八幡「やはり俺たちのがっこうぐらしは間違っている」 (99)

注意
・俺ガイルとがっこうぐらし!のクロス
・原作と異なる展開あり
・八幡たちは3年生に進級後という設定
・がっこうぐらし!のネタバレあり

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【部室】

結衣「やっはろー!」

八幡「おう」

雪乃「おはよう由比ヶ浜さん」

結衣「今日の朝ごはんはクッキーかぁ」

雪乃「ええそうよ。昨日、私と由比ヶ浜さんで作ったクッキーの余りよ」

結衣「えへへへ…いっただっきまーす!」

~~~

結衣「ごちそうさまでした!」

八幡「ごちそうさん」

雪乃「ごちそうさま」

結衣「それじゃ!教室いこっか!」

八幡「別々でな」

結衣「ダメ!一緒に来る!」グイッ

八幡「おい!痛い痛い!引っ張るな!」

結衣「ゆきのんもね!途中まで!」ギュッ

雪乃「フフフ、わかってるわ」

結衣「エヘヘヘ、学校楽しい!」

【教室】

結衣「あっと言う間に放課後になっちゃったね」

結衣「あれ、隼人くんと戸部っちは?」

結衣「あ、そっか。もうサッカー部の練習に行ったんだ~大変だな~」

結衣「じゃあ、あたしも部活行かないと…ってあれ、ヒッキーいないし!?」

結衣「全くもう!声くらいかけてよね!」

結衣「え、なに優美子?相談?うんわかった、それじゃ一緒に部室に…」

結衣「ちょっと待って優美子…あれ?廊下にいるの…ちょ、何でサブレが!?」

結衣「優美子、姫菜!ごめん!サブレ追いかけてくるね!」

結衣「もう!サブレったら!」

【屋上】

八幡「お、だいぶ育ってるな。俺が作った豆」

雪乃「あら良く育ってるじゃない。納豆でも作る気かしら?」

八幡「目が腐ってると言いたいだけだろお前」

雪乃「目だけでなく根性もね」

八幡「ほっとけ。それよりお前の作った物はどうなんだ」

雪乃「私の作った大根はなかなかの出来よ…ほら」ススッ

八幡「おお、でけぇな。屋上の家庭菜園でよくこれだけの物を作ったな」

雪乃「フフフ」ニコッ

八幡「ん?そのニンジンもか」

雪乃「いえ、これは由比ヶ浜さんが担当してる場所で取れた物よ」

八幡「ほう。あいつも随分、野菜作りに慣れたな」

雪乃「ええ…そうね」

雪乃「……」

八幡「……」

雪乃「ねぇ、どうしてこの世界は比企谷くんだらけになってしまったのかしら」

八幡「俺は分身した覚えはねぇし、クローンを生み出した覚えも無い」

雪乃「比企谷菌がここまで恐ろしい物だとは思わなかったわ」

八幡「俺はTウイルスじゃねぇよ。それと菌言うな」

雪乃「比企谷くんがあんなに沢山…頭が痛くなるわ…」

八幡「うっせ」

八幡「でもまあ…確かにあれはシャレにならん事体だわな」

ウゥゥゥ……ァァァ……

雪乃「……」

八幡「……」

ガリガリ、ガリガリ

雪乃「扉から音がするわ」

八幡「どうせアイツだろ」テクテク

ガチャッ

結衣「あ、ヒッキー!」

サブレ「きゃんきゃん!」

八幡「またサブレが暴走してんのか」

結衣「あ、せっかく追い詰めたのに!待ってよサブレ!」

八幡「去年からまるで成長していない。二つの意味で」

結衣「あーもう!うっさいし!ってか嫌味言ってないで一緒に捕まえてよ!」

サブレ「きゃんきゃん!」ダダッ

雪乃「っ…」ビクッ

結衣「ゆきのん!サブレ捕まえて!」

雪乃「え?え?」

サブレ「きゃんきゃん!」ダダッ

八幡「雪ノ下、両手を広げて捕まえろ!」

雪乃「は?え…ぁ…なんで…」ガクガク

サブレ「きゃん!」シュバッ

雪乃「いや…!」

ドサッ

雪乃「きゃっ!!」

結衣「ナイスキャッチゆきのん!」

八幡「捕まえたというより、突撃されて押し倒されたという感じだな」

サブレ「きゃんきゃん!」ペロペロ

雪乃「」

八幡「おいおいしっかりしろ…」

【部室】

結衣「それじゃサブレの体を洗ってくるね!」ダダッ

八幡「おう」

雪乃「行ってらっしゃい」

ガララッ

雪乃「はぁぁ…全く、犬が苦手なのは知ってるでしょ?」

八幡「仕方ねぇだろ。気付いた時にはサブレは走り出してたしよ…」

八幡「……それに、『健全な犬』一匹にオドオドしてんじゃねぇよ。この世界で」

雪乃「……分かってるわよ」

八幡「……」

雪乃「……本当、恐ろしい世の中になったわね。外に出るのも億劫だわ」ブルッ

雪乃「……」ガクガク

八幡「……」

八幡「まあ…何だ。いずれ、カマクラも見つけにいかんとな」

雪乃「……っ」ガタッ

雪乃「そうね。絶対に見つけないといけないわね。ええ、あんなに可愛らしい生き物をこんな危ない世界で野放しにする訳にもいかないわ。いつか必ず捜索に向かいましょう。そうよ、一部の人間や犬だけが無事で良い訳無いもの、絶対必ず見つけましょう」

八幡「少し落ち着け」

~~~

結衣「やっはろー!サブレの体を拭いてきたよ!」ガララッ

雪乃「おかえり」

八幡「さて、そろそろ夕食の準備でもするか」

雪乃「そうね、今日は野菜炒めにしましょう」

結衣「はぁぁ!?」

雪乃・八幡「っ!?」

結衣「ちょっと!!二人ともありえないし!!」

八幡「な、なんだよ由比ヶ浜…野菜炒めじゃ不満かよ」

雪乃「由比ヶ浜さん、私たち最近レトルト食品が多かったでしょ?せっかく野菜も取れたのだし、たまにはしっかりとした物も作って栄養を…」

結衣「そっちじゃないし!」

結衣「ほら!優美子が奉仕部に相談に来たんだよ!」

八幡「……」

雪乃「……」

結衣「優美子だいじょうぶ?よしよし」

結衣「あのね、優美子なんだけど…やっぱり隼人くんの事、忘れられないんだって」

結衣「だから、もう一度頑張りたいってさ」

結衣「ん?なに優美子…」

結衣「……ううん、迷惑なんかじゃないよ」

結衣「あ、待ってよ!」

結衣「もう!二人とも優美子を無視して夕食の話なんかしてるせいだよ!?」

結衣「待って優美子!ちゃんと二人を説得するから」

結衣「しっかりしてよ二人とも!見て分かるでしょ?あの優美子がこんなに悩んでるだよ?ちゃんと相談に乗らないと!」

雪乃・八幡「……」

八幡「す、すまん」

雪乃「ごめんなさい。以後、気をつけるわ…」

結衣「全く…それで、どうしようか?」

雪乃「どうって…そうね、難しい問題ね。既に返事をもらってる訳だし。すぐに良い案が思いつきそうに無いわ」

八幡「……由比ヶ浜、お前はどうなんだ?」

結衣「え、あたし?えーっと……」

結衣「……………………」

結衣「……」ジーッ

八幡「なぜ俺を見る」

結衣「じゃ、じゃあ…こういうのはどうかな?」

結衣「めげずに何度も何度も、想いを訴える!」

結衣「好きですって!諦められません!付き合ってくださいって!」

八幡(だからなぜ俺を見る!?)ドキッ

雪乃「何度も何度も…そう…」ジッ

八幡「何でお前までこっちを見る」ドキッ

雪乃「……」ジッ

八幡「ぅぅ…おい何だよマジで…」タジッ

雪乃「諦めない心、確かに大事ね」コクリッ

雪乃「シンプルに、愚直に、真っ直ぐに突き進むのも一つの手ね」

八幡「……確かに大事だが、どうしようもない事もある」

結衣・雪乃「……」

八幡「なあ雪ノ下、外を見てみろよ」

雪乃「っ…」

八幡「な?」

雪乃「……」

結衣「?」キョトン

八幡「手遅れだったりする事もあれば、どうにもならない事も、世の中には幾らでもある」

八幡「だから…三浦。もうアイツの事は諦めろ。葉山は運命の人ではない。ただの友達なんだ。お前にはもっと相応しい奴がいるハズだ」

結衣「……!」

結衣「ゆ、優美子落ち着いて!」

結衣「もう!ヒッキーはもうちょっとビブラートに包んで言えないの?」

八幡「オブラートだアホ」

結衣「アホ言うなし!」

雪乃「……比企谷くん。たしかに、どうにもならない事はあるわ」

雪乃「でもね…」

八幡「何だよ」

雪乃「もう一度、カマクラを見たいでしょ?」

八幡「……おまえがただネコと戯れたいだけだろ」

結衣「ん?カマクラはヒッキーが家に帰れば会えるじゃん…」

八幡「……」

雪乃「比企谷くん、まだ私たち外の探索を」

八幡「今その話をするな」

雪乃「…っ、ごめんなさい」

結衣「何言ってるのヒッキー、ゆきのん?」

八幡「それに……」

八幡「……」プルプル

結衣「ヒッキー?」

結衣「ヒッキー…顔色、悪いよ?」

雪乃「比企谷…くん…」

八幡「あ…ぁぁ…」ガクガク

バタッ

結衣「ヒッキー!?」

雪乃「比企谷くん!!」

八幡「」

~~~

八幡「……っ」パチッ

結衣「あ、起きた!大丈夫ヒッキー!?」

八幡「あ…ああ」

雪乃「全く…急に気絶しないで頂戴」

八幡「わるい」

雪乃「その…私も…ゴメンなさい。配慮が足らなかったわ」

八幡「……別に気にしてない」

結衣「優美子ごめんね?今日はヒッキー体調悪いから、また明日でも良いかな?」

結衣「うん、ごめんね」

八幡「……」

結衣「ヒッキー!」

八幡「あ?」

結衣「あ?じゃないよ!優美子も今日は体調悪いのにごめんって言ってるじゃん!無視してないで返事しなよ」

八幡「あ…ああ。気にすんな…」

結衣「もう…あ、そうだ優美子、これから奉仕部で夕食作るけど、食べてく?」

結衣「うん…うん、そっか!」

結衣「ゆきのん!ヒッキー!今日は優美子も良いよね?」

八幡「あ、ああ」

雪乃「ええ、構わないわ」

結衣「やったー!!楽しみだな~」

八幡「ただし、お前は作るなよ」

結衣「はぁぁ!?あのねヒッキー!あたしクッキー作るのだいぶ上手くなったの知ってるでしょ!?もう心配要らないよ!」

雪乃「クッキーは問題ないけど、野菜炒めは嫌な予感しかしないから却下よ」

結衣「そ、そんな~」

雪乃「フフフ、冗談よ。また一から教えるから、手伝ってもらうわ」

結衣「やったー!ゆきのん大好き!」ギュッ

八幡「ちゃんと指導しろよな、じゃないと死ぬぞ」

結衣「ヒッキー酷いし!?」

結衣「野菜炒め楽しみだな~」

雪乃「フフフ、そうね」

結衣「あ、せっかくだし優美子も手伝ってよね!」

結衣「大丈夫大丈夫!あたしも野菜料理は初めてだから!それにゆきのんが教えてくれるから問題ないよ」

結衣「それにヒッキーもいるし……ヒッキー?」

八幡「……」

バイオハザードと言うゲームがある。映画化もされている

その影響もあり厨二病精神が強かった頃、マグナムやロケランぶっ放してゾンビや怪物を相手に無双する妄想をした事もあるのはここだけの話

自分はパンデミックとは無縁だと思っていた

しかし突如、謎の感染症により周囲の人間が生ける屍…ゾンビになってしまった

結衣「ヒッキー!」

八幡「な、なんだよ!」

結衣「ちゃんと手伝ってよね!」

八幡「ああ、分かってる」

外は大変危険で未だに学校から出ていない
誰が生き残って、誰が死んでしまったのか。俺と雪ノ下は完全に把握しきれていない

無論、変わり果ててしまった知り合いは数多く見かけている
その中にはかけがえの無い大切な人もいた

結衣「あ、姫菜!どうしたの…?」

結衣「え、うん…ちょっとそれは理解できないかな…ね?ヒッキーはホモじゃないよね?」

八幡「当たり前だろ。あ、でも戸塚なら心揺れる」

結衣「うわーきも…またそういう事言って…って姫菜、鼻血出てるし!?」

結衣「はいティッシュ…もう!ヒッキーのせいであたしのティッシュ減っちゃったじゃん!」

雪乃「……」

八幡「……」

そのティッシュは、真っ赤に染まる事なく真っ白のままだ

結衣「もう!姫菜の前では言葉に気をつけてよね!」

ボッチだった俺を支えてくれた、かけがえの無い人達が変わり果ててしまった

もし奉仕部という存在がなければ、俺はとっくに取り返しのつかないレベルまで心が壊れていた

だからこそ俺は

結衣「大丈夫?もう…あ、そうだ!今日は奉仕部で野菜炒め作るんだけど食べてく?え、本当?やったー!」

八幡「……」

雪乃「……まあ、良いんじゃないのかしら?減る物でもないし」

八幡「ああ、そうだな。減るモンでもないしな」

俺は彼女達を守り支えたい
かけがえのない本物だからだ

今日は以上です
原作は一応5巻まで見ました

ただアニメの事も考慮して、ネタバレの度合いを見計らって更新していきます
どういう話にするか、またどう閉めるか明確には決まってないけど、とりあえず考えてきます

感想コメありがと
ちょっとアンケとります

※ みーくん役は誰が良い?

①外見的な意味で戸塚
②後輩的な意味でいろはす
③髪色的な意味で川崎

キャラによって展開を変えてきます
期限は明日の夜7時まで

アンケありがとう
みーくん役はガチで悩んだので助かりました

集計した結果、②が一番多かったのでいろはすで

ゾンビに怯えまくるサキサキ、ラケットで無双する戸塚とか少し考えてたけど、いろはすの考えてなかった…

いまから展開を考えてきます

注意書きにも書いたけど、似た展開や逆に全然違う展開もあるかも
アニメの進行具合(ネタバレ)を見計らいつつ更新します

>>1
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注意
・俺ガイルとがっこうぐらし!のクロス
・原作と異なる展開あり
・八幡たちは3年生に進級後という設定
・がっこうぐらし!のネタバレあり

・残酷な描写あり

~調理後~

雪乃「由比ヶ浜さん、美味しくできてるわね」

結衣「うん!おいしい!ゆきのんのおかげだね!」モグモグ

八幡「ああ、おいしいな」パクパク

八幡「……」チラッ

部室には7つのイスが並んでいる

俺と雪ノ下と由比ヶ浜の3つに、誰も座っていないイスが4つ並んでいる
そして料理が盛り付けられていない皿が4つ

結衣「優美子、姫菜、美味しい?」

結衣「そっか!よかったよかった!」

結衣「やっぱ気合いれて作った料理は格別だよね!料理が出来る人が二人もいて助かったよ」

雪乃「フフフ、ありがとう」

八幡「俺は対した事してねぇよ」

結衣「……」

結衣「ほらヒッキー!『二人とも』そんな事ないって言ってるよ!」

八幡「え?あ、おう…三浦と海老名さんがそう思ってくれるなら、それで良いんだが」

結衣「う~~~ん?」クビカシゲ

八幡「な、なんだよ」

結衣「ヒッキー…大丈夫?ちゃんと話聞いてた?今日のヒッキーおかしいよ?」

八幡「な、何だよ」

雪乃「っ…」ビクッ

八幡「……あ」

雪ノ下の何かに気付いた表情を見て、状況を理解する

八幡「ご、ごほん。悪いな」

八幡「…………」

八幡「平塚先生と小町が、そう言ってくれるなら作ったかいあるな」

【深夜・部室】

結衣「それじゃ、寝よっか!」

雪乃「ええ、そうね」

結衣「あ、平塚先生!さよなら!」

雪乃・八幡「……」

雪乃・八幡「さよなら」

結衣「じゃあおやすみ」

雪乃「ええ、おやすみ」

八幡「電気消すぞ」

結衣「うん……あ、ヒッキー」

八幡「ん?」

結衣「……」

結衣「そんな隅っこで…扉の前で寝ないでさ…」

結衣「あたしとゆきのんの間に来ない?」

八幡「」

結衣「えっとね…小町ちゃんからの提案なんだ…」

結衣「……」

結衣「ほ、ほら!小町ちゃんもこう言ってるしさ!小町ちゃんとヒッキーの寝る位置交換しても良いんじゃ」

八幡「……はぁぁ。あのな小町、バカな言ってるんじゃねぇよ」

さて、そろそろ予定調和の如く、雪ノ下の罵倒が始まるな
どんなに紳士的な発言をしようと、これだけはもうお決まりだ

まあ分かっていても心は抉られる物だが…しかたあるまい。さあ来るならこい雪ノ下。テメェなんか怖かねぇ!

雪乃「……」カァァ

え、何で顔赤くして下を向いているの。いつも雪ノ下さんはどこへ行ったんですか

雪乃「……」

おい、何か言えよ

結衣「…//」カァァ

いやお前も自分で言っておいて何顔を赤くしてんだよ。やめろ二人とも…勘違い…勘違いを…

八幡「……」

……まあ水族館の時の事もあるからな
安易に結論は出せないが、この事は今はあまり深く考えないようにしよう

雪乃「……と、とりあえず。今日はもう寝ましょう」カァァ

結衣「う、うん。ごめんねヒッキー」カァァ

八幡「あんま変な事言うなよ。俺だって男なんだからよ…ったく」

結衣「……」

結衣「うん、うん。また明日も頑張ってみるよ小町ちゃん」ボソボソ

結衣「その変わりさ、今日はあたしと小町ちゃんの寝る位置交換しない?」

結衣「うん、ありがと!」

結衣「えへへへ、ゆきのーん」ギュッ

雪乃「ちょ、ちょっと…暑苦しい…」

結衣「えへへ」ギュゥゥ

八幡「……」

俺への誘惑(?)の次は、百合百合タイムかよ。とんだビッチだぜ
まあ今の状況を考えるなら、そんな百合百合タイムですら癒しだな…いや、これは元々か

八幡「……寝るか」ボソッ

瞼を閉じると視界は完全に暗闇へと変わる

――
――――
―――――――

雪乃「今日はこの辺にしておきましょうか」

結衣「うん…そういえば、小町ちゃんは今日どうしたの?」

ppppp

八幡「友達と買い物だとよ」

ppppp

結衣「ふーん」

ppppp

雪乃「さっきから誰かの携帯がなってるわ」

八幡「ああ、俺だ。後でかけ直そうと思ったのに、やたらしつこい。誰だ…って平塚先生か」

八幡「もしもし」ガチャッ

『おい今ドコにいる!?』

八幡「部室です」

『雪ノ下と由比ヶ浜もか!?それなら今すぐ屋上へ行け!!』

八幡「はぁ?」

『いそげ!!』ブチッ

八幡「……??」

結衣「どうしたの?」

八幡「全員、いますぐ屋上へ行け…だと」

雪乃「何をやらかしたの?」

八幡「おい、別に俺は何もしてないぞ。それに俺だけじゃなくて3人とも屋上に来いだと」

雪乃「とんだとばっちりね…」

八幡「屋上に着いたが…まだ先生は来てないな」

結衣「っていうかここ、野菜作ってるんだね」

雪乃「今年度から、園芸部が設立されたそうよ」

八幡「へー」

結衣「え」

八幡「どうした?」

結衣「な、なにあれ」

八幡「?」チラッ

雪乃「校庭にいる生徒達が……」

グチャ…クチャクチャ…

雪乃「……え?え?」

いやあああ…!!
こっち来るな!!
助けてくれ!!

八幡「……おい。おいおいおいおい。なんだよあれ!」

ぅぅぅ…あ“あ”…

全員「……」

ドゴォォォン!!!

全員「!!?」

八幡「な、なんだ!!今の爆発音…!?」

ドゴォォン!!!

雪乃「街の建物が…あちこち燃えてるわ…」

ドゴォォン!!

結衣「なんで、どうしてこんな…」

ガチャッ

平塚「キミ達、無事か!!?」

結衣「先生!それに優美子に姫菜!?」

小町「ぜぇぜぇ…」

八幡「っ!!?小町…なんだその怪我は!?血だらけじゃねぇか!!」

小町「はぁはぁはぁ…お、お兄ちゃん…」

八幡「そんな血だらけで…海老名さんを担いで…」

平塚「すまん、小町君には無理をさせてしまった。意識があるのは私と小町君だけで…」

雪乃「平塚先生はお怪我は!?」

平塚「私に怪我は無い。ともかく三浦と海老名を一旦、横にさせる」

小町「よっと…すいません、姫菜さん。床硬いけど我慢してください」

海老名「」

三浦「」

結衣「3人とも酷い怪我…」

雪乃「保健室へ行きましょう」

平塚「ダメだ!!もう下は危険だ!!絶対に行くな!!」

結衣・雪乃「!!?」

八幡「小町、しっかりしろ。俺の肩につかまれ」

小町「う、うん…」フラフラ

八幡「おい、大丈夫k」

ドサッ

小町「」

八幡「っ!?小町!!」

姫菜・三浦「」ピク…ピク…

八幡「おい小町!しっかりしろ!」

小町「」

ドン…ドンドン!!

全員「っ!!」

ドンドンドンドン…ガシャァァン!!

平塚「っ!!扉についてるガラスが…」

ぅぅぅ…ぁぁぁ…!

平塚「くっ…そこのロッカーで侵入を防ぐぞ!!」ガシッ

ズズズズ…ゴンッ

平塚「一緒に抑えろ!!」

結衣・雪乃「は、はい」

ガンガンガン!!ガンガンガン!!

八幡「小町…」

小町「」

平塚「比企谷!お前もこっちこい!!」

八幡「小町すまん。コンクリートは硬いが少しの間…」ススッ

小町「」

小町「」ピクピク

八幡「……?」

小町「ぅ…ぁぁ…」ピクピク

八幡「小町…?」

八幡「小町…おい…なんだ…」

小町「ぅぅ…ぁ…」

ドンッ

全員「!!?」

八幡「……え」

小町「ぁ…ぁ“ぁ”…」

雪乃「小町さん…?」

結衣「小町…ちゃん?」

小町「あ“あ”…ぁ“…」

八幡「あ…あ…おい止めろ。小町」ガクガク

コツンッ

八幡(……スコップが)

平塚「比企谷!!逃げろ!!」

八幡「」ガシッ

八幡「……っ!」

ゴスッ

八幡「……」

小町「…ぅ…ぁ…」ガクガク

小町「」

八幡「……」

八幡「あ…ぁ…ああ…」

八幡「小町…すまん…」

小町「」

八幡「頼む、目を覚ましてくれ」

小町「」

八幡「あ…あ、ああああ…ああああ」ガクガク

平塚「……」

雪乃「そ、そんな…」

結衣「嘘でしょ…」

三浦「ぅぅ…ぁ…」

姫菜「ぐぅぅ…ぁぁ…」

平塚「……!!三浦と海老名が…」

雪乃「まさかあの二人も…」

結衣「え、なに。今度はなに」

姫菜・三浦「ぅぅ…ぁ”ぁ”…」フラフラ

平塚「っ!!おい待て二人とも!!正気に戻れ!!」

姫菜・三浦「ぐぅぅ…あ“あ”…」

結衣「う、嘘でしょ…止めてよ…二人とも…」

八幡「小町…小町…ああ、俺は…あ、ああ…」ガクガク

八幡「あ、ああ…あああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

―――――――
――――
――

八幡「……っ!!!」バッ

八幡「はぁはぁはぁ…」

鼓動が異様など音を立て、体中からすごい量の汗が吹き出ている

八幡「またこの夢かよ…」

パンデミックが起きたあの日
生きたいという本能で、衝動的に、変わり果てた最愛の妹を

自らの手で始末してしまった

【屋上】

八幡「……」

雪乃「比企谷くん…」

八幡「っ!なんだお前か。どうした」

雪乃「こんな夜中に…私たちを部室において、出て行かないで」ブルッ

雪ノ下は両手で自分を抱きしめるように、肩をつかみ震えていた

八幡「悪い」

今はバリケードがあるとは言え、やはり夜は女子だけと言うのは精神的に堪えるのだろう

雪乃「……小町さんのお墓参り、かしら」

八幡「ああ。まあいつもしてるけど」

八幡「嫌な夢見ちまってな。なんとなくここに来たくなって」

雪乃「……」

八幡「さて、帰るか」

雪乃「あの」

雪ノ下の側を横切ると、彼女は小町の墓を見つめたまま俺に問いかける

八幡「ん?」

雪乃「……あの時は、ありがとう」

八幡「……」

――回想・屋上にて

八幡「小町…小町…ぁぁ…小町…」ガクガク

ドンドンドン!!

あ“あ”あ“…ぅぅ…ぁ”ぁ“…

平塚「比企谷!!」

雪乃「比企谷くん…助けて…」

結衣「い、いや!止めていやああ!!」

八幡「」ビクッ

3人の声が心に響いた。絶望の淵から意識を覚醒させる

八幡「…っ」クルッ

姫菜・三浦「ぅぅ…ぉぉ…」

先ほどまで被害者だった同級生は、この短時間で変わり果ててしまい、扉を抑えている彼女達へと両手を伸ばしながら向かう

八幡「……………」

八幡「先生…雪ノ下…由比ヶ浜…」ググッ

悲観してる場合じゃなかった、迷ってる場合でもなかった
皮肉にも目まぐるしく変わる非常事態が逆に、自身の自我を保つ事に繋がった

八幡「くっ…!」ブンッ

ゴシャッ!ゴシャッ!

ドサッ

姫菜・三浦「……」ピクピク

八幡「ぜぇ…ぜぇ…」

まだ動いてる。どどめにもう一発

ゴスッ、ゴスッ

八幡「ぜぇぜぇ……」

雪乃「ありがとう…比企谷くん…」

平塚「助かった…」

姫菜・三浦「」

雪乃「三浦さん…海老名さん…」

平塚「……」

小町「」

雪乃「小町さん…」グス

雪乃「くっ…」ボロボロ

八幡「……」プルプル

カランッ

俺はその場でスコップを力なく落とす。体中の震えが止まらない

結衣「いや…いや…」

結衣「なんで、どうして」ボロボロ

結衣「いや…いやああああああぁぁぁ!!!!」

――――

雪乃「あの場で助けて貰わなかったら…私たちは今頃、ゾンビになっていたわ」

雪乃「だから…ありがとう」

八幡「……」

雪乃「それと…いつも見回りしてくれて助かってるわ。ありがとう」

八幡「んだよ急に…調子狂うから止めろ」

八幡「……」

八幡「……感謝してるのは俺のほうだ」

雪乃「……」

コイツらがいなかったら俺は確実に壊れていた。それこそ取り返しが付かないレベルで

八幡「……んじゃ、帰るか」

雪乃「待って」

八幡「?」

雪乃「もう一人、忘れてない?」

八幡「あ…そうだった」クルッ

危ない危ない
トラウマと小町への愛で頭が一杯だったからつい…

どうか怒らないでくれ

八幡・雪乃「………」

小町の隣にある墓の前で並び、俺と雪ノ下は黙祷する

ガチャッ

八幡・雪乃「っ!!」

結衣「ゆきのん、ヒッキー…ここで何してるの?」

八幡「あ、えと…夜散歩」

結衣「ゆきのんと?」

雪乃「わ、私は…その…比企谷君が身勝手な行動を取ってないか気になって…」

結衣「……」ジーッ

雪乃「えと…ぅぅ…」タジッ

結衣「むーーーーっ」プクッ

八幡「なにキレてんだよ」

結衣「別に!もう…せっかく良い事思いついたのに」プンプン

雪乃「なに?」

結衣「えーっとね」

ふて腐れといて、結局教えるのかよ

結衣「明日さ、三人で遊びに行こうよ!」

雪乃「あ、遊ぶ?」

結衣「うん!学校の外に出てさ!」

八幡「ダメだ……学校の外には出てはいけない事になってるだろ」

学校から出てはならない
この一見すると、メチャクチャな規則、筋の通ってない決まりが、今の奉仕部のルールに付け加えられている

そしてどういう訳か、由比ヶ浜はそれを納得してしまっている

結衣「うん。だから部活動の一環としてさ」

結衣「校外活動として外に出るなら、それは例外だと思うんだけど…どうかな?」

八幡「……校外活動」

雪乃「それは具体的に、何を目的とした校外活動なのかしら」

結衣「え、えと…あ、あれだよ!親睦会的なノリ?みたいな?」

八幡「なんだよそれ……ようは外で遊びたい口実じゃねぇかよ」

雪乃「そもそも親睦会なら部室でも出来るでしょ…」

結衣「えっと…引き篭ってばかりじゃなくてさ!『校外活動』を通して部活動の幅を広げるのも良いというか…」

雪乃「言ってる事がメチャクチャね…」

八幡「でもまあ。外の探索もそろそろしないとな」

雪乃「……確かにそうね」

結衣「でしょでしょ!?だから…行こうよ!明日みんなで外に!」

八幡「ああ」

結衣「えへへへ、楽しみ~」

雪乃「フフフ、そうね」

結衣「でも意外だな~、ヒッキーならもっとしつこく渋るかと思ったのに」

雪乃「そうね。意外と物分りが良かったわね引き篭り谷くん」

八幡「うっせぇ」

【次の日・職員室】

ガララッ

結衣「失礼しまーす!」

結衣「あ、平塚先生」

結衣「今日の放課後、校外活動したいんですけど」

結衣「……………」

結衣「はい!ありがとうございます!」

結衣「え、ドコに?」

結衣「……」

結衣「ショッピングモールかな」

結衣「はい」

結衣「え、車ですか」

結衣「……えっと、なんとなく運転はヒッキーか、ゆきのんか、あたしが良いと思うんですけど…ダメですか?」

結衣「えぇぇ!?あたしは絶対ダメ!?」

【部室】

雪乃「う、運転…!?」

雪乃「そうね…でも私、免許を持っていないのだけれど」

八幡「……んじゃ俺がいく」

結衣「本当!?やったー!平塚先生もヒッキーなら任せて良いって言ってたし!」

雪乃「ちょっと、大丈夫なの?」ヒソヒソ

八幡「……多分。ゲーム感覚でやれば何とか」

雪乃「先が思いやられるわ…」

今日は以上です
次回はショッピングモール

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更新が遅れていてすいません

理由としては、掛け持ちSSを書いてる事(こっちは脳内で90%構想が出来上がってる)
それと今後の展開が悩んでいて。少しだけ書き溜めはしてるし、次回展開も何となくは浮かんでるけど…

次の本編投下までもう少し時間掛かってしまいますが、もしよければお待ちください
待たせてしまって申し訳ございません

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すいません
諸事情によりスレを落とす事にしました
理由として、最近の多忙さと掛け持ちSSにあるけど、一番の理由は先の展開が思いつかなかった事です

まだ展開が思いつけば少しづつ更新もできましたが、限界を感じました
2~3レス程度の書き溜めを投下してもしかたないので、ここで打ち切ります

本当に申し訳ございません

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年08月13日 (木) 06:25:39   ID: 8gRQ5sfQ

由比ヶ浜のキチっぷりが
良い感じだな

2 :  SS好きの774さん   2015年08月13日 (木) 16:06:29   ID: P5ErR7jY

絶対に誰かが書くと思ったwwww

3 :  SS好きの774さん   2015年08月19日 (水) 14:15:22   ID: zwzzCl6J

ゆい
きめーして

4 :  SS好きの774さん   2015年08月22日 (土) 05:07:42   ID: z0ygQ300

続き待ってる

5 :  SS好きの774さん   2015年08月22日 (土) 07:57:38   ID: NIoPYoI9

がっこうぐらしのおもんなさが如実に露見してしまったss(ssは中々良いと思う)
俺ガイルみたいな親近感をキャラに持たせるための心理描写が少なく、まどマギみたいなフワフワした作品が実はって言う感じで攻めたかったのか知らないけど、展開が読めるし本当に薄くて透けてる作品とはこの事かと

6 :  SS好きの774さん   2015年08月22日 (土) 19:09:21   ID: cCDUJ7Mb

※5
すまん、自分に読解力がないだけなのかも知れんが、言ってること矛盾してない?
ss自体は良いと評価したり、かと思えば面白なさを露見してるとか薄っぺらいとか評価してるけど結局の所、どっちなん。つまらんの?

あとまだ序盤なのに展開が見えるとかあんた凄いな

7 :  SS好きの774さん   2015年10月01日 (木) 09:26:44   ID: rlOvKJQI

平塚先生の車拝借するならアストンマーチンだな
駐車場でつっとりそう

8 :  SS好きの774さん   2015年10月03日 (土) 21:20:00   ID: 9vIHG34H

※5
そりゃ小説である俺ガイルの方が心理描写がはっきりしてるのは当たり前だろう、小説でどのような構図なのかを想像するのもそうだが、漫画やアニメで心理背景を想像するのは読み手次第。

9 :  SS好きの774さん   2015年10月04日 (日) 00:22:26   ID: otU_QGMJ

由比ヶ浜が原作の由紀と比べてキチガイすぎる。八幡に小町の妄想付き合わせるとかヤバすぎ

10 :  SS好きの774さん   2018年03月26日 (月) 16:40:46   ID: MlSrq_zA

がっこうぐらしに沿うならガハマさんは覚醒するけど今度は雪ノ下がアレになるのか…

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