.hack//×SAO -クロスフラグメント- vol.2 (86)

前スレ「.hack//×SAO -クロスフラグメント-」
.hack//×SAO -クロスフラグメント- - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1412524197/)の続きです

主な注意事項は前スレ参照ですが追加として

ゲーム本編のホロウフラグメント(以下HF)の
戦闘システムと多少違いがあります
・スキルチェインが無い
・対人戦においては双方にリスクブレイク有り
・敵の動き方など

それでもよろしい方は続きをどうぞ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1439646885

立て乙です


スレ変更に伴い簡単なキャラ紹介と現状

.hack勢
・カイト・・主人公。アウラと腕輪の導きでSAOに。
唯一の双剣使いとなる。
腕輪でホロウエリアに無理矢理行ったり、
エリアの封印を壊したりと、若干主人公らしくない行動も。
双剣士としての特徴は、スキル硬直が殆ど無い事。
The Worldの時の双剣スキルを使用可。


・ブラックローズ・・カイトの相棒。大剣使い。
ジョブが共通しているため特徴は目立たないが、
The Worldの時の両手剣スキルも使用可。


・ミストラル・・カイト達の裏のまとめ役。もしくは保護者。
唯一杖を使い、スキルによる完全な後方支援役となる。
杖自体にはデバファー、そして体装備にはバッファーの特殊効果があるため、
スキルリキャストも速いうえ、バトルスキルの範囲が拡大。


SAO勢
・キリト・・黒の剣士と呼ばれ攻略組最前線の中心プレイヤー。
しかし最近ホロウエリアにばかり行って、階層攻略側に行くことが減っている。


・アスナ・・キリトの妻、だが不具合で結婚がリセットされている。
団長不在になった血盟騎士団のリーダー。
カイト達を最前線のプレイヤーとして受け入れた。

・シリカ・・ビーストテイマーで小竜のピナを連れている。
キリトを心配して76層に来てから戻れないので、
いつの間にか攻略組に。

・リズベット・・鍛冶屋をしている。
今までに無い武器、双剣に興味を持つ。
下層に自分の店を持っていたがシリカ同様戻れなくなってしまった。

・リーファ・・キリトの義理の妹。
片手剣使いだがまだSAOに完全には慣れていない。
何故か妖精のような姿をしている。

・シノン・・記憶喪失状態の唯一の弓使い。
強さに執着している傾向がある。
年下のカイトが強い事に多少焦りも・・?


・ストレア・・天真爛漫な大剣使い。
女で大剣使い同士ということで、ブラックローズとは
通じる所があるらしい。テンション的にミストラルとも仲が良い。


・アルゴ・・はじまりの街に来たカイト達が始めて出会ったプレイヤー。
SAOに来たばかりのカイト達に色々と指導した。


・クライン・・ギルド風林火山を率いる刀使い。
キリトとは長い付き合いだが、異性関係で愚痴も多い。

・エギル・・両手斧使いだが商人としての方が顔が広い黒人プレイヤー。
大柄で最前線にて宿屋を経営する。

・ユイ・・メンタルヘルスカウンセリングプログラム試作1号。
いわゆるAIで、キリトとアスナを家族のように慕う。
SAO内のプログラムなので、裏事情に詳しい。

・フィリア・・HF本編のヒロイン。
ホロウエリアにしか現状いる事が出来ないオレンジプレイヤー。


その他勢
・キバオウ・・はじまりの街でカイト達に絡んだプレイヤー。
決闘を出来るほどには腕もレベルも上げたが、
カイトにあっさり負けてしまった。



・パロディ版カイト・・突如カイトの中に現れた、いわゆる別人格。
時たまカイトと入れ替わろうとするがそんなに悪人ではない。
何故でてくるのかはいまだ不明。
現状もう1人の主人公・・かもしれない。
台詞は『』で表され、カイトよりも強い。
但し最もひどいのは人に対して腕輪を使おうとするところで、
更に性質が悪いのが、腕輪を人に使うと意識不明者となる事実を知らない事。
SAOでどうなるかは不明。

基本会話が成り立たず、中二病患者。





・現状

腕輪の力でホロウエリアに来たカイト達。
キリト達とは別に腕輪を使って逆にホロウエリアを回る。
そしてジリオギア大空洞のある場所で、エリアボスと対峙中・・。

今回はこの辺で
それではまた

期待してる

予告も無しでしたが、更新していきます


敵は1体・・。


いつも通り僕達は左右に分かれて距離を詰める。
それでもすぐに近づかないのは危険なのが明白だったから。


正面は勿論4本の巨大な鎌があり、
背後や側面からでも鋭利な刺が特に密集している尻尾が届きそうで・・。

不意にホロウリーパーが歩くのを止めた。
小刻みに体を震わせて、息遣いする度に口が虫のように動く。
まるでこちらを感知しているかのようだった。


攻撃チャンスかとも思ったけど、
即座に”スラッシュ”という技名が見えた。

狙いはより近づいていたブラックローズ。

ブゥン・・!


ブラックローズ「あっぶな!」


巨大な敵による斜め上方からの1撃。
ブラックローズはとっさに後ろに下がって避けられた。


カイト「はぁっ!」

技の直後が攻撃チャンスなのはボスも同じ事だ。
スラッシュ直後に一気に距離を詰め双剣をヒットさせる。

ホロウリーパーは4本の鎌状の前脚を除くと、
地に付いている脚は計6本。

その節から頭部までは急に持ち上げられていて胸部と呼べる場所なんだろう。

攻撃をヒットさせたのはその部分だ。



骨を切る感触が実際だとどういうものかは知らないけど、やっぱり硬い。
3本あるHPゲージを減らすのはかなり掛かりそうだな・・。


ボスだけに攻撃のパターンもかなり多いはず。
ミストラルに強化を頼んでから一旦離れようとすると・・。

カイト「?」

あろうことかホロウリーパー自身が、
脚全てを使って後ろにジャンプし距離が離れた。

着地した際にはそれなりの衝撃音がした。


ブラックローズ「あれだけデカいのに結構動くのね」


僕も内心感心しながら、ミストラルに強化を頼んだ。
判定があるか微妙だけど、あの移動の着地点にいたら
潰されるなんてことはあるのかな・・気を付けないと。


もう1つ注意しないといけないのは。

恐らく今のはホロウリーパーにしてみれば、
僕達がステップをするのとそう変わらないはず。
スキルによる攻撃が今のと被って無駄になったらまずい。



ここまで考えてそれを伝えようとしたら、
僕は目の前の事態を軽視していた。


ホロウリーパーが自身で距離を作った事で、
少し安心していたんだろう。



”スプリングサイズ”


ホロウリーパーが片側2本の鎌に力を溜める動作をしている。
緑色の力が纏っているのが見え・・。


カイト「!!」


今度はさっきとは逆に
前進するように大ジャンプしながら鎌を振るってきた。


ホロウエリアでの初のボス。
アインクラッドの階層ボスとは違って、攻撃も多彩らしい。

まさかこんなに思い切った攻撃をしてくるなんて・・。


カイト「うっ・・!」

しかも今の技、直撃していなかったのに
周囲に放たれた衝撃の影響のせいか毒のデバフ付きだった。


ブラックローズ「割と厄介ねぇ、簡単にはいかないか・・」


ブラックローズも一緒に毒のデバフを受けていた。
毒の放置は当然良い事じゃない。
すぐ治すべきなんだろうけど、この敵のパターンはまだあるはず。

ミストラルには体力回復の指示を出して、
若干気分の悪い状態で僕達は
ホロウリーパーに向き合った。



次の狙いは・・こっちか。

再び”スラッシュ”で斬りかかってきたけど、
僕もやられっぱなしじゃない。
今度はパリングで上手く弾いた。

ホロウリーパー「ゴァ・・!?」


これはチャンスとばかりに、ミストラルによって
ステータスアップされたブラックローズが
大剣を振るう。


ブラックローズ「デスブリング・・!」

剣と一体化したように宙返りした勢いを利用して、
一気に大剣を振り下ろすブラックローズ。
敵の武器となる鎌を掻い潜って、鎌脚の付け根を狙った。


ズバン!


大剣の斬った痕のエフェクトが大きく残り、
少なくとも双剣の1撃よりはかなりのダメージとなった。
それでも効率よく倒すなら、
やっぱり連携とリスクブレイクを狙いつつ、敵の攻撃を見極める必要がある。


カイト「(体力は・・まだ安全圏か)」

毒の影響を気にしつつ移動して、次は攻撃する場所を変える。
狙いは普通の脚が付いている方だ。



カイト「疾風双刄・・!」

巨大な鎌ではないけど、鋭利な脚に
ソードスキルを側面から叩き込んだ。

ホロウリーパーも呻いていてダメージが通っていることが分かる。
どうやらスキルさえ使えば防御面はそれほど問題じゃなさそう。


何とかしてこっちからもデバフを与えられれば、
多少は有利になるだろうか。


出来れば攻撃力か命中を下げられればいいんだけど・・。

カイト「(・・武器的に無理か)」



ブラックローズの使う大剣のスキルは、
主に自分の能力が上がるバフしか発動しないし。
双剣は出血とかのデバフが多く、
ステータスダウンが起こるスキルは今の所無い。


こっちにも「騎士の封印」みたいなアイテムがあればいいのに、
どうにもデバフ系のアイテムは存在しない辺り、ある意味厳しいみたいだ。

カイト「!」

こちらの動きを見るように少し止まるホロウリーパー。
僕達は2人とも側面から斬りかかった。

何度か切りつける事が出来たけど、
スキルを発動しようとした所で再び距離を置かれた。

”ソニックブーム”

と、技名が出るとホロウリーパーは
鎌を振りかぶり飛びもせずに振り切った。
その場を動かずにどうやって攻撃してくるのかと思ったら・・。


ブラックローズ「痛っ・・!何よこれ!?」

今週はこの辺で
それではまた

乙です

今週は本日更新します
時間は未定です

それでは後ほど


いつのまにか飛ぶ斬撃が来ていたらしく、
僕もブラックローズもダメージを受けた。

カイト「斬撃を飛ばす敵がいるなんて思わなかったな・・」

剣や斧を使ってくる敵、あるいはソードスキルを
そのまま使ってくる敵もいたけど、まさか斬撃を飛ばしてくるなんて・・。


今度のデバフは出血だった。
斬撃を受けてるんだし当然だけど、
毒のデバフも未だに続いていて、流石に苦しくなってきた。


ミストラル「私に任せてぇ~(^_^)/」

ミストラルの掛け声と共に、
バトルスキル「浄化の炎」が掛けられ
僕達のデバフが一気に消えた。


当たり前だけど、このスキルは僕もブラックローズも使える。
でもボス戦の際はデバフの種類も多いと思って、
1つのデバフを受けた程度では発動を控える事にしていた。


麻痺とか封印のように急を要するものならまだしも、
毒や攻撃力ダウンくらいなら短時間耐えて、
他のデバフを受けてからの方が手間も減るから。

デバフの種類と状況にもよるけど、
体力が減るデバフを2重に受けたら流石に
消した方が良いって判断したんだろう。


今HPがより減っているのはブラックローズだった。
ポーション系によるバフを受けるまで、
僕が前線に出る。


カイト「っ!」


さっきまでと違って、強引にステップで
堂々とホロウリーパーの前に近づく。



ターゲットをブラックローズに向けさせないためだ。

カイト「せい!」

正面から顔に1撃を当てると、完全に敵のヘイトは僕になった。
4つの赤い目がこっちを向いている。


カイト「こっちだ・・!」

注意を向けさせたのは良いけど、今度はこっちから距離を置いてみる。
さっきはホロウリーパー自身が遠距離用の技をするために、
自ら距離を作ったと仮定すると・・。


追ってくるのか、それともさっきのような技を使ってくるのか。

カイト「!」


気紛れなのかはっきりしないけど、
ホロウリーパーは遠距離技ではなく自らの脚で追ってきた。
巨体だから仕方ないけど、これはあっさり追いつかれそう。
しかも多足類みたいに結構速い・・!


ホロウリーパー「ゴァ・・!」

カイト「う・・わっ!」


背後から逆袈裟の1撃が迫ってきた。


走りながらの攻撃かつ、鎌と言う攻撃手段のせいか
連撃ではなかった。
身を屈めて(というか殆ど転んだ状態)ギリギリ避けると、
ホロウリーパーの巨体が前方にすり抜けていく。


すぐに立ち上がって体勢を戻すと、
準備を終えたブラックローズが横に来ていた。


ホロウリーパー「シュアア・・」

手ごたえが無かった事が不満なのか、
恨めしそうに見てくるボス。
明らかにアインクラッドのボスよりAIが強化されてるというか・・。
まるで本当に生き物が感情をぶつけてきてるみたいだ。


ブラックローズ「こんな生々しいと・・ゲームじゃないみたいね」

The Worldはただのゲームじゃない、
とかリンダが言っていたけど八相は無機質なモンスターだった。

けどこのホロウリーパーを見れば、
明らかにこのSAOもただのゲームじゃないと言い切れる。


カイト「・・?」

不意にホロウリーパーの動きが鈍くなった。
4本の鎌を攻撃に使わず、上を仰ぎ見るような動き・・。
これはチャンスと2人で斬りかかると・・。

”復讐の災禍”

という技が発動して、
殆ど間もなく赤い衝撃波が放出された。


カイト「ぐっ・・!」


そこまで大したダメージではないけど
防御が下がるというデバフを受けてしまった。
これだと敵の攻撃力が更に厄介な事になる。

ホロウリーパー「!」

更にホロウリーパーが何かを察知したような素振りをすると、
防御が下がった僕達を無視して何かを見ている。

その先には・・。

ブラックローズ「やっば・・!」

ミストラル「えぇ~!?何でこっち来るのぉ(T_T)」


あたふたと逃げようとするミストラル。
でも足は遅い方だし、どの道逃げる場所も無い。
そもそも僕だって何とかコイツの走行から逃げ切れるくらいなのに・・。


ホロウリーパー「ゴアア・・!」

ボスがミストラルに向かい始めた。
僕も行きたいけど速さ云々の前に、
体の大きさでアドバンテージがありすぎる。


初めから差を埋めて行くには・・。

カイト「(今近くには・・ブラックローズ!)」


名案とは呼べないかもしれない。
でも即思いついたのはこれくらいだった。


カイト「ブラックローズ!」

ブラックローズ「どうする気・・!?」


こんなこと、漫画とかの中だけだと思ってたけど・・。



カイト「その大剣に乗るから・・上手く飛ばして!」

ブラックローズ「はぁっ!?」


相っ変わらず無茶な事言うわねぇ!
って言いそうな顔だったけど、
時間が無いからか
ブラックローズは大剣を持つ角度をずらした。
そしてこう叫ぶ。


ブラックローズ「ったく・・あたし確かにテニス部だけど、
人を打つなんてどんな波動球だっつうの!」


テニスのレシーブのように、
普段とは違うやり方で大剣を振るブラックローズ。
抵抗が大きくて辛そうだ。

このSAOで剣に乗るなんて事をやった人は
どのくらいいるんだろうか・・。

カイト「っ!」

ブラックローズの助走と振りかぶり。
あれは逆袈裟に振って上方に飛ばす感じだ。
それに合わせて上手く大剣に飛び乗る。


ブラックローズ「だぁぁりゃあああああああ・・!」

今週はこの辺で
それではまた来週~

乙です

まだー

1ヶ月近くも空いてしまって申し訳ない
今週末に更新する予定です

待ってる

支援


ブゥン・・!と、大剣が振るわれ
最も良いと思った瞬間に僕自身も剣を蹴って跳躍する。


カイト「・・・!」

ゲームの中と侮っていたけど、
こんなにも高度の落差を感じるなんて・・。


腕輪の時とは違う浮遊感が感じられ、
空気が一気に通り過ぎていくのが分かる。

エスカレーターが超高速だったら似たような感覚なのかな・・。


高所恐怖症ではないけど、
命綱とか安全装置も無しに空中に
それなりの速度で投げ出されるって・・もうしたくない。


いつものステップだけより初速は速くなったけど、
軌道が上にずれ過ぎたかも・・。


カイト「くっ・・!」


少しでも無駄に行かないようにしたかったけど、
更に蹴るものが無いからどうしようもなかった。
それでもミストラルに迫るホロウリーパーへの接触まで、
そう時間は掛からない。




ブラックローズによる推進力はほぼ無くなっていて、
あとは自由落下のみ・・。


上から見えるボスは独特な構えで
ミストラルへ攻撃を行おうとしていた。
あれは間違いなく何らかの大技に違いない。


すぐにミストラルの元に行かないと、
彼女では長くもたないはずだ・・。


カイト「こ、のおおおお・・!」

落下中に体勢を何とか変えつつ、
ホロウリーパーの首元めがけて1撃をヒットさせた。

けどホロウリーパーは全く怯むことなく、
スキル”サイズスラッシュ”を放つ。

カイト「ミストラル、しゃがんで!!」


ようやく落下が終わって着地した場所は、
頭部と4本の鎌脚の真下の位置で
接近しすぎてまともにホロウリーパーも攻撃できない所だった。


サイズスラッシュの1撃が振り下ろされたのと同時に、
僕はその安全圏から飛び出した。

カイト「っ!」

僕の指示でしゃがんでいたミストラルは危うい所で1撃目は避けていた。
でも今のは横斬りだったからで、連続斬りらしいこの技は
次は縦で来てもおかしくない。

ブゥン! ザン! ザン! ザシュ!

カイト「ぐっ・・!」

ただでさえ巨大な鎌の猛襲と連続のラッシュは、
そう簡単に避けれるわけも無く、
ミストラルのいる所までに何度か当たってしまった。


体勢を低くしたり上から振りおろされる鎌を見て避けようとしながらも、
何とかミストラルに接触して脇に抱え、逃れる事に成功した。


この技は強力無比だけど、
発動と共にホロウリーパーは移動が固定されるらしく、
射程範囲外にさえ行ければ平気らしい。

それでも1撃のダメージは大きく、
僕もミストラルも結構ボロボロだった。
デバフもいつのまにか複数付いていた。


カイト「はぁ・・はぁ・・」

すぐにでも回復をしたいけど、
”サイズスラッシュ”による斬撃のラッシュも終わっていて
この近距離でやるのは無防備すぎる・・。


ブラックローズ「あたしの存在忘れてない?」


いつの間にかブラックローズが近くに来ていて、
ミストラルの肩に腕を回して移動を助けていた。
アイテムの補助も既に始めていて問題なさそう。


ミストラル「ふえぇ・・、迷惑かけちゃったねぇ・・(T_T)」

ブラックローズ「そんなの気にする仲じゃないでしょ?」

頼もしい口調で声を掛けるブラックローズ。
オルカとバルムンクみたいな2人パーティだったら、
こうも上手くいかなかっただろうなぁ。

多少の痛みを引きずってるのか、
ミストラルの動きはかなり遅かった。


そう言えば今まで、ミストラルにダメージが行く事なんて
SAOでは殆ど無かったっけ・・。

とにかく、ミストラルが距離を空けるまで
僕が時間を作らないと・・。

ホロウリーパーは完全にミストラルを狙っていた。
それなら多少強引に斬り付けてでも、
狙いを変えさせるしかない。


カイト「これ以上・・やらせない!」

HPは万全ではないけど、
今なら僕は攻撃対象にならないはず。
多少モーションが長い技で大ダメージを狙っても平気だろう。


カイト「夢幻操武!」


本来は高速かつ連続で斬り付けるだけの、
向こうではボタン1つで終わりだったこのスキル。
1度使ったら暫く何も出来なくなるし、
SP消費も激しかったから控えていたけど・・。


SAOでの実行はかなりキツイものの、
発動中制限が無く自由に動けるようになったのは大きかった。


おまけにスキルの補助効果なのか、動きが軽くなった。
相手が巨体なのもあって敵の身体の周囲を
斬りつけては移動し、再び斬りつけて・・。
という攻撃が遠慮なく出来た。


ホロウリーパー「ゴァァ・・!?」

モンスターの感情なんて知る由もないけど、
仮にこれをやられたのが巨人で、やったのが小人とかだったら、
巨人側が相当鬱陶しいと感じるのは僕でも分かる。


まとわりつくように動きつつ攻撃して、
更に位置を変えて追撃。

右側面で斬り付けた後、背面を飛び越え
素早く左後方に回って再び斬り付け・・。


ホロウリーパーの気はかなり逸れただろう。


恨めしそうに僕の方に向き直るホロウリーパー。
問題はここからだ・・。


シャァァ・・!と叫びつつ鎌を振るってきた。
スキルではなく通常攻撃。


ここからは攻撃をメインにするのを止めて、
2人との距離を作りつつ自身の被害を最小限にするため、
双剣の構えを変える。

カイト「っ!」

バックステップで距離を空けつつ、
振るわれる鎌の範囲外ギリギリで剣で受け、
更に迫ってくる追撃を受け流していく。


ギィン! ギィン・・! ブゥン・・!

今回はこの辺で

次回はいつになるのかちょっと未定です
今回ほど間隔が空く事は無いと思います

それではまた

待ってるぞ乙

乙です

乙です

どうもこんばんは
のんびりと更新していきます


空振りもさせつつ、時間を稼ぐ。
敵もスキルの連続では当たらないと判断したみたいだけど、
その分低くなった威力では僕も揺らがない。


カイト「!」


危うく下がりすぎて足場のない場所まで行くところだった。
方向を変えて再びホロウリーパーの
斬撃を受け流していく。

ギィン! ブゥン! ヴゥン!


このままだと防戦一方だけど、
それで終わりじゃないと
確信があるからこんな事が出来るんだ・・。



ブラックローズ「いつまでも調子乗ってんじゃないわよ、
このムカデ野郎・・!」


ブラックローズが跳躍してきて、
大剣による見事なクリティカルをボスの後頭部にヒットさせた。
あれは見るからに痛そうだ・・。


ホロウリーパー「ガ・・!?」

流石大剣。スタンもさせて動きも一時的に止まった。
と同時に僕への攻撃も中断される。

カイト「助かったよ・・、ブラックローズ」

ブラックローズ「ったく・・敵の注意を引くのは良いけどさ、
あたしが来るの前提で動かないでよね。
危なっかしいったらないわ・・」


僅かに空いた時間で余裕が出来たので、
バトルスキルでHP回復を付属する。
これで少し安定するかな。


ブラックローズが来た方を見ると、
ミストラルが手を振っている。
多分、こっちは平気だよって合図だ。

いつの間にか結晶が使われ、
僕の出血のデバフも消えていた。


カイト「ひとまず持ち直したかな・・?」

ブラックローズ「仕切り直し・・ってとこね」

大剣を構えつつホロウリーパーを見据えるブラックローズ。
仕切り直しとは言うけど、
現状確実にHPが減り続けているのはボスの方だ。


これ以上厄介な事態にならなければ、
このまま押し切れるはず・・。


ホロウリーパーが再び鎌を振るってきた。

カイト「さっきの要領で行こう!」

ブラックローズ「・・ったく、理想的だったのは否定しないけどさ!」


再び僕はホロウリーパーの攻撃を、
双剣による防御とステップによるずらしで受け流した。
ギィン・・!と衝突音が響いたものの・・。


ブラックローズ「虎乱襲!」


3連撃のソードスキルが今度は身体の側面から叩き込まれ、
再びボスはもだえ苦しんだ。
その隙を狙って僕はバックステップを止め、
即座に突撃してスキルを叩き込む。


カイト「旋風滅双刄!」


6連撃のスキルを正面からボスの懐に叩き込んだ。

ザ! ザザザサ・・ザン!

クリティカルの連続でかなりのダメージになったらしい。
今までにない程の手応えはミストラルのバフのおかげだ。

ブラックローズの退却に合わせた離れ際のバックステップに、
更に1撃を与えた所でボスのHPを見ると
いつの間にか1本と半分まで減っていた。


ブラックローズ「あと全体の半分ね、これならいけるわ」

カイト「SAOでのボスはここからが本番だよ。
体力減ったら新しいパターンになるし」

ブラックローズ「そういやそーだったわね・・」


82層のボスはあろうことかビーム攻撃があったけど、
ホロウエリアのボスは一体何をしてくるんだろうか。


ホロウリーパー「ゴァァァァァァ・・!!」


一際大きく叫ぶホロウリーパー。
体力の減りをまずいと感じて焦っているのか。
それともデータ的にパターンの変化を表していて
プレイヤー側への警告を示しているのか・・。


カイト「来る・・!」

咆哮を止めこちらを見据えたボスを見て僕は確信した。


何か、大技が・・!


近くに固まっていたら格好の的だ。

離れるのは不安だけど、
僕達は円を描くようにボスから目を離さずに逆方向に走り出す。


これなら片方は確実に攻撃から逃げられる。
攻撃の傾向から正面にさえいなければ、まず範囲外だ。
あとはホロウリーパーがどっちを向くか・・。


カイト「・・ん?」


走って距離を作りながら僕は不審に思った。
今までにない独特な構えをしているホロウリーパーは。

僕もブラックローズも・・。
そしてミストラルの方さえ見てない・・?


”グラウンドウェーブ”


技の発動と共にホロウリーパーが・・。


ブラックローズ「飛んだぁ~~~!?」

ブラックローズが大剣のスキルを使う時のように、
ホロウリーパーは宙へ飛びあがった後
勢いをつけるように1回転し武器である鎌を地面に突き立てる・・!


ガガガガガガガガガ・・・!

カイト「ぐっ・・!」

ブラックローズ「痛っ・・!」


ホロウリーパーが鎌を突きたてた所を起点に、
いくつもの赤い刃が地面から生えてきた。

死神の刃による華が地面に咲いたとか言えば、適しているのか・・。


いや、正体不明の生物の口が
いきなり地面から現れたとも言えるかも・・。


とにかく地面から突然現れた
肉食獣の牙とも思えない反り返った突起物が、
今までにない下からの攻撃となって僕達を襲った。


しかも起点から離れるごとに刃は大きい。
外側の方が被害は大きいのかも・・。


カイト「(それでか・・)」
さっきホロウリーパーが誰も見ていなかった理由が分かった。
誰もターゲットしていなかったのではなく、
ターゲットの必要が無かったんだ。


まさかこれだけの広範囲に攻撃可能な技を使ってくるなんて・・。


当然ながらデバフには出血が付いていた。
流石にミストラルは範囲外だったから無事だけど、
この技の使用が増えればミストラルの回避は絶望的だ・・。


カイト「ん・・?」

円形状に広がったグラウンドウェーブの余韻は、
ホロウリーパーの周囲に障害物のように未だに残っていた。

これだと近づくには回避しながらという事に・・?


大剣所持のブラックローズにこういう動きは不向きだ。
今ホロウリーパーは大技の影響なのかその場を動いていない。
なら・・。


カイト「(僕が行くしかない・・!)」

今週はこの辺で

ホロウリーパーとの戦いも、もう終盤です
その後はアイツが・・?

ということでまた次回~

乙です

乙です


楽しみにしてる

今週更新しようと思っていたのですが、
来週の平日に回します

最近不定期になって申し訳ないです

待ってる

かなりギリギリとなってしまいましたが更新していきます


比較的外側にある身の丈以上の刃の間をすり抜け、
ホロウリーパーに近づく。

戦闘中とは思えないほど、
まともな動きをしている人も敵も殆どいないせいか。
僕が地面を蹴る足音だけが目立って響いてくる。


あくまで障害物のように在るだけで、
刃が動いて邪魔になったりはしないけど、
入ってはいけない所に入ったような気分だ。


カイト「くっ・・!」


規則正しく刃が並んでいるわけでもないので、
単純に一直線には行けなかった。

少し行けば横に回避、再び直進。
再び横に回避・・というのは時間が掛かりすぎるので、
刃の間を雷のエフェクトのようにジグザグに進んでいく。


ヒュッ・・!

と、何度か刃の一部が掠ったけど立ち止まりはしない。
それにこんなのはコルベニクのドレインハートに比べれば、殆ど問題ない。

カイト「(たどり着けさえすれば・・!)」


進み方が功を奏したのか、まるでホロウリーパーを
守るかのように展開していた巨大な刃の山を潜り抜け、
ようやくこちらの剣がボスに届く。


ザシュ・・!

まずは1撃を尖った脚に叩き込む。
斬ったエフェクトである、赤い斬撃痕が浮かび上がった。

クリティカルが出やすくなるバフの効果も継続していて、
1撃だけでそれなりのダメージが出ている。


技の余韻のせいかホロウリーパーは、
こんな至近距離から攻撃されたにも拘らず、
巨大な尾を宙で左右に揺らすだけでこちらを見ようともしない。


今が攻めるチャンスだ・・。
グッ、と双剣を握って力を込め
万全の態勢でソードスキルを放つ。

カイト「虎輪刃・・!」


ザザザザザ・・!

独楽のように回転して斬り付けたエフェクトが見事に残る。
今気づいたけど、エフェクトを見ていられるって事は
かなり余裕があるって事だ。

全ヒットがクリティカルとなり、ようやくHPバーも1本を切った。
3人だけでのボス戦もやっと大詰めかな。


周りを見ると、やっとグラウンドウェーブの余韻が消えつつあった。
これでブラックローズも攻撃しやすくなるし、僕も動きやすくなる。


いつまでも接近しているなんて
何も考えずひたすら攻撃する最後の段階でもないし、
さっさと離れるべきだ。




カイト「?」

ホロウリーパーの挙動が殆ど変わってない。
相変わらず尾がゆらゆら動くだけ。
自慢の武器を構えようともしていない。


未だに攻めるチャンスなんだろうか・・?


そう思った僕は更にスキルを発動してダメージを与えておくことにした。


カイト「舞武・・!」


1番使い勝手が良くてダメージもそれなりのソードスキル。

だけど・・。


この選択は失敗だった。


カイト「っ!」

スキル発動の構えに入った瞬間、ホロウリーパーが遂に動いた。

ゆらゆらさせていただけの尾を、
充分に曲げるために顔の付近までしならせ。


地に付いた鋭利な足は
その長くて巨大な体を支えるように開き。
カチカチと動いて勢いを付けるように動く・・!


”テイルスピン”


既にソードスキルは止まらない・・。


グワァァァァ・・・!


ホロウリーパーの周りの空気が鳴いた。
まるで局地的な災害が起きたかのように。

その巨体の回転と共に振るわれた、
鋭利な骨の刺が密集している尻尾によって切り裂かれて。


ズザザザザザザ・・・!

カイト「がっ・・・!」

一瞬の出来事だった。

RPGのプレイヤーの装備の中には、
モーニングスターとかいわゆる鉄球に近い武器がある。
今受けたのはそういう類の攻撃だろうか・・。


でも今回の刺は圧倒的に鋭く、
刺さるなんて生易しい、貫通と言ってもいいくらいの長さだった。


ホロウリーパー自身が回転する事で鞭のように振るわれた尾は、
圧倒的な衝撃を生み出し僕は巻き込まれた。


尾が当たった瞬間いくつもの刺が僕を一瞬で貫き、意識を奪った。


と同時に、一気に吹き飛ばされ地面に叩きつけられた。


「カイト・・!?」


誰かが・・僕の名前を呼んだ気がする・・。



もう何かを判断することも・・。



い、しきが・・・・。


カイト「ぁ・・」


途端に意識が戻り、ある事が理由で僕は普段した事が無い絶叫を。
大声で叫ぶという痴態を晒すことになった。



カイト「ああああああああああああああああああああああああああああああ・・!!」


いくら2022年っていう僕から見たら
未来技術の賜物の世界とはいえ、
ここまで痛みを・・激痛を再現する必要はあったんだろうか・・。


意識を失う直前に、ギリギリ痛みが再現され
それが僕の気絶を防いだんだろう。


カイト「ハァ・・・・ハァ・・・・っ・・」


こんなにも激痛を感じているのに、
腕は何とか動いてくれた。


よくよく見ると腕には穴が・・キャラデータの欠損が起きていた。
これだと多分あちこちに穴があるんだろうな・・。
これで出血が無くて意識はあるんだから
改めてゲームの中なんだと思い知らされる。


カイト「(HPは・・瀕死、か・・)」


SAOに来て1週間は過ぎたけど、
ここまで体力が減ったのは初めてだ。
あの1回で万単位のHPが減らされるなんて、
ある意味タルヴォスの呪殺遊戯以上のダメージじゃないか・・。

カイトが初の瀕死状態に・・

というとこで今回は終わりです

次回をお楽しみにしていただければ幸いです
それではまた

乙です

乙です

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