高坂穂乃果(27)「このままじゃヤバイ!?」 (31)

ラブライブ!のSSです

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わたし、高坂穂乃果27才

今ほのかは自分の部屋で我が人生について一生懸命考えています

穂乃果「どうしよう…… メンバーのみんなとのハーレム状態をゆっくり堪能してたらみんないつの間にか結婚しちゃったよ……」

穂乃果「うぅ…… 何が『みんな一緒に幸せになる!』だよ~ 9人組のグループじゃ絶対一人余っちゃうじゃん……」

穂乃果「ほのかもいい加減相手見つけ無いと行き遅れちゃうよ……」

穂乃果「『行き遅れ』……」

段々かまってくれなくなるみんな

「ただいま!」が反響するおうち

そして…… 孤独死……

穂乃果「わー! どうしよー! 雪穂ぉー!」

雪穂「何? お姉ちゃん」

穂乃果「聞いて! このままじゃお姉ちゃん行き遅れになっちゃうの! 一生独り身のパラサイトシングルになっちゃうの!」

雪穂「ふーんそれで」

穂乃果「だから誰か相手紹介してぇ!」

雪穂「知らないよそんなの、自分の結婚相手くらい自分で探しなよ」

雪穂「じゃ、私今日は亜里沙とのデートだから遅くなるから、お母さんに言っておいて」

穂乃果「がーん……」

雪穂「お姉ちゃんも頑張ってねー、特に何もしてあげないけど応援はしてるよ」

な、なんて薄情者…… 昔はあんな『お姉ちゃん』『お姉ちゃん』って言ってくれてたのに……

穂乃果「……アレ?」

雪穂、さっき『亜里沙とのデート』って言ってたよね……?

穂乃果「もしかしてこのままじゃ雪穂に先越されちゃうの……?」

穂乃果「ヤダヤダヤダ! そんなのやだ!」

穂乃果「決めた! 穂乃果今日中に『運命の相手』を見つけてみせる!」


穂乃果「と、言ってもなー」

穂乃果「高校生の頃はずっとみんなとニャンニャンしてたし」

穂乃果「大学でも4年間レズサーの姫だったから……」

穂乃果「ほのか自分で相手探したこと無かったのかも……」

穂乃果「うーん…… 取り敢えず街に出てみたけど」

穂乃果「可愛い娘って中々居ないものだよね……」

穂乃果「見た目が全てってわけじゃないけど、どうせなら可愛い娘と結婚したいし」

穂乃果「…… やっぱりμ'sのみんなって美少女揃いだったんだなー」

穂乃果「ん、あれは……」

人があふれるこの街中で、それでも他の人とは違う、確かな「輝き」を持った人がそこに居た

間違えるはずが無い、わたしは確信を持ってその人に話しかける

穂乃果「あのー、すいません もしかして…… 綺羅ツバサさんですか?」

ツバサ「はい、確かにツバサですが、あなたは……高坂穂乃果さん?」

穂乃果「はい、ほのかです! お久しぶりです」

ツバサ「久しぶりね」

穂乃果「ツバサさんもショッピングですか?」

『も』か…… まぁこのくらいのウソ、別にいいよね

ツバサ「ええそうだけど…… こんなところで立ち話もなんだし、そこのカフェなんてどう?」

穂乃果「はい! 是非!」

「カフェ」って…… ツバサさんおっしゃれー!

穂乃果「えーっと……」

そう言えばほのか苦いコーヒーあんまり飲めないんだ……

穂乃果(どれが甘いかな…… て言うかこれ何て読むのかな……)

うーん…… こういうカフェなんてあんまり来たこと無いからなー

ツバサ「もう決まったかしら?」

穂乃果「はい!」

やっぱり返事は元気良く、だよね?

ツバサ「それじゃ、 すいませーんこれください」

よし、ほのかにも27年間生きてきた「しょせーじゅつ」というものがある、ここは……

穂乃果「わたしも同じものください!」

穂乃果「ごく」

にが……

ツバサ「うん、平日の昼間にカフェでコーヒーを飲む、なんてとっても優雅で贅沢ね」

穂乃果「はい! そうですね!」

苦いけど

穂乃果(そう言えばツバサさんはこの平日の昼間、なんで外を出歩いてたんだろ?)

ほのかは家事手伝いだから暇な時間はあるけど……

穂乃果(あっ、もしかして)

穂乃果(案外ツバサさんもほのかと同じ家事手伝いだったりして! 聞いてみよう!)

穂乃果「そう言えばツバサさんは今どんなお仕事をしているんですか?」

ツバサ「私? えっとーーって会社に勤めているわ」

穂乃果「えぇー!? あのーーですか!」

ツバサ「そ、そんな驚くことかしら……?」

穂乃果「だ、だって……」

あそこはほのかでも知ってるくらいの有名企業だし……

ツバサ「この前上司から『いい加減有給消化しろ』って言われてね、突然お休みなんて貰っても使い道なんて無いって」

ツバサ「そんなときに穂乃果さんが声をかけてくれたから、嬉しかったわ」

穂乃果「そ、そうだったんですか……」

うーん…… ほのかもよくお休みの使い道に困ってるけど多分ツバサさんとは違う理由だなぁ……

穂乃果「へぇ~……」

ツバサ「……」

ツバサ「やっぱり貴女もそう反応するのね」

穂乃果「へ?」

ツバサ「最近、A-RISEのメンバーだったあんじゅと英玲奈から『結婚する』ってお知らせを貰ったの」

ツバサ「当然嬉しかったわ、昔の仲間が幸せになるんだもの」

ツバサ「だけどね、同時に別の感情も生まれたわ」

ツバサ「悲しみ、焦り、嫉妬、孤独、自分の中にこんな気持ちがあったなんて知らなかった」

穂乃果「……」

穂乃果と同じ…… なのかな

ツバサ「これでも私、よく『ツバサさんって超優良物件ですよね』なんて言われるのよ?」

ツバサ「実際は有給一つ消化するにも苦労するくらいの小市民なのにね」

穂乃果「……」

「そんなこと無い!」そう言いたかった

わたしは今すぐにでも口を開きたいと、そう思っていた

けれど実際のわたしは儚げに視線そらすツバサさんに言葉一つかけられずに居た

ツバサ「ずっと、前に進んできた」

ツバサ「いつだって立ち止まらずに、ずっと」

ツバサ「だけど気付いたら一緒に進む人も居なければ、自分の歩みを自分で止めることも出来なくなっていたの」

ツバサ「……」

ツバサ「暗い話しちゃってごめんなさいね、こんな話聞いても仕方ない

穂乃果「ツバサさん!」

ツバサ「はい……?」

穂乃果「あ……」

わたしはつい耐えきれずに口を開いた、完全なノープランのまま……

穂乃果「えーっと……」

ツバサ「えーっと……?」

穂乃果(ぜ、ぜんっぜん言葉が出てこない……)

穂乃果(まぁいいや! こうなったら出たトコ勝負だ!)

穂乃果「ほの、わたしがなります!」

ツバサ「……何に?」

穂乃果「ツバサさんの休憩地点!」

ツバサ「?」

穂乃果「ほのか、実はニートなんです! だから毎日暇です!」

ツバサ「そ、そうなの……」

あっやば、ツバサさんちょっと引いちゃったかな……?

まぁ今さら後悔しても遅いよね!

穂乃果「だからほのかはいつでも、ツバサさんが暇な時はいつだって駆けつけます!」

穂乃果「だから……

ツバサ「ちょ、ちょっといいかしら……」

穂乃果「はい?」

ツバサ「声…… 大きいわ……」

穂乃果「あっ……」

ツバサ「……」

穂乃果「……」

ツバサ「……お店、出ましょうか」

穂乃果「はい……」

最後にもう一回コーヒーを飲んでみた

苦かった

穂乃果(はっ!)

レジの前に立って気付く……

穂乃果(お財布の中に74円しか無い……)

ツバサ「……」

ツバサ「ここは私が全て払うわ」

穂乃果「あ、ありがとうございます……」

うーん……

ツバサ「もう日も落ちる時間だし、帰りましょうか」

穂乃果「はい……」

ツバサ「お金のことなら気にしなくても大丈夫よ?」

穂乃果「えっ! いやそんな!」

「次はほのかが払います」そう言いたかったけど、

穂乃果(それはちょっと無理そうだな~……)

ツバサ「……そんなに気にしてるならこうしない? 今度会った時は貴女が全額奢り、ってことで」

穂乃果「は…… はい!」

あれ? でも『今度会った時』ってことは

ツバサ「実はまだ有給、余ってるのよね」

ツバサ「『毎日暇』ならまた来週の今日、会えるかしら?」

穂乃果「……はい!」

ツバサ「それじゃあ楽しみにしてるわ…… 穂乃果さん」

穂乃果「はい! ほのかも楽しみにしてます!」


穂乃果「次、ツバサさんに奢ってあげるために穂むらのお手伝い頑張らなくちゃ……」

「めんどくさい」そんな気持ちは欠片も無かった

今ほのかの胸にあるのは、上手く言葉に出来ない、熱くてドキドキする『ソレ』

多分、きっと『ソレ』は……

穂乃果「よーし! 明日からも頑張るぞっ!」

これで終わりです。読んでくれた方ありがとうございます。
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