アイドル「本当、もう馬鹿みたい」P「申し訳ない」 (62)


ガチャ


春香「おはようございます・・」


P「お!春香!!おはよう!元気ないな!そんなんじゃ駄目だぞ! 今日も一日頑張ろうな!」


春香「・・・はい」

春香「あの、すみません。私少し外の空気を吸いに言ってもいいですか?」


P「あ、ああ。構わないぞ!そういうときだってあるからな」


春香「それじゃあ・・」ガチャ


P「・・・さあ 仕事仕事」

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P「」カタカタ


ガチャ


千早「おはようございま・・・す」


P「ああ!千早おはよう!」


千早「・・あの 私が一番なのでしょうか・・?」


P「いや、さっき春香がきたよ。今は気分が悪いのか外の空気を吸いに言ってるぞ」

P「・・・その、千早もいってきたらどうだ?」


千早「はい、・・・ちょうど、その、春香に用事もあったので、失礼します」ガチャ


P「・・・ふう」カタカタ



----------

スタジオ--------


P「お疲れ雪歩!今日の仕事は・・その、よかったぞ!ごめんな。俺がとってきた仕事、やりにくかっただろ・?」


雪歩「・・・」


P「でも俺は今日の雪歩は最高だったと思ってるからな!失敗しても何回でも挑戦したらいいんだ!自分を嫌いになるなよ?」


ディレ「765プロさん?萩原さんいる?ちょっと言いたいことがあるんだけど」


P「!!・・・萩原は今少し疲労気味で、変わりに私ではだめでしょうか?」


ディレ「・・まあいいけど・・・それでさぁ・・」


P「はい・・はい・・・本当に申し訳ございません・・本人に悪気はないんです。根はとてもまじめな子で・・」



雪歩「・・・・」


P「真、お前が望む仕事じゃないのは解っている。でもやっぱり世間は菊地真には格好良くいてほしいんだよ」


真「嫌です、Pさん言ってくれたじゃないですか。僕がやりたかった仕事とってきてくれるって」


P「ああ、・・でもな。やっぱりそのためには小さな仕事もこなしていかなくっちゃ・・」


真「・・・とにかく、僕はもうそんな仕事請ける気はないです。」

真「Pさんが約束を守ってくれないなら、僕だって・・」


P「そう・・だよな。すまん真、お前の気持ちも考えずに・待っててくれ!必ずお前が気に入る仕事を取ってくるからな!」


真「・・・・」


P「・・・!やっと繋がった!やよい!どうしたんだよ!今日は仕事があるって伝えといたはずだぞ!」


やよい「え・・・あ、はい・・でも、今日の仕事って新人のアイドル達とのラジオ番組ですよね・・?」

やよい「別に私がいなくてもいいかなーって・・」


P「何言ってるんだ!!先輩のお前がしっかり見てやらなきゃ駄目だろ!」


やよい「わ、わたしだって家のこととかで忙しいんです!!」


P「・・!!そ、そうだよな・・でも、仕事を粗末にしちゃだめだろ・・?」


やよい「・・今日は体調も、優れないので」


P「・・・わかった、そう伝えておくよ。お大事にな」


やよい「・・・う、うぅ・・」


P「どうしたんだよ 響、今日はいつもの笑顔がないじゃないか」


響「うん・・・自分そろそろロケ番組とかじゃなくて司会とかやってみたいんだよねぇ」


P「し、司会? うーん・・でも俺はやっぱり元気に動き回る響が好きだぞ?」


響「なんか、こう・・変化がないというか・・・もう自分達も・・・ね?」


P「・・あぁ、そうだな もう少し気に入る仕事がないか探してみるよ」


響「お願いね!♪」


貴音「あなた様」


P「どうした?貴音??」


貴音「その、実に申し上げにくいのですが、前にお願いしていたらーめんを食べに行くという約束は・・」


P「あ、ああ・・もちろん覚えているぞ!でも貴音、最近そればっか考えすぎて仕事中とかぼーっとしてること多いだろ?」


貴音「そ、それは・・・しかし特に指示も出ませんでしたし、問題ないのでは?」


P「俺から見るとやっぱり、いつもの貴音らしくないというか・・」


貴音「わかりました、今宵はあなた様の言葉にしかと耳を傾けることにいたしましょう・・・」


貴音「らーめん屋の屋台で♪」


P「お、おい!貴音!ま、待てって・・・!!」


765プロのアイドル達は、デビューからの努力もあってついに念願のAランクアイドルにまで上り詰めた。

その日はみんな大いに喜んだ。


次の日からはもう何もかもが変わっていた。

今まで手が届かなかった超有名番組への出演

ゴールデンタイムのレギュラー

海外の有名映画監督との共演


今までの仕事の内容とは比べ物にならないほど、大きな、輝いた仕事が舞い込んできた。

名前のところスレタイトル候補考えるときのままでした。申し訳にない。




目指すはSランクアイドル、トップアイドル。

そのために俺はみんなとこれまで以上に急になった階段を上る決意でいた。



いたはずなのに。



P「よし!今日は昼からレッスンだ!」


美希「・・・」


P「どうした?美希 元気がないな。もしかして眠たいのか??困るぞーそんなんじゃ」


美希「・・・なの」


P「え?」


美希「もう、レッスンなんてしたくないの!!!」


P「な、何言ってるんだ!美希!そんなこといいわけないだろ!」


美希「もう、美希たちはAランクアイドルなんだよ!?」

美希「お仕事だって毎日毎日たくさんくるし、それなのにPさんはお仕事を断ってまでレッスンって・・」

美希「美希たちのお仕事をとらないでほしいの!!」


P「・・・!!お、俺はそんなつもりじゃ・・・」


真「確かに・・Pさん おかしいですよ!昔ならどんどん仕事仕事だったのに」


雪歩「わ、私も・・・お仕事のほうが大事だと思います・・」


響「自分も、うけれる仕事があるならどんどんやりたいぞー!」


貴音「あなた様、私も、皆と同じ意見です」


やよい「私もお仕事多いほうが家系的にも助かるかなーって・・・」


真「そうですよ!やよいだって大変だし・・・それに春香たちだってそうおもうでしょ?」




春香「わ、私は・・」


千早「私は、歌うためにここにいます。歌える機会があるならば、それをみすみす逃すようなことはできません」


春香「・・・・竜宮小町のみんなも、今は真美を加えたスペシャルチームで海外で頑張ってる」

春香「私も、置いていかれたくはないです・・・」


P「・・・そうか、わかったよ・・!でも、それじゃあこれまで以上に忙しくなるからな!!覚悟しておけ!」


アイドル「「「はい!!!」」」


それでもよかった。みんな仕事に貪欲だった。

与えられた仕事はなんでもこなしていた。


しかし、Aランクアイドルというものは俺が考えていたものよりずっと重かった。





美希「納得いかないの!!!どうして雪歩が主演で、美希が脇役なの!!!」


P「脇役なんかじゃないぞ!!美希だって主役級の役だ!」


美希「全然違うの!!美希が最後には振られるライバル役だなんて、不公平なの!!」


P「キャスティングなんだから仕方ないだろ!今回はたまたま美希にその役が来ただけで・・」


雪歩「美希ちゃん・・やめようよぉ・・Pさん困ってるし・・」


美希「!!・・・いいよね!雪歩は、自分が主役だから余裕なの」


P[美希!!」


雪歩「そうだよ?今回は私が選ばれたんだから、仕方ないんじゃないかなぁ・・?」


美希「!!!!!・・・・もう美希止めた!まだまだ仕事はあるの!!こんな役は春香がお似合いだと思うなー!」


P「おい!!美希!!待てってば!!」




みんな、欲が出始めていた


事務所にいるときに、ふとテレビをつけた。


そこには海外で活躍する竜宮小町と、そこに加わった真美が映っていた。


誰かが呟いた。


「いいなぁ・・真美は」


ショックだった。ききたくなかった言葉だった。

それは竜宮小町に入りたいだとか、海外の仕事がいいだとか、そんなことではなく


俺には、律子に選ばれて、竜宮小町と共演できている真美が羨ましい。そう聞こえた。


そこにいたアイドル達の目は完全に死んでしまっていた。輝いていた。


まるで竜宮小町のファンそのものだった。

俺は咄嗟に出た言葉を叫んだ。


「お前たちだって同じ事務所の、ましてや同じランクのアイドルだぞ!!」

「何弱気になってるんだ!確かに今も昔も竜宮小町は1歩リードしてきた」

「けどそれに負けじと俺達も頑張ってここまできたじゃないか!!」

「これからは追いつくだけじゃなく追い抜く気持ちで」



「じゃあなんで私達はここで、竜宮小町は海外なんですか」

「1歩のリードがこれなんですか?それなら、目に見えて大きすぎる、遠すぎる1歩ですよ」


「・・・私は、もう今のままでもいいかなっt「違う!!!!!!!」


!!


誰がなんていったかなんてもう覚えていない。

でも、俺は叫んだ。そしてアイドル達を見た。


アイドル達は少し怯えながらも、俺からの次の言葉を待っていた。

俺は・・・


P「だ、だから!これからも頑張っていこうな!!!」



アイドル達の目は、氷のように冷たかった。


疑い、不安、呆れ、そんな感情が俺の胸を刺していた。


そのときから、俺は彼女達が怖くなった。

今にも口にして、声に出してあの言葉が飛んでくることが怖くして仕方なかった。



リツコサンニ プロデュース シテモライタカッタ


事務所屋上---------


そこから、すべてが壊れていったように思えた。

私は少し冷たい風に当たりながらあのときのことを思い出す。


Pさんが私達に向けてくる態度が変わった。

昔のような、私達を輝きの向こう側へ連れて行くといったPさんはどこにもいなかった。


ただ仕事を取ってきて指示をだす。そんな毎日。


私は、私達はそんなPさんに、・・・違う。今のこの現状に、嫌気が差してきた。



千早「春香・・?どうしたの?」


春香「!!な、なんでもないよ。千早ちゃん! え?どうして千早ちゃんがここに?」


千早「なんだか、最近Pと顔合わせにくくて・・・」


千早「仕事は、昔よりたくさんとってきてくれるのだけれど・・・」


春香「なにも、言ってくれなくなったね・・・」


千早「ええ・・」


春香「でも、私達が悪かったのかもしれない・・」


千早「え?」


春香「私達、せっかくAランクアイドルになれたのに、Sランク、トップに立ちたいって気持ちが前より薄れちゃていたのかもしれない。」


千早「・・・」


春香「それなのに、Pさんに強く当たって、我侭いって、上手くいかなかったら、仕事の、せいにして・・!」

春香「本当、もう馬鹿みたい・・・馬鹿みたいだよ私達」

春香「あんなに楽しかったはずなのに、私は今ちっとも楽しくない。・・千早ちゃんは?」



千早「私は、今まで歌が歌えればそれでよかった。なにもいらなかった」

千早「だから歌う場所を求めてここへきた」


千早「でも、今は昔みたいに歌える気がしないの。歌が、死んでしまったかのように・・とても冷たいの」


千早「春香・・!私、昔に戻りたい、私自身、事務所のみんなも、戻ってきてほしい!!」


春香「うん。。!そうだよね!!それじゃあPさんに早速話しをしにいこう!!千早ちゃん!!」


千早「ええ!」


春香「え? 営業にでかけた?」


小鳥「ええ ついさっき、真ちゃんと響ちゃんの仕事を取りに行くんだって言って・・それで」


春香「・・・いつごろ帰ってくるか、わかりますか?」


小鳥「そうねぇ・・・あ!でも今デスクにあるこの書類を今日の夕方には届けに行く仕事があるっていっていたから
   それまでには帰ってくるんじゃないかしら」


春香「ありがとうございます!それから、もう一つお願いが・・・」



後日 事務所--------


響「春香ー 大事な話があるからって呼ばれてきたんだけど、一体どうしたんだー?」


雪歩「うん・・・わざわざスケジュールを調整してまであって話さなきゃいけないことなのぉ?」


真「ぼく、今日は新しい服を買いに行こうと思ってたんだけど、、どうしてもっていうから来たけどさ」


美希「美希ももう帰りたいの 昨日のお仕事でもうくたくたって感じだし、後三日は寝ていたかったのに」


やよい「うっうー 私も・・・家の家事とかが心配だし、早く帰りたいかなーって」


貴音「して、話とは一体なんなのです?春香、千早」



春香「ねぇ、皆はさ。今でもトップアイドルになる気がある?」


響「え?」


真「トップ、アイドル・・?」


春香「うん、そう。 トップアイドル」


雪歩「そ、そんなの、私には無理ですよぉー・・・それに・・」


春香「それに?」


雪歩「・・うぅ・・」


美希「美希が言うね、美希ね。今のままでもいいかなーって思うの」

美希「美希、今でも十分きらきらできていると思うし、お仕事も楽しいしいいかなって」


貴音「私は、トップに立つことをあきらめてはいませんが、しかし現状では厳しいかと・・・」


やよい「そうですよねー・・私達がいくらがんばったって、これ以上は、伊織ちゃん達みたいにはなれないかなーって」


春香「やよい、私達は、竜宮小町になりたくてアイドルをしてきたんじゃないでしょ?」

春香「雪歩も貴音さんも、今まで無理だなんて疑ったこと、なかったじゃない・・!」

春香「美希も、さっきはああいっていたけど、全然きらきらしてないよ。格好悪い。」

春香「もちろん、私も、他のみんなも、みんなみんな格好悪いよ!!!」


真「どうしちゃったのさ春香・・・ 千早、春香どうかしちゃってるよ・・・きっと仕事で疲れて」


千早「まだ解らないの? どうかしてるのは私達よ。みんなは自分達の出た番組とか、見直したりしている?」


響「最近は。。。その。忙しくて中々」


千早「我那覇さん、最近沖縄に帰省して休暇をとっていたそうじゃない、ご家族は何か言われてた?」


響「・・・・その、前より元気ないねって。仕事で、疲れてるのかって」


千早「そうなの?」


響「・・・」


春香「千早ちゃん、・・・ねぇ今日みんなをここに呼んだのにはもう一つわけがあるんだ」


やよい「わけ?」


貴音「はて、それは一体」


ブロロロロォォォン


真「車? 誰かきたみたいだけど」


ガチャ


バン!!!!


やよい「・・・あ!」

やよい「い、伊織ちゃん!!!!!」


真「亜美!!真美!!」


響「あずさもいるぞ!ということは」


貴音「・・・はて、律子は今不在なのでしょうか?」


伊織「・・・・律子は用があって別行動よ・・・・」


やよい「うっうー!!伊織ちゃん!!お仕事から帰ってきたんだね!!ハイ!ターッ」


伊織「」ギロォ!!!


やよい「!!!!い、伊織ちゃん・・?顔、怖いよ・・?」


伊織「春香、あんたがこの前送ってくれたオーディションのDVD、見させてもらったわ」


真「え!?オーディションって前にPさんが取ってきた事務所対抗番組の?」


美希「美希的には、あの仕事はないなーって思ったの。事務所のみんなででるのに1時間番組だなんて、美希の出番が全然ないの」


伊織「だから、手を抜いたの?」


春香「伊織、私達はあの時、『全力』だったよ」


響「あ、あのときはちょっと調子が悪かっただけで・・」


貴音「響!!!・・では我々があの時に流した涙はなんだったというのですか 今の言葉は聞き捨てなりません」


真「で、でもあの時は他のチームのみんなもすごかったんだ!伊織たちだってDVDをみただろ!?だったら・・」


伊織「涙?他のチームがすごかった?番組が短い?」







伊織「馬鹿にするんじゃないわよ!!!!!!」


「「!!!」」」


伊織「見たわよDVD 目を疑ったわ。まさか数ヶ月離れた間に共にAランクまで上り詰めた仲間がDランクにまで成り下がってるなんてね!!!」


真「な、なんだと伊織!!!もう一回言ってみろ!!」


伊織「何回だっていってやるわよ!!!いい!?今のあんた達はド三流よ!!!Aランクアイドル?馬鹿にしてんじゃないわよ!」


雪歩「で、でも、確かに竜宮小町と比べられちゃったら私達なんてまだまだ駄目駄目ですけど、私達だって・・」


伊織「雪歩、あんたレッスンやってないでしょ?」


雪歩「え?」


伊織「雪歩だけじゃないわ。響に貴音、美希、真、 千早と春香はまだましな部類だったけどそれでもひどいわ」




伊織「・・・それからやよい、あんたが一番ひどい。」


やよい「う、わ、私は家の家事とかが忙しくて・・・」


伊織「ランクが上がったのに今までできていたレッスンや、ましてや仕事を休まなきゃいけないほどに家が大変なの?」


やよい「・・・そ、それは、ええっと・・」


伊織「やよい、失礼だとは思ったけど、こんなことしたくなかったけど、信じてたから。信じてたから少し探りを入れたわ。あんたの兄弟に」


やよい「!!!!!」


伊織「あんた 最近ゲームにはまってるみたいじゃない。写真見せてもらったわ。家族も携帯が持てて、あんなにたくさんのゲームも買えて
   よかったわね。前よりうんと楽になってるって聞いたわ。」



伊織「友人として・・・本当・・・嬉しいかぎりよぉ・・」ボロボロ


やよい「!!!!い、伊織ちゃん・・!!ごめんなさい!!!!!!」


やよい「みなさんも!!!ごめんなさい!!私、ずっとゲームとか、欲しかったもの買えなくて」ボロボロ

やよい「で、でも!!最近売れてきて、お金にも、余裕が出てきて、初めは兄弟達のためだったんです!!」ボロボロ

やよい「本当です!!!だけど私もやってみたくて、そしたらすんごく面白くって、やめられなくて」ボロボロ

やよい「明日、仕事だってわかってても夜までやっちゃって、それで体調壊して休んで、でもPさんは私に仕事をくれて」ボロボロ

やよい「でも!!!!またそれも!!!!私断っちゃって!!!!ゲームばっかりやって!!!学校も休んじゃって!!」ボロボロ


やよい「嫌だよ!!!こんなの!!!恥ずかしいよ!!!ごめんなさいPさん!!!!」ボロボロボロ


響「やよいだけじゃないぞ!!!!!!」

響「自分も、自分も最低なんだ!!!」


響「Pがとってきた仕事にケチばっかりつけて、手を抜いて、それなのに一回だけ臨時でやった司会の仕事が面白くて、忘れられなくて」

響「自分、ずっとお世話になってた動物番組ぬけちゃって、なれない司会の番組やって、でも上手くいかなくてすぐ止めて」

響「Pが持ってくる仕事全部が嫌に思えてやつあたりばっかりしてたんだ!!!最低なんだ!!!嫌なんだ!!」ボロボロ


貴音「響・・・あなただけではありません」

貴音「私も最低なのです。自分の欲に負け、あの方の言葉に耳を傾けず、我侭ばかりぶつけ」

貴音「なのにあの方は、そんな私に嫌気も差さずずっと話しを聞いてくれて、仕事も注意を頂いていたのに私は・・!!私は!!」ボロボロ


真「・・・僕も、可愛い衣装の仕事じゃなきゃいやだってずっと言って、やっともらえた仕事でも周りが引いてるのがすごく伝わって」

真「当然だよね・・・急にキャラ変えたし、それに、似合ってないのも解ってた」

真「僕が悪いのに、僕が決めたのに!!!!!!!Pさんのせいにして!!!!!!!!!」

真「応援してくれていたファンも大切にできなくて!!!!見限られて!!!!!!」ボロボロ


雪歩「真ちゃん!!!!私もだよぉ!!私もたまたま褒めてもらった演技が嬉しくて、演劇の仕事ばかりもらって」

雪歩「天狗になってた・・・自分しか見えてなかった・・・!!美希ちゃんにもひどいこと言っちゃって・・うぅ!」ボロボロボロ

美希「美希は、・・・今のままでもとっても楽しいよ」


伊織「・・・」


美希「でこちゃん達はいいよね、Aランクになってからすぐに海外の大きな仕事につけて」

美希「同じAランクでも全然違うの。でこちゃんたちには絶対美希の気もちなんかわかるはずない!!!」


真美「真美は、わかるよ」


美希「!!」


伊織「真美・・」


真美「真美ね、今回りっちゃんに一緒に来て仕事をしないかっていわれたとき、すんごく嬉しくてすぐおkしたんだ」

真美「それでね、それから何週間も、怖くて怖くて、不安で一晩も満足に寝れたことなんかなかったんだ」

真美「向こうにいってからも、ご飯何食べても味がしなくて、寝れないしレッスンもついていくのがやっとだし、帰りたかった」

真美「・・・やめとけばよかったって何度も思った。事務所でみんなが仲良く笑いながら仕事をしてるんだなと思うと羨ましくて仕方なかった」

真美「でも今回のライブが成功したとき、思ったんだ。真美、成長してるんだ!って」


真美「今までのことは無駄じゃなかったんだって」

真美「早くもっといっぱいレッスンして、仕事してトップアイドルにならなきゃって!」


春香「真美の言うとおりだよ」


美希「春香・・」


春香「私もくやしかった。置いていかれたきがして、また離されるんだなって」


春香「でもそうじゃないでしょ。私達もここでがんばらなきゃいけなかったんだよ」

春香「Aランクアイドルって何なの?そんなにえらいのかな?世界中のアイドルが憧れる場所なのかな?」

春香「伊織や、真美、ううん この前のオーディションであったアイドル達は今いる場所なんか見てなかったよ」

春香「もっと上を見てた。昔の私達も、もっと、もっと上を見てた」


千早「Dランク いいじゃない。そこからまた今度は本当の頂点を目指せるのならAもDも関係ないわ」


美希「美希だって、今のままじゃ本当は嫌だよ」

美希「でもPさん・・・ハニーがみんなにばっかり構って、美希には振り向いてくれないし」

美希「雪歩に主役を捕らえても、仕方ないって、いつもなら一緒に次頑張ろう!っていってくれたのに・・」


雪歩「うぅ・・ごめんなさいぃ」


美希「雪歩は何も悪くないの!でこちゃん!雪歩はね!本当に演技上手なの!・・・実力でまけちゃったから、美希はどうしようもなかったの」


伊織「そう・・さっきは悪かったはね、雪歩、頑張ってたんじゃない」


雪歩「えへへ・・・♪」


伊織「でもダンスや歌がひどいのは事実よ。・・・まったくあいつはこんなになるまで一体何をしてたのよ!」


響「Pは・・・自分達の我侭をみんな聞いてくれて、必死になって働いてくれてたんだぞ・・・」


伊織「私の知ってるあいつなら、怒鳴りつけてでもあんた達の腐った根性を叩きなおすと思うんだけど」


春香「・・・それがね」


--------------------


伊織「・・・・ますますあいつらしくないわね。でも大体わかったわ」

伊織「私達が帰ってきたからにはもう今まで通りになんかさせないんだから!覚悟しなさい!!」


亜美「いおりん、りっちゃんみたいになってるよ~!」


真美「これは将来、凄腕のプロデューサーになっちゃうかもですな!」


伊織「う、うるさいわよ!!私は永遠に究極のトップアイドルに君臨するんだから!」


真「でも、伊織たちのおかげで目が覚めたよ。その・・・・ごめん」


伊織「・・謝るくらいなら、頑張りをみせなさい!・・・ふん!」


亜美「素直じゃないですな~」

真美「いおりんからはツンデレとは違う、何かをかんじますな~」


あずさ「でも、みんな落ち着いてよかったわぁ~」ピrピrピロ


あずさ「あらあら 電話だわ。・・・・これは、律子さんから?」


伊織「ところで、あいつは今何してるのよ。アイドル全員ほったらかして営業にでもいってるの?」

伊織「みたとこ社長も小鳥もいないじゃない」


真「じつは、僕達もここしばらく顔をみてないんだ」


伊織「はぁ!?じゃあいったいどうやって仕事してきたのよ!」


美希「美希たち、我侭ばっかりいってたから仕事も固定化してて・・」


貴音「それに、毎朝あの方からめーるで今日のすけじゅーるは送られてきていたので・・・」


伊織「なんで今まで誰も疑問に思わなかったのよ・・・・」


あずさ「伊織ちゃん!!!!!!!!!」


伊織「!!ど、どうしたのよ!あずさ!いきなり大きな声を出して!」


あずさ「それが。。!Pさんが!!Pさんが!」


伊織「え・・・ちょっと!電話変わりなさい!!・・・・もしもし?律子!?伊織よ」



春香「え・・・ど、どうしたのかな」

千早「P・・・もしかして何かあったのかしら・・・」

--------------------



伊織「・・・・・・・・・・・えぇ・・分かったわ。伝えるわ・・・私もすぐいく」ガチャ ツーツー


響「お、おい伊織 Pに何かあったのか?!」


伊織「・・・何かあったのか・・ですって?」

伊織「こんの大馬鹿!!!!!!!!!!!!!!!!」


やよい「い、伊織ちゃん!!!どうしたの!?」


伊織「どうしたの!?じゃないわよ!!あ、あんた達、なんで、誰も早く気づかないのよ!!あんた達のPでしょ!!」


春香「・・・伊織、それじゃあわからないよ。教えて。Pさんに何があったの・・・」


伊織「・・・グスン・・・あいつは今、病院にいるわ」


千早「病院!?ま、まさか・・・こ、交通事故・・」


伊織「いいえ 千早。あんたが思ってることは何一つ起こってないわ。けど違う方向で最悪のことが起こっていた」


春香「最悪のこと・・?」



伊織「・・あの馬鹿、自分の体を担保に、賄賂営業を行っていたのよ!!!!!!!!!!!!」


貴音「賄賂・・・営業 あの方がそのような真似をするはずがございません!!」


伊織「じゃあ貴音、あんたは不思議に思わなかったの?あんだけ我侭に仕事をとっかえて止めての繰り返しで、その中でも
   あんた達が選べるほどの豊富な仕事がこの数ヶ月途切れてなかったことを」

伊織「まさか、Aランクアイドルだから、なんて甘い考えじゃなかったわよね?」


貴音「もちろんです。伊織。我々は一度はFからAまで上り詰めた身、Bランクのときより、Aランクの仕事量も大体は察しづいておりました。
   それに、我々の仕事に対する態度も・・」


雪歩「確かにPさんの腕はすごいけど・・こんなに毎日たくさん迷惑かけた会社や番組から仕事が来るのもおかしいと思ってました・・」

雪歩「その・・・いつもPさん、最後に物凄く怒られてましたし・・・」


伊織「春香、どこにいくつもり?」


春香「止めないで」


伊織「止めるも何も、あんたあいつがどこの病院にいるかわからないでしょ?」


春香「・・・」


伊織「はぁ・・・まったく、亜美、真美 お願いがあるんだけど」


亜美「もうやってるよ」


真美「にいちゃん、あと10分くらいで真美たちの病院に着くよ」


伊織「もしもし?新堂?1分で事務所に車を。あと双海病院まで全道路を封鎖して頂戴」


伊織「いくわよ」

双海病院---------------


亜美「・・にいちゃん いたよ」

真美「でも・・・その・・・」グスン



伊織「覚悟はしてきてるわ。みんなも、平気よね?」


春香「この中にPさんがいるんだね」


千早「生きていてくれて、本当によかった・・早く顔を見たいわ」


伊織「ほかのみんなも決意は同じみたいね。じゃあいくわよ」ガラガラガラ








ドアを開けて入ったとき、私は私の目を、世界を疑った。

だってそうでしょ?亜美と真美は確かにあいつがここにいるっていった。

ここは特別に用意してもらった特別病棟。患者は一人しかいない。

だからここにいる人物はあいつで間違いないんだ。


でも、中にいたのは。



???「やったな!みんな!!トップアイドルおめでとう!!!俺も嬉しいぞ!!!!」



虚空にむかって満面の笑みでそう語りかける、





左腕と右目を無くした男性だったのだから。


その後のことはよく覚えていない。


誰かがその場で泣き崩れ、誰かは絶叫の叫び声を上げ、誰かはまっさきに彼の元へかっけよった。


私は、話で聞いていた。が、頭では理解できていなかった。どこか聞き流していたのだろう。


目の前の光景はあまりにも現実離れしすぎていた。

ありえない。なんであいつが。今までこんなことなかったのに。順調だったのに。



誰も彼を見て怖いだとか、気持ちがわるいだなんて思わなかった。

ただひたすらに泣いていた。


その声がずっと私の中で響いていた。


その日から毎日一人ずつ彼のお見舞いに行くことになった。


後の検査でわかったことだが、あいつは薬物依存症というやつだった。


薬物依存の後遺症により痛覚を忘れ、一日のうち数分間まともに意識が戻る時間帯があるらしく、その時間を割いて

仕事のスケジュールを春香たちに送っていたらしい。


正直、一瞬でも春香たちに殺意が沸いてしまった。

でもすぐに理解した。考え付いてしまった。


ほかに悪い奴がいる。こいつをこんな風にした奴がいるんだ。


もしそいつを見つけてしまったら私は・・・・・どうなってしまうんだろうか。




【第二章に続く】

春香「払います…っ何年かかっても…必ず!!」

???「その言葉が聞きたかった」

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