シーンはどこを説明するか迷いますね

2話はNG好きにはきついかもです

MGSVとfgoにはまりすぎて当分書けませんでしたが
投下します

2話「No Fear,No Pain」

ヘレン「ヘーイ!」

ヘレンがオーロラの中から姿を現した
今日も彼女は世界レベル

心「なにこれぇここどこぉ…?」

鳴滝「クウガの世界だ!」

続いて混乱している様子の心と鳴滝が姿を現す

ヘレン「最初はやっぱりクウガね!…ん?」

ヘレンは自分たちが通ってきたオーロラの方を気にする

ヘレン「鳴滝」

鳴滝「どうした?」

ヘレン「あれってあんなに消えないものだったかしら?」

ヘレンがいまだ姿を現しているオーロラを指して鳴滝に聞いた

鳴滝「確かに長いな、だが気にしなくていいだろうきっとそのうち消える」

ヘレン「それならいいけど」

心「そんなことよりヘレンまだ聞いてないことがたくさんあるぞ★」

ヘレン「拠点はどこになるのかしら?」

鳴滝「ああそれなら「き☆け☆」

心が食い気味に会話に割って入る

ヘレン「待ってなさい、先に拠点の場所を確かめないと」

心「またお預けかよ★」

鳴滝「あそこの建物だな」

鳴滝が指差したのはオンボロな事務所のような建物だった

心「ぼろっちぃな☆」

ヘレン「さて拠点の場所もわかったことだし、この世界の仮面ライダーを探しに行くわよ」

心「質問は?」

ヘレン「探しながら答えてあげるわ」

そうして彼女たちは歩き出した

心「よし質問の時間だ☆」

ヘレン「来なさい」

ヘレンは心からされたいくつかの質問に答えた

心「それじゃあ最後の質問な☆」

心は一番気になっていたことを聞く

心「つないだ世界を崩壊させないってどうやるの?」

ヘレン「ライダーとのつながりを保ったまま世界同士のつながりを断ち切る」

鳴滝「何?」

その発言に鳴滝は驚く、なぜならそれはあまりに直線的すぎて予想外の答えだったからだ

ヘレン「あらそれが一番確実でしょ?」

鳴滝「そんなに簡単に…」

ヘレン「あなたが見たんでしょ?ディケイドとライダー達とのつながりを断った剣を」

鳴滝「だが世界同士のつながりだけを断つことなどできるのか?」

ヘレン「そうね、今のままじゃ100%無理ね」

ヘレンはきっぱりと断言した、しかしそのあと

ヘレン「鞘を作らなくては…」

解決策があることを示す

心「…よく分かんねぇけど☆どうにかなるんだな?」

ヘレン「ええ、理論的には」

心「じゃあ納得しておく☆」

心は食い下がることをあきらめたようだ

ヘレン「あら?出たみたいね」

そういってヘレンが見たのは一匹の怪人が妊婦を襲うところだった

ヘレン「…ということは来るわね」

心「言ってないで助けろよ!妊婦が襲われているじゃねぇか!」

ヘレン「当然よ!でもクウガと接触しないといけないから少し手を抜こうかしら…」

そういいながらヘレンはグロンギと妊婦の間に割って入る

グロンギ「バン・ザキガラザ…?」

ヘレン「世界レベルの仮面ライダーよ!」

《KAMENRIDE!DECADE!》

ヘレンが変身しグロンギと戦おうとしたとき、バイクに乗った赤い戦士がやってきた

グロンギ「クウガ…」

DCD「あら?有能ね」

クウガ「グロンギが2体…」

クウガは勘違いをしながらディケイドに襲い掛かった

DCD「ヘイ!敵はあっちよ!私は味方!」

クウガ「日本語を話すグロンギ…」

ヘレンの言葉でさらにクウガは勘違いを深めていく

DCD「一時撤退するしかないわね」

《ATTACKRIDE!BLAST!》

ヘレンは地面を撃ち、舞い上がった粉塵に紛れて逃走した

クウガ「逃げたか…だが今はこっちを倒さなくては」

クウガはグロンギに向かっていった

ヘレン「何とか変身前に接触しないと。…で、そこにかくれているのは誰かしら?」

ヘレンに見つかり物陰から出てきたのはヘレンがクモ男から助けた子供だった

ヘレン「あら?あなたは」

光「アタシは南条光っていいます、あの…旅をするんですよね?」

ヘレン「何かしら」

光「アタシも連れて行ってくれ」

読み返すと文章が雑ですね反省します

目の前の少女の発言に対してヘレンはさして驚きもしなかった
本来、鳴滝が世界間を移動するのに使われるオーロラは役目を終えるとすぐに消える、偶然迷い込むようなことは確実にないと言える
ならば迷い込んだ訳ではなく自らオーロラへと飛び込んだであろう子供の頼みを予測するのは世界レベルの彼女ならばそう難しくもない
好奇心から放たれたであろう言葉を彼女は蹴った(仮面ライダーだけに)

ヘレン「悪いけれど連れてはいけないわね、好奇心だけで連れていけるほど安全な旅じゃない」

光「好奇心だけじゃない!」

心「つーか人を無理やり引っ張ってきたような奴が好奇心云々言うなよ☆」

避難誘導(二回目)を終えて帰ってきた心がヘレンへと文句を言う
何が何だかわからないままに引きずられて来たことに対しての抗議だった

ヘレン「あら、旅は道連れって言うじゃない」

光「なら、アタシも道連れに…」

ヘレン「ダメよ」

光「何でさ!」

 ヘレンは光の頼みを再び棄却した

ヘレン「あなた歳はいくつ?」

光「え?14歳だけど…」

ヘレン「ハートは26歳よ」

心「ちょっ!」

光「えっ…」

 光は悲しいものを見るような目つきで心を見る、というか完全に悲しいものを見る目つきだった

光「いや!ダメだ!ヒーローはこんなことで人に引いたりしない」

心「おい☆ばかにしてんのか?」

ヘレン「ヒーローねぇ…」

 年齢のことを言われ憤慨している心をよそに、ヘレンは目の前の子供が発した“ヒーロー”という言葉が気になっている様だった
 
ヘレン「ねぇ光?あなたは“英雄”になりたいの?」

光「“英雄”じゃなくてアタシは“ヒーロー”になりたいんだ!」

 意味としては同じなのだが彼女の中では何かが違っているのだろうか
 その言葉を聞いたヘレンは何かを考え込んでいるようだった

ヘレン「良いわ、とりあえずこの世界では付いてきても構わないわ。ただし次の世界に行くときにもう一度付いてくるか帰るかを選んでもらうわ」

 ヘレンはとりあえず見せることにした、彼女が“ヒーロー”だと思っている存在の戦いを
 そして理想と現実の違いを見せようとしているのだ『正義の味方』の

光「それじゃあ…」

ヘレン「行くわよ、光、心」

光「ああ!」

心「え?付いていけねぇんだけど、ナニコレ☆」

 空気となり困惑していた心はそのまま何かを思い出したようで、ヘレンに報告をはじめた

心「そういえばさっき赤い怪人が人間に化けるとこ見たゾ☆」

ヘレン「ん?もしかしてその怪人って金色の角生えてなかったかしら?」

心「あった気はするな☆」

 ヘレンが黙ってしまったため、少しの間その場を沈黙が支配する

ヘレン「たぶんそれ仮面ライダーよ…」

心、光「えぇ…」

 とりあえず彼女たちはその人間を探すことにした

~町中~

 ヘレンたちは仮面ライダーと思われる人物を探して歩き続けていた

ヘレン「がたいの良いスーツの男ねぇ」

心「離れたところから隠れて見てたからあんまり特徴が分からなかったんだよ」

 「あと髪型なら覚えてる」と付け足す、とりあえずスーツの男から探すことにしたようだ

ヘレン「平日の昼間だからそこそこ探しやすいわね」

光「え?今日って土曜日じゃないっけ?」

ヘレン「時間の流れは世界によって違うのよ、ほら日付も違う」

光「本当だ」

 そんな話をしているところにひとりの男が話しかけてくる

男「あの…」

ヘレン「あらナンパかしら?まだ太陽が“世界レベルのこの私”の様に輝いている時間帯よ」

男「いえ…スカウトです。アナタ方、アイドルに興味はありませんか?」

そう言うと男は名刺を差し出した

心(ヘレン、さっきの男こいつだ)

ヘレン(そう…なら)

ヘレン「えぇ少し興味があるわ、だからそこの喫茶店ででも話を聞かせてもらえるかしら」

 強引な事の進め方だが彼は何の疑いもなく承諾した

~喫茶店~

男「改めまして、私はこういうものです」

心「346プロ…」

P(CV.武内駿輔)「そこでプロデューサーをさせていただいております」

ヘレン「そんなことどうでもいいわ」

 武内Pの話を遮り、ヘレンは話を切りだす

ヘレン「あなたクウガよね?」

心(おい!いきなり過ぎんよ!)

 あまりに単刀直入に言う彼女に心は戸惑う

武内P「違います」

 否定、だが不自然すぎるほど即座に放たれた言葉はかえってヘレンに確信を持たせた

ヘレン「即答ね。でも何で未確認生命体4号ではなくクウガで通じるのかしら?」

武内P「…」

 ヘレンのこの問い方はいくらでも抜け道のある言葉だった

武内P「あなた方は何者ですか?」

ヘレン「それは認めたということでいいのね?」

武内P「はい、構いません」

 これがうまくいったのは武内Pの性格かそれともヘレンの世界レベルの幸運ゆえなのか

ヘレン「私たちは通りすがりの仮面ライダーよ」

武内P「はい?」

心「ああもう!ヘレンは黙ってろ!アタシが説明する☆」

 そういってヘレンに代わり心が説明を行う
普段はふざけている心だが、うまく内容をまとめて分かり易く説明することができている
 普段の態度や格好がちょっと《アレ》なため信じられないが…

武内P「大体わかりました。しかし、完全に信じることは難しいです」

 いきなり別の世界から来ただとか言われても信じられるはずもない
 「とりあえず頭に入れておきます」とだけ言って、武内Pは連絡先を置いて、伝票を手に取りながら席を立った

ヘレン「コンタクトは取れたわね、今日のところは一旦拠点に戻りましょう」

 これ以上できることはないというヘレンの判断によりその日は拠点へと戻ることにした

ヘレン「…」

光「どうしたんだ?」

ヘレン「道に迷ったわ」

~拠点~
鳴滝「何だその子は?」

ヘレン「同行することになった南条光よ」

光「よろしくおねがいします!」

 鳴滝は光の顔を見て何かに気づいたようである

鳴滝「そうか…今日の調査はどうだった?」

ヘレン「クウガとのコンタクトは取れたわ、あとはどう関わりを持つかね」

鳴滝「順調そうだな、まぁ続きは明日に回して今日は休むといい」

 彼女たちはその日の報告を行いながら鳴滝の用意していた夕食をとる
 そしてシャワーを浴びた後すぐに心と光は寝てしまった
 二人とも疲れていたのだろう
 二人が寝静まった後ヘレンと鳴滝は二人で話を始めた

鳴滝「あの光とかいう子、あの人に似ているな」

ヘレン「アナタもそう思う?」

鳴滝「ああ、君と士と一緒に旅をしたときに初めて会った仮面ライダーとそっくりだ」

ヘレン「性格もそっくりだったわ。きっと別の世界の彼女なんでしょう」

鳴滝「なるほどな…」

 二人は黙り込んでしまった

ヘレン「あの人のことは私の罪よ」

鳴滝「君だけじゃない。不用意に君たちを連れだした私にも責任はある」

ヘレン「それでも私が悪いことに変わりはないわ」

鳴滝「彼女を同行させるのはなぜだ?償いか?」

ヘレン「償いなら平穏な生活に返しているわよ。連れていく気になったのはあまりにもあの人と同じだから」

 ヘレンは静かな声で「ヒーローであろうとする姿が」と続ける
 それを聞いた鳴滝はただ一言「そうか…」とだけつぶやいた

鳴滝「そういえばハートを同行させたのはなぜだ?」

ヘレン「ん?決まっているじゃない」

 その問いを受けて、少し暗くなっていた顔に微笑みを取り戻し

ヘレン「旅にはツッコミキャラが必要でしょ」

 とだけ答えた

ヘレンさんをふざけさせるのって難しい
シリアスに笑いをとる能力でもあればなぁ…

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