【艦これ】吹雪「艦隊の名前を覚えられない提督が着任しました」 (63)

提督「雪子、建造どうだった」

吹雪「新しい艦が出ましたよ」

暁「ふふん」

提督「おお! んで、名前は?」

暁「暁よ。一人前のレディーとして扱ってよね!」

吹雪「あっ」

提督「……つき? つきこ?」

暁「え?」

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吹雪「暁ちゃん、提督はね……」

吹雪「2文字以上の名前は覚えられないの」

暁「ええっ!?」

提督「名前なんだった? もう1回言ってもらえるか?」

暁「あ・か・つ・き!」

提督「あかつき」

暁「なんだ、言えるじゃない」

提督「……なにつき?」

暁「」

提督「雪子、なんだって?」

吹雪「言っても無駄ですよね」

提督「そうだけど……努力って大事だと思うんだ」

吹雪「初期艦の私がここにきて、何日経ちました?」

提督「……5か月」

暁「ええっ!? まだ名前覚えられてないの!?」

暁「……って、さっきから雪子って言ってるのは」

吹雪「私のことです」

暁「」

提督「覚えようとしてもなぁ、忘れてしまうんだよ」

暁「れ、レディの名前くらいきちんと覚えなさいよ!」

提督「レディ?」

暁「レディよ」

提督「わかったぞ、レディ」

暁「……ん?」

暁「ちょっと待って、私の名前は暁よ?」

提督「あかつき」

暁「うん……私の名前は?」

提督「レディ」

暁「」

吹雪「ま、まあ、あだ名みたいなものだと思えば……」

暁「許されないわよ!」

提督「まあまあ、落ち着けよレディ」

暁「……」

提督「レディ?」

暁「……」

吹雪「あれ? どうしたの?」

暁「もう1回」

提督「レディ」

暁「……よーし! 許してあげるわ」

暁「これからも私のことはレディって呼んでね」

提督「おう」

吹雪「……い、いいんだ」

那珂「お仕事しゅーりょー! お疲れ様っ」

提督「おお、那珂。おかえり」

提督「遠征はどうだった?」

那珂「まあまあかなー。じゃ、ちょっとオフいただきまーす」

提督「しっかり休んでくれよ」

暁「……2文字なら覚えられるんだ」

満潮「あら、新しい子?」

提督「みっちゃん」

満潮「みっちゃんって呼ぶな」

提督「あとの2人は?」

満潮「金剛と話してるわ」

提督「ああ、炎の」

暁「炎の!?」

吹雪「第一声がバーニングラブだったので……」

暁「なんて鎮守府なの……」

二文字以下ならセーフって書けば良かったのに

提督「じゃあそろそろ休憩するか」

吹雪「そうですね。お茶でも入れましょうか?」

提督「頼む」

吹雪「はい」

提督「あ、レディはどうする? お茶菓子もあるが」

暁「いや、ちょっと見学したいから……」

満潮「レディ……また変な名前を」

提督「気に入ってくれたみたいだぞ」

満潮「」

>>16
3文字以上だな
それそれ

    ~~

提督「……今日、遠征出てたのはどの部隊だっけ」

吹雪「クマさん部隊ですね」

提督「あー」

提督「そうだ。資材貯まってるし建造するか」

吹雪「レシピはどうします?」

提督「雪子のオススメで」

吹雪「了解です」

球磨「さっくせんしゅうりょー」

提督「おお、早かったな」

球磨「そうクマ?」

三隈「帰還しました」

熊野「帰還いたしましたわ」

提督「くまりんこにクマキチ、おかえり」

熊野「はいはい。クマキチじゃなくて熊野ですわ」

三隈「人に言われると恥ずかしいですね……」

提督「あれ、クマクマは?」

球磨「阿武隈は改二実装でレベリング中クマー」

提督「そうだった」

熊野「ていうかクマスケって……熊野って言うより覚えにくいですわよ?」

提督「あだ名みたいなもんだからな」

三隈「そのうちな慣れますよ」

熊野「慣れたくないものですけどね……」

提督「でも名前覚えるのって大変だろ?」

熊野「そうですの?」

提督「じゃあお前、俺が知り合いの提督たちの群れに入っていったら見分けつくか?」

熊野「名前を呼ばれたら気づきますわ」

提督「それもそうだな……」

提督「でもな、同じような服着て同じような髪形してたらわからなくなるんだよ」

提督「名前だけ聞いたら、人間じゃないような名前のやつだっているし」

提督「そのくせ姿かたちは似てるし」

提督「それで演習とかで会っても……ああ、あの時の! なんてっことにはならねーの」

提督「……はぁ、提督って何なんだろうな」

球磨「思春期かクマ」

提督「ちげーよ」

提督「……あれ? 俺の名前ってなんだっけ?」

三隈「くまりんこに補給お願いしますねー」

提督「えっ、ちょっ」



提督「……画面の向こう側……?」

提督「忘れよう。きっと考えちゃいけないんだ」

    ~~

吹雪「新しい艦が着任しました!」

提督「さすが雪子。頑張って名前覚えてみる」

吹雪「いいですよ、そんなに無理しなくて」

吹雪「あ、どうぞ。入ってください」

鈴谷「鈴谷だよ!」

提督「制服がクマキチと似てるな」

鈴谷「へ?」

提督「で? 誰だっけ」

鈴谷「だから、私は鈴谷だよ」

提督「……カステラ!」

鈴谷「え?」

提督「今日からお前の名前はカステラだ」

鈴谷「ちょ、カステラとか意味わかんな……」

鈴谷「ハッ! 鈴しか聞いてないでしょ!」

提督「やるなコイツ」

吹雪「やりますね」

提督「そうだ。これで図鑑完成も見えてきたわけか」

吹雪「改二とかは全然ですけどね」

鈴谷「え? ここ、そんなにすごいの?」

提督「ああ。ここの艦隊はすごいぞ」

提督「特に加賀と金髪、蒼いのとホーホーあたりが錬度が高くてだな」

鈴谷「まって」

提督「なに」

鈴谷「最初の1人以外わかんないんだけど」

提督「……あ、やまもんも高いよな」

吹雪「大和さんと長門さん、混ざってますよ」

鈴谷「えっ、スルー?」

吹雪「こればっかりは慣れるしか……」

鈴谷「うひゃー……大変そう」

提督「もちろんだ!」

鈴谷「原因は提督でしょ」

提督「はい」

    ~~

雷「提督、おしごとおつかれさまっ」

電「鳳翔さんから差し入れなのです」

提督「ありがとう、かなづち」

吹雪「酷い混ざりようですね……」

提督「うめー」

電「ふふっ、伝えておきますね」

吹雪「あ、そういえばデイリーはどうですか?」

雷「いつものメンバーで回してるみたいよ」

提督「いつもの……ああ、摩耶と鬼怒と多摩とぬいとクマクマか」

電「ああー、最後だけ惜しいのです」

吹雪「ふふ」

提督「そうだ。今度から名札つけたらどうだ?」

吹雪「今更ですか?」

提督「それもそうか」

雷「それに、もう慣れてきちゃったしね」

提督「そうかー……名札、いい案だと思ったのに」

提督「というか、前もこれ提案した気がする」

吹雪「そうでしたね」

提督「ま、みんなに名札つけるのは大変だし、落ち着いてからでもいいか」

電「……おちつく」

提督「ん? どうかしたか?」

電「いえ、なんでもないのです」

雷「じゃあ私たち、もう行くわね」

提督「おー」

吹雪「……落ち着く、ですか」

提督「どうした、元気ないぞ」

吹雪「提督はどう思います?」

提督「何が?」

吹雪「この戦い。終わるんでしょうか」

提督「雨はいつか止むみたいに終わるだろ」

吹雪「そう言って、若い人はもう……」

提督「なにー? 俺がおじいちゃんだから文句あるって?」

提督「たしかに息子が死んだって聞いたときは驚いたけど……しかも代わりとかな、びっくりだよ!」

吹雪「そ、そういうわけではなくてですね」

提督「……ま、寿命が来るよりは早く終われって願っといて」

吹雪「そう……ですね」



提督(78)「さて、今日も頑張って名前を覚えようかな」



   おわり

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年08月05日 (水) 13:39:41   ID: aSJnTVvT

いい話だなー

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