人の王 (39)

私は脆弱な人の王だ。

東の森のドワーフには武器の精密さに驚愕し。

西の砂漠のエルフには魔法の巧みさに敵わず。

南の熱帯雨林のゴブリンには数の力に蹂躙され。

北の氷河のドラゴンにはその破壊力で圧倒される。

そんな脆い我々は唯、滅びぬように努力をするしかないのだ。


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ここは王たちの会議場

1100年前の世界戦争が集結した時

再び戦争が起こらないように出来た城だ。

龍の大陸で起きる国家間の問題をこの大陸の王達で

話し合い解決する場だ。

今日はドワーフ、エルフ、ゴフリン、人、龍、五つの種族の王が集まっている。

龍皇「で…諸君。今日はどんな議題なのかね?私はなんで呼ばれたか分からないんでね。」

皆が呆れて龍皇を見ていた。彼女はこの大陸で一番の勢力を持つ国家の王だから、あんな態度を取れるのだろう。この城に入りきらないほどの真紅の巨体を怠そうに地面に寝かせていたのだ。

ドワーフの王「貴様ァア!!馬鹿にするのも大概にしろ!!」ズァッ。
ドワーフの王は身の丈よりも大きな斧を天に構えると 。

小さな体躯では想像もつかない叫びで会議場を揺した。ドワーフの王は怒りで頭がどうにかなりそうなくらい血が上っていた。何しろ今回の騒動の被害国はドワーフの国で加害者は龍の国なのだ。


ドワーフの王「何で呼ばれたか分からないだと〜。無礼者が〜。この斧で分からせてやろう!!」

そう言うと外で寝そべる龍皇に向けて斧を投げつけようと構えた。

人の王「わあっ。わあっ。待ってドワーフさん。
落ち着いてください。」

ドワーフの王「止めるな!人の王よ。ワシはこの無礼者を真っ二つに裂けねばならないのだ」

すかさず私はドワーフを止めた。ここで斧が龍皇に当たれば戦争になる。それだけはまずい。
人の国はドワーフの国と龍の国に挟まれており、どちらについても国が蹂躙されるのだ。
だが、さすがはドワーフの王。年老いても人が敵うはずなかった。私は簡単に押しのけられ、斧は孤の軌道を描き龍皇に向かっていく。


エルフの女王「まったく。本当ッ。ドワーフはいやね 。頭に血が上っちゃてさ。周りのことなんか全然見えてないんだから。」

弧を描いた斧は当たる直前で水の壁に阻まれた。

阻んだのはエルフの女王であった。彼女は王達に用意

されたグラスに入った水だけでドワーフの王の投擲を止めたのだ。

エルフの女王「でもさ。無礼ってところには共感したかな。龍皇その態度、改めないと僕はドワーフの味方になるよ!!」ニコッ!

余った水を球場にし掌に浮かばせながら、気品のある笑みで微笑んだ。

ゴフリンの女王「ソ、ソウヨ。リュオウハ、タ、タイドヲアラタメテモラワナイト。」

未だにゴフリンの女王は共通言語に慣れていないのか 不自由そうに言う。

龍皇「クハッ。クハハ。諸君らは我が国と一戦を交える気かね?冗談であるならば面白いが……」

ここにいる者を馬鹿にした笑みを浮かべると…

龍皇「…本気ならつまらんぞ。下等種族ども。」

静かに覇気を放った。

エルフの女王「へ〜まだ。そんなこと言えるってことは改める気は無いんだ。」

彼女はそう言うと掌の水球を槍状に変えた。

ドワーフの王「そうだなワシは貴様をここで 殺してやろう。」ムキッ

服を無理やり筋肉で破くと大理石の机を抱えて構える。

ゴフリンの女王「オ、オマエタチ。ワタシヲマモレ。」ゾロゾロ

連れてきていた護衛の兵で数十人で周りを固めた。

一触触発とはこの事を言うだろう。こんなこと、
こいつらだけで争えばいいのに我が国が間にあるせいで関わらなければならない。 私は溜息を吐きながら。 とりあえずこの場を収める。

人の王「皆さん落ち着いてください!ここは争う場ではなく話し合う場ですッ。」

人の王「それに、まだ議題についてもまともに討論してないじゃないですか。」

龍皇「フン!人間ごときが何を言うのか?興味はある」
龍皇「面白そうだ!申してみよ!」

流石は龍皇。前に立つだけで心臓を握られている様に錯覚してしまう。


人の王「では、人間ごときが申し上げます。」

ここで間違えれば戦争だ。慎重に進めなければならない。震える手をどうにか抑えて私は話を続ける。

今日はここまでにしたいです お休みなさい

眠れないのでやっぱり少し投下します。需要はありますか?


人の王「皆さん!このままだと確実に戦争になるでしょう」

人の王「それも小さなものではなく、1100年前の再来…いやそれ以上になると私は思うのです!」

人の王「なので……・・ri「待って」

ここで私の話はエルフの女王に遮られた。何のつもりなんだろうか?彼女の国も戦争なんか旨みはないはずだ。

エルフの女王「貴方は戦争、戦争と言ってるけど別に大きな戦争になるかどうかは分からないんじゃないかな?」

水球を5つの駒に見立てると彼女は説明を始めた。

エルフの女王「だって、今はこんな感じに喧嘩しているけど実際は私たちは関係無いじゃない?」

エルフ「だから…たぶんだけど、人間君は自らの国が間に挟まれているから慌ててるんじゃない?」ジロ

これは痛いところを突かれた。私は善意からの行動に見せようとした。だけどこの一言で自国を危険に晒さないための行動になってしまう。

このまま何か言わないと私は自分の国を守ることだけに意見する者になってしまう。
それは、仲間意識の強い種族の王達にはまずい。
いくら意見しても聞いてもらえなくなるだろう。

人の王「そう見えても仕方ないですね。エルフさんの言う通りです。私は自分の国を守る為に意見を申し上げています。」

ドワーフ「じゃあ。お前は自分の身可愛さに意見しとったのか!!」ズドン

さっきまで持っていた机を下ろすとこっちを向いた

人の王「ですが!それはここに居る全員が同じではないですか?」

ドワーフ「なんじゃと!?どういう事だ。」

よし食いついた。

人の王「もしも、ここに居る王達が国民の事、自国の事全て関係なしに行動していれば、ここに集まる事はなくすぐに武力を行使しているでしょう。」

人の王「なので、ここに居る時点で皆さんはまだ争う気が無いのだと私は思います。」

エルフの女王「…思います?貴方はさっきまで戦争になるとか言ってなかった?」

この女は又、嫌な事を聞いてくる。

人の王「そうですよ…ですから私はこのまま争いを続ければ戦争になると言ってるんです。」
エルフの女王「ふーんまあいいや、人間くん可哀想だし、許してあげるよ。」
人の王「どうも…」
エルフの女王は納得した仕草を見せた。
エルフの女王「じゃ!そう言うことで話し合いで解決しようと思うんだけど…みんなはどうかな!」
ドワーフ「ふん!ワシは構わん!」
ゴブリンの女王「ワ、ワタシハエルフガイウナライイヨ。」
二人はエルフの女王の意見に賛成した。
エルフの女王「ありがと!ゴブリンちゃん。さて…」キッ!
賛成の意見に耳をピコピコ揺らした後エルフは龍皇を睨み言う。
エルフの女王「元凶の君はどうするつもりなのかな?」

龍皇「貴様らの愚鈍な争いにも飽きた。エルフの小娘、良かろう!貴様の申し出を許可する。」
又しても激昂しそうになったがプライドの高い王達は自分の言った言葉を覆したくなかったのでおとなしくジッと堪える。
エルフ「私は君よりも年上なんだけど。…小娘って!」
顔を赤らめたエルフは胸を押さえながら言った。
エルフの女王「まあ、いいわ人間くん今回の議題を読み上げてちょうだい」
私はこいつの手下じゃないんだがな…しかし逆らってもしょうがない。俺はエルフの女王の言う通りにした。
人の王「今回の問題は中立の商業都市ゴールへの軍事侵攻です。」

中立都市ゴールは商人達が集まって出来た都市だ。大きさは小さな国と同規模で財力は大国をも凌ぐ、数多くの国が出資して利益を得ている。なのでこの都市への軍事行動は条約で禁止されていた。
人の王「ゴールの南地域が三個小隊規模の軍に占領された。偵察に寄ると占領して居る軍は龍の国の国旗を掲げている。」
ゴールの南地域はドワーフの国が出資している。武器の輸出で財政を保っている彼らにはここを占領されると著しく国力を失う。ドワーフに武器が作れなくなればドワーフの次に武器を輸出している人とゴブリン達がシェアを独占できる。
人の王「この点について龍皇はどの様に考えておられますか?」
龍皇「フン!考えるも何も全て事実だ!」
龍皇は悪気なく言った。

ドワーフの王「貴様の仕業なら即刻、兵を引け!」
龍皇「私は引かん!とある諸事情でな!」
ドワーフの王「ならば、その諸事情とやらを教えろ!」
龍皇「なぜ?我々の国の事情を貴様らに教えなければならない!」
ゴブリン「ド、ドウセ…リユウナンテナイノヨ!」
龍皇「…ほう!ゴブリンの女…潰されたいか?」
ゴブリン「ヒ、ヒイ!」
龍皇「この私が!龍族が!貴様らの様な獣に嘘つかなければならんのだ!」
龍皇は激昂した、直ぐにでもこの城を焼き尽くすことができるであろう。大きな口を開けて吠えた。
ゴブリン「ゴ、ゴメンナサイ!」
龍皇「いや!許さぬ!」
龍皇はゴブリンに向かって炎を吐こうとした。
人の王「お待ちください!龍皇様!」

本当にこの龍皇にはイラつきを覚える。こいつが炎を吐けば我々も巻き添えを食らう。ドワーフとエルフは耐えられるが人間の私は耐えられない。
龍皇「何だ!人間!」
人の王「今、話し合うと言ったことを覆すおつもりですか?」
龍皇「……チ!」
龍皇「まあいい…いずれこの牙で八つ裂きにする事は決まっているからな」
ゴブリンの女王「アリガトウ、ヒトノオウ」
人の王「ええ…構いませんよ。」
この醜い生物も周りの事を考えて発言して欲しい。
エルフの女王「まーた!脱線してる!」
エルフの女王「はい!はい!僕から提案あるけど、よろしいですかー!」

ドワーフの王「いってみろ!」
エルフの女王「話がまとまりそうに無いので!先ず調査団を派遣しませんか?」
人の王「いい考えですね、私の国からも派遣しましょう。」
ドワーフの王「良いだろう!わしの国からも…」
ドワーフの王の声はエルフの女王に遮られた。
エルフの女王「待って!待って!中立な意見が出せなくなるから!当事国からは派遣しない様にします!」
ドワーフの王「ぬぅ〜!仕方ないのう!」
ドワーフが了承した後、王達は皆、頷いた。
会議は終わり。調査団の調査が終わった後にまた開く事になった。王達は護衛団と共にそれぞれの国に帰っていく。この場に残ったのはエルフの女王と人の王の護衛団だけだ。

人の王「なんで、私をジロジロ見てるんですか?」
ニヤニヤと顔を見られるのは不愉快な気分だった。
エルフの女王「君たちには、興味があってね!」ニヤニヤ
エルフの女王「まぁ!今話す事でも無いし…」
エルフ女騎士「女王陛下!出発の準備が整いました!」
エルフの女王「準備もできたし。そろそろ帰るね」チュッ!
人の王「!?」
エルフ女騎士「!?」
エルフの女王は突然キスをした。
人の王「何をするんだ!」
エルフの女王「別れの挨拶!行くよ〜女騎士。」
エルフはそう言うと護衛団と共に国を目指した

騎士「国王様!準備ができました!」
人の王「クソが!今行く!」
騎士「しかし…国王様。いつの間にエルフの女王を手篭めにしたんですか?」
騎士は先程のエルフの女王の行動を見ていたらしい。
人の王「知るか!私に獣姦の趣味は無い!」
騎士「確かに別種族ですが…獣は言い過ぎなんじゃ…無いかな。結構可愛かったし」
人の王「騎士 !その発言、お前が友人でなければ首をはねていた!」
騎士「へいへいほー。」
人の王「私のファーストキスがあの様な獣に!」
騎士「え!まだ姫様として無かったんですか?」
人の王「煩いぞ!私は真面目なんだよ!」
人の王と騎士は仲良く言い争いながら、祖国へ帰っていく。

一方その頃エルフの女王の護衛団では。
エルフ女騎士「何故!あの様な汚らわしい種族と接吻などをしたのですか?」
エルフ女騎士は怒気を含んだ声で言った。
エルフの女王「んー!研究のためだよ…僕がタダでファーストキスをあげるはず無いじゃん!彼の情報を貰ったんだよ。」
エルフの女王は唇を人差し指と中指で押さえながら言う。先程ドワーフの王が暴れた時、人の王の唇が小さく出血したのを彼女は見逃さなかった。
エルフ女騎士「研究のためですか?」
エルフの女王「そ!研究のためだよ。」
エルフの女王がしている研究は人とエルフの類似性についてだ。
エルフの女王「たまにさ、僕たちの国に耳の短くて魔力が極端に少ない子が生まれるよね。」
エルフ女騎士「はい…情報として聞いたことがあります。しかし…そういう子供は…残念ですが生きる力が無いので間引いております。」
エルフの女王「そうそう可哀想な事をするよね。」
エルフの女王「んで…僕たちは間引いてるけど、あちらさんはどうだろうね。そう考えると恐ろしいよね。」
エルフ女騎士「どういう意味でしょうか?」
エルフの女王「んーまだ、研究の途中だからまた今度、話すよ」
エルフ女騎士「はぁ…また研究、研究いい加減お祖母様に言いつけますよ!」
エルフの女王「え!それだけは勘弁して!おばあちゃんには言わないで!」
エルフ女騎士「ダメです!言いつけます。」
エルフの女王「そんな〜!」
国に帰ったエルフの女王はお祖母にこってりしぼられるのだがそれはまた別の話である。

書き溜めが無くなったのでまた書留ができたら投稿します。

兵隊長「門を開けよっ〜!開けよっ〜!」

門は静かに開き。開いた瞬間待ち構えていた民衆達が歓声を上げた。

民衆「「国王様!国王様!バンザーイ!バンザーイ!」」ワアア

民衆は笑顔で人の王を迎えていた。この国は人の王が起こした革命により長らく続いた圧政から解放された。なのでこの笑顔は本心によるものである。

騎士「相変わらず、王様は人気ですな…」

余りの騒音に耳が痛くなったのか?騎士は耳の穴をグリグリと穿る。

人の王「うう、それよりもなんか寒気がしないか?」

人の王は民衆に手を振りながら聞いた。

騎士「そうですか?自分はしませんよ。」

人の王は何処からか視線を感じていた。

姫「王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様王様。」

黒いオーラを放出している姫は望遠鏡から帰ってきた王を見つめていた。

姫「ああ…王様!もうすぐっ!もうすぐですねっ。」

姫は疼く体を艶かしく動かしていた。

人の王は不安であった。理由は二週間ほど城を空けていたことで、政務や婚約者である姫が暴走してると思ったからである。

人の王「王の間に着いたが…姫はいるか?」

騎士「なに?怯えてるんですか。」

人の王「お前は普段の姫を知らんだろ。」

騎士「普段の姫さまですかね。ん〜美しくてとても穏やかな方じゃないですか?」

人の王「そうじゃないんだよ…普段の姫は…ri「ふふふ…あらあら普段の私がなんですか?」

人の王「姫!?それは…なんというか、ハハ…すいません。」

姫「ふふふ…気にしてませんよ。こうして無事に戻ってきたので。」

騎士「姫様!ご機嫌麗しゅうございます!」

姫「騎士?少し、二人きりになりたいの?いいかしら。」

人の王『い・く・な』

人の王は口の動きだけで騎士に伝えようとした。

騎士「?………………………ハッ。」ウンウン

騎士は理解したのかウンウンと頷ずき、姫に申し上げをする。

騎士「姫様!構いません!私は兵どもの訓練をいたします!」

人の王(違う!!!!!!!!!!!!!!!)

姫「まぁ!ありがとう騎士!」

騎士「せっかくの時間です、有意義に使ってください!」

姫「ふふふ…騎士たらエッチね。」

人の王は遠くに行ってしまう騎士を見送るしかなかった。

人の王「行かないでくれ…」

姫「所で…先ほどの口パクはなんですか?」

人の王「へ?」

姫は質問すると同時に手錠を人の王にはめる。

人の王「なんでしょうか?これは。」

王は手錠を見せながら言う。

姫「それは手錠ですねっ。それよりもさっきの質問に答えてください!」ニッコリ

満面の笑みの姫は堂々と言った。

人の王「待ってくれ!なんでこの手錠が普通みたいな顔してるの!?」

再度、抗議したが…。

姫「煩いですよ!最初の質問以外答えないでください!あまりしつこいとワタシ貴方のこと監禁しちゃいます…」

あっさり撃沈した。

人の王「はい…すいません。」

今日はこれくらい投下して終わろうと思います。
どうでしょうか見やすいでしょうか?

私が真面目だからキスをしないのは嘘だ。姫の性格に難があるからしない様にしていのだ。

姫「それで、最初の質問です!なんであんな口パクを?」

人の王「それは…アレだよ!姫と二人っきりなのが恥ずかしかったからだよ!」

姫「ふふふ!もう!そんな事だったら隠さなくてもいいのに!」

人の王「…そうですね〜。」

姫「王様!…その、わたし。」

人の王「ん?なんだい?」

姫「おかえりなさいのチューがしたいのです」ポッ

人の王「それは…少し困るよ。」

姫「……んで。」

人の王「へ?」

姫「…なんっで!どうして!そんな事言うんですか!私の事嫌いなんですか!!!!」

人の王「いや別に嫌いじゃないよ…。」

嫌いではないが心底面倒な女だと思う。

姫「嘘っ!だって!キスしてくれないじゃないですか!」

人の王「いや…だからそれは。」

姫「…もう、私たちが結ばれる方法は一つしか有りませんね、王様少しだけ眠って頂けますか?」

姫は鈍器を構える。


人の王「眠った後はどうするんだ。」

姫「ふふふ!ただ住む場所が変わるだけですよ!自由は有りませんが食事などは不自由にはしません!」

人の王「じゃあ、この国の政務はどうするのだ。」

姫「そんなの大臣に任せればいいでしょう、なんですか?ワタシのイケンにハンタイなんですか?」ガンッ!

ハイライトの消えた目をした姫は力を込めて床に鈍器を振り下ろした。

姫「ずっと、私といれば良いじゃないですか!」

人の王「それはちがう!」

人の王「そしたら…君を幸せにできないだろう?」

姫「ワタシは王様がそばにいれば、幸せになります。」

姫「それにキスもしてくれない王様が私をどうやって幸せにするんですか!」


人の王「誤解だよ…キスをしなかったのは結婚までキミを大切にしたかったからさ」

姫「え?え?え?」

姫は結婚という言葉に冷静さを取り戻した。

姫「け、結婚、わぁっ!?わぁっ!?は、恥ずかしいです。」かあ〜


人の王「だからこの手錠外してくれないか?」

姫「はい…」

姫は結婚という言葉を聞いて納得し、手錠を外す。

人の王「ありがとう…姫。」

人の王は姫を強く抱きしめた。

姫「はぅ〜ッ!」

人の王「ジッとして」

姫「あ、あ、あ、王様の匂いがこんなにもあ、あ、あ、」ビクビク

姫「王様っ!んン〜ッ!?」ガクガク

突然強く抱きしめられた姫はショックで気絶してしまう

人の王「ふう、やっと気絶したか?こんな女助けなければ良かったよ。」

人の王は姫を見て言う。元は落ちぶれた貴族だった姫を助けたのは人の王であった。この国一番の美貌を持つ銀髪の少女がいると聞いて胸踊った下心がいけなかった。そのせいで奴隷にまで落ちなそうになった姫は王様に依存してしまったのだ。

ここまでにします。今回は途中で止めない様にします!

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