真美「ねえ兄ちゃん、フワタリってなにー?」 (40)

書き溜めあります。
それほど長くありません。

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テレビ『先ほど行われたゴージャス製菓の豪蛇社長の会見によると、原材料費高騰を商品価格に転嫁できず、昨日、2度目の不渡りを--』

真美「ねぇねぇ兄ちゃん、フワタリってなにー?」

P「うーん、手形がだな…」

真美「手形って?あのお相撲さんがよくやるあれ?」

P「うーん、どういうと簡単に伝わるのかなあ、こういうのは経理をやってる音無さんにきいてみるほうがいいんじゃないか」

真美「うーん、じゃピヨちゃん!フワタリって何?教えてよー!」

小鳥「そうねえ、すごくすごく簡単にいうと…
例えば、真美ちゃんのその髪留めを『手形』というものだとしましょうか」

真美「うんうん!」

小鳥「えーっと、そうね、春香ちゃん!ちょっとこっちに来て!」

春香「え、わたしですか?」

小鳥「ありがとう。真美ちゃんはおこづかいがたりません。そこで、その髪留めを預けることを条件に、
春香ちゃんに1000円借りました。はい、真美ちゃん、その髪留めを春香ちゃんに預けて」

真美「はいはーい、じゃはるるん、1000円貸して!」

春香「え、1000円…小鳥さん、これ本当に貸すんですか?」

小鳥「ま、まぁまぁ。大丈夫よ。ちょっと今だけ、ね」

春香「わかりました、はい、真美」

真美「やったー!1000円ゲットだぜ!」

*そのころ、あずささん自宅
あずさ「あらあら、ゴージャスプリンの会社が…昨日事務所にあったのを食べてしまったけど、もう食べられないのかしら、ちょっと残念だわ」

小鳥「えーと、誰かもう一人…プロデューサーさんでいいわね。プロデューサーさん、ちょっとお願いします」

P「はいはい」

小鳥「春香ちゃんは、帰りに新しいお菓子のレシピ本を買いたかったことに気付きました。
そこで、真美ちゃんの髪留めをプロデューサーさんに1000円で売りました」

春香「あ、わたし本当に、今日レシピ本買って帰るつもりだったんですよ!」

真美「え、ちょっと、その髪留め、真美のだよ!勝手に売っちゃだめだYO!」

小鳥「そうね。だから実際は『真美ちゃんから髪留めと交換に1000円を返してもらう権利』をプロデューサーさんに売ったのよ」

P「ほら、春香。俺のサイフから1000円だ」

春香(プロデューサーさんのさわった紙幣!)「はい!じゃあこの髪留めはどうぞ!なんならリボンもいかがですか?」

P「リボンはいい。ややこしくなる」

春香「むー」

真美「うーん、それじゃ真美は兄ちゃんに1000円返せば、髪留めが戻ってくるの?」

春香「しかし真美ちゃん、今月は無駄遣いをし過ぎ、プロデューサーさんにお金を返せませんでした」

真美「うえーちょっとピヨちゃん!」

小鳥「かくして真美ちゃんは、『お金を返してくれない子』の悪評がたち、その後、誰もお金を貸してくれなくなってしまいましたとさ」

P「なあなあ、やよい聴いてくれよ、真美がお金を返してくれないんだ。あんなお金にルーズな真美とは仲良くしないほうがいいぞ」

真美「ちょっとー!フーヒョーイガイだよ!」

P「風評被害、な」

小鳥「というふうに、借金をして、そのお金をしっかり返せなくなって、誰もお金を貸してくれなくなったら、仲良くしてくれなくなったら困るでしょ?」

春香「へー、なんかわかりやすいかもー」(プロデューサーさんの指紋付きのお札!ラミネート加工して保存しなきゃ!)

小鳥「かなり雑な説明だけど、イメージは伝わったんじゃないかしら」

P「実際の不渡りだと、俺が真美のお父さん…実際には銀行なんだが…お父さんに髪留めと1000円を交換してもらうイメージだ。
ただ、真美が小遣いを前借りしちゃったから、お父さんは、『もう真美関係で出すお金はない!』って言って、髪留めと1000円は交換してくれなかった、みたいな感じだ」

真美「ふーん」

テレビ『なお、ゴージャス製菓は今日から操業を停止しており、従業員は無期限の自宅待機になっているとのことです』


*そのころ、あずさ自宅
あずさ「え!(今日にでも行きがけにコンビニで買って、こっそり戻しておけばいいと思ってたのに!操業停止ってことはもう売ってないの!?)」

テレビ『なお、ゴージャス製菓は今日から操業を停止しており、従業員は無期限の自宅待機になっているとのことです』


春香「うわー、じゃあもうあのプリン食べられないのかなあ」

真美「えー、ほんとに?せめて最後にもう一回食べとこうYO!確かゆきぴょんが、昨日何個か買ってきてたんだ!」

小鳥「真美ちゃん、あれは雪歩ちゃんが『最上級のお茶といっしょに食べるんですぅ』って言ってたから、それはやめておいたほうがいいわよ。
今日は静岡ロケだから、今頃ロケ終わりに、お茶屋さんを廻っているはずだもの」

春香「"ま、真美ちゃんなんて穴掘って埋めちゃいますぅー!"」

真美「じょ、冗談だよ→」(ブルッ)

ピピピ!

春香「なんだろう?あずささんからメールなんて珍しいなー」

*あずさ自宅

あずさ「春香ちゃん、本当にごめんなさいね」

春香「いえ、わたしは構わないんですけど一体?」

あずさ「実は、雪歩ちゃんのゴージャスセレブプリンを食べてしまって…」

春香「やっぱり。なんとなくそんな気がしました」

あずさ「?」

春香「事務所でテレビ見てたら、ちょうどそのニュースをやっていましたから、もしかして、って」

あずさ「あららー、同じテレビを見てたのね。でもそれなら話が早いわ。あのプリン、春香ちゃんのテクニックで再現できないかしら?」

春香「…」

あずさ「…無理かしら…?」

春香「…できますよ」

あずさ「えっ!?本当に?」

春香「実は、今月号の『スイーツメイツ』、特集がプリンなんですけど、ほら、見てください」パラッ

あずさ「…商品開発部長自ら、ゴージャスセレブプリンのレシピを大公開!これであなたも毎日セレブ気分!?あらー、大当たりじゃない?」

春香「まったく同じ産地の牛乳や玉子は入手できないかもしれませんけど、牛乳なんかは、同じ濃さのものを買ってきましょう。
だいたい同じものは作れる筈ですよ!」

あずさ「わかったわ春香ちゃん!それじゃあ材料は私が買ってくるから、準備をおね」

春香「いや!それ時間がどれだけかかるかわからないですから!一緒に行きましょう!」

あずさ「あらあら、私、信頼されていないのね・・・」

春香(方向感覚に関しちゃ信頼できません!)

数時間後。

春香「あとはこれを、冷蔵庫でしっかり冷やしておけば大丈夫ですよ」

あずさ「よかったわー。春香ちゃんがいなかったら私には作れなかったわねー」

春香「明日、他の誰かに気付かれる前に事務所にプリンをセットすれば完了ですけど…」

あずさ「なにか問題があるのかしら?」

春香「事務所の鍵、ないですよね?」

あずさ「あらあら、確かにまずいわね」

春香「事務所が開くまで前で待ってたら怪しいし」

あずさ「そもそも何時間待ちになるのかわからないのに、寒空で朝から待つのは辛いわね」

春香「今から事務所に行きましょうか?今日はプロデューサーさんが終電ギリギリまで働くみたいでしたし」

あずさ「うーん、そうねえ。あ、春香ちゃん、わたし、ちょっと思いついちゃったわ!」

春香「?」

あずさ「とりあえず今日は春香ちゃん、うちに泊まっていってくれないかしら?」

あずさ「ご両親には許可貰えたかしら?」

春香「はい、たまに千早ちゃんのうちに泊まりにいってますから!」

あずさ「それじゃあ、晩御飯はわたしがご馳走するわね」

春香「え、いいんですか?」

あずさ「この時間だから、簡単なものにしちゃうけれどね」

春香「あ、でも着替えがないですね…カットソーとかは事務所に予備があるんですけど、
さすがに下着は買わないと…」

あずさ「パジャマは私のを貸すとしても、下着は問題ね。
ともかく、ちょっと駅前まで、買いに行きましょう。まだギリギリ開いている時間だわ」

春香(下着を買うのってだいたい一人で来るからなんか緊張するなあ。下着の趣味があずささんに見られるってのもどうなんだろう?うーん)

あずさ「ほら春香ちゃん、これなんかどうかしら」

春香「ちょ、こんなセクシーなの無理ですよ!」(確かにかわいいけども!こんなん紐じゃん!エグイよ!)

あずさ「あら、絶対似合うのに…いいからこれにして、ね?私からのプレゼントだから!」

春香「ええー…(それ言われたら拒否できないよ)」

春香「なんか、布面積の割に結構高かったですね。買っていただいて申し訳ないです」

あずさ「あら、気にしないで。それじゃ、春香ちゃん、先にお風呂に入ってちょうだい。その間に、晩御飯の準備をするわ」

春香「一番風呂ですか?なんか申し訳ないです」

あずさ「いいからいいから」



春香「うわー、このシャンプー、輸入モノのヤツだ。これすっごい高いんじゃ…
え、なにこれ。バスソルト?バス○リンじゃない入浴剤なんて使ったことないよー
あ、これ、バスブラシってやつだ!おとなはタオルじゃなくてこういうので体洗うんだー!」

春香「お先にお風呂、いただきました!パジャマ、これありがとうございます」

あずさ「あら、似合っているわ。サイズも問題なさそうね。お風呂でゆっくりできたかしら?」

春香「はい!なんか高そうなシャンプーに高そうな入浴剤に、あとシャワーの水流が気持ちよかったです!」

あずさ「そう、よかったわ。あのシャワーヘッドはお気に入りなのよ。それじゃ私もちょっとお風呂にするわ。
少しくつろいでいてね?」

春香「晩御飯、この短時間で作りおわったのかな?あれ、圧力鍋?煮込みものなの?女子力高っ
そうだよなあ、あずささん大人だもんなあ。素敵な男の人に手料理、とかやってるのかなあ」

あずさ「それがまだなのよ」

春香「へっ、あずささん早っ!」

あずさ「いや、遅いくらいよね…」

春香「い、いやそうじゃなくって」

あずさ「大丈夫、ちょっとからかっただけよ。
春香ちゃんを待たせてるし、お腹もすいてしまったから早く出てきちゃったわ。ご飯にしましょうか」

春香「はー、ビーフシチュー、美味しかったです!」

あずさ「春香ちゃんのお口に合ったようでよかったわ」

春香「圧力鍋使ったらこんな短時間でトロッとなるんですね。
これは世の男性の胃袋をガッシリ掴めますね!」

あずさ「そうかしら。振舞ってみたいものね、運命の人が現れたらね…
さあ、そろそろ休みましょうか。明日は早く出かけないと」

春香「そうですね!」

あずさ「ちなみに春香ちゃん、千早ちゃんのところに泊まるときはどうしているの?」

春香「え、ええ。千早ちゃんち、ベッドというか布団が1組しかないので、
ちょっと狭いんですけど一緒に寝ていますよ」

あずさ「それじゃ、私とも一緒に寝ましょうか」

春香「へ?」

春香(なんか流されるままに、あずささんと一緒のベッドに寝ています)

あずさ「zzz...」

春香(あずささんはあっさり眠ってしまいました。しかしなんだか緊張します)

あずさ「zzz...」

春香(だってなんか背中にむにゅっとしたものが当たってるんだもん!)

あずさ「zzz...」

春香(寝てるときに背中に胸があたっている経験なんて初めてだよ!
わたし、好きなのは男性、っていうかプロデューサーさんだけど、やっぱりこれはこれで緊張する!)

あずさ「zzz...」

チュンチュン!チュンチュン!

??「・・・かちゃ・・・きて!」

あずさ「春香ちゃん!起きて!」

春香「へ、は、おはようございます!」

あずさ「そろそろ行かなきゃ!お化粧は事務所でしましょう!」

春香「え、えええ!」

あずさ「タクシーがあと10分でくるわ!」

タクシー車内
春香「まさかタクシーまで呼んじゃうとは」

あずさ「一応、わたし最年長なのよ。その沽券にかけても今日は一番乗りしないとね」

春香「しかしいくら何でも早すぎません?まだ7時まわったばっかりですよ?そもそも事務所の鍵がな」

あずさ「あ、運転手さん!ここで一旦止めてください。春香ちゃんは待ってて」ガチャ

春香「え?」

3分後

小鳥「春香ちゃん、おはよう…」

春香「小鳥さん、めっちゃ眠そうなんですけど!」

あずさ「3時間しか寝てないみたいね」

春香「だ、大丈夫ですか!?目の下とか真っr」

小鳥「それじゃ、着くまで寝かせてもらいますね...zzz...」

春香「もう寝ちゃった…?」

あずさ「運転手さん、出してください」

ガチャ
小鳥あずさ春香「おはようございまーす」

小鳥「っていっても誰もいないんだけどね」

春香「誰もいない事務所ってちょっと新鮮かも…」

あずさ「さあ、それじゃあこのプリンを冷蔵庫にしまって」

春香「オッケーです!」

小鳥「二人とも大変だったみたいね。お疲れ様!」

あずさ「本当に春香ちゃんには助けられちゃったわ」

春香「いえ、そんな。その代わりに泊めていただいて、晩御飯までいただいて、ご馳走様でした!」

小鳥「あらあら、あずはるですか?」

あずさ「違いますよ!」

春香「ち、違いますよ///」

小鳥あずさ「?」

………

小鳥「しかし春香ちゃんがとなりで化粧してるのを見ると、へこむわあ」

あずさ「本当ですね」

春香「へ?なんでですか?」

小鳥「ほとんど化粧せずにこのカワイさだもの。はあ。私だって春香ちゃんくらいのときはなあ」

あずさ「まあ、あまり化粧させないってのもそもそもプロデューサーさんの方針ですから」

ガチャ
P「おはようございます!」

春香「え、プロデューサーさん!?」

小鳥「どうしたんですか?ずいぶん早いじゃないですか?」

P「それは小鳥さんもですけど…いえ、昨日、真美に不渡りの説明するために1000円とられたじゃないですか」

小鳥「まあ、一時的にですけど」

P「あの1000円、まだ真美から回収してないんですよ。それで、財布の中に紙幣が一枚も無くてですね…」

あずさ「あらあら」

P「しかも俺の使ってる銀行、ちょうど昨晩、年に一度やるかやらないかのメンテナンスでお金がおろせなくてですね」

春香「じゃ、晩御飯食べてないんですか?」

P「ああ、そして今朝の朝飯もだ。で、ゴージャスプリンが俺の分もあったなーと思ってな、それを朝飯にしようかと」

あずさ「あらー、そうだったんですか」

小鳥「それで足りるんですか?なんならお金貸しましょうか?」

P「いやあ、でも、あのプリン美味しいじゃないですか。一度思いたったらもう食べたくて」

あずさ「ああ、そういうの、ありますよね」

春香「それじゃあのプリン、持ってきますね!」

春香「プロデューサーさん!お待たせしま、とっとっと!」ドンガラガッシャーン

P「」

小鳥あずさ「春香ちゃん!大丈夫!?」

春香「いてててて…プリンはなんとか守りました、大丈夫です」

あずさ「ケガはない?」

春香「えへへ…慣れてますから、大丈夫です」

P「………」

春香「プロデューサーさん?」

P「春香、言いづらいんだが…」

春香「なんですか?何でも言ってください」(え、まさか見た目でプリンがニセモノだと気付かれた!?)

P「あの、チラっと見えてしまったんだが…」

春香「へ、何がですか?」

P「そのパンツはちょっと高校生には早いんじゃないか…ほぼ紐じゃないか…」

あずさ「あ、あらあら」

春香「え、パン…イヤー!///」

おしまい。

8月2日がパンツの日、だそうなので、ビッグウェーブに乗ってみました!
あずささんチョイスの下着を穿く春香はかわいいと思います。

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