萩村スズ「汗かいちゃった」 (31)


津田 「エアコンない部屋の掃除はつらいなぁ」

スズ 「夏休みで、エアコン使ってる部屋もほとんどないしね……うわ、べたべたになっちゃった」

津田 「(視線反らして)前にもあったよな、こんなこと」

スズ 「そうね。えーと、会長は来るのまだかかるんだっけ」

津田 「確か。で、七条先輩は家の用事でおやすみか」

スズ 「うん。会長が来る前に着替えたいけど……」

津田 「そうだなー、オレも着替えておきたい」

スズ 「この恰好じゃ出づらいわね」

津田 「夏休み中だし、廊下で人に会う確率はほとんどないと思うよ。前みたいに箱に入らなくて大丈夫なんじゃない」

スズ 「それはそうかもしれないけど……」

津田 「…………」

スズ 「…………」

津田 「え、なに?」

スズ 「別に……」


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生徒会役員共のSSです

スズちゃんかわいい

夏コミの原稿終わったので、また書いていきますよ

今回は短いけどね スズちゃんかわいい


スズ 「また運んでもらっていい?」

津田 「まあ、いいけど……えーとじゃあ、これぐらいなら入れるかな」

ゴソゴソ

スズ 「うん、入れた。……蓋しめるとき、見ないでよね」

津田 「そんな無茶な」

スズ 「目を瞑りながら閉めればできるでしょ」

津田 「えーと……」パチ

ゴソゴソ

津田 「んー、と、これが縁かな。この反対側を……」

ムニッ

スズ 「きゃぁ!?」

津田 「え!? ご、ごめん!?」

スズ 「どこ触ってんのよ!」上履きキック

ベシッ

津田 「いだっ! ……いや、ごめんだけどさ……」

スズ 「縁をなぞればいいでしょう!」

津田 「ああそういえば……」

スズ 「まったく……」

津田 「ところでさ」

スズ 「ん?」

津田 「えーと、ど、どこ触っちゃった?」

スズ 「訊くなっ、ばかっ!」


――生徒会室

津田 「着いたよ」

ガチャ モワン

津田 「うわ、暑っ!」

スズ 「ああ、エアコン止めて出てきちゃったっけ」

津田 「さっさとつけよう。じゃあ、箱降ろすよ」

スズ 「うん」

ゴソッ パカ

スズ 「はーっ、息苦しかった。うわ、本当に暑いわね……」

津田 「結局廊下じゃ誰にも会わなかったよ」

スズ 「でも、あんたに見られることもないわけじゃない」

津田 「み、見ないよ……」

スズ 「それは小さくて視界に入らないということか!?」

津田 「言いがかりだー!」


津田 「とりあえずエアコンを」

スズ 「待って。まず空気入れ替えて、それからエアコンの方が多分いいわ」

津田 「あー、そうする? じゃあ窓開けるよ」

ガラガラ

スズ 「私もドア開けとく」

津田 「じゃあ、いまさき着替えちゃっていい?」

スズ 「いいわよ。私もエアコン効いてから着替えられるし」

津田 「それじゃ、失礼して」

バサッ

スズ 「…………」フイッ

津田 「? 別に、萩村が視線反らさなくても」

スズ 「う、うるさいわね。マナーよ、マナー」

津田 「ふーん」

スズ (……直視できるか……)


ガチャ パタパタパタ…

津田 「いやー、風に飛ばされるのかこの部屋。気を付けなきゃな……」

津田 「しかしさっき……」

津田 「…………」

津田 「どこ触っちゃったんだろ…… いや、悪気はなかった……」

津田 「柔らかかったけど……」

津田 「…………」

ガチャッ

津田 「あれ、早かったね?」

ナルコ「うん?」

津田 「横島先生。どうしたんですか」

ナルコ「どうしたもこうしたも、生徒会活動するなら顧問も一応監督的な?」

津田 「えっ」

津田 (真面目に先生っぽいことやってる)


ナルコ「っていうか、どうしたってこっちの台詞よ? どうしたの、上裸で」

津田 「ああ、着替えの途中でして……」

ナルコ「ふーん……」

ジロジロ

津田 「あの……?」

ナルコ「…………」

津田 「先生、目が怖いんですが……」

ナルコ「いやぁね、そんなことないわよ」

津田 (ないことないだろ……そうだ、濡れててもいいからシャツを着て……)

カチッ

津田 「閉めた!? 鍵閉めましたか!?」

ナルコ「え、だって……そんな若々しい肌見せつけられたら……」ハァハァ

津田 「わ、ちょっ……よ、寄らないでください! 息を荒げるな!」

ナルコ「そろそろいいわよね、わりと津田には我慢してたけど、っていうかこんな据え膳放っておけるかぁ!」

津田 「う、うわああああああ!」


カチッ ガチャッ

スズ 「何しとるかぁあああ!」

津田 「萩村!」

ナルコ「チッ、鍵持ってたか」

スズ 「普通に考えて問題でしょう、横島先生!」

ナルコ「やぁね、ちょっとスキンシップ、ハカろうとしただけよ」

ナルコ「まあ、ついでにハカっちゃうかもしれないけど、けっけっけ」

津田スズ「「えぇ……」」

津田スズ((っていうか先生がバージンなわけないけど、それを言ったら負けな気がする……))

ナルコ「ツッコミなさいよ」

津田 「嫌ですよ!」

ナルコ「じゃあこっちに突っ込んでぇ」くぱぁ

スズ 「服の上からでもするな! 生々しいわ!」


スズ 「とにかく、津田には変なことさせませんからね」

ナルコ「へーい。あーあ、正妻が来たなら今日はあきらめるか」

スズ 「せっ!?」

津田 「へ?」

ナルコ「え、あれ? 違った? あ、天草の方か」

スズ 「そっ……いやっ……ど、どっちも違います!」

ナルコ「えっ、じゃあ七条か」

スズ 「そういうんじゃないですから!」

ナルコ「えーっ、てっきり誰かとは突き合ってるとばっかり……」

津田 「付き合ってませんし、先生の意味の方もありませんよ」

ナルコ「じゃあなに、津田って童貞?」

スズ 「ぶっ」

津田 「……余計なお世話です」

ナルコ「へーっ、あれだけ女子に囲まれてねぇ。じゃあ俄然ヤる気でるわ」

津田 「ださなくていいです!」


ナルコ「あーあ、つまみ食いもできないしさー。職員室戻るわー」

津田 「好き放題やってそれですか」

ナルコ「帰る時に顔出してくれよ。津田一人だけで」

スズ 「全員で顔だします」

ナルコ「ちぇ。じゃ、あとよろしくー」

パタン

津田 「…………」

スズ 「…………」

津田 「なにしに来たんだ」

スズ 「さぁ……」

津田 「…………」

スズ 「はい、シャツ」

津田 「あ、うん、ありがとう」


バサッ

津田 「やっと着替えられた~」

スズ 「じゃあ、次私ね」

津田 「うん、外でてる」

パタン

スズ 「…………」

スズ 「……正妻ってねぇ……」

スズ 「…………」

スズ 「……ふふっ、先生もなに言ってるんだかねぇ」

スズ 「…………」

スズ 「えへへ」

ブーーーン…

スズ 「ん?」

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廊下

津田 「廊下でもちょっと汗ばむなぁ」

スズ 「わあああっ!」

ガツッ ゴロン ガッシャーン

津田 「うわっ、なんだ!? 萩村!」


ガチャッ

津田 「大丈夫か!?」

スズ 「つ、津田! は、蜂が!」

ブーーーン

津田 「うわっと……スズメバチじゃないみたいだな」

スズ 「ま、窓開けっぱなしにして、入ってきちゃった」

津田 「横島先生のどさくさで閉め忘れてたな……」

津田 「このファイルでいいか。よっ、とっ。出てけっ」

パシッ

ブーーー…

津田 「はー、追い出したよ萩村……」

スズ 「…………」

ギュッ

津田 「あまりシャツ掴まれると、皺になっちゃうよ」

スズ 「え…… あ、ご、ごめ……!」

ドンッ ズル

津田 「わ、ちょっ……倒れる倒れる!」

ドサッ


スズ 「…………」

津田 「…………」

スズ (お、押し倒しちゃった……)

津田 「……え、ええと……大丈夫?」

スズ 「う、うん……」

ハラリ

津田 「ていうか、萩村、服……」

スズ 「え……? わっ、きゃぁっ!?」

津田 (ブ、ブラ紐が肩から落ちて……脱げかけて……)

津田 (あ、やば)ギュッ

スズ (なんでこんな日に限ってスポブラにしなかったのよ、私!)

スズ (とりあえず、方手で抑えて…… 津田は……)

チラ

スズ (あれ……?)

スズ (目を瞑って、見ないようにはしてくれてるけど……)

スズ (頬が、紅い?)

津田 「…………」

スズ 「…………」


スズ 「…………」

津田 「萩村、そろそろ大丈夫……?」

スズ 「…………」

津田 「おーい?」

スズ 「…………」ドキドキ

スズ (津田の上に、座っちゃってる)

スズ (身体を前に倒すと……覆いかぶさっちゃう)

津田 「萩村ー?」

スズ (そういえば前にも、こんなこと……)

スズ (私の自宅で、お母さんに見られて)

スズ (……あの時は、津田のことなんか)

スズ (好き、とも思ってなかったのに)

津田 「…………」

スズ (津田が、目を瞑っている……)

ググ

スズ (目、開けないよね……?)

スズ (顔がこんなに近い……)

スズ (息が私の顔にかかるくらいに)

スズ (あ、髪の毛、顔に落ちそう)

スズ (……しちゃうの? このまま、一方的に……)

スズ (でも、それくらいの方が……)


津田 「…………萩村……?」

スズ 「ひゅぃっ!?」ビクッ

スズ 「え、嘘、なんで目、開けて!」

津田 「いや、あれだけ返答なかったから、つい……」

スズ 「あああああ!」

津田 「その、いまのって……」

スズ 「なしなしなーし! なんもない! なんでもない!!」

津田 「ええと……」

スズ 「忘れてー! 忘れろー!」

津田 「萩村」

ギュッ

スズ 「わっ!?」

スズ (腕、掴まれた……)

津田 (なんか掴んじゃった……)

津田 「…………」

スズ 「…………」

津田 「あの……」

スズ 「……うん」

津田 「オ」

ビュゥォォォ!  バサバサッ

津田 「…………」

スズ 「…………」

津田 「お、オレのシャツー!」

スズ 「私のブラウスー!」


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校庭

シノ 「いやぁ、割と遅くなってしまったな」

シノ 「津田と萩村はしっかりやってくれているだろうか」

シノ 「まあ、あの2人だ、心配あるまい」

ヒュゥゥゥ バサッ

シノ 「む? ブラウス? こっちにはシャツが……」

津田 「会長ーーー」

シノ 「お? 遠くから声が」

スズ 「かいちょーーう!」

シノ 「あの窓は、生徒会室か。津田と、はぎむ……」

シノ 「…………」


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生徒会室

prrrrrr prrrrrrr

ピッ

津田 「あっ、会長。すいませんでした、大声で」

シノ 『それはいいが……』

津田 「風に服が飛ばされちゃいまして。ちょうど会長が下に」

シノ 『ブラウスは萩村ので、シャツは津田のか?』

津田 「ええ、お願いできますか」

シノ 『うむ、届けよう』

津田 「すいません、助かります」

シノ 『それとな』

津田 「はい」

シノ 『ふたりきりの生徒会室で、萩村が半裸で、津田のシャツがこんなにも汗だくになっているとは』

津田 「…………」

シノ 『どういうことか説明してもらおう(怒)』

津田スズ「「」」



会長を納得させるのに、2時間かかりました。







どっとはらい

以上です。
これぐらいの方が書きやすくていいですね。それにしても短めですが。
ではまた、次の役員共で。

週末、コミケ来る人は楽しもう。

読み直して、なんかおかしいと思ったーー!
>>6>>7の間に以下が入ります……



スズ 「あれ、そういえば」

津田 「え、なに?」

スズ 「いや、この部屋、窓開けておくと」

ビュゥォォォ!  バサバサッ

スズ 「…………」

津田 「…………」

スズ 「強い風が入り込んで、服とかさらわれることある、から……」

津田 「先に言ってぇぇ!!」

スズ 「ご、ごめんごめん。取ってくるわ」

津田 「いやまあ……いいよ」

スズ 「いいわよ、教えそびれたんだし」

津田 「でも」

スズ 「飛ばされたの着替える方でしょ。さすがに上半身裸で取りに行くのは問題だし」

スズ 「いまさら汗吸ったシャツ着直したい?」

津田 「オレは気にしないけど……まあ、そこまで言うなら、頼むよ」

スズ 「ええと、どこらへんに落ちた?」

津田 「あ、あの窓下の生け垣かな。地面には落ちてなさそう」

スズ 「わかった、ちょっと待ってて」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年08月11日 (火) 18:02:02   ID: M20K9beG

あぁ^~

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