魔王「メイド長、メイド長。勇者はまだか?」(9)

メイド長「魔王様。そう日になんども尋ねられましても、勇者様の歩みは速くなったりしませんよ?」

魔王「むぅ、それはそうかもしれないが.......」

メイド長「魔王様。ここは1つのんびりどっしりと構えて、勇者様の到着をお待ちください。それが.....」

魔王「城主たる者の勤めだ.......それもういい耳にタコだ」

メイド長「でしたら、魔王様」

魔王「もういいと言ってるっ! わたしはバラ園に行くからなっ!」タッタッタ

メイド長「あっ! 魔王様っ!」

魔王が女なのか男なのか
それが問題だ

女の子

城内・バラ園

魔王「メイド長のお小言は長くてかなわん........それにひきかえお前たちは何も言わないからいいな.....」

バラ「」

魔王「.......ただ、咲いてるだけだし、な.........」

魔王「.......この城に初めて客がくるんだ。ちゃんともてなさなくては失礼だろ.....な?」

バラ(cv魔王)「まあ客って言っても魔王ちゃんを倒しにくるんだけどね」

魔王「そんなことはわかっている......でも、初めて人が訪ねてくるんだ。やはり楽しみなんだっ」

バラ(cv魔王)「でもさぁ、魔王ちゃん。勇者が来たら戦いになるんだよ。いいの?」

魔王「.......戦うのは、嫌だな.......なんとか、話し合いですまないだろうか」

バラ(cv魔王)「それは勇者の人柄によるよねぇ」

魔王「そう、だな......勇者とはどんな男なのだろう......知っているか?」

バラ(cv魔王)「なんでも噂によると頭に角が4本生えていて、体はオーガなみにデカいらしいよ」

魔王「それは......もう人間ではないな」

魔王「.......はあ.......わたしはなんてバカなんだろうな......ひとりでこんなこと.....」

魔王「まあいい。あしたメイド長に勇者のことを聞いてみよう」

魔王ちゃんかわいい

魔王かわいいな

<翌日>

魔王「メイド長、メイド長」

メイド長「何でございましょう、魔王様」

魔王「勇者はまだか?」

メイド長「......魔王様」

魔王「もういいわかった」

魔王「......ところで、メイド長は勇者の噂を知っているか?」

メイド長「勇者様のお噂、でございますか......」

魔王「うん」

メイド長「何でも、勇者様の頭には角が」

魔王「いや、そういったバカげた噂ではなく......もっとこう真実味のある噂だ」

メイド長「そうですねぇ......勇者様は困っている人々を無償で助けていらっしゃるとか」

魔王「......まるで、母様が聞かしてくれた父様の様だ......」

メイド長「左様でございますね」

メイド長「先代の魔王様とお会いになる前は、その様に旅をなさっていらっしゃいました」

魔王「うん、わたしもそう聞いている.......勇者は父様に似ているだろうか.....」

メイド長「それは、どうでしょうか.....」

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