フロン「エトナとフロンのお料理対決!」 エトナ「今日のテーマはハンバーグ!」 (8)

ラハール「は?・・・急にどうしたんだ貴様ら?頭がおかしくなったのか?」

フロン「私は【塩・こしょう】で味付けしたもの!」

エトナ「アタシは【ソース】で味付けしたものを用意しました!」

ラハール「・・・おい」

フロン「本日のゲスト審査員には大天使様とヴァルバトーゼさんをお招きしました!」

大天使「どうも、大天使です」

ヴァルバトーゼ「イワシッッ!」

ラハール「無視するな。おい」

エトナ「もちろん審査員長は皆さんご存知このお方!ラハール殿下で~す!」

ラハール「皆さんってなんだ。おい」

エトナ「さあ~まずはアタシのターン!【ソース】で味付けを施された絶妙なハンバーグをご堪能下さい!」

ラハール「・・・」

ヴァルバトーゼ「イワシは無いのか?」

エトナ「ありません」

ヴァルバトーゼ「イワシッッ・・・・・・!」

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ラハール「む・・・!」

エトナ「どうですか~?殿下」

ラハール「・・・悪くは無い」

エトナ「おお~出ました!【悪くは無い】!いきなり審査員長から最大級の褒め言葉を頂きました!」

ラハール「なっ・・・ど、どこが褒め言葉だ!」

エトナ「ゲスト審査員のお二人にも意見を伺いましょう!」

ラハール「おい、こら」

大天使「素晴らしい一品ですね。思わずお代わりをしたくなる」

ヴァルバトーゼ「うむ。程よく切られた肉汁と、丁寧に作りこまれたソースが綺麗にマッチしている」

エトナ「あ、イワシ以外の言葉も喋れたんですね」

ヴァルトーゼウ「イワシ!?イワシがあるのか!?」

エトナ「ありません」

ヴァルバトーゼ「イワシッッ・・・・・・!」

フロン「むぅう・・・やはり貴女は強敵ですねエトナさん。しかし私が毎週屈してばかりだと思っていたら大間違いですよ!」

ラハール「毎週?毎週やってるのか?」

フロン「とにかく【塩・こしょう】ご賞味あれ!」

ラハール「全く・・・・・・む?これは・・・・・・」

大天使「・・・」

ヴァルトーゼ「・・・あまりに塩分が濃い。勝負あったようだな」

大天使「ええ、残念ながらこれでは・・・」

フロン「ふっふっふ~・・・そう思われますか?そうだと思ってなんとぉ!」テテーン

エトナ「そ、それは・・・っ!」

ラハール「・・・ほう、考えたな」

フロン「白ご飯を用意してあります!英語で言うとラァイス!」

エトナ「くっ・・・!」

ラハール「・・・うむ。悪くは無い」

フロン「出ました~~!審査員長の【悪くは無い】!

ラハール「なっ、何が出ましただ。何が・・・」

大天使「なるほど。確かにこの塩加減の濃さ、ライスと共に味わうことで調度良い塩梅になっています」

ヴァルバトーゼ「ああ。しかもニンジンやコーン、ついでに梅干を添えて栄養バランスも良い」

ラハール「・・・ふむ。良し、では、判定を下そう」

フロン「・・・」

エトナ「・・・」

ラハール「ハンバーグ対決は・・・」

フロン「・・・!」

エトナ「・・・!」

ラハール「エトナの、【ソース】を用いたハンバーグの勝利だ」

フロン「な。なんですとぉ~~!?」

大天使「・・・フロン。貴女は、工夫を求めるあまり、最も大切なことを見落としてしまったのですよ」

フロン「そ、それは一体・・・?」

大天使「今回のテーマは、あくまでハンバーグそのものです。確かに貴女の料理は、栄養面の気遣いも含め、我々の心を打ちました」

ヴァルバトーゼ「うむ。しかしやはり、ハンバーグそのものの完成度で言うと、【ソース】には劣るという評価を下さざるをえん」

フロン「そ、それは・・・!」

ラハール「今回のテーマが、【ハンバーグ定食】であれば、勝っていたのは貴様だっただろうな」

フロン「く、くうぅっ・・・・!」

:::【魔王城】:::

ラハール「という夢を見た」

エトナ「・・・は、はあ・・・え~、それで?殿下はそれをアタシに聞かせてどうして欲しいんですか?」

ラハール「なっ・・・い、いや、別に・・・そういう夢を見たというだけの話だ」

エトナ「そうですか・・・?」

ラハール「う、うむ。深い意味は無い」

エトナ「ふ~ん・・・」

ラハール「・・・」

エトナ「・・・」

ラハール「・・・・・・」

エトナ「じゃ、まあ、今夜はハンバーグにしましょうかね」

ラハール「・・・!」

エトナ「【ソース】で良いですか?」

ラハール「う、うむ。か、勘違いするなよ!?別に、俺様はハンバーグが食べたいとか、そういう話はしてないからな!」

エトナ「はいはい♪」

おわり

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