杏「ねぇ…アイドルが突然KBTIT一族になっちゃうビョーキが流行ってるんだって」 (50)

杏「めんどくさいことになりそうだねー」

きらり「……」

卯月「……」

未央「……」

未央「……えっ? な、なに、ク……クボ……?」

みりあ「KBTITってなーにー! 楽しそうならみりあもなーるー!」

杏「え゛っ゛、なになに、その反応、もしかして知ってるの杏だけ?」

凛「初めて聞いたよ……しかもなに、一族って……なにそれ、いっぱいいるの……?」

杏「あれー今時のJKJCならみんな知ってるって由里子が言ってたんだけどー」

みりあ「みりあもなーるー!」

杏「えーっと、なんでもKBTITっていうのはねー」



杏「ジャンプで連載してる人気漫画家なのに、なんかバカみたいなファッションして奇抜で変なグラサンかけてる人なんだってー」



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卯月「えっ、漫画家さんなのに、ですか……?」

杏「なんかアミアミで乳首すけた服とか着てるんだって」

卯月「そ、それで漫画を描いてるんですか……?」

杏「うん」

卯月「……」

李衣菜「へーそれってロックじゃない? やっぱアーティストはそれくらい型破りじゃなきゃねー」

みく「李衣菜ちゃんは黙っててにゃ!」

美波「ま、まぁ、世の中には色々な趣味趣向の人がいるのだし、それは自由じゃないかな……」

凛「……なんか全然想像できないんだけど」

杏「そういうだろうと思ってPCを借りてきたよ、百聞は一見にしかずっていうしー口で説明するのめんどくさいしー」

杏「えっと……KBTITと……」カチカチ

杏「あ、画像がでた」パッ

李衣菜「うわ……」

みく「……」

凛「……なんか思ってたのより数倍すごかったんだけど」

アーニャ「アーBLEACH……これがこの人が描いてる漫画、ですか?」

莉嘉「えー! この漫画リカ好きだったのにショックー!」

未央「ちょっと、これマジ……?」

杏「マジらしいよー」

未央「だって、これ……」

未央「上半身に比べて下半身が貧弱すぎない……?」

美波「えっ」

未央「えっ」

美波「……」

未央「……?」

美波「……」

美波「未央ちゃん、この画像には下半身は写ってないみたいだけど……」

未央「えっ、あ、あれ?! ホントだ!?」

未央「あっれぇワタシおかしいな……何でこんなこと言っちゃったんだろ……」

きらり「それで、きらりたちはこのハピハピしてるおじさんになっちゃうのかにぃ?」

李衣菜「えー! わ、私絶対にこんなダサい服着たくないっ!」

みく「さっきロックって言ってたのはどこのどいつにゃ……」

李衣菜「いやーこれはダメでしょ……なんていうか……これはダメでしょ……」

李衣菜「ダメ……なんかこう……生理的に……とにかく……」

みく「すごい変わりようにゃ」

李衣菜「これならまだみくちゃんの猫耳つけたほうがマシだよ」

みく「えっ、比べられるレベルなの……?」

みりあ「えーみりあはこのひとすごいかっこいいと思うよー!」

みく「にゃっ?!」

杏「まぁまぁ、ちょっと動画も見てみよー」カチカチ

──皆さんご無沙汰しております、悶絶少年調教師のタクヤと申します。

凛「うわ……」

きらり「にょわ……」

美波「……」

──今回の悶絶少年大全集は……。

未央「……」

コンコン。

ちひろ「みなさーん来週の予定をお伝えにきたのですけれど……ガチャ

──今回調教する少年は、まもるっ

ちひろ「えっ……」

杏「……」

李衣菜「……(絶句)」

未央「……ねぇ、せめて……無言やめよ……」

凛「……」

アーニャ「……」

みく「な、なんか何でもいいから、喋るにゃ……ほ、ほらっアーニャちゃん……」ゴニョゴニョ

アーニャ「な、なにか……」

アーニャ「……」

アーニャ「ピロシキ……」ボソッ

美波「……」

みく「……うん」

アーニャ「……」

ちひろ「……」

ちひろ(えっ……何でこのアイドルたち真昼間に事務所でみんなでホモビデオ観てるの……?)

アーニャ「マトリショーカ……」ボソッ

みく「アーニャちゃん……もういい、もういいにゃ……もう動画終わってるにゃ……」

みりあ「すっごい面白かったねー」

卯月「人気漫画家さんなのにこんな副業をしてたんですね……」

未央「なんかこう、一生知らなくてもいいものを知っちゃった気分だね……」

凛「ふーん、それで……私たちはこのサーファー焼けしたおじさんになっちゃうってわけ?」

杏「詳しくはよくわからないんだってー、一族っていうくらいだから他にもいるらしいけど」

未央「いやいやー、そんなビョーキなんてあるわけないっしょー! あっはっは!」

卯月「ですよね、だといいですけれど……」

凛「だよね、悪い冗談だよ」

ちひろ「あ、あの、来週の予定をお伝えにきたのですけれど……」

未央「あっ、ちひろさんいつのまに」

ちひろ「えっと、みなさんの趣味は否定しませんけど、お仕事もおねがいしますね……」

ちひろ「えっと……」ペラッ


ちひろ「卯月ちゃんは、握手会が水曜日にあります」


卯月「はい、頑張ります!」


ちひろ「未央ちゃんは、サイン会が木曜日に、がんばってくださいね」


未央「オッケー!」


ちひろ「凛ちゃんは、舞台公演が金曜日にあるのでよろしくおねがいしますね」


凛「かしこまり!」

卯月「えっ」

未央「えっ」

凛「えっ」

卯月「り、凛ちゃん……どうしたんですか……?」

未央「なんかキャラ違くない?」

凛「えっ、そ、そうだったかな」

卯月「う、うん、凛ちゃん、かしこまり、とか言わないタイプですよね……」

凛「えっ私、そんなこと言ってないよ」

未央「いやいや、絶対言ってた、すっごい良い発声で言ってた」

凛「言ってないって、気のせいだよ」

卯月「……」

未央「き、気のせいだったのかな……そうだよね、あのしぶりんが……」

凛「もう、私は絶対そんな変なこと言わないから」

ちひろ「あ、あのー、お仕事のお話を進めてもいいでしょうか」

凛「あ、ごめん」

未央「そうだよねーあのしぶりんがねー……」

凛「言わない言わない」

ちひろ「えっと、それじゃ土曜日にはニュージェネレーションのライブですので、卯月ちゃん」

卯月「はい♪」

ちひろ「未央ちゃん」

未央「はーい!」

ちひろ「凛ちゃん」

凛「はい」


ちひろ「よろしくお願いしますね、応援してますから!」


凛「ありがとナス!」


卯月「凛ちゃん?!」

卯月「凛ちゃん、ナスって?! ナスってなんですか?!」

凛「えっ……私、どうしちゃったんだろ……」

杏「……これって結構厄介なビョーキなんじゃ」

美波「えぇ、この調子だと、とてもステージに立てないわね……」

みく「困ったにゃ……」

李衣菜「……」

みく「李衣菜ちゃん、何さっきから黙ってるにゃ」

李衣菜「……って……」

みく「えっ?」

李衣菜「B'zってロックだよね~」

みく「はっ?」

李衣菜「なんか……なんか急にB'zが弾きたくなってきた……」

みく「な、なにこの状況で悠長なこと言ってるにゃ!」

みく「李衣菜ちゃんもどうすればいいのか考えるにゃ!」

李衣菜「よし、松本に相談しようか」

みく「松本って誰にゃ?!」

李衣菜「でも多分冷やかされるからやめとこう」

みく「……」

李衣菜「太陽のkomachiえーんじぇーる!!!」

みく「にゃあああ李衣菜ちゃんがおかしくなっちゃったにゃー!」

アーニャ「落ち着いてくださいみく」

みく「アーニャちゃん……」

アーニャ「大丈夫です、きっとみんな元に戻ります」

みく「……」

アーニャ「みく、私たちは今からノアとレッスン、ですよ」

みく「あ、そっか、久々に……」

みく「にゃん・にゃん・にゃんのユニット活動があるにゃ」

アーニャ「えぇ、にゃん・にゃん・にゃんの……」

アーニャ「……」ピクッ

みく「……」ピクッ

アーニャ「なん、でしょう、なにか、すごく……叫びたいキブンですね……?」

みく「み、みくもにゃ……言わないといけない気がするにゃ……」

みく「でも、言ったら、言ったら負けな気がするにゃ……」

美波「どうしましょう……このままだと346プロのアイドルが全員KBTITさんになってしまうのね……」

未央「地獄絵図じゃん!」

凛「もう許せるぞオイ!」

卯月「凛ちゃん?!」

???「話は聞かせてもらいました」

きらり「?! だ、だれにぃ?!」

ガチャ

佐村河内「はじめまして、佐村河内守と申します、同じ芸能のよしみとして、あなたたちを放っておけません」

みく「にゃ?! グラサンに長髪がきたにゃ!」

未央「と、いうことはこの人も、KBTIT一族……?」

佐村河内「……」

卯月「で、でも、放っておけないって……どういうことですか?」

美波「そ、そうよ、佐村河内さん、もしかしてこの病気について何か知ってるんですか?」

佐村河内「……」

凛「何か治療法があるってこと?」

佐村河内「……」

美波「お、教えてください、佐村河内さん! どうすればこの病気は治るんですか?!」

佐村河内「……」

美波「佐村河内さん?!」

佐村河内「……」

佐村河内「えっ、なに、ちょっと聞こえない」

杏「佐村河内さんは生まれつき耳が聞こえないらしいよ」

佐村河内「……」コクリ

美波「あっ、そうなんですね、ごめんなさい……」

佐村河内「いえ、気にしないでください」

みく「そういえば聞いたことがあるにゃ、現代のベートーベンと呼ばれる天才作曲家だって」

きらり「うわーすごいにぃ☆」

佐村河内「はっはっは、そんな褒めないでください」

凛「……」

凛「ねぇ、卯月、本当はあの人聞こえるんじゃない?」

卯月「凛ちゃん、人を疑っちゃダメですよ」

凛「……」

佐村河内「私は過去にKBTIT一族から追放された立場、あの時は悔しかった」

佐村河内「その悔しさが、私にKBTITを研究させる情熱を与えた」

佐村河内「自粛中、毎日毎日、ホモビデオを観てKBTITを知り尽くした」

未央「何してんの?」

佐村河内「いいですか、私は真実しかいいません」

美波「……」ゴクリ

凛「……」ゴクリ

佐村河内「アイドルがKBTIT一族になる奇病を治すには……」

卯月「……」

杏「……」

みりあ「……」

凛「……」

きらり「……」

李衣菜「ウ ル ト ラ ソ ウ ル !!!!」

みく「李衣菜ちゃんは黙っててにゃ!」

李衣菜「ごめん……なんかどうしてもB'zを歌いたくなっちゃうんだ……」

佐村河内「重症ですね、その娘はあともう少しでB'zのギタリスト松本になってしまうでしょう」

未央「リーナがB'zのギタリストの松本にっ……?!」

李衣菜「えー! やだやだ! 歳をとるごとに志村けんにだんだん似てくる人になんかなりたくないー!」

みく「怒られるからやめるにゃ!」

李衣菜「どうしよ……」

みく「わかったにゃ、そういう病気なら李衣菜ちゃんが突然B'zを歌ってももうツッコまないにゃ」

李衣菜「……みくちゃん」

みく「一緒になおそ?」

李衣菜「へへ、ありがと……みくちゃん……」

李衣菜「……」

李衣菜「おぉ~しゃぁ~ん↑」

みく「……」

みく「」イラッ

ガチャッ

蘭子「闇に飲まれよ!」

アーニャ「ドーブラエ ウートラ、rrrrrrrrrルァンコ、おはようございます」

凛「よかった、蘭子はまだ無事みたいだね」

蘭子「む、我が同朋よ、この叫喚の宴は何事か」

みりあ「あのねーなんか私たちもうちょっとでふざけたおじさん達になっちゃうんだってー」

蘭子「ぴぃっ?!」

美波「今、佐村河内さんという天才作曲家さんと一緒に解決法を探しているの」

蘭子「ふむ、承知した、我が双眸はすべてを見通す」

アーニャ「rrrrrrrrrrrrrrrrrルァンコも一緒に考えましょう?」

蘭子「……」コクリ

蘭子「祈ったところで何も変わらない《不本意な現状》(←今)を変えるのは闘う覚悟だ」

凛「うんうん」

蘭子「屍踏み越えて進む意志を嗤う豚よ」

蘭子「家畜の安寧 虚偽の繁栄」

蘭子「死せる餓狼の≪自由≫をっ!」

凛「……」

美波「……」

凛「よかった、蘭子はいつも通りだね」

きらり「よかったにぃ☆」

卯月「えへへ、蘭子ちゃんまでKBTITさんになってたらどうしようかと思いました」

未央「らんらん心なしか声量貧弱になった?」

みく「というかいい加減に話を進めるにゃ……」

未央「あーそうだった、それで佐村河内さん、病気を治す方法って?!」

佐村河内「……」

佐村河内「人はみな、心にKBTITを飼っている」

美波「えっ?」

佐村河内「誰しもがKBTITになる素質を持っているのです」

みく「な、何を言ってるにゃ……」

佐村河内「大切なのは、それを受け入れること……否定してはいけません……」

佐村河内「偽りの心で、人を動かすことはできないのですから」

みく「な、なんか深いにゃあ」

凛「KBTITを……受け入れる……?」

凛「それって、どういうこと?」

佐村河内「……」

佐村河内「えっ、なに、ちょっと聞こえない」

凛「」ガタッ

未央「しぶりん、抑えて抑えて! ステイステイ!」

佐村河内「渋谷さん、ですか、あなたもKBTIT病にかかってますね」

凛「……それマジ?」

佐村河内「克服するには、受け入れるのです、足掻くのは逆効果です」

凛「受け入れる……」

凛「よく、わからないけどやってみる」

佐村河内「ちなみにあなたはもう少しで」

凛「うん」

佐村河内「悶絶少年調教師になります」

凛「あ、絶対に無理」

凛「え、なに、私、あんなダサいサングラスかけちゃうの」

佐村河内「それだけならいざ知らず、上半身を露骨に鍛えはじめます」

凛「……」

佐村河内「更にかわいい同性がいると調教したくなってしまいます」

凛「私だけ過酷すぎない?」

李衣菜「まぁまぁ、疲れたときは今夜月の見える丘にでもいこうよ」

みく「……」

凛「今週、ライブがあるんだけどこの状態で演れっていうの……」

卯月「……」

未央「……」

凛「悲しいなぁ……(諸行無常)」

卯月「……」

未央「……」

きらり「大丈夫だにぃ!」

杏「きらり……?」

きらり「みんな一緒なら、ぜぇ~ったいぜったい乗り越えられるにぃ!☆」

美波「きらりちゃん……」

きらり「だからね、ハピハピスマイルでいこーよ☆」

きらり「そんなお顔してちゃ幸せも逃げちゃうにぃ」

凛「そ、そうだよね、うん」

杏「さすがきらり、いいこと言うじゃんか」

きらり「んー☆ だってだって、きらりは頑張りたいにぃ」

みく「そ、そうだね、ファンのみんなやPチャンのために」

きらり「それに月島さんにもにぇ」

杏「は? きらり、月島さんって誰?」

きらり「にょわ? 杏ちゃんどうしたの?」

きらり「きらりたちがぁここまでやってこれたのわぁ月島さんがプロデュースしてくれたおかげだにぃ」

杏「なん……だと……?」

きらり「えーみんな月島さんのこと忘れちゃったのぉ?」

未央「知ってる……?」ヒソヒソ

美波「さぁ……」ヒソヒソ

佐村河内「なんてことだ、この娘もKBTIT病に……」

卯月「えぇ!? きらりちゃん大丈夫ですか?!」

杏「きらりーしっかりしろー!」

きらり「はっ……きらり今なにか変なこと言ったにぃ……」

凛「よかった、元に戻った……」

きらり「もう、もう大丈夫にぃ」

きらり「とにかくみんなで病気を治すにぃ☆」

杏「そうだねー」

きらり「落ち込んでちゃだめだめぇ~」

杏「わかったわかった」

きらり「それじゃきらりのハピハピワードにぃ☆」

きらり「」

きらり「引けば老いるぞ 臆せば死ぬぞ」

杏「どうしたきらり! 言葉使いが変だぞ?!」

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