男「がっこうぐらしの世界にきてしまった」(63)

アニメしか知りません。六話まで見てます。

原作と違かったらすみません

男「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」

今日もごちうさを見て心をぴょんぴょんさせる。

男「ほう、がっこうぐらしか。中々良さそうな日常系じゃないか、百合百合してそうだな」

好きなものは百合。

男「さっそく視聴」

思えば、これがあの地獄の始まりだった気がする。

男「窓割れてる?」

男「ん?バリケード?」

男「ん?んん?みーくん?」

男「」



~一時間後~

男「ま、ままま、待てよ。落ち着け俺、逆に考えるんだ、ポジティブに行こう。ゾンビ、女の子オンリー、生命の危機、育まれる愛情、正しく百合百合ワールドじゃないか!つまり俺得なんだよっ!」

ゾンビにヤられる薄い本的展開や、ホームベースみたいな輪郭の魔法少女的鬱展開というのも思いついたけど、そこはスルー。

男「くっ、鬱展開にあまり耐性はないが、明らかに鬱になるとしか思えないこの先だが、それでも...つ、続きが気になってしまう」

男「視聴確定だ...」

願わくば、ぼく○の、や、まどかマギ○みたいな救いようがないものにならないように。そんな思いでがっこうぐらしの視聴が決まった。

男「明日は六話か。ふむ、楽しみだな」

がっこうぐらしはニコ動で見た方が面白い。ネタバレまがいのことはされるが、やはりコメントのあるなしは大きく面白さが左右される。

男「さて、今日は寝て明日に朝一でがっこうぐらしを見るか」

学校 屋上

男「なんでや」

俺は昨日、普通に家で寝た。だが、気づいたら見たことがない制服を着て知らない学校にいた。

混乱?混乱はしている。だが驚いたことに、思った以上に冷静な俺もいる。なんでさ、本当によくわからない。

見知らぬ学校であれど、何でか見覚えとか知識はある。いや、思いっきり矛盾してるけど、確かに見覚えはある。何なんだ、この現象。

記憶を探ってみると、自分と同じ顔をしているが自分とは全く違う家庭で育った自分の記憶が思い出せた。

あー、つまりこれは。

男「平行世界の俺に憑依しちゃったのか」

男「どうすっかなー」

屋上の菜園を見ながら黄昏る。どうやら女子生徒が野菜に水をやっているようだ。というかそこら辺見るとソーラーパネルとかある。ハイテクだな。

今後の人生設計、戻れるのか。そういったことを考えていると、何だか校庭が騒がしいことに気づいた。

男「んー?」

バタン

扉が開く音がした。ピンクの髪の女子生徒と、同じくピンクの髪の若い女性が入ってくる。多分先生。女子生徒の方の着ている制服は水をやっている方の女子生徒とは違うもののようだ。どういうことだ?

というか女子生徒は中々面白い帽子を被っている。ツノがついてる。校則的にオッケーなのだろうか。いやてかピンク?まじで?アイエエエ!?ピンク!?ピンクナンデ!?

この世界の遺伝子は一体どうなっているんだ。戦慄していると、校庭がやはりうるさい。

なんだよ、ゾンビでも出ているのか?不思議に思って校庭を見ると、レイプ現場みたいなものが遠目から見えた。俺の視力は普通なので、屋上からじゃ生徒が生徒を押し倒している程度にしか見えない。

男「ん?んん?」

ちょっと待て。よくわからないけどこの世界じゃこれが常識なのだろうか?なんだが物凄く嫌な予感がする。すごい今すぐ自分の世界に帰りたい。

ドンドンドン

「ひぅ」

ビビった。まじビビった。やめろブラクラとかまじ苦手なんだよ。

音に気づいたのか、ピンクの先生は扉を開ける。すると、黒のツインテールの女子生徒が男子生徒を背負って入ってくる。その様子は、やけに慌ただしい。

ふと、デジャヴ。ピンク、白いリボン、つのぼうし、黒ツインテール、、おっぱいぶるんぶるん、うっ、頭が。

男「あっ」

あっ、全然気づかなかった。これあれじゃん、明日六話を見るはずだったがっこうぐらしじゃね?

なるほど、見慣れた二次元キャラでも三次元にするとよくわからなくなるんだなと学んだ。

てちょっとまて、まじすか、おいそれってゾンビが蔓延る素敵な世界じゃないですか。

男「まじかよ」

やべーよ、やべーよ。それはやべーよ。

ガンッ、ドンドンドン

男「」

音が響く。考える暇なんてなかった。ゾンビものの物語をいくつか見たことがあるが、こういうのは即時行動できない奴から死んでいく。

走る。

男「手伝いますっ」

めぐねえ「えっ?あっ、はい、助かりますっ」

ドシンドシン

扉を前に置いた物で押さえていると、がっこうぐらしの登場人物らしきくるみちゃんが例のあのシーンと同じように、ゾンビ化した先輩に襲われそうになっていた。

男「ちょっとここお願いします」

言って、答えは聞かずに走り出した。

先輩ゾンビ「ぅうっ」

脇腹を蹴る。

先輩ゾンビ「ううっっっ」

ぐしゃぁっ、と受け身を取れずに先輩らしきゾンビは倒れた。

シャベルを手に取る。

男「っっ!」

振り下ろす。

グジャッ

気持ち悪い感触。

「ッッァァッッ!!!」

叫び、振るう。ぐじゃっ、ぐじゃっ

くるみちゃん「もうやめてくれぇっ!!」

止められた。

くるみちゃん「もう、やめてくれ....」

男「.....」

ガタンッ

扉の方から、けっこうヤバイ音がした。

ふと思う。

原作って、ここからどうやって脱出したんだ。

ドゴ、ドゴ、ドゴ、ドゴ

音が徐々に増す。ヤバイ、そう思って俺は走り出す。

ドゴーンッ!!

男「あ」

めぐねえらしき人と、りーさんらしき人が押さえていた扉が開かれた。

男「ああっ!!!!!」

走るのが間に合った。俺は無我夢中になり、蹴りを繰り出す。ゾンビが倒れる。そこでーーーー俺はーーーーーシャベルでーーーーー

男「異常なし、だな」

閉じた校門から外を伺い、呟いた。今日も平和です。

あれから、一ヶ月くらいが経過した。ゆきさんは今日も元気に校内を走り回っているし、めぐねえさんやみーさんなどがそのフォローに奔走されている。

どうしてこうなったか?まあ、話しをしよう。

最初の屋上からの脱出。俺は死ぬほど頑張って、屋上にいたゾンビの大半をヤった。

言葉にすると俺TUEEEEに見えるかもしれないが、その実態は恐ろしいほどの作業ゲー。

ゾンビはどうやら階段が苦手らしく、バランス感覚も鈍いため、階段でちょっとでも衝撃を与えられると物凄い勢いで転がり落ちていく。俺はこれを利用して、屋上の階段でゾンビを突ついては落とすマシーンと化し、何とか屋上での局面を切り抜けた。

夜になったらゾンビの数もかなり減ったので、急いでバリケードを構築し、何とか自分たちの安全圏を確保した。そして俺の地道なゾンビ駆逐作業の功績もあり、一ヶ月経った現在、学校の敷地内は何とかゾンビがいない安全圏を確保した。

男「バリケードにも特に異常なし。ちょっと頑張って近所のゾンビを殲滅した甲斐があったな」

今ではすっかり手に馴染んだ相棒であるバーベルの棒を担ぎ、軽く素振りした。

さて、そろそろメシだな。

りーさん「来たんですか....」

俺が入ってくるなり、りーさんはそう言った。その視線はゴキを見るような嫌悪感にまみれており、この人の前でうっかり隙を見せようものならそのまま包丁とかで刺されそうな殺気とかも持ってた。

男「まぁね。腹減るし」

くるみちゃん「.....」

みーくん「.....」

ゆきちゃん「......」

めぐねえ「.....あのー、とりあぇず食べない?冷めちゃったら大変だし.....」

くるみちゃん「....そうだな、そうしよう」

いや、なんかすまん。俺はさっさと自分の分らしき食糧を取り、その部屋をあとにした。

俺嫌われすぎワロタ。

諸君、白状しよう。私は百合厨だ。

女の子は女の子同士でイチャイチャして欲しいなーといった願望を抱く百合厨なのだ。

では、そんな百合厨たる俺が女の子だけの日常系アニメ(偽)に男が出ることを許容するだろうか。答えは否、断じて否である。

では、がっこうぐらしの世界であるここに俺は存在していいのか。百合厨的には断固NOだが、残念なことに俺自身死ぬわけにはいかないので答えはYesしかない。

だが、やはり百合園は汚したくない。そういった思いの狭間で俺はとある妥協点を見つけた。

メチャクチャみんなに嫌われるような嫌なやられ役みたいな小悪党なら、まあギリギリオッケー何じゃないだろうかと。

思いついては即実行。その成果はまさしくさきほどの現状である。

男『ゾンビが溢れ、精神的におかしくなった子を主役とした絶望的な非日常系アニメなら、ゾンビが溢れてても何とか希望を持てる非日常系アニメに変えてやろうじゃないか』



初日のあの夜の誓い。俺はその誓い通り、今も何とか頑張り続けている。

「まあ、めぐねえを生存させて、学校の敷地内の安全を取り戻しただけで大健闘か。こりゃいつ死んでもいいな」

原作が最終的にどうなるかは知らんが、こちらは残念なことに平凡な男子高校生。地の利、戦略そう言ったものを活かしてゾンビを殺せても、元は主人公補正ゼロのど凡人であるがゆえに、そんな長くは生きられない。ゾンビを殺すのは楽だが、集中力が切れて立ち回りをミスれば即死亡だ。原作の終わりまで見届けられるわけがない。というかアニメだって五話までしか見てないから結末がどうなるか知らん。皆殺しだけはやめて欲しいと切実に願う。

男「あと何日生き残れるかな」

できれば祭囃子的終わり方をして欲しい(ひぐらし)。

男「さて」

取り敢えず今日も元気に物資調達を頑張りますか。

男「よっ、と」

俺はフェンスをよじ登り、学校の敷地外へと冒険に出た。

購買部

ゆき「わぁー!めぐねぇ、大和煮だよ!こんなにたくさん!それにカンパンも!」

めぐねえ「ゆきちゃん、そんなに走り回っちゃダメですよぉ....」

くるみちゃん「相変わらずゆきは元気だなー」

りーさん(前はここにこんなものなんてなかった....食糧はもう取り尽くしていたはずなのに....)

りーさん(一体、誰が....)

中学の頃、ライトノベルが大好きだった

それは愛されない自分には非常にいい代替品だった

主人公に感情移入すれば、自分が愛されているように錯覚できた

でも、いつからだろう。ライトノベルがつまらないと思ったのは

いつからだろう、女主人公を許容できるようになったのは

いつからだろう、百合が素晴らしいと思ったのは

百合、または女の子だけの日常系アニメを見ている時、ふと自分は何処にもいないといった疎外感を感じていた

でも、それが逆に良かった

いつからだろう、自分がいなくても回る世界に安心感を覚えたのは

きっとそれは、自分は誰にも愛されないと悟った時だった

男「っっ!!」

グジャッ!

バーベルの棒を振るい、ゾンビの頭部を一撃で潰す。

よし、クリア。周囲にもうゾンビはいないようだ。

男「大和煮とか、喜ぶかな。あとうんまい棒か」

肉とか魚とか、食べさせてやりたいけどな。残念なことに一ヶ月経った今じゃ生鮮食品コーナーは近寄り難いとんでない場所になっている。ぶっちゃけてけっこう離れた缶詰めコーナーまで刺激臭が漂ってる。

男「さて、戻るか」

これくらいとれば十分だろう。

走る。ここ一ヶ月の日々のおかげで、体力は無駄にある。それこそ缶詰めを大量に詰めた鞄を背負っても問題ないくらいには。

この世界の俺はどうやら運動部だったらしく、体力は中々ある。もし元の世界の俺の体でこの世界に来ていたら、スタミナ切れが原因でとっくに死んでいたかもしれない。

ガンガン

自動ドアの前に、このスーパーの制服らしきものを着たゾンビがいた。

男「.....出勤、ご苦労様です」

ゾンビになっても働かされるなんて.....社畜って奴はなんて残酷なんだ。

まあ、冗談はさておき。

男「どうぞ」

自動ドアを開ける。そして雪崩れるように入ってくるゾンビ。

男「さよなら」

バーベルの棒で、頭部を砕く。やっぱり、何回やっても気持ち悪い。

バーベルの棒を振るい、今日も元気にゾンビを潰す。

男「せいっ」

ゾンビ「ゔっ」

男「ふぅ、疲れた」

辺りにはそこそこ多いゾンビの死体。血の雨とか降ったらこんな感じなんだろうなーってくらい辺りは血だらけだ。

男「着替えなきゃな」

この作業で何着服をダメにしただろうか。近くにユニク○がなかったらやばかったかもしれない。

男「曲がり角に敵はなしっと」

ゾンビは基本動きがノロいから、立ち回りさえ心得ればそんなに苦戦することはない。つまり最も警戒すべきは奇襲。夜戦、曲がり角、死角。どれも忌避すべき重要点だ。

男「ああ、気持ち悪い」

ゾンビを殺すのは最近慣れてきている。それでも、やはり頭部を砕く感触は生理的に受け入れ難い。ゴキブリを素手で潰す。気分的にはそんなものだろう。

男「ここら辺に食糧は置いといて、っと」

ぴょん、とフェンスを乗り越える。

男「ん?ぉぉ、太郎丸じゃないか」

太郎丸「わんっ」

はっはっ、と太郎丸が寄ってくる。

男「あんま近寄るなよ」

今、返り血塗れなんだから。

太郎丸「くぅーん....」

男「......」

太郎丸は落ち込んだ。あー、なんかすまん。

とりあえず着替えを取りにいくか。そう思って移動すると、太郎丸が足元に寄ってきた。ちょ、おまっ。

男「っっ!!!」

咄嗟に、太郎丸を蹴り飛ばす。

危なっ、本当に危ねえ。

太郎丸は今、俺の足のズボンを舐めようとしていた。返り血塗れの俺のズボンをだ。

ゆき「太郎丸にひどいことをしないで!」

あっ、すみません。てかいたのか。

ゆきちゃんがこちらに走ってきた。

男「あ?雑魚がしゃしゃってんじゃねぇぞ。雑魚は校舎に引きこもってやがれ」

こういう口調は心が痛みます、はい。でも割とノリノリな自分もいる。楽しい(確信)

ゆき「うー.....」

ゆきさんは涙目で睨みつけてくるが、残念なことに可愛いだけでしかない。

りーさん「男さん、ゆきちゃんをあまりイジメないでくれないかしら?」

あっ、はいすみません。反射的に謝りそうになるのを何とか抑える。アニメでも何となく分かっていたが、りーさんはやはり怖い。というかりーさんの本名なんていうんだろう。

くるみ「.....」

チャキっと、静かにシャベルを構えているくるみさん。何てこった、やっぱり黒髪ツインテールは戦闘要員やったんや。心がぴょんぴょんする。

男「ちっ、くそが」

言って、そそくさ退散。やばい、客観的に見て俺くそカッコ悪りぃ。なんなんこのDQN。

いやまあ、逃げるが勝ちだし?今だに曲がり角でゾンビと急に会うと死ぬほどビビるチキンですし?しょうがないしょうがない。

まったく、こうやって強がらずに弱い自分を認めれたのはいつのことだっただろうか。






みーくん「.......」

屋上

男「ぼっちめしはうまいな」

言ってて悲しくなったが、下の階で女の子だけで百合百合していると考えると、半端なく元気が出てきた。

男「ゆき×みきが鉄板かな。うむ、めぐ×ゆきも素晴らしい。いや、なんだかんだ言ってりー×ゆきも素晴らしいんじゃないか?」

男「はぁー....三次元も捨てたもんじゃないんだな」

まさか三次元で百合が見れるとは。とりあえず俺が伝えたいことは二次元を三次元にすると見たことがないとんでもない美少女が生まれるということである。

男「さて、そろそろ寝るか」

俺の部屋は一階にある。ゾンビが入ってきた時にすぐに対応できるためだが、中々安心して寝れる場所ではない。

男「ゾンビも、人だけじゃないからな....」

前にゾンビ犬を相手にしたことがあるが、本当にあれは運が良かった。まじ、あの時は本当感染を覚悟した。

男「フェンスを登ってこないのが唯一の救いか」

本当、あとは俺は何日生き残れるのか。

みーくん『っ、こっちにも』

ゾンビ『うぅっ...』

みーくん『っ、ならーー』

ゾンビ『うっ』グジャッ

男『こっちだっ!』

みーくん『えっ?』

男『早くしろっ!』ガシッ

私の手を掴んだ男さんの手は、暖かくて、大きくて、硬かった。

あなたは誰よりも必死に、私を助けてくれた。

なのに、どうして.....

みーくん「....夢か」

ゆき『ーーぅぅ、っっもう、いやっ....』

泣くなよ。

ゆき『めぐねぇ、めぐねぇっ!!』

俺が助けるから。


笑ってよ。




男「夢かよ」

見たことがない光景だったな。原作と違ってゆきさんは狂ってないし、俺が頑張ったからめぐねえさんだって死んでない。

とりあえず

男「今日は平日だから、けっこう遠出できるな」

ゾンビは平日、仕事に行ったり学校に行ったりする。この特徴を踏まえると、平日の昼は比較的に安全に移動することができる。また、変な音とかを立てなければゾンビは常に一定の場所にいることを意味する。

男「さて、今日も頑張りますか」

しかしこの世界にきてから、独り言が増えた気がする。

りーさん(そういえばあの人、普段一体何をしているのかしら)

りーさん(もうどこかに行ってしまったようだし....)

りーさん(....把握しとかなければ、まずいかな?)




くるみ(このシャベルで、先輩は死んだんだな)

くるみ(あんな人に、先輩は殺されたのか)

くるみ(でも、でも....)

くるみ(私が殺していたら、多分すごく辛かったな....)

くるみ(それだけ、あの人に感謝しなきゃ)

くるみ(いや、でも好きだったなら私が殺すべきだったのか....)

くるみ「はぁー....」

男「生存者、なしか」

付近の小学校、中学校と徘徊してみたが、やはり生存者はいない。むしろゾンビしかいない。バリケードとかの跡もみれるが、中に入ってみたらゾンビしかいなかった。南無阿弥陀仏。

でもあれだな、小学校はもう近寄りたくないな。

やっぱ、子どもをヤるのは辛い。

男「切り替えるか、ほんと、SAN値下がるな」

アクセルを踏み、道路を車で走る。一応電気のやつだから、音は小さい。ついでに無免許。この世界に法律なんてねーぜひゃっはー。

夕方

男「やっぱ、生存者いないな....」

警察署に入り、銃とか弾とか色々ゲットしたけどやはり他の生存者はいない。

男「走りゾンビとかいないから難易度は比較的イージーなはずなんだけどな」

男「あっ、でもゾンビ犬とかいんのか」

あれがたくさんいると考えるなら、まあ、これほど生存者がいないというのも考えられるのか。

男「会わないといいな」

男「ってぉ?」

子どもゾンビ「ぅぅ....」

ゾンビは、基本殺す。ゾンビ一体でも多く削ることで、あの人たちの生存率は僅かに上がるのだから。

それに

くるみさんに子どもゾンビを殺させることは、させたくない。

本当、鬱は勘弁。女の子は笑っている顔が一番可愛いのだから。

男「すまんな」ブン

グジャッ!

男「よし、そろそろ帰ーーー」



カァッ

ふと、鳴き声が聞こえた。

グジュッ

男「えっ....」

鴉。肩。痛み。血


感染。


男「ああっっ!!」

咄嗟に、鴉を殴る。地面に叩きつけられた鴉をそのままバーベルの棒でーーー

グジャッ

男「はぁはぁはぁっっ」

感染した感染した感染した感染した感染した感染した。

男「落ち着け」

いつかはこうなる。分かってたはずだろ?

分かってた、うん、知ってた。

男「急がなきゃ」

まず、車に積んだ食糧と物資を届けよう。そして、部屋で遺言を書いて、ゾンビ犬とゾンビカラスがいることを伝えないと。

男「早く、早く」

ゾンビになってしまうその前に。

かんせん、した。がっこう、でる。ゾンビ犬、ゾンビカラス、きをつけろ。そとのくるま、ものある。かゆ、うま


手が震える。視界がぼやける。まだだ、まだ、まだだめだ。まだ、もってくれ。

男「ぐふっ」

吐血。まずい、早く、移動しないと。

部屋を出る。玄関、あと少し。

ゆき「どこ行くの?そろそろご飯だよ?」

頭が、真っ白になった。

ゆき「どうしたの?」

そういえば、この人はどれだけひどい態度をとってもあまり俺を邪険にしなかったな。さすが、主人公は格が違った。

男「別に、少しやらなきゃいけないことがあるだけだ。あとでいく」

がんばれ、がんばれ俺。これで最期だから、最期まで、その役を貫き通せ。

ゆき「ふーん、そっかー」

俺は、歩き出す。異常を見せるな。いつも通り歩け、歩いて見せろ。

ゆき「男くん」


ゆき「いつもありがとね」


振り返る余裕はなかった。

でも、でも、でも

男「.....ぅ」

嬉しくて、たまらなかった


だから、俺は最期まで歩けた。

男「ああぁぁあっっっっ!!!」

叫ぶ。振るう。ゾンビを殺す。

男「ぁぁっ!!」

余力も何も一切考えないで、ただぞんびを殺す。

殺す、殺すころす、ころすころすころす。

男「ぁぁァぁァッっっ!!!」

バーベルの棒、ふりまわす。アタマ、つぶす。

最期。

最期。

男「はぁ、はぁっ、はぁっ、うっ、ゔぅ」

喀血。まずい、もうちからが、はいらない。



ーーずっと誰かに愛されたかった


自分に伸びてきた手を強引に振り払う。

男「あぁぁぁあぁぁぁっっっ!!!!!」




ーーでも、それは無理だと知った。

ーーだから諦めたフリをしていた。

砕く、クダク、くだく。

ぼうで、すでで

りみったー、はずれてる?わからない。でもちからはすごくでた。




ーーだけど、やっぱりあいされたかった

ーーでもむり、ならせめて、おれはだれかのやくにたちたかった

ーーたとえあいされないとわかっていても



男「がっ、がばぁっ、ぐ、ごふっ」

めがみえない。いたくてたまらない、たくさんかまれた。おしたおされる。

ぁぁ、しぬのか



ーーいつもありがとね



男「ァぁぁぁあァアぁぁあアアっっッっッッ!!!!!」



ゆきさん


その言葉だけで、まだ頑張れます



みーくん「.....」

私は校門の前で座り込む男さんのゾンビを見ていた。

みーくん「どうして....何がしたかったんですか、男さん...」

男さんにもたらされたのは私たちでも自衛ができそうほどの銃と弾薬、そして数ヶ月は持ちそうな大量の食糧だ。

あんなに自分自身のことしか考えていなくて、私たちを性欲の対象としか見ていなかったあの人がなぜこのようなことをしたのか。私たちはまだ答えを見つけれていない。

男さんの手紙を見た時、私たちはそれほどショックを受けなかった。りーさんは、むしろ少し嬉しそうだった。

男さんの死に、ゆき先輩だけが涙を流した。

佐竹先生は男さんのことを悲しんでいた。そして、私たちに学校の地下にゾンビ化を防ぐワクチンがあることを伝えた。

悲しいすれ違い。男さんとそれなりの関係を築けていたら、男さんは死なずに済んだ。

佐倉先生はそのことを非常に悔やんでいた。


ぞんび、ころす

男ゾンビ「.....」ブン

ゾンビ「ゔゔっ」グジャッ

男ゾンビ「....」ブンブンブン

カラスゾンビ「ガァ」グジャッ

グジャッ、グジャッ

男ゾンビ「ま....も......る.....ゆり......ぴょん、ぴょん.....」

グジャッグジャッグジャッ

それから、幾つかの時が経った。


ヘリ

男ゾンビ「.....」

軍人「輸送には気をつけろ、貴重なサンプルだ。我々人類を救うことになるかもしれないんだ」

配下「はっ、了解いたしました」



軍人「しかし保護した民間人の情報通り、本当に人には手を出さないんだな...」

男ゾンビ「.....」縄グルグル

男「ごち○さが見たい、ぅぅ、心ぴょんぴょん....はっ、ここはどこだ」

医療研究室

男「どこだここ」

男「.....てか俺は誰だ。何も思い出せない」

男「ラビットハウス、心ぴょんぴょん、桜トリック、東方、咲、ほむほむ、マミる、ホノカチャン、うっ、頭が....」

男「何も....いや、思い出した、俺は百合厨だったんだ」



その後、俺は医者から元ゾンビだったということを聞いた。わけがわからないよ。

それから数日後、俺は理想郷を見つけた。



ゆき「ほらみーくん!こっちこっち!」

みーくん「待ってください先輩!」

くるみ「おー、元気だなーあいつら」

りーさん「ふふ、いいことじゃない」





男「そうか、ここにアヴァロンはあったのか...」

今、この世界にはゾンビがいるらしい。俺はそんな物騒の世界の中で、目の前の百合園を守るために頑張ろうと思った。



ー完結ー

何となくの勢いで始めたクソSSですが完結です。
さて、この後どうすればいいのだろう

ついでにめぐねえがEDにいないのは仕様です

ゆき「男くん」


ゆき「いつもありがとね」


一人だけ気づいてたのか

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