【ラブライブ】凛のなつやすみ (256)

一部映画ネタもあるので未だ映画を観ていない方はご注意ください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1438935697

【#1 絵里ちゃんとスタンプ】
今日は絵里ちゃんに怒られました。
――――――――――――――――――――――――――――

ペロンッ

あれ、穂乃果ちゃんからLINEだ。


穂乃果《これ、あげる!》


何だろう?ポチ

「稲川淳二のしゃべる怪談スタンプ」

………。

穂乃果ちゃんは時々行動が読めないなぁ。


凛《ありがとにゃ!早速使ってみるにゃ!》

凛(稲川スタンプ)《あ゛~~~!!!》

穂乃果(稲川スタンプ)《あ゛~~~!!!》

凛《www》

穂乃果《www》

そういえば怪談で思い出したけど、絵里ちゃんは最近どうしてるのかな?


凛《絵里ちゃん絵里ちゃん》

絵里《どうしたの?》

凛(稲川スタンプ)《あ゛~~~!!!》


あれ、絵里ちゃんから返信来なくなったにゃ。

―――数分後

プルルルル

絵里ちゃんから電話だ……凛の予感が、この電話に出てはいけないと告げてるにゃ…。
あ、切れた。

絵里《凛、電話に出なさい》

凛(稲川スタンプ)《うわ~やだなァ~~》

絵里《凛!》

凛《嫌にゃ、絵里ちゃん絶対怒ってるにゃ!》

絵里《怒ってないわ》

凛(稲川スタンプ)《冷や汗がファ~~ツと吹き出してきた》

絵里《凛こら!》

凛《やっぱり怒ってる!》

絵里《とにかくそのスタンプ送るの止めて頂戴》

凛《?》

凛《絵里ちゃんもしかして怖いの?》

絵里《怖くないわ》

凛《……》

絵里《本当よ。さすがにこの程度は怖くないわよ》

絵里《でもね、あなたのそのスタンプ、マナーモードにしてるのに勝手に喋るのよ》

絵里《さっきも電車の中で突然携帯が奇声をあげたものだから恥ずかしい思いをしたわ》

凛《またまた、その程度じゃ凛ちっとも怖くならないよ》

絵里《いや怪談話とかじゃないのよ?》

凛《え~?》

あれ、よく見るとスタンプの説明に「iPhoneだとマナーモードでもサウンドが鳴る」
って書いてある……。


凛《絵里ちゃんって今iPhoneなの?》

絵里《そうよ?》

凛(稲川スタンプ)《あ゛~~~!!!》

絵里《今家に帰る途中なのだけど》

絵里《ちょっと貴女のお家にお邪魔しても良いかしら?》

凛(稲川スタンプ)《勘弁してくれよぉ~~》

凛(稲川スタンプ)《ごめんなさいごめんなさい》

凛(稲川スタンプ)《帰ってくれぇ~~ナンマンダブナンマンダブ》


あれ、絵里ちゃんから返信来なくなったにゃ。ちょっとやり過ぎちゃったかな…?

―――数十分後

テレビ「ソレー!ココ!マダガスカル!!」


やっぱりゴージャスさんのネタは見てて安心するなぁ。

ピンポーン

……。

ピンポーン

あ、お母さんお買い物に行ってるんだった。凛が出なきゃ。

凛「はーい!」ガチャ

絵里「待たせたわね?凛」

凛「あ゛~~~!!!」

【#1 絵里ちゃんとスタンプ:終】
――――――――――――――――――――――――――――

【#2 私の過ち】
今日はかよちんたちとお勉強しました。
――――――――――――――――――――――――――――

凛「凛はミラノ風ドリア!」

花陽「わ、私もそれで……」

店員「かしこまりました」


今日はかよちんと夏休みの宿題をしに、サイゼリヤに来ているよ。


花陽「ご飯食べたら宿題始めよっか。凛ちゃんはどのくらい進んだ?」

凛「凛はまだ何もしてないよ?」

花陽「あはは……」

―――数分後

店員「お待たせしました。こちらミラノ風ドリアお二つと」

店員「フォッカチオです」

凛「あれ?フォッカチオは頼んでないですよ?」

店員「あちらのお客様からです」

希&絵里ニヤニヤ

凛「あー!絵里ちゃん!希ちゃん!」

花陽「全然気付かなかった!」

―――席合流後

花陽「二人はいつからいたの?」

希「凛ちゃんと花陽ちゃんが入ってくる前からおったよ?」

絵里「二人とも、全然気付かないからいつ気付くかなって待っていたわ」

凛「気付いてたならすぐ言ってにゃ~」

希「ところで二人は今日はどうしたん?どっか遊び行くの?」

花陽「ううん、今日は夏休みの宿題をしようと思って」

絵里「あぁ、あったわね。そんなもの」

凛「大学は宿題ないの?」

絵里「う~ん、授業によってはあるかもしれないけど、私が履修してる授業には無いわね」

希「うちもないよ?」

凛「いいないいな~!」

凛「そうだ!今日は二人にも宿題を看てもらうにゃ!」

花陽「り、凛ちゃん。二人にも予定があるんだから……」

希「うちはええよ?」

絵里「そうね。じゃあ今日は凛と花陽のお勉強会にしましょうか」

凛「やったー!」

花陽「いいの?」

絵里「いいの。私たちも今日この後どうするかここで決めようと思ってたくらいだから」

凛・花陽「ありがとう!」

希「ん?今回は青豆かぁ」

絵里「突然何よ?希」

希「これこれ、キッズメニューの間違い探し」

花陽「あ、これ昔やったことある。まだあったんだ」

希「結構難しいよね。今回は青豆で、間違いは10個だって」


※以降の内容に、サイゼリヤのキッズメニュー間違い探し2015年5月版
 "サイゼリヤの「青豆」甘さとやわらかさのヒミツ"のネタバレを含みます。
 http://www.saizeriya.co.jp/entertainment/1505.html

絵里「へぇ。面白そうじゃない。じゃあ一番見つけた数が少なかった人が
   一番多く見つけた人にデザートおごりねっ!」

凛「えぇ~!」

希「負けへんよ~」

花陽「あった!」

絵里「早っ!」

凛「かよちん早過ぎにゃ!」

花陽「えへへ、実は最初に見たときに偶然一個見つけちゃってたんだぁ」

希「どこどこ?」

花陽「ほらここ。このにこちゃんみたいな女の子がつけてるリボンの形」

凛「さすがかよちん!」

絵里「ウフフ、これは手加減できないわね」

―――数分後

絵里「……」

希「……」

花陽「……」

凛「……」


あれ、これ難しくない……?本当に子供向けなの……?


花陽「う~ん」

絵里「見つからないわね……」

希「7、8……やっぱり!見つけた!」

絵里「うそ!?どこ?」

希「ここ。この皮に入った青豆の数」

花陽「6、7…7、8、あ、ほんとだ!」

凛「ほえ~!全然気付かなかったぁ」

絵里「これで花陽と希が1つずつ、私と凛が0ね」

凛「むむむ…あ、あった!」

絵里「え?」

凛「この船の煙!片方出てないにゃ!」

花陽「本当だ!凛ちゃんすごい!」

凛「えへへ~青豆の数が違かったから船の荷物の数が違うかどうか見てたら
  見つかったにゃ」

希「なるほどなぁ」

絵里「ぐぬぬ……」

―――数分後

絵里「うぅ…私だけ…見つけられてない」

希「ま、まぁまだ7個も残ってるし……」


凛、実はもう一個見つけちゃったけど、言うのは
絵里ちゃんが見つけてからにしたいなぁ……。


凛チラッ

花陽チラッ


あ、かよちんももう既に何か見つけてあるみたい。
よぉし、ここは……。


凛「そういえばこのお豆さんが被ってる帽子、絵里ちゃんも持ってたよね」

絵里「ん?どれ?」

凛「このヒミツ①の解説をしてるお豆さん」

絵里「あぁ、BiBiで被った帽子ね。でも色が……あ!見つけた!」

希「どれどれ?」

絵里「ほら、この豆の帽子!形が違うわ!」

花陽「本当だ!」

凛「あ~ん、凛見ていたのに全然気付かなかったにゃ~」

花陽「こういうのって、一度見逃しちゃうと見つけられなくなっちゃうよね」ニコッ

絵里「ウフフ、悪いわね、凛。これで全員1個ずつ。勝負はこれから……あ!」

希「まさか!」

絵里「このアメリカの絵、大きさが違うわ!」

凛「ほんとにゃ!」


こ、こんなに近くにあったんだ。船と帽子には気付いたのに
これは見逃してたにゃ……。


絵里「あ!」

凛「にゃ!?」

絵里「この店員さんの帽子被ってる豆、バッジの位置が違う!」

希「おぉ~!」

花陽「絵里ちゃんすごい、一気にトップに…」

絵里「最初は全然見つからなかったけど、何だか調子が出てきたみたい、ウフフ」

希「これで残りは4つやね。あ、もうえりちは少なくともビリは無くなったね」

凛「え?」

希「この後えりち以外の誰か一人が残り4つを全部見つけた場合、
  ビリは1個しか見つけられなかった人。
  誰か一人が3つ、もう一人が1つ見つけた場合、ビリは2個しか見つけられなかった人。
  誰か一人が2つ…の場合は、えりちも同率1位やからね」

凛「気が抜けなくなってきたにゃ……」

花陽「見つけた!」

絵里「え?」

花陽「この左下のお豆さん、片方はウインクしてるよ」

凛「ほんとにゃ~!」

絵里「やるわね、花陽」

希「この短時間で一気に戦局が変わったなぁ」

―――数分後

凛「う~ん、見つからないにゃ……」

絵里「残り3つよね?全然わからないわ……」

もしかしてこのタマゴが乗ってるグリーンピースの数が違うのかな……?
でもこんなに細かくてたくさんのグリーンピース、数えるのは面倒だなぁ。


希「あ、このsの文字、色が違うやん!」

凛「どれ?」

希「この左上のKIDsの……」

絵里「本当ね!どうして気付かなかったのかしら……」

花陽「これで残りは2つ……」


あれ、凛このままだとマズいんじゃ……。


希「お星様!」

凛「呼んだ?」

希「……凛ちゃんじゃなくて、これ」

花陽「あ、ヒミツの文字の星、片方無いね」

絵里「さすが希ね。こうなると文字に振ってあるルビも怪しくなってくるわね……」

―――数分後

花陽「う~ん……」

希「見つからんなぁ……」

絵里「もしかして、この"まちがいが10コあるよ"が実は間違いで、
   本当は9個なんじゃないかしら……」

希「いやいや、それならそれでやっぱり間違いは10個やん」

絵里「それもそうね……」

花陽「しかもそうなると、やっぱり"まちがいが10コあるよ"は正しいことになるね」

凛「みんなが何を言ってるのか凛、よくわからないにゃ……」

どうしよう、凛も見つけないと一人だけビリになっちゃう……。
でももし凛が見つけたら、かよちんも一緒にビリになっちゃう…。
それは嫌だなぁ。どうしたらいいの?かよちん……。


絵里「あー!」

花陽「うひゃぁ!」

希「えりち、いきなり大きい声ださんといて!」

絵里「ご、ごめんなさい。つい……でも見つけたわ。最後の一つ!」

凛「えぇ~!どこどこ?」

絵里「ほら、"ドリアにかけてもおいしいよ"の豆!片方は手が上がっているわ!」

花陽「本当だ!」

絵里「はぁ~~!長かった~~!」

希「えりちが4つ、私が3つ、花陽ちゃんが2つ、凛ちゃんが1つ」

絵里「凛、ごちそうさま」ニッコリ

凛「うぅ、負けちゃったにゃ~…」

――――――――――――――――――――――――――――

店員「ハーフアイスティラミス、お待たせしました」

絵里「冷たくておいしっ」

凛「絵里ちゃん、チョコレートケーキじゃなくて良かったの?」

絵里「どうして?冷たいもの食べたかったから。凛も一口どう?」

凛「いいの?」

絵里「はい、口開けて。あ~ん」

凛「あーん」パク

希「あー!ずるい!私も私もー!」

絵里「はいはい」

希「あーん」

絵里「ほら、花陽も」

花陽「え、えへへ。あーん」

――――――――――――――――――――――――――――

絵里「あら、もうこんな時間」

希「そろそろお開きかな」

凛「凛おトイレ~」

花陽「わ、わたしも……」

絵里「はいはい、いってらっしゃい」

――――――――――――――――――――――――――――

凛「あれ、絵里ちゃんたちは……?」

希「凛ちゃん、花陽ちゃん、こっちこっちー!」

絵里「お会計はもう済ませたわ。さ、帰りましょう」

凛「ありがとにゃ。いくらだっけ?」

絵里「いいのよ。今日は私と希のおごり」

凛「え?でも……」

花陽「さすがにそれは……」

希「遠慮しないで?私もえりちもバイトでしっかり稼いでるんだから」

絵里「たまには年上らしいこと、してみたかったのよね。それに」

絵里「二人が優しくてくれた、お礼っ」

凛「え……」

花陽「気付いてたの……?」

希「そりゃあ、ねぇ?」

絵里「私たち、あなたたちより2年もお姉さんなんだから」

凛「絵里ちゃん、希ちゃん……」

凛・花陽「ありがとう!」

――――――――――――――――――――――――――――

今日は楽しかったなぁ。それに、絵里ちゃんも希ちゃんも、
見た目はあまり変わらないけど、何かすっかり大人なオーラになってたにゃ。

そうだ、改めて御礼のLINE、しておこう!


凛《絵里ちゃん、希ちゃん、今日は楽しかったにゃ!ありがとう!》

花陽《ありがとう!時間過ぎるの、あっという間だったね》

絵里《どういたしまして。私たちも楽しかったわ》

希《偶然会うなんて、今日はツイてたね》

希(たぬきスタンプ)《good》

絵里(きつねスタンプ)《楽しかった!》

花陽(白米スタンプ)《ウフフ》


わぁ、みんな可愛いスタンプ。
よーし!凛もこの前ゲットしたブラックスワンスタンプを……。


凛(稲川スタンプ)《あ゛~~~!!!》


あああ!間違えた!

絵里《……凛?^^》

花陽《り、凛ちゃん……》

希《あはは、凛ちゃんおもろいスタンプ持っとるなぁ》

凛《違うの違うの!アヒルのスタンプ押そうとしたら、履歴から間違えて
  違うスタンプ押しちゃったの!ほんとだよ?》

絵里《まったくもうっ》

花陽《凛ちゃんったら、フフフ》

希《うち的には全然オッケーやったで!》

絵里《そういえば》

絵里《二人の宿題、結局やらなかったけど大丈夫だったの?》


………あ。

凛「あ゛~~~!!!」

【#2 私の過ち:終】
――――――――――――――――――――――――――――

【#3 真姫ちゃん】
今日は真姫ちゃんの家にお泊まりしました。
――――――――――――――――――――――――――――

ピンポーン
ガチャ

真姫「どうぞ、上がって?」

凛「お邪魔しまーす!」

花陽「お邪魔します」


今日は真姫ちゃんの家で夏休みの宿題をするよ。


花陽「それじゃあ早速……」ガサゴソ

凛「かよちんやる気だにゃー。ちょっと休憩してからでも…」

花陽「駄目だよ凛ちゃん。この前も結局宿題しないで遊んじゃったんだから」

凛「はーい……」

真姫「お待たせ。二人ともアイスティーでよかったかしら?」

凛「うん、ありがとう真姫ちゃん」

花陽「ありがとね、真姫ちゃん」

真姫「それで?二人ともどのくらい進んでるの?」

花陽「私はこれとこれが終わってて、これは途中まで」

凛「凛はまだ何もしてないにゃ」

真姫「はぁ……何というか、予想通りね」

凛「いやいや真姫ちゃん?凛は旅行に行ってて宿題ができない真姫ちゃんが
  置いてけぼりにならないようにって、あえて何も手をつけないでおいたんだよ?」

真姫「何言ってるのよ、私ももういくつか終わらせてあるわよ」

凛「う、嘘にゃ!真姫ちゃんは昨日まで旅行に行ってたはずにゃ……」

真姫「軽めのやつは向こうに持っていって、空いた時間に進めておいたのよ」

花陽「あはは、さすが真姫ちゃんだね」

凛「そんなぁ……」

真姫「凛は人の心配よりも自分の心配をしなさい」

凛「はーい……」

――――――――――――――――――――――――――――

凛「かよちんかよちん」

花陽「なぁに?凛ちゃん」

凛「aの0乗って、0だっけ?aだっけ?」

花陽「aの0乗は1だよ、凛ちゃん」

凛「そっか。さすがかよちん!」

真姫「指数は中学のときにやったでしょう……」

凛「普段使わないものは忘れちゃうにゃ」

凛「……でも、何で0乗したら1なんだろう?」

花陽「何でだろうね?そういう決まり、だから?」

凛「でもでも、a×0は0だけど、aの0乗は1なんてわかりづらいにゃ。
  何かご都合主義って言うか……」

真姫「理由……とは違うけど、覚え方というか、納得しやすい説明はあるわよ」

凛「なになに?」

真姫「そうね……例えばaの3乗をaの2乗にするには、どうすればいいかわかる?」

凛「?」

花陽「aで割る?」

真姫「そう。aの3乗はa×a×aだから、これをaで割ればa×a、つまりaの2乗になるわね」

凛「さすがかよちん!」

真姫「じゃあ凛、aの2乗をaの1乗にするにはどうしたらいい?」

凛「aで割る!」

真姫「そうね。さっきと同じようにaで割ればいい。じゃあaの0乗にするには?」

凛「あ!」

真姫「気付いたみたいね。aの1乗をaで割ればaの0乗になるけど、aの1乗、つまりaをaで割ったら」

凛「1にゃ!なるほど、だからaの0乗は1なんだね!」

花陽「へぇ~、わかりやすいね!」

真姫「そうでしょ、昔パパが教えてくれたの」

凛「真姫ちゃん先生!」

真姫「せ、先生!?」

凛「真姫ちゃん先生、他にもこういう面白い話ないの?」

花陽「私も聞きたい!真姫ちゃん先生!」

真姫「しょ、しょうがないわねぇ……」

――――――――――――――――――――――――――――

真姫「……で、差が出たときはまずは9で割ってみると……」

花陽「ほんとだ!逆になってる!」

凛「すごいにゃー!」

ガチャ

真姫母「がんばってるみたいね。ケーキ持ってきたから、少し休憩したら?」

真姫「ママ」

花陽・凛「ありがとうございます」

凛「あ、結構時間経ってたんだね」

真姫母「どう?宿題は順調?」

真姫「うん」

凛「真姫ちゃん先生のお陰で、珍しく勉強が楽しいにゃ!」

真姫「ちょ、ちょっと凛……」

真姫母「あらあら、真姫ちゃんたらお友達から先生なんて呼ばれてるの?」

真姫「ち、違うのよ!これは凛たちが勝手に……」

花陽「真姫ちゃん凄いんです。すごく解りやすく教えてくれて」

凛「学校の授業も真姫ちゃん先生にやって欲しいなー」

真姫母「あらあら、パパにも教えてあげなくちゃ。ウフフ」

真姫「止めてよね!別にそんなんじゃないんだから……」

――――――――――――――――――――――――――――

宿題も順調に進み、真姫ちゃん家のおいしいお夕飯もご馳走になり、
広いお風呂にも入った凛たちは、平和で楽しい一日を終えようとしていたにゃ。

でも、何も起きないはずがなく……。

――――――――――――――――――――――――――――

凛「次は先生の番だにゃ。ルーレット回して~」

真姫「6が出ればランクアップできるんだけど……」

ジリリリリ

……

ジリリリリ

花陽「先生、お家の電話鳴ってるよ?」

真姫「ママ、髪乾かしてて気付いてないのかしら。ちょっと出てくるわ」

――――――――――――――――――――――――――――

ガチャ

真姫『はい、西木野です』

女性『田辺ですけど』

真姫(ママの病院の看護婦長の人だ……)

女性『夜分遅くにすみませんね。先生?』

真姫『あ、はい』

女性『行くって言ってたランチの予約なんだけどね、12:30からの予約しか……」

真姫(しまった!呼ばれ慣れちゃってたから、ついはいって言っちゃった!)

真姫『あ、いえ、違います!私ママじゃ……いや、その、は、母に代わります!」

女性『あらやっぱり?何か声が若すぎると思ったのよね。ウフフ。
   じゃあお母さんに代わって頂けるかしら、真姫ちゃん先生?」

真姫『!』カアァァァ

――――――――――――――――――――――――――――

ガチャ

凛「あ、先生戻って来た」

花陽「先生の番だよ~」

真姫「……禁止」

凛「?」

花陽「禁止?」

真姫「先生禁止!」

【#3 真姫ちゃん:終】
――――――――――――――――――――――――――――

【#4 私は続けるよ!】
今日はにこちゃんの家に行きました。
――――――――――――――――――――――――――――

凛「真姫ちゃーん、見てみて!トマトのストラップがあるよー!」

真姫「恥ずかしいから大声で人の名前呼ばないでよ……」

花陽「ご飯のストラップは……無いね」シュン


今日はかよちんと真姫ちゃんと3人でゲームセンターに遊びに来ているよ。


凛「ねえ見て!このゲームの景品に3DSがある!」

花陽「ほんとだ!」

真姫「こういうのって当たらないように出来てるんじゃないの?」

凛「真姫ちゃんは夢が無いにゃー」

花陽「でも凛ちゃん、3DS持ってるよね?どうぶつの森のとき、花陽と一緒に買ったやつ」

凛「うん。でも真姫ちゃんまだ持ってないし……今度出る新しいどうぶつの森、
  興味あるって言ってたよね?」

真姫「そんなこと覚えてたの?」

花陽「凛ちゃん優しいねっ」

凛「というわけで、レッツトライ!」チャリーン

――――――――――――――――――――――――――――

凛「う~ん」

真姫「取れたは取れたけど……」

花陽「これ、Wiiのソフトみたい……」

真姫「でもすごいじゃない凛。こういうのって当たらないって思ってたのに、
   たった100円で取っちゃうなんて」

凛「えへへ~」

花陽「真姫ちゃんはWii、持ってる?私と凛ちゃんの家にはないけど……」

真姫「無いわね。ゲーム機自体持ってないもの」

凛「もったいないね……どうしよう、この"ファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラー"」

真姫「Wiiならにこちゃんが持ってたわよね」

花陽「そういえばにこちゃんのお母さんが会社のビンゴ大会で当ててきた、って喜んでたときあったね」

凛「よし!このファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラーはにこちゃんにプレゼントしよう!」

真姫「でもファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラーってみんなで遊べるの?
   パッケージ見る限り、パーティーゲームっぽくないわよ?」

花陽「Wiiって家族で遊べるゲーム機ってイメージがあるし、遊べるんじゃない?」

凛「何はともあれ、にこちゃん家で確かめるにゃ!」

――――――――――――――――――――――――――――

ピンポーン

ピンポーン

凛「にーこーちゃーん!あーそーぼー!」

ガチャ

にこ「何よ突然!ご近所様に聞こえたら恥ずかしいじゃない!」

凛「あ、やっぱり居たにゃ」

花陽「にこちゃん、こんにちは」

真姫「相変わらず元気そうね」

にこ「来るなら来るってLINEでも電話でもしなさいよね。ま、とりあえず上がんなさい」

凛「おっ邪魔しまーす!」

花陽・真姫「お邪魔します」

――――――――――――――――――――――――――――

凛「実は連絡もせず突然来たのには訳がありまして」

にこ「訳?」

凛「にこちゃんにサプライズプレゼントを持ってきたのです!」

にこ「……なんかあんたからサプライズって言葉を聞くとちょっと嫌な予感がするのは何故かしら」

凛「あー!にこちゃん酷い!そんなこと言ってもあげちゃうんだけどね!」

凛「じゃじゃーん!ファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラー!」

にこ「……?ファイナル、え、何?」

凛「ファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラーだよ、もしかしてにこちゃん知らないの?」

真姫「凛も今日まで知らなかったでしょ……」

にこ「知らないわよ!え、でもそれゲームソフトでしょ?高いんじゃないの?」

花陽「それがね、凛ちゃんゲームセンターでたった1回でゲットしちゃったの!」

凛「そうなの!でも凛たち誰もWii持ってないからファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラー
  できないし……だからWii持ってるにこちゃんにプレゼントしようと思って」

にこ「なるほどね。そういうことならありがたく頂くわ」

凛「ねえにこちゃん、せっかくだしやってみようよファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラー」

にこ「え?別にいいけど、これ皆でできるの?」

凛「知らなーい」

真姫「よく見たらここに"1人用"って書いてあるわね」

にこ「うーん、じゃあ凛が取ってきてくれたんだし、凛がやりなさいよ」

凛「凛、Wiiやったことないよ?」

にこ「実はにこもWiiあまりやってないのよね。最初から入ってたペンギン生活ってソフトしかないんだけど、
   それも上手くできなかったし」

にこ「ペンギン生活が一番上手かったのはここあだけど……」

ガチャ

ここあ「お姉ちゃーん!ただいまー!」

にこ「噂をすれば、ね」

ここあ「あれ、お姉ちゃんお客さん?って皆かー!」

花陽・凛「ここあちゃん久しぶり!」

真姫「お邪魔してるわ」

ここあ「あ!それファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラーじゃん!どうしたの?」

花陽「ここあちゃん、知ってるの?ファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラー」

ここあ「もちろん!ファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラーってのは
    ゲームキューブで出たクリスタルを求めて旅するファイナルファンタジークリスタルクロニクルシリーズの
    続編じゃなくてDSで出たファイナルファンタジークリスタルクロニクルリングオブフェイト、
    ファイナルファンタジークリスタルクロニクルエコーズオブタイムに並ぶ
    ファイナルファンタジークリスタルクロニクルシリーズの一つの作品なんだ。
    ちなみにファイナルファンタジークリスタルクロニクルリングオブフェイトは
    ファイナルファンタジークリスタルクロニクル以前の世界、
    ファイナルファンタジークリスタルクロニクルエコーズオブタイムは
    ファイナルファンタジークリスタルクロニクルより未来の世界ってことになってるの。 
    世界観から言うとファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルべアラーは
    ファイナルファンタジークリスタルクロニクルやファイナルファンタジークリスタルクロニクルリングオブフェイト、
    ファイナルファンタジークリスタルクロニクルエコーズオブタイムと同じ設定みたいなんだよね。
    ここまでで気付いたかもしれないけど、ファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラーの
    前作はファイナルファンタジークリスタルクロニクルエコーズオブタイムじゃなくて
    光と闇の姫君と世界征服の塔 ファイナルファンタジークリスタルクロニクルなんだ!」

にこ「ちょっとお姉ちゃん、ここあが何言ってんのかわかんないわ」

ここあ「ねえねえ、ファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラーやってもいい?」

にこ「いいわよ。お姉ちゃんたち見てるから」

ここあ「やったー!」

――――――――――――――――――――――――――――

シェイシェイハ!シェイハッ!!シェシェイ!ハァーッシェイ!!

にこ「ところで気になってたんだけど」

真姫「ん?」

にこ「あんたたち、何であれ、略さないでフルネームで呼んでるの?」

凛「あれ?」

にこ「ほら、ファイナルなんとか」

花陽「ファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラーのこと?」

にこ「それよそれ。というかよく噛まずにスラスラ言えるわね……」

真姫「私は……凛がフルネームで呼んでたから」

花陽「私も。そう呼ぶのが普通なのかなって」

凛「何でもかんでも省略しちゃうのは良くないって前に海未ちゃんが言ってたにゃ」

にこ「にしてもあれは長すぎでしょうよ」

凛「じゃあ何て略すの?」

にこ「……そう言われると難しいわね」

真姫「各単語の頭文字とかでいいんじゃない?」

花陽「頭文字だと……FFCCCB?」

凛「凛、英語は苦手にゃ……」

にこ「うーん、省略しても長いわね」

真姫「むしろ覚えづらくなってる」

花陽「もう呼びなれちゃってるし、ファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラーで
   いいんじゃないかな?」

ガチャ

こころ「ただいま帰りました。あれ、お客様ですか?」

にこ「あ、こころが帰ってきたわ」

こころ「皆さんでしたか。こんにちは」

花陽・凛「こころちゃん久しぶり!」

真姫「お邪魔してるわ」

こころ「……おや?ここあがやっているのはもしかしてファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラー
    ではないですか?」

凛「こころちゃん知ってるの?ファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラー」


ここあ「もちろん!ファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラーというのは
    ゲームキューブで出たクリスタルを求めて旅するファイナルファンタジークリスタルクロニクルシリーズの」

にこ「ストップストップ。こころストップ。お姉ちゃんたちそれもう聞いたから大丈夫よ?」

ここあ「そうですか。さすがお姉様です!」

――――――――――――――――――――――――――――

シェイシェイハ!シェイハッ!!シェシェイ!ハァーッシェイ!!

こころ「ファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラーの略、ですか?」

花陽「うん。色々考えたんだけど、結局ファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラーが
   一番落ち着くねって結論になって」

にこ「いやいやいや、にこはまだ落ち着いてないわ。あんたたち諦めるの早すぎでしょ」

こころ「そうは言いますけどお姉様。ファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラーの略称に関しては
    多くの方々によって議論されてきましたけど、未だ誰もが認めるぴったりなものが見つかっていないのが現状です」

凛「にこちゃん。世の中には下手に略さない方がいいものもあるってことだよ」

凛「例えば矢澤って苗字も略したらザワさん……あれ、意外としっくりくるにゃ」

にこ「こないわよ。しっくりこないわよ。大体元が3文字なんだから略さなくていいでしょ。
   それこそ海未が言ってたように何でもかんでも省略したらよくないのいい例よ」

凛「じゃあファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラーも」

にこ「それは長いから駄目」

凛「もうっ!わがままなにこちゃんだにゃ」

にこ「あれ?どうしてかしら。私がおかしいみたいになってる?」

ガチャ

にこ母「ただいま。あれ、お友達?」

虎太郎「ただいまー」

こころ「お母様たちが帰ってきました」

にこ母「あら、にこのお友達だったのね。いらっしゃい」

真姫・凛・花陽「お邪魔してます」

にこ母「……あら、ここあがやってるのってファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラーじゃない」

真姫「ご存知なんですか?ファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラー」

にこ母「もちろんよ!ファイナルファンタジークリスタルクロニクルクリスタルベアラーというのはね」

にこ「もういいわ!」

【#4 私は続けるよ!:終】
――――――――――――――――――――――――――――

今日はこの辺で。
続きは明日~明後日くらいに書きます。

【#5 凛の作戦】
今日は海未ちゃんとババ抜きをしました。
――――――――――――――――――――――――――――

今日は一人で本屋に来ているよ。

海未「………」


あ、あんなところに海未ちゃんが居る!熱心に何の本を探してるんだろう?
よーし……。

コソコソ

海未「うーん、今のところはこれが一番良さそうですかねぇ……」

凛「ウミチャーン」フゥー

海未「うひゃぁ!」

凛「なーに探してるのっ?」

海未「り、凛!いきなり何です!?」

凛「ギャンブルの極意……?」

海未「あ、いやこれは……」

凛「う、海未ちゃんがギャンブル……?」

凛「えぇーーーー!?」

――――――――――――――――――――――――――――

凛「ババ抜き?」

海未「はい。何度やっても穂乃果やことりに勝てなくて……」

凛「でも何でギャンブルの本なの?」

海未「ことりに、私は感情が表情に出すぎと言われたもので。
   一流のギャンブラーは表情が一切変わらないのでしょう?」

凛「うーん、でもそれって本を読んでどうにかなるものなのかなぁ」

海未「感情が表情に現れやすいというのは武道においても致命的です。
   ババ抜きを抜きにしても、何とか改善したいのですが……」

もしかして今のってダジャレ?でも海未ちゃんだしなぁ。
どう反応していいかわからないしとりあえず触れないでおこう……。

凛「そうだ!お面を着けてやってみたら?」

海未「お面、ですか?」

凛「そうすれば表情が相手に見えないでしょ?」

海未「なるほど!それは良い考えですね!」

凛「凛の家にトランプあるから、早速試してみよう!」

――――――――――――――――――――――――――――

凛「はい、お面」

海未「このひょっとこは、以前ビデオ撮影の時にことりが着けていたものですね。
   なつかしい……時が経つのは早いものですね」

凛「海未ちゃん?しみじみするのもいいけど、さっそく始めるよ!」

海未「は、はい」


―――数分後


凛「海未ちゃん」

海未「なんです?」

凛「ふと思ったんだけど、今の凛たちの状況を客観的に見てみると、
  すっごく不思議な気がするにゃ」

海未「そうでしょうか」

凛「そうでしょうかって、現役生徒会副会長で、かつてはラブライブで優勝も果たし、
  日舞と弓道もやる才色兼備の女子高生がひょっとこのお面着けてババ抜きしてるんだよ?」

海未「そんな、いきなり褒めないで下さい。恥ずかしいじゃないですか……」

凛「褒めてないわけじゃないけど喜ぶところなのかな」

海未「それに、お面を着けようと提案したのは凛じゃないですか」

凛「それはそうだけど……」

ガチャ

凛母「お茶とお菓子、持ってきた…わ…よ」

凛「あ」

海未「あ」

凛母「………」

凛母「ここに置いておくわね?ごゆっくりー」

バタン

凛「普段ノリがいいお母さんでも反応に困ったみたいだにゃ……」

海未「うぅ……」

―――数分後


凛「さぁ!凛がどっちを引くかで勝負が決まるよ!」

海未「今はお面を着けてますからね。ババを引く確率は純粋に2分の1です!」

凛「こっちかにゃー?」

海未「うわぁ!」

凛「……」

凛「やっぱりこっちかにゃー?」

海未「ホッ……」

凛「……」

シュッ

海未「あぁ!何故なのです!」

凛「海未ちゃん、感情が声に出てるよ……」

――――――――――――――――――――――――――――

凛「よく考えたらさ、感情が表に出ないようにしても勝率は2分の1なんだよね」

海未「ええ」

凛「そんな控えめなのは海未ちゃんらしくないにゃ。もっとこう、攻めていかないと」

海未「攻める、ですか?」

凛「今の海未ちゃんは、表情を読まれて負けてるわけでしょ?それを利用して罠をしかけるんだよ!」

海未「罠?」

凛「そうにゃ。まずは手札が最後の2枚になるまで普段通りにやるの」

海未「ふむふむ」

凛「で、最後の2枚になったときに、普段だったらババじゃない方を引かれそうになったら『うわぁ』
  みたいにするじゃない?そこを逆にするの」

凛「ババを引かれそうになったら『ホッ』ってやって、ババじゃない方を引かれそうになったら『うわぁ』ってやるの」

海未「一生懸命説明してくれるのはありがたいのですが、いちいち私の顔マネまでやる必要はありませんよ?」

海未「しかし、そうですね……。正直凛らしからぬかなり知的な戦術なのではないでしょうか!
   これはかなり上手く行く気がしますよ!」

凛「いい?海未ちゃん。この作戦の大事なところは、最後の2枚までは普段通りにやるってところだからね?」

海未「わかっています。そうやって、最後の最後でミスリードを誘発するのですね?」  

凛「よぉーし!じゃあまずは二人で練習にゃ!」

―――2時間後

海未「うわぁ」

凛「まだちょっとぎこちない気もするけど、かなり良くなったと思う!これならいけるんじゃないかにゃ?」

海未「ついに雪辱を果たす日が来たのですね……!」

――――――――――――――――――――――――――――

ピンポーン

凛「ことりちゃん!あがってあがって!」

ことり「お邪魔しま~す」

凛母「いらっしゃい。今日は賑やかね」

凛「突然ごめんねー?」

ことり「全然大丈夫。それより、私に会わせたい人って?」

凛「フッフッフッ。それは今凛の部屋にいるのです。ささ、凛の部屋へ!」

ことり「?」

――――――――――――――――――――――――――――

ことり「なんだ、海未ちゃんかぁ」

海未「な、"なんだ"って……」

ことり「あ、違うの違うの!知らない人だったらどうしようって思ってたから、
    海未ちゃんで安心しちゃって……」

海未「そういうことですか。まぁいいでしょう。今日の私はことりの知らない私なのです」

ことり「私の知らない海未ちゃん?あ、髪切った?」

海未「切ってません。そんな森田さんみたいな会話の繋ぎ方は止めてください」

凛「タモリさんのこと森田さんって普段呼びする人、初めて見たにゃ」

海未「無駄話はこれくらいにして、そろそろ始めましょうか……。勝負です、ことり!」

ことり「勝負?」

凛「ことりちゃんは海未ちゃんとこれからババ抜きをするんだよ」

ことり「え……ババ抜き……?」

ことり(ふえぇぇん!凛ちゃんどうして~?)

―――十数分後

ことり「う~ん……」

海未「さぁ、運命の瞬間です!引くのです、ことり!」

ことり(最初は何か考えがあるのかと思ったけど、いつも通りの展開だよ……)


いいよいいよ海未ちゃん!ここまでは予定通りの展開!

海未(ことりは警戒しつつもこちらの思惑には気付いていない様子……今日こそ、今日こそ
   ぎゃふんと言わせてあげますよ、ことり!)

ことり「こっちかな……?」

海未「うわぁ」

ことり「……やっぱりこっち?」

海未「ホッ」


すごいにゃ!今日一番の演技!本番に強い海未ちゃん!

海未(ことりの手がババに向かってます!いけます!引くのです!ことり!さあ!)

ことり(……)ピタッ


ことりちゃんがババを掴んだ!


海未(引きなさい!早く!さあ!)ウワァ

ことり(……修学旅行のときもニューヨークのときも、海未ちゃんが諦めるまで
    やらされたんだよなぁ)

ことり(せっかくの夏休みに一日中ババ抜きっていうのもなんだし……)

ことり(わざと負けるのは海未ちゃんを裏切るようで心が痛むけど……)

ことり(もうさっさと負けちゃおう!)

ことり「やっぱりこっち!」シュッ

凛「え」

ザワ…

海未「え」

ザワ…ヤザワ…

ことり「うわぁ!負け……ちゃ…あ?」

海未「何故……」

凛「うそ……」

ことり「えぇぇぇぇ!?」

海未「何故なのですー!!」グニャァ


こうして凛と海未ちゃんの作戦は失敗に終わったんだにゃ……。

【#5 凛の作戦:終】
――――――――――――――――――――――――――――

少ないですが寝ます。続きはまたzzz

【#6 お父さん】
穂乃果ちゃんの家のお菓子は今日も美味しかったです。
――――――――――――――――――――――――――――

凛「でもね、結局海未ちゃん負けちゃったの」

穂乃果「へぇー。中々思い通りにいかないもんだねぇ」


今日は穂乃果ちゃんのお家にお邪魔しているよ。


ガラッ

穂乃果母「はい。お茶とお菓子持ってきたわよ」

凛「ありがとうございます!穂乃果ちゃん家のお菓子美味しいから凛大好き!」

穂乃果母「フフ、ありがとう。穂乃果も見習いなさいよ?」

穂乃果「さすがに毎日は飽きるよ……」

穂乃果母「あらそう?じゃあ穂乃果はいらないわね」

穂乃果「食べないとは言ってない!」

穂乃果母「はいはい。じゃあごゆっくり」

ガラ

凛「いただきまーす!穂乃果ちゃんおやつ毎日これ出してもらえるの?羨ましいにゃ~」モグモグ

穂乃果「えぇ~……。さっきも言ったけど、どんなものでも毎日は飽きるよ?それにお店の余りものだし」モグモグ

凛「そうかにゃ~?凛、ラーメンだったら毎日食べても飽きないと思う」

穂乃果「どうかなぁ。私も前はランチパックなら飽きない!って思ったけど、最近飽きてきたしなー」

凛「えー?ランチパックって色々種類あるけど、飽きるの?」

穂乃果「いろいろ種類あっても、大体食べるのって2、3種類でローテーションになっちゃうんだよねぇ。
    コンビにも購買にもそんなに種類置いてないし」

凛「そっかぁ……そうだ、穂乃果ちゃん家の和菓子入れてみたら?このお餅みたいなお菓子とか合いそう!」

ガラッ

花陽「そういえば前に、きなこ餅が入ったランチパック出てたよね」

凛「あ、かよちん」

花陽「遅れちゃってごめんね」

穂乃果「花陽ちゃんも和菓子どうぞっ」

花陽「ありがとう!いただきます」モグモグ

花陽「この和菓子って、穂乃果ちゃんのお父さんが作ってるんだよね?」

穂乃果「そうだよー」

花陽「お菓子作れるお父さんって、素敵だね」

凛「そのお父さんって、凛たちが秋葉原で路上ライブやってたときにお店の前で踊り狂ってたって本当?すっごい笑顔で」

穂乃果「え゛。なんで凛ちゃんそれ知ってんの?」

花陽「路上ライブって、サニーのときの?それ私も聞いた」

穂乃果「ちょっと待って。何?噂になってんの?うちのお父さん」

凛「お母さんが海未ちゃんのお母さんから聞いたって言ってた」

花陽「うちもそうだよ」

穂乃果「えぇ~……何か嫌だなぁ」

凛「どうして?いいお父さんじゃん!」

花陽「そうだよ。普段は硬派な職人さんって感じの人が、そういうお茶目な面も持ってるってすごく良いと思う」

穂乃果「うーん、別にお父さんが嫌ってわけじゃなくて、何ていうか、恥ずかしくて嫌だなぁって」

凛「あと凛たちがニューヨーク行ってる間、お客さん来るたびにお豆腐屋さんみたいな笛で
  お出迎えしてたんでしょ?」

花陽「あ、私もその話聞いたよ。あのぱーぷーってやつでしょ?」

穂乃果「そんなことまで噂になってんの?もー何やってんの、うちのお父さん……」

凛「どうして?いいお父さんじゃん!」

花陽「そうだよ。踊れるだけじゃなくて楽器もできるなんてすごいよ」

穂乃果「えぇ~……楽器っちゃ楽器だけどさ~……」

凛「そういえばこの前、穂乃果ちゃんのお父さんが穂乃果ちゃんの缶バッチ全身に付けて歩いてるとこ見たよ」

花陽「それ私も見た!すっごいジャラジャラしてた!」

穂乃果「それは初耳なんだけど!?」

【#6 お父さん:終】
――――――――――――――――――――――――――――

【#7 ミスタドナ】
久しぶりにドーナツを食べました。
――――――――――――――――――――――――――――

凛「あっつーい!」

真姫「言わないで。余計暑くなるわ……」

花陽「大丈夫凛ちゃん?お水飲む?」


今日はかよちん、真姫ちゃんとお出かけしているよ。


凛「ゴクゴク……プハーッ!ありがとう、かよちん」

花陽「えへへ、どういたしまして」

真姫「そろそろお昼の時間ね。ちょっと早いけど混む前にどこかで食事にしましょ」

凛「じゃああそこのミスタードーナツにしよ?」

真姫「あら、ラーメンって言わないのね。珍しい」

凛「うーん、久しぶりにドーナツ食べたいにゃって。ラーメンの方が良かった?」

真姫「いや、ドーナツでいいわよ?」

花陽「じゃあ今日のお昼はドーナツにしよう!」

――――――――――――――――――――――――――――

真姫「あら、花陽もポンデリングにしたんだ」

花陽「もちもちしてて好きなんだぁ。お揃いだねっ」

凛「あ、海未ちゃん」

花陽「え、どこ?」

凛「それ、ニューヨークでのライブのときの海未ちゃんの髪型と一緒!」

真姫「あぁ、ポンデリングね……」

凛「二人とも、ちょっとそれ貸して~?」

花陽「?一口食べる?はい」

真姫「大体想像はつくけど……はい」

スチャッ

凛「ラブアローシュート!」

花陽「ブフッ駄目だよ凛ちゃん、海未ちゃんに悪いよ~」

真姫「……ッ……これから食べるんだから……笑わせっ……ないで……ブフッ」

海未「そうですよ凛。食べ物で遊んではならないとご両親から教わりませんでしたか?」

花陽「…………」

真姫「…………」

凛「…………」クルッ

海未「^^」

凛「あ゛~~~!!!」

――――――――――――――――――――――――――――

凛「ごめんにゃさい、ごめんにゃさい……」

海未「まったくもう……」

穂乃果「じゃあ真姫ちゃんたちはお買い物に?偶然だねぇ」

花陽「特にどこに行こうって決めてたわけじゃないけど、お洋服とか雑貨とか見てまわろうかなって」

ことり「お洋服かぁ~一緒に行きたかったなぁ~」

真姫「穂乃果たちは何しに来たの?」

海未「私たちは映画を見に来たのです」

真姫「何の映画?」

穂乃果「ターミネーターの最新作!」

凛「ウーミネーター?」

海未「……凛はまだ反省が足りないようですね」

凛「冗談にゃ冗談にゃ。ほら、凛のポンデリンちゃん一口あげるから許して?」

海未「まったくもう……しかもこれはポンデリングではなくフレンチクルーラーじゃないですか」モグモグ

真姫「へぇ、良いじゃない。実は私あのシリーズ好きで、ドラマ版も全部見たのよ?」

穂乃果「うふふーん。しかも今週は、入場者特典としてシリーズの登場人物のサイン入り色紙も貰えるんだよ!」

花陽「いいなぁ、面白そう」

ことり「花陽ちゃんたちも一緒に見る?」

花陽「いいの?」

海未「当然ですよ。私たちもまだチケット買っていませんから、6席繋がっているところを買いましょう」

――――――――――――――――――――――――――――

チケットハイケンシマース

穂乃果「ワクワクするねぇ」

海未「おや?あそこでチケットを買っているのはA-RISEの方々ではありませんか?」

花陽「あ、ほんとだ!」


店員「3名様4,500円でございます」

英玲奈「全国から集まったお金だ」ジャラジャラ


穂乃果(A-RISEも普通の映画館で映画観るんだなぁ)

店員「チケットお済みでない方どうぞー!

穂乃果「あ、はーい!」

――――――――――――――――――――――――――――

花陽「なるほど、色紙はランダムなんだね」

穂乃果「そうそう!開けるまでのお楽しみなの!」

凛「そうだ!始まるまで時間あるし、皆で順番に開けてみようよ!」

穂乃果「お、いいねぇ。じゃあ穂乃果からさっそく……」ペリペリ

――チャーリー・ディクソン "だけど、コンビニのブリトーだけじゃ人間生きていけないだろ?"――

穂乃果「……だれ?」

真姫「へぇ、ドラマ版の人物も入ってるのね」

凛「こんなドヤ顔の似顔絵描かれてても誰だかわからないにゃー」

ことり「それじゃあ次は私!」ペリペリ

――マイルズ・ダイソン "ひっひっひっ……"――

ことり「ひぃっ!」

穂乃果「怖いよ!すんごい汗かいてるよ!」

真姫「ビルを爆破するときのダイソンね。中々渋いラインナップじゃない」

海未「では次は私が」ペリペリ

――ハンターキラー "01001000 01100101 01101100 01101100 01101111"――

海未「これは……飛行機ですか?」

花陽「もう人ですらないね……」

真姫「サインも何て書いてあるかわからないわ……」

凛「次は凛の番!」ペリペリー

――キャメロン・フィリップス "あなたが決めなくても、人は死んでいく"――

凛「だから誰にゃ!」

真姫「ちょっとそれドラマ版の味方のターミネーターよ!大当たりじゃない!」

凛「えぇ~?じゃあ真姫ちゃんにあげる」

真姫「いいの!?ありがとう!」

花陽「良かったね、真姫ちゃん。じゃあ次は私……」ペリペリ

――ジョン・コナー(少年) "さっさと失せろ、ベイビー"――

花陽「あ、これ見たことある」

穂乃果「ターミネーター2だね」

真姫「最初は変なのばかりと思ってたけど、結構当たりもあるのね」

海未「さあ、最後は真姫ですよ」

凛「そろそろシュワちゃんが見たいにゃー」

真姫「待って、今開けるから……」ペリペリ

真姫(!この顔はもしかして本当にシュワちゃんのT-800!?一番の当たりじゃない!)

真姫「や、やった……」スルスル

――ジョン・メイトリクス "来いよベネット。銃なんか捨てて、かかってこい!"――

真姫「何よこれ!ターミネーターじゃなくてコマンドーじゃない!」イミワカンナイ!

花陽「ま、真姫ちゃん落ち着いて……」

穂乃果「作った人、間違えちゃったのかなぁ」

海未「ちょっと凛、真姫をなだめてください!同級生でしょう?」ヒソヒソ

凛「えぇ~?こういうときだけズルいにゃー……」ヒソヒソ

凛「……」

凛「真姫ちゃん真姫ちゃん」

真姫「何よ?」

凛「ターミネーターシリーズの色紙と言ったな、あれは嘘にゃ」キリッ

真姫「うるさい!」

【#7 ミスタドナ:終】
――――――――――――――――――――――――――――

【#8 にこにーにこちゃん】
にこちゃんはこの先の温暖化が心配みたい。
――――――――――――――――――――――――――――

凛「暑いにゃ~……」

穂乃果「暑いねぇ……」

にこ「8月でこの暑さだと12月はどうなっちゃうのよ……」

凛「12月は冬だよ?」

にこ「知ってるわよ!真顔で突っ込むんじゃないわよ!」


今、凛は穂乃果ちゃん、にこちゃんと涼める場所を探しているよ。

凛「ちょっとお高いけどもうさっきのエクセレントコーヒーでいいんじゃないかにゃあ?」

にこ「エクセルシオールね。もう2年生になったんだから少しは勉強しなさいよ」

凛「うぅ、にこちゃんに言われると何か納得いかない……」

穂乃果「ねぇ、そこのロッテリアにしようよ!今日シェーキ100円だって!」

にこ「いいわね、そこにしましょ」

――――――――――――――――――――――――――――

穂乃果「ふぁー!生き返るー!」

凛「涼しーい!」

にこ「去年練習してたときはこれくらいの暑さでも平気だったじゃない。二人ともだらけてるわねぇ」

穂乃果「にこちゃんだってさっきまで暑がってたじゃん」

にこ「私はいいのよ。それよりあんたたち、宿題ちゃんと進んでるんでしょうねぇ」

穂乃果「あー!自分は宿題無いからってそんなこと言ってー!」

凛「凛は半分以上終わったよ」

穂乃果「嘘!?凛ちゃんは仲間だと思ってたのに……」

にこ「意外ね。あんたたちは二人とも未だ何も手を付けてないもんだと思ってたわ」

凛「夏休みの初めの方でかよちんたちとやったんだ~」

穂乃果「私はまだほとんど手を付けてないよ……」

凛「そういえばにこにーにこちゃんってさぁ」

にこ「ちょっと、何よその呼び方」

凛「え?前に自分で言ってたじゃん。にこにーにこちゃん」

にこ「いや言ってたかもしれないけど……。普通に呼びなさいよ」

凛「にこにー」

にこ「に・こ!」

凛「にこちゃん、この前お家お邪魔したときもそうだったけど、もうツインテにしないの?」

穂乃果「あー私もそれ思った。髪下ろしてるにこちゃんも可愛いけど、やっぱにこちゃんって言ったら
    ツインテだったからね」

にこ「うーん、さすがに高校卒業してツインテはきついかなって思ってね」

凛「えぇ~!?にこちゃんだけは将来アラフォーになっても
  『ラブにこっ』とか言ってアイドルアイドルしるキャラだと思ってたのに~!」

穂乃果「ほんとだよ~、がっかりだよ~」

にこ「あんたたちの中でにこどんだけ痛い奴なのよ……髪下ろしてるの、変かしら?」

穂乃果「そんなことないよ?髪下ろしたにこちゃんもお人形さんみたいですっごく可愛い!」

凛「そうだよ!すっごく女の子っぽくて可愛いよ!」

にこ「何でだろ、普通に褒めてくれてるはずなのに、あんたたち二人だと何か別の意味があるんじゃないかと
   疑ってしまうわ」

穂乃果「あ、ひっどーい!」

凛「よし、じゃあにこちゃんの可愛いところをリストアップしていこう!」

にこ「え?別にいいわよ。さっきのは冗談だから、あんたたちのにこへの想いは十分伝わってるから大丈夫よ」

穂乃果「じゃあ私からね……そうだなぁ、初めての合宿のとき3年生なのに穂乃果たちと一緒になって
    お布団ごろごろして海未ちゃんに怒られてたとことか可愛かったなぁ」

凛「あー、あったあった!」

にこ「あんたよくそんなこと覚えてるわねぇ……」

凛「次は凛かぁ。えっとねー、こっそりA-RISEにお花送ってたのをツバサさんばらされちゃってたときかなー」

穂乃果「あぁ、ツバサさんに悪魔って言われてたときの」

にこ「小悪魔よこ・あ・く・ま!」

にこ「というかあんたたち、やっぱり褒める体でまたにこのこといじるつもりだったのね」

穂乃果「そんなことないのにー」

にこ「嘘つきなさいよ!ああいうのは褒めるって言わないのよ」

凛「ニコリンスキーさんは注文が多いにゃぁ……じゃあどんなのがいいの?」

にこ「あんたの場合それ素で勘違いしてそうだから突っ込みづらいわ」

にこ「もっとこう、あるでしょ?面倒見が良かったとか料理が上手かったとか」

穂乃果「そういえば料理上手で思い出したけどにこちゃんってスプーン重くて持てないんだよね」

凛「あーあったあった!そんな話」

にこ「ほんっと、どうでもいいこと覚えてんのね、あんた……」

凛「スプーンは持てないけど包丁捌きはすごいにこちゃん」

穂乃果「スプーンは持てないけどマイクは何時間でも持てるにこちゃん」

にこ「……あんたたちねぇ」

凛「マイクと言えば、穂乃果ちゃんニューヨークから持って帰ってきてたマイク、
  この前お邪魔したときお部屋になかったけど、どうしたの?」

にこ「そういえばそもそもあのマイクって何だったの?確か迷子になって戻ってきたときには
   もう持ってたわよね」

穂乃果「あーあれね。知らないお姉さんのマイクだったんだけど。今は学校にあるよ」

凛「あれ?でも部室には無かったような」

穂乃果「行事のとき理事長が挨拶で使ってるマイクあるじゃん。あれ」

凛「あぁ~!あれ!」

にこ「……あんたそれいいの?あんたのマイクじゃないんでしょ?」

穂乃果「う~ん、返そうと思って持ってたんだけど、全然会えなくなっちゃったし。
    ちょうど学校のマイク一本調子悪くなってたから……」

凛「そういえば一時期マイクキンキンしてたよね」

にこ「……にこ思うんだけど、あれって穂乃果が生徒会長就任の挨拶のときにぶん投げたせいじゃないの?
   キンキンしてたのその頃からだし」

穂乃果「……」

凛「……」

にこ「……」

穂乃果「にっこにっこにー!」ニコッ

にこ「こら!」

――――――――――――――――――――――――――――

穂乃果「じゃあ私こっちの道だから、またねー!」

凛「またねー!」

にこ「気をつけて帰んなさいよー!」

トコトコ

にこ「……凛、何かあった?」

凛「え?何で?」

にこ「穂乃果は気づいてないみたいだったけど、今日のあなた、ちょっと元気なかったわよ」

凛「え~?凛が?気のせいだよ~」

にこ「……凛」

凛「……」

凛「ちょっとだけね、寂しくなっちゃったんだ」

にこ「寂しい?」

凛「高校卒業したからもうツインテしないって言ってたから」

にこ「何よ、そんなことで?あんたがそんなににこのツインテ気に入ってたなんて知らなかったわ」フフッ

凛「にこちゃんは、ずっと一緒だったから」

にこ「……凛?」

凛「にこちゃんは3年生だったけど、いつも凛やかよちんや真姫ちゃんといてくれて、練習してくれて、
  ことりちゃんが留学しそうになってμ'sが活動休止になったときも、にこちゃんは凛たちと一緒にいてくれて。
  凛にとってにこちゃんはお姉ちゃんみたいなお友達だったから」

凛「卒業しちゃって、でもお休みの日なんかは時々遊んでたし、実感なかったけど……。
  にこちゃんも凛が知らない間に大人になったんだなぁって思ったら、何だかにこちゃんが遠くに行っちゃう気がして」

にこ「凛……」

ギュ

にこ「よしよし」

凛「にこちゃん……?」

にこ「バカねぇ……にこはどこにも行かないわよ。今まで通り一緒に遊ぶし、連絡もするし、何も変わらないわよ」

凛「にこちゃん……」

希「Oh……」

にこ「ん?」

凛「?」

希「に、にこっちと凛ちゃんって、そ、そない関係やったんやな。全然気ぃ付かへんかったわ」

にこ「希!?」バッ

凛「いつからそこに!」

希「あぁええねんええねん。愛の形は人の数だけあるぅさかい。ワイは応援するで?」

凛「希ちゃん、何か勘違いしてるにゃ~……」

にこ「落ち着きなさい希。動揺しすぎて関西弁と一人称がおかしくなってるわ」

希「あ、そういえばワイ野生のちんすこう探してる最中やってん。ほな、さいなら!」ピャー

凛「あ、逃げた!」

にこ「待ちなさあぁぁい!」ピャー

【#8 にこにーにこちゃん:終】
――――――――――――――――――――――――――――

今日はこの辺で。続きはまた後日。

【#9 おでん】
夏でもかよちんのおでんは最高です。
――――――――――――――――――――――――――――

花陽「あそこにいるの、亜里沙ちゃんじゃない?」

凛「ほんとだ!お~い、亜里沙ちゃ~ん!」

亜里沙「あ、凛さん、花陽さん!」


今日はかよちんと二人で秋葉原に来ているよ。


凛「今日はひとり?雪穂ちゃんと一緒じゃないんだ?」

亜里沙「はい。雪穂は今日はお店のお手伝いだそうです」

亜里沙「凛さんたちは今日はお買い物ですか?」

花陽「うん、スクールアイドルショップとか、色々見てまわってたの」

凛「それでね、そろそろお腹空いたねってどこでご飯食べるか考えてたら、亜里沙ちゃんを見つけたの」

亜里沙「そうだったんですか。あの……もしよろしければお昼ご一緒してもいいですか?」

花陽「もちろん!」

凛「亜里沙ちゃんは何か食べたいものある?」

亜里沙「そうですねぇ、おでんとかで軽く済ませたい気分です」

花陽「お、おでん!?」

凛「お昼からおでんとは、亜里沙ちゃんもなかなかタフだねぇ……」

亜里沙「そうですか?たまにおやつ代わりに食べることもありますよ?」

花陽「おやつにおでん!?」

凛「亜里沙ちゃんの絵里ちゃん譲りの体型からは想像もつかない食生活だにゃ……」

――――――――――――――――――――――――――――

結局、おでん屋さんがわからなかった凛たちは、バーガーキングでお昼にすることにしたんだにゃ。


亜里沙「えぇ~!?おでんってお鍋だったんですか!?」

花陽「そうだよ~。だからおやつ代わりって言っててびっくりしちゃった」

亜里沙「いつも食べてるのはちっちゃい缶に入ってたので……」

凛「あぁ~おでん缶かぁ。普通のおでんは食べたこと無いの?」

亜里沙「その、缶に入ってるおでんが普通だと思っていたので……お鍋のは食べたことないです」

亜里沙「缶のおでん、美味しいって思ってたけど、お鍋のおでんかぁ……
    食べてみたいな。お姉ちゃん、作ってくれるかなぁ」

凛「……かよちん」チラッ

花陽「……うんっ」コクッ

凛「やれやれ、そんな缶のおでんをうまいと言っているようじゃ、
  ほんとにおでん好きなのかどうか怪しいもんにゃ」

亜里沙「凛さん……?」

凛「今夜一度かよちんの家に来てください。そんな機械が作ったようなおでんよりずっと美味い
  おでんをご覧にいれますよ」 

――――――――――――――――――――――――――――

―――その夜

亜里沙「お邪魔しまーす!」

絵里「お邪魔するわね」

花陽「絵里ちゃん、亜里沙ちゃん、いらっしゃい」

亜里沙「うわぁ、良い匂い!」

絵里「私までお呼ばれしちゃって何だか悪いわね」

花陽「ううん、聞いた様子だと絵里ちゃんもお鍋のおでん食べたことないのかなって思って」

絵里「実はそうなのよ。私も缶のは食べたことあるんだけど……。あ、火を見てなくて大丈夫なの?」

花陽「今は凛ちゃんが見てくれてるから大丈夫だよ。それより上がって?おでん食べながらお話しよ?」

――――――――――――――――――――――――――――

一同「いただきまーす」

絵里「気になっていたのだけど……ご両親はいいの?」

花陽「あ、うん。お母さんとお父さん、今日のことを話したら、外で食事してくるって」

絵里「そうなの?何だか悪いことをしたわね」

花陽「気にしないで。お母さんたちも一緒にって言ったんだけど、
   "久しぶりに夫婦二人きりのデートだ"って喜んで行っちゃったから」

絵里「ならいいのだけど……」

亜里沙「うーん、どれから食べるか迷っちゃいます!」

凛「かよちんの作るおでんは絶品だから、どれを食べても美味しいよ!」

亜里沙「じゃあはんぺんから……はふっお出汁が染みてて熱いけどすごく美味しい!」

花陽「うふふ、良かったぁ」

絵里「私は大根から頂こうかしら……わふぅ!熱いけど美味しいわ!」

花陽「えへへ」

絵里「これ花陽一人で作ったの?」

花陽「えっと、凛ちゃんも手伝ってくれたよ?」

絵里「凛が?意外ね」

凛「あ!絵里ちゃん酷いにゃ!」

絵里「あ、ごめんなさい……。凛って料理できないと思ってたから……。
   そうよね、みんな成長しているのね」

亜里沙「凛さんは何をやったんですか?」

凛「り、凛さんはねぇ……火を見たりとか……はんぺんの袋を開けたりとか……」

絵里「……」

亜里沙「……は、ハラショー?」

絵里「いや疑問系で言われても」

凛「うぅ……」

花陽「凛ちゃん落ち込まないで?私はすっごく助かったよ?」

――――――――――――――――――――――――――――

ジャー

亜里沙「すすいだ瞬間キュキュッと落ちてる~」ジャブジャブ

絵里「亜里沙、あなたが今使ってる洗剤はキュキュットじゃなくてチャーミーよ」ジャブジャブ

花陽「お客様なのに後片付け手伝ってもらっちゃってごめんね」フキフキ

絵里「ご馳走になったんだからこれくらい当然よ」

凛「テレビのCMだとよくお皿に付いたカレー汚れが簡単に落ちる!ってやってるけど」フキフキ

凛「本当に落ちて欲しいのはお皿じゃなくてお鍋の方のカレー汚れなんだよねぇ……」フキフキ

絵里「何よ突然」

凛「凛ね、お家だと洗い物担当なんだけど、カレーの後のお鍋の汚れが落ちなくて困ってるの」

花陽「あぁ、落ちないよね。焦げ付いちゃったりすると特に……」

亜里沙「キュキュットでも落ちないですか?」

凛「うん、全然キュキュッとしないよ。そもそもカレー皿の汚れだったら大体の洗剤で落ちるしなぁ」

絵里「あら、重曹で綺麗に落ちるわよ?」

凛「じゅうそう?」

絵里「お店で売ってるのみたことない?白い粉なんだけど」

絵里「とにかく、重曹を使って掃除すると結構簡単に落ちるわよ」

花陽「掃除に重曹を使うって聞いたことはあったけど、洗剤より効果があるの?」

絵里「ちゃんと重曹の効果を知っていれば、洗剤よりも効果的に汚れを落とせるわよ。
   重曹はアルカリ性で新油性もあるから酸性の油汚れとかは下手な洗剤よりもよく落ちるわ」

凛「ほえぇ~さすが絵里ちゃん」

亜里沙「さすがお姉ちゃん!」

花陽「へぇ~今度買ってきて試してみよう」

絵里「フフッ」

凛「どうしたの絵里ちゃん?」

絵里「いえね、前に亜里沙が"カレーは飲み物"って思ってたことを思い出しちゃって」

亜里沙「ちょ、ちょっとお姉ちゃん」

花陽「おやつがおでんにカレーは飲み物なんて、すごい食べる子みたいだね」フフッ

亜里沙「もうっ!からかわないでください!」

絵里「そういえば"道草って食べられるの"って聞いてきたことなんかもあったわね」クスクス

凛「あははっ、亜里沙ちゃんかわいい」

亜里沙「もう、お姉ちゃん余計なことばかり言って!亜里沙ばかりバカにするけど、
    お姉ちゃんだっておもちゃのチョコレート食べそうになってたことあったじゃん!」

絵里「甘いわね亜里沙、もうそれはとっくに希にばらされてしまったから少しも恥ずかしくないわ」

花陽「それ威張るところなのかな……」

凛「すごいドヤ顔にゃー」

――――――――――――――――――――――――――――

絵里・亜里沙「お邪魔しましたー」

凛「かよちんまたねー」

花陽「また来てねー」

トコトコ

絵里「花陽のおでん、美味しかったわね」

亜里沙「うん!亜里沙もおでん、作れるようになりたい!」

凛「亜里沙ちゃんの可愛い話も聞けたし、楽しかったね」

亜里沙「もうっそれは言わないでください!」

凛「あ、ゲイシャさんだ」

絵里・亜里沙「え、どこどこ!?」

凛「ほら、あそこ」


タクシー《迎車》


絵里「……」

亜里沙「……」

凛「^^」ピャー

亜里沙「あ!もう逃げてる!」

絵里「こら、凛!待ちなさーい!」ピャー

――――――――――――――――――――――――――――

ガシッ

絵里「捕まえたわよ!」

凛「し、しまった、凛としたことが!」

亜里沙「お姉ちゃん、そのまま抑えてて!ここは亜里沙が……!」

凛「な、何をする気にゃー!」

絵里「覚悟なさい、凛。亜里沙のくすぐりは私だって耐えられないんだから……!」

亜里沙「コチョコチョコチョ」

凛「うひゃぁ!ひゃ、あははははは!」

絵里「ほら凛、ごめんなさいは?」

凛「あはははは!ご、ごめ、ひゃはは!」

希「……えりち?」

ピタッ

絵里「……え?」

亜里沙「……え?」

凛「はふぅ、あ、希ちゃん」

希「おどれら、どない関係やねん……?ワイ確かに愛の形は色々言うたけど……
  そない愛の形は知らないLove……教えてLove……」

亜里沙「落ち着いてください希さん!何か喋り方色々おかしくなってます!」

絵里「そ、そうよ希。これはただじゃれあってただけで……」

絵里「あなただって前はワシワシとか言ってよく皆とじゃれてたじゃない!」

希「……さ、三人でワシワシしてたん!?」

絵里「あ、いやそういうわけじゃなくて」

希「あ、そういえばワイ野生のWILD STARS探してる最中やってん。ほな、さいなら!」ピャー

凛「あ、逃げた!」

絵里「ま、待って!希!違うの!」ピャー


【#9 おでん:終】
――――――――――――――――――――――――――――

そんなわけで今日は寝ますzzZ 続きはまた後日。

【#10 繰り返される過ち】
ここだけの話……凛はラーメンが大好きです!
――――――――――――――――――――――――――――

理事長「……」

凛「……」


今、凛は理事長ことことりちゃんのお母さんと二人でカフェでお茶しているよ……。

き、気まずい!

どうしてこんなことになっているかというと……。

ポワンポワンポワーン.oO――――――――――――――――――――

今日は一人でウィンドウショッピング!

ウィンドウショッピングと言えば、小学生のころ、ウィンドウショッピングを
窓に買いに行くことだよって言ったら本気で信じちゃってたかよちん、かわいかったなぁ。

テクテク

お!一人でお茶してることりちゃんを発見!

ことりちゃんって普段はぽわぽわしてかわいいイメージあるけど、ああしてると綺麗で
すっごく大人な女性って感じがするんだよなぁ。

凛「何してるにゃ?」

ことり「あ、凛ちゃん」

ことり「お買い物の休憩中なの~」

凛「凛も休憩しようかなぁ、前の席いい?」

ことり「いいよ~」

凛「じゃあ凛も飲み物買ってくるね!」

――――――――――――――――――――――――――――

凛「お待たせー」

ことり「凛ちゃんが一人って珍しいね?花陽ちゃんたちと一緒じゃないんだ?」

凛「今日はかよちんも真姫ちゃんも予定あるんだって~。ことりちゃんこそ一人なんて珍しいにゃ」

ことり「?私は一人じゃないよ?」

凛「え?」

理事長「お待たせことり。あら?」

ことり「あ、お母さん。偶然凛ちゃんと会ったの」


あ、ことりちゃんお母さんと一緒だったんだ。
何か邪魔しちゃったかなぁ……。


理事長「あら。星空さんもお買い物?」

凛「え?あ、はい」

凛「あの、ごめんなさい。理事長もご一緒とは知らずに……それじゃ凛はこれで……」

ことり「えぇ~?気にしなくて大丈夫だよ~!ね、お母さん?」

理事長「ええ。せっかくだからことりのお話でも聞かせてちょうだい」

凛「そうですか?ど、どうも」

――――――――――――――――――――――――――――

凛「それで、皆はお腹一杯になっちゃってもう食べられない~って言ってたんですけど、
  ことりちゃんはチーズケーキは別腹って言って全部食べてくれたんですよ」

ことり「もう凛ちゃん、恥ずかしいよ~」

理事長「ウフフ、ことりは昔からチーズケーキが大好きだものね」

ハシリーダスーベリベーリトゥレーン

ことり「あれ、穂乃果ちゃんから電話だ。ちょっと出てくるね」

タッタッタ

凛「いってらっしゃーい」

凛「……」

理事長「……」


理事長と二人きりになっちゃった。

う~ん、友達のお母さんって、凛、苦手じゃないけど
ことりちゃんのお母さんは理事長だからなぁ。
何か緊張しちゃうよ~。ことりちゃん、早く戻ってきて~!

ことり「ごめ~ん、ただいま~」

凛「おかえりー。穂乃果ちゃん、どうかしたの?」

ことり「えっとね、穂乃果ちゃんも今からこっちに来るって!
    場所よくわからないみたいだから迎えに行ってくるね」


凛「え……?」

理事長「え……?」

凛「あ、それなら凛が……」

理事長「それなら私はそろそろお暇しようかしら?後は若い方々で……」

ことり「いいのいいの!ぱっと行ってぱっと戻ってくるから!
    せっかくの機会なんだし、皆でお話しよ?」

タッタッタッ

凛「ことりちゃ……」

理事長「ことり……」

凛「……」

理事長「……」

――――――――――――――――――――Oo.ポワンポワンポワーン


そんなことがあって、凛は今、理事長と二人きりでお茶をしているのです……。

理事長「えっと……夏休みはどうかしら?楽しんでる?」

凛「は、はい!トランプしたり映画観たり楽しんでます」


さ、さっきは割りと普通に話せてたのにやっぱり二人きりだと緊張する……!


理事長「そう、良かったわ。でも、宿題もきちんとやらないと駄目よ?」

凛「はい。その、実は宿題はもう結構終わってて……」


うひゃぁ~危なかった~!こんな質問されたら去年の凛だったら大惨事だったよ!

かよちん、真姫ちゃん、感謝感謝にゃ!

理事長「あら意外ね?偉いじゃない、ウフフ」


意外って言われた!やっぱ理事長からもそう見られてるんだなぁ……。


理事長「……」

凛「……」

凛「……そういえばことりちゃんはチーズケーキ大好きですけど、理事長も好きなんですか?」

理事長「うーん私はそれほどでもないかしら」

理事長「実はね、よく意外って言われるのだけど、ラーメンが大好きなの」

凛「え!理事長もですか?」

理事長「"も"ということは、星空さんも?」

凛「はい!大好きです!」

理事長「奇遇ね!星空さんは何味が好きなの?」

凛「どの味も好きですけど、強いていうなら塩ですかねー。
  前は味噌とかとんこつが好きだったんですけど、今はあっさり系に結構ハマってます!理事長は?」

理事長「私も塩が一番かしら。でも醤油も捨てがたいわねぇ」

理事長「ラーメンのお話してたら久しぶりに食べたくなってきたわ」

凛「そんなに好きなのに、普段は食べないんですか?」

理事長「あの子洋食が好きだから、普段家でラーメンは滅多に作らないのよ」

理事長「一人のときは時々、ラーメン屋さんに行ってみたいとも思うのだけど、
    女一人だと中々入る勇気がなくて……」

凛「それなら良いお店知ってますよ!男性客より女性客が多いとこで、
  量少な目の女性向けメニューもあるんです」

理事長「どこどこ?」

凛「らぁめん花田ってとこで、学院と駅の間の大通りの……」

――――――――――――――――――――――――――――

穂乃果「ことりちゃんのお母さんと凛ちゃん、何かすっごく話盛り上がってる……!」

ことり「私がいない間に何があったんだろう?すごく仲良しになってる……!」

――――――――――――――――――――――――――――

―――その夜

今日も楽しかったなー!

理事長ともすっごく仲良しになっちゃって、LINEまで交換しちゃった!

ペロン

あ、理事長からだ!


理事長《今日はとても楽しかったわ。今度一緒にらぁめん花田に行きましょう》

凛《是非!凛のお気に入りのラーメン紹介します》

理事長(ニワトリスタンプ)《わーい》


理事長すっごい可愛いスタンプ持ってる!

結構お茶目な人だったんだなぁ~。

よぉし、凛もブラックスワンスタンプを……。


凛(稲川スタンプ)《あ゛~~~!!!》


うわあぁぁぁ!またやってしまった!一番間違えちゃ行けない人にやってしまった!

ど、どうしよう……。


理事長(稲川スタンプ)《あ゛~~~!!!》


理事長も同じの持ってた!!!


【#10 繰り返される過ち:終】
――――――――――――――――――――――――――――

今日はこの辺で。お気づきの通りとっくにストックが切れていて天丼しまくりですが、
もう少し続けたいと思っています。ではまた。

理事長可愛い
今回で仲良くなった理事長とラーメン食べに行くとか
夏祭りとか花火大会とか海水浴とかプールとか肝試しとかホラー映画鑑賞とかまだまだ夏はいっぱいあるやん!

【#11 焼肉を食べに行こう!】
希ちゃんピンチ!
――――――――――――――――――――――――――――

ペロン

希ちゃんからLINEだ!


希《夕飯まだの人、焼肉食べ行かへん?》


焼肉!

……。

凛「おかーさーん!」

――――――――――――――――――――――――――――

希「意外に集まったなぁ。時間も時間やったし下手したら誰も来ないかと思ってたわ」

凛「かよちんもお夕飯作り始めてなければって残念がってたにゃ」

絵里「にこ、妹さんたちは平気なの?」

にこ「マ……お母さんが居るから大丈夫よ。絵里こそ大丈夫だったの?」

絵里「元々亜里沙は雪穂ちゃんとお夕飯食べる約束してたから大丈夫」

希「まぁまぁ積もる話もあるやろうけどひとまず注文しよか」

――――――――――――――――――――――――――――

希「それにしても最近は凛ちゃんが女の子とイチャついてるとこばっか見てる気がするなぁ」

希「この前なんて絵里ちゃんと亜里沙ちゃん同時に相手しとったし」

凛「だからあれは誤解だよ~」

希「フフッ、わかってるわかってる。えりちからかうのはおもろいからね」

絵里「もうっ!やっぱりちゃんとわかってたんじゃない……」

希「まぁにこっちのときはマジでちょっとびっくりしたけどな」

にこ「はいはい、久しぶりに大人しくからかわれてあげるわよ」

希「……」

にこ「いやちょっと!マジで気まずそうな目するの止めなさいよ!」

にこ「それにしても、高校生のときはずっと希にやられっぱなしだったわね」

絵里「隙あらばからかい返してやろうと思っていたけど、結局叶わなかったわねぇ」

凛「希ちゃんって影のリーダーっていうか、黒幕みたいなイメージあったもん」

希「も~そんな褒めんといて~?」

女性1「あら、東條様?」

希「え?」

凛「様?」

女性2「あー!やっぱり東條様だ!東條様でも焼肉屋さんとか来るんですね!」

希「あなたは確か語学で一緒の……」

女性2「きゃー!覚えていてくれたんですね!」

にこ「何?知り合い?」

希「え、ええ……」

女性1「私たち、東條様と同じ大学の同級生なんです。お友達……にはなりたいけどまだなれてないというか」

女性2「東條様って大学ですごくファンが多いんですよ!お淑やかでお優しくてすっごくお嬢様っぽくて!」

にこ「お、お嬢様ぁ!?」

凛「お淑やか……?」

希「お、おほほほほ……」

女性1「じゃあ私たち、向こうの席なんで!」

女性2「今度お昼ご一緒させてくださいねー!」

――――――――――――――――――――――――――――

にこ「……希あんた大学で同級生に様付けで呼ばせてんの?」

絵里「希は大学ではお淑やかなお嬢様キャラで通ってるのよ……」

希「いやぁ、うちがそうしたんやないよ?何か気付いた頃にはそういう雰囲気が出来上がってて……」

凛「ワシワシMAXとか絵里ちゃんペロペロとか言ってた高校時代とは大違いにゃ……」

希「さり気なく冤罪混ぜるのやめてくれへん?」

凛「これが世に聞く大学デビューかぁ」

絵里「ともかく、彼女たちもチラチラこちらの様子を伺っているみたいだし、あまり大きい声では
   話さない方が良さそうね」

希「そうしてくれると助かるわぁ。あ、ちょっとお花摘みに行ってくるね」

――――――――――――――――――――――――――――

にこ「……これはチャンスね」

凛「チャンス?」

にこ「そうよ、これまで散々ワシワシされ、からかわれてきたにこたちにとっての
   千載一遇のチャンス!」

凛「あぁ~」ニヤリ

絵里「二人だけで納得しないで。どういうこと?」

にこ「鈍いわね~ちょっと耳貸して……」

絵里「?」

――――――――――――――――――――――――――――

希「お待たせ~」

にこ「おかえりなさい。もうおニコ来てるわよ」

希「おニコ?ってそれはお肉……ハッ」

希(このめっちゃ寒いギャグ……さてはにこっち、うちが思わず大声で
  突っ込みたくなるようなネタを仕掛けてくるつもりやんな……?)

にこ(気づいたわね……!)ニヤリ

にこ「どうしたの?早くおニコ焼きましょう?」ニコニコ

希「ぐ……ぬぬ……」

希(あぁ、突っ込みたい突っ込みたい!!)

凛「まぁまぁにこちゃん、こういうときはまずはお野菜から焼くんだよ?
  というわけで、アボガド投入~!」

希「うっ……」

希(アボ「ガ」ドやのうてアボ「カ」ドや!凛ちゃんのことだから素なんか?
  そもそもアボカドは野菜やのうて果物やで凛ちゃん!)

凛「どうしたの希ちゃん?」ニヤリ

希「!」

希(間違いない、凛ちゃんドロッドロの黒や!となると……)

絵里「凛、アボ「ガ」ドではなくてアボ「カ」ドよ?それにアボカドはお野菜じゃないの」

希(……まぁさすがにえりちは違うか)

凛「じゃあ何?」

絵里「畑のお肉よ」

希「!!!」

希(それは大豆や!それを言うならアボカドは森のバターやろ!)

絵里「どうしたの希?さっきから口を押さえて」ニコニコ

希「なんでもないよ?ほほほほほ」

希(まさかのえりちもグルやったとは……完全に四面楚歌!皆ここぞとばかりにうちに仕返しするつもりやね……)

にこ「ね~ちょっとこれ火、弱いんじゃないの?凛、ちょっとつまみアツアツMAXにして?」

凛「は~い」

希(うわめっちゃつまらん!つまらな過ぎていっそ清々しい!人のネタを雑に使いよって!)

凛「あ、タンが焼けたよ。はい、希ちゃん。たーんとお食べ!」

希「ありがとう^^」ピクピク

希(凛ちゃん笑顔は満点やけどそのギャグはないで!しかもこれタンやのうてカルビやん!)

絵里「凛、それはタンではなくてカルビよ?」

凛「あ、そっか~。ところでカルビって何でカルビって言うんだろう?」

絵里「それはね、カルシウムの"カル"とビタミンの"ビ"を組み合わせた造語なの」

凛「へぇ~絵里ちゃんは何でも知ってるにゃぁ」

希(んな訳あるかい!というかそれはポテチとか売ってるカルビー社の社名の由来やん!
  えりちよく知ってんなぁ!?)

凛「さっきから南條先輩全然お箸進んでないにゃ~」

希「南條って誰や!東條や東條!」

希「あ……」

女性1・女性2ポカーン

希(くぅ~~!ついにやられてしもた!まぁいつかは彼女らにもばれるやろとは思ってたけども!)

希(こうなったらヤケや!もう徹底的に幻想をぶち壊したる!)

希「フフフ……あんたたち、こうなったときの覚悟は出来とるんやろなぁ?」

にこ「な、なんのことかわからないにこー……^^;」

絵里「ちょっと希、顔が怖いわよ……^^;」

凛「ほらほら、大学の人も見てるし……^^;」

――――――――――――――――――――――――――――

ワシワシマックスヤー!

キャー!ウワー!

女性1「東條様って……」

女性2「意外に面白い人だったんだぁ」

――――――――――――――――――――――――――――

これは夏休みが終わった後に絵里ちゃんから聞いた話なんだけど、
あの一件が噂になって希ちゃんは大学でそれまで以上に人気者になったらしいにゃ。

でもファンの人たちが勝手に作った「ワシワシ占い」とやらをさせられていてちょっと困っているらしい……。

女子大って恐ろしいところだにゃー。

【#11 焼肉を食べに行こう!:終】
――――――――――――――――――――――――――――

というわけで今日はこの辺で。次回以降は>>156から頂いたネタでいくつか考えてみます。
それではまた。

【#12 まきちゃん】
まきちゃん。
――――――――――――――――――――――――――――

ペロン

真姫ちゃんからLINEだ!


真姫《凛、花陽、今夜予定空いてる?》

花陽《大丈夫だよ~》

凛《空いてるにゃ》

真姫《R-15指定のブルーレイがあるんだけど、うちで鑑賞会しない?》

花陽《!》

凛《R-15!?そ、それって……》

凛、知ってるよ。R-15って15歳以上の大人にのみ見ることが許された刺激のお強い映像のことでしょ!?

ま、真姫ちゃんがそんなもの持ってるなんて!


凛《確かに凛たちはもう大人だから、そういうの見てもちーっともおかしくはないんだけど!》

凛《その、凛にはまだ早いというか……いいのかなぁ?》

花陽《私たちにはちょっとまだ早い気が……》

真姫《私も一人で観る勇気ないのよ。お願い!》


真姫ちゃんやる気だなぁ。

しょ、しょうがないよね。大切な大切なお友達の頼みなら、凛、断れないよ……。

凛《しょうがないなぁ。真姫ちゃんにそこまでお願いされちゃあ、凛、絶対に断れないにゃ》

花陽《わ、私も……真姫ちゃんにどーしてもって言われたらお断りなんてできないよ!》

真姫《ありがとう。じゃあ今夜18時でいいかしら?お夕飯ご馳走するからその後観ましょう》


あぁ、今からドキドキしてきたなぁ。

お母さんごめんなさい!今日、凛はちょこっとだけイケナイお勉強をしてきます……。
でもでも、これも大切なお友達のためなんです!

――――――――――――――――――――――――――――

―――その夜

凛・花陽「ごちそうさまでしたー!」

真姫「今日はパパのシアタールーム借りれることになってるから、そこで観ましょう」

真姫「廊下の突き当たりの右の部屋がそうだから、先に行ってて。私ブルーレイ取ってくるわ」

――――――――――――――――――――――――――――

凛「かよちん、顔赤いよ?」

花陽「り、凛ちゃんだって……」

凛「あはは、何か緊張しちゃうね?かよちんはこういうの、見たことあるの?」

花陽「えぇ!?ないないない!ないよ~!!」

凛「だよねぇ~」

ガチャ

真姫「お待たせ」

花陽「ま、まま、待ってないよ!」

凛「そ、それより真姫ちゃん良かったの?ここも一応、お父さんのお部屋なんでしょ?
  ……その、そんな場所で、こういうの、見ちゃって」

真姫「?別に平気よ。このブルーレイだってパパがお勧めだって言って貸してくれたんだし」

花陽「えぇぇ!?お父さんが!?」


うわあ!こらー!真姫ちゃんのお父さん!
いくら仲良しだからって、さすがにそれはダメじゃないかにゃぁ!?


真姫「二人とも今日は何だか落ち着かないわねぇ。まぁいいわ。再生するわよ」

凛・花陽「う、うん……」ゴクリ


ナレーション「おぉアメリカ。ここが今もアメリカだって言いたいけど、人がいなくちゃもう国じゃないと思う」


か、海外ものかぁ。海外のってその、刺激が日本のより強いって聞いたことがあるけど……凛大丈夫かなぁ。

ナレーション「ここには、人間がもういない」


……ん?


ゾンビ「うおおおお!」

男「誰か!あああ!ああぁ」


……んん?


ナレーション「そうなんだみんな。今やここはゾンビランド合衆国」

凛「ちょっと待つにゃあああ!」

花陽「ひゃぁ!」

真姫「きゃ!な、何よいきなり!びっくりするじゃない!」

凛「真姫ちゃん何これ!ホラー映画じゃん!」

真姫「だからそう言ったじゃない。R-15のホラー映画見るんだけど怖いから一緒に見ようって」

花陽「そんな詳しくは言ってなかったよ、真姫ちゃん……」

真姫「あらそうだったかしら。まあいいじゃない。それとも、二人はこういうの苦手だったかしら」


や、やっぱこういうオチですよねー……。はぁ、ドキドキして損したにゃ。
でも、何かちょっとホッとしたよ~。

凛「まぁ好き好んでは見ないけど、絵里ちゃんみたいにどうしても無理ってわけじゃないよ?」

花陽「私も、好きではないというか、そもそも見たこと無いから、苦手とかじゃないと思う」

真姫「そう?無理しないでね?じゃあ続き、再生するわよ」

――――――――――――――――――――――――――――

ギャー
ウオオォォ

うわぁ……怖いというか、すっごく気持ち悪いなぁ。
ブルーレイのお陰なのか映像がすごい綺麗だけど、これに関しては綺麗じゃない方が
凛ありがたかったよ……。

これ本当の意味で結構刺激が強いけど、かよちんは大丈夫かなぁ。

チラッ


花陽「……」


かよちんすっごい真剣に見てる!かよちん、凛が知らない間に強くなったんだねぇ。

……って。


凛「かよちん気絶してるにゃー!」

真姫「えぇぇ!?」

――――――――――――――――――――――――――――

花陽「うぅ……ごはん……」

凛「かよちん、かよちん?」

花陽「……りん、ちゃん?」

凛「かよちんが目を覚ました!」

真姫「ほんとにごめんなさい!あんなに刺激が強いとは思わなくて……」

花陽「ううん……私の方こそごめんね……」

凛「真姫ちゃんはよく平気だったねぇ。さすがはお医者さんの娘だにゃ」

真姫「まあね」

花陽「私はまだ少し休んでるから、二人は気にしないで続き見て大丈夫だよ?」

真姫「花陽こそそんなこと気にしないの。ゾンビランドはもう少し大人になってから見ましょう?」

凛「そうだよそうだよ、せっかく三人でいるんだから、三人で楽しめることしなきゃ!」

花陽「真姫ちゃん……凛ちゃん……ありがとう」

真姫「ちょっと待ってて、ママからくまのプーさん借りてくるから」

――――――――――――――――――――――――――――

ウィニザップーウィニザップー

凛「プーさんってかわいいよねぇ~」

花陽「このおじさんっぽい声と可愛い姿のギャップがいいよねぇ。これで可愛い声だったら
   ここまで人気にならなかったんじゃないかなぁ」

真姫「そういえば、プーってチーズが嫌いだって知ってた?」

凛「えぇ?そうなの?」

花陽「知らなかった!」

真姫「そうなの。プーは何にでもハチミツをかけて甘くして食べるのが好きなんだけど、
   チーズだけは甘くならなかったから苦手なんだって」

凛「あはは、かよちんみたい」

花陽「わ、わたし?」

凛「かよちんも、何でもご飯と一緒に食べるから」

花陽「えへへ。でも大体の日本人はそうじゃないかな」

凛「ところで軽く流してたけど」

凛「何で真姫ちゃんプーさんのことプーって呼び捨てなの?」

花陽「実は私もそれ気になってた」

真姫「何よ、別に普通じゃない?さん付けないほうが親しい感じもするし……」

凛「えぇ~、真姫ちゃんの場合は親しいからこそ"さん"とか"ちゃん"付けて呼ぶんだと思ってたけどなぁ」

花陽「ねー」

真姫「何でよ……凛と花陽のことだって親しいけど呼び捨てにしてるじゃない」

凛「うーん、でも真姫ちゃん、にこちゃんのことだけ"ちゃん"付けて呼ぶよねぇ」

真姫「そ、それは……」

凛「あ~あ、凛たちもちゃん付けで呼んで欲しいなぁ」

真姫「だ、だって、"にこちゃん"で一種のあだ名みたいなものだし……」

花陽「それは無理があるんじゃないかな、真姫ちゃん……」

凛「あ!じゃあ私たちもあだ名で呼ぼう!」

真姫「あだ名?花陽はともかく私と凛にあだ名なんてないじゃない」

凛「だから今からそれを考えるの」

花陽「う~ん、あだ名かぁ」

凛「かよちんはねぇ……お米好きだから、ライス国防長官ね」

花陽「えぇ!?」

真姫「もうかよちんってあだ名あるじゃない……」

花陽「真姫ちゃん、そこもだけどもっと他に突っ込んで欲しいところ、あるよ?」

凛「なんかお米の守護神みたいでかっこいい!」

花陽「そうかなぁ……」

真姫「好物であだ名つけるなら凛はラーメン凛ね」

凛「凛知ってるよ。カレーチーズラーメンとか出してるお店でしょ?」

真姫「あら、よく知ってたわね。さすがは凛ね」

花陽「真姫ちゃんもよく知ってたね」

凛「じゃあまきちゃんはぁ」

真姫(この流れだと、トマト姫とかそんなところかしら。何か子供っぽいあだ名だけど……)

凛「スター西木野」

真姫「何でよ!!」


【#12 まきちゃん:終】
――――――――――――――――――――――――――――

【#13 怪談】
幽霊よりも怖いもの。それは人の心なのかもしれないにゃ。
――――――――――――――――――――――――――――

穂乃果「みんな懐中電灯持った?電気消すよ?」

雪穂「オッケー」

凛「持ったよー」

亜里沙「大丈夫です」


今日は穂乃果ちゃんの家で、怪談大会!


凛「じゃあ凛からね」

凛「一昨年おじいちゃんの家に行ったときの話なんだけど、お父さんだけ仕事の用事で
  夜に来ることになってたの」

凛「夜になって、お父さんから駅に着いたって電話があって、おじいちゃんが
  車を出して迎えに行くことになったの」

凛「おじいちゃんの家ってね、すごく田舎ってわけどもないんだけど、コンビニは駅の方に行かないと
  なかったから、凛も一緒に行って、コンビニにも寄ってもらうことにしたんだ」

凛「でね、おじいちゃんの車に乗って駅に向かってる途中、夜10時くらいだったかなぁ。
  ときどき他の車とすれ違うくらいで、歩いてる人とかも全然いないくらい静かで」

凛「でも、ある横断歩道にさしかかったとき、横断歩道側の信号は赤だったんだけど、
  自転車が1台、突然飛び出してきたの」

凛「おじいちゃん、そんなにスピード出してなかったから事故にはならなかったんだけど、
  自転車の人、そのまま止まらずに凄いスピードで去って行っちゃって」

凛「凛が"危ないねぇ"なんて言ってたら、おじいちゃんが
  "二人乗りで信号無視のカップルか。凛は将来ああいう男と付き合ってはいかんぞ"なんて言うの」

凛「そのときは"凛にはかよちんがいるから大丈夫だよ~"なんて誤魔化したんだけどね」

凛「未だに、おじいちゃんにそのとき言えなかったことがあるんだ」

凛「自転車に乗ってたのは男の人一人だけだったよって……」

穂乃果「う、うわぁ……」

雪穂「ひゃー、ゾクゾク来たぁ」

亜里沙「おじいさんにはどんな人が見えてたんでしょう……」

穂乃果「いやぁ、凛ちゃん持ってるねぇ。怖い話持ってるねぇ」

雪穂「じゃあ次は私が」

雪穂「割と最近の話なんだけど、最近夜もすごく暑いじゃない?」

雪穂「で、深夜2時過ぎくらいだったかなぁ。ふと目が覚めちゃったの」

雪穂「喉もカラカラになってたから、台所に下りてお水でも飲んでこようかなぁなんて考えてたらね」

雪穂「どこからか、話し声みたいなのが聞こえるの」

雪穂「でも時間も時間だし、誰も起きてるわけないよなぁ、何か怖いなぁって思って」

雪穂「気にしちゃいけないとは思いつつも、何を言ってるのか気になっちゃって、集中して耳を澄ませてたの」

雪穂「そしたら、ナンマンダブナンマンダブってお経の声が聞こえてきて」

雪穂「それに気付いた瞬間、すっごく怖くなっちゃって、隣の部屋で寝てる
   お姉ちゃんのとこに行かなきゃって、急いで部屋を出たの」

雪穂「それでお姉ちゃんの部屋のドアを開けようとしたら、中から"あ゛~~~!!!"って声が……」

亜里沙「きゃああ!」

凛「うわあぁ!」

穂乃果「それ私が夜中に稲川さんのDVD付けたまま寝ちゃってたときの話じゃん!」

亜里沙・凛「え?」

雪穂「そうなんだよねー。声の招待は稲川さんだったんだ」

亜里沙「もうっ!雪穂ったら」

凛「びっくりしたにゃぁ……」

雪穂「でも真相知るまでは私すっごく怖かったんだからね!」

穂乃果「あはは、ごめんごめん」

亜里沙「では次は私!」

亜里沙「1年くらい前のことなんだけどね。まだ音の木坂が廃校になるかならいかって時期」

亜里沙「お姉ちゃんがね、オープンキャンパスでの演説内容を聞いて欲しいって、私や雪穂を呼んだときがあって」

亜里沙「お姉ちゃんってあの頃、ときどきちょっと怖いなって思うくらい真面目で堅くて。
    スピーチの内容なんかも雪穂が寝ちゃうくらいのものだったんだ」

亜里沙「でもμ'sに入ってからお姉ちゃん、すごく柔らかくて優しいお姉ちゃんに戻ったから、それが嬉しくて、
    ときどき、そのスピーチのときのことを話してお姉ちゃんをからかうときがあるの」

亜里沙「お姉ちゃん、その話するといつも照れくさそうに"あの頃の話はもういいでしょ"なんて言うんだけど」

亜里沙「必ず亜里沙に聞くの"そういえば、雪穂ちゃんの他に居たもう一人の女の子は今どうしてるの?"って」

亜里沙「そういうときは亜里沙、"どうしてるんだろうね、練習していなくなっちゃったのかな"
    なんて適当なこと言ってごまかしてるんだけど」

亜里沙「……でもね、スピーチを聞いてたのは亜里沙と雪穂だけだったから」

亜里沙「今でもお姉ちゃんが誰のことを言っているのかわからないの」

凛「うわぁ……」

雪穂「あー私も聞かれたことある。でもあのとき居たの私たちだけだったよね……」

穂乃果「それって絵里ちゃんの部屋にその得体の知れない何かが居たってことでしょ?
    今も見えてないだけでいるんじゃ……」

亜里沙「ちょっとやめてください!そんなこと言われたら私、一人でお留守番できなくなっちゃうじゃないですか!」

穂乃果「ごめんごめん。でも絵里ちゃんにはそのこと言わないほうがよさそうだね……」

凛「絵里ちゃんが聞いたらお引越ししかねないにゃ……」

穂乃果「じゃあ次は私の番」

穂乃果「前にね、ちょこっとだけ体重が増えちゃったことがあって」

穂乃果「ちょうどタイミングよく体重増えちゃった友人が居たもんだから、
    じゃあ一緒にダイエットでもしますかって、その子とランニングを始めたことがあったんだ」

穂乃果「でね、いつも通り走っていたんだけど、何かおかしい。なーんかおかしい」

雪穂「……お姉ちゃん、稲川さんの真似とかいいから普通に話して」

穂乃果「……はい」

穂乃果「で、あるお店の前に差し掛かったとき、"タベテケ~タベテケ~"って声が」

凛「それ穂乃果ちゃんとかよちんがランニングに行ったときにGOHANYA寄ってたときの話じゃん!」

穂乃果「あはは、ばれた?」

凛「もうっ!真面目に怖い話したの凛と亜里沙ちゃんだけにゃー」

――――――――――――――――――――――――――――

凛・亜里沙「お邪魔しましたー」

トコトコ

凛「結局怪談よりも雑談してたほうが多くなっちゃったね」

亜里沙「でも凛さんたちとのお喋り楽しいから亜里沙は大好きです!」

凛「あはは。ん?あれ絵里ちゃんじゃない?」

亜里沙「あ、ほんとだ。おーい、お姉ちゃー」

絵里「ネコさーん、待ってー。なでなでさせてー」タッタッタ

凛「……」

亜里沙「……」

凛「ねぇ、今絵里ちゃんが追いかけてったのって……」

亜里沙「ええ。風で飛ばされたただの茶色い紙袋ですね……」


最後に亜里沙ちゃんが見せた冷たい表情が、今日一番凛を涼しくさせたのでした……。


【#13 怪談:終】
――――――――――――――――――――――――――――

というわけで今日はこの辺で。

【#14 スクールアイドルフェスティバル】
かよちんはとっても幸せそうでした。
――――――――――――――――――――――――――――

花陽「わぁ~!スクールアイドルのグッズがたくさん!ね!ね!早く行こう!」

真姫「興奮しすぎよ。少しは落ち着きなさい」


今日はかよちん、真姫ちゃんと夏祭りに来ているよ。
しかもただの夏祭りじゃないの、スクールアイドルがテーマの夏祭り!
その名もスクールアイドルフェスティバル!


凛「凛たちのグッズもあるかな~?」

真姫「さすがに無いんじゃない?μ'sはもう活動してないんだし」

凛「そっか~そうだよねー。えへへ……」

花陽「凛ちゃん!真姫ちゃん!ちょっと来て!」

真姫「どうしたのよ?」

花陽「μ'sのグッズ、あったよ!」

凛「おぉ~!」

真姫「本当……。へぇ、μ'sメンバーをテーマにしたおもちゃなのね」

花陽「これ、凛ちゃんのグッズだよ!」


『凛ちゃん危機一髪』


真姫「ちっちゃい凛がティーポットから顔を出してるわね。どうやって遊ぶのかしら」

凛「ふむふむ……"ティーポットに開けられた数箇所の穴におもちゃの傘を順番に挿し込みます
  運悪くはずれの穴に挿してしまうと、特別音声とともに凛ちゃんが飛び出し、その人の負けです"……だって!」

真姫「つまり黒ひげ危機一髪の凛バージョンってわけね」

花陽「遊べるみたいだし、やってみようよ」

凛「うん!じゃあ凛から……えーい!」プス

真姫「セーフね。じゃあ私」プス

花陽「次は私だね」プス

凛「こういうので遊ぶのって久しぶりだね」プス

真姫「小さい頃はよくパパたちと遊んだけど」プス

ちっちゃい凛ちゃん『大丈夫にゃ!』ピョーン

凛「あー!真姫ちゃんの負けー!」

花陽「ちっちゃい凛ちゃんもかわいいっ!」

真姫「ツイてないわね……」

――――――――――――――――――――――――――――

凛「これは真姫ちゃんのグッズだね!」

花陽「番人マキマキだって……"真姫ちゃんの前に並べられたトマトを順番に取っていきます。
   運悪く真姫ちゃんに気付かれてしまうと、特別音声とともに真姫ちゃんに怒られてしまい、
   その人の負けです"だって」

凛「こういうのあったよね、犬の骨を取るおもちゃ」

真姫「どうせこれもやろうって言うんでしょ。はい、取ったわよ」ヒョイ

花陽「うーんと、これかな?」ヒョイ

凛「じゃあ凛はこれ!」ヒョイ

ちっちゃい真姫ちゃん『トラナイデ!』プンスカ

凛「あぁ~!」

花陽「凛ちゃんの負けだね」

真姫「負けるの早すぎじゃない?」

――――――――――――――――――――――――――――

花陽「あ!にこちゃんの……お人形?」

真姫「にこにーロックですって。"音に反応してにこちゃんが踊ります"……へぇ」パンッ

にこにーロック『にっこにっこにー!』クネクネ

凛「サングラスかけたお花のおもちゃであったよね、こういうの」

凛「せっかくだからこれにこちゃんに買っていってあげよう!」

――――――――――――――――――――――――――――

真姫「何かしら。これはちょっと大きいわね」

花陽「絵里と希のバトルホッケーだって。"バトルホッケー!!
   パックを相手のゴールにシュゥゥゥーッ!!超!エキサイティン!!"」

凛「面白そうにゃ~!やろうやろう?」

真姫「いいじゃない、相手になってあげる」

花陽「じゃあ、よーいスタート!」

ハラショー!

スピリチュアルヤネ

凛「これレバー引くたびに喋るんだ」

ハラ、ハラ、ハラショ、ハラショ-!
スピ、スピ!

真姫「……何だか音声が気になって集中できないわね」

――――――――――――――――――――――――――――

真姫「ねえ、これは穂乃果のグッズよ」

凛「ほのほのパニックだって!……"穂乃果ちゃんのお口の中に順番にお饅頭を入れていきます。
  穂乃果ちゃんがお腹いっぱいのときにお饅頭を入れてしまうと、特別音声とともに穂乃果ちゃんが
  暴れてしまい、その人の負けです"」

花陽「真姫ちゃんのおもちゃと同じ感じだね」

真姫「どんな音声なのかしら」ポイ

花陽「真姫ちゃんも何だかんだ言って楽しんでるね」ポイ

凛「穂乃果ちゃんちのお饅頭、食べたいにゃ~」ポイ

―――数分後

真姫「中々誰もはずれないわね」ポイ

花陽「今回は長引くねぇ」ポイ

凛「穂乃果ちゃん食いしん坊だなぁ」ポイ

―――数分後

真姫「これで最後の一個なんだけど……」

花陽「あはは……」

凛「壊れてなければ真姫ちゃんの負けだね」

真姫「まあいいわ」ポイ

ちっちゃい穂乃果ちゃん『お饅頭もう飽きたー!』ジタバタ

真姫「そりゃそんだけ食べれば飽きるでしょうよ……」

――――――――――――――――――――――――――――

花陽「これはテレビゲームだね」

真姫「花陽とことりのぶる~べりぃとれいん……"花陽ちゃんとの待ち合わせに遅れそうな
   ことりちゃんを操作して、時間内に待ち合わせ場所まで導いてあげるゲームです"」

凛「かよちん、やってみて~」

花陽「う、うん……」

ヤンヤンオクレソウデスー

真姫「何かスーパーマリオみたいな感じね」

凛「あ、海未ちゃんだ」

ラブアローシュート!

ヤーン!ホノカチャーン!

花陽「あ、動けない……」

凛「あれに当たると少しの間動けなくなっちゃうみたい」

真姫「意外に凝ったつくりなのね」

―――数分後

凛「かよちん急いで!あと10秒だよ!」

花陽「う、うん…!」

真姫「間に合うの?これ」

ピピー!タイムアップ!

ヤーン!モウカエルー!

エェ!コトリチャン、オウチニカエッチャッタノォォ!?

花陽「残念……」

凛「意外と難しかったにゃ……」

――――――――――――――――――――――――――――

凛「はぁ~!楽しかった!」

花陽「色んなスクールアイドルグッズも見れて満足!」

真姫「あとはにこちゃん家にお土産届けに行くだけね」

――――――――――――――――――――――――――――

ピンポーン

にこ「はーい。ってあんたたちか」

凛「やっほーにこちゃん」

にこ「今日は誘ってくれたのに悪かったわね。ママ遅くまで仕事だから
   一日中妹たちの面倒みてなきゃいけなかったから……」

花陽「ううん、気にしないで?」

真姫「それより、ほら」

にこ「?」

凛「これ!にこちゃんにお土産!」

にこ「あらありがとう!何だろ、開けていい?」

花陽「もちろん!」

ガサガサ

にこ「これ、私?」

凛「うん!音に反応してにこにーやってくれるの!」

真姫「そこのスイッチ入れて音出してみて?」

にこ「これね」ポチ

パンッ

にこにーロック『にっこにっこにー!』クネクネ

にこ「へぇ~結構再現度高いじゃない!ありがとね!」

――――――――――――――――――――――――――――

―――その夜

にこ母「ただいまー……」

シーン

にこ母(すっかり遅くなっちゃったわね……あら?)

カサカサ

置手紙"ママへ。遅くまでお疲れ様。お夕飯作ったのでチンして食べてください。にこ"

にこ母(にこ……ごめんなさいね……)

ウィーン...チン!

にこにーロック『にっこにっこにー!』クネクネ

にこ母「うわぁ!びっくりした~……っておもちゃか」

にこにーロック『にっこにっこにー!』クネクネ

にこ母「……」

にこ母「フフッありがとう、にこ」ナデナデ

ニッコニッコニー!

ニッコニッコニー!

【#14 スクールアイドルフェスティバル:終】
――――――――――――――――――――――――――――

では、今日はこの辺で。

【#15 Zoo】
今日もかよちんたちとお出かけです。
――――――――――――――――――――――――――――

凛「あーパンダ!パンダだよパンダ!」

花陽「凛ちゃん待って~!」

真姫「暑いのに元気ねぇ」


今日はかよちん、真姫ちゃんと動物園に来ているよ!
残念ながら猫ちゃんはいないらしいけど……。


凛「パンダっていっつもにこにこしてるよね~」

花陽「にこにこしながらいつもごはん食べてるよね」

真姫「パンダって一日のうちおよそ14時間食事に費やしてるんだって。約10時間は
   寝てるみたいだから、一日中食べてるか寝てるかなのね」

花陽「へぇ~!」

凛「さすが真姫ちゃん!パンダにも詳しいなんて!」

真姫「ち、違うわよ。ほらここ、ここの説明板に書いてあるのよ」

花陽「あ、ほんとだ。でも真姫ちゃんだから知っていても不思議じゃないなって思っちゃった」

凛「さすが真姫先生」

真姫「それは止めなさい」

凛「スター西木野」

真姫「何でよっ!」

凛「ヤナギサーワ、タマーダ……マァキ!」

真姫「ぉぉお……って、やらないわよ!」

花陽「珍しく真姫ちゃんが乗ろうとしてた……」

――――――――――――――――――――――――――――

凛「ゾウさんは何であんなにお鼻が長いんだろう?」

花陽「お鼻も長いけどお耳も大きいよね」

凛「お耳ぱたぱたしてる……チャーシューみたい」

真姫「その例えはどうかと思うわ……」

花陽「実はね、私もお耳、ちょっとだけ動かせるんだ」

凛「本当!?見せて見せて!」

花陽「ゾウさんほどじゃないけど……」ピクピク

凛「あ~!ほんとだ!耳ピクピクしてる!」

真姫「意外な特技ね……」

凛「あ、真姫ちゃん!今自分も出来るか試してたにゃ!」

真姫「な、そんなことするわけないじゃない!っていうか凛もしてたじゃないの!」

凛「えへへ~」

花陽「"も"ってことは、やっぱり真姫ちゃんも試してたんだね」ウフフ

真姫「あ、いや、その……」

凛「真姫ちゃんお耳まで真っ赤になってる!かわいい~!」

真姫「いいから次!次行くわよ!」

――――――――――――――――――――――――――――

凛「ゴリラって小さい頃は怖いイメージがあったけど、
  こうしてみるとなかなか愛くるしいねぇ」

花陽「優しい力持ちって感じだね」

真姫「歩き方もちょっと間抜けっぽくてキュートよね」

凛「ドンキーコングって何でコングなんだろう?英語?」

花陽「ゴリラは既に英語だよ凛ちゃん」

真姫「私も小さい頃気になってパパに聞いたことがあるんだけど、キングコングが元みたいね。
   コングというのは、キングコングの原作者か誰かが作った造語らしいわ」

花陽「へぇ~」

凛「マァキ!」

真姫「はいはい」

凛「ドン、ドン、ドン、ドンッキー、ドンッキ~ホォテ~」

真姫「コロコロ話題変えてくるわね……」

花陽「その歌懐かしいなぁ」

凛「この前お父さんが久しぶりにドンキホーテ行ってきたって言ってすごい量のうまい棒買ってきてね、
  最近ずっとおやつがうまい棒なんだ……」

花陽「たまに食べると美味しいけど、続くと飽きちゃうね」

凛「穂乃果ちゃんの気持ち、少しわかった気がするにゃ……」

――――――――――――――――――――――――――――

凛「バクもちょっとお鼻が長いよね」

花陽「あのお鼻で夢を吸い取って食べるのかな」

真姫「夢を見ている間に食べられるとどうなっちゃうのかしら」

花陽「目が覚める、とか?」

凛「じゃあ凛、寝坊しちゃう前に夢を食べて起こしてもらいたいな~」

花陽「あはは、凛ちゃんらしいね」

凛「あ!檻からお鼻突き出してる!かわいい~」

花陽「えっと……"バクは撫でられるのが大好きです。実際に撫でられなくても
   人間が近づくと、撫でてもらえると思って幸せになっちゃうくらい大好きです。
   バクが近寄ってきたら、みなさんもお鼻を撫でてあげてください"……だって」

凛「撫でられるのが大好きだなんて、まるで真姫ちゃんみたい」

真姫「変なこと言わないで。私がいつそんなこと言ったのよ」

凛「えぇ~?じゃあ真姫ちゃんは撫でてあ~げない!」

凛「お鼻なでなで」ナデナデ

バク「ピィ~」

花陽「ほんとに幸せそう。私も撫でてみよっと」ナデナデ

バク「ピィ~」

凛「真姫ちゃんは撫でないの?」

真姫「私は別にいいわよ……」

―――数分後

真姫「いつまで撫でてるのよ……」

凛「だって~」

花陽「かわいくてつい……」

真姫「気に入ったならまた後でくればいいでしょ、とりあえず他も見てみましょうよ」

花陽「あ、その前にちょっとお花を摘みに……」

凛「あ、凛も!」

真姫「じゃあここで待ってるわ」

花陽「ごめんね、すぐ戻るね」

――――――――――――――――――――――――――――

真姫「……」

バク「……」

真姫「何よ……ひょっとして撫でて欲しいの?」

バク「……」

真姫「もう、仕方ないわねぇ……」ナデナデ

バク「ピィ~」

真姫「……」ナデナデ

バク「……」スッ

真姫「あら、離れちゃった……」

バク「……」ジー

真姫「何よ、どうしたいのよ……」

バク「……」

真姫「そろそろお昼時だし、お腹空いてるの?」

バク「……」

真姫「もう、仕方ないわねぇ……じゃあ私の夢を食べさせてあげる、なんてね」スッ

バク「ピィ~」ナデナデ

カシャッ

真姫「!」バッ

花陽「真姫ちゃんかわいいっ」フフッ

凛「凛たちがいない間に真姫ちゃんがバクになでなでしてもらっていたなんて……」

真姫「いや、違うのよ、これは……」

凛「LINEでみんなに共有しなくては!」ポチポチ

真姫「こら凛!止めなさい!今撮った写真消しなさーい!」

凛「あぁ、そんなに乱暴にされたらうまく操作できないにゃ……あ!」

真姫「あ」

――――――――――――――――――――――――――――

―――その頃……

ペロン

理事長「あら、星空さんからだわ」


(真姫ちゃんがバクに鼻で撫でられる画像)


理事長「……」

理事長「西木野さんも意外とお茶目さんなのね」フフッ

理事長「あ、そうだ……」ポチポチ

――――――――――――――――――――――――――――

―――その夜

真姫「ただいまー」

真姫母「お帰りなさい、真姫ちゃん」ナデナデ

真姫「な、何よ急に……」

真姫母「え~?だって、南さんから真姫ちゃんがなでなでされるのが好きって聞いたから~」ナデナデ

真姫「何よそれ……というか何で理事長が出てくるのよ」

真姫母「ほら、これっ」


(真姫ちゃんがバクに鼻で撫でられる画像)


真姫「凛、覚えてなさいよ……!」

真姫母「……」ナデナデ

真姫「もうっ!撫でないで!」

【#15 Zoo:終】
――――――――――――――――――――――――――――

というわけで、今日はこの辺で。

【#16 思い出話】
そういえばにこにーにこちゃん(歌詞の方)はどうなったんだろう?
――――――――――――――――――――――――――――

希「夏休みも結構過ぎたなぁ」

にこ「ほんとあっという間よね」

絵里「一回目の合宿で真姫の別荘に行ったのが去年なんて信じられないわ」


今日は絵里ちゃんのお家にお邪魔しているよ!


凛「そういえばちょうどその合宿のときから先輩禁止って絵里ちゃんが言い出したんだよね」

にこ「懐かしいわね。そういやそれまで凛たちはにこのこと"にこ先輩"って呼んでたもんね」

凛「希先輩」

希「なーに?」フフッ

凛「絵里先輩」

絵里「な、何か今そう呼ばれると照れくさく感じるわね」

凛「にこにーにこちゃん」

にこ「何でよ!」

絵里「ラブにこアタック」

にこ「ほんっと細かいことまで覚えてるわねあんた!ひょっとしてあんたたちにこマニアなの!?」

希「いや~、にこ、こんな重いもの持てな~い!」

にこ「黙らっしゃい!」

にこ「凛と希はともかく、絵里は私のことからかっていいの?あんただって
   昔のこといじられたくないんじゃないの?」

絵里「どうして?私には恥じる過去なんてないもの」

にこ「学校の許可ぁ?認められないわぁ」

絵里「うるさいわね。ジュースおごらせるわよ」

希「えりち、ほんと変わったなぁ……」

凛「でも凛、今の絵里ちゃんだーい好き!」

にこ「あの超が付くほどのまじめだった絵里がねぇ」

絵里「あら、これでも苦労したのよ?」

にこ「苦労?」

絵里「それはそうよ。トップアイドル矢澤にこ様のバックダンサーだった下積み時代からようやくμ'sに」

にこ「だからあれはごめんって」

凛「あったね、そんなこと。合成写真作ったりして」

希「でも写真はともかく、ライブ映像とかでばれんかったの?」

にこ「ライブ映像は全体が映るシーンをカットして、にこが映ってるシーン集めて編集したのを見せてたわ」

絵里「すごい労力ね……」

にこ「でしょ?夢を守るのも楽じゃないのよ」

希「それでもバレそうなもんやけどな~。"うわっお姉ちゃんよりめっちゃダンス
  上手い金髪のバックダンサーがおる!"みたいな」

にこ「それ一回ここあに言われたことあって、それからは絵里が目立つようなシーンも全カットよ」

絵里「迷惑かけたわね」

にこ「嫌味にしか聞こえないわ!」

凛「そういえば絵里ちゃんはバレエやってたからダンス上手いのわかるけど、希ちゃんって
  μ's入ってすぐにキレッキレのダンスしてたよね」

にこ「あー、あれはにこもビビったわ。あのときは絵里の上手さが際立ってたから
   話題にならなかったけど、希も相当上手かったわよね」

希「だってうち小さい頃バレエしてたもん」

凛・にこ「嘘!?」

絵里「知らなかったの?バレエ界ではスピリチュアル東洋の魔女って呼ばれるくらいだったのよ?」

凛「ほへー」

にこ「通りで上手かったわけだわ」

希「まぁ嘘やけど」

にこ「やっぱ嘘かい!」

にこ「スピリチュアル東洋の魔女といえば、絵里、必殺のピンクボンボンとか
   言ってたけど、あれ何だったの?」ニヤニヤ

絵里「必殺のピンクボンボン……?あなた何言ってるの?」

にこ「誤魔化しても無駄よ!というかそんな本当に心配そうな目で見ないで」

にこ「ほら、インパクトが大事とか言って部活系アイドル~とかやったときの」

絵里「あーあれね。ラブにこアタックみたいなもんよ」

にこ「ぐっ……!」

凛「あのときはとげとげした格好もやったよね」

希「へヴィメタな」

にこ「驚きの早さで理事長に呼び出し食らったやつね……」

希「理事長、怒るっていうか完全にドン引きだったよね。特にえりちのこと"信じられない"みたいな目で見てたよ?」

絵里「やめて。あれはちょっと思い出したくない……」

にこ「そりゃあかしこいかわいいエリーチカがあんな格好して"ふざけてません!"なんて言ってたら
   もう引くしかないもの」

絵里「ぐっ……!」

希「しかも2年の現役生徒会3人に、3年の元生徒会2人がその悪ふざけ集団の一味やもん。
  完っ全にフルハウスやん」

凛「あの一瞬のおふざけのために全員分の衣装用意したことりちゃんもすごいにゃ……」

にこ「そういえばあの衣装、ライブでも使うことないだろうってあの後みんなにくれたのよね」

絵里「私もまだ取ってあるわ」

凛「本当?ちょっと着てみてよ!」

絵里「えぇ!?嫌よ」

にこ「何よ嫌って。せっかくことりが作ってくれた衣装なのよ?
   あのときは何も文句なんて言わずに着てたじゃない」

絵里「あのときはみんなも着てたし……」

希「そんなこと言って~。えりち、ひょっとしてあのときの衣装のサイズ、
  入らなくなったんと違う?」

絵里「な!そんなことないわよ!いいわ、そこまで言うなら着てやろうじゃない!」

にこ(ちょろいわね……)

――――――――――――――――――――――――――――

凛・希「おぉ~……おぉ?」

絵里「……何か言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ」

凛「う~ん、こんな感じだったっけ?」

希「何か違和感があるような……」

にこ「メイクしてないからでしょ」

凛「あぁ!」

希「なるほど!」

にこ「ほら、やってあげるからじっとしてなさい」

絵里「そこまでしなくてもいいわよ。今でも着れるってわかったんだし、もう脱ぐわよ」

にこ「だーめ。せっかく着たんだから、徹底的にやらなきゃ!」

――――――――――――――――――――――――――――

亜里沙「ただいまー!」

……

亜里沙「聞こえてないのかな?あれ、この靴、お客さんかな」

トコトコ

ガチャ

亜里沙「お姉ちゃん、ただい……ま……」

絵里「あ」

にこ・希・凛「あ」

亜里沙「……」

絵里「……」

亜里沙「^^」ニコッ

ガチャ

それからしばらくの間、絵里ちゃんは蝋人形のように固まっていたんだにゃ。

【#16 思い出話:終】
――――――――――――――――――――――――――――

まだやっていない夏イベントはいくつかありますが、ここで幕引きと致します。

読んでくださった方、レス下さった方、ありがとうございました。
また何か投稿することがあるかもしれませんが、そのときもお付き合い頂ければ幸いです。

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