千早「私、みんなに戒名も付けたいのだけれど」 (70)

真「…へ?」

響「この感じは…嫌な感じだぞ……」

春香「ち、千早ちゃん?戒名ってあの……」

雪歩「亡くなった後に付けるものですぅ……」

千早「ええ、本来はね。だけど私、みんなと永遠に仲良くなりたいから……」

伊織「重いわよ……」

千早「ダメ…かしら?」ジーッ

亜美「出たよ…ちょーひさびさのジーッ……」

春香「ダ、ダメじゃないよ!ね、みんな?ね?ねっ?」

真美「あの目で見られたらやっぱりなんも言えないよ……」

やよい「かいみょう…ってよく分からないけど、お願いしますーっ!」

千早「ふふ…任せておいて。永遠(とわ)に安らげる戒名を考えるから」

律子「永遠に安らいで欲しいならそっとしといてほしいわ……」

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ずっと前に千早が付けたニックネーム

春香=すってんリボン
やよい=もやしちゃん
伊織=ピンク嬢
真=凛太郎
雪歩=白子(しろこ)ちゃん
貴音=月麺着陸
響=琉球アニ丸
あずさ=プルプル姉さん
律子=メカネちゃん
小鳥=雛テンパさん
真美=マミーポコ
亜美=海アーミー
美希=ねるねる寝るね

千早「それでは今回も>>2の順番で考えていきましょうか」

真美「そういえばマミーポコだったね、真美……」ヒソヒソ

律子「メカネちゃんだったわね、私……」ヒソヒソ

千早「すってんリボン。あなたからよ」

春香「よ、よろしくお願いします」

千早「春香はやっぱりリボンね。トレードマーク」

貴音「戒名…なのでは……?」

千早「相変わらずよく転ぶわ。すててん…てんてん…リボン……」

真「あ、今回もダメだ……」

千早「『転転すて転すててて転居士リボン』」

春香「えっ!?」

伊織「そうじゃないわよ…絶対違うわよ……」

春香「えっ、あの…か、戒名?」

千早「戒名」

春香「と、とわの……?」

千早「安らぎ」

美希「さすがのミキでも寝ていられないの……」

貴音「あ、あの、如月千早」

千早「何でしょう?」

貴音「こ、居士とは男性に付けるものであって、女性には大姉と……」

千早「!?…!?!?」

律子「どうせ知らないんだろうとは思ってたわよ……」

千早「…!?……!…?…!?」

響「テンパり過ぎだぞ……」

あずさ「考えていたことが根底から崩れたちゃったのね、きっと……」

千早「……」ジーッ

貴音「い、いえ、あの……」

千早「……」ジジーッ

貴音「…ささいなことです……」

雪歩「絶対『ささい』じゃないですぅ……」

千早「月麺にそう言ってもらえて、安心したわ」

小鳥「そう言えばそんな名前だったわね、貴音ちゃん……」

千早「それでは気を取り直して、次に行きましょう。もやしちゃん?」

やよい「は、はい!」

千早「期待してね?」

やよい「う、うぅ……」

響「期待できないってことが一人目で分かったぞ……」ボソボソ

千早「もやしちゃんは漢字が苦手だから、平仮名を多目にしたいわ」

律子「その前提がおかしいっての……」ヒソヒソ

伊織「つーか、余計なお世話よ……」ヒソヒソ

千早「もやしちゃん…もやしちゃんの…お墓……」

雪歩「は、はわわ……」

千早「『ここはもやしちゃんのお墓』」

やよい「えっ!?」

亜美「誰に案内してんのさ……」

春香「二人目で居士とかどうでもよくなったね……」

千早「どうかしら?みんなから愛される、もやしちゃんらしく愛らしい戒名だと思うのだけれど?」

真美「愛らしいとか必要なのかい……?」

やよい「え、えっと…うぅ……」

伊織「やよい。もう分かるでしょ?」ヒソヒソ

千早「……」

やよい「う、うっうー!とーっても可愛いかいみょうですー!」

千早「ふふ…あなたも負けないくらい可愛いわ……」

小鳥「不安しかない……」ボソッ

千早「ピンク嬢」

伊織「う、うん」

千早「何も心配はいらないわ」

貴音「説得力が皆無ですね……」ボソッ

千早「ピンク嬢はお嬢様。そうね?」

伊織「ま、まぁ……」

千早「例え入るのがお墓であったとしても、小粋な感じは忘れてほしくないわ。だから……」

あずさ「だから……?」

千早「『ピンク嬢の小部屋』」

伊織「えっ!?」

春香「いかがわしい……」ヒソヒソ

響「今回もいかがわしいぞ……」ヒソヒソ

千早「ふふ」

伊織「ぐ…ぐぐ……」

真「やよい。言ってやりな」ヒソヒソ

やよい「はい。伊織ちゃん。もう分かるでしょ?」ヒソヒソ

千早「……」ジーッ

伊織「な、なかなか洒落てるじゃない……」

真美「えらいよ、いおりん……」

千早「さぁ、気分が乗ってきたわ」

美希「乗らないでくれたら嬉しいって思うな、ミキ……」

千早「凛太郎。あなたの番よ」

真「よ、よろしく……」

千早「凛太郎はやっぱり…リズミカルな感じでいきたいわ。短めにパパパッ、って」

春香「短い方が被害は少なそうだよね」ヒソヒソ

真美「千早お姉ちゃんを甘く見すぎだよ、はるるん」ヒソヒソ

千早「凛太郎の戒名は……」

雪歩「か、戒名は……?」

千早「『居士居士くん』」

真「えっ!?」

真美「ほらね……」ボソッ

春香「ごめん……」ボソッ

真「え、えっと…ガリガリ君…みたいな?」

千早「居士居士くん」

真「居士居士くん……」

千早「アイスバーとは違うわ。大切な戒名よ」

貴音「やはり説得力が皆無です……」

真「げ、元気な感じでボクらしい…かな?あはは…はは……」

小鳥「不憫……」ボソッ

千早「どんどんいきましょう。次は白子ちゃんね」

雪歩「よ、よろしくね……」

千早「白子ちゃんは儚くて脆いイメージ…お墓が似合うわ。あっ、おかしな意味ではなくて」

響「おかしな意味しか無いぞ……」

千早「そして詩…儚くて脆い詩……」

伊織「それじゃ墓碑銘でしょうが……」ボソッ

千早「『死んで居士になった私 そしてあの日の雪、つまりあなた』」

雪歩「えっ!?」

真「ごめん、ぜんぜん分かんない……」ヒソヒソ

伊織「奇遇ね、私もよ……」ヒソヒソ

千早「メタファーよ」

律子「意味分かってないでしょ……」

雪歩「は、はうぅ……」

千早「ね?」

春香「ほとんど脅迫だよね……」

雪歩「と、とっても詩的なか、戒名?だと思いますぅ!」

千早「ふふ…詩心にも目覚めてしまったのかしら……」

響「そっちはずっと寝てておくれ……」

千早「月麺、お待たせ」

貴音「い、いえ」

真美「お姫ちん、器大きいから……」ヒソヒソ

響「今回も受け入れちゃいそう……」ヒソヒソ

千早「月麺は和風で古風なイメージね。今回のテーマである戒名との親和性が高いわ」

春香「それはちょっと分かる気がする……」

千早「だけど、あえてそのイメージを崩したいわ。ガラリ、と」

亜美「あ、お姫ちんも終わった……」ボソッ

千早「『I am 居士』」

貴音「なんと!?」

真「英語来ちゃった……」ボソッ

小鳥「よりによって貴音ちゃんのとこで……」ボソボソ

伊織「つーか、誰に自己紹介してんのよ……」ボソボソ

千早「グローバルよ。戒名も」

貴音「ぐ、ぐろーばる、でございますか……?」

千早「Yes!」

貴音「なるほど、ぐろーばるですか…あなたの意志を尊重いたします」

雪歩「さすが貴音さん…おっきいですぅ……」

千早「アニ丸」

響「う、うん!」

千早「出番よ」

響「う、うん……」

律子「手懐けられてる……」

千早「アニ丸…琉球アニ丸……」

小鳥「ボンド、ジェームス・ボンド、みたいなノリね……」

千早「うーん……」

真美「おや?千早お姉ちゃんの様子が……」ヒソヒソ

やよい「すっごい悩んでるね」ヒソヒソ

千早「うーん…そうねぇ……」ブツブツ

響「べ、別に無理に決めなくても」

千早「あ…んー……そうね。こうしましょう」ブツブツ

真「き、決まったの?」

千早「『沖縄居士』」

響「えっ!?」

春香「めんどくさくなったんだね、千早ちゃん……」ボソボソ

響「え、あの、沖縄の人はたくさんいるわけで、その」

千早「ええ、たくさんいるわ。だけど『沖縄居士』なんて付ける人はいないハズよ」

真美「『なんて』って言っちゃったよ……」ボソッ

雪歩「やっぱりめんどくさくなったんだね……」ボソボソ

千早「どうかしら?」

亜美「出たよ、どうかしら……」ヒソヒソ

あずさ「何も言えなくなっちゃうのよね……」

響「頂きます……」

貴音「心を強く持つのですよ、響……」

半分終わったのでちょっと休憩を。

千早「次は…プル姉ですね。お待たせしました」

あずさ「い、いえいえ~」

真「ボク、たまにあずささんのことプル姉って呼びそうになるんだよね」ヒソヒソ

響「実は自分も」ヒソヒソ

千早「プル姉といえば…母性…柔らかくて温かな……」

律子「間違ってはいないのよね……」

千早「『プルプル姉さんの居士院』」

あずさ「えっ!?」

伊織「こ、居士院?孤児院じゃなくて?」

千早「孤児院よ」

あずさ「あ、あの~…どういう意味かしら……」

千早「居士たちが温もりを求めて集う場所。それが居士院です」

春香「怖いから……」ボソッ

千早「亡くなってなお、プル姉の母性は人を癒し続けるのです」

律子「休ませてあげなさいよ……」

あずさ「わ、私でお役にたてるなら」

真美「優しい……」

小鳥「私も集います……」

千早「さぁ、メカネちゃんよ。『いっぱいかけて☆』メカネちゃん」

雪歩「キャッチコピーは止めてあげて……」

律子「か、覚悟はできてるわ」

亜美「りっちゃんガンバ……」

千早「メカネちゃんは…頑張っていると思うわ。とっても」

律子「あ、ありがとう」

千早「だから、お墓に入ったあとはゆっくりと休んでほしい……」

貴音「心遣いはありがたいのですが……」

千早「『居士にはかけないで下さい。絶対にかけないで下さい』」

律子「えっ!?」

真「押すなよ、絶対押すなよ、みたいな……」ヒソヒソ

春香「フリだよね……」ヒソヒソ

千早「これで大丈夫よ」

伊織「何がよ……」ボソッ

律子「」

美希「また飛んじゃったの……」ボソッ

真美「哀れだねぇ……」ボソッ

千早「ふふ。今回も喜んでもらえたみたいね。意識を失うほど」

響「いつからそんなにポジティブになったんだ……?」

千早「あと4人ね。次は雛テンパさん」

小鳥「お、お手柔らかに……」

千早「自伝のタイトルは『上半期決算』」

春香「「そんなのもあったねぇ……」ボソッ

千早「同じ路線で考えてみようと思います」

真美「ピヨちゃんしゅーりょーのお知らせ……ボソッ

千早「雛テンパさんの戒名は……」

真「……」ゴクリ

千早「『居士単独決算』」

小鳥「えっ!?」

響「単独のまま終わっちゃったのか……」

小鳥「あ、あの、私、独りで?」

千早「生涯守り抜いたんです。この時代にスゴいことです」

雪歩「誉め言葉じゃないよね、この場合……」ヒソヒソ

伊織「小鳥だからね……」ヒソヒソ

小鳥「守り抜きます…生涯……」

千早「きっと天国に行けるはずです。ふふ」

美希「どうせなら生きてるうちに幸せになりたいな、ミキ……」ボソッ

千早「マミーポコ?『一人で出来るもん!』マミーポコ?」

春香「だ、だから続けて言うのは止めて……」プルプル

雪歩「もうお腹痛いよぅ……」プルプル

真美「よ、よろしくね!」

千早「マミーポコは相も変わらずイタズラ好き。一生そのままね、きっと」

律子「人生の方向性を決められちゃったわね……」

千早「色々と迷惑をかけた人も多いハズだわ」

伊織「アンタに言われたくないわよ……」ボソッ

千早「だから戒名は……」

真「さてさて……」

千早「『もう居士だし水に流してYo!』」

真美「えっ!?」

やよい「オムツは流しちゃダメですー」

春香「ぐ…ゲホッ…グホぉ……」プルプル

雪歩「ガフぅ…ゲフぅ……」プルプル

千早「みんな分かってくれるわ。ね?」

真美「え、えっと……」チラッ

真(分かってたけど、ドンマイ真美……)

真美「あ、あははー……」チラッ

響(今回もドンマイ、真美……)

真美「そ、そっかー、みんな分かってくれるよね!あははー!」

貴音「みな分かっておりますよ、真美……」

千早「さぁ、あと二人ね」

真「残りの被害者がね……」ボソッ

亜美「あ、亜美の番だね!」

千早「そうよ海アーミー。あなたもまだまだイタズラ好きね」

響「真美とおんなじってことはないよね?」ヒソヒソ

雪歩「たぶん……」ヒソヒソ

千早「だけど、竜宮小町に入ってからは多少改善された気がするわ」

律子「そうかしら……?」

千早「元気いっぱいな海アーミー…亡くなってもきっと……」

伊織「余計な心配するんじゃないわよ……」ボソッ

千早「『居士だよー!』」

亜美「えっ!?」

美希「誰にアピってるの……?」ヒソヒソ

真美「全国の兄ちゃんと姉ちゃんだよ、きっと……」ヒソヒソ

千早「一目で海アーミーだと分かる戒名だわ」

あずさ「分かるのかしら~……」ヒソヒソ

小鳥「無理だと思います……」ヒソヒソ

亜美「そ、そだね、死んじゃっても元気いっぱいじゃないとね!」

春香「大人になったね、亜美……」

千早「さて、いよいよ最後ね」

美希「なの……」

真「美希が途中で寝ないって相当だね」ヒソヒソ

雪歩「ツッコミどころが多すぎて寝れないんだよ、きっと……」ヒソヒソ

千早「寝るねは…永遠(とわ)の眠りという言葉が似合うわ。もちろんいい意味で」

伊織「似合わない身体に生まれて良かったわ、私……」ボソッ

千早「居士になっても小悪魔なんでしょうね、きっと。でも実は寂しがりやで……」

律子「だから、居士になってからの心配はいらないっての……」ボソボソ

千早「そんな寝るねの戒名は……」

やよい「う?」

千早「『居士、一人は寂しいな……』」

美希「えっ!?」

亜美「恐いよ……」ヒソヒソ

貴音「ま、まことに……」ブルブル

美希「むー。ミキ、一人で寝れるもん!」

千早「お気に召さないかしら?それなら『居士、いま裸だよ?アハッ』という選択肢も」

雪歩「不謹慎すぎだよぅ……」ボソッ

美希「ミ、ミキ、さっきのがいい!」

千早「ふふ…やっぱり気に入ってくれたのね」

律子「もう何だっていいわ……」

『転転すて転すててて転居士リボン』すってんリボン「想像以上だったね……」

『ここはもやしちゃんのお墓』もやしちゃん「かいみょうって何なのか、よく分からなかったです……」

『ピンク嬢の小部屋』ピンク嬢「ここで学ぼうってのが間違ってるわ……」

『居士居士くん』凛太郎「珍しく伊織に同感……」

『死んで居士になった私。そしてあの日の雪、つまりあなた』白子ちゃん「こんなの絶対成仏できないよね……」

『I am 居士』月麺着陸「英語より良いのではないでしょうか……」

『沖縄居士』琉球アニ丸「自分なんてどう考えても適当だぞ……」

『プルプル姉さんの居士院』プルプル姉さん「私、ちゃんと居士さんたちに優しくできるかしら……?」

『居士にはかけないで下さい。絶対にかけないで下さい』メカネちゃん「あ、あずささんなら大丈夫ですよ!」

『居士単独決算』雛テンパさん「幸せになりたい……」

『もう居士だし水に流してYo!』マミーポコ「明日があるさ、ピヨちゃん……」

『居士だよー!』海アーミー「亜美だよー、って叫びたい……」

『居士、一人は寂しいな……』ねるねる寝るね「あふぅ……」

千早「そうそう。私の戒名は『蒼鳥院優歌麗声居士』と」

一同「おいっ!!!」


お し ま い

終わりですー
昨日某シリーズの続きを書いたら、こちらも書きたくなった次第です
楽しんで頂けたなら幸い!
それでは!

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